JP2013138173A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】溶液プロセスにおいて半導体特性に優れ、均質で高い発光量子収率を有する発光性有機薄膜を得る。
【解決手段】下記一般式(I)で示されるπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素を含有している溶液からなる塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程と、外部刺激を与えて脱離成分を脱離し、前記π電子共役系化合物前駆体A−(B)mをπ電子共役化合物A−(C)mと脱離性置換基X−Yに変換する工程を具備することを特徴とする発光性有機膜の製造方法。
Figure 2013138173

(ここでAはπ電子共役系置換基であり、Bは溶媒可溶性置換基である。mは自然数である。Cは炭素2重結合構造を少なくとも部分構造として有する。また、上記一般式(I)中、X,Yのうち一方は水素原子もしくは脱離性置換基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とそれによって得られる発光性有機薄膜に関し、特に有機半導体材料および有機EL素子などの有機電子デバイス等において有用である。
有機半導体材料は、その多彩な光学特性と電気特性のためオプトエレクトロニクス材料として近年大きな注目を集め、活発な研究開発が行われている。特に、発光性有機半導体を用いた発光デバイスである有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)素子は、有機物に電界を印加することによって注入された正孔と電子が、有機分子上で再結合して励起子を生成し、その輻射失活によって発光するという現象を利用したデバイスであり、テレビや携帯端末などの表示装置や、さらには照明用光源などへの応用が期待されている。
このため、有機EL素子を低電圧で駆動する技術や、有機EL素子の発光効率を高めるための様々な技術の開発が進められている。
有機EL素子は、たとえば、インジウム−スズ酸化物(以下、ITO)などの透明電極とアルミニウムなどの金属電極との間に、複数の有機薄膜層が形成されることで構成される。
当該有機層は発光材料(発光層)を含み、当該発光材料は透明電極と金属電極を介して電圧が印加される構造となっている。上記の透明電極と金属電極との間に電圧が印加されると、印加電界の向きに従って、透明電極から正孔が、金属電極から電子が注入され、電子とホールは発光材料中で再結合し、発光が生じる。
有機EL素子における理論発光効率は、光取り出し効率・キャリア再結合効率・励起子生成効率・発光量子収率の積により与えられ、実用に耐えうる高い発光効率を有する有機EL素子を製造するためには、発光層として用いられる有機発光色素の発光量子収率を高めることが重要な技術課題となっている。しかしながら、有機発光性色素は高濃度条件において、濃度消光と呼ばれる発光量子収率の顕著な低下を示す。これは、近接分子間において励起エネルギーの移動や光の自己吸収が生じるため(非特許文献1のAppl. Phys. Lett. 86, 071104 (2005)参照)である。
従って、有機EL素子における発光層としては、一般的には、有機発光性色素(ゲスト)を光学的不活性媒体(以下、ホスト)中に低濃度で分散させた固体状態で使用される。ここでホスト材料としては、当該有機発光性色素のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーギャップを有する材料が一般的に使用される。また、リン光材料の場合、ゲスト分子の最低三重項準位よりも高い準位を有するホストが効率の観点から一般的に使用される。
発光性有機薄膜の製造方法としては、例えば、次の二種類の方法が考えられる。
(1)蒸着分散型薄膜:有機発光色素材料をゲスト材料として、低分子材料からなるホスト材料中に分散させて発光性有機薄膜を形成する。前記発光性有機薄膜は、たとえば、真空蒸着法により成膜する。(特許文献1の特開2000−068057号公報、特許文献2の特開2010−034484号公報参照)。
(2)高分子分散型薄膜:有機発光色素材料をゲスト材料として高分子材料からなるホスト材料に分散させて発光性有機薄膜を形成する。前記発光性有機薄膜は、たとえば、塗布法により成膜する。(特許文献3の特開2007−305783号公報参照)
しかし、上記の手法ではいずれも問題点があった。まず、蒸着分散型薄膜では、ゲスト分子のドーピング濃度を適切に制御するために、ゲスト分子ならびにホスト分子の蒸着速度を厳密に調整するための高度な蒸着速度制御技術が必要である。またさらに、照明用光源としての白色光を得るためには、複数の赤色、緑色および青色を呈する有機発光色素材料を同時に蒸着によりドーピングすることが必要であるため、複数のゲスト分子の蒸着速度をホスト分子の蒸着速度とともに厳密に制御する必要がある。これは非常に困難であり、実用性ならびに生産性が高いとは言いがたい。またそのための開発コストおよび開発時間が多くかかり、塗布や印刷などの簡便なプロセスで薄膜を形成できるという有機半導体材料への期待に応えるものではない。一方、高分子分散型薄膜では、塗布法を用いるので、ゲスト材料及びホスト材料の蒸着速度をそれぞれ厳密に調整する必要がなくなり、製造プロセスを簡素化することができる。また、前記、高分子分散法などの湿式成膜法は真空プロセスが要らず、大面積化が容易で、1つの層(塗布液)に様々な機能をもった複数の材料を混合して入れることが容易である等の利点がある。
しかしながら、これら湿式成膜法は積層化が困難であるため、真空蒸着法による素子に比べて駆動安定性に劣り、一部を除いて実用レベルに至っていないのが現状である。湿式成膜法での積層化の方法として、有機溶媒に不溶な高分子と水系溶媒を用いて一層目を成膜し、その上に有機溶媒を用いて二層目を成膜することが行われているが、三層以上の積層化は困難であった。さらに、高分子分散型薄膜では、加熱処理等により高分子材料と低分子材料間において相分離が生じてしまい、均一な分散が困難であることや、その発光効率が低分子材料を用いた素子と比較して低いという問題があった。いずれにしても、「均質さ」と「高発光量子効率」とを同時に満たすことがEL素子において必要であるのは言うまでもない。
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、溶液プロセスにおいて半導体特性に優れ、均質で高い発光量子収率を有する発光性有機薄膜を得ることを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも、下記一般式(I)で示される変換反応工程を含む製造方法により得られる有機膜を含む発光性有機薄膜の場合、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の(1)〜(8)に記載の「発光性有機膜」、「その製造方法」、及び「有機エレクトロルミネッセンス素子、例えば有機電子デバイス」を包含する。
(1)「下記一般式(I)で示されるπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素を含有している溶液からなる塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程と、外部刺激を与えて脱離成分を脱離し、前記π電子共役系化合物前駆体A−(B)mをπ電子共役化合物A−(C)mと脱離性置換基X−Yに変換する工程を具備することを特徴とする発光性有機膜の製造方法;
Figure 2013138173
Figure 2013138173
Figure 2013138173
(ここでAはπ電子共役系置換基であり、Bは上記一般式(II)で表される構造を少なくとも部分構造として有している溶媒可溶性置換基である。mは自然数である。Cは上記一般式(III)で示されている構造を少なくとも部分構造として有している。RからRは水素原子または置換基であり、互いに環状を形成していてもよく、Aと共有結合を介して環状を形成していてもよい。また、上記一般式(I)〜(III)中、X,Yのうち一方は水素原子もしくは脱離性置換基を表し、m>2の場合、XまたはYの脱離性置換基は互いに同一であっても異なっていても良く、互いに結合して環を形成していても良い。
ただし、Bは上記一般式(I)中、A上の任意の原子と共有結合を介して連結している。)」。
(2)「上記π電子共役系化合物前駆体A−(B)mは、該前駆体が有する溶媒可溶性置換基Bが下記一般式(II−1)及び一般式(II−2)からなる群から選ばれた置換基を含むものであり、また、上記π電子共役系化合物A−(C)mは該π電子共役系化合物に生じた上記部分構造Cが下記一般式(III−1)、(III−2)及び(III−3)からなる群から選ばれた部分構造を含むものであることを特徴とする前記(1)項に記載の発光性有機膜の製造方法;
Figure 2013138173
Figure 2013138173
Figure 2013138173
(一般式(II−1)、(II−2)、(III−1)、(III−2)、(III−3)中、XおよびY、(XとX)および(YとY)は水素原子もしくは脱離性置換基を表し、該XおよびYのうち一方、(XとX)および(YとY)のうち一方は脱離性置換基であり、他方は水素原子である。脱離性置換基XまたはY、(XとX)または(YとY)は、置換されていてもよい炭素数1以上の、[エーテル基またはアシルオキシ基]である。Q乃至Qは水素原子、ハロゲン原子または前記脱離性置換基以外の有機基であり、それぞれ結合して環を形成していてもよい。)」。
(3)「前記発光性有機膜が、発光性色素と、前記発光性色素よりも短波長側に発光を示すπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mを含有することを特長とする前記(1)項又は(2)項に記載の発光性有機膜の製造方法」。
(4)「前記π電子共役化合物前駆体A−(B)mと前記発光性色素の混合比率の違いにより、脱離反応後に生成するπ電子共役化合物の混合比に差を生じさせることで、発光性色素のドーピング濃度を決定することを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の発光性有機膜の製造方法」。
(5)「前記発光性色素が、前記有機膜と同様に、下記一般式(II)で示される可溶性基BのX−Y置換基の脱離を伴う置換基Cへの変換によって得られることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の発光性有機膜の製造方法;
Figure 2013138173
Figure 2013138173
Figure 2013138173
(ここで、A−(B)m、A−(C)m、X、Y、R、R及びRは、上記定義と同じ意味を表わす)。
(6)「前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の製造方法により製造された発光性有機薄膜」。
(7)「前記(6)項に記載の発光性有機薄膜を用いた有機電子デバイス」。
(8)「有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする前記(7)項に記載の有機電子デバイス」。
