JP4257374B2 - 表示制御装置、検査システム、表示制御方法、プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

表示制御装置、検査システム、表示制御方法、プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、例えば液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル等を用いた表示装置を点灯させて、当該表示装置の欠陥を検出する欠陥検査に用いる表示制御装置等に関するものである。
液晶表示パネルなどのフラット・パネル・ディスプレイは、軽量、薄型、低消費電力などの特性を活かして各分野で使用されており、家電製品や情報端末装置などのディスプレイとして幅広く使用されている。
このようなフラット・パネル・ディスプレイの製造現場では、各製造工程において電気的動作の検査や、パネルを点灯させて検査するパネル点灯検査などの種々の検査を行い、製品の品質を管理している。
上記パネル点灯検査では、パネルを実際に点灯させ、輝点や黒点などの点欠陥、輝線や黒線などの線欠陥、パネルのムラ等、の有無を判定している。より具体的には、欠陥の種類毎に、その欠陥を検出するための表示パターンである点灯パターンが予め用意されている。そして、この点灯パターンを順次表示させることで、欠陥の有無を検査している。
従来の点灯検査では、上記のような点灯パターンを、検査員が目視でチェックすることによって欠陥の有無を検査する目視検査が行われてきた。しかしながら、目視検査は、検査員の個人差により判定結果にばらつきがあることや、検査員ごとに処理能力の差があるなどの問題点を有している。
そのため、現在では、点灯検査を自動で行う自動検査装置の導入が進んでいる。自動検査装置を用いることによって、目視検査における、判定結果や処理能力がばらつくという問題点を解決し、迅速に点灯検査を行うことが可能になった。自動検査装置は、点欠陥や線欠陥などの判定基準を数値化できる検査に関しては、一定の判定基準に従って検査を行うことができるため、特に適している。
しかしながら、自動検査装置は、ムラなどの欠陥のように、欠陥の程度を数値化することが困難な欠陥の検出に適しているとはいえない。また、目視で確認できる限界の輝度値が正常か否かを検査する場合も、判定の基準が目視で確認できるか否かということになるため、判定基準の設定が難しい。この場合、欠陥のある製品が点灯検査をパスしてしまうことを防ぐため、判定基準を目視に対して過剰に検出するよう、自動検査装置の検査感度を高く設定することが一般的である。
このように、自動検査装置は、検査項目によって、得手、不得手があるので、自動検査装置による検査で不十分な部分については、従来の目視検査で補う必要がある。すなわち、自動検査装置で一通りの検査を終了した後、目視検査で最終確認を行う検査形態が望ましい。
自動検査装置と目視検査とを併用する一例として、下記の特許文献1で提案された欠陥検査システムが挙げられる。特許文献1の欠陥検査システムでは、自動検査装置にて液晶パネルの画像データから当該液晶パネルが所定の基準内であるか否かを判定し、基準外と判定された画像データを元に目視検査を行い、液晶パネルの最終的な良、不良の判定を行っている。
また、他の例としては、下記の特許文献2が挙げられる。特許文献2では、自動検査を行うときに欠陥の位置を記録しておき、記録した欠陥の位置を目視検査員に通知することにより、目視検査の時間を削減している。
特開2001−289733(2001年10月19日公開) 特開2002−257734(2002年9月11日公開)
上述のように、点灯検査において、欠陥を確実に検出するためには、自動検査装置による検査に加えて、目視検査を行う必要がある。しかしながら、自動検査装置と目視検査との両方を行う場合、検査時間が増大してしまうという問題が生じる。
具体的には、従来、自動検査と目視検査との両方を行う場合には、まず、自動検査装置において、欠陥の種類毎に用意した点灯パターンを順次表示させて各種欠陥の有無を確認し、その後、目視検査において、再度上記点灯パターンを順次表示させて各種欠陥の有無を確認していた。
ここで、自動検査装置にて欠陥を有していないと判定された点灯パターンは、既に欠陥がないことが確認済みであるから、目視検査に供する必要はない。すなわち、従来の点灯検査では、目視検査に供する必要のない点灯パターンが、目視検査で再び表示されてしまうという無駄が生じていた。
目視検査で検査の必要のない点灯パターンが表示されることにより、様々な問題を生じる。例えば、検査の必要のない点灯パターンが表示された場合、検査員は、表示された点灯パターンが自動検査装置で欠陥がないことを確認済みであることを判断し、次の点灯パターンを表示させるため、点灯パターンを切り換えるという余分な処理を行う必要が生じる。
また、検査の必要のない点灯パターンが表示された場合、検査員が、表示された点灯パターンの検査を行う必要がないと判断し、切り換え操作を行い、次の点灯パターンが表示される間の時間は、検査が行われず、全く無駄な時間になってしまう。
さらに、目視検査では、検査員は、次々に表示される点灯パターンを表示される順にチェックするので、再度検査する必要がない点灯パターンを目視検査してしまうということも起こり得る。この場合、検査時間のロスはさらに大きなものとなってしまう。
このように、従来の点灯検査では、自動検査で欠陥が検出されなかった点灯パターンが目視検査で再度表示されてしまうことにより、検査時間が長くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1検査工程で検出された表示装置の表示欠陥を、第2検査工程で再検査する検査システムにおいて、検査時間を短縮することができる表示制御装置等を実現することにある。
本発明に係る表示制御装置は、上記課題を解決するために、表示装置の表示欠陥を複数の検査項目について検査するときに、第1検査工程にて、複数の第1点灯パターンを順次表示させて各検査項目の表示欠陥の有無が判定された表示装置に対して、第2検査工程にて、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示させる表示制御装置であって、上記第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る表示制御方法は、上記課題を解決するために、表示装置の表示欠陥を複数の検査項目について検査するときに、第1検査工程にて、複数の第1点灯パターンを順次表示させて各検査項目の表示欠陥の有無が判定された表示装置に対して、第2検査工程にて、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示させる表示制御装置の表示制御方法であって、上記第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御ステップを含むことを特徴としている。
さらに、本発明に係る検査システムは、上記課題を解決するために、複数の第1点灯パターンを順次表示させて複数の検査項目のそれぞれについて表示欠陥の有無を判定する第1検査工程を実行する第1検査装置と、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを用いて表示欠陥の有無を判定する第2検査工程を実行する第2検査装置と、上記第1検査装置が、表示欠陥がないと判定した検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンを上記第2検査装置における表示対象から除外する表示制御手段を備えている表示制御装置とを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目、すなわち表示欠陥の再判定を行う必要のない検査項目を検査するための第2点灯パターンが第2検査工程では表示されない。
したがって、第2検査工程で表示される第2点灯パターンの数を第1検査工程で表示させた第1点灯パターンよりも減らすことができ、第2検査工程の検査時間を短縮することができる。また、上記の構成によれば、表示欠陥の再判定を行う必要のない第2点灯パターンを用いて検査を行うという無駄を根絶することができる。
なお、上記第1検査工程と第2検査工程とは、例えば表示欠陥を自動で検査する自動検査装置を用いた検査工程であってもよいし、表示装置に点灯パターンを順次表示させる目視検査装置を用い、当該目視検査装置によって表示装置に順次表示される点灯パターンを検査員が目視して表示欠陥の有無を検査する検査工程であってもよく、またその組み合わせであってもよい。また、上記自動検査装置や目視検査装置は、1つの装置で構成されていてもよいし、複数の装置を組み合わせて構成されていてもよい。
ところで、表示対象から除外する第2点灯パターンの数が1つ以上であれば第2検査工程で表示される第2点灯パターンの数が減少するので、第2検査工程の検査時間を短縮することができる。
すなわち、上記表示制御手段は、必ずしも表示欠陥がないと判定された検査項目の全てについて第2点灯パターンの除外を行う必要はない。例えば、特に重点的に判定すべき表示欠陥が有る場合や、第1検査工程で判定が困難な表示欠陥がある場合等には、第1検査工程の判定結果にかかわらず、その表示欠陥を検出するための第2点灯パターンを、第2検査工程で表示させればよい。
なお、上記表示装置は、表示画面に複数の絵素を有し、各絵素を点灯または非点灯にすることで、画像を表示するものであればよく、特に限定されない。例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、EL表示装置、及びブラウン管表示装置等を上記表示装置として適用することができる。
また、上記第1点灯パターンと第2点灯パターンとは、いずれも同じ検査項目の検査に用いる点灯パターンであるが、それぞれ異なる検査工程にて使用される点灯パターンである。したがって、上記第1点灯パターンと第2点灯パターンとは、同じ点灯パターンを用いてもよいし、異なる点灯パターンを用いてもよい。
例えば、第1検査工程が第1点灯パターンを表示させた状態の表示装置を撮像し、撮像した画像を解析して表示欠陥を検出する自動検査工程であり、第2検査工程が第2点灯パターンを表示させた状態の表示装置を表示制御装置のユーザ(例えば目視検査員)が目視で検査して表示欠陥を検出する目視検査工程である場合を考える。このような場合には、第1点灯パターンを、画像解析を用いた表示欠陥の検出に好適な点灯パターンとし、第2点灯パターンを目視での表示欠陥の検出に好適な点灯パターンとすればよい。
なお、第1及び第2検査工程の2つの検査工程にて表示装置の欠陥検査を行う検査システムは従来から用いられているが、上記本発明の構成のように、第2検査工程では、第1検査工程にて表示欠陥が検出された検査項目について再検査を行うことが好ましい。
例えば、従来の2つの検査工程にて表示装置の欠陥検査を行う検査システムでは、第1検査工程にて表示欠陥が検出されなかった検査項目について第2検査工程で再検査を行うものがある。この従来の検査システムによれば、第1検査工程にて表示欠陥が検出された場合には、検査対象の表示装置は第1検査工程の段階で不良品と判定されてしまう。したがって、製品の品質に問題がない程度の表示欠陥のみを含む表示装置が誤って不良品と判定されて修正工程に回されたり、廃棄されたりするという問題があった。
