JP2013141821A - タイヤサイド部の塗料層補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイド部外表面に設けられた塗料層が損傷等した場合に、そのような既存の塗料層を容易に、また十分確実に取り除くことのできるタイヤサイド部の塗料層補修方法を提供する。
【解決手段】タイヤ1のビード部2、および、該ビード部2に連なって延びるサイドウォール部3を含むタイヤサイド部5の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層6を設けたタイヤ1の、前記塗料層6を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、サイド部外表面の既存の塗料層6に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤10を用いて、該既存の塗料層6を剥離させて取り除く塗料層除去工程を含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、タイヤのビード部、および、該ビード部に連なって延びるサイドウォール部を含むタイヤサイド部の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層を設けたタイヤの、前記塗料層を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法に関するものである。
近年、タイヤに装飾的な美観を付与することや、標章を表示すること等を目的として、タイヤのサイド部外表面に、印刷等によって塗料を塗布してなる塗料層を、たとえば、タイヤ周方向に沿わせて設けて、サイド部外表面に、文字、図形、バーコードを含む記号、模様等からなる装飾もしくは標章を施すことが提案されている。
ところで、上記のようなタイヤでは、タイヤの使用に伴って、サイド部外表面に設けた前記塗料層が縁石その他に擦り付けられること等に起因する、塗料層の損傷もしくは剥離または、塗料層の劣化により、該塗料層が、所期したとおりの装飾性もしくは標章の視認性を十分に発揮し得なくなることがあるが、従来は、たとえば、このようなタイヤのサイド部外表面への、新たな塗料層の形成による再塗装に先立つ、損傷ないしは、部分的に剥離した既存の塗料層の、サイド部外表面からの除去を、容易かつ確実に行う方法が存在しなかった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、サイド部外表面に設けられた塗料層が損傷等した場合に、そのような既存の塗料層を容易に、また十分確実に取り除くことのできるタイヤサイド部の塗料層補修方法を提供するにある。
この発明のタイヤサイド部の塗料層補修方法は、タイヤのビード部、および、該ビード部に連なって延びるサイドウォール部を含むタイヤサイド部の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層を設けたタイヤの、前記塗料層を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、サイド部外表面の既存の塗料層に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤を用いて、該既存の塗料層を剥離させて取り除く塗料層除去工程を含むものである。
またこの方法では、上記の塗料層除去工程を経た後、サイド部外表面に、塗料の塗布による新たな塗料層を形成する塗料層形成工程を含むことが好ましい。
ここで、前記塗料除去剤としては、パラフィン系炭化水素を含むものを用いることが好ましい。
なお、前記既存の塗料層は、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されたものであることが好ましく、また、前記既存の塗料層の、サイド部外表面に立てた法線に沿う向きの最大厚みは、50μm〜200μmであることが好ましい。
ところで、上記の塗料層除去工程においては、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層とサイド部外表面との間に介装された、白色塗料からなる白色層とともに剥離させて取り除くことが好ましい。
また、上記の塗料層除去工程においては、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層の表面を覆って配設された保護層とともに剥離させて取り除くことが好ましい。
そして、上記の塗料層除去工程においては、前記塗料除去剤の使用後、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を、エアブローまたは、粘着テープの貼着により除去することが好ましい。
また、上記の塗料層除去工程においては、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を除去するに当り、タイヤを、該タイヤの周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部外表面をバフ研磨することが好ましい。
