JP2013140041A - 外観検査装置、外観検査方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
外観検査装置、外観検査方法及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】新たに良品画像が追加された場合であっても適切な良否判定のための判定閾値を自動的に設定することができる外観検査装置、外観検査方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付け、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定し、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する。設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する。取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定する。
【選択図】図5
【解決手段】良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付け、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定し、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する。設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する。取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定する。
【選択図】図5
Description
本発明は、検査対象物を撮像して取得した画像群に新たな画像を追加する場合に、良否判定のための判定閾値をより適切な値に更新する外観検査装置、外観検査方法、及びコンピュータプログラムに関する。
従来、検査対象物を撮像して取得した画像を、基準となる検査対象物の画像(基準画像)と比較することにより、検査対象物が良品であるか否かを判定する外観検査方法が開発されている。判定する基準となる画像は、外観検査により良品であると判定された画像であり、良品であると判定された画像を基準として良否判定のための判定閾値を設定する。
良品を正しく良品であると判定するためには、適切な良否判定のための判定閾値を設定することが重要となる。例えば特許文献1では、良品画像を複数入力させ、検査対象物の画像の良否を判定するための閾値を設定する画像処理方法を用いた画像検査装置が開示されている。特許文献1では、良品画像が追加される都度学習して、良否判定のための閾値を再設定しているので、良否判定に若干のばらつきが生じている場合であっても、適切な閾値を設定することができる。
従来の画像検査装置では、良否判定のための判定閾値を標準偏差のシフト量に基づいて設定する。そして、良品であるにもかかわらず誤って不良品であると判定された検査対象物が存在する場合、判定閾値をゆるい基準へと更新するべくシフト量の調整を行う。しかし、シフト量を過度に調整した場合、良品(又は不良品)であると判定するべき検査対象物まで不良品(又は良品)であると誤判定されるおそれがあり、判定精度が低下するという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、新たに良品画像が追加された場合であっても適切な良否判定のための判定閾値を自動的に設定することができる外観検査装置、外観検査方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る外観検査装置は、検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置において、良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶する画像入力手段と、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する欠陥閾値設定手段と、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する判定閾値設定手段と、前記欠陥閾値設定手段で設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する欠陥検出手段と、検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する度数分布取得手段とを備え、前記欠陥閾値設定手段は、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、前記欠陥検出手段は、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、前記判定閾値設定手段は、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第2発明に係る外観検査装置は、第1発明において、前記欠陥閾値設定手段は、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第3発明に係る外観検査装置は、第1又は第2発明において、前記欠陥検出手段は、各画像の欠陥量を算出し、前記判定閾値設定手段は、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定することを特徴とする。
また、第4発明に係る外観検査装置は、第3発明において、前記判定閾値設定手段は、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第5発明に係る外観検査装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記欠陥検出手段は、検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出することを特徴とする。
また、第6発明に係る外観検査装置は、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記判定閾値設定手段は、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第6発明に係る外観検査装置は、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記判定閾値設定手段は、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
次に、上記目的を達成するために第8発明に係る外観検査方法は、検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置で実行することが可能な外観検査方法において、良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶するステップと、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定するステップと、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定するステップと、設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出するステップと、検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得するステップとを含み、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第9発明に係る外観検査方法は、第8発明において、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第10発明に係る外観検査方法は、第8又は第9発明において、各画像の欠陥量を算出し、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定することを特徴とする。
また、第11発明に係る外観検査方法は、第10発明において、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第12発明に係る外観検査方法は、第8乃至第11発明のいずれか1つにおいて、検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出することを特徴とする。
また、第13発明に係る外観検査方法は、第8乃至第12発明のいずれか1つにおいて、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
また、第14発明に係る外観検査方法は、第8乃至第12発明のいずれか1つにおいて、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