これに対し、本発明の構成では、第1検査工程にて表示欠陥が検出された検査項目について第2検査工程にて再検査が行われるので、製品の品質に問題がある表示欠陥を含む表示装置のみを確実に検出することができる。
なお、上記第1検査工程では、表示欠陥を過検出気味に検出することが好ましい。言い換えれば、上記第1検査工程では、明らかに表示欠陥があると判定された検査項目に加えて、表示欠陥が発生していると疑われる検査項目を表示欠陥があると判定することが好ましい。
例えば、検査対象の表示装置に第2点灯パターンを表示したときの絵素の輝度値と、表示欠陥のない正常な表示装置に第2点灯パターンを表示したときの絵素の輝度値との差が予め定めた閾値よりも大きい場合に上記絵素に表示欠陥があると判定する例について考える。
この例では、上記輝度値の差が大きい絵素ほど、表示欠陥が発生している可能性が高いと判断できる。したがって、上記閾値を従来の一般的な検査装置と比べて小さく設定することにより、表示欠陥が発生していると疑われる絵素が表示欠陥ありと判定される。すなわち、この例では、上記輝度値の差が、従来の一般的な検査装置では表示欠陥がないと判定されるレベルの輝度値であっても表示欠陥ありと判定することが好ましい。
これにより、表示欠陥があると明確に判定された検査項目に加えて、表示欠陥が発生していると疑われる検査項目が、第2検査工程にて再検査されることになる。したがって、表示欠陥の有無の判定が難しい、表示欠陥が発生していると疑われる検査項目については、2度の検査が行われることになる。その結果、真に問題のある表示欠陥のみを確実に検出することが可能になる。
また、第2検査工程が目視検査である場合には、第2検査工程にて第2点灯パターンを表示装置に表示させて表示欠陥を判定するときに、明らかに表示欠陥があると考えられる絵素と、表示欠陥が発生していると疑われる絵素とを区別して表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置のユーザ(目視検査員)は、表示欠陥の有無を判定することが難しい表示欠陥が発生していると疑われる絵素を重点的に検査することができる。
また、上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを一定の表示順で上記表示装置に表示させることが好ましい。
上記の構成によれば、第2点灯パターンの表示順が固定されるので、第2検査工程をスムーズに行うことができる。例えば、第2検査工程が目視検査を行う検査工程である場合には、第2点灯パターンの表示順が固定されることにより、目視検査を行う検査員は次に表示される第2点灯パターンをある程度特定することができるので、目視検査をスムーズに行うことができる。
なお、第2点灯パターンの表示順は特に限定されないが、例えば表示欠陥の重要度が高い順に表示させてもよい。これにより、重要度が高い表示欠陥が検出された表示装置については、以降の検査を行わず、他の処理工程に回す等の処置をとることができ、検査時間を短縮することができる。
また、上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを表示させるときに、第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域を拡大した画像を表示させることが好ましい。
上記の構成によれば、表示装置には第2点灯パターンが表示されると共に、第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域を拡大した画像が表示される。
これにより、第2検査工程が表示制御装置のユーザによる目視検査である場合には、ユーザは、表示欠陥があると予想される位置の拡大画像を参考にしながら表示欠陥の有無を確認することができる。したがって、ユーザは、ルーペ等を用いることなく、微細な表示欠陥を容易に識別することが可能になり、これは検査速度の向上にもつながる。
なお、上記表示制御手段は、拡大画像を第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置と重畳しないように表示することが好ましい。これにより、表示制御装置のユーザは、拡大画像と第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置とを見比べて表示欠陥の有無を判定することができるので、高精度な検査が可能になる。
また、上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを表示させるときに、上記表示欠陥の位置を示す欠陥位置情報を、該表示欠陥を有する絵素の色に対応する色で表示することが好ましい。
上記の構成によれば、第1検査工程にて表示欠陥があると判定された検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンが表示装置に表示されるときに、表示欠陥の位置を示す欠陥位置情報が表示欠陥を有する絵素の色に対応する色で表示される。したがって、上記表示制御装置のユーザは、表示装置の表示欠陥の位置を容易に特定することができると共に、表示欠陥の発生していると思われる絵素の色を特定することができるので、表示欠陥の有無を容易に、また迅速に確認することが可能になる。
なお、上記欠陥位置情報は、表示欠陥の位置をユーザに示すものであればよい。例えば円や多角形等の図形で表示欠陥を囲むことで表示欠陥の位置を示すものであってもよいし、矢印や引き出し線等によって表示欠陥の位置を示すものであってもよいし、文字や記号で表示欠陥の位置を示すものであってもよい。
例えば、青色の絵素に表示欠陥がある場合には、青色の絵素に表示欠陥があることを示す色で、欠陥位置情報が表示される。これにより、ユーザは、欠陥位置情報が示す位置の青色の絵素に注目して表示欠陥を探すことができるので、表示欠陥を発見しやすくなる。なお、欠陥位置情報を表示するときの色は、欠陥絵素の色毎に異なる色であればよく、必ずしも欠陥絵素の色と同色で表示する必要はない。
また、上記表示制御装置は、上記表示装置に表示させる上記第2点灯パターンを上記表示制御装置のユーザに選択させる入力部と、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンと、表示欠陥があると判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンと、を区別して表示する選択対象パターン表示部を備えていることが好ましい。
第2検査工程にて表示欠陥の検査を行う場合に、第1検査工程で欠陥がないと判定された検査項目の第2点灯パターンを表示装置に表示させる必要や、第2検査工程で既に判定済みの検査項目の第2点灯パターンを表示装置に再度表示させる必要が生じることがある。
上記の構成によれば、表示制御装置のユーザは、表示部に表示されている第2点灯パターンを選択するだけで、簡単に所望の第2点灯パターンを表示装置に表示させることができる。また、第1検査工程で欠陥がないと判定された検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンと、欠陥があると判定された検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンとが区別して表示されるので、ユーザは所望の第2点灯パターンを認識しやすい。
なお、区別して表示する態様としては、ユーザが第1検査工程で欠陥がないと判定された検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンと、欠陥があると判定された検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンとを見分けることができる態様であれば特に限定されない。例えば、色分けする、表示位置を変える、文字や記号を付すなど様々な方法が挙げられる。
また、選択対象パターン表示部は、第2点灯パターンを画像や文字等で表示できるものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、選択対象パターン表示部として、CRT表示装置、液晶表示装置、及びEL表示装置等を使用することができる。また、検査対象の表示装置を選択対象パターン表示部として使用することもできる。この場合には、別途選択対象パターン表示部を設ける必要がないという利点がある。
また、上記表示制御手段は、第1検査工程にて表示欠陥があると判定された検査項目を検査するための上記第2点灯パターンを、上記第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域のそれぞれに表示させることが好ましい。
上記の構成によれば、表示装置において、第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域のそれぞれに、上記表示欠陥を検査するための第2点灯パターンが表示される。すなわち、上記の構成によれば、表示装置の表示面の全面に第2点灯パターンが表示されるのではなく、第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域のそれぞれに第2点灯パターンが表示される。
これにより、複数の表示欠陥を点灯パターンの切り換えを行うことなく同時に検査することができるため、検査時間を著しく短縮することが可能になる。
ところで、上記領域の少なくとも一部が重畳する場合には、表示欠陥の検出が困難になることも考えられる。このような場合には、重畳している領域を除去し、重畳が解消された各領域に第2点灯パターンを表示すればよい。そして、除去した領域については、表示の切り換えを行ったときに第2点灯パターンを表示するようにすればよい。これにより、領域の少なくとも一部が重畳する場合にも表示欠陥を精度よく検出することが可能になる。
なお、上記表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを表示制御装置の表示制御手段として動作させることにより、表示制御装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明に係る表示制御装置は、第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御手段を備えている構成である。
また、本発明に係る表示制御方法は、以上のように、第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御ステップを含む構成である。
さらに、本発明に係る検査システムは、以上のように、複数の第1点灯パターンを順次表示させて複数の検査項目のそれぞれについて表示欠陥の有無を判定する第1検査工程を実行する第1検査装置と、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを用いて表示欠陥の有無を判定する第2検査工程を実行する第2検査装置と、上記第1検査装置が、表示欠陥がないと判定した検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンを上記第2検査装置における表示対象から除外する表示制御手段を備えている表示制御装置とを含む構成である。
