JP2013136861A - 繊維布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】春夏用の素材と考えられているセルロース系繊維を含む繊維布帛を、秋冬用に用いることができる繊維布帛を提供する。
【解決手段】少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛であって、起毛処理前に比べ起毛処理後の厚みが10%以上増加していることを特徴とする。また、厚みは、直径5cmの円盤状の測定子を用いて、1.5gf/cm2の圧力で測定したときの値であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛であって、起毛処理前に比べ起毛処理後の厚みが10%以上増加していることを特徴とする。また、厚みは、直径5cmの円盤状の測定子を用いて、1.5gf/cm2の圧力で測定したときの値であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、繊維布帛に関し、特に、秋冬用の素材として用いることができる、セルロース系繊維を含む繊維布帛に関するものである。
麻などの植物繊維、あるいはレーヨンやアセテート系繊維などのセルロース系繊維は、特有のシャリ感や触ったときに冷たく感じることができる性能を有しており、春夏用の衣服用素材として好ましく使用されている(特許文献1)。
しかしながら、セルロース系繊維は、前記のように繊維そのものがシャリ感や冷たく感じる性能を有するが故、セルロース系を含む繊維布帛は、春夏以外の衣服、特に秋冬用の衣服としては使用しがたいと考えられていた。すなわち、これまでセルロース系繊維については十分な検討がなされておらず、セルロース系繊維の適用範囲が限定的であった。
本発明は、春夏用の素材として考えられていたセルロース系繊維の適用範囲を拡大し、セルロース系繊維を含む繊維布帛を暖かく感じられるようにして、秋冬においても好ましい素材として用いることのできる繊維布帛を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る繊維布帛は、少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛であって、起毛処理前に比べ起毛処理後の前記繊維布帛の厚みが10%以上増加していることを特徴とする。
また、本発明に係る繊維布帛において、前記厚みは、直径5cmの円盤状の測定子を用いて、1.5gf/cm2の圧力で測定したときの値であることが好ましい。
また、本発明に係る繊維布帛において、起毛処理後の前記繊維布帛における起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.25W/cm2未満であることが好ましい。
本発明に係る繊維布帛によれば、セルロース系繊維を用いているものにかかわらず、触った感じがあたたかく感じられるので、秋冬用の素材として用いることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る繊維布帛について説明する。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る繊維布帛は、少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛(セルロース系繊維布帛)であって、起毛処理前に比べ起毛処理後におけるセルロース系繊維を含む繊維布帛の厚みが10%以上増加しているものである。
本発明の実施の形態に係る繊維布帛は、少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛(セルロース系繊維布帛)であって、起毛処理前に比べ起毛処理後におけるセルロース系繊維を含む繊維布帛の厚みが10%以上増加しているものである。
セルロース系繊維としては、麻や綿などの天然繊維、レーヨンやバンブーなどの再生繊維、ジアセテートやトリアセテート等のアセテート系繊維等の半合成繊維などが挙げられる。また、これらのセルロース系繊維は、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、アクリル、ポリ乳酸、大豆蛋白、絹、羊毛などの化学繊維、天然繊維等と混繊、混紡したものであってもよい。
また、これらの繊維は、フィラメント糸でもスパン糸でもよく、生糸、撚糸、捲縮糸、タスラン糸、異収縮混繊糸等を用いることができる。なお、繊維布帛に対して空気を多く含ませて繊維布帛内に空気の層(デッドエアー層)を形成することで保温性を高めるとの観点からは、撚糸、捲縮糸、タスラン糸などの加工糸や異収縮混繊糸を用いて得られたセルロース系繊維、あるいは、熱や水分に対する収縮性が異なる複数の糸を用いて得られたセルロース系繊維を用いるとよい。