次に、上記目的を達成するために第15発明に係るコンピュータプログラムは、検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記外観検査装置を、良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶する画像入力手段、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する欠陥閾値設定手段、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する判定閾値設定手段、前記欠陥閾値設定手段で設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する欠陥検出手段、及び検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する度数分布取得手段として機能させ、前記欠陥閾値設定手段を、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定する手段として、前記欠陥検出手段を、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する手段として、前記判定閾値設定手段を、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定する手段として、それぞれ機能させることを特徴とする。
また、第16発明に係るコンピュータプログラムは、第15発明において、前記欠陥閾値設定手段を、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする。
また、第17発明に係るコンピュータプログラムは、第15又は第16発明において、前記欠陥検出手段を、各画像の欠陥量を算出する手段として機能させ、前記判定閾値設定手段を、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定する手段として機能させることを特徴とする。
また、第18発明に係るコンピュータプログラムは、第17発明において、前記判定閾値設定手段を、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする。
また、第19発明に係るコンピュータプログラムは、第15乃至第18発明のいずれか1つにおいて、前記欠陥検出手段を、検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出する手段として機能させることを特徴とする。
また、第20発明に係るコンピュータプログラムは、第15乃至第19発明のいずれか1つにおいて、前記判定閾値設定手段を、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする。
また、第21発明に係るコンピュータプログラムは、第15乃至第19発明のいずれか1つにおいて、前記判定閾値設定手段を、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする。
第1発明、第8発明及び第15発明では、良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶しておき、記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定し、検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する。設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する。検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得し、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定する。これにより、記憶されている画像の濃度値の度数分布を取得し、新たな欠陥閾値を算出しているので、欠陥部分の検出に、ユーザにより良品とされた良品画像の特徴を確実に反映させることができる。また、新たな欠陥閾値に基づいて新たな判定閾値を算出するので、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
第2発明、第9発明及び第16発明では、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた濃度値が除外されるように新たな欠陥閾値を算出して設定する。これにより、統計処理に基づいて、外れ値とされた濃度値を除外するよう欠陥閾値を設定することができるので、新たな良品画像を追加した場合であっても、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
第3発明、第10発明及び第17発明では、各画像の欠陥量を算出し、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を判定閾値として設定する。これにより、統計処理に基づいて、良否判定を行うための判定閾値を設定するので、新たな良品画像を追加した場合であっても、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
第4発明、第11発明及び第18発明では、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定する。これにより、外れ値とされた濃度値を除外するよう欠陥閾値を設定することができるので、新たな良品画像を追加した場合であっても、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
第5発明、第12発明及び第19発明では、検出した欠陥部分のうち、濃度が欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として欠陥量を算出するので、欠陥量は欠陥閾値より低いが広範囲に広がっている部分であっても、欠陥部分として検出することが可能となる。
第6発明、第13発明及び第20発明では、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて判定閾値を算出して設定するので、欠陥量が正規分布に従うことを前提とすることが困難な場合であっても、ノンパラメトリック手法により正しく算出することが可能となる。なお、パラメトリック手法とは、欠陥量が正規分布に従うことを前提とした算出方法を意味し、ノンパラメトリック手法とは、欠陥量が正規分布に従わないことを前提とした算出方法を意味する。
第7発明、第14発明及び第21発明では、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて判定閾値を算出して設定するので、欠陥量が正規分布に従うことを前提とすることが困難な場合であっても、ノンパラメトリック手法により正しく算出することが可能となる。
本発明によれば、記憶されている画像の濃度値の度数分布を取得し、新たな欠陥閾値を算出しているので、欠陥部分の検出に、ユーザにより良品とされた良品画像の特徴を確実に反映させることができる。また、新たな欠陥閾値に基づいて新たな判定閾値を算出するので、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る外観検査装置について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置を含む製品検査システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る外観検査装置を含む製品検査システムはカメラ1と、カメラ1とデータ通信することが可能に接続ケーブル3で接続されている外観検査装置2とで構成されている。外観検査装置2は表示装置(図示せず)と接続されており、画像処理制御部201と照明制御部202とを内蔵している。
また、照明制御部202は、照明装置4とデータ通信することが可能に接続ケーブル3で接続されている。コンベア5上を移動してくる検査対象物6は、照明装置4により光を照射され、カメラ1で撮像される。外観検査装置2は、撮像された検査対象物6の画像に基づいて、検査対象物6が良品であるか不良品であるかを判定する。
カメラ1は、内部に画像処理を実行するFPGA、DSP等を備えており、検査対象物6を撮像する撮像素子を有するカメラモジュールを備えている。撮像素子としてはCMOS基板を有しており、例えば撮像したカラー画像は、CMOS基板にてダイナミックレンジを広げる変換特性に基づいてHDR画像へ変換される。
複数の検査対象物6は、コンベア5のライン上を流れてくる。検査対象物6の上方(又は側方、下方)に設置されているカメラ1により検査対象物6を撮像し、撮像した画像を基準画像(例えば良品を撮像した画像)と比較して、検査対象物6に傷、欠陥等が存在するか否かの判定を行う。検査対象物6に傷、欠陥等が存在すると判定した場合には、NG判定となる。一方、検査対象物6に傷、欠陥等が存在しないと判定した場合には、OK判定となる。このように、本実施の形態に係る外観検査装置2は、検査対象物6を撮像した画像を用いて、検査対象物6の良否判定を行うものである。