したがって、第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目、すなわち再判定を行う必要のない検査項目を第2検査工程では省略することができるので、検査時間を短縮することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1から図9に基づいて説明すると以下の通りである。
〔システムの概要〕
まず、本発明の検査システム1の概要について、図1に基づいて説明する。図1は、検査システム1の要部構成を示すブロック図である。図示のように、検査システム1は、被検査パネルPの自動検査を行う自動検査工程と、自動検査工程で自動検査を行った結果を示す自動検査結果を格納するデータ記憶装置2と、被検査パネルPの目視検査を行う目視検査工程とを含む構成である。
すなわち、検査システム1では、自動検査工程で被検査パネルPの自動検査を行い、自動検査結果をデータ記憶装置2に格納し、目視検査工程でデータ記憶装置2に格納された自動検査結果を用いて被検査パネルPの目視検査を行う構成である。
なお、データ記憶装置2は、自動検査結果の記憶及び読み出しが可能なものであれば特に限定されず、例えばハードディスクや半導体メモリ等をデータ記憶装置2として適用することができる。また、検査システム1では、データ記憶装置2が自動検査工程及び目視検査工程の何れにも属していない構成であるが、データ記憶装置2は、自動検査工程及び目視検査工程の何れかに含まれていてもよい。
被検査パネルPは、検査システム1で欠陥の有無の検査対象となる表示パネルである。被検査パネルPは、表示面に複数の絵素を備え、各絵素を点灯または非点灯にすることで画像を表示するものであればよく、特に限定されない。例えば、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル等を被検査パネルPとして適用することができる。ここでは、被検査パネルPが液晶表示パネルである場合の例について説明する。
検査システム1では、被検査パネルPの各絵素が正常に点灯及び非点灯状態になるか否かを検査する。すなわち、ここでは、被検査パネルPの各絵素が正常に点灯及び非点灯状態にならない場合に、被検査パネルPに欠陥(表示欠陥)があると判定する。被検査パネルPに発生し得る欠陥は複数種類あり、各欠陥を検出するための所定の点灯パターンを被検査パネルに表示させて欠陥の有無を検査する。なお、欠陥の種類と点灯パターンとの関係については後述する。
図示のように、自動検査工程には自動検査装置3が含まれており、目視検査工程には表示制御装置4、及びパネル点灯装置5が含まれている。自動検査装置3は、被検査パネルPの欠陥の有無を自動的に判定する自動検査を行い、当該自動検査の結果をデータ記憶装置2に出力する。自動検査装置3の詳細については後述する。
表示制御装置4は、データ記憶装置2から自動検査結果を読み出し、読み出した自動検査結果に基づいて点灯パターンの表示順序を決定し、決定した表示順序でパネル点灯装置5に点灯パターンを表示させる。表示制御装置4は、検査結果取得部6、表示制御部(表示制御手段)7、表示部(選択対象パターン表示部)9、及び入力部8を備えている。
検査結果取得部6は、表示制御装置4のインターフェース部であり、データ記憶装置2から自動検査結果を読み出し、読み出した自動検査結果を表示制御部7に送る。検査結果取得部6は、データ記憶装置2に有線または無線接続し、データ記憶装置2から自動検査結果を取得できるものであれば特に限定されない。
表示制御部7は、検査結果取得部6が取得した自動検査結果を受け取り、受け取った自動検査結果に基づいて、点灯パターンの表示順序を決定し、決定した表示順序に従って、パネル点灯装置5に各点灯パターンの表示指示を送る。表示制御部7の詳細については後述する。
入力部8は、表示制御装置4のユーザ、すなわち目視検査を行う目視検査員からの表示制御装置4への動作指示の入力を受け付けるものである。すなわち、目視検査員は、入力部8を操作することで表示制御装置4に所望の動作を実行させることができる。入力部8は、表示制御装置4の動作指示を目視検査員が入力できるものであればよく、キーボードやボタン、マウス等、公知の入力装置を適用することができる。
ここでは、入力部8は、表示制御装置4の各動作に対応する入力ボタン(図示せず)をそれぞれ備えていることを想定している。そして、入力部8は、目視検査員の入力ボタン押下を受け付けて、当該入力ボタンに対応する動作を表示制御装置4に実行させることを想定している。目視検査員が入力部8を操作することで実行される表示制御装置4の動作については後述する。
表示部9は、目視検査を補助するための補助情報を表示する。表示部9は、補助情報を検査システム1の目視検査員が視認できるように表示するものであればよく、特に限定されない。例えば、CRT表示装置、液晶表示装置、及びEL表示装置等を表示部9として適用することができる。補助情報については後述する。
すなわち、表示制御装置4は、目視検査員が入力部8に入力する動作指示に従って動作する。そして、検査結果取得部6が自動検査結果を取得し、表示制御部7が自動検査結果に基づいて点灯パターンの表示順序を決定し、決定した表示順序に従って点灯パターンが被検査パネルPに表示されるようにパネル点灯装置5に指示を送る構成である。
パネル点灯装置5は、表示制御装置4に指示された点灯パターンを被検査パネルPに表示させる。具体的には、パネル点灯装置5は、被検査パネルPと有線または無線で接続されており、表示制御装置4から点灯パターンの表示指示を受けると、表示指示された点灯パターンを被検査パネルPに表示させるための点灯制御信号を被検査パネルPに送る。
これにより、表示制御装置4で決定された表示順序で点灯パターンが被検査パネルPに表示される。詳細については後述するが、検査システム1では、表示制御装置4が自動検査結果に基づいて点灯パターンの表示を制御することにより、目視検査工程の検査時間を短縮している。
〔自動検査工程〕
上述のように、被検査パネルPに発生し得る欠陥は複数種類あり、各欠陥を検出するためには、それぞれ所定の点灯パターンを被検査パネルに表示させる必要がある。検査システムでは、上記複数種類の欠陥の有無を検査するために、欠陥の種類毎に検査項目を設けている。各検査項目では、それぞれ所定の点灯パターンを被検査パネルPに表示させて欠陥の有無を検査し、全検査項目で欠陥が無いことが確認された場合に、被検査パネルPは、製品として所定の基準を満たしていると判断される。
自動検査工程では、自動検査装置3にて、上記各検査項目について被検査パネルPを自動的に検査する自動検査が行われる。自動検査装置3の詳細について図2に基づいて説明する。図2は、自動検査装置3の概略構成を示す斜視図である。
図示のように、自動検査装置3は、搬送コンベヤ11と撮像装置12とステージ13と画像処理装置14とを備えている。そして、自動検査装置3は、これらの構成要素と有線または無線接続されており、これらの構成要素を統括して制御する図示しない自動検査装置制御部を備えていることにより、被検査パネルPが欠陥を有しているか否かを検出し、検出結果をデータ記憶装置2に格納する。
自動検査装置3の動作について説明する。自動検査装置3では、まず自動検査装置制御部が、搬送コンベヤ11に指示を送り、被検査パネルPを撮像装置12の撮像領域まで搬送させ、被検査パネルPが撮像装置12の撮像領域に到達すると搬送コンベヤ11を停止させる。なお、被検査パネルPは、点灯パターンが表示される表示面が撮像装置12の撮像面と平行になるように、搬送コンベヤ11上に配置されている。そして、搬送コンベヤ11は、被検査パネルPの表示面と撮像装置12の撮像面とが平行な状態を保った状態で被検査パネルPを搬送する。
なお、図2では、被検査パネルPを1つだけ記載しているが、図示の被検査パネルPについて、全検査項目の検査が終了した後には、次の被検査パネルが搬送コンベヤ11で搬送される。このように、自動検査装置3では、複数の被検査パネルPの欠陥検査を順次、自動的に行うことができる。
続いて、自動検査装置制御部は、所定の点灯パターンを図示しないパネル点灯装置を用いて被検査パネルPに順次表示させると共に、撮像装置12に指示を送り、被検査パネルに順次表示される点灯パターンのそれぞれを撮像させる。撮像装置12が撮像した画像は画像処理装置14に送られる。なお、所定の点灯パターンとは、各検査項目の欠陥の有無を検査するための点灯パターンである。
画像処理装置14では、各点灯パターンが表示されている被検査パネルPの画像のそれぞれを解析し、各検査項目について、欠陥の有無を調べる。そして、画像処理装置14は、各検査項目の検査結果をデータ記憶装置2に格納する。
ここで、画像処理装置14は、被検査パネルPの画像の輝度値から欠陥の有無を判定する際に、欠陥があると疑われる程度の輝度値の絵素も含めた比較的幅広い範囲の絵素を欠陥として検出する。
すなわち、本発明において、第1検査工程(本実施形態では自動検査工程)では、欠陥を過検出する。言い換えれば、第1検査工程で欠陥があると判定される被検査パネルPに、良品もある程度含まれるように欠陥の判定基準を設定しておく。
これは、良品か不良品かの判断が難しい欠陥が実際には存在するためである。すなわち、第1検査工程では判断の難しい被検査パネルPを不良品として判定して第2検査工程に回す。そして、第2検査工程(本実施形態では目視検査工程)にて上記被検査パネルPの最終的な良否を判断する。これにより、第1検査工程において、良品と不良品とを判断するために要する時間を短縮することができると共に、不良品が良品と誤って判断されることにより欠陥を有する被検査パネルPが製品として流出することを防ぐことができる。
ここで、第1検査工程において、欠陥を過検出とする判定基準の設定方法の一例について説明する。例えば、本実施形態では、第1検査工程は自動検査装置3による自動検査を想定している。このような場合には、欠陥の判定基準の設定値を、不良限度欠陥が検出できる値から、画像処理装置14が有する検出精度のばらつき、すなわち検出再現性分だけ下げればよい。なお、不良限度欠陥とは、第1検査工程にて不良と判断する欠陥のうち、最も欠陥強度が低い欠陥を指す。
例えば、不良限度欠陥の欠陥強度がC0であり、検出再現性がδCである場合には、判定基準の設定値Cは、C=C0−δCとすればよい。なお、Cは欠陥の強度を表す指標であり、欠陥の種類に応じた指標を適宜使用することができる。具体的には、輝度値やコントラスト値等を上記指標として使用することができる。また、C、C0、δCの値は、欠陥の種類等に応じた任意の正数とすることができる。
さらに、検出再現性δCに係数k(kは正数)をかけて、判定基準の設定値Cを、C=C0−δC×kとしてもよい。なお、kの値を大きくした場合には、判定基準の設定値Cが小さくなるので、より欠陥強度の低い欠陥候補を有する被検査パネルPが不良品と判定されて第2検査工程に回される。したがって、kの値を大きくした場合には、第2検査工程で良品をより多く検査することになるので、第1検査工程にて不良品を良品と誤判定する危険性は低下する反面、第2検査工程の検査時間は長くなる。kの値は、欠陥出現率と検査時間とを考慮して決定すればよい。
