JP2013139401A - 精製有機溶媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリフェノール類含有物質と接触処理後の有機溶媒含有水溶液から、ポリフェノール類の精製に再使用したときに風味の良好な精製ポリフェノール類を得ることの可能な精製有機溶媒を製造する方法を提供すること。
【解決手段】ポリフェノール類含有物質と接触した有機溶媒含有水溶液を気化し、発生した蒸気の一部をゼオライト膜を透過させて除去し、残余の蒸気を凝縮して回収する、精製有機溶媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、精製有機溶媒の製造方法に関する。
カテキン類等のポリフェノール類は多様な生理活性を持つことが知られており、ポリフェノール類を含有する食品が多く開発されている。ポリフェノール類は、ポリフェノール類を含有する植物から水又は含水有機溶媒により抽出して得ることができる。また、ポリフェノール類の風味の改善のために、抽出したポリフェノール類を溶媒を用いて精製を行うことも広く行われている。
ポリフェノール類の抽出や精製においては、食品として用いる点に鑑み、有機溶媒が広く用いられる。工業的には、当該操作において使用した有機溶媒を回収し、再使用することが多い。有機溶媒の回収は蒸留法が一般的であるが、ポリフェノール類は各種成分を含有するため、蒸留により得られる回収有機溶媒には微量成分が残存し、再使用の際に風味等を低下させることが知られている。
そこで、回収有機溶媒中の微量成分を低減させるために、多くの段数を有する精留を行い回収有機溶媒の純度を高める方法が知られている(特許文献1)。また、臭気を含む有機溶媒の脱臭方法として、臭気を含む有機溶媒をHLBが2以上の非イオン界面活性剤と接触させ、蒸留する方法が知られている(特許文献2)。一方、有機溶媒の純度を共沸組成よりも高めるために、エタノール等の水と共沸化合物を形成する有機溶媒について、分縮器を備える精留手段の塔頂部を通過する水と有機溶媒の混合蒸気をゼオライト膜に通じて水を透過させる方法も知られている(特許文献3)。
特開2010−268761号公報 特開2009−167176号公報 特開2009−66519号公報
特許文献1に記載の方法は、精留において多くの段数が必要であり、処理能力やコスト面から制約が大きく、また回収有機溶媒をポリフェノール類の精製に再使用した場合の精製ポリフェノール類の風味が不十分となる場合があることが判明した。一方、特許文献2に記載の方法は、ポリフェノール類由来の香気成分を効率良く除去できるものの、界面活性剤の調達や処理等、考慮すべき点があり、更なる自由度が求められていた。
したがって、本発明の課題は、ポリフェノール類含有物質と接触処理後の有機溶媒含有水溶液から、ポリフェノール類の精製に再使用したときに風味の良好な精製ポリフェノール類を得ることの可能な精製有機溶媒を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、風味の良好な精製ポリフェノール類を得ることの可能な精製有機溶媒の製造方法について検討したところ、使用済み有機溶媒含有水溶液を蒸発させ、発生させた蒸気をゼオライト膜に接触させ、水分の一部を透過させて除去することで、回収有機溶媒をポリフェノール類の精製に再使用した場合の精製ポリフェノール類の風味が改善されることを見出した。ゼオライト膜が水等の低分子を透過させることは知られているものの、香気成分や呈味成分は一般に分子が大きいため、ゼオライト膜を透過するとは考えにくく、当該処理により風味が改善されることは意外なことであった。
なお、特許文献3に記載の方法は、共沸混合物の純度を共沸組成よりも高めるための方法であるが、本発明では有機溶媒中の水分を共沸組成よりも減少させることは必ずしも必要ではなく、上記方法とは目的を異とするものである。
すなわち、本発明は、ポリフェノール類含有物質と接触した有機溶媒含有水溶液を気化し、発生した蒸気の一部をゼオライト膜を透過させて除去し、残余の蒸気を凝縮して回収する、精製有機溶媒の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ポリフェノール類含有物質と接触処理後の有機溶媒含有水溶液から、ポリフェノール類の精製に再使用したときに風味の良好な精製ポリフェノール類を得ることの可能な精製有機溶媒を製造することができる。
