JP2013145159A - センサ温度補償回路およびセンサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化に対して高次の成分を含まずに1次の温度特性を持つことができ、温度係数の調整幅が抵抗の抵抗値温度係数に依存しない温度補償回路の提供。
【解決手段】この発明は、基準電圧生成回路2と、電流源6と、センサ素子1を駆動する駆動電流を生成するセンサ駆動電流生成回路3とを備える。センサ駆動電流生成回路3は、抵抗値温度係数が異なる可変抵抗VR1、VR2を有し、この2つの可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差と電流源6の電流とによって決まる温度に依存する電圧を、基準電圧生成回路2が生成する基準電圧に加算して温度補償電圧を生成し、その温度補償電圧に依存するセンサ素子1の駆動電流を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】この発明は、基準電圧生成回路2と、電流源6と、センサ素子1を駆動する駆動電流を生成するセンサ駆動電流生成回路3とを備える。センサ駆動電流生成回路3は、抵抗値温度係数が異なる可変抵抗VR1、VR2を有し、この2つの可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差と電流源6の電流とによって決まる温度に依存する電圧を、基準電圧生成回路2が生成する基準電圧に加算して温度補償電圧を生成し、その温度補償電圧に依存するセンサ素子1の駆動電流を生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種のセンサ素子に適用されるセンサ温度補償回路、およびセンサ温度補償回路を備えたセンサ装置に関する。
従来、ホール素子などの各種のセンサ素子の感度温度特性は、そのセンサ素子を用いたセンサ装置(センサ製品)の精度を決める重要な要素となる。そのため、高精度のセンサ装置を開発する際には、温度変化に対してセンサ装置の感度を一定に保つための温度特性補償が必要となる。また、センサ装置の感度はセンサ素子ごとに温度特性がばらつき、そのばらつきに対し柔軟に調整するできることが求められる。
このような課題に対応するセンサ素子の温度補償回路として、特許文献1に記載の発明が知られている。
この温度補償回路は、図10に示すように、分圧回路7および定電流回路8を備え、これらにより4端子型のセンサ素子1を駆動するとともに、その駆動電流の温度補償を行うものである。
この温度補償回路は、図10に示すように、分圧回路7および定電流回路8を備え、これらにより4端子型のセンサ素子1を駆動するとともに、その駆動電流の温度補償を行うものである。
分圧回路7は、可変抵抗VR4、VR5および固定抵抗R6から構成され、可変抵抗VR4、VR5と固定抵抗R6とは抵抗値温度係数が異なる。そして、分圧回路7は、電源電圧VCCを分圧し、この分圧電圧VXを出力する。
定電流回路8は、オペアンプ9、MOSトランジスタTr6、および抵抗R7から構成される。そして、オペアンプ9は、抵抗R7の両端の電圧VX’を分圧回路7からの分圧電圧VXと比較し、この比較結果に応じてMOSトランジスタTr6に流れる電流を制御する。これにより、4端子型センサ素子1を駆動する電流ISを生成する。
定電流回路8は、オペアンプ9、MOSトランジスタTr6、および抵抗R7から構成される。そして、オペアンプ9は、抵抗R7の両端の電圧VX’を分圧回路7からの分圧電圧VXと比較し、この比較結果に応じてMOSトランジスタTr6に流れる電流を制御する。これにより、4端子型センサ素子1を駆動する電流ISを生成する。
分圧回路7で分圧される分圧電圧VXは、可変抵抗VR4、VR5の抵抗値の絶対値を変化させることにより、必要な温度特性に調整することができる。これにより、4端子型センサ素子1のセンサ感度を温度に対して一定に保つことができる。
ところで、特許文献1の発明では、分圧回路7が、温度特性の異なる抵抗を電源端子4と接地端子5の間に接続することにより、必要な温度特性を有する電圧VXを生成している。
この時、電圧VXの温度特性は、次の式(1)で表される。また、可変抵抗VR4、VR5を変化させたときの電圧VXの温度特性を、図11に示す。図11において、αVX(%/℃)は電圧VXの温度係数である。
VX={(VR5+R6)/(VR4+VR5+R6)}×VCC・・・(1)
式(1)、図11に示すように可変抵抗VR4、VR5を変化させることで、必要な温度特性を得ることができ、センサ素子ごとにセンサ感度温度特性の調整が可能である。
しかし、特許文献1の温度補償回路では、可変抵抗VR4、VR5、固定抵抗R6の組み合わせにより、温度変化に対し1次の温度変化ではなく、温度変化に対して2次以上の高次の変化を含む特性となる。この場合、精度の高い温度特性補償を行うために、この高次成分を消すための回路が必要となる。
この時、電圧VXの温度特性は、次の式(1)で表される。また、可変抵抗VR4、VR5を変化させたときの電圧VXの温度特性を、図11に示す。図11において、αVX(%/℃)は電圧VXの温度係数である。
VX={(VR5+R6)/(VR4+VR5+R6)}×VCC・・・(1)
式(1)、図11に示すように可変抵抗VR4、VR5を変化させることで、必要な温度特性を得ることができ、センサ素子ごとにセンサ感度温度特性の調整が可能である。
しかし、特許文献1の温度補償回路では、可変抵抗VR4、VR5、固定抵抗R6の組み合わせにより、温度変化に対し1次の温度変化ではなく、温度変化に対して2次以上の高次の変化を含む特性となる。この場合、精度の高い温度特性補償を行うために、この高次成分を消すための回路が必要となる。
また、上記の温度補償回路において、生成できる温度係数は、可変抵抗VR4、VR5、固定抵抗R6の抵抗値温度係数の差で決まる。このため、大きな温度係数を必要とする場合、電圧VXを増幅するための増幅回路が必要となり、回路規模が大きくなる。
そこで、本発明は、上記の点を鑑み、温度変化に対して高次の成分を含まずに1次の温度特性を持つことができ、温度係数の調整幅が抵抗の抵抗値温度係数に依存しない温度補償回路を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、上記の点を鑑み、温度変化に対して高次の成分を含まずに1次の温度特性を持つことができ、温度係数の調整幅が抵抗の抵抗値温度係数に依存しない温度補償回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成される。
