JP6027875B2 - 撮像装置及び顕微鏡システム - Google Patents

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Description

本発明は、物体を撮像して画像を取得する撮像装置及び顕微鏡システムに関し、特に、薄切標本を撮像可能な撮像装置及び顕微鏡システムに関する。
近年、顕微鏡観察の技術分野においては、電子撮像の技術が進歩し、観察対象である物体内の複数の領域をそれぞれ撮像して得られた複数の画像を貼り合わせることにより、広範囲且つ高精細な一枚の画像を表示するシステムが提案されている。このようなシステムは、バーチャルスライドシステムとも呼ばれている。例えば、下記特許文献1には、病理診断支援において、生体組織の観察領域を小区画に分割し、各小区画を撮像することにより取得した画像を繋ぎ合わせる技術が開示されている。
このような撮像技術においては、小区画の数に対応して撮像回数が増えるので、撮像動作を高速化することが求められている。その中でも、各小区画を撮像する際のオートフォーカスを如何に高速化するかという課題がある。
一方、顕微鏡により物体を観察する際、複数枚の画像から共焦点を抽出することにより、物体を三次元的に表示する技術も開発されている。しかしながら、共焦点顕微鏡においては、共焦点面を変化させるために、対物レンズ等の光学系を光軸方向(Z方向)に操作するため、データの取得時間が長くなるという問題があった。
このような問題に対し、下記特許文献2には、ステージの移動方向(例えばX方向)に対して物体側の焦点面を傾け、ステージの移動により物体の表面位置をZ軸方向に変化させながら撮像を行う技術が開示されている。この技術によれば、傾斜に応じた厚みに含まれる物体を検出することができるので、Z方向の走査を行う必要がなくなる。
特開2008−191427号公報 特開平11−211439号公報
バーチャルスライドシステムにおける撮像動作を高速化するためには、特許文献1に開示されたシステムに対し、特許文献2に開示された共焦点撮像の技術を適用することが考えられる。それにより、各小区画に対するオートフォーカスが不要となり、観察領域全体に対する撮像を高速化できる可能性がある。
しかしながら、物体面を移動させる速度と、傾斜角度によって決まる検出可能な厚みの範囲とは、トレードオフの関係にある。例えば、1回で幅200μmの領域を撮像可能な撮像装置において、図17に示すように、合焦面PFCを厚み方向に10μmだけ傾斜させる場合と、図18に示すように、合焦面PFCを厚み方向に4μmだけ傾斜させる場合とを比較する。なお、図17及び図18に示す各撮像領域C1、C2、…は、1回の撮像により画像情報を取得可能な物体OB上の領域を示す。なお、図17及び図18においては、図の横方向に対して縦方向の縮尺を大きくしている。
図17の場合、1回の撮像により、厚み方向に10μm分の画像情報を取得できる(言い換えると、10μmの範囲で物体OBにおける合焦面を探索することができる)のに対し、図18の場合には、厚み方向に4μm分の画像情報しか取得することができない。しかしながら、例えば約1μmごとに傾斜結像を行う際、図17の場合にはステージを約20μmずつずらしながら撮像を行うのに対し、図18の場合、ステージを50μmずつずらしながら撮像を行うことができる。従って、後者の方が少ない撮像回数で、即ち短時間で物体OB全体を撮像することができる。
このように、観察対象全体の撮像に要する時間を短縮するためには、物体の傾斜量は少ない方が好ましい。しかしながら、そのためには、観察対象が、合焦面を傾斜させる厚み方向の範囲に収まっている必要がある。従って、厚みを有する物体に関する画像情報を所望の撮像時間内に取得するためには、少なくとも物体の傾斜角度を適切に設定し、この傾斜角度に応じてステージを適切に移動させる必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮像部と観察対象との少なくとも一方を他方に対して移動させると共に、該移動の方向に対して撮像部の合焦面を傾斜させて撮像を行う場合において、合焦面の傾斜角度を適切に設定することができる撮像装置及び顕微鏡システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、物体が載置されるステージと、前記物体を撮像する撮像素子を有する撮像部と、前記物体の載置面内の少なくとも1つの方向に、前記ステージと前記撮像部とのうちの少なくとも一方を他方に対し相対的に移動させる移動機構と、前記撮像素子の撮像面と前記ステージとのうち少なくとも方を、前記移動機構の移動方向に対して相対的に傾斜させる傾斜機構と、少なくとも前記撮像部の倍率と、前記撮像面上において前記物体からの観察光を取り込む領域である有効領域のサイズと、に基づいて、前記傾斜機構の傾斜角度を設定する傾斜角度設定部と、前記撮像部が撮像する動画のフレームレートの情報を取得するフレームレート情報取得手段と、前記載置面と直交する第2の方向における前記撮像部の分解能と、前記傾斜角度と、前記フレームレートの情報と、を用いて、前記移動機構による相対的な移動の速度を算出する移動速度算出部と、を備えることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記第2の方向における前記撮像部の分解能は、前記撮像部が備える光学系の開口数と、前記物体からの観察光