JP2013139357A - 複合材およびコーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多量の水(雨水)と接触した場合には十分なセルフクリーニング性能を発揮し、一方、水(雨水)が少量の場合にも、表面に堆積した砂塵などからなる線状の汚れが生じない複合材の提供。
【解決手段】 本発明による複合材は、基材と、基材の表面に形成された表面層とを備えてなり、表面層が第一の材料と第二の材料とを含んでなり、第一の材料がシリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形チタニアからなる群から選択される化合物であり、第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される化合物であり、第二の材料が、第一の材料の質量と第二の材料の酸化物換算質量との質量和に対して、その酸化物換算で30質量%以上70質量%以下配合されてなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、改善されたセルフクリーニング性能を有する複合材およびそれを製造するためのコーティング組成物に関する。
親水性の表面は水に馴染みやすい性質を有する。そのため、表面に砂塵等の汚れが付着していても、水がかかった時に汚れと表面との間に水が入り込み、汚れが水とともに洗い流されて、表面が清浄化される。このような性質はセルフクリーニングとして知られている。そして、セルフクリーニングの性質を表面に付与した外壁材や内壁材等の建材が種々提案されている。
このようなセルフクリーニングの性質を有する部材の汚れに関して、次のような指摘がなされていた。すなわち、多量の水(雨水)が部材の表面にもたらされるときには、その表面の汚れがセルフクリーニング作用によって十分に除去されるが、水(雨水)が少量であると、表面に堆積した砂塵などの汚れが十分に洗い流されず、水滴が流下した後に乾燥する結果、線状の跡が残り、それが外観不良となることが指摘されていた。
WO03/028996(特許文献1)は、これに類する外観不良を指摘し、またその解決を目的としている。そして、WO03/028996公報(特許文献1)には、光触媒と有機ジルコニウムとシリコーン樹脂材料からなる親水性の被膜が開示されている。開示されている被膜に含まれるジルコニアの添加量は10質量部以下であり、水との接触角の維持効果を高めるとされている。この公報によれば、被膜形成された部材表面は防汚性を有し、さらに水量が少ない場合には、雨水の流れに沿って汚れが線状に現れることを防止できるとされている。
ところで、光触媒とジルコニアとを含有する被膜が、例えば、特開2009−213954号公報(特許文献2)や特開2009−270040号公報(特許文献3)に開示されている。
特開2009−213954号公報(特許文献2)には、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムと酸化チタンからなる薄膜が開示されており、膜中に含まれるジルコニア量は、Zr:Tiが100:1と、1:1の二例を実施例に記載されている。この公報によれば、この薄膜は撥水性のため、水が付着した時には水滴が形成される。さらにこの公報によれば、この薄膜は水滴が容易に滑落して除去される性質を備えていることが記載されている。
特開2009−270040号公報(特許文献3)には、光触媒体コーティング液に、基材との密着性を向上させるためにバインダーとしてジルコニアを用いることが開示されている。この公報に記載の実施例において、TiO:ZrOが最大の例は、50:50であり、コーティング液としての諸性能と、コーティング液を塗布して得られた膜の光触媒分解性能を評価するのみである。
また、WO2000/53689公報(特許文献4)には、シリカ、アルミナ、およびジルコニアを含んでなる、防曇性および防汚性を有する親水性被膜が開示されている。この公報に記載の実施例において、シリカおよびアルミナに対するジルコニア量の最大値は実施例A2に記載の[SiO]:[Al]:[ZrO]=0.75(43wt%):0.5(29wt%):0.5(29wt%)である。
特許文献1に記載された表面は水との接触角が5〜30°であって、親水性が高いため、セルフクリーニング性は得られるものの、水滴が流下するのを防ぐ効果は弱く、実用上、線状の跡を防止するには不十分である。また、特許文献2に記載された表面は撥水性のため、セルフクリーニング性は期待できない。さらに、水滴の滑落が起こりやすいため、やはり、水滴が流下して生じる線状の跡が発生してしまう。特許文献3に記載された被膜は特許文献2に記載された被膜と構成が類似しており、同様の問題を抱えているものと考えられる。特許文献4に記載された被膜は表面が高度の親水性を呈する。すなわち、セルフクリーニングの性質を有する部材について、このような線上の跡を生じさせない部材が依然として求められている。
WO03/028996 特開2009−213954号公報 特開2009−270040号公報 WO2000/53689