本発明は、温度に対して一定の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、温度に対して一定の電流を流す電流源と、センサ素子を駆動する駆動電流を生成するセンサ駆動電流生成回路と、を備え、前記センサ駆動電流生成回路は、抵抗値温度係数が異なる第1の可変抵抗および第2の可変抵抗を有し、前記2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と前記電流源の電流とによって決まる温度に依存する電圧を、前記基準電圧生成回路が生成する前記基準電圧に加算して温度補償電圧を生成し、前記温度補償電圧に依存する前記センサ素子の駆動電流を生成する。
本発明は、温度に対して一定の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、温度に対して一定の電流を流す電流源と、センサ素子を駆動する駆動電流を生成するセンサ駆動電流生成回路と、を備え、前記センサ駆動電流生成回路は、抵抗値温度係数が異なる第1の可変抵抗および第2の可変抵抗を有し、前記2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と前記電流源の電流とによって決まる温度に依存する電圧を、前記基準電圧生成回路が生成する前記基準電圧に加算して温度補償電圧を生成し、前記温度補償電圧に依存する前記センサ素子の駆動電流を生成する。
また、本発明では、前記基準電圧生成回路は電源電圧に依存した電圧を出力し、前記電流源は前記電源電圧に依存した電流を流す。
さらに、本発明では、前記センサ駆動電流生成回路は、前記センサ素子の駆動電流を生成する第1のトランジスタと、前記基準電圧生成回路が生成する基準電圧を入力し、当該基準電圧により動作する第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタが生成する駆動電流に応じた電圧を入力し、当該入力電圧により動作する第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第4のトランジスタと、前記第3のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第5のトランジスタと、一端側が前記第2のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第1の可変抵抗と、一端側が前記第3のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第2の可変抵抗と、を備え、前記第1のトランジスタは、前記第3のトランジスタの出力電圧により動作する。
さらに、本発明では、前記センサ駆動電流生成回路は、前記センサ素子の駆動電流を生成する第1のトランジスタと、前記基準電圧生成回路が生成する基準電圧を入力し、当該基準電圧により動作する第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタが生成する駆動電流に応じた電圧を入力し、当該入力電圧により動作する第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第4のトランジスタと、前記第3のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第5のトランジスタと、一端側が前記第2のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第1の可変抵抗と、一端側が前記第3のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第2の可変抵抗と、を備え、前記第1のトランジスタは、前記第3のトランジスタの出力電圧により動作する。
本発明では、抵抗値温度係数が異なる2つの可変抵抗を使用し、この2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と電流源の電流とによって決まる温度依存性の電圧を、基準電圧生成回路が生成する基準電圧に加算して温度補償電圧を生成するようにした。このため、その生成電圧は、温度に対して高次成分を含まない1次の温度係数を有する電圧となる。
また、その生成電圧は、基準電圧、2つの可変抵抗、電流源が発生する電流値によって温度係数が決まる。このため、本発明では、センサ感度の温度特性の調整幅が抵抗の抵抗値温度係数によらず、センサ素子の温度特性ばらつきを柔軟に調整することができる。
また、その生成電圧は、基準電圧、2つの可変抵抗、電流源が発生する電流値によって温度係数が決まる。このため、本発明では、センサ感度の温度特性の調整幅が抵抗の抵抗値温度係数によらず、センサ素子の温度特性ばらつきを柔軟に調整することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明のセンサ温度補償回路の第1実施形態を、センサ装置に適用した回路図である。
第1実施形態に係るセンサ温度補償回路は、図1に示すように、基準電圧生成回路2と、センサ駆動電流生成回路3とを備えている。センサ駆動電流生成回路3は、4端子型センサ素子(センサ素子)1の駆動電流を生成するとともに、その駆動電流に温度特性を持たせ、これにより4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行う。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明のセンサ温度補償回路の第1実施形態を、センサ装置に適用した回路図である。
第1実施形態に係るセンサ温度補償回路は、図1に示すように、基準電圧生成回路2と、センサ駆動電流生成回路3とを備えている。センサ駆動電流生成回路3は、4端子型センサ素子(センサ素子)1の駆動電流を生成するとともに、その駆動電流に温度特性を持たせ、これにより4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行う。
4端子型センサ素子1は、感度が駆動電流に比例するものであり、例えば、図1に示すように検出素子をブリッジ回路に形成し、駆動端子11、12と出力端子13、14とを備えている。4端子型センサ素子1の駆動端子11は電源端子4に接続され、4端子型センサ素子1の駆動端子12は、NMOSトランジスタTr5のドレインと接続される。ここで、4端子型センサ素子1の具体例としては、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、および加速度センサなどが挙げられる。