また、セルロース系繊維を含む繊維布帛としては、例えば、織物、編物または不織布等であり、特に限定されるものではない。また、繊維布帛は、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、アクリル、ポリ乳酸、大豆蛋白、絹、羊毛などの化学繊維、天然繊維等と交織、交編されたものであってよい。また、繊維布帛には、染色、捺染をはじめ、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、撥水加工、紫外線遮蔽加工、消臭加工、保温加工、防汚加工、吸水加工等が施されていてもよい。
上述のとおり、本実施の形態における繊維布帛は、セルロース系繊維を含む繊維布帛の少なくとも片面に起毛処理が施されている。繊維布帛に起毛処理を施すことによって、繊維布帛を起毛させることができる。これにより、繊維布帛の厚みを増加させることができるので、保温性を向上させることができる。
起毛処理方法としては、起毛処理前に比べて起毛処理後の厚みを10%以上増加させることができる方法であればよく、例えば、一般に、バフィング、研削、サンディング、起毛等と呼ばれている処理方法を用いることができる。なお、起毛処理方法については、特にこれらの処理方法に限定されるものではない。
具体的には、セルロース系繊維を含む繊維布帛の表面を、サンドペーパー等で研削したり起毛用針布(以下、「針布」とも記載する)を用いて起毛したりする方法が挙げられる。
また、起毛処理は、セルロース系繊維布帛の両面のうちの少なくとも片面(一方の面)に対して行えばよく、片面のみまたは両面に行ってもよい。なお、セルロース系繊維布帛の両面に起毛処理を施した方が、片面にだけ起毛処理を施す場合と比べて、繊維布帛全体の厚みを容易に増加させることができるので、より暖かみがあり、保温性に一層優れた繊維布帛を得ることができる。
また、起毛処理を行うにあたり、起毛処理を行う前に起毛剤(起毛助剤)を繊維布帛に付与してもよい。これにより、容易に繊維布帛の厚みを増加させることができる。
本実施の形態において、起毛処理後の繊維布帛の毛足の長さは、特に限定されるものではないが、0.01mm〜10mm程度の長さである。また、汎用性のある繊維布帛とする観点から、起毛処理後の繊維布帛の毛足の長さは0.05〜5mm、より好ましくは、0.05〜3mmとするとよい。
また、本実施の形態では、起毛処理前に比べ起毛処理後の繊維布帛の厚みが10%以上増加している。すなわち、起毛処理後の繊維布帛の厚みの増加率は、10%以上である。ここで、起毛処理による繊維布帛の厚みの増加率は、以下の式によって求めることができる。
厚みの増加率(%)=[(起毛処理後の厚み(mm)−起毛処理前の厚み(mm))/起毛処理前の厚み(mm)]×100
このように、起毛処理によって繊維布帛の厚みを10%以上増加させることにより、人が触った時に暖かく感じることができる。なお、起毛処理による繊維布帛の厚みの増加率は15%以上であることが好ましく、さらに好ましくは20%以上がよい。また、この厚みの増加率の上限は特に制限されるものではないが、例えば500%程度が上限である。
なお、繊維布帛の厚みの測定は、直径5cmの円盤状の測定子を用い、測定時の圧力が1.5gf/cm2(147Pa)となる条件で行うことができる。このような圧力で測定したときの厚みが上記のように増加していると、手で触ったり、肌に触れたときに暖かく感じることができる。
また、セルロース系繊維布帛を触った瞬間に暖かく感じるとの観点から、起毛処理後の繊維布帛における起毛処理面の接触冷感(q−max)は、0.25W/cm2未満であるとよい。前記接触冷感(接触冷感評価値)は、0.20W/cm2未満であることが好ましく、さらに好ましくは、0.18W/cm2未満であるとよい。接触冷感は、与えられた熱量が繊維布帛に移動する熱移動量のピーク値を測定することで得られる値であり、その値は大きいほど冷たく感じると言われている。なお、接触冷感の下限値は低い方が好ましいが、例えば0.10W/cm2程度が下限である。
また、本実施の形態に係るセルロース系繊維布帛は、2℃以上の吸湿発熱性を有しているとよい。衣服を着用している間、人体からは湿気が出ており、この湿気を繊維布帛が吸収し、発熱する。このとき、吸湿発熱による繊維布帛の表面温度の上昇(吸湿発熱温度)を2℃以上とすることにより、衣服の着用者は、より暖かく感じることができる。なお、吸湿発熱温度の上限は特に制限されるものではないが、5℃程度が上限である。
また、セルロース系繊維布帛に保温性を付与するとの観点から、カーボンブラック、アンチモン酸亜鉛、アンチモンドープ酸化錫、スズドープ酸化インジウム、ジイモニウム系化合物あるいはアミニウム化合物などの赤外線吸収性能のある物質や、アクリル系樹脂などの吸湿発熱性のある物質や、パラフィンなどの溶解時吸熱し凝固時発熱するなど温度による相変換時に吸熱発熱機能を有する物質や、デッドエアーを有する中空マイクロカプセル等の断熱性のある物質を、セルロース系繊維やセルロース系繊維と複合する繊維を構成する樹脂に練り込み紡糸したり、セルロース系繊維を含む繊維布帛の表面に直接またはバインダー樹脂など用いて固着させたりして保温加工などを施してもよい。