本発明で使用するポリフェノール類含有物質としては、ポリフェノール類を含有するものであれば特に限定されないが、例えば、茶抽出物、コーヒー豆抽出物、リンゴ抽出物、ビルベリーやブドウ種子抽出物等を挙げることができる。中でも、生理活性機能、流通量の点から、茶抽出物、コーヒー豆抽出物が好ましい。ここで、「ポリフェノール類」とは、酒石酸鉄法により測定されるものをいい、具体的には、フラボン類、フラボノール類、イソフラボン類、フラバン類、フラバノール類、フラバノン類、フラバノノール類、カルコン類、アントシアニジン類等のフラボノイド類及びそれらの配糖体又は重合体、クロロゲン酸類、没食子酸、クマリン類、クルクミン類、リグナン類等が挙げられる。フラボン類にはアピイン、アピゲニン、オリエンチン、イソオリエンチン等が包含され、フラボノール類にはケルセチン、ミリセチン、ケンフェロール、ルチン等が包含される。またフラバノール類には非重合体カテキン類が包含され、更にその重合体にはプロアントシアニジン、テアフラビン類等が包含される。中でも、ポリフェノール類の精製に再使用した際の精製ポリフェノール類の風味改善の点から、非重合体カテキン類が好ましい。ここで、「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
また、ポリフェノール類含有物質と接触した有機溶媒含有水溶液としては、ポリフェノール類含有物質を水又は含水有機溶媒の存在下での精製に使用された有機溶媒含有水溶液が挙げられる。具体的には、例えば、下記の(1)〜(5)のいずれかの方法により得られた使用済み有機溶媒含有水溶液を挙げることができる。
(1)ポリフェノール類含有物質から溶媒抽出やカラムクロマトグラフィーにより分離回収したポリフェノール類を有機溶媒に転溶した後、有機溶媒を留去するポリフェノール類の精製方法(例えば、特開昭60-13780号公報、特開平4-182480号公報)において、留去された有機溶媒含有水溶液。
(2)ポリフェノール類含有物質を合成吸着剤に吸着させる工程、及び当該合成吸着剤に有機溶媒含有水溶液を接触させる工程を有する精製ポリフェノール類含有物の製造方法(例えば、特開2006-36645号公報、特許第4242908号明細書)において、合成吸着剤との接触に用いた有機溶媒含有水溶液。なお、合成吸着剤との接触には、合成吸着剤の洗浄、再生及びポリフェノール類の溶出が包含される。
(3)茶抽出物を樹脂のクロマトグラフィーに付する茶カテキン類の製造方法(例えば、特開2001-97968号公報)において、樹脂の再生に用いた有機溶媒含有水溶液。
(4)ポリフェノール類含有物質を、有機溶媒と水の存在下、酸性白土若しくは活性白土と接触させる工程を有する精製ポリフェノール類含有物質の製造方法において、接触処理に用いた有機溶媒含有水溶液(例えば、特許第4280232号明細書)
(5)ポリフェノール類含有物質を水と有機溶媒との混合溶剤に懸濁し沈殿物を除去した後、有機溶媒を留去するポリフェノール類含有物の精製方法(例えば、特許第4181848号明細書)において、留去された有機溶媒含有水溶液。
中でも、(2)又は(4)の方法により得られた使用済み有機溶媒含有水溶液が好ましく使用される。かかる有機溶媒含有水溶液中の有機溶媒濃度は、精製有機溶媒を安定に製造する観点から、1〜90質量%、更に10〜80質量%、更に30〜75質量%であることが好ましく、必要により加水又は濃縮して濃度調整することができる。
また、有機溶媒含有水溶液中の有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類が挙げられる。食品への使用を考慮するとアルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。
本発明においては、先ずポリフェノール類含有物質と接触した有機溶媒含有水溶液を気化させる。気化手段としては、有機溶媒含有水溶液を加熱して有機溶媒蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生できれば特に限定されず、例えば、蒸発装置や蒸留装置等を使用することができる。蒸発装置としては、例えば、フラッシュ型、遠心式薄膜型、強制循環式水平型、強制循環式直管型等を挙げることができる。一方、蒸留装置としては、例えば、単蒸留装置、多段蒸留装置等を挙げることができる。蒸発操作、蒸留操作に係る原料供給方式は、回分方式でも、連続方式でもよい。また、運転時の圧力は、減圧、常圧及び加圧いずれでもよい。中でも、生産性の観点から、連続的に処理できるものが好ましく、後述するゼオライト膜への透過性を良好にする点から、常圧ないし加圧条件下での運転が好ましい。
気化した蒸気中の有機溶媒濃度は、50〜99質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましい。
ポリフェノール類の精製に再使用した際の精製ポリフェノール類の風味改善の点からは、気化した蒸気中の有機溶媒濃度が50〜90質量%が好ましく、65〜85質量%がより好ましく、70〜80質量%がさらに好ましい。かかる観点より、低段数の多段式蒸留装置、もしくは単蒸留装置による蒸発が良い。
