JP2013138644A - 薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置に関し、更に詳しくは、チョコレートだけでなく、フルーツソースのように冷凍下で粘性のある材料であっても、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層による層状模様を形成することができる薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するに際し、下記工程を備えてなる薄層ソース含有冷菓の製造方法によって達成する。
(1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
(2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
(3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を折りたたむように積層して収容する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置に関し、更に詳しくは、チョコレートだけでなく、フルーツソースのように冷凍下で粘性のある材料であっても、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成することができる薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置に関する。
従来、アイスクリーム生地にチョコレートやフルーツソース等の異種材料を組み合わせた冷菓としては、例えば、チョコレートでアイスクリーム表面をコーティングしたもの、チョコレートやフルーツソース等をアイスクリーム内部に保持させたもの、層状ケーキのようにチョコレート層とアイスクリーム層が何層も折り重なり連続模様を形成しているもの等が挙げられる。
また、アイスクリーム内部に異種材料を保持させた冷菓には、薄層状のチョコレートが不規則模様を形成している冷菓や、アイスクリームの内部にフルーツソースが柱状に充填された冷菓等がある。しかし、チョコレートの場合は低温で瞬時に硬化する物性を利用して薄層状とすることは可能であったが、フルーツソースの場合は低温で硬化し難い物性のため、アイスクリームの内部に柱状に充填することはできても、薄層状に充填することは困難であった。
薄層状のチョコレート層を有する冷菓に関して、例えば、アイスクリームの内部に薄いチョコレート層が網状又は層状に形成されたチョコレート入りアイスクリームの製造方法が知られている(特許文献1)。この製造方法は、吐出したアイスクリーム生地及びチョコレート生地を下方に配置した容器内に充填する際に、線状に引延しながら落下させて、ノズルや容器を機械的に回転や往復させることなく、両生地の粘度と自重によって、自然に円運動、楕円運動又は往復運動させながら容器内に折り重なるように堆積させるものである。
しかしながら、この製造方法は、アイスクリームの組成や吐出温度によっては、アイスクリームの内部にチョコレートを薄層状に形成することはできても、アイスクリーム表面全体が薄層チョコレートによって被覆されることがあり、内部の層状模様を外観から認識できないという問題点があった。更に、チョコレートをアイスクリーム内に薄層状に形成させることはできても、フルーツソースのように低温で硬化し難いソース類を安定して薄層状にすることは困難であった。
一方、機械的に、吐出冷菓生地を折り重なるように堆積させて異種材料を組み合わせる冷菓に関して、例えば、アイスクリームとこのアイスクリームに充填されるチョコレート等の添加物とを、夫々別々の充填ノズルを水平方向に横スライドさせながら積層して充填して得られる、複雑な模様を持ったマーブル模様が形成されたアイスクリームの製造方法及びその装置が知られている(特許文献2)。
しかしながら、この製造方法は、アイスクリーム充填ノズル2本とチョコレート等の添加物充填ノズル2本の合計4本の充填ノズルの下端部が相互に卍状にクロスしながら隣接して配置され、これら4本のノズルから一度に吐出した生地を横スライドさせながら容器に充填するので、飛散することなく容器に受けるための容器開口を小さくするには制限があり、細いスティック状のバータイプの冷菓を製造することはできなかった。また、この製造装置は、特許文献2の第3図に示すように、6本のシリンダー3が同時に水平方向に横スライドする構造となっているので、一般的な冷菓の充填装置を応用して利用できる装置ではなく、実用性に欠けるという問題点もあった。
また、機械的にノズル等を駆動させ、容器に充填する冷菓の製造方法に関して、例えば、アイスクリーム材料を紐状に吐出するクリーム吐出ノズルを多数本配置した充填バルブを偏心回転させながら、かつ偏心回転の速度を変化させながら容器に充填するアイスクリームの製造方法及びその装置が知られている(特許文献3)。この製造方法は、クリーム吐出ノズルの吐出口先端に近接したソース吐出ノズルよりソースを吐出させることで、アイスクリーム材料の表面にソースを沿わせることができる。
