JP2013139442A - 組織を含む生物物質の流体潅流システム - Google Patents

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Abstract

【課題】組織を含む生物物質の流体潅流システムを提供する。
【解決手段】組織を含む生物物質の流体潅流システム。該システムは、生物物質を貯蔵する貯蔵容器200と、貯蔵容器200の内容物を冷却する温度制御デバイス400と、保存ガスを発生させるガス発生器と、保存ガスを生物物質に供給するためにガス発生器に連通し組織に挿入可能である流体管550と、ガス発生器および温度制御デバイスの稼働を制御するプロセスコントローラ300とを備えていてもよい。該ガス発生器はさらに、電気化学的酸素濃縮器および/または保存ガスを発生させる水電解槽を備えていてもよい。該システムはさらに、液体潅流液の槽と、槽から生物物質に液体潅流液を供給する流体供給管と、生物物質から液体潅流液を排出する流体排出管とを含む液体潅流システムを備えていてもよい。
【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2010年6月18日に出願された発明者Tempelmanらによる米国特許出願第12/803,083号の一部継続出願であり、合衆国法典第35巻第119条(e)項の下で2009年6月18日に出願された米国仮特許出願第61/268,973号の利益を主張するものであり、両出願の開示は参照により本明細書に援用される。
(米国連邦政府の後援による研究または開発に関する記述)
米国政府は、本発明における支払い済みのライセンスと、米国国立衛生研究所によって授与された米国中小企業技術革新研究プログラム第1期契約番号R43DK070400、R43DK070400−02S1、およびR44DK070400の条件によって規定されるような合理的な条件で特許権者が他者にライセンスを与えることを必要とする限定された状況における権利とを有する。
本発明は一般に、移植または他の目的のための組織を含む生物物質の保存に関し、より具体的には流体潅流を用いた、組織を含む生物物質の保存に関する。
ラット由来の膵島の同種移植が化学的に誘発された糖尿病を逆転させると示されて以来、ランゲルハンス島の移植は30年超にわたり1型真性糖尿病のための治療としてのその可能性について研究されてきた(非特許文献1参照。これは参照により本明細書に援用される)。
数年後、ドナーへの膵島の自己移植は膵炎を患う人々における糖尿病の発症を予防することが可能な治療であることが示された(非特許文献2参照。これは参照により本明細書に援用される)。
しかしながら、膵島の同種移植は、エドモントンプロトコルの開発によって複数の膵臓由来の膵島を移植された7名の続発性患者で成功を収める2000年までは、成功を収めるのが困難なままであった(非特許文献3参照。これは参照により本明細書に援用される。)。
前述の成功はグルココルチコイドなしでの免疫抑制の使用に帰するところが大きいとされてきた。この成功は、この後、ミネソタ大学を含む他の機関において繰り返され、2000〜2006年に世界中でエドモントンプロトコルの変法が500例を超える移植に利用された(非特許文献4、非特許文献5参照。これらはいずれも参照により本明細書に援用される。)。
膵島移植は、糖尿病について現在利用されている他の治療を上回るいくつかの利点を提供する。インスリン生産を介したグルコースレベルを監視および調節する膵島の生得的能力によって、移植は、血糖値の定常で厳密な制御を可能にし、これは患者の自己監視によってはなされ得ない。厳密なグルコース制御が完全になされ得ないときでさえ、膵島移植は、低血糖を示す身体症状が欠如している無自覚性低血糖症を呈する患者において特に重要である。加えて、他の移植処置と比較して、膵島の門脈への注入は侵襲的手術(open surgery)を必要としないので、この移植では感染の可能性が最小限となる。
糖尿病の一貫した逆転のための膵島移植の使用が実証されてきたが、臨床の場においてこの療法を広範に実施するためにはなおいくつかの障害が残されている。単一のドナーからの移植体を用いて成功を収めているものも多少あるが、多くの施設は、ドナーあたりの膵島の収量が少ないことおよび/または品質が低いことを含む様々な理由から、1名の患者に対して複数のドナー臓器を必要とし続けている(非特許文献6参照。これは参照により本明細書に援用される。)。
現在のところ高品質のドナー臓器が不足しており、これが可能な移植数を制限している。膵島移植への関心が高まるにつれ、および新たな施設が治験薬(IND)の有資格性を米国食品医薬品局(FDA)へ申請するのに伴って、入手可能な臓器の数および品質の両方を最大にすることが従来にも増して重要である。該臓器の数および品質の両方を最大にするためには、臓器調達および膵島加工から移植体受容者における最終的な生着までの時点で始まる損傷から膵島を保護する必要がある。
膵島移植の主要な課題の1つは、生存可能な機能的移植体組織を、治療を成功させるために十分な量で獲得することである(非特許文献7参照。これは参照により本明細書に援用される。)。したがって、(1)臨床用途のために許容され得るドナー臓器を最大にし、(2)該ドナー臓器を許容し得る状態に保つために、該臓器の保存、貯蔵、および輸送を改善し、かつ(3)膵島の分離、培養、および貯蔵の改善によって臓器から収集される膵島の収量および品質を高めることが重要である。単一のドナーからの移植を成功させるために、生存可能な膵島の臨界量が存在するようであり、現行のプロトコルでは、この臨界量の一般的にはまさに最低限界の移植体組織を産生する。
膵臓調達についての現行のプロトコルは、実際に温虚血(WI)時間のない脳死があって心臓は拍動しているドナーを含む。膵臓保存(輸送および貯蔵の時間を含む)は、8時間以内の冷蔵(4〜8℃)でなければならない。冷蔵プロトコルは、あるものがUW(ウィスコンシン大学)溶液などの確立された低温保存溶液(CPS)を用い、その他のものが実験用CPSもしくはCPSの組み合わせを用いることで、異なる。2002年以降、2層法(TLM)がより多くの注目を集めてきた。TLMは、1980年代後期から1990年代初期に膵臓保存の方法として開発された(非特許文献8、非特許文献9、及び非特許文献10参照。これらすべては参照により本明細書に援用される。)。
TLMは、CPSの層と含酸素ペルフルオロカーボン(PFC)の層の中間に膵臓を浮遊させることを包含する。基本概念は、PFCの高い酸素担持能により、CPSと比較して多量の酸素を臓器表面に供給することによって、貯蔵中の組織の酸素化を高めることである。TLMは、エドモントンプロトコルの開発に続く2000年代初期における膵臓保存のための最先端技術として大きく前進し、多くの膵島加工施設が古典的な方法と比較した場合のこの臓器保存へのアプローチの優位性を公開した(非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16、及び、非特許文献17参照。これらすべては参照により本明細書に援用される。)。
TLMへの関心の多くは、移植を成功させるために最低限度のドナー臓器を使用することについての可能性のためであった。現在、好適なドナー臓器が不足しており、一部の国では、心臓の拍動しているドナーの利用は文化的タブーにより禁止されている。しかしながら、最近、TLMの場合と同様に、表面拡散に依存する酸素化が大多数のヒト膵臓を酸素化するには不十分である可能性が明らかになってきた。ミネソタ大学のグループによる膵臓の拡散モデリングは、酸素が膵臓の外面1mmまでしか浸透できないことを実証している(非特許文献18参照。これは参照により本明細書に援用される。)。加えて、複数の膵島移植施設は、ごく最近になって、膵臓がTLMによって保存される場合とCPS(UW)のみにおける古典的な貯蔵によって保存される場合とで、膵島の分離にも移植の結果にも有意な改善がないことを実証する後ろ向きなデータを公開している(非特許文献19、非特許文献20参照。これらはいずれも参照により本明細書に援用される。)。
上記にかんがみて、改善された膵臓保存方法に対する切実な必要性が今もあることは明らかである。
ヒトの他の臓器の場合、CPSにおける受動的な冷蔵が一般的であり、査読された文献において報告されている。また、臓器の液体潅流保存のためのいくつかのプロトコルおよび市販の機器がある。これらの方法のいずれにおいても、酸素の供給はごく僅かであり、最適な臓器保存には不適当である可能性がある。
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本発明の目的は、組織を含む生物物質の流体潅流システムを提供することである。
本発明の一態様によると、(a)保存ガスを製造するガス発生器と、(b)該保存ガスを組織に供給するために該ガス発生器に連通し該組織に挿入可能な流体管とを備える、組織を含む生物物質の流体潅流システムが提供される。
前述のシステムの特徴によると、保存ガスは気体酸素を含んでもよい。