以下の詳細かつ具体的な説明からよく理解されるように、本発明によれば、ドーピング濃度の制御された、複数のπ電子共役化合物前駆体材料の塗工溶液を用いて例えば印刷等の塗工工程で前駆体膜を形成し、これに熱や光などの外部エネルギーを付与することによって、低溶解性分子に変換されたホスト材料中に発光性有機ゲスト分子が均一かつ厳密に制御された濃度でドーピングされた半導体膜を得ることができるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明の有機EL素子の好適実施形態を示す模式図である。 本発明により得られたπ電子化合物(C)と(D)からなる発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルである。 本発明により得られたπ電子化合物(D)と(E)からなる発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルである。 本発明により得られたπ電子化合物(E)と(G)からなる発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルである。 本発明により得られたπ電子化合物(H)と(G)からなる発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルである。 本発明により得られたπ電子化合物(E)と(H)と(G)からなる発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルである。 発光層として、本発明のπ電子化合物(H)と(G)からなる前駆体型ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を用いた有機EL素子の電圧と電流密度の関係の関係を示したグラフである。 発光層として、本発明のπ電子化合物(H)と(G)からなる前駆体型ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を用いた有機EL素子の電圧と輝度の関係の関係を示したグラフである。 発光層として、本発明のπ電子化合物(H)と(G)からなる前駆体型ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を用いた有機EL素子の電流密度が10mA/cmのときにおけるELスペクトルを示したグラフである。 発光層として、π電子化合物(H)と(G)からなるホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を真空蒸着法により得た有機EL素子の電圧と電流密度の関係の関係を示したグラフである。 発光層として、π電子化合物(H)と(G)からなるホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を真空蒸着法により得た有機EL素子の電圧と輝度の関係の関係を示したグラフである。 発光層として、π電子化合物(H)と(G)からなるホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を真空蒸着法により得た有機EL素子の電流密度が10mA/cmのときにおけるELスペクトルを示したグラフである。
以下、本発明について実施の形態を示して、説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
[1.π電子共役化合物前駆体および該化合物から得られるπ電子共役系化合物]
本発明で用いられるπ電子共役系化合物の特長は、特定の溶媒可溶性置換基を有する「π電子共役化合物前駆体」に対して、外部刺激を加え特定の置換基を脱離させることにより、π電子共役系化合物を得られることが特徴であり、π電子共役化合物前駆体は単に前駆体とも略記される。前記「π電子共役化合物前駆体」はA−(B)mで表される。式中、Aはπ電子共役系置換基であり、Bは前記一般式(I)で表される構造を少なくとも部分構造として有している溶媒可溶性置換基であり、mは自然数である。ただし、溶媒可溶性置換基Bは上記一般式(I)中、XまたはYの置換位置の炭素原子を除くπ電子共役系置換基A上の任意の原子と共有結合を介して連結しているか、π電子共役系置換基A上のXまたはYの置換位置の炭素原子を除く任意の炭素原子と縮環している。
これに外部刺激を加えることにより、溶媒可溶性置換基Bは特定の脱離性置換基XおよびYをXYの形で脱離し、代わりに一部がオレフィンに還元された置換基Cへと変換されるとともに、前記一般式(II)のπ電子共役系化合物A−(C)mで表されるπ電子共役化合物が得られる。
より詳細に説明すると、本発明で用いられるπ電子共役系化合物前駆体は、π電子共役系置換基であるAに、溶媒可溶性置換基Bがm個結合した構造をしており、各溶媒可溶性置換基Bは、それぞれ、可溶性を担保していた脱離性置換基X、Yのペアを有している。
すなわち、上記一般式(I)は、次の一般式(I−2)で表わすことができる。ここで、溶媒可溶性置換基Bおよびオレフィン性部位含有置換基Cは下記一般式(II−4)および(III)で表される。
Figure 2013138173
ここでB、B、B・・・・Bの記述はそれぞれが異なる溶媒可溶性置換基を有していることを示す。つまり、A−(Bm、A−(B、・・・A−(Bはそれぞれが異なるπ電子共役系化合物前駆体であり、それぞれが異なる脱離性置換基X−Y、X−Y、・・・X−Yを有している。
Figure 2013138173
Figure 2013138173
ここでAはπ電子共役系置換基であり、Bは上記一般式(II−4)で表される構造を少なくとも部分構造として有している溶媒可溶性置換基である。基Bにおけるnは、好ましくは、2以上(つまり、−C(R)X−C(R)Y−R構造部分が2以上)の整数であり、mは自然数である。Cは上記一般式(III)で示されている構造を少なくとも部分構造として有している。RからRは水素原子または置換基であり、互いに環状を形成していてもよい。
上記一般式(I−2)〜(III)中、X,Yのうち一方は水素原子であり、他方は置換または無置換の炭素数1以上のアシルオキシ基またはアルコキシ基またはハロゲン原子である。XまたはYのアシルオキシ基またはアルコキシ基またはハロゲン原子は互いに同一であっても異なっていても良く、環状の前記アシルオキシ基またはアルコキシを基形成していても良い。
ただし、Bは上記一般式(I−2)中、A上の任意の原子と共有結合を介して連結している。
またはYで示される置換基の例としては、水素原子、炭素数1以上の置換もしくは無置換のアシルオキシ基が挙げられる。
置換もしくは無置換のアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2以上のハロゲン原子を含んでいても良い直鎖または環状の脂肪族カルボン酸および炭素数4以上の芳香族カルボン酸等のカルボン酸由来のアシルオキシ基が挙げられる。具体的には、例えばホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピオニルオキシ、ペンタフルオロプロピオニルオキシ、シクロプロパノイルオキシ、シクロブタノイルオキシ、シクロヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
またはYで示される置換基の例としては、水素原子、炭素数1以上の置換もしくは無置換のアルコキシ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基などが挙げられる。
置換アルコキシ基としては、例えば、フルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロエチル、2,2−ジクロロエチル、1−クロロエチル、2−ブロモエチル、3−フルオロエチル、3−クロロプロピル、2−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、4−クロロブチル、5−クロロペンチル、6−クロロヘキシル基などが例示される。
シクロアルキル基には、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基などが含まれる。アリール基としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル、フェナントリル基などが挙げられる。アラルキル基には、例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル基などが含まれる。
またはYで示される置換基の例としては、水素原子、ハロゲン原子が挙げられるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、前記一般式(II)乃至(III)においてR乃至Rで示される置換基の例としては、水素原子、アルキル基[直鎖または分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表わし、これらは、アルキル基(好ましくは置換または無置換の炭素数1以上のアルキル基)であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデカン基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロオクチル基、トリフルオロドデシル基、トリフルオロオクタデシル基、2−シアノエチル基)、シクロアルキル基(好ましくは置換または無置換の炭素数3以上のアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、ペンタフルオロシクロヘキシル基)が含まれ、以下に説明する置換基においても、アルキル基は上記概念のアルキル基を示す]、
アルケニル基[直鎖または分岐または環状の置換または無置換のアルケニル基を表わし、それらは、アルケニル基(好ましくは置換または無置換の炭素数2以上のアルケニル基であり、上記した炭素数2以上のアルキル基の任意の炭素―炭素単結合を1つ以上二重結合としたものが挙げられ、例えばエテニル基(ビニル基)、プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1―ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、1,1,1−トリフルオロ−2−ブテニル基)、シクロアルケニル基(上記した炭素数2以上のシクロアルキル基の任意の炭素−炭素単結合を1つ以上二重結合としたものがあげられ、例えば、1−シクロアリル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、2−シクロヘプテニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロヘプテニル基、3−フルオロ−1−シクロヘキセニル基等が挙げられるが、なお、該アルケニル基はトランス(E)体及びシス(Z)体等の立体異性体が存在する場合は、その何れであってもよく、またそれらの任意の割合の混合物であってもよい。]、
アルキニル基(好ましくは置換または無置換の炭素数2以上のアルキニル基であり、上記した炭素数2以上のアルキル基の任意の炭素−炭素単結合を1つ以上三重結合としたものが挙げられ、例えば、エチニル基、プロパギル基、トリメチルシリルエチニル基、トリイソプロピルシリルエチニル基が挙げられる)、
アリール基(好ましくは置換または無置換の炭素数6以上のアリール基であり、例えば、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、p−クロロフェニル、p−フルオロフェニル、p−トリフルオロフェニル、ナフチル等が挙げられる)、
ヘテロアリール基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族性もしくは非芳香族性のヘテロ環化合物であり、例えば、2−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−チエノチエニル、−2−ベンゾチエニル2−ピリミジル等が挙げられる)、