ここで、検査対象物6の外観検査を行う場合、検査に用いる各種パラメータを設定する必要がある。例えば、撮像条件を規定する撮像パラメータ、照明条件を規定する照明パラメータ、どういう検査を行うかを示す検査条件を規定する画像処理パラメータ(検査パラメータ)等である。外観検査装置2では、上述した良否判定を行う前に、これらの各種パラメータを設定する。要するに、外観検査装置2は、検査対象物6の良否を判定する運転モード(Runモード)と、検査に用いる各種パラメータの設定を行う設定モード(非Runモード)とを有しており、これらのモードを切り替えるためのモード切替手段(図示せず)を有している。
ユーザは、運転モードにおいて、ライン上を流れてくる複数の検査対象物6に対して良否判定が繰り返し行われる前に、設定モードにおいて、各種パラメータに対して最適なパラメータ値を設定(調整)する。基本的に、各種パラメータに対してはデフォルト値が設定されており、ユーザがデフォルト値のままでよいと判断した場合には、パラメータ値を調整する必要はない。
一方、検査対象物6の種類、検査環境の変動に応じて、パラメータ値を調整することもできる。本実施の形態に係る外観検査装置2は、設定モードにおいて最適なパラメータ値を設定する場合、判定閾値の設定基準となる画像群に不良品の画像が混入することを防止するものである。以下、本実施の形態に係る外観検査装置2の構成及び処理手順について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態に係る外観検査装置2は、画像を撮像するカメラ1及び撮像された画像又は演算処理の途上で生成された画像を表示する表示装置3に接続されている。
外観検査装置2は、少なくともCPU(中央演算装置)、LSI等で構成された主制御部21、メモリ22、記憶手段23、入力手段24、出力手段25、通信手段26、補助記憶手段27及び上述したハードウェアを接続する内部バス28で構成されている。主制御部21は、内部バス28を介して外観検査装置2の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶手段23に記憶されているコンピュータプログラム5に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ22は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム5の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム5の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶手段23は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ)、ROM等で構成されている。記憶手段23に記憶されているコンピュータプログラム5は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM、フラッシュメモリ等の可搬型記録媒体4から、補助記憶手段27によりダウンロードされ、実行時には記憶手段23からメモリ22へ展開して実行される。もちろん、通信手段26を介して外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
記憶手段23は、良品とされる画像群を構成する複数の画像の画像データを記憶しておく良品画像データ記憶部231を備えている。良品画像データには、良品とされる画像の画像データが記憶されているが、不良品であるにもかかわらず、ユーザによって誤って良品とされた画像の画像データも含まれる。すなわち、ユーザによって良品とされた(実際に良品であるか否かは問わない)画像の画像データが記憶される。換言すれば、良品画像データ記憶部231に記憶される良品画像データは、判定閾値の設定基準となる良品とされる画像群を構成する一の画像として、ユーザによって選択・入力されるものである。特に、後述する良品学習処理を実行するために、ユーザは、表示装置3及び入力手段24等を用いて、自ら良品であると判断した判定対象物6の画像を選択し、選択された複数の画像の画像データが良品画像データ記憶部231に記憶される。
通信手段26は内部バス28に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。すなわち、上述した記憶手段23は、外観検査装置2に内蔵される構成に限定されるものではなく、通信手段26を介して接続されている外部のサーバコンピュータ等に設置されているハードディスク等の外部記録媒体であっても良い。
入力手段24は、キーボード及びマウス等のデータ入力媒体の他、液晶パネル等と一体となったタッチパネル等の入力情報を取得する装置全般を含む広い概念である。出力手段25は、レーザプリンタ、ドットプリンタ等の印刷装置等を意味する。
表示装置3は、CRT、液晶パネル等を有する表示装置である。外部制御機器6は、通信手段26を介して接続されている制御機器であり、例えばPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等が相当する。ここで外部制御機器6とは、外観検査装置2による検査結果に応じて後処理を実行する機器全般を意味している。
図3は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の主制御部21の各種のパラメータ設定処理の手順を示すフローチャートである。図3において、外観検査装置2の主制御部21は、入力を受け付けた検査対象物6の画像に対して、位置ずれ補正パターンを設定する(ステップS301)。具体的には、基準となる画像のパターンを設定することで、入力を受け付けた画像の位置ずれを補正する。
主制御部21は、検査する領域を設定する(ステップS302)。具体的には、矩形の領域又は円形の領域を選択することで、欠陥の有無を検査する領域を設定することができる。
主制御部21は、良品学習処理を実行する(ステップS303)。具体的には、図4に示すように、良品学習処理を実行する。図4は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の主制御部21の良品学習処理(図3のステップS303)の手順を示すフローチャートである。
図4において、外観検査装置2の主制御部21は、入力手段24等を介してユーザにより良品として選択された複数の画像の画像データを、良品画像データ記憶部231に記憶する(ステップS401)。良品画像データ記憶部231に記憶されている複数の画像データが、良品とされる画像群となる。
次に、良品画像データ記憶部231に本来記憶するべきではない画像、つまり欠陥部分の検出精度の低下(欠陥閾値の誤設定)を招くおそれのある、誤学習により混入した画像を、良品とされる画像群から削除する(ステップS402)。本処理の詳細については、図17乃至図19を用いて後述する。
そして、ステップS402によって、より適切な画像群が得られた後、欠陥部分を検出するための欠陥閾値及び良否判定のための判定閾値を自動的に再設定する(ステップS403)。本処理の詳細については、図5及び図6を用いて後述する。
図3に戻って、外観検査装置2の主制御部21は、良品学習処理が正しく実行されたか否かを検証し(ステップS304)、良品が正しく良品であると判定されるよう設定パラメータを調整する。具体的には、テスト用のいくつかの検査対象物(良品)6をカメラ1で撮像して取得した良品画像又は記憶してある複数の良品画像について良否判定を実行し、正しい結果となるようユーザが手動で設定パラメータを調整する。設定パラメータが最適に調整された後、主制御部21は、調整した設定パラメータを記憶して(ステップS305)、設定モードを終了する。ステップS301〜ステップS305に示す処理が、いわゆる設定モードにおける動作である。
次に、ユーザにより、入力手段24等を介して所定のボタン(例えば運転ボタン)等が選択された場合、設定モードから運転モードに切り替わり、ライン上を流れてくる検査対象物6について良否判定を実行する、という運転(運用)を開始する(ステップS306)。より具体的には、外観検査装置2は、カメラ1の下方に検査対象物6が到着したことを示すトリガ信号が外部から入力された場合、検査対象物6を撮像し、ステップS305で記憶された設定パラメータを用いて良否判定を実行する。
本発明の実施の形態に係る外観検査装置2は、図4に示すステップS403の自動閾値の設定処理において、欠陥部分を検出するための欠陥閾値及び検査対象物6の良否判定を行うための判定閾値を自動的に算出して設定する。図5は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の一構成例を示す機能ブロック図である。
図5において、本実施の形態に係る外観検査装置2は、カメラ1と、外観検査装置2の処理を実行する画像処理部7と、記憶手段23と、画像表示部8とで構成される。
