JP2013142769A - 顕微鏡システム、オートフォーカスプログラムおよびオートフォーカス方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被写体を載置するステージと顕微鏡の結像光学系を相対的に移動させながら、結像光学系を介して被写体を所定の時間間隔で撮像し、撮像した観察画像のコントラストの高低を示すコントラスト値を算出し、撮像した複数の観察画像のうち算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像を検出し、観察画像が撮像されると、ステージと結像光学系の相対位置を検出し、検出した最大コントラスト画像に対応する検出した相対位置を、相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行い、補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスする。
【選択図】図4
Description
(1)AFを開始すると、AFを開始したZ位置から一定距離Wstart(m)だけステージをNear側へ移動させる。
(4)Wback(m)だけ移動が終了したらFineスキャンを開始し、一定の走査範囲Wfine(m)だけステージをFar側へ動かす。この間、ステージは一定のサンプリングピッチで送りながら画像を取得してコントラスト演算を行う。そして、画像を取得した後にステージのZ座標を読み出し、そのZ座標を画像の取得位置として登録する(図13中の丸印で示した点)。なお、Fineスキャンのサンプリングピッチは、Roughスキャンのサンプリングピッチよりも小さい。
(6)コントラストピーク座標への移動が終了したらAF処理を終了する。
そこで、高速にAF処理を実行するため、画像を取得する際、ステージを止めずに撮像することが考えられる。この手法を上記AFシーケンスに適用すると以下のようになる。
(1)図13と同様、AFを開始すると、AFを開始したZ位置から一定距離Wstart(m)だけステージをNear側へ移動させる。
このとき、図13ではRoughスキャンで見つけたコントラストピーク位置を越えたところからFineスキャンを開始できるが、画像を取得した本当の位置とのずれが大きい場合には、Fineスキャンの開始点が本当のコントラストピークよりも手前になってしまう。
図14の場合では、本当の合焦位置よりもコントラスト値が低い場所がコントラストピーク座標となっているため、最終的なAF終了位置は偽合焦位置となってしまう。
また、AF速度を高速化するためにステージを動かしながらコントラストAFを行う方法では、合焦位置を正確に定めることができない、という問題点があった。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の顕微鏡システムは、顕微鏡における観察画像のフォーカスを行う顕微鏡システムであって、被写体を載置するステージと前記顕微鏡の結像光学系を相対的に移動させながら、前記結像光学系を介して前記被写体を所定の時間間隔で撮像する撮像手段と、前記撮像した観察画像のコントラストの高低を示すコントラスト値を算出するコントラスト値算出手段と、前記撮像した複数の観察画像のうち前記算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像の検出を行う最大コントラスト画像検出手段と、前記観察画像が撮像されると、前記ステージと前記結像光学系の相対位置を検出する相対位置検出手段と、前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行う位置補正手段と、前記補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスするオートフォーカス手段とを備えることを特徴とする。
上述したように、AFを高速化するには、ステージを止めずにAFを行えばよいが、その場合には、撮像終了信号を受信した後にZ位置情報を取得することになる。その結果、画像に登録されたZ位置情報は、画像を取得した時からZ位置情報を取得するまでの間にステージが移動した分だけずれた情報となる。このずれ量は、ステージの移動速度が速いほど大きくなり、合焦位置が正確に定まらないという問題が生じる。これは、画像を取得してからステージのZ座標を取得するまでの時間差にステージ移動速度をかけた分だけ、画像を取得した本当のZ座標との間にずれが生じるためである。
図1において、(1)時刻t1で画像を取得し、(2)時刻t2でステージ位置を取得する。そして、上記(2)の時刻t2で取得したステージ位置を上記(1)の時刻t1で取得した画像のZ位置として登録する。そのため、画像を取得したときのZ位置と、CPUがZ位置を取得したときのステージのZ位置とが、時刻t2と時刻t1の時間差分ずれることになる。これは、合焦位置においてもずれることになるので、合焦位置とのずれ量は下記の式1で表される。
ここで、vは、ステージの移動速度である。
上記式1より、合焦位置とのずれ量はステージ移動速度に比例して大きくなることが分かる。