前述のシステムの別の特徴によると、ガス発生器は気体酸素を発生させる電気化学的手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、気体酸素を発生させる電気化学的手段は電気化学的酸素濃縮器を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、保存ガスはさらに水蒸気を含んでもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、ガス発生器は保存ガスにおける気体酸素の濃度を調整する手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、保存ガスは気体酸素からなっていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、ガス発生器は保存ガスを含むガス流を出力する少なくとも1つの出口を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、ガス発生器は保存ガスを含む対応する複数のガス流を出力する複数の出口を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、ガス流は、独立して調整可能な流量を有していてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、流体管はカニューレを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムは、組織を含む生物物質を受容するのに適した寸法に形成された容器をさらに備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、容器は断熱された容器であってもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに前記容器の内容物を所望温度に維持する温度制御手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、温度制御手段は前記容器内の温度を感知する温度センサーと、前記容器内の温度を変更する温度制御デバイスと、前記温度センサーに応答して前記温度制御デバイスの稼働を制御するプロセスコントローラとを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに液体潅流システムを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、液体潅流システムは、液体潅流液の槽と、槽から組織を含む生物物質に液体潅流液を供給する流体供給管と、組織を含む生物物質を潅流した液体潅流液を排出する流体排出管とを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに大量の液体を備えていてもよく、この中で、保存ガスは、流体管によって組織に供給されるガス/液体溶液を形成するよう、液体中に溶解している。
前述のシステムのさらなる特徴によると、液体は液体細胞培地と、臓器保存溶液と、塩類溶液と、HEPES緩衝液と、これらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、液体はさらに、抗酸化物質と、抗アポトーシス剤と、血管拡張剤/血管収縮剤と、酸素担体と、キレート剤と、毒素結合剤と、抗凝固剤からなる群から選択される添加物を含んでもよい。
前述のシステムの別の態様によると、組織を含む生物物質の流体潅流システムが提供され、システムは(a)組織を含む生物物質を貯蔵する貯蔵容器と、(b)貯蔵容器の内容物を所望温度に維持する温度制御手段と、(c)保存ガスを製造するガス発生器と、(d)保存ガスを組織に供給するためにガス発生器に連通し組織に挿入可能な流体管とを備える。
前述のシステムの一特徴によると、保存ガスは気体酸素を含んでもよい。
前述のシステムの別の特徴によると、ガス発生器は気体酸素を発生させる手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、気体酸素発生手段は気体酸素を発生させる電気化学的手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、気体酸素を発生させる電気化学的手段は電気化学的酸素濃縮器を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに、流体管を通して組織に搬送されるガス/ガス混合物を形成するよう前記保存ガスを希釈する手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに液体潅流システムを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、液体潅流システムは、液体潅流液の槽と、槽から組織を含む生物物質に液体潅流液を供給する流体供給管と、組織を含む生物物質を潅流した液体潅流液を排出する流体排出管とを備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに、ガス発生器もしくは槽を出る流体または容器に入るもしくは容器を出る流体、のうちの少なくとも1つにおけるガス濃度を監視する少なくとも1つのガスセンサーを備えていてもよい。
本発明の別の態様によると、組織を含む生物物質の保存において使用するシステムが提供され、前記システムは(a)組織を含む生物物質を貯蔵する貯蔵容器と、(b)貯蔵容器の内容物を所望温度に維持する温度制御手段と、(c)保存ガスを発生させるガス発生器と、(d)少なくとも1つのガス流の中で保存ガスを前記貯蔵容器の内容物に供給する手段とを備える。
前述のシステムの特徴によると、少なくとも1つのガス流は複数のガス流を含んでもよく、前記複数のガス流は、独立して調整可能な流量を有していてもよい。
前述のシステムの別の特徴によると、システムはさらにガス発生器の稼働を制御する手段を備えていてもよい。
前述のシステムのさらなる特徴によると、システムはさらに流体潅流システムを備えていてもよい。
本発明の別の態様によると、組織を含む生物物質の流体潅流システムが提供され、該システムは、(a)保存ガスを生体内原位置で発生させる手段と、(b)生体内原位置で発生した保存ガスを用いて組織を潅流する手段とを備える。
前述のシステムの特徴によると、システムはさらに、生体内原位置で発生した保存ガスを流体で希釈する手段を備えていてもよく、この中で、前記潅流する手段は、希釈された生体内原位置で発生した保存ガスを用いて組織を潅流することを含む。
本明細書および特許請求の範囲の意図のために、「流体」という用語は、液体状態の純粋な物質、気体状態の純粋な物質、ならびに、2つまたは3以上の液体の混合物、2つまたは3以上のガスの混合物、および少なくとも1つの液体と少なくとも1つのガスとの混合物などだがこれらに限定されない液体物質および/または気体物質の混合物を包含するがそれらに限定されないよう意図される。
また、本明細書および特許請求の範囲の意図のために、「組織を含む生物物質」という用語は、組織を含む天然生物物質、組織を含む人工発生生物物質、およびその複合物を包含するよう意図される。加えて、「組織を含む生物物質」という用語は、ヒトから分離された組織を含む生物物質を、または動物から分離された組織を含む生物物質を包含するよう意図される。その上、「組織を含む生物物質」という用語は、単一の生物組織、臓器、部分的臓器、複式臓器、臓器系内の複式臓器、完全な臓器系、複式部分的臓器系(一般に複合組織と称される。)、および組織全体を含むこれ以下の複式完全臓器系などだがそれらに限定されない、1つまたは2以上の生物組織からなるあるいは該生物組織を含む生物物質を包含するよう意図される。
加えて、本明細書および特許請求の範囲の意図のために、「流体潅流」という用語は、組織を含む生物物質内の1つまたは2以上の天然のおよび/または人工の流体分配網に1つまたは2以上の流体を供給することを指すよう意図される。天然の流体分配網の例として、組織を含む生物物質内の血管系の少なくとも一部分、組織を含む生物物質内の導管系の少なくとも一部分、および組織を含む生物物質内のリンパ系の少なくとも一部分が挙げられるが、これらに限定されない。人工の流体分配網の例として、組織を含む生物物質の中に作製または提供された人工のまたは機械製の流路が挙げられるが、これらに限定されない。「流体潅流」は、組織を含む生物物質への純ガスの投与またはガスの混合物の投与を指すために使用される場合、本明細書では代替的に「気体潅流(persufflation)」と称され得る。
本発明の追加的な目的は、本発明の態様、特徴、および利点と同様に、以下の説明で部分的に記述されており、一部分は説明から明らかになり、または一部分は本発明の実施によって分かるかもしれない。説明では、説明の一部を形成しかつ、本発明を実施するための様々な実施形態が実例として示されている、添付図面を参照する。実施形態は、当業者が本発明を実施できるように可能な限り詳しく説明する。実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう十分詳細に説明されており、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、および構造上の変更がなされてもよいことは理解されるべきである。それゆえ、以下の詳細な説明は、制限的な意味に解釈されるべきでなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最良に規定される。
本明細書に援用されて本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の様々な実施形態を例示するもので、説明とともに、本発明の原理を説明するよう機能する。図面では、同様の参照番号は同様の部分を表す。
組織を含む生物物質の流体潅流システムの第1の実施形態のブロック図であり、システムは本発明の教示に従って構成されている。 図1に示した気体潅流システムの一実施形態の回路図であり、気体潅流システムは電源とともに示されている。 図2に示す電気化学的酸素濃縮器の一実施形態の部分分解斜視図である。 組織を含む生物物質の流体潅流システムの第2の実施形態の斜視図であり、システムは本発明の教示に従って構成されている。 組織を含む生物物質の流体潅流システムの第3の実施形態のブロック図であり、システムは本発明の教示に従って構成されている。 組織を含む生物物質の流体潅流システムの第4の実施形態の簡略回路図であり、システムは本発明の教示に従って構成されている。 実施例1で説明されるように、保存なしに曝露された膵臓から分離されてジチゾン染色された膵島の影像である。 実施例1で説明されるように、6時間の気体潅流保存に曝露された膵臓から分離されてジチゾン染色された膵島の影像である。 実施例1で説明されるように、6時間のTLM保存に曝露された膵臓から分離されてジチゾン染色された膵島の影像である。 図8は、保存方法を膵島の収量および品質に基づいて比較する表である。 TLMによる24時間保存後のブタ膵臓の切片の顕微鏡写真である。 気体潅流による24時間後のブタ膵臓の切片の顕微鏡写真である。 時間=0(調達直後)におけるブタ膵臓の切片の顕微鏡写真である。 保存方法をヌードマウスバイオアッセイに基づいて比較する表である。 気体潅流による24時間保存、TLMによる24時間保存、および保存なしの間の膵島の分離結果を比較する表である(2日後は分離48〜72時間後として定義される。最初の3行はその下の3組のデータの平均値である。)。 実施例2において説明した調製物についての気体潅流結果の百分率としてのTLM結果を示すグラフである(誤差棒は平均の標準誤差を示す)。