カメラ1は、例えばディジタルカメラであり、検査対象物6として例えばフィルム表面を撮像し画像を取得して画像処理部7へ出力する。
画像処理部7は、画像入力手段71と、欠陥閾値設定手段72と、判定閾値設定手段73と、欠陥検出手段74と、度数分布取得手段75と、情報表示手段76とを含む。また、画像処理部7は、主制御部21、メモリ22、外部I/F等を含んで構成され、画像入力手段71、欠陥閾値設定手段72、判定閾値設定手段73、欠陥検出手段74、度数分布取得手段75、及び情報表示手段76の処理動作を制御する。
記憶手段23は、画像メモリとして機能し、カメラ1により撮像された画像の画像データ、及び画像処理部7において位置合わせ、平均値算出等の各種処理を行った後の画像データを随時記憶する。画像データとしてではなく、画素ごとの輝度値データとして記憶しても良い。
画像表示部8は、コンピュータ用のモニタ等の表示装置3で構成される。画像表示部8の画像表示手段81は、良否判定の対象となる検査対象物6を撮像した画像、良品であるか否かの判定結果を、表示装置3の表示画面上に表示させる。すなわち、画像処理部7の指示に応じた画像を表示装置3の表示画面上に表示させるとともに、検査対象物6が良品であるか否かの判定結果も表示させる。
次に、画像処理部7の各構成について説明する。
画像入力手段71は、カメラ1で撮像した、良品とされる画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶装置23の良品画像データ記憶部231に記憶する。画像の入力態様の如何については特に問わない。例えば、テスト用のいくつかの検査対象物6をカメラ1で撮像して取得した複数の画像の画像データを良品画像データ記憶部231に記憶するようにしても良い。また、テスト用の一の検査対象物6を、照明環境などの外部環境を変化させつつカメラ1で複数回撮像し、取得した複数の画像の画像データを良品画像データ記憶部231に記憶するようにしても良い。さらに、コンベア5のライン上に複数の検査対象物6を流し、それらをカメラ1で撮像し、取得した複数の画像の中から、良品であると判定されるべき複数の画像をユーザが選択し、選択された画像の画像データを良品画像データ記憶部231に記憶するようにしても良い。要するに、カメラ1で撮像して取得した複数の画像の画像データ、又はカメラ1で撮像して取得した複数の画像からユーザによって選択された複数の画像の画像データを、良品画像データ記憶部231に記憶する。良品であると判定された画像の画像データを複数記憶しておくことにより、これらを良否判定のための判定閾値の設定基準となる画像群として記憶しておくことができる。入力を受け付けた各画像に関する画像データは、記憶手段23の良品画像データ記憶部231に記憶される。
図7は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品画像入力受付画面の例示図である。図7に示すように、カメラ1で撮像した検査対象物6の画像(又は既に取得した複数の画像のうちユーザによって選択された一の画像)は、画像表示領域(主画像表示部)41に表示される。良品の学習処理では、良品画像として記憶する画像の候補として表示される。
良品学習結果表示領域(良品学習結果表示部)42には、この段階で良品画像として記憶されている画像ごとに1つのアイコンが表示される。図7では、「□」印で表示されている。「追加」ボタン43が選択された場合、画像表示領域41に表示されている画像の入力を受け付ける。入力を受け付けた画像は、良品画像として良品画像データ記憶部231に記憶される。
次に、「良品画像を学習」ボタン44が選択された場合、追加された良品画像を含めて、図4のステップS402に示す処理(及びステップS403に示す処理)が実行される。ステップS402に示す処理については、既述したように図17乃至図19を用いて後述する。ここでは説明を簡単にするために、ステップS401の直後に、ステップS403に示す閾値自動設定処理のみが実行される場合について説明する。
図5において、欠陥閾値設定手段72は、欠陥閾値の初期値を設定する。具体的には、入力を受け付けた画像の画像データ及び/又は良品画像データ記憶部231に良品画像として記憶されている良品画像データに基づいて、平均画像と標準偏差画像を算出する。そして、画素ごとに濃度の平均μ及び濃度の標準偏差σを用いて、濃度が正規分布していると仮定する。図8は、良品画像データ記憶部231に記憶された良品画像の中の任意の一画素の濃度の分布を示す例示図である。横軸が濃度(一般的には0〜255の整数値)を示し、縦軸が度数を示している。例えば良品画像が30枚あるとすれば、全度数は30となる。
図8に示すように濃度値は正規分布しており、本実施の形態では、濃度の平均μを中心として(μ−3σ)及び(μ+3σ)を、欠陥部分を検出するための欠陥閾値の初期値としている。図5に戻って、判定閾値設定手段73は、判定閾値の初期値として0(デフォルト値)を設定する。
欠陥検出手段74は、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する。具体的には、任意の一画素について、検査対象物6の画像の濃度が(μ−3σ)から(μ+3σ)までの範囲内であれば、その画素は欠陥画素ではないと判断する(図中「○」印)。一方で、任意の一画素について、検査対象物6の画像の濃度が(μ−3σ)から(μ+3σ)までの範囲内でなければ、その画素は欠陥画素であると判断する(図中「×」印)。その他、全ての画素について同様に欠陥画素であるか否かの判断を行う。もちろん、欠陥部分を検出するための欠陥閾値は変更可能であって、欠陥閾値設定手段72により設定を変更(調整)することができることは言うまでもない。なお、本実施の形態では、一画素ごとに欠陥閾値を設定するようにしたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば複数画素からなる領域(例えば4×4画素の矩形領域)ごとに欠陥閾値を設定するようにしても良い。この場合、例えば4×4画素の矩形領域のうち最大濃度を有する画素の濃度値が欠陥閾値を超えているか否かによって、その領域を欠陥部分として検出するか否かを決定する。
図5に戻って、度数分布取得手段75は、検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する。より具体的には、度数分布取得手段75は、設定された欠陥閾値に基づいて欠陥部分を検出し、良品画像データ記憶部231に記憶されている全ての画像について検出した欠陥部分の濃度値のヒストグラムを取得する。ここでは、ブロブ(複数の欠陥画素からなる領域)内の最大濃度値を各ブロブの濃度値とする。図9は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の濃度値のヒストグラムの例示図である。
図9の例では、横軸は濃度値0〜255、縦軸は各濃度値を有するブロブの個数としている。欠陥以外のノイズ等に起因するブロブは、濃度値が低い。したがって、欠陥閾値として閾値141を設定することにより、ノイズ等に起因するブロブが欠陥部分として検出されることを防止することができる。なお、濃度では、ブロブの面積の分布を取得して、同様の統計処理を適用し、面積に対する閾値を設定してノイズ成分を消すこともできる。
図5に戻って、欠陥閾値設定手段72は、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定する。本実施の形態では、統計処理の対象となる濃度値が正規分布に従うことを前提としたパラメトリック手法として、スミルノフ・グラブス検定を採用し、正規分布に従わないことを前提としたノンパラメリック手法として、箱ひげ図を使った検定を採用する。もちろん、正規分布を用いることに限定されるものではなく、t分布、χ2 分布、ポアソン分布、二項分布等の確率分布を用いても良い。本実施の形態では、パラメトリック手法とノンパラメリック手法とを併用することとした。
スミルノフ・グラブス手法では、濃度値Xの平均値をXバー、最大値をXi 、標準偏差をσとして、有意水準α%に対応する有意点tを統計数値表から求めて、(式1)の第三式を用いて閾値Xi を算出する。
(式1)により算出された閾値Xi は、欠陥閾値設定領域102に自動設定され、新たに入力を受け付けた画像に対して再度外観検査を実行することにより、自動設定された閾値が適切であるか否かを確認することができる。
また、濃度値Xが正規分布に従わない場合には、箱ひげ図を用いて欠陥閾値を算出する。欠陥部分の個数がN(Nは自然数)個である場合、小さい方から数えてN/4番目に相当する濃度値を第1四分位点(25%点)、3N/4番目に相当する濃度値を第3四分位点(75%点)として求める。そして、IQR(Interquartile Range)を、第3四分位点(75%点)と第1四分位点(25%点)との差分として算出する。
箱ひげ図とは、濃度値Xの中央値を挟んで、第1四分位点(25%点)から第3四分位点(75%点)までを「箱」形状、第1四分位点(25%点)及び第3四分位点(75%点)から上限閾値及び下限閾値までをそれぞれ「ひげ」状に図示したものを意味する。図10は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の箱ひげ図を用いて外れ値の有無を検定する場合の説明図である。
