JP2013141821A - タイヤサイド部の塗料層補修方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ1のビード部2、および、該ビード部2に連なって延びるサイドウォール部3を含むタイヤサイド部5の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層6を設けたタイヤ1の、前記塗料層6を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、サイド部外表面の既存の塗料層6に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤10を用いて、該既存の塗料層6を剥離させて取り除く塗料層除去工程を含む。
【選択図】図1
Description
またこの方法では、上記の塗料層除去工程を経た後、サイド部外表面に、塗料の塗布による新たな塗料層を形成する塗料層形成工程を含むことが好ましい。
なお、前記既存の塗料層は、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されたものであることが好ましく、また、前記既存の塗料層の、サイド部外表面に立てた法線に沿う向きの最大厚みは、50μm〜200μmであることが好ましい。
また、上記の塗料層除去工程においては、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層の表面を覆って配設された保護層とともに剥離させて取り除くことが好ましい。
また、上記の塗料層除去工程においては、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を除去するに当り、タイヤを、該タイヤの周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部外表面をバフ研磨することが好ましい。
そして、塗料層除去工程に続く塗料層形成工程で、サイド部外表面に、塗料を塗布による新たな塗料層を形成するときは、既存の塗料層が除去されたサイド部外表面が、装飾性もしくは、標章の視認性の高い新たな塗料層を具えることが可能になる。
またここで、上述した既存の塗料層が、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されたものであるときは、とくにパラフィン系炭化水素を含む前記塗料除去剤によって、前記UVインキからなる既存の塗料層を十分に膨潤・剥離させることができるので、既存の塗料層を除去する効果を大きく高めることができる。
これはすなわち、所要の発色性等を有効に発揮させるために50μm以上の厚みに形成されることが多い塗料層が、200μmを超える最大厚みを有する場合は、厚みが厚過ぎることに起因して、前記塗料除去剤によっては、既存の塗料層を確実に除去できないおそれがあることによる。
このことに対して、塗料層除去工程で、塗料除去剤の使用後に、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を、エアブローもしくは、粘着テープの貼着により除去するときは、塗料除去剤の使用によっても取り除くことができなかった前記残留部分を、より確実に除去することができ、それにより、補修後のタイヤで、前記残留部分が存在することによる装飾性、視認性の低下を有効に防止することができ、また、たとえば、その後に再塗装する場合は、サイド部外表面への再塗装を容易に行うことができるとともに、前記残留部分が存在しないサイド部外表面に、新たな塗料層を、十分強固に固定ないしは固着させて形成することができる。
図1に示すところにおいて、図中1は、この発明の補修方法に用いることのできるタイヤを示し、図示のタイヤ1は、一般的な空気入りタイヤと同様に、一対のビード部2と、各ビード部2に連なってタイヤ半径方向外方に延びるそれぞれのサイドウォール部3と、それらのサイドウォール部3を連結するトレッド部4とを具えるとともに、図示は省略するが、内部に、ビード部2からサイドウォール部3を経てトレッド部4までトロイド状に延在する、タイヤの骨格をなすカーカスおよび、該カーカスの外周側に配設したベルト等を有するものである。なおこの空気入りタイヤ1に代えてソリッドタイヤとすることもできる。
この塗料層6は、様々な色の塗料で形成することができる他、図示の円環状の形態に加えて、または、該形態に代えて、サイド部外表面の、タイヤ周方向および/またはタイヤ半径方向の一箇所または複数個所に存在する様々な形状をなす形態で設けることができる。なお、図示は省略するが、たとえば、相互に大きさの異なる円環状の塗料層を複数個設けることもできる。
ここにおいて、この発明では、上記のように損傷・剥離等が生じた塗料層6を、たとえば、塗料の塗り直しによる再塗装等によって新たな塗料層に置き換える塗料層形成工程に先立って、既存の塗料層6を除去するための塗料層除去工程で、図1に示すように、既存の塗料層6に、塗料を膨潤させるべく機能する塗料除去剤10を使用して、その塗料層6を剥離させる。
このような塗料除去剤10によれば、塗料のなかでも、蒸発乾燥インキ、酸化重合インキ、アロマフリーインキ、光硬化インキ、大豆油インキ等の様々なインキを膨潤・剥離させることが可能であるが、とくに、UVインキ(紫外線硬化型インキ)に対して、その膨潤・剥離作用を有効に発揮し得ることから、塗料除去剤10により膨潤・剥離させる前記既存の塗料層6は、UVインキで形成されたものであることが好ましい。
ここで、前記UVインキに含まれる光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤が一般に使用され、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型開始剤;及びアシルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。光重合開始剤は上記のものを単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