本発明は一般に、組織を含む生物物質が、保存流体を用いた組織の潅流によって保存されることができるという発見に関する。特に、本発明は、組織を含む生物物質の流体潅流用に設計されたシステムを対象とする。
より具体的には、本発明の一態様によると、組織を含む生物物質の流体潅流システムが提供され、システムは、(a)保存ガスを生体内原位置で発生させる手段と、(b)生体内原位置で発生した保存ガスを用いて組織を潅流する手段とを備える。保存ガス発生手段は、電気化学的手段および/またはその他の手段を備えていてもよい。たとえば、保存ガス発生手段は、電気化学的酸素濃縮器および/または水電解層を備えていてもよい。あるいは、保存ガス発生手段は、追加的または代替的に、圧力スイング吸着法によっておよび/または化学的酸素放出によって(たとえば、過塩素酸塩または酸素キャンドルを燃焼させることによって)このようなガスを発生させる手段を備えていてもよい。生体内原位置で発生した保存ガスを用いて組織を潅流する手段は、たとえば、ガス発生手段に連通し組織に挿入可能なカニューレまたは他の流体誘導手段を備えていてもよい。
組織を潅流するために使用される保存ガスは、液体中に溶存した後、ガス/液体溶液として組織に投与されてもよく、あるいは大気中にまたは1つもしくは2以上の他のガスに溶存した後、ガス/ガス混合物として組織に投与されてもよい。ガスを用いたまたはガス/ガス混合物を用いた潅流は、代替的に「気体潅流」と称され得る。気体潅流は、ガスを分配することのできる分配網を有する組織に適用されることができる。気体潅流中にガスを分配する最も一般的な分配網は、動脈、静脈、および毛細血管からなる血管系である。別の分配網は、膵臓および乳腺の広範な導管系を含むがこれに限定されない導管系である。リンパ系は、気体潅流の分配網でもあることができる、身体中の管状容器からなる誘導系を有する。加えて、分配網は、組織に穿孔すること、または組織を「針で刺すこと」によって作製されることができる(非特許文献21参照。これは参照により本明細書に援用される。)。人工組織構成物の場合、人工のまたは代用の血管系または導管系として機能するガス透過性管など、自然のまたは人工の分配網であり得る。ガス分配網は、前述の分配網タイプの任意の組み合わせを備え得る。これらの分配網による分配は、生理的に起きる方向(すなわち、脈管構造に対して順行性)であることができ、または他の様式(たとえば、脈管構造に対して逆行性)で利用されることができる。
気体潅流に適した分配網を有する組織を含む生物物質は、組織、臓器、部分的臓器、複式臓器、臓器系内の複式臓器、完全な臓器系、複式部分的臓器系(一般に複合組織と称される。)、および生体全体を含むこれ以下の複式完全臓器系を含む。臓器の例として、膵臓、肝臓、腎臓、心臓、肺、大腸および小腸、眼、胆嚢、胃、皮膚、ならびに雌雄の生殖器が挙げられるが、これらに限定されない。部分的臓器の例として、膵臓の1つの葉が挙げられるが、これに限定されない。複式臓器の例として、2つの腎臓、1つの腎臓および1つの膵臓、ならびに2つの肺など、前述の臓器の2つまたは3以上が挙げられるが、これらに限定されない。臓器系内の複式臓器の例として、全体として腎臓、尿管、膀胱(blader)、および尿道からなる排泄器系の一部である腎臓および膀胱を含み得るが、これらに限定されない。複式部分的臓器系の例として、指、手、足、肢、耳、鼻、顔、植皮、生殖器、腹壁、および他の複合組織が挙げられるが、これらに限定されない。
保存ガスの例として、気体酸素(細胞が必要とする栄養分である。)、気体水素(その抗酸化特性および抗アポトーシス特性によって細胞を保護するように働く可能性がある(非特許文献22、非特許文献23参照。)、気体二酸化炭素(代謝を調節する可能性がある。)、気体一酸化炭素(抗炎症性作用および抗アポトーシス性作用を有する可能性がある(非特許文献24参照。))、および水蒸気が挙げられ得るが、これらに限定されない。保存ガスは、生体内原位置で電気化学的手段または他の手段によって発生してもよい。たとえば、保存ガスが酸素である場合、保存ガスは生体内原位置で電気化学的酸素濃縮器を用いることで発生してもよい。あるいは、保存ガスが酸素および/または水素である場合、保存ガスは、電解槽を用いることで生体内原位置で発生してもよい。あるいは、保存ガスが酸素である場合、保存ガスは圧力スイング吸着法によってまたは化学的酸素放出によって(たとえば、過塩素酸塩または酸素キャンドルを燃焼させることによって)生体内原位置で発生してもよい。
また、気体潅流による保存中の生物物質の品質を高めるために、組織または臓器の表面に対するあるいは該表面における導管系または血管系に対する細胞培地または臓器保存溶液による置換パージまたは浴の追加的な使用が組み込まれてもよい(非特許文献25参照。これは参照により本明細書に援用される。)。また、保存中の生物物質の品質を改善するために、気体潅流プロトコルへの抗酸化物質の置換パージの追加を使用することができる。加えて、栄養分、抗酸化物質、または他の保存料を気体潅流中にエアロゾル形態で添加することができる。
液体潅流中または気体潅流中に、保存された生物物質の外部を浸漬するために、保存液および該保存液への添加物を利用することができる。また、保存液および保存液への添加物を、気体潅流の前もしくは後の一定期間、または気体潅流の代わりに、保存された生物物質を潅流する液体において利用することができる。
保存液は、細胞培養液(たとえば、冷凍保存肝細胞回収培地(CPRM))、臓器保存液(たとえば、ウィスコンシン大学(UW)液またはヒスチジン−トリプトファン−ケトグルタル酸塩(HTK)溶液)、または医療手順で利用される他の溶液(たとえば、塩類溶液または4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液)であり得る。保存を高めるために、抗酸化物質(たとえば、ビタミンCおよびEならびにこれらの誘導体、触媒性抗酸化物質CA:Redox Modulation Protects Islets From Transplant−Related Injury,Martha M.Sklavos,Suzanne Bertera,Hubert M.Tse,Rita Bottino,Jing He,Joshua N.Beilke,Marilyne G.Coulombe,Ronald G.Gill,James D.Crapo,Massimo Trucco,and Jon D.Piganelli,DIABETES,VOL.59,2010年7月 1731−1738)、抗アポトーシス剤(たとえば、カスパーゼ選択的阻害剤EP1013:The Caspase Selective Inhibitor EP1013 Augments Human Islet Graft Function and Longevity in Marginal Mass Islet Transplantation in Mice,Juliet A.Emamaullee,Joy Davis,Rena Pawlick,DIABETES,VOL.57,2008年6月 p.1556−1566、“Caspase Inhibitor Therapy Synergizes With Costimulation Blockade to Promote Indefinite Islet Allograft Survival,Juliet A.Emamaullee,Joy Davis,Rena Pawlick,Christian Toso,Shaheed Merani,Sui−Xiong Cai,Ben Tseng,and A.M.James Shapiro,DIABETES,VOL.59,2010年6月 1469−1477)、血管拡張剤/血管収縮剤(たとえば、αアドレナリン受容体アンタゴニスト(α遮断薬、アルギニンバソプレッシン))、酸素担体(たとえば、ペルフルオカーボン、人工血液成分)、キレート剤/他の毒素結合剤(たとえば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、抗凝固剤(たとえば、ヘパリン)、およびその他の栄養分(たとえば、糖、アミノ酸、ビタミン))などの添加物を液体中に含むことができる。
たとえば、保存されている生物物質がヒトまたはブタの膵臓である場合、1つまたは2以上の動脈を通じて、1つまたは2以上の静脈を通じて、1つまたは2以上の導管を通じて、動脈と導管の組み合わせを通じて、あるいは静脈と導管の組み合わせを通じて膵臓を気体潅流してもよい。たとえば、ヒト膵臓の場合、気体潅流は以下の血管の1つまたは2以上の挿管、すなわち、(i)腹腔動脈および上腸間膜動脈を含むように大動脈の剥離を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、(ii)腹腔動脈および上腸間膜動脈の直接的挿管を伴う一括の膵十二指腸一括切除術および/または脾摘出術、ならびに(iii)近位脾動脈および上腸間膜動脈の直接的挿管を伴う一括の膵十二指腸一括切除術および/または脾摘出術を介して順行性であってもよい。あるいは、気体潅流は、以下の血管の挿管、すなわち、(i)下腸間膜静脈または脾静脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、(ii)上腸間膜静脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸一括切除術および/または脾摘出術、ならびに(iii)門脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術を介して逆行性であってもよい。