アミノ基[好ましくは、アミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)等が挙げられる)]が挙げられる。
前記一般式(I)および(II)において、アシルオキシ基XまたはYは下記一般式(VII)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2013138173
(ここで、Rは、水素原子、置換若しくは無置換の一価有機基を表す。)
置換若しくは無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアルコキシル基、置換または無置換のチオアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロアリール基、シアノ基、が好ましい。
m>2の場合には下記一般式(VII−1)のような、環状のアシルオキシ基を有する構造を取ることが可能であり、XまたはYの位置で置換され、環を形成している。
Figure 2013138173
前記R40は前述のRから誘導される二価基であるが、その中においても、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアルコキシル基、置換または無置換のチオアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロアリール基が特に好ましく、より好ましくは置換または無置換のアルキル基である。
前記一般式(I)および(II)において、アルコキシ基XまたはYは下記一般式(VIII)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2013138173
ここで、Rはアルキル基である。
m>2の場合には下記一般式(VIII−1)のような、環状のアルコキシ基を有する構造を取ることが可能であり、XまたはYの位置で置換され、環を形成している。
Figure 2013138173
前記Rの範囲は前述のとおりであるが、その中においても、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロアリール基が特に好ましく、より好ましくは置換または無置換のアルキル基である。
脱離成分X−Yとしては前記アシルオキシ基を構成する置換基の−O−結合部位を切断し末端に水素を置換した対応するカルボン酸があげられる(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸、ペンタフルオロプロピオン酸、シクロプロパン酸、シクロブタン酸、シクロヘキサン酸、安息香酸、p−メトキシ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸などが挙げられる。)
上記一般式(VIII)における置換基Rには特に制限はないが、溶媒可溶性や成膜製という観点からは、置換基としてある程度分子間相互作用を減少し、溶媒との親和性を高めるようなものであることが有利になってくるが、置換基の脱離前後における体積変化があまりに著しいと脱離反応における薄膜の均一性に問題が生じることが懸念されるため、適度な溶解性を維持しつつできるだけ小さい置換基である方が好ましい。
上記π電子共役系置換基Aとしては、π電子共役平面を有するものであればいかなるものであっても良いが、具体的にはベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環が好ましく、より好ましくは、
(i)1つ以上の前記芳香族炭化水素環および芳香族ヘテロ環、または前記環同士が縮環された化合物、
(ii)(i)の環同士が共有結合を介して連結された化合物、
上記(i)および(ii)より形成される群から少なくとも一つ以上選択される組み合わせで選ばれるπ電子共役系化合物、が好ましく、それらの芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環がそれぞれ有するπ電子が、縮環及び共有結合を介した連結による相互作用によって縮環または連結環全体に非局在化した構造であることが好ましい。
縮環または共有結合で連結された芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環の数は2以上が好ましく、具体的には、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、クリセン、ピレン、ペンタセン、チエノチオフェン、チエノジチオフェン、トリフェニレン、ヘキサベンゾコロネン、ベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン、[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(BTBT)、ジナフト[2,3−b:2’,3’−f][3,2−b]チエノチオフェン(DNTT)、ベンゾジチエノチオフェン(TTPTT)などの縮合多環化合物、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、ビチオフェン、ターチオフェン、クォーターチオフェンなどのような芳香族炭化水素環および芳香族ヘテロ環のオリゴマー、フタロシアニン類、ポルフィリン類などが挙げられる。
前記溶媒可溶性置換基Bとしては、一般式(I)で表した構造を部分的に含むものであれば特に制限はされない。また、m>2の場合、RからRは互いに環状を形成することができる。環状を形成する好ましい例として、シクロヘキセン構造を部分的に有する構造が挙げられる。この場合、一般式(I)、(II)、(III)は、それぞれ以下の一般式(IX)、(X)、(XI)のように表すことができる。
Figure 2013138173
ここでB、B、B・・・・Bの記述はそれぞれが異なる溶媒可溶性置換基を有していることを示す。
Figure 2013138173
Figure 2013138173
(ここでAはπ電子共役系置換基であり、B’は上記一般式(X)で表される構造を少なくとも部分構造として有している溶媒可溶性置換基である。nは2以上の整数であり、mは自然数である。
ただし、B’は上記一般式(X)中、(Xn−1,Xn−2),(Yn−1,Yn−2)の置換位置の炭素原子を除くA上の任意の原子と共有結合を介して連結しているか、A上の(Xn−1,Xn−2),(Yn−1,Yn−2)の置換位置の炭素原子を除く任意の炭素原子と縮環している。C’は上記一般式(XI)で表される構造を少なくとも部分構造として有している。
上記一般式(IX)および(X)中、(Xn−1,Xn−2)、(Yn−1,Yn−2)のうち少なくともいずれか一対はともに水素原子であり、残りの一対はともに置換または無置換の炭素数1以上のアシルオキシ基またはアルコキシ基またはハロゲン原子である。また、(Xn−1,Xn−2)または(Yn−1,Yn−2)の一対の前記アシルオキシ基またはアルコキシ基またはハロゲン原子は互いに同一であっても異なっていても良く、環状の前記アシルオキシ基または前記アルコキシ基を形成していても良い。R乃至Rは水素原子または置換基である。
ただし、(Xn−1,Xn−2)が前記アシルオキシ基または前記アルコキシ基であるとき、(Yn−1,Yn−2)は水素原子であり、(Yn−1,Yn−2)が前記アシルオキシ基またはアルコキシ基であるとき(Xn−1,Xn−2)は水素原子である。)。
さらに、一般式(I)中、m>2でRからRが互いに環状を形成する場合、構造B’の一例としては下記のような構造が挙げられる。
これら本発明で用いるπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mは、特開2011−21370号公報記載の方法、化合物(B)自体の製造方法は、特願2011−213705号明細書記載の方法により、合成することができる。具体的合成法は、後程実施例の箇所で詳述する。
Figure 2013138173
これらはR乃至Rおよび(Xn−1,Xn−2)、(Yn−1,Yn−2)の置換位置の炭素原子以外であればπ電子共役系置換基Aと縮環または共有結合を介して連結され得る。
前記したπ電子共役系置換基Aと、溶媒可溶性置換基Bを組み合わせることでできるA−(B)mの具体的な構造として下記の化合物群を例示するが、本発明におけるπ電子共役系化合物前駆体はこれらに限定されるものではない。また、溶媒可溶性置換基Bにはアシルオキシ基またはアルコキシ基の立体異性体が複数存在することが容易に推察でき、下記化合物はそれら立体配置の異なる異性体の混合物であることも推察される。
Figure 2013138173
Figure 2013138173
Figure 2013138173
前記前駆体A−(B)mに外部エネルギーを印加することにより、後述の脱離反応を起こし、特定の置換基を脱離することで、π電子共役系化合物A−(C)mを含む膜状体、並びに該化合物を得ることができる。
以下に、前記具体例に示したA−(B)mから製造されるA−(C)mの具体例を以下に示すが、本発明におけるπ電子共役系化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013138173
Figure 2013138173
Figure 2013138173
[2.π電子共役化合物前駆体の脱離反応による発光性π電子共役系化合物薄膜の製造方法]
本発明で用いるπ電子共役化合物前駆体の脱離反応による発光性π電子共役系化合物薄膜の製造方法について詳細に説明する。
本発明で用いる製造方法の場合、プラスチックス、金属、シリコンウエハ、ガラス等の基質(支持体)上に、例えば塗工により形成された前駆体含有膜中に含まれるπ電子共役化合物前駆体A−(B)mは、X−Yで示される脱離成分を脱離し、オレフィン構造を有する化合物A−(C)mへと変換する。
本発明で用いられるπ電子共役化合物前駆体A−(B)mは、ホストπ電子共役化合物およびゲストπ電子共役化合物(発光性色素)の製造において好ましく用いられる。有機膜の主成分がホストπ電子共役化合物であるため、ホストπ電子共役化合物のみがπ電子共役化合物前駆体A−(B)mにより製造されていても、本発明の効果を得ることができる。但し、ゲスト成分が1wt%以上ドーピングされた場合には、ゲストπ電子共役化合物(発光性色素)もπ電子共役化合物前駆体A−(B)mにより製造されることにより、より好ましく本発明の効果を得ることができる。
この変換過程において、複数含まれるπ電子共役化合物前駆体A−(B)mの混合比率の違いにより、それぞれの脱離反応後に生成するπ電子共役化合物の混合比に差が生じる。ここ高濃度で含まれるπ電子共役化合物前駆体をA−(B)mとし、前記A−(B)mよりも低濃度で含まれるπ電子共役化合物前駆体をA−(B)mとすると、外部刺激により脱離反応が起こったπ電子共役化合物前駆体A−(B)mがπ電子共役系化合物A−(C)mに変換し、ホストπ電子共役化合物を形成する。一方、それと共に脱離反応が起こるπ電子共役化合物前駆体A−(B)mが変換することにより、ゲストπ電子共役系化合物A−(C)mが先のホストπ電子共役化合物中において生じることにより、ゲストπ電子共役系化合物A−(C)mのドーピング濃度が制御されたホスト・ゲスト系π電子共役系化合物薄膜を形成することができる。ここで変換後のπ電子共役系化合物が、外部刺激(光、電流、熱、圧力)により蛍光または燐光を放射する場合(発光性π電子共役系化合物)、前記π電子共役系化合物薄膜は発光性π電子共役系化合物薄膜として機能する。
また、π電子共役化合物前駆体A−(B)mと発光性有機色素を混合した溶液を用いることによっても同様に、脱離反応によってドーピング濃度が制御されたホスト・ゲスト系π電子共役系化合物薄膜を形成することができる。これらの発光性有機色素は、単独で用いても良いし、2種類以上用いても良い。