そしてまた、前記UVインキに含まれるモノマーとしては、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマー等を適宜使用することができるが、これらは、各種高分子材料との接着性向上、弾性率制御の役割を担っており、接着剤の塗布液の粘度調整にも必要である。その配合量は、使用するオリゴマーによって適宜調整して決定される。モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート(アクリロイルモルホリン)、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の1官能性モノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートトリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーを挙げることができる。
なお、上記のUVインキには、耐候性、耐熱性等の向上、粘度調整などのため適宜、その他の配合剤を配合することができる。
なお、塗料層6の厚みが50μm未満の場合は、たとえば、白色以外の塗料で着色してなる塗料層の、所望の装飾性ないしは視認性を十分に発揮し得る程度の発色性を得ることが困難となる。
この場合は、前記の塗料除去工程で、上述した塗料除去剤10を塗料層6に塗布等することにより、既存の塗料層6を、その塗料層6とサイド部外表面との間の前記白色層とともに膨潤・剥離させて除去することができるので、白色層を、塗料層6とは別個に除去する場合のような、作業能率の低下を招くおそれがない。
なお、白色層を構成する「白色塗料」とは、最も明度の低い部分で80%以上の明度を有する塗料をいう。ここでいう明度は、HSVモデルにより定義されるものであり、そして、この明度は、分光測色計(例えば、コニカミノルタ社製)を用いて明度、彩度及び色相を他系統(例えばLab色空間)で測定した後、該測定値を、必要なソフトウエア(例えば、photoshop(登録商標))によりHSV系統に変換することで算出することができる。
このような保護層もまた、上記の塗料除去剤10を使用することにより、塗料層6とともに、サイド部外表面から除去することができる。
なおここで、この研磨材を、たわし、ブラシまたは不織布等とすることにより、上記のバフ研磨に起因する、サイド部外表面への、意図しない損傷の発生を有効に防止することができる。
ここで、新たな塗料層とサイド部外表面との間には、先述したような白色塗料からなる白色層を設けることができ、また、新たな塗料層の表面には、前記の保護層を、該表面を覆って設けることができる。
またここで、白色層や、新たな塗料層、保護層の形成前には、プライマー処理を施すことができ、それにより、白色層、塗料層ないしは保護層の接着性を高めることができる。
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 タイヤサイド部
6 塗料層
10 塗料除去剤
11 布材
12 スプレー
Claims (9)
- タイヤのビード部、および、該ビード部に連なって延びるサイドウォール部を含むタイヤサイド部の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層を設けたタイヤの、前記塗料層を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、
サイド部外表面の既存の塗料層に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤を用いて、該既存の塗料層を剥離させて取り除く塗料層除去工程を含む、タイヤサイド部の塗料層補修方法。 - 前記塗料層除去工程を経た後、サイド部外表面に、塗料の塗布による新たな塗料層を形成する塗料層形成工程を含む、請求項1に記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記塗料除去剤として、パラフィン系炭化水素を含むものを用いる、請求項1もしくは2に記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記既存の塗料層が、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記既存の塗料層の最大厚みが、50μm〜200μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層とサイド部外表面との間に介装された、白色塗料からなる白色層とともに剥離させて取り除く、請求項1〜5のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層の表面を覆って配設された保護層とともに剥離させて取り除く、請求項1〜6のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用後、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を、エアブローまたは、粘着テープの貼着により除去する、請求項1〜7のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用後、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を除去するに当り、タイヤを、該タイヤの周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部外表面をバフ研磨する、請求項1〜7のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
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JPH04202339A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-23 | Terumasa Yokoyama | ゴムタイヤ |
JP2003054225A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-02-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ及びその装着方法 |
JP2010125440A (ja) * | 2008-12-01 | 2010-06-10 | Jetech Ltd | ドーナツ型(リング型)物品用インクジェット印刷装置 |
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