あるいは、ブタ膵臓の場合、気体潅流は以下の血管の1つまたは2以上の挿管、すなわち、(i)腹腔動脈および上腸間膜動脈を含むように大動脈の剥離を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、(ii)腹腔動脈および上腸間膜動脈の直接的な挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、ならびに(iii)近位脾動脈および上腸間膜動脈の直接的な挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術を介して順行性であってもよい。あるいは、気体潅流は、以下の血管の挿管、すなわち、(i)脾静脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、(ii)上腸間膜静脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、ならびに(iii)下腸間膜静脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾摘出術、ならびに(iv)門脈の挿管を伴う一括の膵十二指腸切除術および/または脾臓摘出を介して逆行性であってもよい。
肝臓の場合、気体潅流は、以下の血管の1つまたは2以上、すなわち、(i)総肝動脈、(ii)固有肝動脈、(iii)門脈、の挿管を介して順行性であってもよい。である。あるいは、気体潅流は、以下の血管の1つまたは2以上、すなわち、(i)肝静脈、および(ii)肝下部下大静脈または肝上部下大静脈、の挿管を介して逆行性であってもよい。
たとえば、生体内原位置で発生した保存ガスが純粋な気体酸素からなる場合、水または水性溶媒などの液体溶媒で気体酸素を希釈すること、およびガス/液体溶液を用いて組織を含む生物物質を潅流することが望ましいかもしれず、あるいは、大気などの別のガスまたは他のガスで気体酸素を希釈すること、およびガス/ガス混合物を用いて生物物質を気体潅流することが望ましいかもしれない。ガス/液体溶液を用いる潅流の場合、溶液中の気体酸素の濃度はほぼ液体飽和点にあってもよく、分圧およそ0.3〜1気圧であってもよい。加えて、生物物質に対する溶液の流量は、たとえば、約200cc/分以上であってもよい。気体潅流の場合、混合物中の気体酸素の濃度は、約20〜100%、より好ましくは約30〜80%、さらにより好ましくは約40%であってもよい。加えて、生物物質に対する混合物の流量は、たとえば、およそ10〜60cc/分、好ましくは15〜22cc/分であってもよく、投与される溶液のガス圧は、たとえば、約22mmHg以下であってもよい。必然的な場合において、気体潅流がおよそ4〜8℃などの低い温度で実施されると、保存は高まるかもしれない。
保存されている組織を含む生物物質が膵臓である場合、膵臓全体に小さな凝血塊が生じるのを防止するために、死亡の少なくとも5分前に100,000単位を使用する膵臓の全身性ヘパリン化が好ましくは実施される。加えて、この臓器は、保存のために該臓器を準備するために、いかなる残存血液も血管系から除去するために、および高い温度(8℃超)における膵臓の中心領域の虚血への曝露を低下させる臓器全体の冷却を加速するために、調達中に5リットルのヘパリン化冷保存溶液で洗い流されるべきである。調達後、臓器は、冷保存溶液で血管系を洗い流すことによって漏れ口について広範に試験されるべきであり、発見されたいかなる漏れ口も塞がれるべきである。膵臓および付随する血管系は、この後、特に挿管の部位において血管系のいかなる屈曲も防ぐために、冷保存溶液中に自由に浮かせておくべきである。残存するいかなる小さな漏れ口も、ガスがすべて膵臓を流れているのを確実にするために血管系から現れる気泡の存在によって突き止められるべきであり、これらの漏れ口は塞がれるべきである。挿管のためのアクセス地点は先に説明されている。他の臓器もヘパリン化の恩恵を受けるかもしれない。
本調達方法を使用すると、膵臓の大部分が冷保存溶液で洗い流され、それによって臓器全体の気体潅流のための経路がきれいになる。この技術を用いて調達された臓器の組織切片は、より徹底した洗い流しにより、気体潅流によってもTLMによっても、保存された組織に赤血球が存在しないことを示した。調達直後(t=0)に収集された臓器サンプルと気体潅流の6時間後または24時間後に収集された臓器サンプルの間に、組織像による顕著な差は観察されなかった。しかしながら、TLMを用いて保存された組織は、特に24時間保存後の気体潅流されたサンプルと比較して、高い壊死/自己分解および核濃縮した核の高い発生率を呈した。
前述の方法は、ヒト膵臓を使用する手段および、異種移植のためにブタ膵臓を使用する手段を可能にするかもしれない。膵臓の保存を高めて結果的に膵島の収量および品質を、および究極的には臨床転帰の改善をもたらす方法は、膵島移植の分野を確立した医療行為へと前進させるために喫緊に必要とされている。毛細血管レベルで臓器全体に酸素を供給するための貯蔵中の膵臓の動脈気体潅流は、実現可能な技術であることが本明細書において示される。特に、電気化学的に発生した酸素を、ブタ膵臓およびヒト膵臓の気体潅流に適切な流量および圧力で供給することに関する実現可能性が実証されている。その結果は、保存なしと比較して、およびTLM貯蔵を上回る改善として、この技術の有望性を示す。
膵臓保存における本方法の2つの応用は以下の通りである。すなわち、(1)ドナープールを増大させ臓器および膵島の調達のロジスティックスを容易にするために、8時間の現行基準を超えて低温保存時間を延長することを目標とする(ドナー臓器摘出から膵島分離までの)低温保存を通じての酸素気体潅流、ならびに(2)膵島加工施設において膵島の収量および品質を高める回収方法としての、標準冷蔵(約12時間のTLM)をしながらの臓器輸送後の酸素気体潅流(約3時間)である。これらの2つの応用は、標準ドナー由来の膵臓についての膵島の収量および品質ならびに/または貯蔵時間の改善を伴う。一応用において、膵臓は貯蔵時間全体の間気体潅流され、第2の応用において、気体潅流は、標準冷蔵後の回復処置として使用される(膵臓保存では、保存時間と膵島の収量および品質の間にほぼ常にトレードオフがあることに留意されたい)。(同様の膵島の収量および品質における)貯蔵時間の延長は、手順の柔軟性およびより多くの臓器の使用をもたらすことができる。(現行の貯蔵時間における)膵島の高い収量および品質は、個々の移植結果により大きな影響を及ぼすかもしれない。成功すればこれもまたきわめて有用であろう完全に独立した応用の支流は、臓器品質を高めるために、したがって心臓死の範疇に入った後のドナーと引き換えの臓器供給を改善するために、気体潅流を使用することであろう。
ここで、図1を参照すると、組織を含む生物物質の流体潅流システムの第1の実施形態のブロック図が示されており、システムは本発明の教示に従って構成され、一般的には参照番号11によって表されている。
システム11は、ガス発生器または気体潅流システム100と、生物物質容器200と、プロセスコントローラ300と、温度制御デバイス400と、電源500とを備えていてもよい。
ここで、図2を参照すると、気体潅流システム100はより詳細に示されており、気体潅流システム100は電源500とともに示されている。気体潅流システム100は電気化学的酸素濃縮器(EOC)101を備えていてもよい。EOC101は、その細部が下記により詳細に説明されており、単一の酸素濃縮器セル、または複数の直列もしくは並列接続された酸素濃縮器セルを備えていてもよい。前記1つまたは2以上の酸素濃縮器セルの各々はアノード103とカソード105とを備えていてもよく、アノード103およびカソード105はイオン伝導性セパレータ107と直接接触し、かつ該セパレータ107によって分離されている。セパレータ107は、たとえば、NAFION(登録商標)NRE−1135膜(E.I.du Pont de Nemours & Company,Wilmington,DE)などの固体プロトン交換膜(PEM)であってもよい。アノード103およびカソード105は、それぞれ導線111−1および111−2を用いて電源500に電気的に連結されていてもよく、また、図示されていない手段によってプロセスコントローラ300(図2に示されていない。)に連結されていてもよい(気体潅流システム100の追加的な構成要素が電源500および/またはプロセスコントローラ300に連結されてもよいが、これらの接続は明瞭にするために本明細書では示されていない。)。
下記に示すように、EOC101は大気からの酸素を濃縮するために使用されてもよい。
アノード:2HO←→4H+4e+O(純粋) [1]
カソード:O(空気)+4H+4e←→2HO [2]
正 味:カソードにおけるO(空気)←→アノードにおけるO(純粋)[3]
EOC101は、アノード103に供給されるべき大量の水を入れておく貯水槽113を追加的に備えていてもよい。下記にさらに説明するように、浸透気化膜115(これは、たとえば、NAFION(登録商標)NRE−1135膜であってもよい。)が貯水槽113の底出口とアノード103との間に設置されてもよく、浸透気化膜115はアノード103に気相水を着実に供給するよう機能すると同時に、アノード105において製造された酸素が水と混合するのを防止する。換言すると、この配置によって水がアノード103に受動的に供給されることができると同時に、製造物である酸素が流れ場の間隙を通り端に沿ってアノードから流出することができる。本蒸気供給システムが、給水中に存在する可能性のある多くの不純物をアノード103に供給しないようにするという点において、前述の蒸気供給システムは、対応する液体供給システムと比べて有利であると考えられる。たとえば、水道水が給水として使われる場合、水中にハロゲン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属元素、有機化合物、および/または微生物が存在する可能性がある。これらの元素、化合物、および/または微生物は、EOC101の活動中の素子に運ばれると、たとえば、膜汚染または触媒被毒に起因するEOCの性能および効率の劣化をもたらす可能性がある。また、これらの材料は、保存されている生物物質に有害であるかもしれない。浸透気化膜115は、EOC101の活動中の素子とその下流の保存された生物物質へのこれらの種の出入りを効果的に制限して、貯留水の生体内原位置での蒸留を効果的に可能にする。