ホストπ電子共役化合物を形成するπ電子共役化合物前駆体A−(B)mは、発光性ゲスト材料よりも短波長側に発光を示す材料であれば特に限定はされないが、脱離反応後にオレフィン構造を形成する分子は一般に共役が広くなり発光が長波長化する。そのため、脱離反応後に環状構造を形成するπ電子共役化合物前駆体A−(B)mを好適に使用することが望ましい。
π電子共役化合物前駆体A−(B)mから脱離する基であるX,Yは脱離性基と定義され、X−Yは脱離成分と定義される。脱離成分は固体、液体、気体の3態を取りえるが、系外への除去を考えると、脱離成分が液体または気体であることが好ましく、特に好ましくは常温で気体であることまたは、脱離反応を行う温度において気体となることである。
前記脱離成分の沸点としては大気圧(1013hPa)において、500℃以下であることが好ましく、系外への除去の容易さと生成するπ電子共役化合物の分解・昇華温度を考えると、400℃以下であることがより好ましく、特に好ましくは300℃以下である。
以下にXがアシルオキシ基、Yが水素原子、Rが置換又は無置換のアルキル基である場合を一例として下記に示すが、本発明の製造例は必ずしもこれらに制限されるものではない。
Figure 2013138173
上記の例の場合、外部エネルギーを印加することにより、一般式(XII)で示される脱離反応が進行する。アルキル鎖を有するカルボン酸が脱離し、オレフィン構造を含む構造に変換される。加熱温度がカルボン酸の沸点を超えている場合はカルボン酸は気体となる。
上記一般式(XI)で示される化合物から脱離成分が脱離する機構について以下に概略を示す。
Figure 2013138173
上記一般式(XIII)に示すように、六員環状の遷移状態を取ることで、β−炭素上の水素原子がカルボニルの酸素原子上へと1,5−転位することで協奏的な脱離反応が起こり、カルボン酸が脱離し、一般式(XII)でも示されるようなオレフィン構造へと変換される。
ここで、β炭素上の水素原子の引き抜きを行えるのは酸素原子に限らず、同じく第16族の元素であるセレン、テルル、ポロニウムなどのカルコゲン原子においても同様のことが起こり得る。
脱離反応を行なうために印加するエネルギーとしては、熱、光、電磁波が挙げられるが、反応性および収率、後処理の観点から、熱エネルギーあるいは光エネルギーが望ましく、特に熱エネルギーが好ましい。また、酸または塩基の存在下で上記エネルギーを印加してもよい。
通常、上記脱離反応には、官能基の構造に依存するが、加熱が必要となることが多い。
脱離反応を行なうための加熱の方法には、支持体上で加熱する方法、オーブン内で加熱する方法、マイクロ波の照射による方法、レーザーを用いて光を熱に変換して加熱する方法、光熱変換層を用いる等種々の方法を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
脱離反応を行なうための加熱温度については、室温(およそ25℃)〜500℃の範囲を用いることが可能であり、下限温度は材料の熱安定性および脱離成分の沸点を考え、上限温度ではエネルギー効率や、未変換分子の存在率、変換後の化合物の分解、昇華等を考慮すると、40〜500℃の範囲が好ましく、さらに前駆体の合成の熱安定性を考慮するとより好ましくは60℃〜500℃の範囲であり、特に好ましくは80℃〜400℃である。
上記加熱の時間については、高温であるほど反応時間は短く、低温であるほど脱離反応に必要な時間は長くなる。また、前駆体の反応性、量にもよるが、通常0.5〜120分、好ましくは1〜60分、特に好ましくは1分〜30分である。
光を外部刺激として用いる場合は、赤外線ランプや、化合物が吸収する波長の光を照射すること(例えば405nm以下の波長に露光)等を利用してもよい。その際に半導体レーザーを用いてもよい。例えば、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)、波長390〜440nmのレーザー光が挙げられる。特に好ましくは波長390〜440nmのレーザー光であり、440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が好適に用いられる。中でも好ましい光源としては、390〜440(更に好ましくは390〜415nm)の範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。
上記の酸または塩基は脱離反応の触媒として働き、より低温での変換が可能となる。これらの使用方法は特に限定はされないが、そのまま添加しても良いし、任意の溶媒に溶解させ溶液にして添加してもよいし、気化させてその雰囲気中で加熱処理を行っても良いし、光酸発生剤および光塩基発生剤等を添加し、光照射によって系内で酸および塩基を得てもよい。
上記、酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、蟻酸、リン酸等、2−ブチルオクタン酸を用いることができる。
また塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等のアミジン類などを用いることができる。
光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のイオン性発生剤とイオン性光酸発生剤イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジスルホニルジアゾメタン、ニトロベンジルスルホネート等の非イオン性発生剤を挙げることができる。
上記した製造方法により得られる前駆体を薄膜とするには、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、真空蒸着、スパッタ等の公知の製膜方法を用いることができる。これにより、クラックのない、強度、靭性、耐久性等に優れた良好な薄膜を作製することが可能である。さらに前記の製膜方法により塗布した本発明でもちいる前駆体の膜に外部刺激を加えることによって、溶解性の置換基を脱離し、π電子共役系化合物の膜を形成することも可能であり、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子用材料として好適に用いることができる。
[電子デバイス]
本発明の発光性有機薄膜は、例えば、電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例を挙げると、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、又は化学物質等により制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場を発生させる装置などが挙げられる。また、例えば、電圧や電流の印加により電流や電圧を制御する素子、磁場の印加による電圧や電流を制御する素子、化学物質を作用させて電圧や電流を制御する素子などが挙げられる。この制御としては、整流、スイッチング、増幅、発振等が挙げられる。
現在シリコン等の無機半導体で実現されている対応するデバイスとしては、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、化学センサー等、あるいはこれらの素子の組み合わせや集積化したデバイスが挙げられる。また、光により起電力を生じる太陽電池や、光電流を生じるフォトダイオード、フォトトランジスター等の光素子も挙げることができる。
本発明の発光性有機薄膜を適用するのに好適な電子デバイスの一例としては、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)が挙げられる。以下、このOLEDについて詳細に説明する。
本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子は、以上で説明したπ電子共役化合物前駆体A−(B)m膜を単独、あるいは他の有機化合物と混在させて、溶液塗布法等により薄膜化し、好ましくは他の機能層と積層し、陽極及び陰極で挟持することにより構成される。
本発明の有機EL素子は、一対の電極間に少なくとも一層の有機層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層のうち少なくとも一層が、ゲスト材料とホスト材料を含む上記本発明のπ電子共役化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素が含有されている溶液からなる塗工液から得られるπ電子共役系化合物膜であることを特徴とするものであるが、有機EL素子の形態は特に限定されるものではなく、図1に本発明の有機EL素子における積層構造の好適実施形態の模式図を示す。
図1(a)に示す有機EL素子(8)は、基板(1)の上に、陽極(2)、発光層(4)および陰極(7)が積層されている。陽極(2)および陰極(7)には、それぞれ導線(図示せず)が接続されており、導線の他端は電源(図示せず)に接続されている。
図1(b)に示す有機EL素子(10)は、陽極(2)と発光層(4)の間に正孔輸送層(3)が積層されている以外は図1(a)と同様である。
図1(c)に示す有機EL素子(8)は、発光層(4)と陰極(7)の間に電子輸送層(6)が積層されている以外は図1と同様である。
図1(d)に示す有機EL素子(8)は、基板(1)の上に、陽極(2)、正孔輸送層(3)、発光層(4)、電子輸送層(6)および陰極(7)が積層されている。
図1(e)に示す有機EL素子(8)は、基板(1)の上に、陽極(2)、正孔輸送層(3)、発光層(4)、励起子阻止層(5)、電子輸送層(6)および陰極(7)が積層されている。
図1に示した有機EL素子の基板は、有機EL素子に一般的に使用されるものを使用することができ、特に制限されるものではないが、表面平滑性、防水性等に優れたガラス基板、シリコン基板およびプラスチック基板が好ましい。
陽極(2)は特に限定されないが、陽極の役割は正孔を正孔輸送層などの有機層に注入することであり、仕事関数が大きいものが好ましい。陽極材料としてはニッケル、金、白金、パラジウムやこれらの合金、或いは酸化スズ(SnO2)、アクセプター性不純物を含んだ酸化亜鉛(ZnO2)、沃化銅などの仕事関数の大きな金属やそれらの合金、化合物、更には、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール等の導電性ポリマーなどを用いることができる。陽極(2)に用いることができる透明導電材料としては、例えば、導電性、光透過性、エッチング加工性等を考慮し、インジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)により形成された透明電極等を好適に使用することができる。その他、インジウム亜鉛酸化物(IZO:In−ZnO)等もあげることができる。また例えば、銀電極など反射電極上に上記透明導電材料を積層した構造を用いても良い。さらに、膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、陰極(7)も特に限定されないが、陰極(7)の役割は有機層への電子注入にあり、仕事関数が小さいものが好ましい。例えば、マグネシウム−銀合金電極、マグネシウム−インジウム合金電極、アルミニウム電極、薄い界面層とアルミニウム電極を組み合わせたものを好適に使用することができる。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