自動検査装置3が備える撮像装置12は、エリアセンサタイプでもラインセンサタイプでもよい。ただし、ラインセンサタイプを採用した場合には、被検査パネルPの表示面の全面を撮像するために、撮像装置12と被検査パネルPとを相対的に移動させる必要がある。例えば、ステージ13に撮像装置12を被検査パネルPの表示面に対して平行に移動させる機構を設ければよい。この場合、ステージ13上で撮像装置12を移動させながら撮像することで、被検査パネルPの表示面の全面を撮像することができる。また、ステージ13に撮像装置12を固定し、被検査パネルPを搬送コンベヤ11で移動させながら撮像することによって、被検査パネルPの表示面の全面を撮像するようにしてもよい。
〔自動検査結果〕
ここで、自動検査装置3で取得され、データ記憶装置2に格納される自動検査結果について、図3に基づいて説明する。図3は、自動検査結果の一例を示す図である。図示のように、自動検査結果は、検査項目に、点灯パターン、検査結果、欠陥の位置、及び欠陥絵素色が対応付けられたデータ構造である。
すなわち、自動検査装置3では、i〜viまでの6つの検査項目について被検査パネルPを検査し、被検査パネルPの欠陥の有無を検査する。そして、6つの検査項目の全てで欠陥が検出されなかった被検査パネルPは、製品として品質に問題がないと判断される。一方、6つの検査項目のうち、1つでも欠陥が検出された被検査パネルPは、製品としての品質に問題があると判断される。なお、以下の説明では、i〜viまでの6つの検査項目で検査する欠陥をそれぞれ欠陥i〜viとよぶ。
図3に示すように、各検査項目には、点灯パターンが対応付けられている。すなわち、自動検査装置3では、所定の点灯パターンを被検査パネルPに表示させることで、各検査項目の欠陥の有無を検出する。例えば、検査項目iは、点灯パターンAを被検査パネルPに表示させて欠陥iの有無を検出する。
また、1つの検査項目で複数の点灯パターンを用いて欠陥の有無を検出する場合もある。例えば、検査項目vには、点灯パターンE及びFの2種類の点灯パターンが対応付けられている。これは、欠陥vを検出するためには、点灯パターンE及びFの2種類の点灯パターンを被検査パネルPに表示させる必要があることを示している。
複数の点灯パターンを用いて欠陥の有無を検出する例としては、ラインリーク欠陥の検出が挙げられる。ここで、被検査パネルPは、絵素がマトリクス状に配列した構造を有し、各絵素を点灯させるための配線が絵素列のそれぞれについて設けられている。そして、ラインリーク欠陥とは、隣接する配線間でリークが起こることにより、点灯している絵素に隣接している、本来点灯するべきではない絵素が点灯してしまう欠陥である。
この欠陥を検出するためには、まず、被検査パネルPの配線のうち、偶数ラインのみを点灯させる。ラインリーク欠陥が発生している場合、本来点灯するべきではない奇数ラインの絵素が点灯する。この段階では、本来点灯するべきではない絵素が点灯しているだけなので、例えば、非点灯絵素が点灯してしまう輝点欠陥の可能性も考えられる。
そこで、次に、奇数ラインのみを点灯させる。ラインリーク欠陥が発生している場合、本来点灯するべきではない偶数ラインの絵素であって、偶数ラインのみを点灯したときに点灯した奇数ラインの絵素に隣接する絵素が点灯する。これにより、偶数ライン点灯時に点灯した奇数ラインの絵素と、奇数ライン点灯時に点灯した偶数ラインの絵素との間には、ラインリークが発生していることがわかる。もちろん、奇数ラインのみを点灯させた後、偶数ラインのみを点灯させてもラインリークを検出することができる。
そして、自動検査結果には、各検査項目の検査結果が記載されている。検査結果の欄は、各検査項目における結果の良否を示している。図示の例では、自動検査の結果の欄に「OK」と表示されている検査項目では、欠陥が検出されなかったことを示し、「NG」と表示されている検査項目では、欠陥が検出されたことを示している。図3の例では、検査項目iii及びvで欠陥が検出されず、その他の検査項目では、欠陥が検出された状態を示している。
さらに、自動検査結果では、欠陥が検出された検査項目について、欠陥位置及び欠陥が検出された絵素の色が対応付けられている。すなわち、自動検査装置3では、欠陥を検出した場合に、被検査パネルPにおける欠陥の位置を取得する。また、自動検査装置3では、欠陥を検出した場合に、欠陥を検出した絵素の色を取得する。なお、ここでは、被検査パネルPが赤,緑,青の3色の絵素を有していることを想定している。
図示の例では、欠陥位置の欄に、欠陥が検出された絵素の座標が表示されており、これにより、被検査パネルPにおける欠陥の位置を特定することができる。欠陥位置は、目視検査の際に、目視検査員が欠陥の位置を容易に特定できるように利用する情報であるから、被検査パネルPにおける欠陥のおおよその位置を示すものであればよい。例えば、被検査パネルPを複数の領域に分割し、どの領域で欠陥が検出されたかを示すものであってもよい。
なお、図示の例では、各欠陥位置を一つの座標で表しているが、例えば線欠陥等のように、欠陥が複数の絵素にまたがって検出される場合がある。このような場合には、検出位置の欄に欠陥の座標範囲を示す数式等を格納してもよい。すなわち、欠陥位置は、欠陥が検出された位置または範囲を示すデータであればよい。
また、欠陥絵素色は、目視検査員が欠陥を発見しやすくするために利用する情報である。すなわち、目視検査員は、欠陥絵素の色を予め知っていれば、その色の絵素に注目して目視検査を行うことができるので、欠陥を発見しやすくなる。自動検査装置3は、例えば輝点欠陥等を検出した場合に、輝点欠陥が発生している絵素の色を取得する。例えば、被検査パネルPに、被検査パネルPを構成する絵素のうち特定の絵素のみが常に輝点となる輝点欠陥が発生している場合、自動検査装置3は、輝点欠陥が発生している絵素の位置から、その絵素の色を特定することができる。
なお、本実施形態では、i〜viの6つの検査項目について、点灯パターンA〜Gの7種類の点灯パターンを用いて検査する例を示しているが、検査項目の数は必要に応じて増減させることができる。また、点灯パターンとしては、各検査項目で検出する欠陥に合わせて、公知の点灯パターンを適用することができる。
〔目視検査工程〕
上記〔背景技術〕で述べたように、被検査パネルPの欠陥検査を行うにあたり、自動検査装置3では判定が難しい種類の欠陥がある。そこで、上記自動検査工程では、このような欠陥の検出漏れを防ぐために、検査感度を高めに設定している。したがって、製品として問題のないレベルの欠陥も自動検査工程では「NG」と判定されることがある。そこで、「NG」と判定された検査項目については、目視検査員の肉眼による目視検査を行う必要がある。すなわち、目視検査員の判定結果が各検査項目の最終判定結果となる。
目視検査工程について図4〜図7に基づいて説明する。まず、目視検査の流れについて、図4に基づいて説明する。図4は、目視検査の流れを説明する図である。なお、図4では、目視検査の流れを簡単に説明するために、自動検査結果を用いずに点灯パターンを被検査パネルPに表示させる例を示している。
上述のように、目視検査工程では、表示制御装置4が決定した順序で被検査パネルPに点灯パターンが順次表示される。ここでは、図示のように、点灯パターンAからGの順序に被検査パネルPに表示させる例を示している。また、図4では、点灯パターンA〜Dにはそれぞれ欠陥i〜ivが対応付けて記載されており、点灯パターンE及びFには欠陥vが、そして点灯パターンGには欠陥viがそれぞれ対応付けて記載されている。
すなわち、目視検査工程においても、上記自動検査工程と同じ6つの検査項目i〜viについて、それぞれ同じ点灯パターンA〜Gを用いて欠陥i〜viの有無を検査する。なお、目視検査工程では、自動検査結果を利用することによって目視検査時間を短縮する。したがって、自動検査工程で検査を行う検査項目と、目視検査工程で検査を行う検査項目とは、同じ点灯パターンを用いて同じ欠陥を検出する検査項目が少なくとも1つ含まれていれば自動検査結果を目視検査工程で利用することができる。ゆえに、全ての検査項目が一致している必要はない。
なお、ここでは簡単のため、目視検査工程と自動検査工程とで同じ点灯パターンを用いる例について説明するが、目視検査工程と自動検査工程とで異なる点灯パターンを用いてもよい。すなわち、検査システム1では、各検査項目に対応する点灯パターンは、自動検査工程と目視検査工程とで必ずしも一致させる必要はなく、同じ検査項目であっても各検査工程に合わせて欠陥を検出しやすい点灯パターンを使用することができる。
例えば、検査項目が同じであっても、目視検査工程と自動検査工程とでは、最適な点灯パターンが異なる場合がある。具体的には、検査項目が線欠陥である場合には、目視検査工程ではどのような点灯パターンを用いても線欠陥の検出を行うことができる。これに対し、自動検査工程では、主にカメラセンサにて検出を行うので、グレーパターンで検出した方が薄い線等をより明確に撮像することができる。すなわち、検査項目が線欠陥である場合には、目視検査工程と自動検査工程とで最適な点灯パターンが異なっているので、目視検査工程と自動検査工程とで異なる点灯パターンを用いることが好ましい。
また、検査システム1は、自動検査工程の後、目視検査工程を実行するが、目視検査工程の代わりに再度自動検査工程を行うようにしてもよい。ここで、1回目の自動検査工程と2回目の自動検査工程とで例えば撮像装置の分光感度が異なる場合には、感度が低い色については明るくするなどの調整が必要となる。すなわち、このような場合にも、1回目の自動検査工程と2回目の自動検査工程とで異なる点灯パターンを用いることが好ましい。
なお、目視検査工程と自動検査工程とで異なる点灯パターンを用いる場合には、検査システム1内に任意の記憶装置(データ記憶装置2を流用しても構わない)を設け、目視検査工程で使用する点灯パターンと自動検査工程で使用する点灯パターンとの対応を示すデータを予め格納しておけばよい。これにより、各検査項目について、目視検査工程と自動検査工程とで異なる点灯パターンを用いた欠陥検査を行うことができる。
そして、目視検査を行う目視検査員は、被検査パネルPに表示される点灯パターンを1つ1つ確認して各検査項目の欠陥の有無を調べる。すなわち、目視検査員は、点灯パターンAが被検査パネルPに表示されているときには、欠陥iの有無を検査する。そして、目視検査員は、欠陥iの有無を終えると、被検査パネルPに次の点灯パターンを表示させる。なお、次の点灯パターンは、表示制御装置4の表示制御部7が決定する。
ここでは、表示制御装置4の入力部8に点灯パターンを切り換える切換ボタンが設けられており、目視検査員がこの切換ボタンを押下することにより、次の点灯パターンが表示されることを想定している。
以上のように、目視検査工程では、予め定められた検査手順に従って、目視検査員が切換ボタンを押下することにより、被検査パネルPに表示される点灯パターンが、表示制御装置4の指示する順序に従って順次切り換わる。そして、目視検査員は、表示される点灯パターンを検査し、各検査項目の欠陥の有無を判断する。