基準電圧生成回路2は、バンドギャップ回路等を含み、基準電圧VAを生成する。この生成された基準電圧VAは、センサ駆動電流生成回路3のPMOSトランジスタTr1のゲートに印加される。
センサ駆動電流生成回路3は、図1に示すように、NMOSトランジスタTr5と、固定抵抗R3とを備え、NMOSトランジスタTr5が4端子型センサ素子1に駆動電流ISを流すようになっている。
センサ駆動電流生成回路3は、図1に示すように、NMOSトランジスタTr5と、固定抵抗R3とを備え、NMOSトランジスタTr5が4端子型センサ素子1に駆動電流ISを流すようになっている。
また、センサ駆動電流生成回路3は、NMOSトランジスタTr5に流れる駆動電流ISに温度特性を持たせ、4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行うために、以下の構成を採用する。
すなわち、センサ駆動電流生成回路3は、図1に示すように、2つのPMOSトランジスタTr1、Tr2と、PMOSトランジスタTr1、Tr2の能動負荷となる2つのNMOSトランジスタTr3、Tr4と、温度に対して一定の電流を流す電流源6とを備えている。また、PMOSトランジスタTr1と電流源6との間に配置される可変抵抗VR1と、PMOSトランジスタTr2と電流源6との間に配置される可変抵抗VR2とを備えている。さらに、可変抵抗VR1、VR2は、異なる抵抗値温度係数を有する。
すなわち、センサ駆動電流生成回路3は、図1に示すように、2つのPMOSトランジスタTr1、Tr2と、PMOSトランジスタTr1、Tr2の能動負荷となる2つのNMOSトランジスタTr3、Tr4と、温度に対して一定の電流を流す電流源6とを備えている。また、PMOSトランジスタTr1と電流源6との間に配置される可変抵抗VR1と、PMOSトランジスタTr2と電流源6との間に配置される可変抵抗VR2とを備えている。さらに、可変抵抗VR1、VR2は、異なる抵抗値温度係数を有する。
次に、センサ駆動電流生成回路3の具体的な構成について説明する。
NMOSトランジスタTr5のゲートは、MOSトランジスタTr2、Tr4の各ドレインに接続される。NMOSトランジスタTr5のドレインは、センサ1の駆動端子12に接続される。NMOSトランジスタTr5のソースは、PMOSトランジスタTr2のゲートに接続されるとともに、固定抵抗R3を介して接地端子5に接続される。
NMOSトランジスタTr5のゲートは、MOSトランジスタTr2、Tr4の各ドレインに接続される。NMOSトランジスタTr5のドレインは、センサ1の駆動端子12に接続される。NMOSトランジスタTr5のソースは、PMOSトランジスタTr2のゲートに接続されるとともに、固定抵抗R3を介して接地端子5に接続される。
PMOSトランジスタTr1のゲートには、基準電圧生成回路2が生成する基準電圧VAが印加される。PMOSトランジスタTr1のソースは、可変抵抗VR1の一端側に接続される。可変抵抗VR1の他端側は、電流源6を介して電源端子4にされる。
PMOSトランジスタTr2のゲートは、NMOSトランジスタTr5のソースに接続される。PMOSトランジスタTr2のソースは、可変抵抗VR2の一端側に接続される。可変抵抗VR2の他端側は、電流源6を介して電源端子4にされる。
PMOSトランジスタTr2のゲートは、NMOSトランジスタTr5のソースに接続される。PMOSトランジスタTr2のソースは、可変抵抗VR2の一端側に接続される。可変抵抗VR2の他端側は、電流源6を介して電源端子4にされる。
NMOSトランジスタTr3、Tr4は、ゲート同士が共通に接続される。NMOSトランジスタTr3のドレインは、自己のゲートおよびPMOSトランジスタTr1のドレインにそれぞれ接続される。NMOSトランジスタTr3のソースは、接地端子5に接続される。NMOSトランジスタTr4のドレインは、PMOSトランジスタTr1のドレインおよびNMOSトランジスタTr5のゲートにそれぞれ接続される。NMOSトランジスタTr4のソースは、接地端子5に接続される。
(第1実施形態の作用及び効果)
本発明は、センサ素子の駆動電流を生成するが、そのときに、基準電圧に、2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と電流源が流す電流とによって決まる温度特性を有する電圧を加算して温度補償電圧を生成し、この温度補償電圧に依存するセンサ素子の駆動電流を生成するようにした。
このような本発明を理解するために、まず、基準電圧生成回路2について説明する。
図1の基準電圧生成回路2で生成される電圧VAは、後述の温度特性に依存する電圧を加算する際の基準となる電圧である。このため、任意の値で構わない。
電源電圧、温度に依存しない電圧を基準とする場合は、バンドギャップ回路の出力等を用いることができる。また、電源電圧に依存し、温度に依存しない電圧を基準とする場合は、図2に示す基準電圧生成回路2により実現できる。
本発明は、センサ素子の駆動電流を生成するが、そのときに、基準電圧に、2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と電流源が流す電流とによって決まる温度特性を有する電圧を加算して温度補償電圧を生成し、この温度補償電圧に依存するセンサ素子の駆動電流を生成するようにした。
このような本発明を理解するために、まず、基準電圧生成回路2について説明する。
図1の基準電圧生成回路2で生成される電圧VAは、後述の温度特性に依存する電圧を加算する際の基準となる電圧である。このため、任意の値で構わない。
電源電圧、温度に依存しない電圧を基準とする場合は、バンドギャップ回路の出力等を用いることができる。また、電源電圧に依存し、温度に依存しない電圧を基準とする場合は、図2に示す基準電圧生成回路2により実現できる。
この基準電圧生成回路2は、図2に示すように、分圧抵抗R8、R9を直列に接続し、この直列回路の両端に電源電圧VCCを印加し、分圧電圧を基準の電圧VAとして出力する。このため、その電圧VAは、式(2)のようになる。
VA={R9/(R8+R9)}×VCC・・・(2)
VA={R9/(R8+R9)}×VCC・・・(2)
次に、センサ駆動電流生成回路3について、図1を参照して説明する。