EOC101は、一端がカソード105に連結され、反対端が貯水槽113に連結された回復管117を追加的に備えていてもよく、回復管117はカソード105で製造された水を貯水槽113に誘導するために使用される。こうして、水をシステムに添加する必要がある頻度は減少する。
気体潅流システム100は、さらに、アノード103で製造された気体酸素を冷却して乾燥させる手段を備えていてもよい。本実施形態では、前記冷却乾燥手段は、酸素クーラー121と、酸素/水セパレータ123と、酸素ドライヤーまたは乾燥剤125とを備えていてもよい。流体ライン127は、一端がアノード103の出口に接続され、他端が酸素クーラー121の入口に接続されてもよい。加えて、流体ライン129は、一端が酸素クーラー121の出口に接続され、他端が酸素/水セパレータ123の入口に接続されてもよい。加えて、流体ライン131は、一端が酸素/水セパレータ123の出口に接続され、反対端が酸素ドライヤー125の入口に接続されてもよい。その上、流体ライン133は、一端が酸素ドライヤー125の出口に接続されてもよい。酸素/水セパレータ123を排水する流体ライン135は酸素/水セパレータ123の底に接続されてもよく、排水栓137は流体ライン135の出口端部に接続されてもよい。
気体潅流システム100はさらに、大気供給手段を備えていてもよい。本実施形態では、前記大気供給手段は流体ライン141を備えていてもよく、流体ライン141は流体ライン141に大気を取り込む入口143を有する。大気から一定の不純物を除去するために、エアフィルター145がライン141に沿って設置されてもよい。エアフィルター145は、粒子を物理的に捕獲する種類のもの(たとえば、10μ孔径フィルター)であってもよく、または粒子を化学的に捕獲または改変するタイプのもの(たとえば、炭素フィルターまたは過マンガン酸塩フィルター)であってもよい。(カソード105に空気を供給するとともにEOC101によって製造された酸素を希釈するために)ライン141を通じて空気を送る空気ポンプ147は、エアフィルター145の下流のライン141に沿って設置されてもよい。空気ポンプ147の下流では、ライン141が流体ライン149と流体ライン151に分岐してもよい。バルブ153は、流量インジケータも含んでいてもよく、ライン149に沿って設置されてもよく、ライン149の出口はカソード105に空気を供給するように適切に設置されている。所望の酸素濃度が得られる可能性があるように、ライン151の空気の流れを調節し、そうすることで大気が純酸素と混合されるべき割合を調整するために、ライン151に沿って可変流量バルブ155が設置されてもよい。この様式で、たとえば、得られる酸素/大気溶液中に存在する酸素の濃度に連続的な調整をしてもよい。これは、たとえば、第1の酸素濃度を有するガスで生物組織を気体潅流し、その後に異なる酸素濃度を有するガスで生物組織を気体潅流したい状況では望ましいかもしれない。バルブ155の下流のライン151に沿ってチェックバルブ157が設置されてもよい。
気体潅流システム100はさらに、ライン133からの純酸素をライン151の大気と混合するために、ライン133および151の出口に連結された流体ライン161を備えていてもよい。たとえば、0.2μの孔径を有し得る医用等級フィルター163は、ライン161に沿って設置されてもよい。フィルター163の下流のライン161に沿って、酸素濃度センサー165が設置されてもよい。圧力変換器/ゲージ167および圧力リリーフ弁169が、センサー165の下流のライン161に沿って設置されてもよい。調圧弁171が、変換器/ゲージ167および弁169の下流のライン161に沿って設置されてもよい。圧力変換器ゲージ173が、ゲージ173の下流のライン161に沿って設置されてもよい。ゲージ173の下流では、ライン161がライン175−1と、175−2と、175−3とに分岐してもよい。流量インジケータを有するバルブ177−1がライン175−1の出口端部に設置されてもよく、流量インジケータを有するバルブ177−2がライン175−2の出口端部に設置されてもよく、流量インジケータを有するバルブ177−3がライン175−3の出口端部に設置されてもよい。
それゆえ、図から分かるように、気体潅流システム100では、保存ガスの3種類までの下流を生物物質に投与することができ、3種類の下流の各々は、独立して調整可能な流量を有する。加えて、3つの下流の酸素濃度および最大供給圧力は、互いに非独立的に関連しているにもかかわらず、調整され得ることも留意されるべきである。各下流にさらなる独立した圧力および流量の調節を提供するために、追加的な調圧弁または質量流量コントローラがこれらの下流に新たに採用されてもよい。その上、所望の場合、気体潅流システムシステム100は、たとえば、酸素ドライヤー125を省くことによって、加湿したガスを製造する能力を有する。
ここで図3を参照すると、EOC101がより詳細に示されている。図から分かるように、EOC101は、膜電極アセンブリ181を備えていてもよい。アセンブリ181はさらに、アノード103、セパレータ107、およびカソード105(これは図3には示されていないが、セパレータ107の下側のアノード103の反対側に設置される。)を備えていてもよい。EOC101はさらに、アノードコレクタ182およびカソードコレクタ183を備えていてもよい。アノードコレクタ182は、流体拡散チャンバーを規定する多孔性中心領域182−1を有していてもよく、アノード103の上面に隣接して設置されてもよく、カソードコレクタ183は、流体拡散チャンバーを規定する多孔性中心領域183−1を有していてもよく、カソードの底面に隣接して設置されてもよい。EOC101はさらに、浸透気化膜115を備えていてもよく、浸透気化膜115はアノードコレクタ182の上面に隣接して設置されてもよい。先に説明したように、浸透気化膜115は、アノード103に対して気相で水を供給するために使用されてもよい。
EOC101はさらに、環状アノードガスケット185およびカソード絶縁体186を備えていてもよい。ガスケット185は浸透気化膜115の上面に隣接して設置されてもよく、カソード絶縁体186はカソードコレクタ183の底面に隣接して設置されてもよい。EOC101はさらに、アノードエンドプレート187およびカソードエンドプレート188を備えていてもよい。アノードエンドプレート187は、多孔性中心領域187−1を備えていてもよく、アノードガスケット185に隣接して設置されてもよく、カソードエンドプレート188は、カソード絶縁体186に隣接して設置されてもよい。
EOC101はさらに、カソード入口ポート189およびカソード出口ポート190を備えていてもよく、入口ポート189および出口ポート190はカソードエンドプレート188に機械的に連結されており、かつカソードに連通している。
EOC101はさらに、貯水槽113を備えていてもよく、貯水槽113はアノードエンドプレート187の上に設置されてもよい。貯水槽Oリング191が、アノードエンドプレート187に嵌められてもよく、貯水槽113からアノードエンドプレートの多孔性中心領域187−1へ流れる水に対する流体シールを形成するために使用されてもよい。アノード締付環192が貯水槽113の周辺フランジ113−1に取り付けられてもよい。
EOC101はさらに、アノード103から出る気体酸素を誘導する酸素出口管193を備えていてもよく、酸素出口管193は一端がアノードエンドプレート187に取り付けられており、かつ貯水槽113のフランジ113−1とアノード締付環192とを通って延びる。
EOC101はさらに、開口113−2を介して槽113に連結されてもよい注水ポート194、開口113−3を介して槽113に連結されてもよい槽ベントポート195−1、および開口113−4を介して槽113に連結されてもよい水回復ポート117を備えていてもよい。
EOC101はさらに、前述の構成要素の多くを一緒に機械的に連結するハードウェアを備えていてもよい。このようなハードウェアは、複数の単電池組付けボルト196と、対応する複数のワッシャ197と、ベルヴィルワッシャ198と、ナット199とを備えていてもよい。
ここで図1に戻って参照すると、容器200は、当該生物物質を貯蔵するのに好適に寸法を決められていてもよく、容器200に貯蔵された生物物質内の天然のまたは人工の流体分配網に気体潅流システム100によって製造された気体酸素溶液を供給するために、バルブ177−1、177−2、および177−3の出口に連結された1つまたは2以上の流体管550が通過してもよい開口(図示せず)を備えていてもよい。流体管550は、たとえば、一端が生物物質の中へと挿入可能であるカニューレと、一端がカニューレに連結され反対端がバルブ177−1〜177−3の1つに連結された1本の配管とを備えていてもよい。また、流体管550は、一端がバルブ177−1〜177−3の1つまたは2以上に連結され、その反対端が生物物質の表面上にバルブ177−1〜177−3の1つまたは2以上から気体出力を流すことができるように適合した1本の配管または同様の構造を備えていてもよい。容器200の内部には、酸素センサー203または他のガスセンサーと温度センサー205とが提供されてもよく、センサー203および205は、それぞれ、酸素、ガス、および/または温度の示度をフィードバック制御用のプロセスコントローラ300に提供するために使用される。