本発明者らは、今般、多量の水(雨水)と接触した場合には十分なセルフクリーニング性能を発揮し、一方、水(雨水)が少量の場合にも、表面に堆積した砂塵などからなる線状の汚れを生じさせない部材を、特定成分を有する表面層を基材上に設けることによって実現できることを見出した。詳細には、本発明者らは、多量の水(雨水)と接触した場合には水が部材表面に十分に広がり、同時に汚れを洗い流し、一方、水(雨水)が少量の場合には、水滴を滑落させることなく部材表面に留めることで、水滴が滑落する際に表面に堆積した砂塵などを引きずることにより生じると思われる線状の汚れを生じさせない部材が実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
従って、本発明は、多量の水(雨水)と接触した場合には十分なセルフクリーニング性能を発揮し、一方、水(雨水)が少量の場合にも、表面に堆積した砂塵などからなる線状の汚れを生じさせない複合材の提供をその目的としている。
そして、本発明による複合材は、基材と、前記基材の表面に形成された表面層とを備えてなる複合材であって、
前記表面層が、第一の材料と第二の材料とを含んでなり、
前記第一の材料が、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形チタニアからなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記第二の材料が、前記第一の材料の質量と前記第二の材料の酸化物換算質量との質量和に対して、その酸化物換算で30質量%以上70質量%以下配合されてなる
ことを特徴とするものである。
本発明による複合材の水滴保持性能を試験するための部材の設置条件を示した図である。
定義
本明細書において、部材にかかる水(雨水)が少量であるときに、表面に堆積した砂塵などの汚れが十分に洗い流されず、線状の跡が残り、外観不良の原因となる汚れを、「なめくじ汚れ」と称することがある。この線状の跡が、ナメクジが残す跡のように見えるからである。
複合材
本発明による複合材は、基本的に、基材と、この基材の表面に形成された表面層とを備えてなる。そしてこの複合材は、多量の水(雨水)と接触した場合には十分なセルフクリーニング性能を発揮し、一方、水(雨水)が少量の場合にも、なめくじ汚れが生じない。なめくじ汚れは、部材の表面に付着した水滴が滑落する際に、表面に堆積した砂塵などをその水滴が引きずり、その後に表面に残った砂塵を十分に洗い流すほどの水(雨水)が供給されないことにより生じるものと考えられる。そして、本発明にあって、後記する組成の表面層の表面では、水が付着すると直ちに表面において広がらずに、水滴の形態で、かつ重力等の外力に抗して滑落せずに表面に留まる(以下、本明細書においてこれを「水滴保持性能」ということがある)。しかし、水がさらに供給されて複数の水滴が会合したときには、水滴の形態はくずれ、表面層の表面に水は濡れ広がり、かつ重力等の外力により下方に流れ落ちる。その際に、水が汚れを表面から洗い流し、表面が清浄となる(以下、本明細書においてこれを「水膜形成性能」ということがある)。
表面層
本発明において、複合材の表面層は、第一の材料および第二の材料を含んでなる。
第一の材料
本発明において、第一の材料は、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形酸化チタンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。本発明において、アルカリシリケートとして、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムを単独か、または複数組み合わせて使用することができる。
本発明において、第一の材料である親水性の化合物である。本発明において、後記する第二の材料は、この第一の材料である化合物よりも親水性が弱い金属化合物である。本発明により、なめくじ汚れが防止される理由は定かではないが、以下のように考えられる。本発明による部材の表面において、第一の材料が存在する部分には親水領域が形成される。第二の材料が存在する部分には、第一の材料よりも水との親和性の弱い領域が形成される。本発明において規定される第一の材料と、第二の材料との存在比から実現される、第一の材料による親水性と、第二の材料による水との弱い親水性の両性質が、水滴保持性能と水膜形成性能とを、なめくじ汚れが有効に防止できるように発現させる。すなわち、当該表面において、親水性の部分による水を引き寄せて水膜を形成しようとする力と、水との親和性の弱い部分による水玉を形成し止まらせようとする力とがバランスして、雨滴程度の少量の水が付着したとき、水滴の三重線(気・液・固の界面、すなわち水滴の表面に接触している部分の輪郭)の移動が抑えられ、水滴として、重力等の外力に抗して表面に留める。その結果、なめくじ汚れが防止される。その後、多量の水が供給されると、水滴同士が会合して、水は表面に広がり水膜を形成し、いわゆるセルフクリーニング性能が発揮され、表面が清浄になると考えられる。しかし、以上の説明はあくまで仮説であって、本発明はこの説に限定されるものではない。