センサ駆動電流生成回路3は、入力となる基準電圧生成回路2で生成した電圧VAに温度特性を加算した電圧VEを生成し、この生成した電圧VEに比例する電流を生成する回路である。以下、動作について詳細に説明する。
まず、図1おいて、基準温度T0での可変抵抗VR1、VR2の抵抗値がVR1=R、VR2=n×R( nは正の数) となる場合、PMOSトランジスタTr1、Tr2、NMOSトランジスタTr3、Tr4は、以下の条件を満たすようにサイズを決定する。
(Tr1のサイズ)×n=(Tr2のサイズ)
(Tr3のサイズ)×n=(Tr4のサイズ)
ここでは、説明を簡単にするために、n=1として説明する。
センサ駆動電流生成回路3は、入力となる基準電圧生成回路2で生成した電圧VAに温度特性を加算した電圧VEを生成し、この生成した電圧VEに比例する電流を生成する回路である。以下、動作について詳細に説明する。
まず、図1おいて、基準温度T0での可変抵抗VR1、VR2の抵抗値がVR1=R、VR2=n×R( nは正の数) となる場合、PMOSトランジスタTr1、Tr2、NMOSトランジスタTr3、Tr4は、以下の条件を満たすようにサイズを決定する。
(Tr1のサイズ)×n=(Tr2のサイズ)
(Tr3のサイズ)×n=(Tr4のサイズ)
ここでは、説明を簡単にするために、n=1として説明する。
第1実施形態では、NMOSトランジスタTr5のゲートに、PMOSトランジスタTr2とNMOSトランジスタTr4の接続点の電圧VFが印加され、これにより、NMOSトランジスタTr5は4端子センサ素子1を駆動する電流ISを生成する。
PMOSトランジスタTr1、Tr2、NMOSトランジスタTr3、Tr4、可変抵抗VR1、VR2に流れる電流は、電流源6が流す電流Idによって決まる。このため、PMOSトランジスタTr1、NMOSトランジスタTr3、可変抵抗VR1(またはPMOSトランジスタTr2、NMOSトランジスタTr4、可変抵抗VR2)に流れる電流は、0.5Idとなる。
固定抵抗R3の両端の電圧VEがPMOSトランジスタTr2のゲートに印加されるので、NMOSトランジスタTr5は負帰還がかかる動作をする。また、NMOSトランジスタTr5は、PMOSトランジスタTr2のゲートの電圧VEに依存した電流を生成する。
PMOSトランジスタTr1のソースの電圧VBは、基準電圧生成回路2が生成する電圧VAを入力とし、PMOSトランジスタTr1のゲート・ソース間電圧Vgs1によって決まり、以下の式(3)となる。
VB=VA+Vgs1・・・(3)
また、可変抵抗VR1、VR2が共通接続される点の電圧VCは、以下の式(4)となる。
VC=VB+0.5Id×VR1
=VA+Vgs1+0.5Id×VR1・・・(4)
PMOSトランジスタTr1のソースの電圧VBは、基準電圧生成回路2が生成する電圧VAを入力とし、PMOSトランジスタTr1のゲート・ソース間電圧Vgs1によって決まり、以下の式(3)となる。
VB=VA+Vgs1・・・(3)
また、可変抵抗VR1、VR2が共通接続される点の電圧VCは、以下の式(4)となる。
VC=VB+0.5Id×VR1
=VA+Vgs1+0.5Id×VR1・・・(4)
同様に考え、PMOSトランジスタTr2のソースの電圧VDと、PMOSトランジスタTr2のゲートの電圧VEとは、以下の式(5)、(6)となる。ここで、PMOSトランジスタTr2のゲート・ソース間電圧をVgs2とする。
VD=VC−0.5Id×VR2
=VA+Vgs1+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(5)
VE=VD−Vgs2
=VA+Vgs1−Vgs2+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(6)
また、PMOSトランジスタTr1、Tr2は同じサイズであり、同じ電流が流れていることより、次の式(7)が成立する。
Vgs1=Vgs2・・・(7)
VD=VC−0.5Id×VR2
=VA+Vgs1+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(5)
VE=VD−Vgs2
=VA+Vgs1−Vgs2+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(6)
また、PMOSトランジスタTr1、Tr2は同じサイズであり、同じ電流が流れていることより、次の式(7)が成立する。
Vgs1=Vgs2・・・(7)
このため、式(6)は以下の式(8)ようになる。
VE=VA+Vgs1−Vgs2+0.5Id×(VR1−VR2)
=VA+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(8)
さらに、可変抵抗VR1、VR2は温度特性を持っていることを示すため、次式(9)、(10)で置き換える。
ここで、基準温度T0での可変抵抗VR1、VR2の抵抗値が等しくVR1=VR2=Rとして、また、可変抵抗VR1の抵抗値温度係数をα1[%/℃] 、可変抵抗VR2の抵抗値温度係数をα2[%/℃] とする。
VR1(T)=R×{1+(α1/100)×(T−T0)}・・・(9)
VR2(T)=R×{1+(α2/100)×(T−T0)}・・・(10)
この時、式(8)は以下の式(11)のようになる。
VE=VA+Vgs1−Vgs2+0.5Id×(VR1−VR2)
=VA+0.5Id×(VR1−VR2)・・・(8)
さらに、可変抵抗VR1、VR2は温度特性を持っていることを示すため、次式(9)、(10)で置き換える。
ここで、基準温度T0での可変抵抗VR1、VR2の抵抗値が等しくVR1=VR2=Rとして、また、可変抵抗VR1の抵抗値温度係数をα1[%/℃] 、可変抵抗VR2の抵抗値温度係数をα2[%/℃] とする。
VR1(T)=R×{1+(α1/100)×(T−T0)}・・・(9)
VR2(T)=R×{1+(α2/100)×(T−T0)}・・・(10)
この時、式(8)は以下の式(11)のようになる。
この時、4端子型センサ素子1に流れる電流ISは、以下の式(12)となる。
さらに、上式(12)の温度係数αIS[%/℃] は、以下の式(13)となる。
ここで、固定抵抗R3の抵抗値温度係数はゼロとして扱った。固定抵抗R3の抵抗値温度係数は電流ISの温度変化に影響するため、小さいことが望ましい。しかしながら、固定抵抗R3の抵抗値温度係数は必ずしもゼロである必要はなく、電圧VEの温度特性に対して十分小さい温度係数の場合は無視できる。