本発明の有機EL素子は、陽極(2)および陰極(7)に挟まれた各層のうち、少なくとも一層に、ゲスト材料とホスト材料を含む上記本発明のπ電子共役化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素が含有されている溶液からなる塗工液から得られるπ電子共役系化合物膜を含むものであり、本発明のπ電子共役化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素が含有されている溶液からなる塗工液から得られるπ電子共役系化合物を含む層が発光層(4)であることが好ましいが、特に限定されるものではなく、それ以外の層が本発明の蛍光またはリン光材料とπ電子共役化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素が含有されている溶液からなる塗工液から得られるπ電子共役系化合物薄膜を含み、蛍光またはリン光材料に由来する発光を示しても良い。
ホスト材料として使用するπ電子共役化合物前駆体A−(B)m材料は特に制限されるものではなく、例えば、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体等を挙げることができる。
オレフィン部位を有するスチルベン誘導体をホスト材料とした場合、一般に素子耐久性に劣り、またさらに共役が広くなることにより三重項準位が低くなるため、効率的なリン光材料のホスト材料としては好適ではない。そのため、この中では、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体を好ましく用いることができる。
ゲスト材料として使用する蛍光またはリン光材料は特に制限されるものではなく、例えば、蛍光材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体等を挙げることができる。
この中では、アントラセン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体を好ましく用いることができ、この誘導体の例として、ジフェニルアミノビニルアリーレンを挙げることができる。また、リン光材料としては、イリジウム錯体を好適に使用することができる。イリジウム錯体としては、例えば、緑色の発光色を得ることができるtris−(2−phenylpyridine)iridium(Ir(ppy)3)、赤色の発光色を得ることができるbis(2−(2−benzo4,5−athienylpyridinato−N,C3)iridiumacetylacetonate(Btp2Iracac)、青色の発光色を得ることができるbis(3,5−difluoro−2−(2−pyridyl)phenyl−(2−carboxypyridyl)iridium IIIを挙げることができる。
正孔輸送材料は有機EL素子に一般的に使用されるものを使用することができ、特に制限されるものではない。例えば、芳香族アミン、特にトリアリールアミン誘導体を好適に挙げることができる。具体的には、N,N’−Di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine(α−NPD)、4,4’,4’’−tris[3−methylphenyl(phenyl)−amino]triphenylamine(m−MTDATA)、4,4’,4’’−Tris[2−naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine(2−TNATA)、4,4’,4’’−Tris(carbazol−9−yl)−triphenylamine(TCTA)、2,2’,7,7’−Tetrakis(N,N−diphenylamino)−9,9’−spirobifluorene(spiro−TAD)、等を挙げることできる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、或いは、二種以上を組合せて用いてもよい。
電子輸送材料は有機EL素子に一般的に使用されるものを使用することができ、特に制限されるものではない。電子輸送材料として例えば、tris(8−hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3)を挙げることができる。更に、電子輸送材料として、Alq3の他に、オキサジアゾール誘導体(2−(4’−t−butylphenyl)−5−(4’’−biphenylyl)−1,3,4−oxadiazole(tBu−PBD)、二量化、スターバースト化されたオキサジアゾール誘導体を挙げることができる。これらの化合物は一種で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
なお、発光層のみならず、キャリア輸送層、注入層にもドーピングを行ってもよい。例えば、正孔輸送層にルブレンをドーピングすることによってルブレンから発光が観測され、素子の発光効率が向上する。また、キャリア輸送層、注入層へのドーピングにより、素子の長寿命化、耐久性の向上等の効果を得ることができる。
図1に模式的に示した有機EL素子は公知の製造方法により製造することができ特に製造方法は限定されない。例えば、真空蒸着法(熱蒸着法)、スピンキャスト法によるコーティング(スピンコート法)、ソルベントキャスト法等を好適に用いることができる。
また、本発明の有機EL素子の使用方法も特に限定されないが、発光効率が高いため、ディスプレイ、屋内照明等に好適に使用でき、更には、有機半導体レーザー素子にも好適に使用することができる。その他、様々な用途への応用が期待できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
[化合物Fの合成]
はじめに、実施例で用いた化合物についてその入手法(合成法)の例を詳細かつ具体的に説明する。
化合物(F)を、下記反応式(スキーム)に従って合成した。
Figure 2013138173
上記式中、出発原料の6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノンはSIGMA Aldrich社より購入したものをそのまま用いた。
500mLのビーカーに6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノン(20g、119.0mmol)と15% HCl(96mL)を入れ、氷冷却下5℃以下を維持しながら、亜硝酸ナトリウム水溶液(9.9g、143.0mmol+水42mL)を徐々に滴下した。滴下終了後、そのままの温度で30分間攪拌し、ヨウ化カリウム水溶液(23.7g、143.0mmol+水77mL)を一度に加え、氷浴を外し2.5時間攪拌し、その後60℃で窒素の発生が収まるまで0.5時間加熱した。室温まで冷却した後、反応溶液をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL×3回)で洗浄し、さらに飽和食塩水(100mL×2回)で洗浄した。
さらに、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を濃縮することで赤色のオイルを得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=9/1)にて精製することにより、淡橙色の固体を得た。さらに、2−プロパノールより再結晶することにより、淡橙色の結晶として化合物6を得た(収量11.4g、収率35.2%)。
以下に化合物6の分析結果を示す。
H NMR (500 MHz, CDCl, TMS, δ): 2.13 (quint, 2H, J = 5.7 Hz), 2.64 (t, 2H, J = 6.3 Hz ), 2.92 (t, 2H, J =6.0 Hz), 7.66 (d, 1H, J = 8.0 Hz), , 7.67 (s, 1H),7.72 (d, 1H, J = 8.0 Hz)
融点:74.0−75.0℃
質量分析(GC−MS):m/z=272(M+)(実測値);272.082(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物6の構造と矛盾が無いことを確認した。
(化合物7の合成)
下記反応式(スキーム)に従って化合物7を合成した。
Figure 2013138173
200mLの丸底フラスコに化合物6(4.1g、15mmol)、メタノール(100mL)を入れ、氷冷下0℃にて、水素化ホウ素ナトリウム(850mg、22.5mmol)を徐々に加え、0℃のまま3時間攪拌した。過剰の水素化ホウ素ナトリウムを希塩酸で中和し、飽和食塩水を加えて、酢酸エチル(50mL)で5回抽出を行った。抽出液を塩化アンモニウム(100mL)で1回、続けて食塩水(100mL)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。濾液を濃縮し、淡赤色の固体として、化合物7を得た(収量3.93g、収率95.5%)。
これ以上精製することなく、このまま次の反応に用いた。
以下に化合物7の分析結果を示す。
H NMR (500 MHz, CDCl, TMS, δ): 1.71 (d, 1H, J =5.8 Hz), 1.84−2.02 (m, 4H) , 2.65−2.71 (m, 1H, ), 2.75−2.81 (m, 1H, ), 4.72 (d, 1H, J =4.6 Hz), 7.17 (d, 1H, J = 8.0 Hz), , 7.47 (s, 1H),7.52 (d,t 1H, J = 8.0 Hz, J = 1.2 Hz)
質量分析(GC−MS):m/z=274(M+)(実測値);274.098(分子量計算値)
融点:82.0−84.0℃
以上の分析結果から、合成したものが、化合物7の構造と矛盾がないことを確認した。
〈化合物8の合成〉
下記反応式(スキーム)に従って化合物8を合成した。
Figure 2013138173
50mLの丸底フラスコに化合物7(3.70g、13.5mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(以下、DMAP、10mg)を入れ、アルゴンガスで置換した後、脱水ピリジン(8.1ml)、無水酢酸(6.2ml)を加えて、室温で6時間攪拌した。反応溶液に水50mLを加えて、酢酸エチル(20mL)で5回抽出し、合わせた有機層を希塩酸(100ml)で3回、続けて飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)で2回洗浄し、最後に飽和食塩水(100ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。
濾液を濃縮し、褐色の液体として化合物8を得た(収量4.28g、収率100%)。これ以上精製することなく、このまま次の反応に用いた。
以下に化合物8の分析結果を示す。
H NMR (500 MHz, CDCl, TMS, δ): 1.76−1.83 (m, 1H, ), 1.89−2.10 (m, 1H), 2.07 (s, 3H) , 2.67−2.73 (m, 1H, ), 2.79−2.84 (m, 1H, ), 5.93 (t, 1H, J =5.2 Hz), 7.01 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.49 (d, 1H, J = 2.3 Hz),7.52 (s , 1H)
質量分析(GC−MS):m/z=316(M+)(実測値);316.135(分子量計算値)。
以上の分析結果から、合成したものが、化合物8の構造と矛盾がないことを確認した。
〈化合物9の合成〉
下記反応式(スキーム)に従って化合物9を合成した。
Figure 2013138173