の波長と、前記光学系と前記物体との間に存在する媒質の屈折率とに基づいて与えられることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記分解能は、前記分解能をRz、任意の定数をka、前記光学系の被写界深度をDOF、前記屈折率をn、前記観察光の波長をλ、前記開口数をNAとするとき、Rz=ka×DOFによって与えられ、ここで、DOF=(nλ)/(2×NA2)であることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記分解能は、前記撮像面における許容錯乱円の大きさと、前記撮像部が備える光学系の開口数と、前記光学系の焦点距離と、前記光学系と前記物体との間の距離である物体距離とに基づいて与えられることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記分解能は、前記分解能をRz、任意の定数をkb、前記光学系の被写界深度をDfn、前記物体距離をs、前記光学系の過焦点距離をH、前記焦点距離をf、前記開口数をNA、前記許容錯乱円の大きさをcとするとき、Rz=kb×Dfn
によって与えられ、ここで、Dfn={2s(H−f)(s−f)}/{(H+s+2f)(H−s)}、H=(2f2×NA)/cであることを特徴とする。
上記撮像装置は、前記撮像面における許容錯乱円の直径、前記撮像部が備える光学系の開口数、前記光学系の焦点距離、前記物体と前記光学系との間の距離及び任意の第1の定数に基づいて与えられる前記第2の方向における前記撮像部の第1の分解能と、前記光学系の開口数、前記物体からの観察光の波長、前記物体と前記光学系との間に存在する媒質の屈折率及び任意の第2の定数に基づいて与えられる前記第2の方向における前記撮像部の第2の分解能と、の大小関係に基づいて、前記第2の方向における前記撮像部の分解能を求める方式を切り替える手段をさらに備えることを特徴とする。
上記撮像装置は、前記第1及び第2の定数を入力する定数入力手段をさらに備えることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記傾斜機構は、前記載置面と直交する軸に対して前記撮像部の光軸を傾斜させることを特徴とする。
上記撮像装置において、前記傾斜機構は、前記撮像部の光軸に対して前記撮像部が前記物体からの観察光を取り込む面を傾斜させることを特徴とする。
本発明に係る顕微鏡システムは、上記撮像装置と、前記物体を照明する照明手段と、を備えることを特徴とする。
上記顕微鏡システムにおいて、前記物体は、病理組織を薄切した簿切標本であることを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも撮像部の倍率と、物体からの観察光を取り込む撮像面上の領域である有効領域のサイズとを用いることにより、合焦面の傾斜角度を適切に設定することができる。従って、観察対象である物体全体の画像情報を、厚み方向の情報も含めて従来よりも高速且つ高精度に取得することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1に示す撮像部の構成を示す模式図である。 図3は、図1に示す撮像装置を顕微鏡システムに適用した一例を示す模式図である。 図4は、図1に示す撮像装置の動作を示すフローチャートである。 図5は、撮像面上の有効領域のサイズと合焦面上の有効領域のサイズとの関係を説明する模式図である。 図6は、サンプルと合焦面上の有効領域のX方向におけるサイズとZ方向の観察範囲との関係を示す模式図である。 図7は、実施の形態1の変形例1に係る顕微鏡システムの概略構成を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の概略構成を示す図である。 図9は、図8に示す撮像装置の撮像動作を説明するための概念図である。 図10は、図8に示す撮像装置の動作を示すフローチャートである。 図11は、分解能設定部が実行するZ方向の分解能の算出処理を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の概略構成を示す図である。 図13は、図12に示す撮像装置の動作を示すフローチャートである。 図14は、分解能設定部が実行する被写界深度の算出処理を示すフローチャートである。 図15は、ベイヤー配列を有する撮像素子における画素加算処理を説明する模式図である。 図16は、ベイヤー配列を有する撮像素子における間引き読み出し処理を説明する模式図である。 図17は、Z方向の範囲が10μmとなるように合焦面を傾斜させた場合における撮像動作を説明する模式図である。 図18は、Z方向の範囲が4μmとなるように合焦面を傾斜させた場合における撮像動作を説明する模式図である。
以下、本発明に係る撮像装置及び顕微鏡システムの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1に係る撮像装置1は、観察対象であるサンプルSPを載置するステージ100と、ステージ100に載置されたサンプルSPを撮像する撮像部110とを備える。以下において、ステージ100のサンプル載置面(以下、サンプル面PSPと記す)をXY面とし、サンプル面PSPと直交する方向をZ方向とする。