図3に、固定抵抗R3の抵抗値温度係数を変化させた場合の4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度変化を示す。
図3において、α3(%/℃)は固定抵抗R3の抵抗値温度係数とする。集積回路の製造プロセスで用いられる抵抗の温度係数は、0.0002〜0.0005(%/℃)であり、無視できることがわかる。また、より高精度を目指す場合には、外付け抵抗を用いることで、抵抗値温度係数が十分に小さい抵抗を用いることができる。
図3において、α3(%/℃)は固定抵抗R3の抵抗値温度係数とする。集積回路の製造プロセスで用いられる抵抗の温度係数は、0.0002〜0.0005(%/℃)であり、無視できることがわかる。また、より高精度を目指す場合には、外付け抵抗を用いることで、抵抗値温度係数が十分に小さい抵抗を用いることができる。
α1>α2と仮定した時、式(13)で表される4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度変化を図4に示す。さらに、α1<α2と仮定した時、式(13)で表される4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度変化を図5に示す。
式(12)、(13)、図4、図5からわかることは、4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度特性は可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差に依存し、温度変化に対して高次成分を含まず直線的に変化する電流となっていることである。また、可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の組み合わせにより、温度特性の符号を容易に変化できることがわかる。
式(12)、(13)、図4、図5からわかることは、4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度特性は可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差に依存し、温度変化に対して高次成分を含まず直線的に変化する電流となっていることである。また、可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の組み合わせにより、温度特性の符号を容易に変化できることがわかる。
また、抵抗の温度特性は製造プロセスによって制限されることが多いが、第1実施形態では、基準電圧VAまたは電流源の電流Id、または、可変抵抗VR1、VR2の基準温度T0での抵抗値Rを変化させることにより、4端子型センサ素子の駆動電流ISと温度係数αISを変化させることができ、抵抗値温度係数の制限を受けずに調整することができる。
次に、基準電圧生成回路2が生成する基準電圧VAと電流源6の電流Idは任意の値で構わないが、式(14)、(15)に示すような電源電圧に依存した基準電圧VAと電流源の電流Idを用いたときの効果について説明する。
VA=A×VCC・・・(14)
Id=B×VCC・・・(15)
式(14)は、図2の基準電圧生成回路2を用いることで実現できる。また、式(15)は、図6の基準電圧生成回路2を用いることで実現できる。
VA=A×VCC・・・(14)
Id=B×VCC・・・(15)
式(14)は、図2の基準電圧生成回路2を用いることで実現できる。また、式(15)は、図6の基準電圧生成回路2を用いることで実現できる。
図6の基準電圧生成回路2は、図示のように、PMOSトランジスタTr12と、オペアンプ9と、抵抗R10〜R12とを備えている。
PMOSトランジスタTr12のソースは、抵抗R12を介して電源端子4に接続される。オペアンプ9の非反転入力端子(+)には電源電圧VCCを抵抗R10、R11で分圧する電圧VHが印加され、オペアンプ9の反転入力端子(−)にはPMOSトランジスタTr12のソースに接続され、オペアンプ9の出力端子はPMOSトランジスタTr12のゲートに接続される。
PMOSトランジスタTr12のソースは、抵抗R12を介して電源端子4に接続される。オペアンプ9の非反転入力端子(+)には電源電圧VCCを抵抗R10、R11で分圧する電圧VHが印加され、オペアンプ9の反転入力端子(−)にはPMOSトランジスタTr12のソースに接続され、オペアンプ9の出力端子はPMOSトランジスタTr12のゲートに接続される。
ここで説明を簡単にするため、図2、図6で生成される電圧、電流は式(14)、(15)を用いて行う。
このとき、4端子型センサ素子1の駆動電流ISは、式(12)より次式(16)のようになる。
このとき、4端子型センサ素子1の駆動電流ISは、式(12)より次式(16)のようになる。
また、温度係数αISは式(13)より、以下の式(17)のようになる。
式(16)、式(17)からわかることは、電源電圧に依存した基準電圧VAと電流源の電流Idを用いた時、4 端子型センサ1の駆動電流ISは電源電圧に依存して変化するが、温度係数αISは、電源電圧に依存せず一定である。これは、4端子型センサ素子1の感度を電源電圧に依存して変化させながら、温度補償が可能であるということ示している。
(第1実施形態の変形例)
(1)第1変形例
第1変形例は、図1の第1実施形態の構成を基本にし、図1のPMOSトランジスタTr1、Tr2をPNP型のトランジスタに置き換え、同様にNMOSトランジスタTr3、Tr4、Tr5をNPN型のトランジスタに置き換えたものである。
このように置き換えた第1変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)第1変形例
第1変形例は、図1の第1実施形態の構成を基本にし、図1のPMOSトランジスタTr1、Tr2をPNP型のトランジスタに置き換え、同様にNMOSトランジスタTr3、Tr4、Tr5をNPN型のトランジスタに置き換えたものである。
このように置き換えた第1変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)第2変形例
第2変形例は、図7に示すように、第1実施形態の構成を基本にし、さらに、PMOSトランジスタTr2とNMOSトランジスタTr4の出力電圧VFを増幅する増幅回路10を追加した。そして、増幅回路10でその出力電圧VFをM倍に増幅し、この増幅した電圧VGをNMOSトランジスタTr5のゲートに印加するようにした。