しかしながら、この製造方法は、積層されたアイスクリームの間に適度な空間を形成し、アイスクリーム材料の表面に沿わせたソースは、積層されたアイスクリームの立体的構造を支持するような態勢をとるため、用いるソースはチョコレートに限定され、そしてアイスクリームの内部に薄層状のソース生地層を形成することはできなかった。また、この装置の構造上、カップや可食容器専用の冷菓製造装置であり、スティック状のバータイプの冷菓を製造することはできなかった。更に、充填バルブの偏心回転、偏心回転速度制御装置機構は複雑で、一般的な冷菓の充填装置から応用して利用できる装置ではなく、実用性に欠けるという問題点もあった。
他方、フルーツソース等のソース類を薄層状に保持させた冷菓に関して、例えば、アイスクリームなどの冷菓の内部に、異種の食品からなる添加物が複数層状に充填された多層冷菓が知られている(特許文献4)。この多層冷菓は、特にチョコレートとフルーツソースを層状に充填する場合、複数のチョコレート層が上下に間隔をあけて積層されるとともに、そのチョコレート層の層上または層下にソース生地層がそれぞれ当接するように冷菓の中に充填されており、複数のソース生地層がチョコレート層上または層下に、面状に薄く広がって、冷菓の中央部付近から左右両側の外周部まで伸展しているものである。
しかしながら、この多層冷菓は、チョコレート層なしにソース単独を薄層状に設けることはできないという問題点があった。
特開2002−360179号公報 特開平2−207752号公報 特開平9−172977号公報 特開2011−182765号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置に関し、更に詳しくは、チョコレートだけでなく、フルーツソースのように冷凍下で粘性のある材料であっても、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層による層状模様を形成することができる薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
本発明は、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するに際し、下記工程を備えてなる薄層ソース含有冷菓の製造方法によって前記目的を達成する。
(1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
(2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
(3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を
折りたたむように積層して収容する工程。
好ましくは、更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である。
本発明は、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するための装置であって、冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルが配設され、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する複合生地吐出手段と、該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させ、該複合生地を波状に落下させる複合ノズル反転駆動手段と、該複合ノズルの下流方向に配設され、該複合生地を折りたたむように積層して収容する容器配設部とを備えることを特徴とする薄層ソース含有冷菓の製造装置によって前記目的を達成する。
好ましくは、更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である。
すなわち、本発明者らは、従来の一般的な冷菓の充填装置をそのまま利用して、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を簡単に製造する方法について一連の研究を行った。最初に、従来技術にあるように吐出生地の粘度と自重によって、自然に円運動、楕円運動又は往復運動させながら容器内に折り重なるように堆積させる方法について検討を行ったところ、冷菓の組成や吐出温度によっては、薄層状ソース生地層が冷菓内部の中心部には存在せず冷菓内部でも表層付近に片寄ることや、ソース生地層が冷菓表層全体を被覆して外観から内部の層状模様を認識できないことがあり、また、ソースの種類によっては薄層状のソース生地層を形成できないことを見出した。そこで、従来の一般的な冷菓の充填装置に機械的に最小限の機能を付与することで、冷菓内部で満遍なく層状模様が形成され、外観からでもその層状模様が認識できる薄層ソース含有冷菓を製造することを検討した。その結果、冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを反転させる構造は、容易に増設が可能で、冷菓生地の外周にソース生地が被覆された複合生地を波状に落下させることができ、この複合生地が波状のまま容器内に収容されると、容器内で折りたたむように積層し、ソース生地が如何なる材料であっても、冷菓生地の間に薄層状に積層され、得られる冷菓は、表層をソース生地層が被覆することなく、薄層状のソース生地層と冷菓生地層による美しい層状模様が形成され、その層状模様は外観からも認識できる薄層ソース含有冷菓となることを見出し、本発明に到達した。