次に、自動検査結果を用いて目視検査を行う方法について図5に基づいて説明する。図5は、目視検査工程にて被検査パネルPに表示される点灯パターンの順序の一例を示す図である。自動検査結果を用いて目視検査を行うことにより、目視検査に要する時間を短縮することができる。
図5に示す点灯パターンと、図4に示す点灯パターンとを比較すると、図4に記載の点灯パターンの中には、図5に記載されていない点灯パターンがあることがわかる。具体的には、図5の例では、A,B,D,Gの順に点灯パターンが表示されているが、点灯パターンC,E,Fは表示されていない。
ここで、図3に示すように、点灯パターンC,E,Fは、自動検査結果の検査結果欄が「OK」となっている検査項目に対応している。すなわち、自動検査結果を用いて目視検査を行う場合には、自動検査結果で欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンを表示順から除外している。言い換えれば、自動検査結果を用いて目視検査を行う場合には、目視検査を行う必要のない検査項目の点灯パターンを表示順から除外している。
これにより、被検査パネルPには、目視検査が必要な点灯パターンのみが表示されることになる。具体的には、被検査パネルPには、まず点灯パターンAが表示され、予め定められた検査手順に従って目視検査員が切換ボタンを押下すると、表示される点灯パターンが点灯パターンBに切り換わり、再度切換ボタンを押下すると点灯パターンDが表示され、さらに切換ボタンを押下すると点灯パターンGが表示される。
このように、検査システム1では、自動検査工程で欠陥がないことが確認されている検査項目の点灯パターンが表示されることによる時間のロスをなくすことができると共に、欠陥がないことが確認されている検査項目の点灯パターンを再度目視検査してしまうという無駄をなくすことができる。そして、その結果、目視検査に要する時間を短縮することができる。
〔点灯パターンの表示順〕
上述のように、検査システム1では、自動検査工程で欠陥がないことが確認されている検査項目の点灯パターンを目視検査工程では表示させないことによって、検査時間を短縮している。したがって、目視検査工程における点灯パターンの表示順は特に限定されないが、点灯パターンの表示順を工夫することで目視検査の効率をさらに高めることができる。なお、点灯パターンの表示順は、表示制御装置4で設定することができる。
すなわち、点灯パターンは、予め定めた表示順序に従って表示することが好ましい。予め定めた表示順序を目視検査員に検査前に把握させておくことで、目視検査員は次にどのような点灯パターンが表示され、どのような欠陥を調べたらよいかがわかる。したがって、目視検査員は、目視検査をスムーズに行うことができる。
例えば、点灯パターンの表示順序を検査項目順とすればよい。すなわち、点灯パターンを検査項目順に並べ、並べた点灯パターンの中から目視検査を行う必要のない点灯パターンを抜き取り、抜き取った点灯パターンを詰めた順番で点灯パターンを表示させればよい。
図5の例では、検査項目i〜viの番号の小さい順に点灯パターンを配列させ、目視検査を行う必要のない点灯パターンC,E,Fをその配列から抜き取り、抜き取った点灯パターンを詰めて配列させている。これにより、目視検査員は、次に検査するべき欠陥の種類をある程度予測することができるので、目視検査をスムーズに進めることができる。
また、例えば、特に注意して検査を行う必要のある検査項目が存在し、この検査項目で「NG」と判定された被検査パネルPは、別工程で処理する必要があるような場合には、その検査項目の点灯パターンを1番目に表示させることが好ましい。
これにより、特に注意して検査を行う必要のある検査項目で「NG」と判定された被検査パネルPについては、2番目以降の検査項目の目視検査を行うことなく、別工程に回すことができる。その結果、不要な目視検査を省略することができ、目視検査に要する時間を削減することができる。
〔欠陥位置及び欠陥絵素色の表示〕
図3に示すように、自動検査結果には、欠陥を検出した検査項目の欠陥位置が含まれている。目視検査工程では、点灯パターンと共に当該点灯パターンで検出された欠陥位置を示す欠陥位置情報を被検査パネルPに表示させる。これにより、目視検査員が欠陥を発見しやすくなり、目視検査をより効率よく行うことができる。
これについて、図6に基づいて説明する。図6は、点灯パターンと共に欠陥位置情報を表示させた表示例を示す図である。被検査パネルPには、点灯パターンが点灯しており、被検査パネルPの左上には欠陥d1が、被検査パネルPの中央右よりには欠陥d2が見受けられる。そして、欠陥d1を囲む円形の欠陥位置情報21が表示されていると共に、欠陥d2を指す矢印形状の欠陥位置情報22が表示されている。
欠陥位置情報21及び22のような、欠陥位置を示す欠陥位置情報が表示されることにより、目視検査員は、被検査パネルP上の欠陥位置を容易に特定することができるので、目視検査を効率よく行うことができる。なお、欠陥位置情報は、欠陥のある位置を示すものであればよく、図示の例に限定されない。例えば、欠陥のある位置を図形で囲んで示す場合、図示のような円に限られず、楕円で囲んでもよいし、多角形で囲んでもよい。また、欠陥のある位置を括弧で囲んで示してもよい。
また、欠陥位置情報を欠陥の種類毎に異なる図形としてもよい。これにより、目視検査員は、欠陥位置情報を見るだけで、その欠陥位置情報が示す位置にある欠陥の種類を特定することができるので、一層容易に欠陥を検出することが可能になる。
さらに、自動検査結果には、図3に示すように、欠陥絵素色が含まれている。目視検査工程では、上記欠陥位置情報を欠陥絵素色に対応する色で表示する。これにより、目視検査員は、欠陥のある絵素の色を容易に特定することができるので、さらに容易に欠陥を検出することが可能になる。
例えば、図6の例で、表示されている点灯パターンが点灯パターンAであり、欠陥d1が位置(x,y)の赤色絵素で検出された欠陥であり、欠陥d2が位置(x,y)の緑色絵素で検出された欠陥であるとする(図3参照)。この場合には、例えば欠陥位置情報21を赤色で表示し、欠陥位置情報22を緑色で表示すればよい。これにより、目視検査員に、欠陥位置情報21で囲まれる範囲内の赤色の絵素に注目して目視検査を行わせることができ、欠陥位置情報22が指示する位置の緑色の絵素に注目して検査を行わせることができるので、目視検査員が欠陥を容易に検出することができる。
なお、欠陥位置情報の表示色は、欠陥検査員が、当該欠陥位置情報が示す位置の欠陥絵素の色を特定できるものであれば特に限定されず、必ずしも欠陥絵素色と同じ色にする必要はない。しかしながら、欠陥絵素色と同じ色にした場合、目視検査員が欠陥絵素の色を認識しやすいので好ましい。
〔表示制御処理の流れ〕
次に、表示制御装置4における表示制御処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、表示制御処理の一例を示すフローチャートである。目視検査工程では、まず、目視検査員が、入力部8を操作して検査結果取得部6に検査結果取得指示を送り、検査結果取得部6にデータ記憶装置2から自動検査結果を取得させる(S1)。検査結果取得部6が取得した自動検査結果は、表示制御部7に送られる。
続いて、表示制御部7では、受け取った自動検査結果に基づいて、目視検査で使用する点灯パターンを選択する(S2)。具体的には、表示制御部7は、自動検査結果の検査結果欄が「NG」となっている検査項目の点灯パターンを選択する(図3参照)。
次に、表示制御部7は、S2で選択した点灯パターンをどのような順序で被検査パネルPに表示させるかを決定する(S3)。上記〔点灯パターンの表示順〕で説明したように、点灯パターンの表示順序は必要に応じて適宜設定することができるが、ここでは、表示制御部7は、自動検査結果の検査項目欄に記載されている数字(i〜vi)が小さい順番に表示させることを決定する。
そして、表示制御部7は、S3で決定した順序の1番目の点灯パターンを被検査パネルPの表示するようにパネル点灯装置5に指示を送る(S4)。また、表示制御部7は、1番目の点灯パターンの検査項目に対応付けられている欠陥位置及び欠陥絵素色(図3参照)をパネル点灯装置5に伝達する(S5)。
パネル点灯装置5は、表示制御装置4から受け取った表示指示に従って、当該表示指示で指定される点灯パターンを表示させる点灯制御信号を被検査パネルPに送る。また、パネル点灯装置5は、表示制御装置4から受け取った欠陥位置及び欠陥絵素色に基づいて、欠陥位置及び欠陥絵素色を示す欠陥位置情報を上記点灯パターンと共に表示させる点灯制御信号を被検査パネルPに送る。
これにより、自動検査工程で欠陥ありと判定された検査項目のうち、最も番号が小さい検査項目の点灯パターンが、その欠陥位置及び欠陥絵素色を示す欠陥位置情報と共に、被検査パネルPに表示される。そして、目視検査員は、表示された点灯パターンを検査し、欠陥の有無を判定する。
そして、目視検査員は、欠陥の有無の判定が終わると、入力部8の切換ボタンを押下する。切換ボタンを押下することにより、表示切換指示が入力部8から表示制御部7へと送られる。ここで、表示制御部7は、表示切換指示を待ち受けており(S6)、表示切換指示を受けた表示制御部7は、S3で決定した順序に従って、次の点灯パターンの表示指示をパネル点灯装置5に送る(S7)。そして、表示制御部7は、表示指示を送った点灯パターンの検査項目に対応付けられている欠陥位置及び欠陥絵素色をパネル点灯装置5に伝達する(S8)。
これにより、次の点灯パターンが、その欠陥位置及び欠陥絵素色を示す欠陥位置情報と共に被検査パネルPに表示される。そして、目視検査員は、表示された点灯パターンを検査し、欠陥の有無を判定する。
S8で欠陥位置及び欠陥絵素色をパネル点灯装置5に伝達した表示制御部7は、S2で選択した点灯パターンの全てについての表示指示をパネル点灯装置5に送ったか否か、すなわちS2で選択した点灯パターンの全てが被検査パネルPに表示されたか否かを確認する(S9)。
S2で選択した点灯パターンのうち、表示指示をパネル点灯装置5に送っていないものがある場合(S9でNo)、表示制御部7はS6に戻って表示切換指示を待ち受ける。一方、S2で選択した点灯パターンの全てについての表示指示をパネル点灯装置5に送っている場合(S9でYes)、表示制御部7は検査終了指示を待ち受ける。
なお、検査終了指示は、目視検査員が入力部8を操作して入力するようになっている。すなわち、目視検査員は、目視検査を行う必要のある点灯パターン、すなわち自動検査工程で欠陥が検出された検査項目の点灯パターンの全てについて検査を終了した場合には、入力部8を操作して被検査パネルPの検査を終了する。
検査終了指示を確認できなかった場合(S10でNo)には、表示制御部7は、S6に戻って表示切換指示を待ち受ける。なお、表示切換指示があった場合には、表示制御部7は、S7で1番目の点灯パターンの表示指示をパネル点灯装置5に送る。すなわち、表示制御部7は、切換ボタンの押下を受け付けると、既に表示指示をパネル点灯装置5に送った点灯パターンであるか否かに関わらず、順次点灯パターンの表示指示を送る。