このように増幅回路10を追加した第2変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2変形例は、図7に示すように、第1実施形態の構成を基本にし、さらに、PMOSトランジスタTr2とNMOSトランジスタTr4の出力電圧VFを増幅する増幅回路10を追加した。そして、増幅回路10でその出力電圧VFをM倍に増幅し、この増幅した電圧VGをNMOSトランジスタTr5のゲートに印加するようにした。
このように増幅回路10を追加した第2変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態の構成)
図8は、本発明のセンサ温度補償回路の第2実施形態を、センサ装置に適用した回路図である。
第2実施形態に係るセンサ温度補償回路は、図8に示すように、基準電圧生成回路2と、センサ駆動電流生成回路3Aとを備えている。センサ駆動電流生成回路3Aは、4端子型センサ素子1の駆動電流を生成するとともに、その駆動電流に温度特性を持たせ、これにより4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行う。
ここで、第2実施形態は、図1に示す第1実施形態のセンサ駆動電流生成回路3を、図8に示すセンサ駆動電流生成回路3Aに置き換えたものである。このため、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明はできるだけ省略するとともに、重複する説明は省略する。
図8は、本発明のセンサ温度補償回路の第2実施形態を、センサ装置に適用した回路図である。
第2実施形態に係るセンサ温度補償回路は、図8に示すように、基準電圧生成回路2と、センサ駆動電流生成回路3Aとを備えている。センサ駆動電流生成回路3Aは、4端子型センサ素子1の駆動電流を生成するとともに、その駆動電流に温度特性を持たせ、これにより4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行う。
ここで、第2実施形態は、図1に示す第1実施形態のセンサ駆動電流生成回路3を、図8に示すセンサ駆動電流生成回路3Aに置き換えたものである。このため、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明はできるだけ省略するとともに、重複する説明は省略する。
センサ駆動電流生成回路3Aは、図8に示すように、PMOSトランジスタTr11と、固定抵抗R3とを備え、PMOSトランジスタTr11が4端子型センサ素子1に駆動電流ISを流すようになっている。
また、センサ駆動電流生成回路3Aは、PMOSトランジスタTr11に流れる駆動電流ISに温度特性を持たせ、4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行うために、以下の構成を採用する。
また、センサ駆動電流生成回路3Aは、PMOSトランジスタTr11に流れる駆動電流ISに温度特性を持たせ、4端子型センサ素子1の感度の温度補償を行うために、以下の構成を採用する。
すなわち、センサ駆動電流生成回路3Aは、図8に示すように、2つのNMOSトランジスタTr7、Tr8と、NMOSトランジスタTr7、Tr8の能動負荷となる2つのPMOSトランジスタTr9、温度に対して一定の電流を流す電流源6とを備えている。また、NMOSトランジスタTr7と電流源6との間に配置される可変抵抗VR1と、NMOSトランジスタTr8と電流源6との間に配置される可変抵抗VR2とを備えている。さらに、可変抵抗VR1、VR2は、異なる抵抗値温度係数を有する。
次に、センサ駆動電流生成回路3Aの具体的な構成について説明する。
PMOSトランジスタTr11のゲートは、MOSトランジスタTr8、Tr10の各ドレインに接続される。PMOSトランジスタTr11のドレインは、センサ1の駆動端子11に接続される。PMOSトランジスタTr11のソースは、NMOSトランジスタTr8のゲートに接続され、かつ固定抵抗R3を介して電源端子4に接続される。
PMOSトランジスタTr11のゲートは、MOSトランジスタTr8、Tr10の各ドレインに接続される。PMOSトランジスタTr11のドレインは、センサ1の駆動端子11に接続される。PMOSトランジスタTr11のソースは、NMOSトランジスタTr8のゲートに接続され、かつ固定抵抗R3を介して電源端子4に接続される。
NMOSトランジスタTr7のゲートには、基準電圧生成回路2が生成する基準電圧VAが印加される。NMOSトランジスタTr7のソースは、可変抵抗VR1の一端側に接続される。可変抵抗VR1の他端側は、電流源6を介して接地端子5に接続される。
NMOSトランジスタTr8のゲートは、PMOSトランジスタTr11のソースに接続される。NMOSトランジスタTr8のソースは、可変抵抗VR2の一端側に接続される。可変抵抗VR2の他端側は、電流源6を介して接地端子5に接続される。
NMOSトランジスタTr8のゲートは、PMOSトランジスタTr11のソースに接続される。NMOSトランジスタTr8のソースは、可変抵抗VR2の一端側に接続される。可変抵抗VR2の他端側は、電流源6を介して接地端子5に接続される。
PMOSトランジスタTr9、Tr10は、ゲート同士が共通に接続される。PMOSトランジスタTr9のドレインは、自己のゲートおよびNMOSトランジスタTr7のドレインにそれぞれ接続される。PMOSトランジスタTr9のソースは、電源端子4に接続される。PMOSトランジスタTr10のドレインは、NMOSトランジスタTr8のドレインおよびPMOSトランジスタTr11のゲートにそれぞれ接続される。PMOSトランジスタTr10のソースは、電源端子4に接続される。
(第2実施形態の作用及び効果)
次に、第2実施形態で得られる作用、効果について以下に説明する。ここで、基準電圧生成回路は、第1実施形態の場合と同じであるので省略する。
まず、センサ駆動電流生成回路3Aについて、図8を参照して説明する。
センサ駆動電流生成回路3Aは、入力となる基準電圧生成回路2で生成した電圧VAに温度特性を加算した電圧VEを生成し、この生成した電圧VEに比例する電流を生成する回路である。以下、動作について詳細に説明する。
次に、第2実施形態で得られる作用、効果について以下に説明する。ここで、基準電圧生成回路は、第1実施形態の場合と同じであるので省略する。
まず、センサ駆動電流生成回路3Aについて、図8を参照して説明する。