図10に示すように、濃度値Xの中央値151を挟んで、第1四分位点(25%点)152から第3四分位点(75%点)153までを「箱」形状に図示している。そして、例えば上限閾値154を(第3四分位点+3×IQR)、下限閾値155を(第1四分位点−3×IQR)として、第3四分位点153から上限閾値154までの間、及び下限閾値155から第1四分位点152までの間を「ひげ」状に破線で表示している。もちろん、IQRに乗算する係数は‘3’に限定されるものではなく、より厳しい条件で検出するように例えば‘1.5’にしても良いし、欠陥部分を検出する基準に応じて変更すれば良い。下限閾値155より小さい又は上限閾値154より大きい値である場合、例えば外れ値156を欠陥部分として検出することができる。
本実施の形態では、濃度値が大きいブロブだけを欠陥部分として検出する片側検定を行えば良いので、上限閾値154(第3四分位点+3×IQR)を欠陥閾値として算出する。
このように、本実施の形態では、新たな欠陥閾値が統計的に算出されるようにしているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、図9に示す濃度値の度数分布において、度数分布の中央値から所定濃度値を加えた値を新たな欠陥閾値として算出するようにしてもよい。また、図9に示す濃度値の度数分布において、最大個数となる濃度値を含む塊から横軸方向に一定距離以上離れた濃度値を外れ値として、その外れ値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定しても良い。要するに、図9に示すような度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定すれば良い。
図5に戻って、欠陥検出手段74は、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を再検出する。欠陥部分の検出方法については、上述した方法と同様である。加えて、欠陥検出手段74は、検出した欠陥部分の欠陥量を算出する。具体的には、欠陥画素であると判断された画素の差分濃度(良品画像データ記憶部231に記憶された一の画像データの画素値から平均画像の画像データの画素値を差し引いた値の絶対値、つまり、濃度の平均μから離れる程度)の総和(濃度積算値)を欠陥量として算出する。これにより、例えば良品画像データが30個あれば、30個の欠陥量が算出される。
なお、本実施の形態では、欠陥画素であると判断された画素の差分濃度の総和を欠陥量として算出しているが、その他にも種々の算出方法が考えられる。例えば、図3のステップS302で設定した検査する領域で検出したブロブ(複数の欠陥画素からなる領域)の濃度体積の総和として算出しても良い。つまり、検査する領域中で濃度が欠陥閾値より大きい連続した領域をブロブとして認識し、ブロブに含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として欠陥量を算出する。差分濃度を用いる場合、濃度は低いが広範囲に広がっている部分については欠陥部分として検出されない可能性が高い。本実施の形態では、濃度積算値を用いることで、このような欠陥部分も確実に検出することができる。
また、濃度積算値を用いるのではなく、単純に欠陥画素であると判断された画素の濃度の総和、又は欠陥部分として検出されたブロブの濃度の総和を欠陥量として算出しても良い。欠陥画素であると判断された画素の濃度のうち最大濃度値を欠陥量としても良い。要するに、欠陥量は、検査対象物6の良否判定を行うための判定閾値と比較できる数値であれば、欠陥閾値からの離れる程度を示す欠陥濃度であっても良いし、欠陥閾値を超えている画素又はブロブの面積を示す欠陥面積であっても良いし、欠陥濃度に欠陥面積を乗じた上記欠陥濃度体積であっても良い。
図5に戻って、度数分布取得手段75は、欠陥部分の濃度値の度数分布を取得し、判定閾値設定手段73は、取得した度数分布を用いて統計処理により新たな判定閾値を算出する。すなわち、初期値として設定されているデフォルト値0から、判定閾値は変更される。
図11は、算出した欠陥量と判定閾値との関係を示す例示図である。図11に示すように、良品画像ごとに欠陥量を算出し、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値161を判定閾値として設定することにより、良品画像として記憶されている画像については、すべて良品であると判定することができる。
判定閾値は、欠陥閾値と同様の方法で算出する。まず、良品画像ごとに算出した欠陥量のヒストグラムを取得する。スミルノフ・グラブス手法では、欠陥量Yの平均値をYバー、最大値をYi 、標準偏差をσとして、有意水準α%に対応する有意点tを統計数値表から求め、(式2)の第三式を用いて上限値Yi を算出する。
(式2)により算出された上限値Yi は、上限値設定領域103に判定閾値として自動設定され、新たに入力を受け付けた画像に対して再度外観検査を実行することにより、自動設定された判定閾値が適切であるか否かを確認することができる。
また、欠陥量Yが正規分布に従わない場合には、箱ひげ図を用いて判定閾値を算出する。欠陥部分の個数がN(Nは自然数)個である場合、小さい方から数えてN/4番目に相当する欠陥量を第1四分位点(25%点)、3N/4番目に相当する欠陥量を第3四分位点(75%点)として求める。そして、IQR(Interquartile Range)を、第3四分位点(75%点)と第1四分位点(25%点)との差分として算出する。
本実施の形態では、欠陥量が大きい画像だけを不良品として判定する片側検定を行えば足りるので、上限閾値(第3四分位点+3×IQR)を判定閾値として算出する。
このように、本実施の形態では、新たな判定閾値を統計的に算出しているが、特にこれに限定されるものではなく、図11に示す度数分布において、外れ値となるような欠陥量が算出されなかった場合には、図11に示す度数分布における欠陥量の最大値を判定閾値として設定しても良い。また、欠陥量の最大値から一定の余裕をもたせ、欠陥量の最大値より所定量だけ大きな欠陥量を判定閾値として設定しても良い。要するに、取得された欠陥量の度数分布に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定すれば良い。
図6は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の主制御部21の自動閾値の設定処理(図4のステップS403)の手順を示すフローチャートである。図6において、外観検査装置2の主制御部21は、欠陥部分を検出するための欠陥閾値の初期値を設定する(ステップS601)。
主制御部21は、欠陥閾値の初期値に基づいて記憶されている各画像の欠陥部分を検出し(ステップS602)、良品画像データ記憶部231に記憶されている全ての画像について検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する(ステップS603)。
主制御部21は、取得した度数分布に基づいて、統計処理により新たな欠陥閾値を算出する(ステップS604)。主制御部21は、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を再度検出し(ステップS605)、検出した欠陥部分の欠陥量を算出する(ステップS606)。
主制御部21は、欠陥量の度数分布を再度取得し(ステップ607)、取得した度数分布を用いて統計処理により新たな判定閾値を算出する(ステップS608)。以後、斯かる処理を繰り返すことにより、より適切な欠陥閾値及び判定閾値を自動的に設定することが可能になる。
閾値の自動設定処理が実行された場合、図7に示す画面は、図12に示す画面へと遷移する。図12は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品学習処理後の良品画像入力受付画面の例示図である。図12に示すように、本実施の形態では、画像表示領域41には、算出された平均画像を表示するようにしている。また、良品学習結果表示領域42には、良品であると判定された画像に対応する「□」印のアイコンの表示色が変化し、不良品であると判定された画像に対応するアイコンは「×」印で表示されている。「□」印及び「×」印は、図4のステップ402で示す誤学習画像データの削除処理を実行した結果であり、詳細は図17乃至図19を用いて後述する。
なお、欠陥閾値及び判定閾値を度数分布に基づき算出して設定しているので、外観検査上ノイズとなるような欠陥部分を表示画面上から排除することができる。ノイズの排除方法について、以下に詳述する。