これにより、再度1番目の点灯パターンが被検査パネルPに表示される。また、目視検査員は、切換ボタンを押下することにより、今までに表示した任意の点灯パターンを被検査パネルPに順次表示させることができる。これにより、例えば、目視検査員が再確認の必要があると判断した検査項目の点灯パターンを再び被検査パネルPに表示させることができる。
一方、検査終了指示を確認した場合(S10でYes)、表示制御部7は、被検査パネルPの検査を終了する。なお、検査システム1で、複数の被検査パネルPの欠陥検査を行う場合、1つの被検査パネルPの検査が終了した後、S1に戻り、次の被検査パネルPの自動検査結果を取得し、引き続き欠陥検査を行う。
〔表示制御処理の変形例〕
以上説明した図7のフローチャートは一例であり、表示制御装置4で行われる表示制御処理はこの例に限定されない。例えば、表示制御装置4は、自動検査結果に基づいて、目視検査を行う必要がない点灯パターンを除いた点灯パターンを選択するステップ(S2)を少なくとも実行するものであればよく、その他のステップは省略することができる。
例えば、データ記憶装置2を表示制御装置4の内部に設け、データ記憶装置2に自動検査結果を予め格納しておいた場合や、自動検査結果を有線または無線の通信手段で表示制御部7に直接伝達するような場合には、S1の自動検査結果を取得するステップを省略することができる。なお、自動検査結果を直接に表示制御装置4に送る場合には、データ記憶装置2を省略することができる。
また、例えば、点灯パターンの表示順を決定するステップ(S3)を省略した場合であっても、S2で目視検査を行う必要がないと判断される点灯パターンが除かれるので、検査時間を短縮する効果を得ることができる。しかしながら、点灯パターンの表示順を決定するステップを実行することで、目視検査員がよりスムーズに目視検査を行うことができるので、表示制御部7はS3を実行することが好ましい。
そして、欠陥の種類によっては、欠陥位置や欠陥色を特定することが困難である場合も考えられる。また、自動検査装置3が欠陥位置や欠陥色を特定する機能を備えていない場合も考えられる。このような場合、S5やS8を省略すればよい。しかしながら、自動検査工程にて欠陥位置や欠陥色が特定されている場合には、表示制御部7がS5やS8を実行して欠陥位置情報を表示させることにより、目視検査員が欠陥をより容易に検出できるようになるので好ましい。
また、図7のフローチャートでは、表示制御部7が表示入力指示を検出する度に、点灯パターンの1つ1つについて表示指示をパネル点灯装置5に送る態様を示しているが、複数の点灯パターンの表示指示を一括してパネル点灯装置5に送るようにしてもよい。これにより、S6,S7,S9,S10を省略することが可能になる。
この場合、例えば、パネル点灯装置5に、記憶部と、パネル点灯装置5に点灯パターンを切り換えさせるための入力部とを備えておき、表示制御装置4から送られてくる点灯パターンの表示指示を上記記憶部に格納するようにすればよい。これにより、目視検査員は、上記入力部を操作してパネル点灯装置5に点灯パターン切換指示を送ることで、目視検査を行う点灯パターンを被検査パネルPに順次表示させることができる。
〔表示部の使用例〕
上述のように、検査システム1の目視検査工程では、点灯パターンが所定の順序で表示される。ここで、目視検査を行う場合、一度確認した欠陥を再び確認する作業を行うことがある。このような場合、再確認したい点灯パターンを表示させるために、手間がかかることがある。
例えば、図5の例で、目視検査員が点灯パターンA〜Gを一通り検査した後、欠陥ivを再度確認したいと考えた場合、目視検査員は、欠陥ivを検出するための点灯パターンDを表示させる必要がある。ここで、点灯パターンDを表示させるためには、切換ボタンを押下して点灯パターンAから点灯パターンBに切り換え、さらに切換ボタンを押下して点灯パターンDに切り換える必要がある。このように切り換え作業を行うことは、目視検査の効率を低下させるので好ましくない。
上記の問題点を解決するために、表示制御装置4の表示部9には、目視検査員が目視検査をよりスムーズに行うための補助情報が表示される。この補助情報について、図8に基づいて説明する。図8は、表示部9に表示される補助情報の一例を示す図である。
図示のように、表示部9には、A,B,D,Gの4つの点灯パターンが表示されていると共に、各点灯パターンで検出する欠陥i,ii,iv,viが表示されている。すなわち、表示部9には、目視検査を行う検査項目の点灯パターンや欠陥名が表示される。
また、表示部9に表示された点灯パターンは、目視検査員が入力部8を操作することによって選択し、被検査パネルに表示させることができるようになっている。これにより、目視検査員は、表示部9に表示されている点灯パターンの中から、所望の点灯パターンを選択するだけで当該点灯パターンを被検査パネルに表示させることができる。すなわち、上記の構成によれば、点灯パターンを順々に切り換えて所望の点灯パターンを表示させる場合と比べて、欠陥の再確認が容易になる。
また、例えば、自動検査工程で欠陥なしと判定された検査項目の点灯パターンを目視検査の際に表示させるケースも考えられる。このようなケースに対応するために、例えば、自動検査工程で欠陥なしと判定された検査項目の項目名や点灯パターン、欠陥の種類等も表示部9に表示すればよい。これにより、目視検査員は、全点灯パターンの中から所望の点灯パターンを被検査パネルPに容易に表示させることができる。
なお、自動検査工程で欠陥なしと判定された検査項目と、欠陥ありと判定された検査項目とは、区別して表示することが好ましい。区別して表示する方法としては、例えば、色分けする、表示位置を変える、文字や記号を付すなど様々な方法が挙げられる。
また、表示部9に表示されている点灯パターンを選択する方法としては、公知の方法を適宜適用することができる。例えば、入力部8がマウスのようなポインティングデバイスを備えている場合には、ポインタが合わされた点灯パターンでクリック等の所定の選択操作が実行された場合に上記点灯パターンが選択されたと判断すればよい。また、入力部8の入力ボタンへの操作を受け付けて選択された点灯パターンを判断するようにしてもよい。さらに、表示部9をタッチパネルとしてもよい。表示部9をタッチパネルとした場合には、表示部9で接触を検知した位置に表示されている点灯パターンが選択されたと判断すればよい。これにより、目視検査員は、表示部9に表示された点灯パターンの中から、所望の点灯パターンに触れるだけで当該点灯パターンを選択することができる。表示部9をタッチパネルとする場合には、表示部9が入力部8の機能を兼ねることになる。
さらに、図8の例では、表示部9に点灯パターンと欠陥名とを表示する態様を示しているが、表示部9には、少なくとも点灯パターンを特定できる情報(例えば、点灯パターン名や検査項目)が表示されればよい。
〔変形例1〕
上述の実施形態では、表示制御装置4が、自動検査工程で取得した自動検査結果に基づいて目視検査の点灯パターンの表示順を決定する例を示したが、本発明はこの例に限られない。
例えば、自動検査を複数回行う場合には、表示制御装置4が、自動検査結果に基づいて次回以降の自動検査で使用する点灯パターンの表示順を決定する構成としてもよい。これにより、自動検査で欠陥がないと判定した検査項目を、次回以降の自動検査で省略することができ、検査時間を短縮することができる。
同様に、目視検査を複数回行う場合には、表示制御装置4が、目視検査結果に基づいて次回以降の目視検査で使用する点灯パターンの表示順を決定する構成としてもよい。これにより、目視検査で欠陥がないと判定した検査項目を、次回以降の目視検査で省略することができ、検査時間を短縮することができる。
また、上述の実施形態では、自動検査で欠陥が検出された検査項目のみについて、目視検査を行う例を示したが、自動検査で欠陥が検出されなかった検査項目の一部についても、目視検査を行うようにしてもよい。例えば、自動検査装置で検出することが困難な検査項目については、自動検査結果に関わらず目視検査を行うようにすればよい。これにより、自動検査装置が検出に失敗した欠陥を見逃すことを防ぐことができる。
さらに、上述の実施形態では、自動検査で欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンを目視検査では表示させない例を示したが、この例に限られない。例えば、自動検査で欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンと、欠陥が検出された検査項目の点灯パターンとを区別して表示した場合でも、検査時間を短縮することができる。
例えば、欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンを被検査パネルPに表示させるときに、当該点灯パターンと共に欠陥が検出されなかったことを示す欠陥検出情報を表示させればよい。これにより、目視検査員は、被検査パネルPに表示されている点灯パターンには欠陥が検出されなかったことを一目で認識することができるので、すみやかに切換ボタンを押下して次の点灯パターンに切り換えることができる。
なお、上記欠陥検出情報は、目視検査員が、被検査パネルPに表示されている点灯パターンが自動検査で欠陥が検出されなかった点灯パターンであるか、欠陥が検出された点灯パターンであるかを認識できるものであれば特に限定されない。例えば、文字や記号等を欠陥検出情報とすることができる。
また、欠陥検出情報として、欠陥が検出されたことを示すものと、欠陥が検出されなかったことを示すものとの両方を用いてもよいし、何れか一方でもよい。これは、目視検査員が、欠陥が検出されたことを示す欠陥検出情報が表示されている点灯パターンは、欠陥が検出された点灯パターンであると判断することができる。そして、欠陥が検出されたことを示す欠陥検出情報が表示されていない点灯パターンは、欠陥が検出されていない点灯パターンであると判断することができるからである。したがって、欠陥検出情報として、上記欠陥位置検出情報を用いてもよい。
さらに、表示制御部7は、目視検査工程にて上記点灯パターンを順次表示させる際に、表示する点灯パターンが自動検査工程で表示欠陥がないと判定された検査項目の表示欠陥を検出するための点灯パターンであるとき、表示してから所定の時間が経過後に、表示する点灯パターンを次の点灯パターンに切り換えさせるものであってもよい。
上記の構成によれば、自動検査で欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンは、自動的に切り換わるので、目視検査員は、目視検査を行う必要のない、自動検査で欠陥が検出されなかった検査項目の点灯パターンを切り換える操作を行う必要がない。
なお、上記所定の時間は、表示欠陥が検出されなかった点灯パターンが必要以上に長い時間表示され続けず、スムーズに第2検査工程を行える程度に設定すればよい。例えば、上記所定の時間を数秒以下に設定すればよい。これにより、目視検査を行う必要のない点灯パターンがスピーディに切り換わるので、検査時間を短縮することができると共に、目視検査を行う必要のない点灯パターンの目視検査を行ってしまうことを防ぐことができる。