また、撮像装置1は、ステージ100をXY面内において移動させるXY駆動部120と、撮像部110の合焦面PFCをステージ100の移動方向に対して傾斜させる傾斜機構130と、ステージ100の移動方向に対する合焦面PFCの傾斜角度を傾斜機構130に設定する傾斜角度設定部140と、XY駆動部120によるステージ100の移動動作を制御するXY駆動制御部150と、Z方向におけるサンプルSPの観察範囲を設定するZ方向観察範囲取得部160と、撮像部110が備える光学系に関する情報を記憶する光学系関連情報記憶部170と、撮像素子関連情報記憶部180とを備える。
図2は、図1に示す撮像部110の構成を示す模式図である。図2に示すように、撮像部110は、CCD等の固体撮像素子からなり、サンプルSPからの観察光を受光して電子的な画像情報を生成する撮像素子111と、対物レンズ112aを含む観察光学系112とを備える。観察光学系112は、サンプルSPからの観察光(サンプルSPの透過光又は反射光)Lを撮像素子111の受光面(撮像面)111aに結像させる。実施の形態1において、撮像面111aは、観察光学系112の光軸L1と直交するように設けられている。
図1に示した傾斜機構130は、撮像部110の撮像動作中、図2に示すように、合焦面PFCがステージ100の移動方向に対して角度θをなすように、撮像部110を傾斜させた状態で保持する。具体的には、ステージ100をX方向に移動させる場合、傾斜機構130は、X軸と直交するY方向の軸を中心に回転可能な回転機構によって構成される。
再び図1を参照すると、XY駆動制御部150は、撮像部110の撮像動作中、ステージ100を所定の方向(例えばX方向)に移動させるように、XY駆動部120を制御する。
傾斜角度設定部140は、合焦面PFCの傾斜角度θを算出して傾斜機構130に設定する。より詳細には、傾斜角度設定部140は、撮像部110の観察倍率(像倍率)を取得する観察倍率取得部141と、撮像部110がサンプルSPからの観察光を取り込む撮像面111a上の領域である有効領域のサイズを取得する有効領域取得部142とを備え、取得した観察倍率及び有効領域のサイズに基づいて、撮像部110の傾斜角度θを算出する。
Z方向観察範囲取得部160は、合焦面PFCを傾斜させた状態で撮像を1回行った際に画像情報を取得可能なZ方向の範囲を取得する。
光学系関連情報記憶部170は、観察倍率、開口数といった観察光学系112に関する情報を記憶する。
撮像素子関連情報記憶部180は、撮像面111aのサイズ、画素数といった撮像素子111のスペックに関する情報を記憶する。
図3は、図1に示す撮像装置1を顕微鏡システムに適用した一例を示す模式図である。図3に示す顕微鏡システムは、顕微鏡10及び制御装置20を備える。
顕微鏡10は、ベース11と、該ベース11上に設定されたステージ台12及び支柱13とを備える。ステージ台12には、XY駆動部120を介してステージ100が設けられている。また、ステージ台12には、ステージ100をZ方向に移動させる調節ツマミ14が設けられている。
ステージ台12の内部には、照明光をサンプルSPに照射する透過照明光学系15が設けられている。なお、サンプルSPを照明する機構としては、透過照明光学系15の代わりに、落射照明光学系を設けても良い。
一方、支柱13には、傾斜機構130を介して撮像部110が設けられている。なお、撮像部110は、倍率が互いに異なる複数の対物レンズを交換可能に保持するレボルバ113をさらに備えても良い。
制御装置20は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等からなり、記憶部21と、入力部22と、制御部23とを備える。
記憶部21は、フラッシュメモリ、RAM、ROM等の半導体メモリや、HDD、MO、CD−R、DVD−R等の記録媒体及び該記録媒体を駆動する駆動装置等によって実現され、制御装置20に各種動作を実行させるプログラム、プログラムの実行中に用いられる各種情報、及び撮像部110から出力された画像情報等を記憶する。実施の形態1において、光学系関連情報記憶部170及び撮像素子関連情報記憶部180は、記憶部21に設けられる。
入力部22は、キーボード、タッチパネル、マウス等の入力デバイスからなり、制御装置20において用いられる各種情報をユーザが入力する際に使用される。
制御部23は、CPU等のハードウェアによって構成され、記憶部21に記憶されたプログラムを読み込むことにより、記憶部21に記憶された各種データや入力部22から入力される各種情報に基づき、当該顕微鏡システムに撮像動作を実行させるための制御を行う。実施の形態1において、傾斜角度設定部140、XY駆動制御部150、及びZ方向観察範囲取得部160は、制御部23によって構成される。
次に、図1に示す撮像装置1の動作について説明する。図4は、撮像装置1の動作を示すフローチャートである。なお、以下においては、ステージ100をX方向に移動させるものとする。
まず、ステップS10において、傾斜角度設定部140は、観察倍率β及び撮像面111a上の有効領域のサイズSを取得する。より詳細には、観察倍率取得部141は、光学系関連情報記憶部170に予め記憶されている観察倍率βを読み出す。或いは、観察倍率取得部141は、ユーザにより入力部22(図3参照)から入力された情報に基づき、ユーザ所望の観察倍率βを取得しても良い。