合焦位置とのずれ量 ΔZ(m)=(t2−t1)(s)×v(m/s)+ΔZSmpl(m) ・・・・・式2
図2は、本発明の第1または第2の実施の形態によるAF機構を有する顕微鏡システムの構成例を示す図である。
また、PC21は、コントラスト演算処理部15、主制御部16、記憶装置17、本発明を実現するオートフォーカスプログラムを記憶するプログラム記憶媒体18を備える。
カメラ24は、被写体としての標本23を載置するステージ2と前記顕微鏡の結像光学系部8を相対的に移動させながら、前記結像光学系部8を介して前記標本23を所定の時間間隔で撮像する。
主制御部16は、前記撮像した複数の観察画像のうち前記算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像の検出を行う。また、主制御部16は、前記観察画像が撮像されると、前記ステージ2と前記結像光学系部8の相対位置を検出する。さらに、主制御部16は、前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行い、前記補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスする。
図3および図4は、本発明の第1の実施の形態によるAF処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、本発明の第1の実施の形態によるAFシーケンスを説明するための図である。
ここで、Pは画像サンプリング数である。また、Wscan/Pは、AFスキャン範囲Wscan(m)を画像サンプリング数Pで割ることにより、1サンプリング間の距離を表わす。なお、ステージ移動速度vは、予め定められた一致の速度でもよい。
次に、ステップS109において、AF処理を実行する。このAF処理の詳細は、図4を用いて説明する。
未だ到達していない場合(ステップS002:No)、ステップS003において、ステージ2を移動させたまま主制御部16にて撮像素子制御部10を操作し、一定間隔で撮像を行って画像を取得する。取得した画像は画像番号index_[i]とし、画像を取得した時刻をt1_[i]として記憶装置17に記憶させる。
そして、ef_[i]が過去最大の値ならば(ステップS006:Yes)、ステップS007において、コントラストピーク値ef_peak、ピークZ座標Z_peak(m)、ピーク画像取得時刻t1_peak、ピークZ座標取得時刻t2_peakを更新し、ステップS008において、インデックス番号iを1インクリメントする。他方、ステップS006でef_[i]が過去最大値でなければ(ステップS006:No)、ステップS008に移動する。
上記の式4において、ピークZ座標取得時刻t2_peakからピーク画像取得時刻t1_peakを引いた値(t2_peak−t1_peak)は、画像を取得してからステージ位置を取得するまでの時間差を表しており、その値にステージ移動速度v(m/s)をかけることで、画像取得位置からステージ位置を取得した位置までの距離が算出される。そして、その距離分、ピークZ座標Z_peak(m)をNear側に移動させることで、正確な合焦位置を算出することができる。
(第2の実施の形態)
図6、図7および図8は、本発明の第2の実施の形態によるAF処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、本発明の第2の実施の形態によるAFシーケンスを説明するための図である。
ここで、ProughはRoughスキャンの画像サンプリング数である。また、Wrough/Proughは、Roughスキャン範囲Wrough(m)をRoughスキャンの画像サンプリング数Proughで割ることにより、1サンプリング間の距離を表わす。
まず、図7のステップS301でRoughスキャン処理が開始されると、ステップS302において、Roughスキャン終了位置Z_rend(m)の値をAFスキャン終了位置Z_end(m)にコピーする。
次に、図6のステップS209において、ピークZ座標を見つけた時にステージ2が移動していた方向と反対方向(この場合はNear方向)へ、以下のようにピークZ座標をずらす補正処理をし、補正したピークZ座標を下記式6のようにZ_rpeak(m)とする(図9:(4))。
上記の式6において、ピークZ座標取得時刻t2_peakからピーク画像取得時刻t1_peakを引いた値(t2_peak−t1_peak)は、画像を取得してからステージ位置を取得するまでの時間差を表しており、その値にステージ移動速度v_rough(m/s)をかけることで、画像取得位置からステージ位置を取得した位置までの距離が算出される。そして、その距離分、ピークZ座標Z_rpeak(m)をNear側に移動させることで、正確な合焦位置を算出することができる。
Roughスキャン1フレーム分だけNear側に移動することにより、Roughスキャンのフレーム間で取りこぼした可能性のあるコントラストピークを、Fineスキャンで詳細に調べることができる。