100mLの丸底フラスコに化合物8(4.27g、13.5mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBN,25mg)、四塩化炭素(100mL)、N−ブロモスクシンイミド(以下NBS,2.64g、14.8mmol)を入れ、アルゴンガスで置換を行なった後、穏やかに80℃に加熱し、そのまま1時間攪拌し、室温まで冷却した。沈殿を濾過し、濾液を減圧下で濃縮することで、薄黄色の固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=8/2)にて精製することにより、淡赤色のオイルとして化合物9を得た(収量4.9g、収率92.0%)。化合物(5)はシス体とトランス体の10:7の混合物として得られた。
以下に化合物9の分析結果を示す。
精密質量分析(LC−TofMS):m/z=393.9028(100.0%),395.9082(実測値);393.9065(100.0%),395.9045(97.3%)(理論値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物9の構造と矛盾がないことを確認した。
〈化合物10の合成〉
下記反応式(スキーム)に従って化合物10を合成した。
Figure 2013138173
500mLの丸底フラスコに化合物9(4.2g、10.6mmol)を入れアルゴンガスで置換した後、THF(300mL)を入れ、氷冷下0℃で、ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(25wt%、24mL)を加えて、そのままの温度で6時間攪拌した。水(300mL)を加えて、酢酸エチル(100mL)で4回抽出し、飽和食塩水(100mL)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を濃縮することで褐色の液体を得た。これをシリカゲルカラム精製することにより、無色の結晶として化合物10を得た(収量1.2g、収率41.0%)。
以下に化合物10の分析結果を示す。
H NMR (500 MHz, CDCl, TMS, δ): 1.70 (d, 1H, J =3.4 Hz), 2.58−2.61 (m, 2H), 4.76 (q , 1H, J =6.3 Hz), 6.04 (q, 1H, J =5.2 Hz), 6.47 (d, 1H, J =9.8 Hz), 7.13 (d, 1H, J =8.1 Hz), 7.47 (d, 1H, J =1.7 Hz), 7.57 (J=8.1 Hz J =1.7 Hz)
質量分析(GC−MS):m/z=272(M+),254(M+−HO)(実測値);272.082(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物10)の構造と矛盾が無いことを確認した。
〈化合物(11−2)の合成〉
下記反応式(スキーム)に従って化合物(11−2)を合成した。
Figure 2013138173
50mLの丸底フラスコに化合物10(1.09g、4.0mmol)、DMAP(24.5mg、0.200mmol)、を入れアルゴンガスで置換した後、ピリジン(20mL)を加えて、氷冷下0℃にて、n−ブチリルクロリド(0.46mL、4.4mmol)を滴下し、そのままの温度で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチル(50mL)で3回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、続けて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾液を濃縮し、褐色の液体を得た。シリカゲルカラムで精製することにより、無色の液体として化合物(11−2)を得た(収量g、収率60.5%)。
以下に化合物(11−2)の分析結果を示す。
H NMR(500MHz,CDCl,TMS,δ):0.893 (t, 3H, J=7.5 Hz), 1.57−1.64 (m, 2H), 2.23 (td, 2H, J1=7.4 Hz, J2=2.3 Hz), 2.58−2.62 (m, 2H), 5.96 (t, 1H, J= 5.2 Hz), 6.03 (quint. J=5.2 Hz), 6.48 (d, 1H, J=9.9 Hz), 7.10 (d, 1H, J=8.0 Hz), 7.48 (d, 1H, J=1.7 H), 7.54 (dd, 1H, J1=8.0 Hz, J2=1.7 Hz)
質量分析(GC−MS):m/z=342(M+)、254(M+−C3H7COOH)(実測値);342.172(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物(11−2)の構造と矛盾が無いことを確認した。
Figure 2013138173
2−tert−ブチルアントラセン(東京化成工業製、2.34g,10mmmol)、DMF(150mL)、NBS(4.27g,24mmol)を丸底フラスコ内にいれ、室温で16時間攪拌した。亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、析出した黄色の沈殿を濾取し、沈殿を熱水、続けてエタノールの順で洗浄し、真空下で乾燥を行い粗生成物を得た。これを、トルエン/エタノールより再結晶し、明るい黄色結晶として、化合物14を得た。(収量2.15g、収率55%)
1H NMR (500 MHz, CDCl3, TMS, δ):1.49 (s, 9H) , 7.59−7.63 (m, 2H) ,7.73 (dd, 4H, J1=9.2 Hz, J 2=2.3 Hz) ,8.49 (d, 1H, J=1.7 Hz), 8.52 (d, 1H, J =9.2 Hz), 8.56−8.60 (m, 2H)。
質量分析(GC−MS):m/z=392(100.0%),390(51.4%),394(48.6%);392.128(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物14の構造と矛盾がないことを確認した。
〈化合物15の合成〉
下記反応式(スキーム)に従って化合物15を合成した。
Figure 2013138173
十分に乾燥させたフラスコに、2−tert−ブチル−9,10−ジブロモアントラセン(1.24g,3.16mmol)をいれ、アルゴンガスで置換した後、THF(50mL)を加え、アセトン−ドライアイス浴で−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム1.6 Mヘキサン溶液(20mL)を加えて、そのままの温度で2時間攪拌を行った。続けて、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(18mL)を一度に加えて、1時間かけて−78℃から室温まで昇温した。飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を水、続けて飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。乾燥剤を濾別、濃縮した残渣をフラッシュクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、淡黄色の固体として目的物を得た。収量400mg,収率26%。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, TMS, δ):1.43 (s, 9H) , 7.41−7.43 (m, 2H) ,7.56 (dd, 1H, J1=9.2 Hz, J 2=1.7 Hz) ,8.21 (d, 1H, J=1.7 Hz), 8.28−8.35 (m, 3H)
質量分析(GC−MS):m/z=486(M+)(実測値);486.258(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、化合物15の構造と矛盾がないことを確認した。
Figure 2013138173
丸底フラスコに、2−tert−ブチル−9,10−アントラセンジボロン酸ビスピナコールエステル(565mg,1.16mmol)、化合物11−2(794mg,2.2mmol)、リン酸カリウム(1.4g,6.6mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(以下、Pd(dba)2)(127mg)、トリ−tert−ブチルホスフィン(120mg)を入れ、アルゴンガスで置換した後、DMF(15mL)を加え、室温で24時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、30分間攪拌した後、酢酸エチルを加えて有機層を分離し、水層を酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、続けて水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、濃縮した残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン)で分離、精製し、淡黄色の固体として化合物(F)を得た。(収量405mg,収率56.4 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, TMS, δ):0.93−0.992. (m, 6H) , 1.26 (t, 9H, J=3.7 Hz) ,1.65−1.75 (m, 4H) ,2.34−2.39 (m, 4H), 2.71−2.83 (m, 4H), 6.08−6.12 (m, 2H), 6.21−6.27 (m, 2H), 6.63 (t, 2H, J=9.2 Hz), 7.24−7.25 (m, 2H), 7.29−7.36 (m, 4H), 7.44 (td, 1H, J1=5.3 Hz, J2=2.3 Hz), 7.57−7.75 (m, 6H)。
質量分析(GC−MS):663(M+),487(M+−2C11COOH)(実測値);662.855(M+),486.645(M+−2CCOOH)(分子量計算値)
以上の分析結果から、合成したものが、それぞれ化合物(F)の構造と矛盾がないことを確認した。
[実施例1]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
以下に、実施例について説明する。
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対して下記構造のπ電子共役化合物前駆体(A)を1wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出なく溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(A)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
次に、π電子共役化合物前駆体(A)に対して、6wt%の濃度になるように下記構造のπ電子共役化合物前駆体(B)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されず、π電子化合物前駆体(B)も汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前期π電子共役化合物前駆体膜を、230℃で1時間加熱することにより、π電子化合物前駆体(A)と(B)をそれぞれ下記構造のπ電子化合物(C)と(D)に変換し、ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は28%であった。