点灯パターンを所定の時間後に自動的に切り換える方法としては、例えば、表示制御装置4にタイマー等の時間を計測する手段を設けておく方法が挙げられる。具体的には、表示制御部7が点灯パターンの表示指示をパネル点灯装置5に送った後、自動検査結果を確認する。そして、当該点灯パターンで欠陥が検出されていなかった場合に、上記タイマーをセットし、タイマーが計測する所定の時間が経過したときに、次の点灯パターンの表示指示を送るようにすればよい。
〔変形例2〕
図6等を例示して説明したように、点灯パターンと共に欠陥位置情報を表示することにより、目視検査員は容易に欠陥位置を特定することができ、これにより検査時間を短縮することが可能になる。以下では、目視検査員が容易に欠陥位置を特定できるのみならず、欠陥の判定をさらに容易に行うことができる変形例について図9に基づいて説明する。
図9は、点灯パターンと共に拡大画像を表示させた表示例を示す図である。ここでは、被検査パネルPには点灯パターンが点灯しており、自動検査工程にて被検査パネルPの座標(X1,Y1)に欠陥が検出されたことを想定している。図示のように、被検査パネルPには、座標(X1,Y1)の欠陥を含む領域31が拡大された拡大画像32が表示されている。
拡大画像32が表示されることにより、目視検査員は、被検査パネルP上の微細な欠陥を容易に視認することができる。したがって、ルーペ等を用いて欠陥があると思われる位置を拡大して欠陥判定を行っていた従来法と比べて、目視検査を効率よく行うことができる。これは、特に点欠陥のような微細な欠陥の検出に有効である。
続いて、拡大画像32を被検査パネルPに表示させる拡大画像表示処理について説明する。すなわち、表示制御部7は、まず、データ記憶装置2から取得した自動検査結果を参照して各検査項目の欠陥位置を取得する。
そして、表示制御部7は、各欠陥位置について、該欠陥位置を含む所定範囲の領域の拡大画像を生成する。具体的には、表示制御部7は、自動検査工程にて撮像された被検査パネルPの画像をデータ記憶装置2から読み出し、読み出した画像の所定範囲の領域を拡大する。なお、拡大する範囲は、欠陥位置を含む範囲であればよく、特に限定されないが、例えば欠陥位置から距離n(nは任意の正数)の範囲を拡大するようにすればよい。
すなわち、本変形例では、自動検査工程において、被検査パネルPに各点灯パターンを点灯させた状態で撮像した画像をデータ記憶装置2に格納することを想定している。また、表示制御部7は、画像の所定の領域を拡大した画像を生成する画像処理機能を備えていることを想定している。
なお、拡大画像を生成する処理は、上記の例に限られない。例えば、目視検査工程にて被検査パネルPに各点灯パターンを点灯させた状態で撮像し、この画像から拡大画像を生成するようにしてもよい。また、拡大画像を生成する処理は、表示制御部7とは別の画像処理手段によって実行されてもよい。
そして、表示制御部7は、パネル点灯装置5に指示し、上記のようにして生成した拡大画像を点灯パターンと重畳して表示させる。このとき、表示制御部7は、拡大画像が欠陥位置と重畳しないように表示させることが好ましい。これにより、目視検査員は、実際の欠陥位置と、拡大画像とを対比して欠陥の判定を行うことができる。また、複数の欠陥が検出されている場合には、拡大画像同士が重畳しないように表示させることが好ましい。
さらに、拡大画像の拡大倍率は、入力部8への入力指示によって変更可能となっていることが好ましい。これにより、欠陥の観察を各欠陥の種類に応じた適切な拡大倍率で行うことができる。また、拡大画像の表示輝度も入力部8への入力指示によって変更可能となっていることが好ましい。これにより、欠陥の観察を各欠陥の種類に応じた適切な表示輝度で行うことができる。なお、拡大画像はデジタルデータであるから、拡大画像の表示輝度の調整は、公知の方法を用いて容易に行うことができる。
以上のように、本変形例によれば、欠陥位置を含む領域が拡大された拡大画像が点灯パターンと共に表示される。したがって、目視検査員は、欠陥の状態を容易に認識することができ、これにより目視検査に要する時間を短縮することが可能になる。
〔実施の形態2〕
上記実施形態では、自動検査工程にて欠陥がないと判定された検査項目の点灯パターンを目視検査工程では表示対象から除くことによって検査時間の短縮を実現する検査システム1について説明した。以下では、目視検査工程で表示する点灯パターンをさらに減少させることにより、検査時間をさらに短縮することを可能にした検査システムの実施形態について図10から図13に基づいて説明する。
本実施形態の検査システムは、図1等に示す検査システム1と同様の構成を有している。また、自動検査工程の動作は上記実施形態と同様である。そこで、ここでは、上記実施形態の検査システム1と本実施形態の検査システムとの相違点である表示制御処理について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図10は、本実施形態の検査システムにおける表示制御処理の一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、上記実施形態と同様に、表示制御部7が実行する。まず、表示制御部7は、データ記憶装置2から自動検査結果を取得し、目視検査を行う点灯パターンを選択する(S21)。具体的には、表示制御部7は、自動検査結果の検査結果欄が「NG」となっている検査項目の点灯パターンを選択する(図3参照)
続いて、表示制御部7は、上記取得した自動検査結果から自動検査工程にて検出された各検査項目の欠陥位置を取得する(S22)。そして、表示制御部7は、取得した各欠陥位置に背景領域を設定する(S23)。詳細については後述するが、本実施形態の表示制御部7は、背景領域毎にその表示欠陥を検出するための点灯パターンを表示させる。これにより、点灯パターンの切り換え回数をさらに減少させて検査時間を短縮することができる。
ここで、背景領域の設定方法について図11に基づいて説明する。図11は、背景領域の設定方法の一例を示す図である。なお、図11は、点灯パターンを表示した被検査パネルPの画像の一部を拡大した状態を示している。図示のように、被検査パネルPには、不良候補41が表示されている。すなわち、ここでは、自動検査工程にて不良候補41の位置に欠陥があると判定されたことを想定している。
そして、被検査パネルPにおいて、この不良候補41を含む領域が背景領域42となっている。すなわち、ここでは、図示のように、被検査パネルPをマトリクス状に分割して複数の分割領域を形成し、不良候補41を含む分割領域を背景領域42とすることを想定している。
なお、背景領域42は、不良候補41を含む領域であればよく、図示の例に限られない。例えば、分割領域のうち不良候補41を含む領域に加え、該領域に隣接する分割領域を背景領域42としてもよい。この場合には、図示の例と比べて背景領域42が広くなるので、背景領域42に点灯パターンを表示させたときに不良候補41が視認しやすくなる。
また、例えば自動検査工程にて、各不良候補41の領域面積を算出して自動検査結果として出力するようにし、不良候補41の領域面積を所定倍した面積を有する背景領域42を設定してもよい。さらに、不良候補41の外縁から所定の距離の範囲を背景領域42としてもよい。
上述のようにして背景領域を設定した表示制御部7は、設定した各背景領域に重複があるか否かを判断する(S24)。具体的には、表示制御部7は、S23で設定した各背景領域を被検査パネルPに表示させたときに、少なくとも一部が重なる背景領域があるか否かを判断する。
背景領域に重複がないと判断した場合(S24でNo)には、表示制御部7は、背景領域毎にその背景領域に含まれる不良候補を検出するための点灯パターンを表示させる合成点灯パターンを作成する。そして、表示制御部7は、パネル点灯装置5に表示指示を送信して上記作成した合成点灯パターンを被検査パネルPに表示させ(S25)、表示制御処理を終了する。
一方、背景領域に重複があると判断した場合(S24でYes)には、表示制御部7は、重複する背景領域の1つを選択する(S26)。複数の背景領域が重複している箇所が複数ある場合には、表示制御部7は、各箇所から1つの背景領域を選択する。なお、表示制御部7は、合成点灯パターンの数が少なくなるように背景領域を選択することが好ましい。
続いて、表示制御部7は、選択した背景領域を含む合成点灯パターンを作成し、パネル点灯装置5に表示指示を送信して上記作成した合成点灯パターンを被検査パネルPに表示させる(S27)。すなわち、表示制御部7は、被検査パネルP上において、背景領域が重複していない箇所についてはその表示箇所に当該背景領域に含まれる欠陥を検出するための点灯パターンを表示させる。そして、背景領域が重複している箇所についてはそのうち一つの背景領域に当該背景領域に含まれる欠陥を検出するための点灯パターンを表示させる。
次に、表示制御部7は、S23で設定した背景領域のうち、未だ被検査パネルPに表示されていない背景領域を含む合成点灯パターンを作成する(S28)。具体的には、S26で選択されなかった背景領域が、被検査パネルPに表示されていない背景領域ということになる。したがって、表示制御部7は、この背景領域に当該背景領域に含まれる欠陥を検出するための点灯パターンを表示させる。なお、被検査パネルPに表示されていない背景領域において、その領域の少なくとも一部が他の背景領域と重複するものがある場合には、S26と同様に表示制御部7が重複する背景領域の1つを選択して合成点灯パターンを作成する。
そして、表示制御部7は、入力部8への表示切換指示、すなわち切換ボタンの押下を待ち受ける(S29)。表示制御部7は、入力部8への表示切換指示を確認すると、パネル点灯装置5に表示指示を送信し(S30)、S28で生成した合成点灯パターンを被検査パネルPに表示させる。
次に、表示制御部7は、S23で設定した背景領域のうち、未だ被検査パネルPに当該背景領域に含まれる欠陥を検出するための点灯パターンが表示されていないものがあるか否かを確認する(S31)。上記点灯パターンが表示されていない背景領域がある場合(S31でYes)には、表示制御部7は、S28に戻って未表示の背景領域に当該背景領域に含まれる欠陥を検出するための点灯パターンを表示させる合成点灯パターンを生成する。一方、上記点灯パターンが表示されていない背景領域がない場合(S31でNo)には、表示制御部7は、表示制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態の表示制御処理では、自動検査工程にて検出された欠陥位置のそれぞれに、目視検査で上記各欠陥位置の欠陥を検出するための点灯パターンが表示された合成点灯パターンを表示させる。これにより、点灯パターンの切り換え回数をさらに減少させることができ、目視検査に要する時間をさらに短縮することが可能になる。
また、自動検査工程にて複数の欠陥候補が被検査パネルP上において近接して検出された場合には、背景領域が重なることがある。そこで、上記本実施形態の表示制御処理では、背景領域が重複する場合には、重複する背景領域の1つのみに点灯パターンを表示させる。これにより、背景領域が重なる場合であっても、目視検査員は欠陥候補の確認を容易に行うことができる。