この発明のタイヤサイド部の塗料層補修方法によれば、塗料層除去工程で、サイド部外表面の既存の塗料層に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤を用いて、該既存の塗料層を膨潤・剥離させることにより、そのような既存の塗料層を容易に、また十分確実に取り除くことができる。
そして、塗料層除去工程に続く塗料層形成工程で、サイド部外表面に、塗料を塗布による新たな塗料層を形成するときは、既存の塗料層が除去されたサイド部外表面が、装飾性もしくは、標章の視認性の高い新たな塗料層を具えることが可能になる。
ここで、前記塗料除去剤として、パラフィン系炭化水素を含むものを用いるときは、該パラフィン系炭化水素に固有の、塗料を膨潤させる作用に基き、既存の塗料層の除去を、より一層容易に、しかも短時間のうちに行うことができる。
またここで、上述した既存の塗料層が、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されたものであるときは、とくにパラフィン系炭化水素を含む前記塗料除去剤によって、前記UVインキからなる既存の塗料層を十分に膨潤・剥離させることができるので、既存の塗料層を除去する効果を大きく高めることができる。
なお、前記既存の塗料層の最大厚みが、50μm〜200μmの範囲である場合は、上述したような塗料除去剤によって、既存の塗料層をより確実に取り除くことができる。
これはすなわち、所要の発色性等を有効に発揮させるために50μm以上の厚みに形成されることが多い塗料層が、200μmを超える最大厚みを有する場合は、厚みが厚過ぎることに起因して、前記塗料除去剤によっては、既存の塗料層を確実に除去できないおそれがあることによる。
ところで、たとえば、白色以外の塗料で形成されることのある塗料層の発色性を高めるために、既存の塗料層とサイド部外表面との間には、白色塗料からなる白色層が介装されていることがあり、この場合において、前記塗料層除去工程で、前記塗料除去剤の使用によって、既存の塗料層のみならず、前記白色層をも膨潤・剥離させて、既存の塗料層を白色層とともに取り除くときは、白色層の除去により、たとえば、その後の、既存の塗料層が存在していたサイド部外表面領域への再塗装を容易なものとしつつ、サイド部外表面に、すぐれた装飾性等を発揮し得る新たな塗料層を形成することができる他、既存の塗料層および前記白色層のそれぞれを個別に除去する場合に比して、補修作業の能率を高めることができる。
また、サイド部外表面に設けた塗料層を、タイヤの使用に伴う、縁石その他への擦り付け等から防止するため、サイド部外表面には、たとえば水系ウレタン樹脂材料等からなる保護層が、前記既存の塗料層を覆って配設されている場合があるが、このような保護層もまた、塗料層除去工程における、上述した塗料除去剤の使用によって、既存の塗料層とともに除去することができるので、補修作業の能率を向上させることができる。
なお、上述した塗料除去剤の使用によっても、既存の塗料層がそれの全体にわたって完全には剥離されずに、塗料除去剤の使用後に、サイド部外表面に、前記既存の塗料層が、たとえば粉状に残留する場合がある。
このことに対して、塗料層除去工程で、塗料除去剤の使用後に、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を、エアブローもしくは、粘着テープの貼着により除去するときは、塗料除去剤の使用によっても取り除くことができなかった前記残留部分を、より確実に除去することができ、それにより、補修後のタイヤで、前記残留部分が存在することによる装飾性、視認性の低下を有効に防止することができ、また、たとえば、その後に再塗装する場合は、サイド部外表面への再塗装を容易に行うことができるとともに、前記残留部分が存在しないサイド部外表面に、新たな塗料層を、十分強固に固定ないしは固着させて形成することができる。
また、上述したエアブローや粘着テープの貼着に代わる、既存の塗料層の前記残留部分を除去する方法として、タイヤを周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部外表面をバフ研磨するときは、エアブロー等を用いる残留部分の除去による上記の効果に加えて、前記残留部分の除去作業を、手作業の場合に比して短時間で能率的に行うことができるので、その作業性を大きく高めることができる。
この発明の一の実施形態の塗料層除去工程を示す、タイヤの側面図である。 他の実施形態の塗料層除去工程を示す、図1と同様の図である。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に示すところにおいて、図中1は、この発明の補修方法に用いることのできるタイヤを示し、図示のタイヤ1は、一般的な空気入りタイヤと同様に、一対のビード部2と、各ビード部2に連なってタイヤ半径方向外方に延びるそれぞれのサイドウォール部3と、それらのサイドウォール部3を連結するトレッド部4とを具えるとともに、図示は省略するが、内部に、ビード部2からサイドウォール部3を経てトレッド部4までトロイド状に延在する、タイヤの骨格をなすカーカスおよび、該カーカスの外周側に配設したベルト等を有するものである。なおこの空気入りタイヤ1に代えてソリッドタイヤとすることもできる。