本発明において、第一の材料は粒子であることが好ましい。好適な粒子径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、10nm以上100nm以下の個数平均粒径である。粒子の形状は球状が最も良いが、楕円形等の異形状であっても良い。その場合の粒子の長さは、走査型電子顕微鏡で観察される粒子形状の最長径と最短径の和を2で除した値として略算出される。第一の材料を粒子形状として、第二の材料ともに表面層を形成することで、第一の材料と第二の材料とが表面層の表面に分散して存在できる。これにより、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)をより効果的に発現することができる。また、透明な表面層を得ることができる点でも有利である。
本発明において、第一の材料は、後記する第二の材料と相対的に定まる量添加される。
第二の材料
本発明において、第二の材料は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、好ましくは、ZrまたはHfを含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。
第二の材料は、第一の材料よりも水との弱い親和性を示す金属化合物である。上述のとおり、本発明による複合材の表面層は第二の材料が第一の材料とともに配合されてなることにより、なめくじ汚れを有効に防止し、かつセルフクリーニング性能を発揮する水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)を与える。
本発明において、上記の金属を含有する酸化物とは、例えばCr、MnO、Fe、CoO、NiO、CuO、Ga、ZrO、Y、In、HfOなどが挙げられる。また、無機塩の例としては、上記の金属の、オキシ塩化物、ヒドロキシ塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、炭酸アンモニウム塩、炭酸ナトリウム塩、炭酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩などが挙げられる。また、有機塩の例としては、上記金属の、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の加水分解物、キレート化合物などが挙げられる。金属アルコキシド類としては、炭素数1〜8程度のアルコキシル基が金属原子に結合した化合物、例えば、金属原子がZrの場合、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等が挙げられる。また、キレート化合物としては、例えば、β−ケトンエステル錯体、β−ジケトン錯体、エタノールアミン類錯体、ジアルキレングリコール錯体等を用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、第二の材料は、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩とされる。これらの化合物を適用して得られた表面層は水滴保持性能および水膜形成性に優れる。ここで、平均結晶子径はXRDの最強線ピークの積分幅からシェラー式で算出される。
本発明において、第二の材料が粒子である場合は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、5nm以上100nm以下の個数平均粒径を有する粒子であることが好ましい。第二の材料を粒子形状とし、第一の材料ともに表面層を形成することで、第一の材料と第二の材料とが表面層の表面に分散して存在できる。これにより、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)をより効果的に発現することができる。また、透明な表面層を得ることができる点でも有利である。また、第二の材料は、第一の材料を固定するバインダーとしての作用も期待できる。
本発明において、第二の材料は、第一の材料の質量と第二の材料の酸化物換算量との質量和に対して、その酸化物換算で、30質量%以上70質量%以下、好ましくは30質量%以上50質量%以下、配合される。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、第二の材料は、表面層において、その酸化物換算で、30質量%以上70質量%以下、好ましくは30質量%以上50質量%以下配合されることが好ましい。なお、表面層の質量は、後述する被膜形成成分量(質量)と実質的に等しい値である。
その他の任意成分
本発明による複合材の表面層は、必要に応じて、上記第一〜第三の成分以外の任意成分を含むことができる。任意成分の例としては、顔料、充填剤、光安定剤、染料等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択、組み合わせて、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)を妨げない程度に配合することができる。