なお、背景領域が重複する場合に、複数の欠陥候補が検出された領域を欠陥候補群として円で囲んだり矢印で位置を指し示したりして、欠陥候補の位置を目視検査員に知らせるようにしてもよい。
〔具体例〕
以下では、図12及び13に基づいて、本実施形態の表示制御処理の具体例について説明する。図12(a)〜(c)は、自動検査工程にて撮像された被検査パネルPの画像の一例を示す図である。同図(a)は被検査パネルPに点灯パターンAを表示させた状態を示す図であり、同図(b)は点灯パターンBを表示させた状態を示す図であり、同図(c)は点灯パターンCを表示させた状態を示す図である。すなわち、ここでは、自動検査工程にて点灯パターンA〜Cを用いた場合に、それぞれ欠陥が検出されたことを想定している。
具体的には、同図(a)では、点灯パターンAの点灯により、不良候補51a、51b、及び51cが検出されており、自動検査工程では、不良候補51a、51b、及び51cの被検査パネルP上における位置を示す座標が欠陥位置として取得されていることを想定している。同様に、同図(b)では点灯パターンBの点灯により不良候補52が検出されており、同図(c)では点灯パターンCの点灯により不良候補53が検出されており、それぞれ欠陥位置が取得されていることを想定している。そして、これらの欠陥位置は、自動検査結果としてデータ記憶装置2に格納されていることを想定している。
目視検査工程では、データ記憶装置2から読み出した自動検査結果に基づき、表示制御部7が目視検査を行う点灯パターンを選択する。ここでは、自動検査工程において、点灯パターンA〜Cにて不良候補51〜53が検出されたことを想定しているので、表示制御部7は、不良候補51〜53を検出するための点灯パターンとして点灯パターンA’〜C’を選択する。なお、点灯パターンA’〜C’は、不良候補51〜53を目視検査で検出可能な点灯パターンであればよく、点灯パターンA〜Cと同じ点灯パターンであってもよいし異なる点灯パターンであってもよい。
次に、表示制御部7は、自動検査結果から不良候補51〜53の欠陥位置を取得し、不良候補51〜53のそれぞれに背景領域を設定する。ここで、図12(a)における不良候補51aと同図(b)における不良候補52とは、被検査パネルP上において、近接した位置となっている。そのため、不良候補51aの背景領域と不良候補52の背景領域とは重複する。
そこで、表示制御部7は、不良候補51aの背景領域と不良候補52の背景領域との何れか一方を選択して合成点灯パターンを作成する。ここでは、不良候補52の背景領域を選択することを想定しているが、不良候補51aの背景領域を選択した場合も同様である。
本具体例にて作成された合成点灯パターンの一例を図13に示す。図示のように、不良候補51a及び51bの背景領域には点灯パターンA’が表示されており、不良候補52の背景領域には点灯パターンB’が表示されており、不良候補53の背景領域には点灯パターンC’が表示されている。このような合成点灯パターンが被検査パネルPに表示されることにより、目視検査員は点灯パターンを切り換えることなく、不良候補51a、51b、52、及び53の目視検査を行うことができる。
そして、入力部8の切換ボタンの押下を検出した場合には、表示制御部7は、パネル点灯装置5に指示して次の点灯パターン、すなわち不良候補51cの背景領域に点灯パターンA’が表示された点灯パターンを表示させる。したがって、従来は不良候補51〜53を検査するために、点灯パターンA’〜C’を合計2回の切り換え操作で表示させて検査を行っていたところを、本実施形態によれば1回の切り換え操作で検査を行うことができる。
なお、本実施形態の表示制御処理は、上述の例に限定されず、種々の変更や修正が可能である。例えば、背景領域に重複があった場合であっても、重複する背景領域に表示させる点灯パターンが同じであるときには、背景領域の重複によって欠陥の確認が困難になることはない。したがって、重複する背景領域に表示させる点灯パターンが同じであるときには、重複する背景領域を同時に表示させるようにしてもよい。これにより、合成点灯パターンの数を減少させることができる。
また、上記の例では、背景領域に重複があった場合には、重複する背景領域の1つを選択し、選択した背景領域に点灯パターンを表示させる例を示した。しかしながら、例えば3つ以上の背景領域が重複した際には、重複する背景領域の2つを選択することが可能なケースがある。要は、合成点灯パターンにおいて背景領域が重複しないように、また合成点灯パターンの数ができるだけ少なくなるように点灯パターンを表示させる背景領域を選択すればよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、表示制御装置4の各ブロック、特に表示制御部7は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、表示制御装置4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示制御装置4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記表示制御装置4に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、表示制御装置4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の表示制御装置は、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル等の表示パネルを用いた表示装置やブラウン管表示装置等の様々な表示装置の欠陥検査に適用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、検査システムの要部構成を示すブロック図である。 上記検査システムが備えている自動検査装置の概略構成を示す斜視図である。 上記自動検査装置が出力する自動検査結果の一例を示す図である。 目視検査の流れを説明する図である。 目視検査工程にて被検査パネルに表示される点灯パターンの順序の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、点灯パターンと共に欠陥位置情報を表示させた表示例を示す図である。 表示制御処理の一例を示すフローチャートである。 上記表示制御装置の表示部に表示される補助情報の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、点灯パターンと共に拡大画像を表示させた表示例を示す図である。 本発明の上記とは別の実施形態を示すものであり、表示制御処理の一例を示すフローチャートである。 上記実施形態における背景領域の設定方法の一例を示す図である。 被検査パネルを撮像した画像の一例を示す図であり、同図(a)は点灯パターンAを表示させた状態を示す図であり、同図(b)は点灯パターンBを表示させた状態を示す図であり、同図(c)は点灯パターンCを表示させた状態を示す図である。 上記実施形態において被検査パネルに表示される合成点灯パターンの一例を示す図である。
符号の説明
1 検査システム
3 自動検査装置
4 表示制御装置
5 パネル点灯装置
6 検査結果取得部
7 表示制御部(表示制御手段)
8 入力部
9 表示部
21 欠陥位置情報
22 欠陥位置情報
32 拡大画像
42 背景領域

Claims (10)

  1. 表示装置の表示欠陥を複数の検査項目について検査するときに、第1検査工程にて、複数の第1点灯パターンを順次表示させて各検査項目の表示欠陥の有無が判定された表示装置に対して、第2検査工程にて、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示させる表示制御装置であって、
    上記第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御手段を備えていることを特徴とする表示制御装置。
  2. 上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを一定の表示順で上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを表示させるときに、第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域を拡大した画像を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
  4. 上記表示制御手段は、上記第2点灯パターンを表示させるときに、上記表示欠陥の位置を示す欠陥位置情報を、該表示欠陥を有する絵素の色に対応する色で表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示制御装置。
  5. 上記表示装置に表示させる上記第2点灯パターンを上記表示制御装置のユーザに選択させる入力部と、
    上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンと、表示欠陥があると判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンと、を区別して表示する選択対象パターン表示部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  6. 上記表示制御手段は、第1検査工程にて表示欠陥があると判定された検査項目を検査するための上記第2点灯パターンを、上記第1検査工程にて表示欠陥が検出された位置を含む領域のそれぞれに表示させる請求項1に記載の表示制御装置。
  7. 複数の第1点灯パターンを順次表示させて複数の検査項目のそれぞれについて表示欠陥の有無を判定する第1検査工程を実行する第1検査装置と、
    上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを用いて表示欠陥の有無を判定する第2検査工程を実行する第2検査装置と、
    上記第1検査装置が、表示欠陥がないと判定した検査項目の表示欠陥を検出するための第2点灯パターンを上記第2検査装置における表示対象から除外する表示制御手段を備えている表示制御装置とを含む検査システム。
  8. 表示装置の表示欠陥を複数の検査項目について検査するときに、第1検査工程にて、複数の第1点灯パターンを順次表示させて各検査項目の表示欠陥の有無が判定された表示装置に対して、第2検査工程にて、上記第1検査工程と同じ検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示させる表示制御装置の表示制御方法であって、
    上記第2検査工程の際、上記第1検査工程において表示欠陥がないと判定された検査項目を検査するための第2点灯パターンを表示対象から除外する表示制御ステップを含むことを特徴とする表示制御方法。
  9. 請求項1から6のいずれか1項に記載の表示制御装置における表示制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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