そしてここでは、ビード部2とサイドウォール部3とを含むタイヤサイド部5の外表面に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷その他の印刷等を施すことにより、図1に示すように、たとえば、タイヤ周方向の全周にわたって円環状に延びる、文字、図形、バーコードを含む記号、模様等からなる装飾もしくは標章としての塗料層6を設ける。図に示すところでは、タイヤ側面に実際に描かれた模様等は省略しており、円環状の部分6を塗料層としている。
この塗料層6は、様々な色の塗料で形成することができる他、図示の円環状の形態に加えて、または、該形態に代えて、サイド部外表面の、タイヤ周方向および/またはタイヤ半径方向の一箇所または複数個所に存在する様々な形状をなす形態で設けることができる。なお、図示は省略するが、たとえば、相互に大きさの異なる円環状の塗料層を複数個設けることもできる。
このような塗料層6を設けたタイヤ1では、該塗料層6による装飾性や、標章の視認性を有効に発揮することができるも、タイヤ1の使用に伴い、塗料層6が縁石に擦り付けられること等により、塗料層6に損傷や剥離、劣化が生じる結果として、塗料層6が、所期した装飾性、視認性を発揮し得なくなることがある。
ここにおいて、この発明では、上記のように損傷・剥離等が生じた塗料層6を、たとえば、塗料の塗り直しによる再塗装等によって新たな塗料層に置き換える塗料層形成工程に先立って、既存の塗料層6を除去するための塗料層除去工程で、図1に示すように、既存の塗料層6に、塗料を膨潤させるべく機能する塗料除去剤10を使用して、その塗料層6を剥離させる。
ここで、既存の塗料層6に対する塗料除去剤10の使用は、たとえば、図1に例示するように、液体状の塗料除去剤10を浸潤させた不織布、織布その他の布材11を、塗料層6に押し当てることの他、図2に例示するように、スプレー12等を用いて、液体状の塗料除去剤10を、塗料層6に向けて霧状に噴出すること等により行うことができる。あるいは、図示は省略するが、塗料除去剤を含ませた刷毛もしくはローラで、塗料除去剤10を塗料層6に塗布することもできる。
またここで、上記の塗料除去剤としては、パラフィン系炭化水素を主成分とするもの(たとえば、東ソー株式会社製HC―250)を用いることが好ましいが、これ以外に、ガソリンその他の、塗料を膨潤させることが可能な液体等を用いることができる。
このような塗料除去剤10によれば、塗料のなかでも、蒸発乾燥インキ、酸化重合インキ、アロマフリーインキ、光硬化インキ、大豆油インキ等の様々なインキを膨潤・剥離させることが可能であるが、とくに、UVインキ(紫外線硬化型インキ)に対して、その膨潤・剥離作用を有効に発揮し得ることから、塗料除去剤10により膨潤・剥離させる前記既存の塗料層6は、UVインキで形成されたものであることが好ましい。
なお、このUVインキは、光重合開始剤、オリゴマー、モノマー、着色剤を主要成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、分散剤を配合してなるものであり、これを、粘度調整のため、溶剤で希釈したものであってもよい。
ここで、前記UVインキに含まれる光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤が一般に使用され、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型開始剤;及びアシルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。光重合開始剤は上記のものを単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
またここで、前記UVインキに含まれるオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル樹脂の(メタ)アクリレート等反応性オリゴマーの他、反応性官能基を持たない化合物も適宜使用することができる。なお、ここでいう「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートを含むものである。
そしてまた、前記UVインキに含まれるモノマーとしては、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマー等を適宜使用することができるが、これらは、各種高分子材料との接着性向上、弾性率制御の役割を担っており、接着剤の塗布液の粘度調整にも必要である。その配合量は、使用するオリゴマーによって適宜調整して決定される。モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート(アクリロイルモルホリン)、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の1官能性モノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートトリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーを挙げることができる。