図13は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2における検証画面の例示図である。図13に示すように、閾値設定領域101は、欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する欠陥閾値設定領域102と、判定閾値として欠陥量の上限値を設定する上限値設定領域103とを備えている。図13に示す「検出しきい値」とは、欠陥閾値μ±3σの3σの部分に加える一定のシフト量を示す値を意味する。例えば、「検出しきい値」を‘10’に設定した場合、欠陥閾値がμ±(3σ+10)に設定される。また、図13に示す「判定欠陥量上限」とは、検査対象物6の良否判定を行うための判定閾値であって、例えば「判定欠陥量上限」を‘100’に設定した場合、欠陥量算出手段73によって算出された欠陥量が‘100’以下の場合にはOK判定となり、欠陥量算出手段73によって算出された欠陥量が‘100’を超えた場合にはNG判定となる。図13の例では、「判定欠陥量上限」が‘0’に設定されており、欠陥量算出手段73によって算出された欠陥量が‘1’以上でNG判定になる。つまり、図13の画像表示領域41には欠陥部分及びノイズ105が表示されているが、欠陥部分の多少にかかわらずNG判定となる。また、欠陥量表示領域(欠陥量表示部)104には、欠陥量算出手段73によって算出された欠陥量が表示される。
図14は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2における検証画面の例示図である。図14では、欠陥部分に加えて、ノイズ105が存在している。判定閾値が‘0’に設定されていることから、当然のことながらNG判定となる。
図15は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2における検証画面の例示図である。図15に示すように、欠陥閾値設定領域102及び上限値設定領域103に欠陥閾値及び判定閾値を設定した場合、画像表示領域41には、良品画像のみが表示され、ノイズ105が表示されなくなり、OK判定となる。
また、不良品画像の場合も同様である。図16は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2における検証画面の例示図である。図16に示すように、欠陥閾値設定領域102及び上限値設定領域103に欠陥閾値及び判定閾値を設定した場合、画像表示領域41には、不良品画像に対して欠陥部分を検出して表示されるが、欠陥閾値以下のノイズ105は表示されない。したがって、どこが欠陥部分であるのかより明確に目視で確認することができる。
このように、図15及び図16に示す検証画面において、「検出しきい値」を‘10’、「判定欠陥量上限」を‘1000’に設定した場合、ノイズをある程度排除した状態で、外観検査を行うことができることが分かる。本実施の形態に係る外観検査装置2は、ユーザが「良品画像を学習」ボタン44(図7参照)を選択するだけで、例えば、図15及び図16に示す、「検出しきい値」を‘10’、「判定欠陥量上限」を‘1000’に自動的に設定することができる。すなわち、図6に示すステップS601からステップS608の処理が実行されるので、例えば「検出しきい値」が‘10’、「判定欠陥量上限」が‘1000’に自動的に設定される。従来のように、ユーザがシフト量を調整して閾値を変更する手法だと、シフト量を過渡に調整した場合、不良品であると判定するべき検査対象物6まで良品であると誤判定してしまうというおそれがあった。しかし、本実施の形態に係る外観検査装置2によれば、濃度値の度数分布により適切な欠陥閾値を自動設定し、欠陥量の度数分布により適切な判定閾値を自動設定するようにしているので、ユーザの人為的な操作が介在することなく設定可能となり、ひいては上述したような誤判定を防ぐことができる。
図17は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の主制御部21の、図4のステップS402に示す誤学習の画像データの削除処理の手順を示すフローチャートである。図17において、ステップS1701は、図6のステップS601の処理と同様である。すなわち、外観検査装置2の主制御部21は、欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する(ステップS1701)。なお、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS402の誤学習の画像データの削除処理とステップS403の閾値の自動設定処理の両方が行われる場合には、図6のステップS601は省略することが可能である。つまり、ステップS1701で設定された欠陥閾値を、ステップS601でそのまま初期値として用いれば良い。
主制御部21は、設定された欠陥閾値に基づいて、欠陥量を算出する(ステップS1702)。具体的には、欠陥画素であると判断された画素の差分濃度(良品画像データ記憶部231に記憶された一の画像データの画素値から平均画像の画像データの画素値を差し引いた値の絶対値、つまり、濃度の平均μから離れる程度)の総和(濃度積算値)を欠陥量として算出する。
主制御部21は、算出した欠陥量が、それぞれ外れ値であるか否かを統計処理により検定する(ステップS1703)。本実施の形態では、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法を併用し、パラメトリック手法でも外れ値であると検定され、ノンパラメトリック手法でも外れ値であると検定された欠陥量を、外れ値としている。これにより、欠陥量が正規分布に従うか否かを問わず、外れ値でないにもかかわらず誤って外れ値として検定されてしまうことを防ぐことができる。
主制御部21は、外れ値であると検定された欠陥量を有する画像を特定する外れ値情報を表示出力する(ステップS1704)。具体的には、外れ値であると検定された欠陥量を有する画像を特定する外れ値情報を表示装置3に表示する。これにより、ユーザは、表示された外れ値情報により特定される画像、すなわち不良品である可能性が高い検査対象物の画像を、学習データとして残すか否か(良品画像データ記憶部231に残しておくか否か)を判断することができる。なお、本実施の形態では、表示装置3に外れ値情報を表示するようにしているが、その他、PLC等の外部機器へ外れ値情報を出力するようにしても良い。
上述の図12に示すように、良品学習結果表示領域42には、外れ値とみなされなかった欠陥量を有する良品の画像に対応する「□」印のアイコンの表示色が変化し、外れ値とみなされた欠陥量を有する画像に対応するアイコンは「×」印で表示されている。このように、外れ値とみなされた欠陥量を有する画像が明確に表示されることによって、ユーザは、欠陥精度の低下に繋がる画像を特定し、例えば以下の手順に従って排除することができる。なお、本実施の形態では、以下に示す手順で画像を排除しているが、もちろん、外れ値とみなされた欠陥量を有する良品画像データに係る画像を良品画像データ記憶部231から自動的に削除しても良い。
図18は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の不良品のアイコンを選択した場合の、良品画像入力受付画面の例示図である。図12の画面において、良品学習結果表示領域42の「×」印のアイコン421が選択された場合、図18に示すように、アイコン421に対応する画像が画像表示領域41に表示される。同時に、ポップアップ画面として理由表示領域(理由表示部)45が表示され、「×」印が表示された理由として、「不良品として認識」された旨を示すメッセージが表示される。
また、「×」印のアイコン421に対応する画像の画像データは、良品画像データ記憶部231から自動的に削除される。これにより、良品画像データ記憶部231に記憶されている画像に誤って混入した、図10に示すような画像の画像データを良品に関する画像群から排除することができる。なお、本実施の形態では、このように自動的に削除するようにしているが、例えばポップアップ等を表示させ、良品画像データ記憶部231から削除するか否かをユーザに選択させるようにしても良い。
また、図19は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の別の不良品のアイコンを選択した場合の、良品画像入力受付画面の例示図である。図19に示すように、良品学習結果表示領域42の「×」印のアイコン422が選択された場合、アイコン422に対応する画像が画像表示領域41に表示される。図19では、画像が画像表示領域41からはみ出している。同時に、ポップアップ画面として理由表示領域45が表示され、「×」印が表示された理由として「計測領域が画面外」である旨を示すメッセージが表示される。
また、図18と同様に、「×」印のアイコン422に対応する画像の画像データは、良品画像データ記憶部231から自動的に削除される。これにより、良品画像データ記憶部231に誤って混入した、図19に示すような画像の画像データを良品に関する画像群から排除することができる。なお、本実施の形態では、このように自動的に削除するようにしているが、例えばポップアップ等を表示させ、良品画像データ記憶部231から削除するか否かをユーザに選択させるようにしても良い。