センサ駆動電流生成回路3Aは、入力となる基準電圧生成回路2で生成した電圧VAに温度特性を加算した電圧VEを生成し、この生成した電圧VEに比例する電流を生成する回路である。以下、動作について詳細に説明する。
まず、図8おいて、基準温度T0での可変抵抗VR1、VR2の抵抗値がVR1=R、VR2=n×R( nは正の数) となる場合、NMOSトランジスタTr7、Tr8、PMOSトランジスタTr9、Tr10は、以下の条件を満たすようにサイズを決定する。
(Tr7のサイズ)×n=(Tr8のサイズ)
(Tr9のサイズ)×n=(Tr10のサイズ)
ここでは、説明を簡単にするため、n=1として説明する。
(Tr7のサイズ)×n=(Tr8のサイズ)
(Tr9のサイズ)×n=(Tr10のサイズ)
ここでは、説明を簡単にするため、n=1として説明する。
第2実施形態では、PMOSトランジスタTr11のゲートに、NMOSトランジスタTr8とPMOSトランジスタTr10の接続点の電圧VFが印加され、これにより、PMOSトランジスタTr11は4端子センサ素子1を駆動する電流ISを生成する。
NMOSトランジスタTr7、Tr8、PMOSトランジスタTr9、Tr10、可変抵抗VR1、VR2に流れる電流は、電流源6が流す電流Idによって決まる。このため、NMOSトランジスタTr7、PMOSトランジスタTr9、可変抵抗VR1(またはNMOSトランジスタTr8、PMOSトランジスタTr10、可変抵抗VR2)に流れる電流は、0.5Idとなる。
NMOSトランジスタTr7、Tr8、PMOSトランジスタTr9、Tr10、可変抵抗VR1、VR2に流れる電流は、電流源6が流す電流Idによって決まる。このため、NMOSトランジスタTr7、PMOSトランジスタTr9、可変抵抗VR1(またはNMOSトランジスタTr8、PMOSトランジスタTr10、可変抵抗VR2)に流れる電流は、0.5Idとなる。
固定抵抗R3の両端の電圧VEがNMOSトランジスタTr8のゲートに印加されるので、PMOSトランジスタTr11は負帰還がかかる動作をする。また、PMOSトランジスタTr11は、NMOSトランジスタTr8のゲートの電圧VEに依存した電流を生成する。
NMOSトランジスタTr7のソースの電圧VBは、基準電圧生成回路2が生成する電圧VAを入力とし、NMOSトランジスタTr7のゲート・ソース間電圧Vgs7によって決まり、以下の式(18)となる。
VB=VA−Vgs7・・・(18)
また、可変抵抗VR1、VR2が共通接続される点の電圧VCは、以下の式(19)となる。
VC=VB−0.5Id×VR1
=VA−Vgs7−0.5Id×VR1・・・(19)
NMOSトランジスタTr7のソースの電圧VBは、基準電圧生成回路2が生成する電圧VAを入力とし、NMOSトランジスタTr7のゲート・ソース間電圧Vgs7によって決まり、以下の式(18)となる。
VB=VA−Vgs7・・・(18)
また、可変抵抗VR1、VR2が共通接続される点の電圧VCは、以下の式(19)となる。
VC=VB−0.5Id×VR1
=VA−Vgs7−0.5Id×VR1・・・(19)
同様に考え、NMOSトランジスタTr8のソースの電圧VDと、NMOSトランジスタTr8のゲートの電圧VEとは、以下の式(20)、(21)となる。ここで、NMOSトランジスタTr8のゲート・ソース間電圧をVgs8とする。
VD=VC+0.5Id×VR2
=VA−Vgs7+0.5Id×(−VR1+VR2)・・・(20)
VE=VD+Vgs8
=VA−Vgs7+Vgs8+0.5Id×(−VR1+VR2)・・(21)
VD=VC+0.5Id×VR2
=VA−Vgs7+0.5Id×(−VR1+VR2)・・・(20)
VE=VD+Vgs8
=VA−Vgs7+Vgs8+0.5Id×(−VR1+VR2)・・(21)
また、NMOSトランジスタTr7、Tr8は同じサイズであり、同じ電流が流れていることより、次の式(22)が成立する。
Vgs7=Vgs8・・・(22)
このため、式(21)は以下の式(23)のようになる。
VE=VA−Vgs7+Vgs8+0.5Id×(−VR1+VR2)
=VA+0.5Id×(−VR1+VR2)・・・(23)
さらに、可変抵抗VR1、VR2は抵抗値温度特性を持っていることを示すため、式(9)、(10)を用いて、式(23)は次の式(24)となる。
Vgs7=Vgs8・・・(22)
このため、式(21)は以下の式(23)のようになる。
VE=VA−Vgs7+Vgs8+0.5Id×(−VR1+VR2)
=VA+0.5Id×(−VR1+VR2)・・・(23)
さらに、可変抵抗VR1、VR2は抵抗値温度特性を持っていることを示すため、式(9)、(10)を用いて、式(23)は次の式(24)となる。
この時、4端子型センサ素子1に流れる電流は、式(25)となる。
さらに、上式(25)の温度係数αIS[%/℃] は、次式(26)で表される。
ここで、固定抵抗R3の抵抗値温度係数はゼロとして扱った。固定抵抗R3の抵抗値温度係数による影響は、図1の第1実施形態の場合と同じである。
式(25)、(26)からわかることは、第1実施形態と同様に、4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度特性は可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差に依存し、温度変化に対して高次成分を含まず直線的に変化する電流となっていることである。また、可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の組み合わせにより、温度特性の符号を容易に変化できることがわかる。
式(25)、(26)からわかることは、第1実施形態と同様に、4端子型センサ素子1の駆動電流ISの温度特性は可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の差に依存し、温度変化に対して高次成分を含まず直線的に変化する電流となっていることである。また、可変抵抗VR1、VR2の抵抗値温度係数の組み合わせにより、温度特性の符号を容易に変化できることがわかる。
また、抵抗の温度特性は製造プロセスによって制限されることが多いが、第2実施形態では、基準電圧VAまたは電流源の電流Id、または、可変抵抗VR1、VR2の基準温度T0での抵抗値Rを変化させることにより4端子型センサ素子の駆動電流ISと温度係数αISを変化させることができ、抵抗値温度係数の制限を受けずに調整することができる。