なお、上記のUVインキには、耐候性、耐熱性等の向上、粘度調整などのため適宜、その他の配合剤を配合することができる。
上記のUVインキで形成された既存の塗料層6に、前記パラフィン系炭化水素を主成分とする液体状の塗料除去剤を使用する場合、たとえば、タイヤ半径方向の高さ60mm、タイヤ周方向の周長1.4mの円環状の塗料層6に対しては、30cc程度の塗料除去剤を用いることにより、該塗料層6を膨張・剥離させて有効に除去することができる。
また、前記既存の塗料層6の厚みが厚過ぎると、上述した塗料除去剤10の使用によっても、塗料層6を、確実に膨潤および剥離させることが困難であったり、または塗料層6の剥離に多くの時間を要したりすることがあるので、既存の塗料層6の最大厚みは、それの測定位置で、サイド部外表面に立てた法線に沿う向きに測って50μm〜200μmの範囲であることが好ましい。
なお、塗料層6の厚みが50μm未満の場合は、たとえば、白色以外の塗料で着色してなる塗料層の、所望の装飾性ないしは視認性を十分に発揮し得る程度の発色性を得ることが困難となる。
ところで、サイド部外表面に、白色以外の塗料からなる塗料を塗布してなる塗料層を設ける場合は、タイヤサイド部5の多くの部分を構成する、カーボン入りの黒ゴムの表面に直接的に塗料層を形成しても、明度の低い黒ゴムの地色の影響等により、塗料層6の発色性が損ねられて、塗料層6がくすんだ色合いとなる結果として、塗料層6それ自体の目視が困難となることから、塗料層6とサイド部外表面との間に、白色塗料からなる、図示しない白色層を介在させて、塗料層6の発色性を確保することがある。
この場合は、前記の塗料除去工程で、上述した塗料除去剤10を塗料層6に塗布等することにより、既存の塗料層6を、その塗料層6とサイド部外表面との間の前記白色層とともに膨潤・剥離させて除去することができるので、白色層を、塗料層6とは別個に除去する場合のような、作業能率の低下を招くおそれがない。
なお、白色層を構成する「白色塗料」とは、最も明度の低い部分で80%以上の明度を有する塗料をいう。ここでいう明度は、HSVモデルにより定義されるものであり、そして、この明度は、分光測色計(例えば、コニカミノルタ社製)を用いて明度、彩度及び色相を他系統(例えばLab色空間)で測定した後、該測定値を、必要なソフトウエア(例えば、photoshop(登録商標))によりHSV系統に変換することで算出することができる。
また、サイド部外表面には、タイヤ1の使用に伴う塗料層6の損傷等を防止するための、OPニスもしくは水系ウレタン樹脂材料等で形成される、図示しない保護層を、塗料層6の表面を覆って設けることがある。この保護層を形成する上記の水系ウレタン樹脂材料の一の例としては、ポリオール成分及び多塩基成分を反応させて得られる水酸基含有ポリエステルと、ポリイソシアネートとを含有し、当該ポリオール成分及び多塩基成分のうちの少なくともポリオール成分が、その成分の分子内に脂環構造を有するものとした水系ウレタン樹脂が挙げられる。また、前記水系ウレタン樹脂材料の他の例としては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得られる水酸基価100〜300の水溶性ウレタンポリオールと、親水性基含有ポリイソシアネートと、必要に応じて水分散性ウレタン樹脂又は水分散性アクリル樹脂とを含む水系ウレタン樹脂であって、前記ポリオール成分の一部が、ポリオールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールを含み、前記ポリオールおよび前記多塩基酸の少なくとも一方が脂環構造を有する水系ウレタン樹脂が挙げられる。
このような保護層もまた、上記の塗料除去剤10を使用することにより、塗料層6とともに、サイド部外表面から除去することができる。
上記のように、塗料除去剤10を既存の塗料層6に塗布等した後は、塗料除去剤10の使用によっても除去されずに、サイド部外表面に残留した、塗料層6の残留部分を取り除くため、塗料層6の前記残留部分にエアを吹き付けたり、あるいは、サイド部外表面に粘着テープを一旦貼り付けて、前記残留部分を接着させたその粘着テープを剥がしたりすることができ、それにより、既存の塗料層6をより確実に除去することができる。
また、エアの吹き付け、粘着テープの貼着の他に、既存の塗料層6の、サイド部外表面への残留部分を除去する方法として、たとえば、タイヤ1を回転駆動させる装置(図示せず)に、タイヤ1を装着するとともに、その装置を作動させて、タイヤ1をそれの周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部表面をバフ研磨することは、前記残留部分の除去作業を短時間で行うとの観点から好ましい。
なおここで、この研磨材を、たわし、ブラシまたは不織布等とすることにより、上記のバフ研磨に起因する、サイド部外表面への、意図しない損傷の発生を有効に防止することができる。