本発明の製造方法は、チョコレートだけでなく、フルーツソースのように冷凍下で粘性のあるソース材料であっても、冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層による層状模様が形成された薄層ソース含有冷菓とすることができる。そして、その層状模様は模様状態が美しく、冷菓表層を薄層ソースが被覆することがないので、外観からも認識することができる。
また、本発明に係る薄層ソース含有冷菓は、ソースと冷菓の風味や食感を同時に楽しむことができる。例えば、ソースにチョコレートを用いた場合には、冷菓のソフトな食感と薄層チョコレートのパリパリとした食感とが違和感なく融合しており、フルーツソースを用いた場合には、冷菓とフルーツソースによる異なる2つの風味と、微妙な食感の相違を楽しく味わうことができる。
本発明の製造装置は、従来の一般的な冷菓の充填装置に、簡単に、部分的に増設するだけで操業できるので、極めて実用性が高い。
また、本発明の製造装置は、波状に落下する複合生地が飛散することなく容器配設部の容器内に収容することができるので、小さな開口の容器を使用することができる。
本発明の製造装置の一例を示す説明図 複合生地吐出手段から吐出された複合生地が、波状に落下する状態を示す断面図 容器配設部において容器内に複合生地が収容される状態を示す断面図 本発明の製造方法により得られた薄層ソース含有冷菓の一例を示す説明図 (a)外観斜視図 (b)縦断面図 図1の冷菓生地用ノズルのA−A´における横断面図 (a)スリット形状の吐出口 (b)十文字形状の吐出口 (c)2つの円形形状の吐出口
以下に、本発明の実施の形態に関し、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す説明図である。図において、まず、製造装置11は、冷菓生地用ノズル21の周縁部にソース生地用ノズル31(31a、31b)を付設した複合ノズル12が配設され、冷菓生地用ノズル21から冷菓生地を、ソース生地用ノズル31からソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する複合生地吐出手段16と、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を中心軸(点線部)として、L方向とM方向に複合ノズル12を120〜180°往復反転する複合ノズル反転駆動手段(図示せず)と、複合ノズル12の下流方向Sに配設された容器配設部17とを備えている。
上記複合生地吐出手段16は、複合ノズル12に、冷菓生地供給手段27とソース生地供給手段37とが接続しており、冷菓生地供給手段27から冷菓生地を、ソース生地供給手段37からソース生地を各々ポンプ等の供給装置を介して、複合ノズル12に供給するようになっている。
冷菓生地供給手段27は、フリーザー等の冷菓生地製造装置60、タンク等の冷菓生地収容部61、冷菓生地を複合ノズル12に供給するためのエアシリンダー等の冷菓生地量調整装置62等からなり、ソース生地供給手段37は、タンク等のソース生地収容部63、ソース生地を複合ノズル12に供給するためのエアシリンダー等のソース生地量調整装置64、ジャケット等の温度調節装置65等からなる。
また、複合ノズル12に配設されているソース生地用ノズル31は、同冷菓生地用ノズル21の周縁部に付設されており、その本数は適宜選択すればよい。例えば、図1に示すように、2本のソース生地用ノズル31a、31bをA−A´方向からみて、相対するように配置すると、冷菓の内部に薄層状のソース生地層と冷菓生地層による美しい層状模様を形成できる点で好適である。
次に、複合ノズル反転駆動手段(図示せず)は、モーター等の駆動装置により、複合ノズル12が冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を、地面に対して垂直方向の中心軸(点線部)として、L方向とM方向に交互に60〜90°回転を繰り返すことで、120〜180°往復反転し、また、冷菓生地用ノズル21とソース生地用ノズル31が同時に同じ方向に、同じ角度だけ動くようになっている。この複合ノズル反転駆動手段は、一般的な冷菓の充填装置に、簡単に、部分的に増設するだけで操業できるので、極めて実用性が高い。
容器配設部17は、例えば、図1に示すように、容器13を配設した冷却硬化槽15を備えている。この冷却硬化槽15は液体窒素、プロピレングリコール、ドライアイス等の冷却媒体が収容された槽である。また、容器13は、モールド、紙やプラスチック等のカ
ップ、コーンやモナカ等の可食性容器等が挙げられ、薄層ソース含有冷菓を収容する。
そして、容器13がモールドの場合は、冷却硬化槽15中に浸漬されることにより容器13に収容された薄層ソース含有冷菓を冷却硬化するようになっている。なお、量産化に際しては、容器13が複数配列されたコンベア(図示せず)が冷却硬化槽15内を移動するような構造にすることが望ましい。
また、容器13がカップや可食性容器の場合は、ベルトコンベア(図示せず)上に配列されたカップや可食性容器に薄層ソース含有冷菓を収容し、同時に或いは次工程で冷却硬化するようになっている。
次に、図2及び図3を用いて、本発明の薄層ソース含有冷菓の製造方法について説明する。