なお、本発明による複合材の表面層には、光触媒材料を実質的に存在させない。実質的に存在させないとは、本発明による複合材の表面層における親水性が光触媒の作用によってもたらされたものではないことを意味し、従って、親水性が発現する程度の量の光触媒を配合しない意味である。
表面層の物性
本発明による複合材が有する水滴保持性能と水膜形成性能とは、なめくじ汚れを防止しながら、セルフクリーニング性能を発揮するものであるが、これら性能を具体的に評価する方法として、以下の二つの方法がある。
まず、水滴保持性能の評価方法として、以下の方法が挙げられる。その方法は、複合材の表面層を80°傾斜させ、その表面の5箇所にそれぞれ15μLの水滴を付着させたときの、水滴の移動距離を測定し、以下の基準により移動距離に応じた点数を付与する。
0点:水滴の滑落が2cm未満
1点:2cm以上水滴が滑落した
2点:4cm以上水滴が滑落した
3点:6cm以上水滴が滑落した
4点:8cm以上水滴が滑落した
5点:10cm以上水滴が滑落した
本発明による複合材は、好ましくは、5箇所におけるポイントの合計点が20点以下を示し、より好ましくは5点以下であり、より好ましくは0点である。
また、その水膜形成性能の評価方法として、以下の方法が挙げられる。その方法は、複合材の表面層を垂直の状態に保持し、表面から10cm離れた所から、100mm×200mmの表面に15gのイオン交換水を噴霧する。本発明による複合材は、全面に水膜が形成されるが、表面の一部が水をはじきながらも、他の表面に水膜が形成される状態も本発明においては許容される。
本発明の一つの態様によれば、本発明による複合材の表面層は、次のような表面特性を備えることが好ましい。
本発明による複合材は、前進接触角が30°以上であることが好ましく、より好ましくは35°以上、さらに好ましくは40°以上である。
また、後退接触角が、20°以下であることが好ましく、より好ましくは16°以下、さらに好ましくは13°以下、最も好ましくは10°以下である。
さらに、前進接触角と後退接触角の差分、すなわちヒステリシスは20°以上80°以下であることが好ましく、より好ましい下限値は35°、さらに好ましい下限値は40°であり、より好ましい上限値は75°、さらに好ましい上限値は70°である。
本発明による複合材の表面層は、上述の範囲の前進接触角、後退接触角、およびヒステリシスを同時に満たすことが最も好ましい。この範囲であれば、水滴が形成された際の水滴保持性と、水滴が多量にかかった際の水膜形成性とがより優れたものになる。
上記の表面特性、すなわち動的接触角(前進接触角および後退接触角)、転落角は、慣用されている、または確立した測定方法により測定されるが、好ましくは以下の方法により測定される。すなわち、自動接触角測定装置(例:英弘精機社製、OCA20)を用い、水に対する動的接触角(前進接触角および後退接触角)を測定する。より具体的には、表面層上に50μLの水滴を滴下した後、前記表面層を0.2m/sの速度で傾けながら、前記接触角測定装置に付属しているカメラから水滴を観察し、水滴が滑落する瞬間における、水滴の滑落する側の接触角(前進接触角)、水滴の滑落する側とは反対側の接触角(後退接触角)を、それぞれ測定する。
また、本発明による複合材の表面層は、30μLの水の転落角が40°以上であるのが好ましい。転落角が大きいほど、水滴保持性が高いといえる。
上記の転落角は、慣用されている、または確立した測定方法により測定されるが、好ましくは以下の方法により測定される。すなわち、転落角は滑落法により測定する。より具体的には、表面層上に30μLの水滴を滴下した後、前記表面層を0.2m/sの速度で傾けながら、カメラから水滴を観察し、水滴が滑落する瞬間における、傾斜角:転落角を測定する。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による複合材の表面層は、好ましくは、水との静的接触角が、任意の測定点5点以上の平均値で20°以上90°未満であることが好ましく、より好ましい下限値は30°さらに好ましい下限値は35°であり、より好ましい上限値は80°であり、最も好ましい上限値は75°である。この範囲であれば、水滴が形成された際の水滴保持性がより優れたものになる。水との静的接触角は、接触角測定装置(例えば、協和界面科学社製、製品名 CA−X150型)を用いて、室温で5μLの水滴を滴下後、5秒後の静的接触角をθ/2法により測定する。
本発明による複合材の表面層は、膜厚が300nm以下であることが好ましい。より好ましくは、下限値が10nmであり、さらに好ましい下限値は15nmである。上限値は、より好ましくは200nmであり、さらに好ましくは150nmである。当該範囲とすることで、第一の成分と第二の成分が、より均質に表面層に存在するようになるため、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)を確実に得る事が可能となる。また、当該範囲とすることで透明な表面層が得られ易い点でも有利である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による複合材の表面層は、波長405nmのレーザー顕微鏡を用い、JIS B 0601−1982により20倍視野で測定された算術平均粗さRaが、任意の測定点3点以上の平均値で5nmを超え50nm以下であることが好ましい。好ましい下限値は5nm、より好ましい下限値は10nmである。また、好ましい上限値は50nm、より好ましい上限値は30nmである。本発明において、表面粗さが当該範囲であれば、微細な凹凸に水が引っかかり水の移動が妨げられ、表面に接した水が濡れ広がらず、かつ、水が収縮しないという作用が強まる。