以上に述べたようにして、サイド部外表面の既存の塗料層6を剥離させて除去した後は、塗料層形成工程で、図示は省略するが、既存の塗料層6の存在しないサイド部外表面に再塗装を施して、所望の装飾性ないし視認性をもたらす新たな塗料層を形成することができる。
ここで、新たな塗料層とサイド部外表面との間には、先述したような白色塗料からなる白色層を設けることができ、また、新たな塗料層の表面には、前記の保護層を、該表面を覆って設けることができる。
なお、上述した白色層をサイド部外表面に設けるに先立って、既存の塗料層6を除去したサイド部外表面に、たとえばイソプロピルアルコールを含む溶剤の塗布または、スチーム洗浄を施すことにより、サイド部外表面への付着物を取り除くことができ、それにより、その後に形成する白色層を、サイド部外表面に、強固に固定ないし固着することができる。このような、サイド部表面への付着物の除去は、サイド部表面に、白色層を形成する後であって、新たな塗料層を形成する前にも行うことができる他、保護層を形成する前にも行うことが可能である。
またここで、白色層や、新たな塗料層、保護層の形成前には、プライマー処理を施すことができ、それにより、白色層、塗料層ないしは保護層の接着性を高めることができる。
一方、サイド部外表面に形成された既存の塗料層6の除去だけを行う場合、たとえば、損傷等した塗料層を除去した後に、塗料層を有しないタイヤ1を使用する場合等であっても、この発明の補修方法を用いることができるが、このような場合は、塗料除去工程の後の、新たな塗料層を形成するための塗料層形成工程は不要である。
1 タイヤ
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 タイヤサイド部
6 塗料層
10 塗料除去剤
11 布材
12 スプレー

Claims (9)

  1. タイヤのビード部、および、該ビード部に連なって延びるサイドウォール部を含むタイヤサイド部の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層を設けたタイヤの、前記塗料層を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、
    サイド部外表面の既存の塗料層に対し、塗料を膨潤させる塗料除去剤を用いて、該既存の塗料層を剥離させて取り除く塗料層除去工程を含む、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  2. 前記塗料層除去工程を経た後、サイド部外表面に、塗料の塗布による新たな塗料層を形成する塗料層形成工程を含む、請求項1に記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  3. 前記塗料除去剤として、パラフィン系炭化水素を含むものを用いる、請求項1もしくは2に記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  4. 前記既存の塗料層が、光重合開始剤とオリゴマーとモノマーと着色剤とを含むUVインキで形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  5. 前記既存の塗料層の最大厚みが、50μm〜200μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  6. 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層とサイド部外表面との間に介装された、白色塗料からなる白色層とともに剥離させて取り除く、請求項1〜5のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  7. 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用により、既存の塗料層を、該塗料層の表面を覆って配設された保護層とともに剥離させて取り除く、請求項1〜6のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  8. 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用後、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を、エアブローまたは、粘着テープの貼着により除去する、請求項1〜7のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
  9. 前記塗料層除去工程において、前記塗料除去剤の使用後、既存の塗料層の、サイド部外表面への残留部分を除去するに当り、タイヤを、該タイヤの周方向に回転駆動させた状態で、サイド部外表面の前記残留部分に研磨材を押し当てて、サイド部外表面をバフ研磨する、請求項1〜7のいずれかに記載の、タイヤサイド部の塗料層補修方法。
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