コントローラ300は、様々なシステム構成要素を管理しユーザー制御を容易にするためにキーパッド/LCDユーザーインターフェースを有する組込み型コントローラを備えていてもよい。加工条件の自己調節を可能にするために、一方がEOC単電池電流用で他方が希釈後酸素濃度用である2つの閉ループ制御が組み込まれてもよい。EOC単電池電流(および、それゆえ純酸素製造量)をユーザーの流量および酸素濃度の全必要条件によって必要とされる量に制御するために、電流センサーおよび可変電圧DC−DCコンバータがソフトウェアベースの比例−積分制御アルゴリズムとともに採用されてもよい。同様に、コントローラ300はまた、所望の酸素濃度設定値を実現するよう空気/酸素混合の程度を制御するために、酸素センサー203およびバルブ155とともに使用されてもよい。また、組込み型コントローラは、システム解放(system relief)およびマニホールド供給圧力のリアルタイムの示度をユーザーに提供するために使用されてもよい。
温度制御デバイス400は、たとえば、VECTOR(登録商標)熱電冷却器などの、市販の熱電性の(または、ペルチェの)箱を備えていてもよい。蒸気圧縮冷却または氷もしくは他の冷却材からの物理的冷却が熱電気手段の代わりに使用されてもよいが、容器200の温度を下げることとは対照的に容器200に熱を供給したい場合、熱電気手段の双方向ヒートポンピング能力が蒸気圧縮冷却または物理的冷却ではなし得ない方法でこのことを可能にする。受動冷却または能動冷却の場合、非常に効率の良い真空パネルを使うことで容器200の断熱を高めることができる。
電源500は、たとえば、2つの24Vニッケル水素(NiMH)バッテリと、これらのバッテリ用充電器と、24V DC−DCコンバータ(調節用)と、バッテリの重放電を防止するためのバッテリ遮断回路とを収納するバッテリパックモジュールを備えていてもよい。
システム11を使用するために、保存したい組織を含む生物物質は容器200に入れられてもよく、気体潅流システム100の出口177−1〜177−3の1つまたは2以上は、組織の順行性または逆行性の気体潅流を可能にするために、一端が出口177−1〜177−3の1つに連通し、反対端が組織の流体分配網(たとえば、血管系、導管系、リンパ系)の適切な門形の中に挿入された流体管550によって生物物質に連通してもよい。気体潅流システム100は、この後、組織を気体潅流するために、電源500から給電されて、所定のパラメータに従ってプロセスコントローラ300によって稼働してもよい、加えて、電源500から給電される温度制御400は、容器200および容器200に含まれる生物物質を事前に選択された温度で維持するために使用されてもよい。酸素センサー203および温度センサー205は、気体潅流100および温度制御デバイス400のフィードバック制御を提供するために、プロセスコントローラ300とともに使用されてもよい。
ここで図4を参照すると、組織を含む生物物質の流体潅流システムの第2の実施形態の斜視図が示されており、システムは本発明の教示に従って構成されており、一般的に参照番号600によって表されている(システム600のいくつかの構成部品は明瞭化または簡略化するために図示されていない)。この実施形態は可搬式システムとして示されている。
システム600は多くの点でシステム11に類似しており、システム600は、気体潅流システム100と、容器200と、プロセスコントローラ300と、温度制御デバイス400と、電源500とを備える。システム600はさらに、断熱されたハウジング610を備えていてもよく、ハウジング610内には気体潅流システム100と、容器200と、プロセスコントローラ300と、温度制御デバイス400と、電源500とが配置されてもよい(ハウジング610の内部に配置される構成要素の一部を示すために、ハウジング610の側壁は図示されておらず、容器200の最上部と容器200を着脱自在に挿入し得る開口620とを示すために、ハウジング610に着脱自在に取り付けられた断熱蓋は図示されていない。)。何らかの特定の寸法に限定するつもりはないが、ハウジング610はピクニック用クーラーと同等の設置面積(たとえば、高さ約30.5cm(12インチ)×奥行き約25.4cm(10インチ)×幅約55.9cm(22インチ))を有していてもよい。システム600の運搬を容易にするために、キャスター630およびハンドル640がハウジング610に取り付けられてもよい。また、システム600は、流体を気体潅流システム100から生物物質に輸送する流体管550と同様の流体管(図示せず)を備えていてもよい。
システム600はさらに、ロギング/診断機能を備えていてもよい。この機能によって、システムユーザーはシステムプロセス示度(回路基板上のコントローラインターフェースでは得られないかもしれない圧力、濃度、温度など)を、貯蔵時間の終了時に外部コンピュータにダウンロードすることによって表示/記録することができるであろう。電力調整回路網、リレー、およびいくつかのセンサートランスデューサはすべて、利用される回路基板に集積化されてもよい。ヒートポンプは、ペルチェ素子を稼働させるために非標準のまたは可変のDC電源を必要とする場合があり、これには電源が適切であることの確認が必要となるであろう。この設計には、オプションのACコンバータおよび回路基板上の電池充電器を使用する、24時間稼働用の電池設計が含まれてもよい。電池は、リチウムイオン電池よりも安価、安全、かつ便利でありかつ妥当なエネルギー蓄積密度を有するNiMH充電式バッテリであってもよい。
ここで図5を参照すると、組織を含む生物物質の流体潅流システムの第3の実施形態のブロック図が示され、システムは本発明の教示に従って構成されており、一般的に参照番号1000によって表されている。簡素化および明瞭化のために、システム1000の一部の構成要素は示されておらず本明細書では説明されてもいない。
システム1000は、気体潅流システム1100と、液体潅流システム1600と、切換システム1700と、容器1200と、プロセスコントローラ1300と、温度制御デバイス1400と、電源1500とを備えていてもよい。
気体潅流システム1100と、容器1200と、プロセスコントローラ1300と、温度制御デバイス1400と、電源1500とは、構造および機能がシステム11の気体潅流システム100と、容器200と、プロセスコントローラ300と、温度制御デバイス400と、電源500とにそれぞれ類似していてもよい。
液体潅流システム1600は、大量の保存液(「潅流液」)を貯蔵する槽と、潅流液を臓器容器1200に供給する手段と、潅流液を臓器容器1200から排出する手段とを備えていてもよい。槽は、静脈内投与用の流体を入れるために使用されるバッグなど、液体含有バッグを備えていてもよい。潅流液を臓器容器1200に供給する手段は、槽から臓器容器1200に接続された管を備えていてもよく、それにより潅流液は重力によって管を流れる。潅流液が槽から臓器容器1200に相互接続管を介して流れる場合、液体潅流システム1600は容器1200の高さよりも上にある槽を支持する手段を追加的に備えていてもよい。あるいは、潅流液を槽から容器1200に相互接続管を介して供給するために、電気的にまたは手動で作動するポンプが使用されてもよい。潅流液を供給する代替手段は、気体潅流システム1100から槽に接続された管を備えていてもよく、それによって気体潅流システム1100により加えられたガス圧力が槽内の液体を槽から容器1200に相互接続管を介して強制的に流す。潅流液を容器1200から排出する手段は、潅流液を重力、電気的に作動するポンプもしくは手動ポンプ、または気体潅流システム1100からのガス圧力によって、容器1200から流出させる管を備えていてもよく、それによって液体はその後、レセプタクルまたはドレーンに集められる。
切換システム1700は、気体潅流システム1100と、液体潅流システム1600と、容器1200とからきている管に接続するように設計された配管コネクタを備えていてもよい。切換システム1700はさらに、プロセスコントローラ1300からの信号によって作動する電気作動型バルブを備えていてもよく、それによって、プロセスコントローラ1300は容器1200に供給されている流れが気体潅流システム1100または液体潅流システム1600のいずれに由来するかを制御する。あるいは、切換システム1700は、容器1200に供給されている流れが気体潅流システム1100または液体潅流システム1600のいずれに由来するかをユーザーが手動制御し得る手動バルブを備えていてもよい。あるいは、切換システム1700は、2以上の電気作動型バルブおよび手動バルブを備えていてもよく、それによって容器1200に供給されている流れは手動または電動で制御されることができる。
システム1000はさらに、入口および出口の流れにおける酸素ガスおよび二酸化炭素ガスの濃度をそれぞれ測定するために使用される酸素センサー1203および二酸化炭素ガスセンサー1207などのガスセンサーを備えていてもよい。ガスセンサーは、気体潅流システム1100および液体潅流システム1600の出口の流れに接続されてもよい。また、ガスセンサーは、容器1200の入口および出口の流れに接続されてもよい。プロセスコントローラ1300は、ガスセンサー1203および1207に電気的に接続されてもよく、酸素センサー1203および二酸化炭素センサー1207の各々に対するデータロギング機能を備えていてもよい。加えて、特定ガスの濃度が規定範囲から外れると警報器または閉止弁を作動させるなどのプロセス決定を行うために、プロセスコントローラ1300はガスセンサーから収集された信号を使用してもよい。
システム1000はさらに、容器1200内の温度を測定する温度センサー1205を備えていてもよい。プロセスコントローラ1300は、温度センサー1205に電気的に接続されてもよく、温度センサー1205に対するデータロギング機能を備えていてもよい。加えて、容器1200内の温度が規定範囲内に入りあるいは規定範囲から外れると温度制御デバイス1400を作動させあるいは停止させるなどのプロセス決定を行うために、プロセスコントローラ1300は、温度センサー1205から収集された信号を使用してもよい。
システム1000はさらに、液体をガスの流れから分離し、重要なシステム構成要素への汚染物質の流入を防止し、粒子状物質が保存された臓器もしくは組織に入るのを防止し、または液体がガス濃度監視に干渉するのを防止するために使用されるフィルターなど、フィルターを備えていてもよい。フィルターは、気体潅流システム1100および液体潅流システム1600の出口の配管アセンブリと、ガスセンサーを接続する配管アセンブリの配管アセンブリと、臓器容器1200の入口および出口の配管アセンブリとに設置されてもよい。