基材
本発明による複合材を形成する基材は、セルフクリーニングの性能が求められ、またなめくじ汚れの防止が望まれる材料である。基材は平面または曲面を有する材料であることができ、その材質は、例えば、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、木、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの表面に塗装を施したものであってよい。具体的には、建物の外装材または内装材といった建材が好ましい例として挙げられる。特に、立面に利用する建材が対象として好ましい。本発明による複合材を外装材として用いた場合、雨が当たる環境下で使用される。本発明によれば、なめくじ汚れが防止されるので、庇の下や軒の下など、雨が十分に当たり難い部位に好ましく利用できる。内装材としては、結露水が表面で凝縮するような部位に適用できる。
本発明が適用される、立面に利用する建材としては、壁材および窓材が挙げられ、具体的には、外壁、遮音壁等の壁材、窓ガラス等の窓材が好ましい。特に、透明遮音壁、窓ガラスは、基材が透明であり、なめくじ汚れ等の砂塵汚れが目立つため、本発明を好ましく適用できる基材である。
本発明の好ましい態様によれば、基材の表面は、算術平均粗さRaが100nm以下であることが好ましい。このような比較的平滑な表面であれば、表面層の表面粗さを前述の範囲とすることが容易になるからである。
コーティング組成物
本発明によれば、上述の本発明による複合材を製造するためのコーティング組成物が提供される。このコーティング組成物は、基本的に、上述の第一の材料および第二の材料と、そして溶媒とを含んでなる。
本発明によるコーティング組成物が含む第一の材料と、第二の材料とは、既に説明した第一の材料および第二の材料と同一であってよい。
従って、第一の材料は、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形酸化チタンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。本発明において、アルカリシリケートとして、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムを単独か、または複数組み合わせて使用することができる。
また、第一の材料は粒子であることが好ましい。好適な粒子径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、10nm以上100nm以下の個数平均粒径である。粒子の形状は球状が最も良いが、楕円形等の異形状であっても良い。その場合の粒子の長さは、走査型電子顕微鏡で観察される粒子形状の最長径と最短径の和を2で除した値として略算出される。第一の材料を粒子形状として、第二の材料ともに表面層を形成することで、第一の材料と第二の材料とが表面層の表面に分散して存在できる。これにより、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)をより効果的に発現することができる。また、透明な表面層を得ることができる点でも有利である。
また、第二の材料は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、好ましくは、ZrまたはHfを含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。
本発明において、上記の金属を含有する酸化物とは、例えばCr、MnO、Fe、CoO、NiO、CuO、Ga、ZrO、Y、In、HfOなどが挙げられる。また、無機塩の例としては、上記の金属の、オキシ塩化物、ヒドロキシ塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、炭酸アンモニウム塩、炭酸ナトリウム塩、炭酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩などが挙げられる。また、有機塩の例としては、上記金属の、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の加水分解物、キレート化合物などが挙げられる。金属アルコキシド類としては、炭素数1〜8程度のアルコキシル基が金属原子に結合した化合物、例えば、金属原子がZrの場合、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等が挙げられる。また、キレート化合物としては、例えば、β−ケトンエステル錯体、β−ジケトン錯体、エタノールアミン類錯体、ジアルキレングリコール錯体等を用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、第二の材料は、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩とされる。
本発明において、第二の材料が粒子である場合は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、5nm以上100nm以下の個数平均粒径を有する粒子であることが好ましい。第二の材料を粒子形状とし、第一の材料ともに表面層を形成することで、第一の材料と第二の材料とが表面層の表面に分散して存在できる。これにより、所望の水濡れ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)をより効果的に発現することができる。また、透明な表面層を得ることができる点でも有利である。また、第二の材料は、第一の材料を固定するバインダーとしての作用も期待できる。
本発明によるコーティング組成物における第一の材料および第二の材料の配合量は、上述の本発明による複合材の表面層の組成を実現できるものである必要がある。従って、本発明によるコーティング組成物にあっても、第二の材料は、第一の材料の質量と第二の材料の酸化物換算量との質量和に対して、その酸化物換算で、30質量%以上70質量%以下、好ましくは30質量%以上50質量%以下、配合される。
また、好ましい態様によれば、第二の材料は、被膜形成成分に対して、酸化物換算で30質量%以上70質量%以下、好ましくは30質量%以上50質量%以下配合される。ここで、被膜形成成分とは、コーティング組成物から溶媒等の揮発性成分と界面活性剤等の水溶性成分を除外した成分であって、被膜形成成分量は、コーティング組成物の蒸発残量から水溶性成分を除いた量と実質的に等しい値である。
本発明の一つの態様によれば、第一の材料は、その製造工程において第一の材料に変化する前駆体が添加されてもよい。従って、本発明によるコーティング組成物が含むことができる第一の材料およびそれに変化する前駆体としては、シリカ、アルキルシリケート、アルカリシリケート、アルミナ、無定形酸化チタン、過酸化チタン、水酸化アルミニウム、およびベーマイトからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。これらのうち、アルキルシリケートはシリカの前駆体、過酸化チタンは無定形酸化チタンの前駆体、水酸化アルミニウムおよびベーマイトはアルミナの前駆体である。これら前駆体は、被膜形成後に、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、または無定形酸化チタンに変化する。
本発明によるコーティング組成物に配合できるアルキルシリケートとしては、Siアルコキシド類、Siアルコキシド類の加水分解物、Siキレート化合物などが挙げられる。これらの内で、Siアルコキシド類としては、炭素数1〜4程度のアルコキシル基がSi原子に結合した化合物、例えば、Siテトラメトキシド、Siテトラエトキシド、Siテトラn−プロポキシド、Siテトライソプロポキシド、Siテトラn−ブトキシド、Siテトラt−ブトキシド等が挙げられる。また、キレート化合物としては、例えば、β−ケトンエステル錯体、β−ジケトン錯体、エタノールアミン類錯体、ジアルキレングリコール錯体等が挙げられる。
本発明によるコーティング組成物が含む溶媒は、第一の材料および第二の材料を分散または溶解することができ、常温で液体の物質である。その例としては、水、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は組み合わせて用いられる。
また、本発明におけるコーティング組成物は、レベリング剤を含むことが好ましく、その例としては、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングコリールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチレンアルコール等が挙げられる。
本発明によるコーティング組成物は、場合により第一の材料および第二の材料に加え、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、分散剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、レベリング剤、防錆剤、染料、防腐剤等を、それぞれの目的に応じて選択、組み合わせて配合することができる。特に、溶媒に水を用いた場合は、コーティング組成物の濡れ性を向上させるために、各種界面活性剤を配合することができる。
本発明によるコーティング組成物は、第一の材料および第二の材料、並びに他の任意成分を溶媒中に溶解または分散させて得ることができる。各材料は、粉体、溶液、ゾルなどの分散体等、種々の形態のものを組み合わせ、配合して、コーティング組成物とすることができる。
