JP2013138644A - 薄層ソース含有冷菓の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するに際し、下記工程を備えてなる薄層ソース含有冷菓の製造方法によって達成する。
(1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
(2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
(3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を折りたたむように積層して収容する工程。
【選択図】なし
Description
また、アイスクリーム内部に異種材料を保持させた冷菓には、薄層状のチョコレートが不規則模様を形成している冷菓や、アイスクリームの内部にフルーツソースが柱状に充填された冷菓等がある。しかし、チョコレートの場合は低温で瞬時に硬化する物性を利用して薄層状とすることは可能であったが、フルーツソースの場合は低温で硬化し難い物性のため、アイスクリームの内部に柱状に充填することはできても、薄層状に充填することは困難であった。
しかしながら、この製造方法は、アイスクリームの組成や吐出温度によっては、アイスクリームの内部にチョコレートを薄層状に形成することはできても、アイスクリーム表面全体が薄層チョコレートによって被覆されることがあり、内部の層状模様を外観から認識できないという問題点があった。更に、チョコレートをアイスクリーム内に薄層状に形成させることはできても、フルーツソースのように低温で硬化し難いソース類を安定して薄層状にすることは困難であった。
しかしながら、この製造方法は、アイスクリーム充填ノズル2本とチョコレート等の添加物充填ノズル2本の合計4本の充填ノズルの下端部が相互に卍状にクロスしながら隣接して配置され、これら4本のノズルから一度に吐出した生地を横スライドさせながら容器に充填するので、飛散することなく容器に受けるための容器開口を小さくするには制限があり、細いスティック状のバータイプの冷菓を製造することはできなかった。また、この製造装置は、特許文献2の第3図に示すように、6本のシリンダー3が同時に水平方向に横スライドする構造となっているので、一般的な冷菓の充填装置を応用して利用できる装置ではなく、実用性に欠けるという問題点もあった。
しかしながら、この製造方法は、積層されたアイスクリームの間に適度な空間を形成し、アイスクリーム材料の表面に沿わせたソースは、積層されたアイスクリームの立体的構造を支持するような態勢をとるため、用いるソースはチョコレートに限定され、そしてアイスクリームの内部に薄層状のソース生地層を形成することはできなかった。また、この装置の構造上、カップや可食容器専用の冷菓製造装置であり、スティック状のバータイプの冷菓を製造することはできなかった。更に、充填バルブの偏心回転、偏心回転速度制御装置機構は複雑で、一般的な冷菓の充填装置から応用して利用できる装置ではなく、実用性に欠けるという問題点もあった。
しかしながら、この多層冷菓は、チョコレート層なしにソース単独を薄層状に設けることはできないという問題点があった。
(1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
(2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
(3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を
折りたたむように積層して収容する工程。
また、本発明に係る薄層ソース含有冷菓は、ソースと冷菓の風味や食感を同時に楽しむことができる。例えば、ソースにチョコレートを用いた場合には、冷菓のソフトな食感と薄層チョコレートのパリパリとした食感とが違和感なく融合しており、フルーツソースを用いた場合には、冷菓とフルーツソースによる異なる2つの風味と、微妙な食感の相違を楽しく味わうことができる。
本発明の製造装置は、従来の一般的な冷菓の充填装置に、簡単に、部分的に増設するだけで操業できるので、極めて実用性が高い。
また、本発明の製造装置は、波状に落下する複合生地が飛散することなく容器配設部の容器内に収容することができるので、小さな開口の容器を使用することができる。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す説明図である。図において、まず、製造装置11は、冷菓生地用ノズル21の周縁部にソース生地用ノズル31(31a、31b)を付設した複合ノズル12が配設され、冷菓生地用ノズル21から冷菓生地を、ソース生地用ノズル31からソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する複合生地吐出手段16と、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を中心軸(点線部)として、L方向とM方向に複合ノズル12を120〜180°往復反転する複合ノズル反転駆動手段(図示せず)と、複合ノズル12の下流方向Sに配設された容器配設部17とを備えている。