一方、ゼオライト膜との接触効率を上げる場合には、気化した蒸気中の有機溶媒濃度を高めることが好ましく、高段数の蒸留塔を用い、精留を行うことが好ましい。かかる観点より、気化した蒸気中の有機溶媒濃度が80〜99質量%が好ましく、85〜98質量%がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。
精留塔における段数は、2〜60段が好ましく、3〜50段が好ましく、4〜20段がより好ましい。また、精留における還流比は、2〜60が好ましく、3〜50がより好ましく、5〜40が更に好ましく、8〜20が更に好ましい。
次に、本発明においては、発生した蒸気をゼオライト膜に接触させ、蒸気の一部を、ゼオライト膜を透過させて除去する。すなわち、本発明においては、有機溶媒蒸気と水蒸気との混合蒸気を膜分離する、いわゆるベーパーパーミエーション法(VP法)を採用する。ここで、「ベーパーパーミエーション法」とは、液体混合物を気化して蒸気状態で供給して分離膜に接触させて、透過側を減圧して特定の蒸気を透過する膜分離法であり、「蒸気透過法」とも呼ばれる。
本発明で使用するゼオライト膜は、水蒸気を透過させ、有機溶媒蒸気を透過させないものが好ましく、多孔質支持体上に種結晶を担持させてから析出させたゼオライト膜が好ましく用いられる。
多孔質支持体上に担持させるゼオライト種結晶としては、A型、X型、Y型、T型、L型、ZSM類、ソーダライト類、モルデナイト類、シリカライト類等を挙げることができる。種結晶の平均粒径は、通常200μm以下である。中でも、平均粒径が1〜5μmのA型ゼオライトが好ましい。種結晶の担持量としては、0.5〜5mg/cm2が好ましい。
多孔質支持体の材質としては、アルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、ベントナイト、コージェライト、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ガラス等のセラミックス;ステンレス、アルミニウム等の金属;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンフロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、シリコーン、セルロース等の有機高分子等を挙げることができる。多孔質支持体の形状としては、中空糸状、管状等の中空円筒状のみならず、蓮根状、ハニカム状のものも含まれる。多孔質支持体の大きさは特に限定されないが、例えば、中空円筒状の場合、外径が100mm程度、長さが20〜100cm、厚さが0.2〜20mmであることが好ましい。また、多孔質支持体としては、平均気孔径が0.05〜10μmであり、空孔率が10〜60%程度のものが好ましい。中でも、多孔質支持体としては、平均気孔径0.1〜2μm、気孔率30〜50%であり、Al23含有率が30〜80質量%であるAl23−SiO2系セラミックスが好ましい。
ゼオライト膜の調製法としては、例えば、種結晶の粉末を溶媒に分散し、多孔質支持体上に塗布して種結晶を担持させた後、別途シリカ源としてケイ酸ナトリウム、シリカゲル、シリカ粉末を、アルミナ源としてアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウムを原料としたアルミノシリケートゲルを調製し、これに種結晶を担持させた支持体を浸漬して水熱合成法や気相法等の合成法によりゼオライトを析出させて製膜する方法が挙げられる。合成条件は、90〜100℃で2時間以上加熱することが好ましい。このようにして、膜厚が10〜50μm、支持体を含めた厚さが0.5〜2mm程度のゼオライト膜を調製することができる。なお、このようなゼオライト膜として、ゼオライト4A(三井造船株式会社製)等の市販品を使用することも可能である。
また、本発明においては、このようなゼオライト膜の周囲を筒状の枠体で囲って有機溶媒蒸気の流路を設けた、シェル&チューブ形式の膜モジュールとすることができる。その際、かかる膜モジュールを複数個連結して使用してもよい。なお、枠体の材質は、内部を通過する蒸気により腐食、変質等を受け難く、所定の強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、SUS鋼板等を挙げることができる。
本発明においては、ゼオライト膜の内部が真空ポンプ等の減圧手段により適当な真空度に減圧されているため、混合蒸気中の水蒸気が選択的にゼオライト膜に透過される。そして、ゼオライト膜を透過した水蒸気は、減圧手段により吸引されながらゼオライト膜の内側を流れ、管路を経由して凝縮器に送給され、凝縮器により凝縮されて透過液回収器に回収される。なお、ゼオライト膜の内部の真空度は、例えば、5Pa〜15kPa、好ましくは10〜150Paである。