図2は、図1の複合生地吐出手段16から吐出された複合生地が、波状に落下する状態を示す断面図である。図3は、図1の容器配設部17において容器13内に複合生地が収容される状態を示す断面図である。
まず、図2に示すように、複合ノズル12に配設された冷菓生地用ノズル21から冷菓生地22を、同じく複合ノズル12に配設されたソース生地用ノズル31からソース生地32を、各々同時に吐出し、冷菓生地22の外周にソース生地32が被覆された複合生地42を形成する。なお、ソース生地用ノズル31は、ソース生地32が冷菓生地22の外周の少なくとも一部を被覆するように配設されている。
次に、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を中心軸(点線部)として、複合ノズル12を120〜180°往復反転しているので、その往復反転の動きに応じて、吐出した複合生地42は、複合ノズル12の下流方向Sに波状に落下する。このように、複合ノズル12の往復反転する機構により、複合生地42を波状に落下させているので、後述する図4(a)に示すように、薄層ソース含有冷菓50の表層全周がソース生地層で被覆されることなく、薄層状のソース生地層と冷菓生地層による層状模様を形成させることができる。
図2に戻り、波状に落下した複合生地42は、複合ノズル12の下流方向Sに図3に示すように配設された容器13内に、折りたたむように積層して収容され、徐々に冷却硬化していくので、冷菓生地層23の間に薄層状のソース生地層33が積層された薄層ソース含有冷菓50となる。なお、本発明では複合ノズル12を往復反転する機構とすることにより、従来の偏心回転する装置のように広い面積で吐出することがない。そのため、波状に落下する複合生地42が飛散せずに容器13内に確実に収容されるので、容器13の開口を直径25〜33mm程度に小さく設定する場合でも、複合生地42が容器13の外に飛散することがなく、図4に示すような細いスティック状のバータイプの冷菓でも製造することができる。
図4は、本発明の製造方法により得られる薄層ソース含有冷菓の一例を示す説明図である。図4(a)は薄層ソース含有冷菓50の外観斜視図、図4(b)はその縦断面図である。図3の薄層ソース含有冷菓50が冷却硬化する前に図4に示すスティック14を挿入し、冷却硬化した後、容器13から薄層ソース含有冷菓50を取り出すと、図4(a)のスティック状のバータイプの薄層ソース含有冷菓50となる。この薄層ソース含有冷菓50は、表層全体に亘って不均一な層状模様が形成されているのみならず、図4(b)に示すとおり、冷菓の内部にまで薄層状のソース生地層33と冷菓生地層23による層状模様を形成しており、見た目も美しく、また、食してもソースと冷菓の風味や食感を同時に楽しめるようになっている。
次に、図5は、図1の冷菓生地用ノズル21のA−A´方向における横断面図であり、冷菓生地用ノズル21の吐出口形状の一例を示す説明図である。21は冷菓生地用ノズル、24(24a、24b、24c)は冷菓生地用ノズル吐出口、25は冷菓生地用ノズル
の吐出口の中心部である。
図5(a)は冷菓生地用ノズル21のスリット形状の吐出口、図5(b)は冷菓生地用ノズル21の十文字形状の吐出口、図5(c)は冷菓生地用ノズル21の2つの円形形状が吐出口となっている例である。なお、図5は、図1に示す複合ノズル12のうち、冷菓生地用ノズル21のみの吐出口の横断面図である。
また、図5では、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を、地面に対して垂直方向の中心軸として、120〜180°往復反転、すなわち、冷菓生地用ノズル21が静止した状態から、点線を始点として、L方向とM方向に交互に60〜90°回転を繰り返すことで往復反転する状態を示している。上述したように、この往復反転は、図1に示す冷菓生地ノズル21とソース生地用ノズル31が同時に同じ方向に、同じ角度だけ動くようになっている。
なお、図5(a)(b)(c)に示すように、冷菓生地用ノズル吐出口24は、スリット形状24a、十文字形状24b及び2つの円形形状24cのような、冷菓生地ノズル21の吐出口の中心部25で中心線を引いた時に線対称移動した相似形状(裏返し相似)とすると、複合生地42を波状に落下させることができる点で好適であり、特に好ましくは、スリット形状24aがより効果的に複合生地42を波状に落下させることができる点で好適である。
更に、冷菓生地用ノズル21内に仕切板を設ける(図示せず)と、異なる2種類の冷菓を吐出することができ、ここで得られる薄層ソース含有冷菓は、2種類の冷菓によるマーブル模様を形成した冷菓の内部に、薄層状のソース生地層を設けることができるため、更に外観や風味のバリエーションが広がる点で好適である。
本発明に係る冷菓生地22は、特に限定されるものではないが、アイスクリーム、シャーベット、冷凍ゼリー、冷凍ムース、冷凍ホイップクリーム、タルトフィ等の、フリージングして気泡を含有させた冷菓等が挙げられる。なお、アイスクリームは、乳成分の含有量等によってアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等に分類されるが、いずれの規格であってもよい。また、上記冷菓生地は、常法によって調製されたものでよく、単独もしくは適宜組み合わせて用いればよいが、上述したようにして2種類の冷菓生地を用いると、2種類の冷菓によるマーブル模様状の冷菓の内部に薄層状のソース生地層を設けることができる。