さらには、図3に示すように、撮像部110にレボルバ113を設けて対物レンズ112aを交換可能とする場合には、レボルバ113にエンコーダを設け、該エンコーダの出力値に基づき、サンプルSPと対向する対物レンズの倍率を観察倍率取得部141が取得できるようにしても良い。この場合、観察倍率取得部141は、取得した対物レンズの倍率に基づいて、撮像部110の観察倍率βを算出する。
一方、有効領域取得部142は、撮像素子関連情報記憶部180に予め記憶されている撮像面111a上の有効領域のサイズSを読み出す。ここで、撮像面111a上の有効領域とは、1回の撮像により撮像素子111が画像情報(画像データ)を取り込むことができる撮像面111a上の領域のことであり、撮像素子111のスペックにより決まる。ここでは、サイズSとして、ステージ100の移動方向であるX方向に対応する1辺の長さを用いる。なお、有効領域のサイズとしては、撮像部110がトリミングを行い、観察像を部分的に取り込む場合には、トリミング後のサイズが用いられる。この他、有効領域のサイズの定義としては、撮像面111aの結像領域のサイズ又は撮像素子111そのもののサイズとしても良い。
続くステップS11において、傾斜角度設定部140は、観察倍率β及び有効領域のサイズSを用いて、合焦面PFC上の有効領域のサイズLxを算出する。ここで、合焦面PFC上の有効領域とは、撮像部110による1回の撮像により画像情報の取得が可能な合焦面PFC上の領域のことであり、図5に示すように、撮像面111a上の有効領域のサイズSと観察倍率βとによって決定される。
具体的には、傾斜角度設定部140は、次式(1)を用いてサイズLxを算出する。
Figure 0006027875
続くステップS12において、Z方向観察範囲取得部160は、Z方向の観察範囲Lzの値を取得し、傾斜角度設定部140に入力する。ここで、図6は、サンプルSPと、合焦面PFC上の有効領域のX方向におけるサイズLxと、Z方向の観察範囲LZとの関係を示す模式図である。
ここで、サンプルSPが病理標本をスライスした薄切標本である場合、一般的には、ミクロトームの設定から、薄切標本の厚さは概ね一定の値(例えば3〜5μm)になっている。このため、観察範囲Lzは、一般的な薄切標本の厚さに見合った値に設定され、Z方向観察範囲取得部160に予め格納されている。または、入力部22(図3参照)を用いてユーザが所望の観察範囲Lzの値を入力できるようにしても良い。この場合、Z方向観察範囲取得部160は、ユーザが入力した観察範囲Lzの値を傾斜角度設定部140に入力する。或いは、当該薄切標本を作製したミクロトームの情報(例えば、スライス間の厚み情報等)がZ方向観察範囲取得部160に自動入力されるように、当該撮像装置1を構成しても良い。
続くステップS13において、傾斜角度設定部140は、ステップS11において算出した合焦面PFC上の有効領域のサイズLxと、ステップS12においてZ方向観察範囲取得部160から入力された観察範囲Lzとを用いて、傾斜角度θを算出する。ここで、図6に示すように、サイズLxと観察範囲Lzとの関係は、次式(2)によって与えられる。
Figure 0006027875
従って、傾斜角度θは、次式(3)によって与えられる。
Figure 0006027875
さらに、ステップS14において、傾斜角度設定部140は、傾斜機構130に対し、撮像部110を傾斜させる傾斜角度θを設定する。これより、撮像部110の合焦面PFCがX方向に対して角度θだけ傾斜した状態となる。その後、撮像部110は、合焦面PFCをX方向に対して傾斜させた状態で、サンプルSPの撮像を行う。
以上説明したように、実施の形態1によれば、観察光学系112の観察倍率β、撮像面111aの有効領域のサイズS、及びサンプルSPの厚みに基づく観察範囲Lzから、傾斜角度θを適切に設定することができる。従って、サンプルSPの厚み方向の情報を十分に取得しつつ、ステージ100を移動させて、サンプルSPの3次元的な画像情報を取得することが可能となる。
(変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。
図7は、変形例1に係る撮像装置の概略構成を示す模式図である。ここで、実施の形態1においては、ステージ100を水平に配置し、観察光学系112及び透過照明光学系15の光軸L1をステージ100に対して傾斜させた例を示したが(図3参照)、図7に示すように、光軸L1が鉛直方向となるように観察光学系112及び透過照明光学系15を配置し、ステージ100を水平方向に対して傾斜させても良い。この場合、サンプル載置面PSPの傾斜方向(X’方向)に沿ってステージ100を移動させながら、撮像部110により撮像を行う。
(変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について説明する。
実施の形態1においては、観察光学系112及び透過照明光学系15全体を傾けることにより、ステージ100の移動方向に対して合焦面PFCを傾斜させたが、光軸L1がサンプル載置面PSPと直交するように観察光学系112及び透過照明光学系15とステージ100と設置し、撮像素子111の撮像面111aを光軸L1に対して傾斜させることとしても良い。
一例として、撮像部110において、撮像素子111の撮像面111aが光軸L1の直交面に対し、Y軸を回転軸として角度θだけ傾斜するように撮像素子111を設置する。これにより、ステージ100の移動方向(X方向)に対して実質的に合焦面PFCが傾斜した画像を取得することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の概略構成を示す図である。図8に示すように、実施の形態2に係る撮像装置2は、図1に示す撮像装置1に対し、分解能定数入力部210と、分解能設定部220と、X方向移動量算出部230とをさらに備える。