システム1000はさらに、管内の液体またはガスの存在を測定するために使用される電気光学センサーを備えていてもよい。電気光学センサーは、容器1200の入口管および出口管に接続されてもよく、ならびに気体潅流システム1100および液体潅流システム1600の出口管に接続されてもよい。プロセスコントローラ1300は、電気光学センサーによって提供される信号を処理し、切換システム1700を作動させて気体潅流システム1100と液体潅流システム1600とを切り換えるために使用されることができる。
システム1000は、システム11に関して先に説明したのと同様の様式で使用されてもよく、2つのシステムの主な違いは、システム1000の場合、組織を含む生物物質が気体潅流システム1100を用いて気体潅流される前、間、もしくは後に液体潅流システム1600からの液体潅流液に浸漬されてもよく、または気体潅流システム1100を用いて気体潅流される代わりに液体潅流液で潅流されてもよいことである。
ここで図6を参照すると、組織を含む生物物質の液体潅流システムの第4の実施形態の簡略図が示され、システムは本発明の教示に従って構成されており、一般的に参照番号2000によって表されている。簡素化および明瞭化のために、システム2000の一部の構成要素は示されておらず本明細書で説明されてもいない。
システム2000は、気体潅流システム100と構成および機能が類似していてもよい気体潅流システム2100を備えていてもよいが、例外は、システム2100が3つの出口177−1〜177−3の代わりに1つの出口2101を備えていてもよいことである。1本の配管2103は、一端が出口2101に流体的に接続されてもよく、反対端がバルブ2105の1つのポートに接続されてもよい。1本の配管2107は、一端がバルブ2105の別のポートに流体的に接続されてもよい。配管2107の反対端は、コネクタ2108に流体的に接続されてもよい。コネクタ2108は、コネクタ2109に流体的に接続されてもよい。コネクタ2109は、さらに、供給カニューレ2111の一端に流体的に接続されてもよく、供給カニューレ2111の反対端は臓器Oの適切な潅流/気体潅流入口に挿入されており、臓器Oは容器2113内に配置されており、容器2113は容器200または1200に類似していてもよい。
システム2000はさらに、液槽2121を備えていてもよく、液槽2121は静脈内輸液バッグの形態でもよい。槽2121は大量の液体潅流液2123を含んでいてもよい。1本の配管2125は、一端が槽2121の出口2127に流体的に接続されてもよく、反対端がバルブ2129の1つのポートに接続されてもよい。1本の配管2131は、一端がバルブ2129の別のポートに流体的に接続されてもよい。配管2131の反対端は、コネクタ2132に流体的に接続されてもよい。コネクタ2132は、コネクタ2109に流体的に接続されてもよい。
システム2000はさらに、出口カニューレ2141を備えていてもよく、出口カニューレ2141は一端が臓器Oの適切な潅流/気体潅流出口に挿入されている。出口カニューレ2141の反対端は、コネクタ2143に流体的に接続されてもよい。
システム2000はさらに、1本の配管2151を備えていてもよい。配管2151は一端がコネクタ2153に流体的に接続されていてもよく、コネクタ2153はコネクタ2143に流体的に接続されてもよい。配管2151の反対端は、バルブ2155の1つのポートに接続されてもよい。1本の配管2157はバルブ2155の別のポートに流体的に接続されてもよい。
システム2000はさらに、1本の配管2171を備えていてもよい。配管2171は、一端がコネクタ2173に接続されていてもよく、コネクタ2173はコネクタ2143に流体的に接続されてもよい。配管2171の反対端は、バルブ2175の1つのポートに接続されてもよい。1本の配管2177は、バルブ2175の別のポートに流体的に接続されてもよい。
使用中に、コネクタ2108および2132はコネクタ2109に接続され、コネクタ2153および2173はコネクタ2143に接続され、カニューレ2111および2141は臓器Oに挿入される。潅流液2123を用いて臓器Oを潅流するために(この潅流は、気体潅流の前、気体潅流の後、気体潅流の間、および/または気体潅流の代わりに実施することが望ましいかもしれない。)、バルブ2129および2155を開放され、それによって、潅流液2123がカニューレ2111を通じて臓器Oに供給され、臓器Oを循環し、カニューレ2141を通じて臓器Oから排出される。臓器Oを保存ガスまたはガス/ガス混合物で気体潅流するために、バルブ2105および2175が開放され、気体潅流システム2100が稼働し、それによって、ガスまたはガス/ガス混合物が気体潅流システム2100からカニューレ2111を通じて臓器Oに供給され、臓器Oを循環し、カニューレ2141を通じて臓器Oから排出される。理解されるように、保存ガスまたはガス/ガス混合物で同時に気体潅流せずに臓器Oを液体潅流液で潅流したい場合、バルブ2105および2175は閉鎖されるが、バルブ2129および2155は開放される。逆に、液体潅流液でも潅流せずに臓器Oを保存ガスまたはガス/ガス混合物で気体潅流したい場合、バルブ2129および2155は閉鎖されるが、バルブ2105および2175は開放される。潅流すると同時に気体潅流して、それによって液体潅流液に解放された臓器Oにガスが供給されるようにしたい場合、バルブ2105、2129、2155、および2175が開放される。
下記の例は単なる例示であって本発明を限定するものではない。
(実施例)
実施例1:
電気化学的酸素発生による改良された膵島気体潅流酸素化法の実例による説明
膵島分離に及ぼす気体潅流の影響は、5つの臓器の各々を3つの葉に分割し、膵頭部を即時分離のために採取し、膵尾部を気体潅流で6時間保存し、膵体部をTLMで6時間保存することによって試験された。一実験では、保存が24時間まで延長された。気体潅流システムでは、40cmの活発に触媒される面積を有しかつセパレータ107および水浸透気化膜115としてNAFION(登録商標)NRE−112膜を採用するEOCを利用した。アノード103およびカソード105では、それぞれが4mg/cm負荷量の白金−イリジウム黒触媒および白金黒触媒を有するセパレータ107に適用される溶射インクデカールを含んでいた。いずれも21℃において、EOC槽に脱イオン水を、カソードに空気を300cmで供給した場合、このEOCの性能は、8A(200mA/cm)で0.84Vであり、12A(300mA/cm)で0.93Vであった。気体潅流システムはさらに図2に示すように構成された。単一膵葉の気体潅流は、15〜22cmの40%酸素および約20mmHgの圧力を使用して行われ、これには0.94〜1.4AのEOC電流を必要とした。各臓器をその葉に分離する方法は、ドナーのばらつきを排除することによって保存方法の対応のある比較ができるように選定された。5つの臓器の個数が少なかったので、各条件に対して使用される葉を(無作為化するよりもむしろ)標準化することにした。
臓器を調達後および膵島分離直前に肉眼で評価した。すべての葉は、調達後で洗い流しが完全であり、かつ肌理が良好であった。しかしながら、TLMによって保存された葉と比較すると、気体潅流された臓器は分離中に酵素による膨化を実施する外科医にとって主観的に良好と「見え」て「感じる」(より堅く引き締まっており、より新鮮である)ことが観察された。このことは、分離前に24時間保存された臓器について特に明白であった。
気体潅流貯蔵による改善を示す第1の重要な観察およびデータは、膵島形態に関連していた。図7(a)〜7(c)を参照すると分かるように、気体潅流で保存されたブタ膵臓からは形態学的に最も保存状態の良い膵島が得られ、断片化はTLM貯蔵されたものから分離された膵島において広範囲に及んでいた(ジチゾンは、膵島内のβ細胞を染色するインスリン染色剤である)。
下記の表1は、気体潅流された臓器からの膵島がTLM貯蔵されかつ新鮮でさえある(t=0)臓器からの膵島よりも優れた平均形態学スコアを有していたことを示し、対応のあるt検定比較では、その改善度は、気体潅流(PSF)保存がTLMを上回り、統計的に有意(p=0.008)であった。
表1.分離後0日後の膵島の形態学スコア
0日後の形態学スコア
ブタ膵臓ID 保存時間 t=0 PSF TLM
――――――――――――――――――――――――――
P647 6時間 3.0 2.0
P648 6時間 7.0 7.5 7.0
P649 6時間 5.0 7.5 6.0
P650 24時間 6.0 6.0 4.0
P656 6時間 6.0 9.0 7.0
―――――――――――――――――――――――――――
平均 6.0 6.6 5.2
標準偏差 0.82 2.3 2.2
対応のあるt検定による比較 0.134|0.0086
全体として、気体潅流保存により貯蔵されたブタ葉からの膵島は、調達直後に分離された膵島またはTLMで貯蔵された葉からの膵島よりも優れた形態を示した。図8は、様々な方法によって保存されたブタ膵臓からの膵島の量および質の様々な測定結果を要約したものである。酸素消費量(OCR)測定は、膵島品質評価用の迅速、単純かつ定量的な期待されるアッセイであることが示されており(非特許文献26、非特許文献27、非特許文献28、非特許文献29、及び、非特許文献30参照)、標準膵島等価計数、DNA測定、および断片化評価とともに本研究における尺度の1つとして実施された。図8に呈示する尺度を下記に簡単に定義する。
0日後IE収量:消化した組織1g当たりの計数による膵島当量。膵島当量(IE)は150μm径球の体積単位に等しい体積単位である。
2日後IE回収率%:0日後と比較した2日後の計数による%IE(2日後の計数は0日後のIE収量にIE回収率%を乗じた値になる)。
2日後OCR/DNA:膵島酸素消費量(OCR)(nmol/分)は生存膵島数の量の尺度であり、DNA(mg)は膵島総数の尺度であり、OCR/DNAはしたがって、生存膵島数と膵島総数の比であり、膵島生存能力の尺度である。