さらに、第1実施形態と同様に電源電圧に依存した基準電圧VAと電流源の電流Idを用いた時、4端子型センサ素子1の駆動電流ISは電源電圧に依存して変化するが、温度係数αISは、電源電圧に依存せず一定である。これは、4端子型センサ素子1の感度を電源電圧に依存して変化させながら、温度補償が可能である。
(第2実施形態の変形例)
(1)第1変形例
第1変形例は、図8の第2実施形態の構成を基本にし、図8のNMOSトランジスタTr7、Tr8をNPN型のトランジスタに置き換え、同様にPMOSトランジスタTr9、Tr10、Tr11をPNP型のトランジスタに置き換えたものである。
このように置き換えた第1変形例によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)第1変形例
第1変形例は、図8の第2実施形態の構成を基本にし、図8のNMOSトランジスタTr7、Tr8をNPN型のトランジスタに置き換え、同様にPMOSトランジスタTr9、Tr10、Tr11をPNP型のトランジスタに置き換えたものである。
このように置き換えた第1変形例によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)第2変形例
第2変形例は、図9に示すように、第2実施形態の構成を基本にし、さらに、NMOSトランジスタTr8とPMOSトランジスタTr10との出力電圧VFを増幅する増幅回路10を追加した。そして、増幅回路10でその出力電圧VFをM倍に増幅し、この増幅した電圧VGをPMOSトランジスタTr11のゲートに印加するようにした。
このように増幅回路10を追加した第2変形例によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2変形例は、図9に示すように、第2実施形態の構成を基本にし、さらに、NMOSトランジスタTr8とPMOSトランジスタTr10との出力電圧VFを増幅する増幅回路10を追加した。そして、増幅回路10でその出力電圧VFをM倍に増幅し、この増幅した電圧VGをPMOSトランジスタTr11のゲートに印加するようにした。
このように増幅回路10を追加した第2変形例によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、および加速度センサなどを含む各種のセンサ装置に適用することができる。
1・・・4端子型センサ素子(センサ素子)
2・・・ 基準電圧生成回路
3、3A・・・センサ駆動電流生成回路
4・・・電源端子
5・・・接地端子
6・・・電流源
7・・・分圧回路
9、10・・・増幅回路
VR1、VR2・・・可変抵抗
R3・・・固定抵抗
Tr1、Tr2、Tr9〜Tr12・・・PMOSトランジスタ
Tr3〜Tr8・・・NMOSトランジスタ
2・・・ 基準電圧生成回路
3、3A・・・センサ駆動電流生成回路
4・・・電源端子
5・・・接地端子
6・・・電流源
7・・・分圧回路
9、10・・・増幅回路
VR1、VR2・・・可変抵抗
R3・・・固定抵抗
Tr1、Tr2、Tr9〜Tr12・・・PMOSトランジスタ
Tr3〜Tr8・・・NMOSトランジスタ
Claims (5)
- 温度に対して一定の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
温度に対して一定の電流を流す電流源と、
センサ素子を駆動する駆動電流を生成するセンサ駆動電流生成回路と、
を備え、
前記センサ駆動電流生成回路は、
抵抗値温度係数が異なる第1の可変抵抗および第2の可変抵抗を有し、
前記2つの可変抵抗の抵抗値温度係数の差と前記電流源の電流とによって決まる温度に依存する電圧を、前記基準電圧生成回路が生成する前記基準電圧に加算して温度補償電圧を生成し、前記温度補償電圧に依存する前記センサ素子の駆動電流を生成することを特徴とするセンサ温度補償回路。 - 前記基準電圧生成回路は電源電圧に依存した電圧を出力し、前記電流源は前記電源電圧に依存した電流を流すことを特徴とする請求項1に記載のセンサ温度補償回路。
- 前記センサ駆動電流生成回路は、
前記センサ素子の駆動電流を生成する第1のトランジスタと、
前記基準電圧生成回路が生成する基準電圧を入力し、当該基準電圧により動作する第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタが生成する駆動電流に応じた電圧を入力し、当該入力電圧により動作する第3のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第4のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの出力経路上の一端側に負荷として接続される第5のトランジスタと、
一端側が前記第2のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第1の可変抵抗と、
一端側が前記第3のトランジスタの出力経路上の他端側と接続され、他端側が前記電流源と接続される第2の可変抵抗と、
を備え、
前記第1のトランジスタは、前記第3のトランジスタの出力電圧により動作することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ温度補償回路。 - 請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のセンサ温度補償回路と、
前記センサ温度補償回路により駆動されるセンサ素子と、
を備えることを特徴とするセンサ装置。 - 前記センサ素子は、4端子型のセンサ素子であって、ホール素子、磁気抵抗素子、ひずみセンサ、圧力センサ、加速度センサのうちの何れか1つであることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
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Cited By (1)
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CN107390761A (zh) * | 2017-07-31 | 2017-11-24 | 南京邮电大学 | 一种cmos集成霍尔传感器温度补偿电路 |
-
2012
- 2012-01-13 JP JP2012005328A patent/JP2013145159A/ja active Pending
Cited By (1)
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