一方、ゼオライト膜を透過しない有機溶媒蒸気は、膜外に排出され、管路を経由して凝縮器に送給され、凝縮器により凝縮されて回収器に回収される。
このように、ポリフェノール類含有物質と接触処理後の有機溶媒含有水溶液を気化しゼオライト膜で有機溶媒蒸気と水蒸気とに膜分離することにより、精製有機溶媒を得ることができる。
1.ポリフェノール類の測定
ポリフェノール類の測定は、酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めた(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNO.10)。試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線から総ポリフェノール量を求めた。
・酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
・リン酸緩衝液の調製:1/15Mリン酸水素ニナトリウム溶液と1/15Mリン酸ニ水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
2.非重合体カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は0.1mol/Lの酢酸水溶液、B液は0.1mol/Lの酢酸アセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(製造法1)
酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを常温、250r/min攪拌条件下の92質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、約10分間攪拌を行った後、タンナーゼ活性を有する酵素で処理した緑茶抽出物200gを投入し、室温のまま約3時間の攪拌を続けた(pH4.0)。その後、生成している沈殿及び酸性白土を2号ろ紙でろ過した。得られたろ液にイオン交換水を417g添加し、15℃、100r/min攪拌条件下で約5分間攪拌を行った。その混合溶液を、小型冷却遠心分離機を用い(日立工機社製)、操作温度15℃で析出した濁り成分を分離した(6000rpm、5分)。分離した溶液を活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)30gと接触させ、続けて0.2μmメンブランフィルターによってろ過を行った。最後にイオン交換水200gを添加して、40℃、2.7kpaでエタノールを留去した。留去して得られたエタノール含有水溶液を「粗エタノール原料1」とした。「粗エタノール原料1」中のエタノール濃度は71%であった。
(製造法2)
緑茶葉(大葉種)を熱水で抽出した後、噴霧乾燥により緑茶抽出物を得た。緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度30質量%であった。
次いで、緑茶抽出物の非重合体カテキン類濃度が1質量%になるようにイオン交換水で希釈した。次いで、緑茶抽出物の希釈液800gをカラム(内径50mm×高さ180mm、容積353.3mL)に充填した合成吸着剤(SP−70、三菱化学(株)製)200mLに吸着させた。
次いで、イオン交換水300mL、30質量%エタノール水溶液400mLを順次合成吸着剤に通液して第1の画分(非重合体カテキン類)を溶出させた。次いで、合成吸着剤に50質量%エタノール水溶液を600mL通液して、樹脂の再生を兼ねてポリフェノール組成物を含む第2の画分を溶出させた。なお、本分画操作はすべて、通液速度SV=0.8〜1.2[h-1]になるように流量調整して行った。ここで、得られた第2の画分を「粗エタノール原料2」とした。「粗エタノール原料2」中のエタノール濃度は39%であった。
実施例1
製造法1にて得られた「粗エタノール原料1」にイオン交換水を加えて、エタノール濃度18%とした。このエタノール水溶液8000gを秤量し、これを精留塔と組み合わせた蒸留膜分離装置(10L型、桐山製作所製;ゼオライト膜:ゼオライト4A、三井造船株式会社製、12mmφ×800mmH×2本、総膜面積0.06m2)に仕込んだ。精留塔の段数は10段である。還流比10にて精留を行い、エタノール水溶液を気化させ、次いで、ベーパーパーミエーションを行なった。塔頂における圧力は101kPa、ゼオライト膜透過側の圧力は30Paにて運転した。その後、凝縮管にて冷却液化して精製エタノールを回収した。なお、蒸留塔から流出しゼオライト膜に接触する混合蒸気中の平均エタノール濃度は、得られた精製エタノール及びゼオライト膜を透過したガスの凝縮液の物質収支より求めたものである。