2日後OCR量:消化した組織の重量(g)当たりの生存膵島組織の量[膵島OCR(nmol/分)]
2日後断片化比:DNA測定(1DNA IE=10.4 ng DNA)と計数によるIEとから計算された膵島当量の割合。調製物の品質の測定。断片化された膵島が移植に耐えてインスリンを提供する可能性が低いという兆候がある。
2日後IEに基づくOCR量:断片化されていない膵島についてのOCR量(OCR/消化された組織g)。
図から分かるように、基本的な気体潅流貯蔵結果は、即時分離およびTLM貯蔵により得られた結果よりも優れていた。しかしながら、膵臓の数が少ないこととドナー間(および/または分離間)のばらつきが本質的に大きなことに起因して、ほとんどの差は統計的に有意でなかった。生存能力の尺度であるOCR/DNAは、TLMと比較して、2日間培養の後の気体潅流では一貫して高く、6時間保存について統計的に有意である傾向(p=0.090、n=4)が、ならびに6時間保存および24時間保存がひとまとめにされたものについては統計的有意性(p=0.036、n=5)が得られた。図8の最後の列は計数された膵島(IE計数を用いて計算された。)に関連するOCR量における気体潅流の優位性を示しており、OCR量は培養後の全生存無傷膵島組織の尺度である。この優位性は、気体潅流で観察される膵島断片化が低いことに一部は起因しており、DNA IE(1 DNA IE=10.4ngのDNA)とIE計数の比で表される。この断片化は、図9(a)〜9(c)から分かるように、膵島計数サンプルから撮影した顕微鏡写真に反映される(TLM保存した膵臓(図9(a))における多くの核濃縮した核(矢印)がアポトーシス性または壊死性の細胞死を示すことに留意されたい。核濃縮した核は、膵島および外分泌組織に存在した。この特徴は、気体潅流された膵臓(図9(b))および対照(t=0)膵臓(図9(c))ではほとんど明らかでない)。重要なことには、TLMを上回る気体潅流の利点は、一貫しており、24時間の保存後にさらに顕著であることが明らかであった(1回の実験)。
ヌードマウスバイオアッセイ(NMB)におけるヌードマウスへの膵島移植は、膵島機能についての「優れた標準」試験である(非特許文献31、非特許文献32、非特許文献33、及び、非特許文献34参照)。予算と膵島の入手とが認められたので、気体潅流後の5回のブタ膵島分離では実験条件および対照条件にNMBを使用した。すべてのデータが図10に要約されている。主なデータセットは、糖尿病逆転率であり、正常血糖(血糖<200mg/dL)を持続するマウスの数を、処置したマウスの数と比較した。移植を目的として無傷膵島のみが(アッセイプロトコルに従って)選択されていることに留意することが重要であり、それゆえ、このアッセイでは、(TLM条件の典型である)断片化に起因して失われた(したがって移植されていない)膵島の品質が低いことを考慮していない。こうした制限にもかかわらず、膵臓保存技術としての気体潅流は、種々の条件(貯蔵時間および培養時間)からのデータが分類されると、糖尿病逆転率、糖尿病逆転までの時間、および平均血糖(曲線下面積に相当)の観点から即時分離とTLMの両方に対して都合よく比較された。結果は統計的に有意ではなかったが、平均血糖は気体潅流と即時分離に対して統計的に有意な傾向をやはり示した(2標本t検定、p=0.076)。
実施例2:
ブタ膵臓およびヒト膵臓に関する電気化学的酸素濃縮器(EOC)を用いた
追加的な気体潅流実験
これらの実験では、膵島分離が含まれており、保存されていない葉(対照)からの結果を、二層法(TLM)を使用してまたは気体潅流によって24時間保存された葉からの結果と比較した。その結果、分離に使用されたブタ膵臓の数は7個であり、そのうちの4個を6時間保存の評価に使用し、残りの3個を24時間保存の評価に使用した。ブタ膵臓で実施した実験に加えて、本発明者らは研究等級のヒト膵臓を入手することができ、この膵臓は気体潅流技術を試験するために利用した。いくつかの重要な発見は以下の通りである。すなわち、(1)電気化学的に発生した酸素を用いた気体潅流での24時間保存では、TLMでの24時間貯蔵と比べて優れた結果が得られ(図11および12参照)、(2)ヒト膵臓の気体潅流は実現可能であり、ブタ膵臓の気体潅流ほど外科的に複雑ではない。加えて、ヒト膵臓の気体潅流は、膵臓を2分割すると膵臓の一部分で達成されることができる。この実証は、今後の研究において同じ臓器を使って、気体潅流保存とTLMの間、または気体潅流保存と保存なしの間の直接的な対応のある比較が可能となるので重要である。
一実験では、膵島分離に及ぼす気体潅流の影響は、各ブタ臓器を3つの葉に分割し、膵頭部を即時分離用とし、膵尾部を気体潅流で24時間保存し、膵体部をTLMで24時間保存することによって試験された。各臓器をその葉に分離する方法は、ドナーのばらつきを排除することによって保存方法の対応のある比較ができるように選定された。サンプルの個数が少なかったので、各条件に使用される葉を(無作為化するよりもむしろ)標準化することにした。本発明者らのブタ分離データベース(合計約650回)からのデータは、膵臓組織1g当たりの期待される膵島収量に3つの葉の間で差がないことを示している。
調達直後(t=0)に収集された臓器サンプルと24時間気体潅流の後に収集された臓器サンプルと間に組織像の顕著な差は見られなかった。しかしながら、TLMで保存された組織は、特に24時間保存後の気体潅流されたサンプルと比較して、図7(a)〜7(c)に見られるように核濃縮した核の多発を呈した。
図11は、様々な方法によって保存されたブタ膵臓からの膵島の量と質の様々な尺度(平均値および標準偏差)を要約したものである。対応のある両側t検定に基づいて、気体潅流は、2日後のIE回収(p=0.011、n=2)および2日後のOCR/DNA(p=0.011、n=3)についてTLMよりも有意に優れていた。すべてのパラメータの平均値は気体潅流に関してより良い結果を示唆したが、いずれの尺度においても即時分離と気体潅流との間に統計的に有意な差はなかった。図12は、TLM結果を24時間保存後の気体潅流の百分率として要約したものである。加えて、気体潅流された葉と対照葉(貯蔵なし)とから分離された膵島を、培養後に糖尿病性無胸腺ヌードマウスに移植した。TLMによって貯蔵された葉では、培養後にヌードマウスに移植し得る十分な膵島は得られなかった。初期の結果(移植5日後)によると、24時間気体潅流された葉から得られた培養済み膵島を移植した4匹のマウスのうちの3匹は200mg/dL未満の血糖を有していた(糖尿病の逆転を示唆している。)が、保存されていない対照葉から分離された膵島を移植した3匹のマウスの1匹しか200mg/dL未満の血糖を有さなかった。
前述した本発明の実施形態は単なる例示を意図するものであり、当業者は本発明の趣旨から逸脱することなく本発明の実施形態に対して多くの変更および修正を行うことができるものとする。こうした変更および修正はすべて、添付の特許請求の範囲で定められる本発明の範囲内あるものとする。
100 気体潅流システム
103 アノード
105 カソード
143 大気
200 容器
203 酸素センサー
205 温度センサー
300 プロセスコントローラ
400 温度制御デバイス
500 電源
550 流体管
1100 気体潅流システム
1200 容器
1203 酸素センサー
1205 温度センサー
1207 二酸化炭素センサー
1300 プロセスコントローラ
1400 温度制御デバイス
1500 電源
1600 液体潅流システム
1700 切換システム

Claims (14)

  1. 組織を含む生物物質の流体潅流システムであって、
    (a)保存ガスを製造するガス発生器と、
    (b)大量の液体潅流液を備える液体潅流システムと、
    (c)前記ガス発生器におよび/または前記液体潅流システムに連結されるのに適合し、かつ前記保存ガスおよび前記液体潅流液の一方または両方を組織に供給するために前記組織に挿入可能である、流体供給管と、
    を備える流体潅流システム。
  2. 前記保存ガスは気体酸素を含む、請求項1に記載の流体潅流システム。
  3. 前記ガス発生器は気体酸素を発生させる電気化学的手段を備える、請求項2に記載の流体潅流システム。
  4. 気体酸素を発生させる前記電気化学的手段は電気化学的酸素濃縮器を備える、請求項3に記載の流体潅流システム。
  5. 前記保存ガスはさらに水蒸気を含む、請求項2に記載の流体潅流システム。
  6. 前記ガス発生器は前記保存ガスにおける気体酸素の濃度を調整する手段を備える、請求項2に記載の流体潅流システム。
  7. 前記保存ガスは気体酸素からなる、請求項1に記載の流体潅流システム。
  8. 組織を含む前記生物物質を受容するのに適した寸法に形成された容器をさらに備える、請求項1に記載の流体潅流システム。
  9. 前記容器は断熱された容器である、請求項8に記載の流体潅流システム。
  10. 前記容器の内容物を所望温度に維持する温度制御手段をさらに備える、請求項9に記載の流体潅流システム。
  11. 前記温度制御手段は、前記容器内の温度を感知する温度センサーと、前記容器内の前記温度を変更する温度制御デバイスと、前記温度センサーに応答して該温度制御デバイスの稼働を制御するプロセスコントローラとを備える、請求項10に記載の流体潅流システム。
  12. いかなる保存ガスおよび/または組織を含む前記生物物質を潅流した液体潅流液も排出する流体排出管をさらに備える、請求項1に記載の流体潅流システム。
  13. 前記液体潅流液は液体細胞培地と、臓器保存溶液と、塩類溶液と、HEPES緩衝液と、これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の流体潅流システム。
  14. 前記液体潅流液は、さらに、抗酸化物質と、抗アポトーシス剤と、血管拡張剤/血管収縮剤と、酸素担体と、キレート剤と、毒素結合剤と、抗凝固剤とからなる群から選択される添加物を含む、請求項13に記載の流体潅流システム。
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