図9は、撮像装置2の撮像動作を説明するための概念図である。図9に示すように、撮像装置2においては、合焦面PFCをステージ100の移動方向に対して傾斜させつつ、ステージ100を移動させながら、所定の撮像周期で連続して撮像を行う。ここで、撮像領域C1は、1回目の撮像時に撮像対象となるサンプルSP内の領域を示し、撮像領域C2は、続く2回目の撮像時に撮像対象となるサンプルSP内の領域を示す。
サンプルSPの厚み方向(Z方向)においてユーザ所望の分解能Rzを得るためには、撮像を1回行うごとにステージ100を移動させる移動量Mxを適切に設定する必要がある。そこで、実施の形態2においては、傾斜角度設定部140により設定された傾斜角度θと、ユーザ所望の分解能Rzとに基づいて、適切な移動量Mxを算出し、この移動量Mxに基づいてステージ100を移動させながらサンプルSPを撮像する。
図8に示す分解能定数入力部210は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスによって構成され、分解能Rzを設定する際に用いられる定数をユーザが入力するために使用される。
分解能設定部220は、分解能Rzの算出方式の切り替え判定を行う分解能切り替え判定部221を備え、該分解能切り替え判定部221の判定結果と、分解能定数入力部210によって入力された定数とに基づき分解能Rzを算出し、X方向移動量算出部230に対して設定する。
X方向移動量算出部230は、傾斜角度設定部140により設定された傾斜角度θと、分解能設定部220により設定された分解能Rzとに基づき、撮像を1回行うごとにステージ100を移動させるX方向の移動量Mxを算出し、XY駆動制御部150に対して設定する。
なお、分解能定数入力部210、分解能設定部220及びX方向移動量算出部230以外の撮像装置2の各部の構成及び動作については、実施の形態1と同様である。
次に、撮像装置2の動作について説明する。図10は、撮像装置2の動作を示すフローチャートである。なお、図10のステップS10〜S13は、実施の形態1と同様である(図4参照)。
ステップS13に続くステップS21において、分解能設定部220は、Z方向の分解能Rzを算出する。分解能Rzの算出方法については後述する。
続くステップS22において、X方向移動量算出部230は、ステップS13において算出された傾斜角度θと、ステップS21において算出された分解能Rzとに基づき、撮像を1回行うごとにステージ100をX方向に移動させる移動量Mxを算出する。
ここで、図9に示すように、ステージ100を移動量Mxだけ移動させることにより、サンプルSPに対して撮像領域C1、C2が相対的に移動する。このときの撮像領域C1の一端と撮像領域C2の一端との間隔(即ち、移動量Mxと、撮像部110の倍率によって決まる各撮像領域C1、C2のサイズLxと、Z方向における観察範囲Lzと、分解能Rzとの間には、次式(4)に示す関係がある。なお、次式(4)は、移動量Mx及び分解能Rzを2辺とする三角形と、サイズLx及び観察範囲Lzを2辺とする三角形との相似関係より導かれる。
Figure 0006027875
傾斜角度θが小さいと仮定すると、式(4)を次式(5)のように簡略化することができる。
Figure 0006027875
X方向移動量算出部230は、式(5)を用いて移動量Mxを算出する。
さらに、ステップS23において、傾斜角度設定部140は、撮像部110(合焦面
FC)の傾斜角度θを傾斜機構130に設定し、X方向移動量算出部230は、ステージ100の移動量MxをXY駆動制御部150に設定する。その後、撮像部110は、合焦面PFCをX方向に対して傾斜させた状態で、撮像を1回行うごとにステージ100を移動させ、サンプルSPを連続的に撮像する。
次に、ステップS21における分解能設定部220の動作について説明する。図11は、分解能設定部220が実行するZ方向の分解能の算出処理を示すフローチャートである。
ステップS211において、分解能設定部220は、撮像部110が備える観察光学系112の設計(性能)に基づく被写界深度DOFを算出する。
ここで、観察光学系112の開口数をNA、対物レンズ112aとサンプルSPとの間に存在する媒質の屈折率をn、サンプルSPからの観察光の波長をλ、任意の定数をkaとすると、被写界深度DOFに基づく分解能Raは、次式(6−1)、(6−2)によって与えられる。
Figure 0006027875
なお、開口数NA、媒質の屈折率n、波長λ等の各特性値に関する情報は光学系関連情報記憶部170に予め記憶されており、分解能設定部220が必要に応じて光学系関連情報記憶部170から取得する。また、媒質の屈折率nは、対物レンズ112aとサンプルSPとの間を液体で満たした液浸式の顕微鏡や、対物レンズ112aをサンプルSPに直接接触させている場合、n>1となる。
続くステップS212において、分解能設定部220は、撮像素子111の分解能に基づく被写界深度Dfnを算出する。なお、ステップS211及びステップS212の処理順は、いずれかが先であっても良いし、同時であっても良い。