以上のように本実施の形態によれば、記憶されている画像の濃度値の度数分布を取得し、新たな欠陥閾値を算出しているので、欠陥部分の検出に、ユーザにより良品とされた良品画像の特徴を確実に反映させることができる。また、新たな欠陥閾値に基づいて新たな判定閾値を算出するので、良品と判定されるべき検査対象物が誤って不良品であると判定されることを防止することが可能となる。
なお、新たな画像の入力を受け付けた場合、入力を受け付けた画像に、位置補正の基準となる画像を重ね合わせて表示しても良い。図20は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の入力を受け付けた画像に、位置補正の基準となる画像を重ね合わせて表示した場合の、良品画像入力受付画面の例示図である。
図20に示すように、画像表示領域41には位置補正の基準となる画像が表示されており、位置補正の基準となる画像と重ね合わせて入力を受け付けた画像を表示する。これにより、入力を受け付けた画像の、位置補正の基準となる画像に対する位置ずれの度合いを目視で確認することができ、位置ずれ補正を確実に行うことが可能となる。なお、本実施の形態では、画像表示領域41には、位置補正の基準となる画像を表示させるようにしているが、例えば、良品画像群の平均画像を表示させるようにしても良い。
なお、欠陥閾値を構成する標準偏差σの大きさをばらつき度として表示しても良い。図21は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品学習処理後の良品画像入力受付画面の例示図である。図21では、画像表示領域41に標準偏差画像を表示している。標準偏差画像は、階調の変化を色相の変化で表すことが好ましい。例えば、色相の変化により判定精度が低下する境界部分等の欠陥を目視で確認することができるからである。
また、欠陥部分だけを表示することも行われているが、欠陥部分だけを表示する場合、検査対象物6のどの部分に欠陥が生じているのか不明であるという問題点があった。そこで、例えば欠陥が生じた場合には欠陥部分を色付けし、その他の部分をグレー化して表示する。
図22は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品学習処理の結果表示画面の例示図である。図22に示すように、画像表示領域41に欠陥部分を検出した不良品画像を表示する。この場合に、欠陥部分の色を変えて、例えば赤で表示するとともに、その他の部分をグレーで表示することにより、検査対象物6のどの部分に欠陥が生じているのか、容易に目視で確認することが可能となる。
また、平均画像の所定の領域の形状を記憶しておき、良品画像の入力を受け付けた時点で、入力を受け付けた画像から所定の領域の形状を検出しても良い。所定の領域の形状を検出することができなかった場合には、検査対象物6の検査する領域を誤って設定しているおそれがあり、判定精度が大きく低下する。したがって、所定の領域の形状を検出することで、判定精度の低下を未然に回避することが可能となる。
図23は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品学習処理後の良品画像入力受付画面の例示図である。画像表示領域41には、平均画像を表示している。図23の例では、良品とされる画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けた場合に、平均画像に重ねて平均画像を算出することが可能な領域、すなわち、すべての良品画像に共通している領域(すべての良品画像が重なっている領域)201を表示している。それ以外の領域202では、平均画像を算出することができないので、良品学習処理を実行することができない。
つまり、位置ずれにより、すべての良品画像には含まれていない領域202が存在しており、斯かる領域202が多く存在する場合、判定精度が大きく低下する。したがって、平均画像に重ねて領域201、202を表示することにより、平均画像を算出することができない領域202の存在を目視で確認することができ、判定精度の低下を未然に回避することができる。
また、図24は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品学習処理の結果表示画面の他の例示図である。図24の例では、本来は表示されない方が好ましい、すべての良品画像に共通している領域(すべての良品画像が重なっている領域)201以外の領域202が表示されている。この場合、領域202の表示色を変える等の工夫をすることにより、平均画像を算出することができない領域が検査する領域に含まれていることを目視で確認することができ、領域202が表示されないように平均画像を拡大等することにより、領域202を含まないように検査する領域を再設定することが可能となる。
さらに、色のばらつきを表示することにより、何色を良品として判断しているか目視で確認しても良い。図25は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品色を確認するための画面の例示図である。
図25に示すように、画像表示領域41に表示されているカラー表示の平均画像の1点を選択する。図25では、「+」点221が選択されたものとする。「+」点221が選択された場合、「+」点221の良品色が良品色表示領域(良品色表示部)222に表示される。良品色表示領域222に表示された色を目視で確認することにより、欠陥部分の色が良品色に含まれているか否かを確認することが容易であり、学習差分処理が正しく実行されたか否かを検証することができる。
良品色は、マハラノビス色空間から二次元の色空間に写像して決定する。図26は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置2の良品色の決定方法の例示図である。図26(a)は、マハラノビス色空間の例示図である。図26(a)に示すR軸、G軸、B軸を取り、それぞれの軸方向に−3σ〜+3σでパラメータを振り分けている。
図26(b)は、パラメータと画面に表示される色との対応を示す図である。R軸は、図26(b)の横軸に、B軸は縦方向に7分割したそれぞれに、G軸は縦軸にそれぞれ写像することにより、R軸、G軸、B軸の三次元で求めたマハラノビス空間の広がりを二次元的に表現する。図26(b)に表示された色のグラデーションが、良品色表示領域202に表示される。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えばカメラ1、表示装置3等は、外観検査装置2と一体化されていても良いし、分離されていても良い。
1 カメラ
2 外観検査装置
3 表示装置
4 可搬型記録媒体
5 コンピュータプログラム
6 外部制御機器
7 画像処理部
8 画像表示部
21 主制御部
22 メモリ
23 記憶手段
24 入力手段
25 出力手段
26 通信手段
27 補助記憶手段
28 内部バス
2 外観検査装置
3 表示装置
4 可搬型記録媒体
5 コンピュータプログラム
6 外部制御機器
7 画像処理部
8 画像表示部
21 主制御部
22 メモリ
23 記憶手段
24 入力手段
25 出力手段
26 通信手段
27 補助記憶手段
28 内部バス
Claims (21)
- 検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置において、
良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶する画像入力手段と、
記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する欠陥閾値設定手段と、
検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する判定閾値設定手段と、
前記欠陥閾値設定手段で設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する欠陥検出手段と、
検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する度数分布取得手段と
を備え、
前記欠陥閾値設定手段は、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、
前記欠陥検出手段は、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、
前記判定閾値設定手段は、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする外観検査装置。 - 前記欠陥閾値設定手段は、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、
統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。 - 前記欠陥検出手段は、各画像の欠陥量を算出し、
前記判定閾値設定手段は、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査装置。 - 前記判定閾値設定手段は、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、