以下に、本発明の実施の形態に係るセルロース系繊維布帛の製造方法について説明する。
本実施の形態に係るセルロース系繊維布帛の製造方法は、前記のセルロース系繊維を含む繊維布帛に起毛処理を行う起毛処理工程を含む。
起毛処理は、繊維布帛に対して、精練、染色等を行う前に行ってもよいし、精練、染色等を行った後に行ってもよい。得られるセルロース系繊維布帛の品質の安定の観点からは、精練や染色を行った後に起毛処理を行う方が好ましい。
また、起毛処理の際に起毛剤を用いる場合には、起毛処理を行う前に、繊維布帛に起毛剤を付与すると良い。起毛剤の付与は、パディング法やスプレー法により行うことができる。
起毛処理方法としては、上述の通り、一般に、バフィング、研削、サンディングまたは起毛などと呼ばれる処理方法等を用いることができる。また、起毛処理は繊維布帛の厚みを増加させるように行えばよく、本実施の形態では、起毛処理前に比べ起毛処理後の繊維布帛の厚みが10%以上増加するようにして起毛処理を行えばよい。詳細な条件設定は、厚みの増加率が10%以上となる範囲で、繊維布帛の種類や目標とするタッチ等に応じ、装置の種類や加工速度、針布の回転速度等を適宜決定すればよい。
また、針布を用いた起毛処理を施した後に、さらに、目の細かなサンドペーパーを用いたりブラシを用いたりした起毛処理をさらに行ってもよい。つまり、複数の起毛処理を組み合せてもよい。
また、起毛処理を行う際、繊維布帛は、乾いた状態や湿潤〜半湿潤の状態等の任意の状態とすることができる。なお、起毛処理を行う際に繊維布帛が湿潤〜半湿潤の状態であると、繊維布帛に含まれるセルロース繊維が伸縮して機械的外力に反応しやすくなるので、起毛処理の効果が発揮されやすくなる。
また、起毛処理を行う前、あるいは起毛処理を行った後に、上述のように、カーボンブラックなどを用いた保温加工を施してもよい。
また、必要に応じて、繊維布帛に対して、染色加工、捺染加工、撥水加工、制電加工、吸水加工、SR加工、抗菌防臭加工、制菌加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、防炎加工または仕上げセット等を、公知の方法で行ってもよい。
以上、本発明の実施の形態に係る繊維布帛によれば、従来清涼感を有する春夏のための素材と考えられていたセルロース系繊維を用いたものでありながら、当該セルロース系繊維布帛に対して、起毛処理後の厚みが10%以上増加するようにして起毛処理を行うことにより、触った感じを暖かくすることができる。したがって、本実施の形態に係る繊維布帛は、ジャケット、シャツ、ブラウス、スカート、スラックス、下着、帽子または手袋等の秋冬用の衣服素材として好ましく用いることができる。
以下、本発明に係る繊維布帛について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において、得られた繊維布帛についての、厚みおよび接触冷感(q−max)の測定、吸湿発熱性の評価は、以下の方法にて行った。
(厚みの測定)
タテ15cm×ヨコ15cmにカットしたセルロース系繊維布帛を試料とし、この試料の厚みを、PEACOK DIGITAL UPRIGHT GUAGE R5−257(株式会社尾崎製作所製)で測定した。この場合、測定子として、直径5cmの円盤状の測定子を用いた。また、測定時の圧力が1.5gf/cm2(147Pa)となるように設定し、上記測定子を試料に静かに載せた後、直ちに(少なくとも3秒以内に)試料の厚みを測定した。
タテ15cm×ヨコ15cmにカットしたセルロース系繊維布帛を試料とし、この試料の厚みを、PEACOK DIGITAL UPRIGHT GUAGE R5−257(株式会社尾崎製作所製)で測定した。この場合、測定子として、直径5cmの円盤状の測定子を用いた。また、測定時の圧力が1.5gf/cm2(147Pa)となるように設定し、上記測定子を試料に静かに載せた後、直ちに(少なくとも3秒以内に)試料の厚みを測定した。
(接触冷感:q−max)
カトーテック株式会社製のTHERMO LABO 2を用いて、起毛処理後の繊維布帛における起毛処理面の接触冷感(q−max)の測定を行った。
カトーテック株式会社製のTHERMO LABO 2を用いて、起毛処理後の繊維布帛における起毛処理面の接触冷感(q−max)の測定を行った。
(吸湿発熱性)
10cm×10cmにカットしたセルロース系繊維布帛を試料とし、まず、この試料を110℃の熱風オーブン中に1時間放置する。次に、20℃、40%RHに設定した恒温恒湿室内に試料を配置して5時間放冷する。次に、試料を四ツ折にした後、温度計に試料を巻きつけテープで固定し、20℃、40%RHの環境で1時間静置する。このとき、温度計が20℃を示していることを確認し、直ちに、20℃、90%RHに設定した恒温恒湿室の中に試料をつけた温度計を入れ、5分後の上昇温度を測定する。 なお、温度計としては、棒状の接触温度計513E(安立計器株式会社製)および記録計AP210(安立計器株式会社製)を用いた。