コーティング組成物における固形分濃度は、0.05質量%〜20質量%程度が好ましく、より好ましくは0.05質量%〜10質量%である。固形分濃度は上述した被膜形成成分の濃度と実質的に等しく、具体的には、105℃〜110℃でコーティング組成物を乾燥し、得られた蒸発残量から水溶性成分を除いた量を、コーティング組成物量で除して得ることができる。
複合材の製造方法
本発明による複合材は、上述のコーティング組成物を用いて好ましく製造することが出来る。具体的には、上述のコーティング組成物を基材表面に塗布した後、(a)基材表面を300℃以下で加熱する、(b)常温で乾燥させる、または(c)基材表面を300超過1000℃未満で2〜60秒間加熱することのいずれかの方法で好ましくは形成される。いずれの製造方法においても、加熱しないか、比較的低温の加熱条件が、あるいは短時間での加熱条件とすることで、所望の水ぬれ特性(水滴保持性能と水膜形成性能)を十分に発現する表面層を得ることができる。
基材への塗布は、刷毛、ローラー、またはスプレーによるコート、フローコート、ディップコート、スクリーン印刷、グラビア印刷、等の方法が利用できる。
コーティング液の調製
コーティング液の原料として以下のものを用意した。
第一の材料
・シリカ(水性コロイダルシリカ):平均粒径10nm 固形分含有率30%
第二の材料
・酸化ジルコニウム(水性アモルファスジルコニアゾル): 固形分含有率7.2%
界面活性剤
・シリコン系界面活性剤
以下の実施例および比較例において固形分濃度とは、第一の材料および第二の材料が配合された総量を基準に算出される濃度を示す。
実施例1
水性アモルファスジルコニア、水性コロイダルシリカゾル、およびシリコン系界面活性剤を、溶媒としての水に混合して、固形分濃度0.3質量%となるよう調製してコーティング液を得た。ここでZrOとSiOの質量比は、40:60とした。
比較例1
水性アモルファスジルコニア、水性コロイダルシリカゾル、およびシリコン系界面活性剤を、溶媒としての水に混合して、固形分濃度0.3質量%となるよう調製してコーティング液を得た。ここでZrOとSiOの質量比は、80:20とした。
比較例2
水性アモルファスジルコニア、水性コロイダルシリカゾル、およびシリコン系界面活性剤を、溶媒としての水に混合して、固形分濃度0.3質量%となるよう調製してコーティング液を得た。ここでZrOとSiOの質量比は、20:80とした。
複合材の作製
100mm×200mmのフロートガラス基材を、ガラス基材用研磨剤を用いて研磨し、イオン交換水にて研磨剤を完全に洗い流した。その後、基材を40℃の乾燥機にて30分乾燥させた。上記の実施例1および比較例1〜2のコーティング液を、洗浄したフロートガラス基材にローラーコートし、温度25℃、湿度50%R.H.にて1日乾燥した。その後、基材をイオン交換水に2時間浸漬して界面活性剤を溶出させ、40℃の乾燥機にて30分乾燥させて複合材を得た。基材に対するコーティング液の塗布量は8−10g/m、塗膜の膜厚は20−40nmとなるように複合材の作製を行った。
評価1:水膜形成性試験
以上のようにして得られた実施例1および比較例1〜2のコーティング液にて表面層を形成した複合材に、照射強度を1mW/mに設定したBLBランプ(三共電気社製、製品名 FL20SBL、ピーク波長352nm)にて3日間光照射した。部材表面を地面に対して垂直に傾け、部材表面から10cm離れた所より、蓄圧式スプレー(マルハチ産業社製)にて100mm×200mmの基材全体にイオン交換水を15g噴霧した。評価指標は以下の通りとした。その結果は下記の表1に示されるとおりであった。
A:部材表面の全面に水膜が形成したもの
B:部材表面の一部が水をはじいたもの
C:部材表面の全面が水をはじいたもの
評価2:水滴滑落性試験
以上のようにして得られた実施例1および比較例1〜2のコーティング液にて表面層を形成した複合材に、照射強度を1mW/mに設定したBLBランプ(三共電気社製、製品名 FL20SBL、ピーク波長352nm)にて3日間光照射した。部材を、図1に示すように地面より80°傾斜させて立て、部材表面に5箇所にそれぞれマイクロシリンジを用いて15μLの水滴を付着させ、各5箇所の合計得点より水滴滑落性を評価した。評価指標は以下の通りとし、合計得点を求めた。その結果は下記の表1に示されるとおりであった。
0点:水滴の滑落が2cm未満であった。
1点:2cm以上水滴が滑落した。
2点:4cm以上水滴が滑落した。
3点:6cm以上水滴が滑落した。
4点:8cm以上水滴が滑落した。
5点:10cm水滴が滑落した。
Figure 2013139357

Claims (21)

  1. 基材と、前記基材の表面に形成された表面層とを備えてなる複合材であって、
    前記表面層が、第一の材料と第二の材料とを含んでなり、
    前記第一の材料が、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形チタニアからなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記第二の材料が、前記第一の材料の質量と前記第二の材料の酸化物換算質量との質量和に対して、その酸化物換算で30質量%以上70質量%以下配合されてなる
    ことを特徴とする、複合材。