ここで、分解能は、撮像素子111の分解能力に基づく被写界深度Dfnに対し、ユーザが何倍の分解能を所望しているかにより設定することも可能である。この場合、次式(7)においてユーザが定数kbを設定すれば、分解能Rbが決まる。
Rb=kb×Dfn …(7)
撮像素子111の撮像面111a上の2点間における分解能は、許容錯乱円の直径cによって表される。また、無限遠を被写界深度内に合焦する距離Hは過焦点距離と呼ばれる。過焦点距離Hは、観察光学系112の開口数をNA、焦点距離をfとすると、次式(8)によって与えられる。
Figure 0006027875
なお、光学系の各特性値に関する情報及び撮像素子111のスペックに関する情報は光学系関連情報記憶部170及び撮像素子関連情報記憶部180にそれぞれ、予め記憶されており、分解能設定部220が必要に応じて取得する。
被写界深度の前点Dn及び後点Dfは、式(9−1)及び(9−2)によってそれぞれ与えられるため、被写界深度Dfnは、式(9−3)によって算出される。
Figure 0006027875
式(9−1)〜(9−3)において、符号sはサンプルSPと観察光学系112との間の距離(物体距離)を示す。
続くステップS213において、分解能切り替え判定部221は、ステップS211において算出した被写界深度DOFと、ステップS212において算出した被写界深度Dfnとのいずれが大きいかを判定する。
ここで、例えば倍率20倍程度で観察を行うことを想定し、焦点距離f=25mm、開口数NA=0.5、撮像素子111における画素サイズを2μm、許容錯乱円の直径c=4μm、物体距離s=20mmとしたとき、式(9−3)より、被写界深度Dfnは約2μmとなる。一方、観察光学系112とサンプルSPとの間に存在する媒質の屈折率をn=1、観察光の波長をλ=0.5μmとしたとき、被写界深度DOFは、式(6−2)より、約1μmとなる。
このように、Dfn>DOFとなる場合(ステップS213:Yes)、分解能Rzを、撮像素子111において解像可能な分解能Rbよりも細かく設定する必要はない。従って、この場合、分解能設定部220は、撮像素子111において解像可能な分解能Rbを分解能Rzとして設定することとし、分解能定数入力部210を介して、式(7)における定数kbを取得する(ステップS214)。
この場合には、続くステップS216において、分解能設定部220は、開口数NA、焦点距離f、物体距離s及び撮像素子111のスペックに基づく画素サイズと、ユーザにより入力された定数kbとによって与えられる分解能Rbを、分解能Rzとして算出する。
反対に、液浸式の顕微鏡等で媒質の屈折率がn>1となる場合や、高倍率の観察を行う場合、Dfn<DOFとなる傾向がある(ステップS213:No)。この場合、分解能設定部220は、観察光学系112の性能による被写界深度DOFに所望の倍率kaを掛け合わせた分解能Raを分解能Rzとして設定することとし、分解能定数入力部210を介して、式(6−1)における定数kaを取得する(ステップS215)。
この場合、続くステップS216において、分解能設定部220は、開口数NAと、媒質の屈折率n及び観察光の波長λと、ユーザにより入力された定数kaとによって与えられる分解能Raを、分解能Rzとして算出する。なお、通常、定数kaは、ka>0.5に設定される。
その後、処理はメインルーチンに戻る。
以上説明したように、実施の形態2によれば、傾斜角度θに加えて、ユーザ所望の分解能Rzに基づいて算出された移動量Mxを設定し、ステージ100を撮像部110に対して相対的に移動させながら複数回の撮像を行うので、サンプルの複数焦点での画像情報、又は複数の合焦情報に基づく3次元的な画像情報を高速且つ高精度に取得することが可能となる。
なお、実施の形態2においては、撮像部110を固定し、ステージ100を移動させることにより相対的な移動を実現したが、サンプルSP側を固定し、撮像部110側を移動させても良い。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図12は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の概略構成を示す図である。図12に示すように実施の形態3に係る撮像装置3は、図8に示す分解能設定部220の代わりに分解能設定部310を備えると共に、X方向移動速度算出部320及びフレームレート情報取得部330をさらに備える。
分解能設定部310は、分解能切り替え判定部221に加えて、撮像部110が画素加算を行っているか否かを判定する画素加算判定部311をさらに備え、画素加算判定部311による判定結果に基づいて、X方向移動量算出部230に対して設定する分解能Rzを算出する。
X方向移動速度算出部320は、X方向移動量算出部230が算出したステージ100の移動量Mx及び撮像部110のフレームレートに基づいて、撮像部110がサンプルSPの動画を撮像する際のステージ100の移動速度を算出する。
フレームレート情報取得部330は、撮像部110が動画撮像を行う際のフレームレートを取得する。
なお、分解能設定部310、X方向移動速度算出部320及びフレームレート情報取得部330以外の撮像装置3の各部の構成及び動作は、実施の形態2と同様である。
次に、撮像装置3の動作について説明する。図13は、撮像装置3の動作を示すフローチャートである。なお、図13のステップS10〜S22は実施の形態2(図10参照)に対応しており、後述するように、図11のステップS212において被写界深度Dfnを算出する際の詳細な動作が実施の形態2とは異なる。