また、本発明において、冷菓生地用ノズル21から吐出する冷菓生地22の温度が−5〜−2.5℃であることが、ソース生地層を薄層状にする、薄層状ソース生地層と冷菓生地層による優れた層状模様を形成する、ソース生地層と冷菓生地層との食感差を形成する点で好適である。生地の温度が、−5℃より低い場合には、積層された複合生地間に空隙が入り層状模様の均一性が悪くなる傾向があり、−2.5℃より高い場合には、容器内で複合生地が折りたたむように積層されず、ソース生地層が冷菓内部に入らないため、ソース生地層と冷菓生地層による層状模様が乱れる傾向がある。
本発明に係るソース生地32は、チョコレート、ソース類(フルーツソース、チョコレートソース、コーヒーソース、キャラメルソース、シロップ、フルーツペースト、ジャム、練乳等)、吐出温度に関係なく、粘性を有するソースが挙げられる。なお、上記ソース生地は、常法によって調製されたものでよい。また、ソース生地に上記冷菓生地を用いて、2種類の冷菓による層状模様を形成した冷菓とすることもできる。
また、ソース生地用ノズル31から吐出するソース生地32の粘度が500〜1500cPであると、薄層状のソース生地層と冷菓生地層による優れた層状模様を形成することができる点で好適である。
なお、上記粘度(単位;cP)は、芝浦システム株式会社製デジタルビスメトロン粘度
計VDA型を用いて、次のように測定すればよい。まず、300cc容量トールビーカーにソース生地試料300ccを充填し、下記所定の温度に調整してから、下記条件を用いてローターを30秒回転させた直後に測定する。
(チョコレートの場合)
試料温度;40℃
ローター;No.2
回転数;12rpm
(ソース類の場合)
試料温度;10℃
ローター;No.3
回転数;60rpm
(冷菓生地の場合)
試料温度;10℃
ローター;No.2
回転数;60rpm
本発明に係る薄層ソース含有冷菓は、本発明の製造装置を用いて、例えば、次のように製造される。まず、冷菓生地及びソース生地を常法により調製する。次に、図1で示す製造装置11を用いて、冷菓生地用ノズル21から冷菓生地22を、ソース生地用ノズル31からソース生地32を、各々同時に吐出し、冷菓生地22の外周にソース生地32が被覆された複合生地42を波状に落下させる。次に、波状に落下させた複合生地42を容器13内に収容後、冷却硬化すると、冷菓生地層23の間に薄層状のソース生地層33が積層された薄層ソース含有冷菓50を製造することができる。容器13として、モールドを用いた場合は、冷却硬化前にスティックを挿入し、冷却硬化後に容器から冷菓を取り出すとスティック状のバータイプの冷菓を製造することができる。そのほかに、容器として紙やプラスチック等のカップ、コーンやモナカ等の可食性容器を用いるとカップや可食性容器入り冷菓とすることができる。
以下に、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
<実施例1>
(1)冷菓生地として、表1の原料からなるアイスミルク生地を常法により調製した。
Figure 2013138644
(2)ソース生地として、表2の原料からなるチョコレート生地を常法により調製した。
Figure 2013138644
(3)上記アイスミルク生地及びチョコレート生地を用い、上述した製法に基づいて図4に示すような、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有アイスミルクを製造し
た。なお、複合ノズルは図1に示す2本のソース生地用ノズルを相対するように配置したものを用いて、120°往復反転させ、冷菓生地用ノズル吐出口は図5(a)のスリット形状を用いた。複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度は−3.5℃、チョコレート生地の粘度は1000cPであった。
<実施例2>
(3)において、複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度を−4℃とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有アイスミルクを製造した。
<実施例3>
(3)において、複合ノズルの往復反転を180°とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有アイスミルクを製造した。
<実施例4>
(1)を以下のようにする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有シャーベットを製造した。なお、複合ノズルから吐出するシャーベット生地の温度は、−3.7℃であった。
(1)冷菓生地として、表3の原料からなるシャーベット生地を常法により調製した。
Figure 2013138644
<実施例5>
(2)を以下のようにする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層フルーツソース含有アイスミルクを製造した。なお、フルーツソース生地の粘度は900cPであった。
(2)ソース生地として、表4の原料からなるフルーツソース生地を常法により調製した。