  2. 前記第二の材料が、前記第一の材料の質量と前記第二の材料の酸化物換算質量との和に対して、その酸化物換算で30質量%以上50質量%以下配合されてなる、請求項1に記載の複合材。
  3. 前記第二の材料が、前記表面層において、その酸化物換算で30質量%以上70質量%以下配合されてなる、請求項1または2に記載の複合材。
  4. 前記第二の材料が、前記表面層において、その酸化物換算で30質量%以上50質量%未満配合されてなる、請求項3に記載の複合材。
  5. 前記第一の材料が、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、10nm以上100nm以下の個数平均粒径を有する粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材。
  6. 前記第二の材料が、ZrまたはHfを含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合材。
  7. 前記第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合材。
  8. 前記第二の材料が、ZrまたはHfを含有する、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩である、請求項7に記載の複合材。
  9. 前記表面層が光触媒材料を含有していない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合材。
  10. 前記基材が、壁材または窓材である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合材。
  11. 第一の材料と、第二の材料と、溶媒とを含んでなるコーティング組成物であって、
    前記第一の材料が、シリカ、アルカリシリケート、アルミナ、および無定形チタニアからなる群から選択される少なくとも一種の化合物及び/又はそれらの前駆体であり、
    前記第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する、酸化物、無機塩、および有機塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記第二の材料が、前記第一の材料の質量と前記第二の材料の酸化物換算質量との質量和に対して、その酸化物換算で30質量%以上70質量%以下配合されてなる
    ことを特徴とする、コーティング組成物。
  12. 前記第二の材料が、前記第一の材料の質量と前記第二の材料の酸化物換算量との質量和に対して、その酸化物換算で30質量%以上50質量%以下配合されてなる、請求項11に記載のコーティング組成物。
  13. 前記第二の材料が、被膜形成成分に対して、その酸化物換算で30質量%を超え70質量%以下配合されてなる、請求項11に記載のコーティング組成物。
  14. 前記第二の材料が、被膜形成成分に対して、その酸化物換算で30質量%を超え50質量%未満配合されてなる、請求項13に記載のコーティング組成物。
  15. 前記第一の材料が、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定することにより算出される、10nm以上100nm以下の個数平均粒径を有する粒子である、請求項11〜14のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  16. 前記第二の材料が、ZrまたはHfを含有する、酸化物、無機塩、および有機塩の群から選択される少なくとも一種の化合物である、請求項11〜15のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  17. 前記第二の材料が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、およびHfの群から選択される少なくとも1種の金属を含有する、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩である、請求項11〜15のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  18. 前記第二の材料が、ZrまたはHfを含有する、非晶質の酸化物若しくは平均結晶子径10nm未満の酸化物粒子、または無機塩である、請求項17に記載のコーティング組成物。
  19. 光触媒材料を含有しない、請求項11〜18のいずれか一項に記載の複合材。
  20. 請求項13〜23のいずれか一項に記載のコーティング組成物を基材表面に塗布した後、(a)前記基材表面を300℃以下で加熱する、(b)常温で乾燥させる、または(c)前記基材表面を300超過1000℃未満で2〜60秒間加熱することにより表面層を形成することを特徴とする、複合材の製造方法。
  21. 請求項20に記載の製造方法によって得られた複合材。
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