ステップS22に続くステップS31において、X方向移動速度算出部320は、フレームレート情報取得部330から撮像部110のフレームレートFRを取得する。
続くステップS32において、X方向移動速度算出部320は、X方向移動量算出部230が算出した撮像1回あたりの移動量Mx(m)及びフレームレートFR(fps)を用いて、次式(10)によって与えられるステージ100の移動速度Vxを算出する。
Vx=FR・Mx …(10)
さらに、ステップS33において、傾斜角度設定部140は、撮像部110(合焦面PFC)の傾斜角度θを傾斜機構130に設定し、X方向移動速度算出部320は、ステージ100の移動速度VxをXY駆動制御部150に設定する。その後、撮像部110は、合焦面PFCをX方向に対して傾斜させた状態で、ステージ100を移動させながらサンプルSPの動画撮像を実行する。
次に、ステップS21において分解能Rzを算出する際に用いられる被写界深度Dfnの算出処理(図11のステップS212参照)について説明する。図14は、分解能設定部310が実行する被写界深度Dfnの算出処理を示すフローチャートである。
撮像部110が動画撮像を行う場合、システムの処理能力の関係から、フレーム間の間隔は解像度によって規定される場合が多い。一方、システムの処理能力の関係から、フレームレートと解像度はトレードオフの関係になる。そのため、フレームレート、即ち、撮影スピードを優先する場合、撮像部110において画素加算又は間引き読み出し処理を行っていることが考えられる。
例えば、図15に示すように、ベイヤー配列を有する撮像素子に対し、9画素加算(ある画素及びその周囲の画素を含む9画素の画素値を加算平均する処理)を行っている場合、画素値の読み出し速度は、全画素の画素値を読み出す場合と比較して9倍になる。一方、図16に示すように、ベイヤー配列を有する撮像素子に対し、3画素につき1回の間引き読み出しを行う場合、画素値の読み出し速度は、全画素の画素値を読み出す場合と比較して3倍になる。なお、図16においては、読み出しを行う画素にハッチングを施している。これらの場合、加算又は間引きする画素数に応じて、解像度が低下することになる。即ち、撮像素子111の撮像面111a上における2点間の分解能力を表す許容錯乱円の直径cが大きくなる。
そこで、まず、ステップS301において、画素加算判定部311は、撮像部110は画素加算又は間引き読み出しを行っているか否かを判定する。
画素加算又は間引き読み出しを行っていない場合(ステップS301:No)、分解能設定部310は、式(11)における変数mをm=1に設定し(ステップS302)、許容錯乱円の直径cを近似的に算出する(ステップS304)。
Figure 0006027875
式(11)において、符号Qは撮像素子111の1画素あたりの画素サイズを表し、許容錯乱円の直径cを最小画素解像サイズの2倍としている。
一方、画素加算又は間引き読み出しを行っている場合(ステップS301:Yes)、分解能設定部310は式(11)における変数mとして、当該画素加算における加算数(又は間引き読み出しにおける間引き数)に設定し(ステップS303)、許容錯乱円の直径cを算出する(ステップS304)。例えば、図15に示す9画素加算の場合、m=9に設定される。また、図16に示す間引き読み出しの場合、m=3に設定される。
続くステップS305において、分解能設定部310は、ステップS304において算出された許容錯乱円の直径cを用いて、式(8)によって与えられる過焦点距離Hを算出する。
さらに、ステップS306において、分解能設定部310は、ステップS305において算出された過焦点距離Hを用いて、式(9−3)によって与えられる被写界深度Dfnを算出する。その後、処理はメインルーチンに戻る。
以上説明したように、実施の形態3によれば、ステージ100を移動させながら動画撮像を行うので、サンプルSPに関する複数焦点の画像情報、又は複数の合焦情報に基づく3次元的な画像情報を高速に取得することが可能となる。また、撮像部110が画素加算又は間引き読み出しを行っているか否かを判定し、この判定結果に基づいてZ方向の分解能Rzを算出するので、サンプルSPの移動速度を適切に設定することができる。従って、サンプルSPに関する3次元的な画像情報を必要十分に取得することが可能となる。
以上説明した実施の形態1〜3によれば、サンプルSPの複数焦点の画像情報を従来よりも高速且つ高精度に取得することができる。従って、撮像部110は、撮像を1回行うごとにオートフォーカスを実行することなく、観察範囲Lz内の全域において合焦された画像を生成することができる。
また、複数の合焦情報に基づくサンプルSPの3次元的な画像情報を用いることにより、サンプルSPの3次元画像を構築することも可能となる。さらに、図9に示すように、撮像領域C1、C2の一部をXY平面において重複させて撮像を行うので、同一のXY座標に関して、合焦された画像と合焦されていない画像との両方を得ることができ、ボケ情報を取得することが可能となる。そのようなボケ情報を用いて、例えばボケ除去処理(Decomvolution)や、焦点推定処理等を行うことが出来る。
以上説明した実施の形態1〜3及び変形例はそのままに限定されるものではなく、各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成してもよい。あるいは、異なる実施の形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成してもよい。