実施例2
還流を行わない以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
実施例3
原料に製造法2で得られた「粗エタノール原料2」にイオン交換水を加えて、エタノール濃度18%として用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
実施例4
還流を行わない以外は、実施例3と同様の操作を実施した。
比較例1
実施例1のベーパーパーミエーションを行わず、還流比10にて精留を行い、凝縮管にて冷却液化してエタノールを回収した。
精製品の評価
(風味評価法)
各実施例及び比較例にて得られたエタノールを、イオン交換水にてエタノール濃度92質量%に調整した。酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを常温、250r/min攪拌条件下の92質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、約10分間攪拌を行った後、タンナーゼ活性を有する酵素で処理した緑茶抽出物200gを投入し、室温のまま約3時間の攪拌を続けた(pH4.0)。その後、生成している沈殿及び酸性白土を2号ろ紙でろ過した。得られたろ液にイオン交換水を417g添加し、15℃、100r/min攪拌条件下で約5分間攪拌を行った。その混合溶液を、小型冷却遠心分離機を用い(日立工機社製)、操作温度15℃で析出した濁り成分を分離した(6000rpm、5分)。分離した溶液を活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)30gと接触させ、続けて0.2μmメンブランフィルターによってろ過を行った。最後にイオン交換水200gを添加して、40℃、2.7kpaでエタノールを留去し、水分調整を行い「精製緑茶抽出物」を製造した。
精製緑茶抽出物を、非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLになるようにイオン交換水で希釈した後、評価パネラー5名によってエグ味感、まろやかさ、刺激感、緑茶感、酸味感について評価を行った。
(評価基準)
評点4:非常に良い
3:良い
2:わずかに悪い
1:悪い
Figure 2013139401
蒸留のみの回収により得られたエタノール(比較例1)は、茶抽出物の精製処理に使用した場合、得られた精製茶抽出物において複合的に異味が発現し、好ましくないものであった。
精留を行った蒸気にベーパーパーミエーション膜処理を行った場合には回収エタノールの純度が高いものが得られ(実施例1,3)、当該回収エタノールを使用した場合は、エグ味感が非常に少なく、すっきりした精製茶抽出物を得ることができた。
単蒸留により得られた蒸気にベーパーパーミエーション膜処理を行ったエタノール(実施例2,4)を使用した場合は、まろやかで刺激感が低く、風味の良い精製茶抽出物を得ることができた。

Claims (7)

  1. ポリフェノール類含有物質と接触した有機溶媒含有水溶液を気化し、発生した蒸気の一部をゼオライト膜を透過させて除去し、残余の蒸気を凝縮して回収する、精製有機溶媒の製造方法。
  2. ポリフェノール類が非重合体カテキン類である、請求項1記載の精製有機溶媒の製造方法。
  3. 有機溶媒がエタノールである、請求項1又は2記載の精製有機溶媒の製造方法。
  4. ゼオライト膜を透過させる蒸気を精留により発生させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製有機溶媒の製造方法。
  5. ゼオライト膜を透過させる蒸気を単蒸留により発生させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製有機溶媒の製造方法。
  6. 有機溶媒が、ポリフェノール類含有物質を合成吸着剤に吸着させる工程及び当該合成吸着剤に有機溶媒水溶液を接触させる工程を有するポリフェノール類の精製において使用された有機溶媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製有機溶媒の製造方法。
  7. 有機溶媒が、ポリフェノール類含有物質を酸性白土若しくは活性白土と接触させる工程を有するポリフェノール類の精製において使用された有機溶媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製有機溶媒の製造方法。
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