10cm×10cmにカットしたセルロース系繊維布帛を試料とし、まず、この試料を110℃の熱風オーブン中に1時間放置する。次に、20℃、40%RHに設定した恒温恒湿室内に試料を配置して5時間放冷する。次に、試料を四ツ折にした後、温度計に試料を巻きつけテープで固定し、20℃、40%RHの環境で1時間静置する。このとき、温度計が20℃を示していることを確認し、直ちに、20℃、90%RHに設定した恒温恒湿室の中に試料をつけた温度計を入れ、5分後の上昇温度を測定する。 なお、温度計としては、棒状の接触温度計513E(安立計器株式会社製)および記録計AP210(安立計器株式会社製)を用いた。
(実施例1)
実施例1では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(75デシテックス/20フィラメント)を50質量%、ポリエステル繊維(84デシテックス/72フィラメント)を40質量%、およびポリウレタン繊維を10質量%含む混繊糸を用いて編みたてたサテントリコット(目付け280g/m2)を用いた。
実施例1では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(75デシテックス/20フィラメント)を50質量%、ポリエステル繊維(84デシテックス/72フィラメント)を40質量%、およびポリウレタン繊維を10質量%含む混繊糸を用いて編みたてたサテントリコット(目付け280g/m2)を用いた。
この繊維布帛を、精練および染色し、セットした後、針布を用いた起毛機にて起毛処理を行った。
このようにして得られたセルロース系繊維布帛は、加工前のシャリ感のある清涼感素材から触った感じがとても暖かい素材に変わっていた。また、得られたセルロース系繊維布帛の厚みを測定すると、起毛処理後の繊維布帛の厚みは起毛処理前のものと比べて28%増加していた。さらに、起毛処理後の繊維布帛は、起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.13W/cm2で、吸湿発熱が3℃であり、秋冬用素材として好ましいものであることが分かった。
(実施例2)
実施例2では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(75デシテックス/20フィラメント)を65質量%、およびポリエステル繊維(98デシテックス/26フィラメント)を35質量%含む混繊糸を用いて得られた二重織物(目付け150g/m2)を用いた。
実施例2では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(75デシテックス/20フィラメント)を65質量%、およびポリエステル繊維(98デシテックス/26フィラメント)を35質量%含む混繊糸を用いて得られた二重織物(目付け150g/m2)を用いた。
この繊維布帛を、精練および染色し、セットした後、サンドペーパー(240メッシュ)を用いたグランプリ型起毛機にて起毛処理を行った。さらに、起毛処理後の繊維布帛に対して、ナイスポールNF−20(日華化学株式会社製)により0.5%の水溶液を用いて帯電防止加工を行った。
このようにして得られたセルロース系繊維布帛は、加工前のシャリ感のある清涼感素材から触った感じがとても暖かい素材に変わっていた。また、得られたセルロース系繊維布帛の厚みを測定すると、起毛処理後の繊維布帛の厚みは起毛処理前のものと比べて22%増加していた。さらに、起毛処理後の繊維布帛は、起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.15W/cm2で、吸湿発熱が2℃であり、秋冬用素材として好ましいものであることが分かった。
(実施例3)
実施例3では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(89デシテックス/64フィラメント)を100質量%用いて得られたタフタを用いた。
実施例3では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(89デシテックス/64フィラメント)を100質量%用いて得られたタフタを用いた。
この繊維布帛を、精練および染色し、セットした後、針布を用いた起毛機にて起毛処理を行った。
このようにして得られたセルロース系繊維布帛は、加工前のシャリ感のある清涼感素材から触った感じがとても暖かい素材に変わっていた。また、得られたセルロース系繊維布帛の厚みを測定すると、起毛処理後の繊維布帛の厚みは起毛処理前のものと比べて60%増加していた。さらに、起毛処理後の繊維布帛は、起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.17W/cm2で、吸湿発熱が3℃であり、秋冬用素材として好ましいものであることが分かった。
(実施例4)