また、図2に得られた発光性有機薄膜の発光スペクトルと、各π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルを示す。前記π電子共役化合物前駆体膜から得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜では、ホスト材料であるπ電子化合物(C)からの発光が消光しており、ゲスト材料であるπ電子化合物(D)からの発光が支配的であることが観測された。
これは、π電子化合物前駆体(A)から脱離変換処理を行ったπ電子化合物(C)がホスト材料として機能していることを示す結果である。
Figure 2013138173
[実施例2]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対して上記構造のπ電子共役化合物前駆体(B)を1wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出なく溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(B)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
次に、π電子共役化合物前駆体(B)に対して、5wt%の濃度になるように発光性色素として下記構造のrubrene(E)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されなかった。
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前期π電子共役化合物前駆体膜を、230℃で1時間加熱することにより、π電子化合物前駆体(B)を上記構造のπ電子化合物(D)に変換し、π電子化合物(D)中にrubreneがドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は69%であった。
Figure 2013138173
また、図3に得られた発光性有機薄膜の発光スペクトルと、π電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルを示す。前記π電子共役化合物前駆体膜から得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜では、ホスト材料であるπ電子化合物(D)からの発光が消光しており、ゲスト材料であるrubreneからの発光が支配的であることが観測された。これは、π電子化合物前駆体(B)から脱離変換処理を行ったπ電子化合物(D)がホスト材料として機能していることを示す結果である。
[実施例3]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対して下記構造のπ電子共役化合物前駆体(F)を2wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出なく溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(F)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
次に、π電子共役化合物前駆体(F)に対して、5wt%の濃度になるように発光性色素としてrubrene(E)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されなかった。
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前期π電子共役化合物前駆体膜を、160℃で30分加熱することにより、π電子化合物前駆体(F)を下記構造のπ電子化合物(G)に変換し、π電子化合物(G)中にrubrene(E)がドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は82%であった。また、蛍光顕微鏡により薄膜の発光を観察した結果、ムラのない均一な発光が得られていることを確認することができた。
また、図4に得られた発光性有機薄膜の発光スペクトルと、ホストπ電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルを示す。前記π電子共役化合物前駆体膜から得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜では、ホスト材料であるπ電子化合物(G)からの発光が消光しており、ゲスト材料であるrubrene(E)からの発光が支配的であることが観測された。これは、π電子化合物前駆体(F)から脱離変換処理を行ったπ電子化合物(G)がホスト材料として機能していることを示す結果である。
Figure 2013138173
[実施例4]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対して上記構造のπ電子共役化合物前駆体(F)を2wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出なく溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(F)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
次に、π電子共役化合物前駆体(F)に対して、5wt%の濃度になるように発光性色素として下記構造のスチリルベンゼン誘導体(H)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されなかった。
Figure 2013138173
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前期π電子共役化合物前駆体膜を、160℃で30分加熱することにより、π電子化合物前駆体(F)をπ電子化合物(G)に変換し、π電子化合物(G)中に上記構造のスチリルベンゼン誘導体(H)がドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は78%であった。
また、図5に得られた発光性有機薄膜の発光スペクトルと、ホストπ電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルを示す。前記π電子共役化合物前駆体膜から得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜では、ホスト材料であるπ電子化合物(G)からの発光が消光しており、ゲスト材料であるスチリルベンゼン誘導体(H)からの発光が支配的であることが観測された。これは、π電子化合物前駆体(F)から脱離変換処理を行ったπ電子化合物(G)がホスト材料として機能していることを示す結果である。
[実施例5]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対して上記構造のπ電子共役化合物前駆体(F)を2wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出なく溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(F)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。
次に、π電子共役化合物前駆体(F)に対して、10wt%の濃度になるように第一発光性色素としてスチリルベンゼン誘導体(H)を添加し、さらにπ電子共役化合物前駆体(F)に対して、2wt%の濃度になるように第二発光性色素としてrubrene(E)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されなかった。
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前記π電子共役化合物前駆体膜を、160℃で30分加熱することにより、π電子化合物前駆体(F)をπ電子化合物(G)に変換し、π電子化合物(G)中にスチリルベンゼン誘導体(H)とrubrene(E)がドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は92%であった。
図6に得られた発光性有機薄膜の発光スペクトルと、ホストπ電子共役化合物単体の場合の発光スペクトルを示す。前記π電子共役化合物前駆体膜から得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜では、ホスト材料であるπ電子化合物(G)からの発光が消光しており、またさらに、第一発光性色素であるスチリルベンゼン誘導体(H)からの発光も消光していることが観測され、第二発光性色素(E)からの発光が支配的に観測された。これは、ホスト材料であるπ電子化合物(G)から第一発光性色素にエネルギー移動した励起子が、すみやかに第二発光性色素(E)にエネルギー移動し、生成されたほぼ全ての励起子が前記第二発光性色素(E)の発光として得られていることを示す結果である。このように、本発明の発光性色素を含有するπ電子共役化合物前駆体A−(B)m膜から、外部エネルギーを付与することによって得られたπ電子共役化合物膜では、発光性色素のドーピング濃度の調整が容易であるため、従来の真空蒸着法よりも簡便かつ低コストで、高い発光効率を示す有機発光性膜を得ることができる。
[実施例6]
Figure 2013138173
汎用有機溶媒であるクロロホルムに対してπ電子共役化合物前駆体(I)を2wt%添加した溶液を調整したところ沈殿物の析出無く溶解していた。すなわち、π電子化合物前駆体(I)は汎用有機溶媒に対して高い溶解性を有していることが示された。次に、π電子共役化合物前駆体(J)に対して、2wt%の濃度になるように発光性色素としてIr(ppy)2(acac)(J)を添加した。溶液中に沈殿物の析出は観測されなかった。
調整した溶液を用い、石英基板上にスピンコート法にて塗布してπ電子共役化合物前駆体膜を得た。得られた前期π電子共役化合物前駆体膜を、190℃で30分加熱することにより、π電子化合物前駆体(I)をπ電子化合物(K)に変換し、π電子化合物(K)中にIr(ppy)2(acac)(J)がドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対量子効率は64%であった。
[実施例7]
[前駆体型ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を用いた有機EL素子]
<素子作製>
40×40mm角の透明なガラスからなる基板を用意して、公知の洗浄工程により基板面を洗浄した。次に、前記基板の一面にITOを公知の成膜方法により成膜した後ストライプ状にパターニングして、これを陽極(電極)とした。その後、ITO表面を酸素プラズマ処理によりクリーニングした。次に、Poly(3,4−ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)を含む混合水溶液を用意し、これを前記基板の陽極が形成された一面にスピンコーティング法により塗布した後、150℃で5分間乾燥させ、PEDOT:PSSからなるホール注入層を形成した。次に、前記構造のπ電子共役化合物前駆体(F)と発光色素(H)を混合した溶液を用意し、前記基板上にスピンコーティング法により塗布した後、160℃で30分加熱することにより、π電子化合物前駆体(F)をπ電子化合物(G)に変換し、π電子化合物(G)中に発光性色素(H)がドーピングされたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を得た。π電子共役化合物前駆体(F)に対する、発光性色素(H)のドーピング濃度は5wt%である。なお、前記ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の膜厚は20nmであった。次に、前記基板を真空装置のチャンバーに入れ、真空蒸着法により、4,7−Diphenyl−1,10−phenanthroline(BPhen)からなる励起子素子層、Alq3からなる電子輸送層をこの順序で成膜した。次に、真空蒸着法により、メタルマスクを用いて、LiF(膜厚0.5nm)とMgAg(膜厚100nm)をこの順序で積層したストライプ状の陰極(電極)を形成した。