冷菓生地供給手段27は、フリーザー等の冷菓生地製造装置60、タンク等の冷菓生地収容部61、冷菓生地を複合ノズル12に供給するためのエアシリンダー等の冷菓生地量調整装置62等からなり、ソース生地供給手段37は、タンク等のソース生地収容部63、ソース生地を複合ノズル12に供給するためのエアシリンダー等のソース生地量調整装置64、ジャケット等の温度調節装置65等からなる。
また、複合ノズル12に配設されているソース生地用ノズル31は、同冷菓生地用ノズル21の周縁部に付設されており、その本数は適宜選択すればよい。例えば、図1に示すように、2本のソース生地用ノズル31a、31bをA−A´方向からみて、相対するように配置すると、冷菓の内部に薄層状のソース生地層と冷菓生地層による美しい層状模様を形成できる点で好適である。
ップ、コーンやモナカ等の可食性容器等が挙げられ、薄層ソース含有冷菓を収容する。
そして、容器13がモールドの場合は、冷却硬化槽15中に浸漬されることにより容器13に収容された薄層ソース含有冷菓を冷却硬化するようになっている。なお、量産化に際しては、容器13が複数配列されたコンベア(図示せず)が冷却硬化槽15内を移動するような構造にすることが望ましい。
また、容器13がカップや可食性容器の場合は、ベルトコンベア(図示せず)上に配列されたカップや可食性容器に薄層ソース含有冷菓を収容し、同時に或いは次工程で冷却硬化するようになっている。
図2は、図1の複合生地吐出手段16から吐出された複合生地が、波状に落下する状態を示す断面図である。図3は、図1の容器配設部17において容器13内に複合生地が収容される状態を示す断面図である。
まず、図2に示すように、複合ノズル12に配設された冷菓生地用ノズル21から冷菓生地22を、同じく複合ノズル12に配設されたソース生地用ノズル31からソース生地32を、各々同時に吐出し、冷菓生地22の外周にソース生地32が被覆された複合生地42を形成する。なお、ソース生地用ノズル31は、ソース生地32が冷菓生地22の外周の少なくとも一部を被覆するように配設されている。
次に、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を中心軸(点線部)として、複合ノズル12を120〜180°往復反転しているので、その往復反転の動きに応じて、吐出した複合生地42は、複合ノズル12の下流方向Sに波状に落下する。このように、複合ノズル12の往復反転する機構により、複合生地42を波状に落下させているので、後述する図4(a)に示すように、薄層ソース含有冷菓50の表層全周がソース生地層で被覆されることなく、薄層状のソース生地層と冷菓生地層による層状模様を形成させることができる。
の吐出口の中心部である。
図5(a)は冷菓生地用ノズル21のスリット形状の吐出口、図5(b)は冷菓生地用ノズル21の十文字形状の吐出口、図5(c)は冷菓生地用ノズル21の2つの円形形状が吐出口となっている例である。なお、図5は、図1に示す複合ノズル12のうち、冷菓生地用ノズル21のみの吐出口の横断面図である。
また、図5では、冷菓生地用ノズル21の吐出口の中心部25を、地面に対して垂直方向の中心軸として、120〜180°往復反転、すなわち、冷菓生地用ノズル21が静止した状態から、点線を始点として、L方向とM方向に交互に60〜90°回転を繰り返すことで往復反転する状態を示している。上述したように、この往復反転は、図1に示す冷菓生地ノズル21とソース生地用ノズル31が同時に同じ方向に、同じ角度だけ動くようになっている。
なお、図5(a)(b)(c)に示すように、冷菓生地用ノズル吐出口24は、スリット形状24a、十文字形状24b及び2つの円形形状24cのような、冷菓生地ノズル21の吐出口の中心部25で中心線を引いた時に線対称移動した相似形状(裏返し相似)とすると、複合生地42を波状に落下させることができる点で好適であり、特に好ましくは、スリット形状24aがより効果的に複合生地42を波状に落下させることができる点で好適である。
また、ソース生地用ノズル31から吐出するソース生地32の粘度が500〜1500cPであると、薄層状のソース生地層と冷菓生地層による優れた層状模様を形成することができる点で好適である。
計VDA型を用いて、次のように測定すればよい。まず、300cc容量トールビーカーにソース生地試料300ccを充填し、下記所定の温度に調整してから、下記条件を用いてローターを30秒回転させた直後に測定する。
(チョコレートの場合)
試料温度;40℃
ローター;No.2
回転数;12rpm
(ソース類の場合)
試料温度;10℃
ローター;No.3
回転数;60rpm
(冷菓生地の場合)
試料温度;10℃
ローター;No.2
回転数;60rpm
(1)冷菓生地として、表1の原料からなるアイスミルク生地を常法により調製した。
た。なお、複合ノズルは図1に示す2本のソース生地用ノズルを相対するように配置したものを用いて、120°往復反転させ、冷菓生地用ノズル吐出口は図5(a)のスリット形状を用いた。複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度は−3.5℃、チョコレート生地の粘度は1000cPであった。
(3)において、複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度を−4℃とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有アイスミルクを製造した。