統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項3に記載の外観検査装置。 - 前記欠陥検出手段は、検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の外観検査装置。
- 前記判定閾値設定手段は、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の外観検査装置。
- 前記判定閾値設定手段は、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の外観検査装置。
- 検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置で実行することが可能な外観検査方法において、
良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶するステップと、
記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定するステップと、
検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定するステップと、
設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出するステップと、
検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得するステップと
を含み、
取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定し、
設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出し、
記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする外観検査方法。 - 取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、
統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定することを特徴とする請求項8に記載の外観検査方法。 - 各画像の欠陥量を算出し、
算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の外観検査方法。 - 記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、
統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項10に記載の外観検査方法。 - 検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の外観検査方法。
- パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の外観検査方法。
- パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の外観検査方法。
- 検査対象物を撮像した画像を、良品に関する画像群と比較して良否判定を行う外観検査装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記外観検査装置を、
良品に関する画像群を構成する複数の画像の入力を受け付けて記憶する画像入力手段、
記憶された複数の画像に基づいて、検査対象物の欠陥部分を検出するための欠陥閾値を設定する欠陥閾値設定手段、
検査対象物の良否判定を行うための判定閾値を設定する判定閾値設定手段、
前記欠陥閾値設定手段で設定された欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する欠陥検出手段、及び
検出した欠陥部分の濃度値の度数分布を取得する度数分布取得手段
として機能させ、
前記欠陥閾値設定手段を、取得した度数分布に基づいて、新たな欠陥閾値を算出して設定する手段として、
前記欠陥検出手段を、設定された新たな欠陥閾値に基づいて、記憶されている各画像の欠陥部分を検出する手段として、
前記判定閾値設定手段を、記憶されている各画像から検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、新たな判定閾値を算出して設定する手段として、
それぞれ機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記欠陥閾値設定手段を、取得した度数分布に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた濃度値が欠陥部分として検出されるように新たな欠陥閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム。
- 前記欠陥検出手段を、各画像の欠陥量を算出する手段として機能させ、
前記判定閾値設定手段を、算出した欠陥量の最大値又は統計的に算出した最大値より大きい値を前記判定閾値として設定する手段として機能させることを特徴とする請求項15又は16に記載のコンピュータプログラム。 - 前記判定閾値設定手段を、記憶されている各画像において検出した欠陥部分の欠陥量に基づいて、統計的な外れ値の有無を検定し、統計的に外れ値とされた欠陥量が除外されるように新たな判定閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラム。
- 前記欠陥検出手段を、検出した欠陥部分のうち、濃度が前記欠陥閾値より大きい連続した領域に含まれる差分濃度を合算した濃度積算値として前記欠陥量を算出する手段として機能させることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
- 前記判定閾値設定手段を、パラメトリック手法又はノンパラメトリック手法のうち、少なくとも1つを用いて前記判定閾値を算出して設定する手段として機能させることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
- 前記判定閾値設定手段を、パラメトリック手法及びノンパラメトリック手法の両方を用いて前記判定閾値を算出して設定することを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011289941A JP2013140041A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 外観検査装置、外観検査方法及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011289941A JP2013140041A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 外観検査装置、外観検査方法及びコンピュータプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013140041A true JP2013140041A (ja) | 2013-07-18 |
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ID=49037600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011289941A Pending JP2013140041A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 外観検査装置、外観検査方法及びコンピュータプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018160691A (ja) * | 2018-06-26 | 2018-10-11 | 株式会社Screenホールディングス | 基板保持検査方法および基板処理装置 |
CN111369492A (zh) * | 2018-12-25 | 2020-07-03 | 合肥欣奕华智能机器有限公司 | 一种显示屏的检测方法及检测装置、检测系统 |
WO2021181793A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | オムロン株式会社 | 検査システム、検査装置、及び検査プログラム |
JP2021144817A (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-24 | 新明和工業株式会社 | 端子圧着検査装置および端子圧着検査の基準波形の更新方法 |
-
2011
- 2011-12-28 JP JP2011289941A patent/JP2013140041A/ja active Pending
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