<素子の評価>
図7は、この有機EL素子の素子特性評価結果を示すグラフであって、電流密度の電圧依存性を示すものである。印加電圧7Vにおける電流密度は約80mA/cmであった。
図8は、この有機EL素子の素子特性評価結果を示すグラフであって、輝度の電圧依存性を示すものである。発光開始電圧は2.5Vであった。また、最大外部量子効率は約1.2%となった。
図9は、この有機EL素子の発光スペクトルを示すグラフであって、電流密度が10mA/cmのときの結果である。短波長領域において見られるホスト化合物(G)の発光によるものと考えられるピークは、ほとんど観測されなかった。これは、素子内で生成されたほぼ全ての励起子が発光性色素(H)の発光として得られていることを示す結果であり、印刷工程により形成された本発明のπ電子共役化合物前駆体A−(B)m膜から、外部エネルギーを付与することによって得られたπ電子共役化合物膜が有機EL素子の発光層として機能していることを示す結果である。
[比較例1]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
上記構造のπ電子化合物(C)中に6wt%の濃度で上記π電子化合物(D)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は17%であった。
[比較例2]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
上記π電子化合物(D)中に5wt%の濃度でrubrene(E)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は62%であった。
[比較例3]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
上記π電子化合物(G)中に5wt%の濃度でrubrene(E)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は79%であった。
[比較例4]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
上記π電子化合物(G)中に5wt%の濃度で上記スチリルベンゼン誘導体(H)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は66%であった。
[比較例5]
[ホスト・ゲスト型発光性有機薄膜]
上記π電子化合物(G)中にそれぞれ2wt%、10wt%の濃度でrubrene(E)と上記スチリルベンゼン誘導体(H)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対蛍光量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対蛍光量子効率は90%であった。
[比較例6]
π電子化合物(K)中にそれぞれ2wt%の濃度でIr(ppy)2(acac)(J)をドーピングした共蒸着薄膜を、真空蒸着法を用いて石英基板上に成膜した。得られたホスト・ゲスト型発光性有機薄膜の絶対量子効率を、積分球を用いて測定した結果、この薄膜の絶対量子効率は62%であった。
[比較例7]
[蒸着により作製したホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を用いた有機EL素子]
<素子作製>
40×40mm角の透明なガラスからなる基板を用意して、公知の洗浄工程により基板面を洗浄した。次に、前記基板の一面にITOを公知の成膜方法により成膜した後ストライプ状にパターニングして、これを陽極(電極)とした。その後、ITO表面をO2プラズマ処理によりクリーニングした。次に、PEDOTとPSSを含む混合水溶液を用意し、これを前記基板の陽極が形成された一面にスピンコーティング法により塗布した後、150℃で5分間乾燥させ、PEDOT:PSSからなるホール注入層を形成した。次に、前記基板を真空装置のチャンバーに入れ、π電子化合物(G)中に発光性色素(H)がドーピングされた膜厚20nmのホスト・ゲスト型発光性有機薄膜を真空蒸着法を用いて得た。
π電子共役化合物前駆体(G)に対する、発光性色素(H)のドーピング濃度は5wt%である。次に、真空蒸着法により、BPhenからなる励起子素子層、Alq3からなる電子輸送層をこの順序で成膜した。次に、真空蒸着法により、メタルマスクを用いて、LiF(膜厚0.5nm)とMgAg(膜厚100nm)をこの順序で積層したストライプ状の陰極(電極)を形成した
<素子の評価>
図10は、この有機EL素子の素子特性評価結果を示すグラフであって、電流密度の電圧依存性を示すものである。印加電圧7Vにおける電流密度は約64mA/cmであった。
図11は、この有機EL素子の素子特性評価結果を示すグラフであって、輝度の電圧依存性を示すものである。発光開始電圧は2.5Vであり、最大外部量子効率は約1.2%となった。
図12は、この有機EL素子の発光スペクトルを示すグラフであって、電流密度が10mA/cmのときの結果である。ELスペクトルは実施例7で作製した素子とほぼ等しかった。以上の事実は、真空蒸着により作製した有機EL素子と、実施例7で溶液プロセスにより作製した有機EL素子はほぼ同程度の有機EL特性を示すことを示しており、これは、本発明の印刷工程により形成された前駆体膜から、外部エネルギーを付与することによって得られたπ電子共役化合物膜が、蒸着分散型薄膜と同等以上の発光・半導体特性を有することを示し、従来の真空蒸着法よりも簡便かつ低コストで、有機EL素子の発光層を得ることができることを示している。
実施例1〜5および比較例1〜5の発光性有機膜の絶対蛍光量子効率について表1にまとめた。
このように、実施例1〜7および比較例1〜7より、ドーピング濃度の制御された、π電子共役化合物前駆体材料を用い、印刷工程により形成された前駆体膜から、外部エネルギーを付与することによって得られたπ電子共役化合物膜は、真空蒸着を用いて成膜した同じπ電子共役化合物膜と比較し、少なくとも2%以上高い蛍光量子効率を示すことから、優れた発光特性を有することは明らかである。
Figure 2013138173
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 励起子阻止層
6 電子輸送層
7 陰極
8 有機EL素子
10 有機EL素子
特開2000−068057号公報 特開2010−034484号公報 特開2007−305783号公報
Appl. Phys. Lett. 86, 071104 (2005)

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で示されるπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mと少なくとも1種類以上の発光性色素を含有している溶液からなる塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程と、外部刺激を与えて脱離成分を脱離し、前記π電子共役系化合物前駆体A−(B)mをπ電子共役化合物A−(C)mと脱離性置換基X−Yに変換する工程を具備することを特徴とする発光性有機膜の製造方法。
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    (ここでAはπ電子共役系置換基であり、Bは上記一般式(II)で表される構造を少なくとも部分構造として有している溶媒可溶性置換基である。mは自然数である。Cは上記一般式(III)で示されている構造を少なくとも部分構造として有している。RからRは水素原子または置換基であり、互いに環状を形成していてもよく、Aと共有結合を介して環状を形成していてもよい。また、上記一般式(I)〜(III)中、X,Yのうち一方は水素原子もしくは脱離性置換基を表し、m>2の場合、XまたはYの脱離性置換基は互いに同一であっても異なっていても良く、互いに結合して環を形成していても良い。ただし、Bは上記一般式(I)中、A上の任意の原子と共有結合を介して連結している。)
  2. 上記π電子共役系化合物前駆体A−(B)mは、該前駆体が有する溶媒可溶性置換基Bが下記一般式(II−1)及び一般式(II−2)からなる群から選ばれた置換基を含むものであり、また、上記π電子共役系化合物A−(C)mは該π電子共役系化合物に生じた上記部分構造Cが下記一般式(III−1)、(III−2)及び(III−3)からなる群から選ばれた部分構造を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の発光性有機膜の製造方法。
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    (一般式(II−1)、(II−2)、(III−1)、(III−2)、(III−3)中、XおよびY、(XとX)および(YとY)は水素原子もしくは脱離性置換基を表し、該XおよびYのうち一方、(XとX)および(YとY)のうち一方は脱離性置換基であり、他方は水素原子である。脱離性置換基XまたはY、(XとX)または(YとY)は、置換されていてもよい炭素数1以上の、[エーテル基またはアシルオキシ基]である。Q乃至Qは水素原子、ハロゲン原子または前記脱離性置換基以外の有機基であり、それぞれ結合して環を形成していてもよい。)
  3. 前記発光性有機膜が、発光性色素と、前記発光性色素よりも短波長側に発光を示すπ電子共役系化合物前駆体A−(B)mを含有することを特長とする請求項1又は2に記載の発光性有機膜の製造方法。
  4. 前記π電子共役化合物前駆体A−(B)mと前記発光性色素の混合比率の違いにより、脱離反応後に生成するπ電子共役化合物の混合比に差を生じさせることで、発光性色素のドーピング濃度を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光性有機膜の製造方法。
  5. 前記発光性色素が、前記有機膜と同様に、下記一般式(II)で示される可溶性基BのX−Y置換基の脱離を伴う置換基Cへの変換によって得られることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光性有機膜の製造方法。
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    Figure 2013138173
    (ここで、A−(B)m、A−(C)m、X、Y、R1、R2及びR3は、上記定義と同じ意味を表わす)。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法により製造された発光性有機薄膜。
  7. 請求項6に記載の発光性有機薄膜を用いた有機電子デバイス。
  8. 有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項7に記載の有機電子デバイス。
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