そして、ステップS213において、Fineスキャン開始位置に到達後、下記の式8によりステージ移動速度v_fine(m/s)を算出する。
ここで、PfineはFineスキャン画像のサンプリング数である。また、Wfine/Pfineは、Fineスキャン範囲Wfine(m)をFineスキャン画像のサンプリング数Pfineで割ることにより、1サンプリング間の距離を表わす。
まず、図8のステップS401でFineスキャン処理が開始されると、ステップS402において、Fineスキャン終了位置Z_fend(m)の値をAFスキャン終了位置Z_end(m)にコピーする。
次に、図6のステップS215において、Fineスキャンで見つけたピークZ位置Z_peak(m)の値を、最終Z位置Z_final(m)にコピーする。
次に、上記第2の実施の形態の変形例1について説明する。
本変形例は、上述の第2の実施の形態を説明するために用いた図6のステップS214のFineスキャン処理が終了した後、後述するステップS218およびステップS219の処理を加える例である。上記第2の実施の形態におけるFineスキャンでは、ステージ2はRoughスキャンに比べてゆっくりと動かしているため、画像を取得した時のステージ位置と、Z座標を取得したときのステージ位置とのずれは少ない。しかしながら、ステップS218およびステップS219の処理を加えることにより、より高精度に合焦位置を定めることができる。
上記の式9において、ピークZ座標取得時刻t2_peakからピーク画像取得時刻t1_peakを引いた値(t2_peak−t1_peak)は、画像を取得してからステージ位置を取得するまでの時間差を表しており、その値にステージ移動速度v_fine(m/s)をかけることで、画像取得位置からステージ位置を取得した位置までの距離が算出される。そして、その距離分、ピークZ座標Z_peak(m)をNear側に移動させることで、正確な合焦位置を算出することができる。
ステップS219の後は、第2の実施の形態と同様、ステップS216において、ステージ2をZ_final(m)の位置へ移動させて(図9:(6)−>(7))、ステップS217において、AFを終了する(図9:(7))。
次に、上記第2の実施の形態の変形例2について説明する。
上述した第2の実施の形態における、ステップS214のFineスキャン処理中で行うAF処理(図8中のステップS404)においては、特許文献1で開示された技術と同様にステージ2をピッチ送りでAF処理を行ってもよい。すなわち、ステージ2をステージ移動速度v_fineでFar側へ送り、画像を撮影するときにいったんステージ2を止め、撮像信号受信後にステージ位置を取得するといったAF動作になる。
図10は、本発明のその他の変形例1によるAF機構を有する顕微鏡システムの構成例を示す図である。
図11は、本発明のその他の変形例2によるAF機構を有する顕微鏡システムの構成例を示す図である。
下記の定数は、対物レンズ6の倍率ごとに異なる値を持つことができる。また、顕微鏡本体の投光管14やカメラ24の構造に光学ズーム機構を備えている場合には、対物レンズ6の倍率と光学ズームの倍率を掛け合わせた総合倍率に応じて異なる値を持つことができる。そして、そのような異なる値を持つ場合には、記憶装置17から対物レンズ6の倍率や総合倍率に応じた値を読み出すことができる。
Near方向とFar方向の向きを逆にしてもよい。ステージ2を動かしてAFを行う場合、対物レンズ6に近づく方向がFar側、遠ざかる方向がNear側となる。他方、投光管14を動かしてAFを行う場合には、ステージ2に近づく方向がFar側、遠ざかる方向がNear側となる。
図12は、本発明のその他の変形例5によるAF処理の流れを示すフローチャートである。
すなわち、図4のステップS008の処理の後、ステップS010において、コントラスト演算値ef_[i]が、コントラストピーク値ef_peakの半分を下回ったかどうかを判定する。判定が真であれば(ステップS010:Yes)、ステップS009において、AF処理を終了して呼び出し元に戻る。他方、判定が偽であれば(ステップS010:No)、ステップS002の処理に進む。ステップS002以降の処理は、図4と同様である。
2 ステージ
3 モータ
4 ステージ支持部
5 モータ制御部
6 対物レンズ
7 ハーフミラー
8 結像光学系部
9 撮像素子
10 撮像素子制御部
11 A/D変換部
12 光源
13 光源制御部
14 投光管
15 コントラスト演算処理部
16 主制御部
17 記憶装置
18 プログラム記憶媒体
19 表示部
20 キー入力部
21 PC
23 標本
24 カメラ
Claims (7)
- 顕微鏡における観察画像のフォーカスを行う顕微鏡システムであって、
被写体を載置するステージと前記顕微鏡の結像光学系を相対的に移動させながら、前記結像光学系を介して前記被写体を所定の時間間隔で撮像する撮像手段と、
前記撮像した観察画像のコントラストの高低を示すコントラスト値を算出するコントラスト値算出手段と、