実施例4では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(45デシテックス/34フィラメント。撚糸1600回/m)を68質量%、ポリエステル繊維(33デシテックス/24フィラメント。潜在異収縮糸)を32質量%用いて、トリアセテート繊維をタテ糸とし、ポリエステル繊維をヨコ糸として用いて得られたサテンを用いた。
実施例4では、セルロース系繊維を含む繊維布帛として、トリアセテート繊維(45デシテックス/34フィラメント。撚糸1600回/m)を68質量%、ポリエステル繊維(33デシテックス/24フィラメント。潜在異収縮糸)を32質量%用いて、トリアセテート繊維をタテ糸とし、ポリエステル繊維をヨコ糸として用いて得られたサテンを用いた。
この繊維布帛を、精練および染色し、セットした後、サンドペーパー(240メッシュ)を用いたグランプリ型起毛機にて起毛処理を行った。
このようにして得られたセルロース系繊維布帛は、加工前のシャリ感のある清涼感素材から触った感じがとても暖かい素材に変わっていた。また、得られたセルロース系繊維布帛の厚みを測定すると、起毛処理後の繊維布帛の厚みは起毛処理前のものと比べて84%増加していた。さらに、起毛処理後の繊維布帛は、起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.15W/cm2で、吸湿発熱が3℃であり、秋冬用素材として好ましいものであることが分かった。
(実施例5)
実施例5では、トリアセテート繊維(36デシテックス/34フィラメント)とポリエステル繊維(22デシテックス/12フィラメント)との混繊糸を撚糸(S2000回/m)した糸をタテ糸とし、トリアセテート繊維(36デシテックス/34フィラメント)とポリエステル繊維(22デシテックス/12フィラメント)との混繊糸を撚糸(SZ2000回/m)した糸をヨコ糸として用いて得られた梨地を、セルロース系繊維を含む繊維布帛(トリアセテート繊維68質量%、ポリエステル繊維32質量%)として用いた。
実施例5では、トリアセテート繊維(36デシテックス/34フィラメント)とポリエステル繊維(22デシテックス/12フィラメント)との混繊糸を撚糸(S2000回/m)した糸をタテ糸とし、トリアセテート繊維(36デシテックス/34フィラメント)とポリエステル繊維(22デシテックス/12フィラメント)との混繊糸を撚糸(SZ2000回/m)した糸をヨコ糸として用いて得られた梨地を、セルロース系繊維を含む繊維布帛(トリアセテート繊維68質量%、ポリエステル繊維32質量%)として用いた。
この繊維布帛を、精練および染色し、セットした後、針布を用いた起毛機にて起毛処理を行った。
このようにして得られたセルロース系繊維布帛は、加工前のシャリ感のある清涼感素材から触った感じがとても暖かい素材に変わっていた。また、得られたセルロース系繊維布帛の厚みを測定すると、起毛処理後の繊維布帛の厚みは起毛処理前のものと比べて42%増加していた。さらに、起毛処理後の繊維布帛は、起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.15W/cm2で、吸湿発熱が3℃であり、秋冬用素材として好ましいものであることが分かった。
以上、本発明に係る繊維布帛について、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び実施例における構成要素を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る繊維布帛は、暖かく感じることができるので、ジャケット、シャツ、ブラウス、スカート、スラックス、下着、帽子または手袋等の秋冬用の衣服素材等として広く用いることができる。
Claims (3)
- 少なくとも片面に起毛処理が施されたセルロース系繊維を含む繊維布帛であって、起毛処理前に比べ起毛処理後の前記繊維布帛の厚みが10%以上増加している繊維布帛。
- 前記厚みは、直径5cmの円盤状の測定子を用いて、1.5gf/cm2の圧力で測定したときの値である請求項1記載の繊維布帛。
- 起毛処理後の前記繊維布帛における起毛処理面の接触冷感(q−max)が0.25W/cm2未満である請求項1または2に記載の繊維布帛。
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CN114177850A (zh) * | 2021-04-14 | 2022-03-15 | 青岛尼希米生物科技有限公司 | 一种空气微胶囊及其制备方法、保暖纤维素纤维及其制备方法和应用 |
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CN114177850B (zh) * | 2021-04-14 | 2024-04-26 | 云起(青岛)材料科技有限公司 | 一种空气微胶囊及其制备方法、保暖纤维素纤维及其制备方法和应用 |
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