Figure 2013138644
<比較例>
(3)において、複合ノズルを往復反転させずに吐出する以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプのチョコレート含有アイスミルクを製造した。なお、複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度は−3.5℃、チョコレート生地の粘度は1000cPであった。
<参考例>
(3)において、複合ノズルを往復反転させずに吐出することと、アイスミルク生地の温度を−4℃とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプのチョコレート含有アイスミルクを製造した。
以上のようにして製造された実施例、比較例及び参考例について、専門パネラー5名で評価した。
評価の結果、実施例1〜5の薄層ソース含有冷菓はいずれも冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層による美しい層状模様を形成し、その層状模様は冷菓表面にも表現されており、外観から認識することができた。また、実施例1〜3の薄層チョコレート含有アイスミルクは、アイスミルクのソフトな食感と薄層チョコレートのパリパリとした食感とが違和感なく融合した好ましい食感を有していた。
実施例4の薄層チョコレート含有シャーベットは、実施例1〜3と同様に美しい層状模様を形成し、その層状模様は冷菓表面にも表現されており、外観から認識することができた。更に、シャーベットのシャリシャリとした食感と薄層チョコレートのパリパリとした食感とが違和感なく融合した好ましい食感を有し、両者が一体化した良好な風味であった。
実施例5の薄層ソース含有アイスミルクは、フルーツソースがアイスミルク内に薄層状で満遍なく分布されており、フルーツソースの塊のみの風味が口中に広がることなく、アイスミルクとフルーツソースによる異なる2つの風味と、微妙な食感の相違を一緒に楽しく味わうことができた。
これに対し、比較例は、冷菓内部では表層近辺に薄片状のチョコレート層はあるが、中心部近辺にはチョコレートが含有されておらず、冷菓表面が薄層状のチョコレート層で被
覆されているため、外観から層状模様を認識することは不可能であった。
また、参考例は、冷菓内部の芯部まで薄層状チョコレート層が層状模様を形成していたが、比較例ほどではないが、冷菓表面を薄層状のチョコレート層が被覆しているため、外観から層状模様を認識し難かった。
11 製造装置
12 複合ノズル
13 容器
14 スティック
15 冷却硬化槽
16 複合生地吐出手段
17 容器配設部
21 冷菓生地用ノズル
22 冷菓生地
23 冷菓生地層
24 冷菓生地用ノズル吐出口
25 冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部
27 冷菓生地供給手段
31 ソース生地用ノズル
32 ソース生地
33 薄層状のソース生地層
37 ソース生地供給手段
42 複合生地
50 薄層ソース含有冷菓
60 冷菓生地製造装置
61 冷菓生地収容部
62 冷菓生地量調整装置
63 ソース生地収容部
64 ソース生地量調整装置
65 温度調節装置

Claims (4)

  1. 冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するに際し、下記工程を備えてなる薄層ソース含有冷菓の製造方法。
    (1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
    (2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
    (3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を折りたたむように積層して収容する工程。
  2. 更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である請求項1記載の薄層ソース含有冷菓の製造方法。
  3. 冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するための装置であって、
    冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルが配設され、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する複合生地吐出手段と、該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させ、該複合生地を波状に落下させる複合ノズル反転駆動手段と、
    該複合ノズルの下流方向に配設され、該複合生地を折りたたむように積層して収容する容器配設部とを備えることを特徴とする薄層ソース含有冷菓の製造装置。
  4. 更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である請求項3記載の薄層ソース含有冷菓の製造装置。
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