1、2、3 撮像装置
10 顕微鏡
11 ベース
12 ステージ台
13 支柱
14 調節ツマミ
15 透過照明光学系
20 制御装置
21 記憶部
22 入力部
23 制御部
100 ステージ
110 撮像部
111 撮像素子
111a 受光面(撮像面)
112 観察光学系
112a 対物レンズ
113 レボル
20 XY駆動部
130 傾斜機構
140 傾斜角度設定部
141 観察倍率取得部
142 有効領域取得部
150 XY駆動制御部
160 Z方向観察範囲取得部
170 光学系関連情報記憶部
180 撮像素子関連情報記憶部
210 分解能定数入力部
220、310 分解能設定部
221 分解能切り替え判定部
230 X方向移動量算出部
311 画素加算判定部
320 X方向移動速度算出部
330 フレームレート情報取得部

Claims (11)

  1. 物体が載置されるステージと、
    前記物体を撮像する撮像素子を有する撮像部と、
    前記物体の載置面内の少なくとも1つの方向に、前記ステージと前記撮像部とのうちの少なくとも一方を他方に対し相対的に移動させる移動機構と、
    前記撮像素子の撮像面と前記ステージとのうち少なくとも方を、前記移動機構の移動方向に対して相対的に傾斜させる傾斜機構と、
    少なくとも前記撮像部の倍率と、前記撮像面上において前記物体からの観察光を取り込む領域である有効領域のサイズと、に基づいて、前記傾斜機構の傾斜角度を設定する傾斜角度設定部と、
    前記撮像部が撮像する動画のフレームレートの情報を取得するフレームレート情報取得手段と、
    前記載置面と直交する第2の方向における前記撮像部の分解能と、前記傾斜角度と、前記フレームレートの情報と、を用いて、前記移動機構による相対的な移動の速度を算出する移動速度算出部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2の方向における前記撮像部の分解能は、前記撮像部が備える光学系の開口数と、前記物体からの観察光の波長と、前記光学系と前記物体との間に存在する媒質の屈折率とに基づいて与えられる
    ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  3. 前記分解能は、前記分解能をRz、任意の定数をka、前記光学系の被写界深度をDOF、前記屈折率をn、前記観察光の波長をλ、前記開口数をNAとするとき、
    Rz=ka×DOF
    によって与えられ、ここで、
    DOF=(nλ)/(2×NA2
    であることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記分解能は、前記撮像面における許容錯乱円の大きさと、前記撮像部が備える光学系の開口数と、前記光学系の焦点距離と、前記光学系と前記物体との間の距離である物体距離とに基づいて与えられる
    ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  5. 前記分解能は、前記分解能をRz、任意の定数をkb、前記光学系の被写界深度をDfn、前記物体距離をs、前記光学系の過焦点距離をH、前記焦点距離をf、前記開口数をNA、前記許容錯乱円の大きさをcとするとき、
    Rz=kb×Dfn
    によって与えられ、ここで、
    fn={2s(H−f)(s−f)}/{(H+s+2f)(H−s)}、
    H=(2f2×NA)/c
    であることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像面における許容錯乱円の直径、前記撮像部が備える光学系の開口数、前記光学系の焦点距離、前記物体と前記光学系との間の距離及び任意の第1の定数に基づいて与えられる前記第2の方向における前記撮像部の第1の分解能と、
    前記光学系の開口数、前記物体からの観察光の波長、前記物体と前記光学系との間に存在する媒質の屈折率及び任意の第2の定数に基づいて与えられる前記第2の方向における前記撮像部の第2の分解能と、
    の大小関係に基づいて、前記第2の方向における前記撮像部の分解能を求める方式を切り替える手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  7. 前記第1及び第2の定数を入力する定数入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  8. 前記傾斜機構は、前記載置面と直交する軸に対して前記撮像部の光軸を傾斜させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記傾斜機構は、前記撮像部の光軸に対して前記撮像部が前記物体からの観察光を取り込む面を傾斜させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像装置と、
    前記物体を照明する照明手段と、
    を備えることを特徴とする顕微鏡システム。
  11. 前記物体は、病理組織を薄切した簿切標本であることを特徴とする請求項10に記載の顕微鏡システム。
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