前記撮像した複数の観察画像のうち前記算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像の検出を行う最大コントラスト画像検出手段と、
前記観察画像が撮像されると、前記ステージと前記結像光学系の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行う位置補正手段と、
前記補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスするオートフォーカス手段と、
を備えることを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記ステージと前記結像光学系の相対速度を算出する相対速度算出手段と、
をさらに備え、
前記位置補正手段は、前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記観察画像を撮像した撮像時刻と前記取得した相対位置の取得時刻との差分に前記相対速度を乗算した値だけ移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。 - 前記撮像手段は、第1の時間間隔で撮像するラフスキャン手段と、前記第1の時間間隔より短い第2の時間間隔で撮像するファインスキャン手段とを備え、
前記最大コントラスト画像検出手段は、前記ラフスキャン手段により撮像した観察画像を用いて第1の最大コントラスト画像を検出し、前記検出した第1の最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を含む所定範囲内について前記ファインスキャン手段により撮像した観察画像を用いて第2の最大コントラスト画像を検出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡システム。 - 顕微鏡における観察画像のフォーカスを行うオートフォーカスプログラムであって、
コンピュータに、
被写体を載置するステージと前記顕微鏡の結像光学系を相対的に移動させながら、前記結像光学系を介して前記被写体を所定の時間間隔で撮像する撮像機能と、
前記撮像した観察画像のコントラストの高低を示すコントラスト値を算出するコントラスト値算出機能と、
前記撮像した複数の観察画像のうち前記算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像の検出を行う最大コントラスト画像検出機能と、
前記観察画像が撮像されると、前記ステージと前記結像光学系の相対位置を検出する相対位置検出機能と、
前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行う位置補正機能と、
前記補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスするオートフォーカス機能と、
を実行させることを特徴とするオートフォーカスプログラム。 - 前記コンピュータに、
前記ステージと前記結像光学系の相対速度を算出する相対速度算出機能と、
をさらに実行させ、
前記位置補正機能は、前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記観察画像を撮像した撮像時刻と前記取得した相対位置の取得時刻との差分に前記相対速度を乗算した値だけ移動させる、ことを特徴とする請求項4に記載のオートフォーカスプログラム。 - 前記撮像機能は、第1の時間間隔で撮像するラフスキャン機能と、前記第1の時間間隔より短い第2の時間間隔で撮像するファインスキャン機能とを備え、
前記最大コントラスト画像検出機能は、前記ラフスキャン機能により撮像した観察画像を用いて第1の最大コントラスト画像を検出し、前記検出した第1の最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を含む所定範囲内について前記ファインスキャン機能により撮像した観察画像を用いて第2の最大コントラスト画像を検出する、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のオートフォーカスプログラム。 - 顕微鏡における観察画像のフォーカスを行うオートフォーカス方法であって、
被写体を載置するステージと前記顕微鏡の結像光学系を相対的に移動させながら、前記結像光学系を介して前記被写体を所定の時間間隔で撮像し、
前記撮像した観察画像のコントラストの高低を示すコントラスト値を算出し、
前記撮像した複数の観察画像のうち前記算出したコントラスト値が最大である最大コントラスト画像を検出し、
前記観察画像が撮像されると、前記ステージと前記結像光学系の相対位置を検出し、
前記検出した最大コントラスト画像に対応する前記検出した相対位置を、前記相対移動した方向と反対方向に所定値だけ移動させる補正処理を行い、
前記補正された相対位置をフォーカスポイントとしてフォーカスする、
ことを特徴とするオートフォーカス方法。
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