(3)において、複合ノズルの往復反転を180°とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有アイスミルクを製造した。
(1)を以下のようにする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層チョコレート含有シャーベットを製造した。なお、複合ノズルから吐出するシャーベット生地の温度は、−3.7℃であった。
(1)冷菓生地として、表3の原料からなるシャーベット生地を常法により調製した。
(2)を以下のようにする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプの薄層フルーツソース含有アイスミルクを製造した。なお、フルーツソース生地の粘度は900cPであった。
(2)ソース生地として、表4の原料からなるフルーツソース生地を常法により調製した。
(3)において、複合ノズルを往復反転させずに吐出する以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプのチョコレート含有アイスミルクを製造した。なお、複合ノズルから吐出するアイスミルク生地の温度は−3.5℃、チョコレート生地の粘度は1000cPであった。
(3)において、複合ノズルを往復反転させずに吐出することと、アイスミルク生地の温度を−4℃とする以外は、実施例1と同様に行い、スティック状のバータイプのチョコレート含有アイスミルクを製造した。
実施例4の薄層チョコレート含有シャーベットは、実施例1〜3と同様に美しい層状模様を形成し、その層状模様は冷菓表面にも表現されており、外観から認識することができた。更に、シャーベットのシャリシャリとした食感と薄層チョコレートのパリパリとした食感とが違和感なく融合した好ましい食感を有し、両者が一体化した良好な風味であった。
実施例5の薄層ソース含有アイスミルクは、フルーツソースがアイスミルク内に薄層状で満遍なく分布されており、フルーツソースの塊のみの風味が口中に広がることなく、アイスミルクとフルーツソースによる異なる2つの風味と、微妙な食感の相違を一緒に楽しく味わうことができた。
覆されているため、外観から層状模様を認識することは不可能であった。
また、参考例は、冷菓内部の芯部まで薄層状チョコレート層が層状模様を形成していたが、比較例ほどではないが、冷菓表面を薄層状のチョコレート層が被覆しているため、外観から層状模様を認識し難かった。
12 複合ノズル
13 容器
14 スティック
15 冷却硬化槽
16 複合生地吐出手段
17 容器配設部
21 冷菓生地用ノズル
22 冷菓生地
23 冷菓生地層
24 冷菓生地用ノズル吐出口
25 冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部
27 冷菓生地供給手段
31 ソース生地用ノズル
32 ソース生地
33 薄層状のソース生地層
37 ソース生地供給手段
42 複合生地
50 薄層ソース含有冷菓
60 冷菓生地製造装置
61 冷菓生地収容部
62 冷菓生地量調整装置
63 ソース生地収容部
64 ソース生地量調整装置
65 温度調節装置
Claims (4)
- 冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するに際し、下記工程を備えてなる薄層ソース含有冷菓の製造方法。
(1)冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルを配設し、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する工程。
(2)該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させることで、該複合生地を波状に落下する工程。
(3)該複合ノズルの下流方向に配設された容器内に、上記波状落下により該複合生地を折りたたむように積層して収容する工程。 - 更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である請求項1記載の薄層ソース含有冷菓の製造方法。
- 冷菓の内部で薄層状のソース生地層と冷菓生地層が層状模様を形成する薄層ソース含有冷菓を製造するための装置であって、
冷菓生地用ノズルの周縁部にソース生地用ノズルを付設した複合ノズルが配設され、該冷菓生地用ノズルから冷菓生地を、該ソース生地用ノズルからソース生地を各々吐出して、該冷菓生地の外周に該ソース生地が被覆された複合生地を形成する複合生地吐出手段と、該冷菓生地用ノズルの吐出口の中心部を中心軸として、該複合ノズルを120〜180°往復反転させ、該複合生地を波状に落下させる複合ノズル反転駆動手段と、
該複合ノズルの下流方向に配設され、該複合生地を折りたたむように積層して収容する容器配設部とを備えることを特徴とする薄層ソース含有冷菓の製造装置。 - 更に、冷菓生地用ノズルの吐出口が、該吐出口の中心線で線対称の相似形状である請求項3記載の薄層ソース含有冷菓の製造装置。
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