JP2009247664A - 中わた - Google Patents

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Chie Nakajima
千恵 中島
Kenichi Kanda
賢一 神田
Keiko Yoneda
圭子 米田
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Abstract

【課題】本発明は曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性、吸放湿性に優れた中わた を提供するものである。
【解決手段】断面形状がW型断面であるポリエステル系短繊維(以下、Aとする)と再生セルロース系短繊維(以下、Bとする)及び合成系短繊維(以下、Cとする)から構成されることを特徴とする中わた。
【選択図】なし

Description

本発明は、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性、及び吸放湿性に優れた中わたに関する。
近年、衣料や寝具や家具等のホームテキスタイル分野では、快適性嗜好のニーズが高まり、耐久性や取り扱い性等の機能性だけでなく、着用或いは使用時の快適性、所謂、人の感性に訴える機能が要求されている。従来のポリエステルやポリアミドといった合成短繊維からなる中わたは、機械的性能をバランス良く具備することから、掛け布団、敷き布団、枕などの寝具、クッションやソファーなどの家具、キルティングジャケット、ダウンジャケットなどの衣料用として広く用いられている。中わたに要求される特性として、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性、吸放湿性が挙げられるが、従来の中わたに用いられている合成短繊維は、その断面形状が丸断面である場合が一般的であり、単糸自身の柔軟性に乏しく、繊維間空隙が大きいこと等が原因で、例えば衣料の場合は、長時間着用すると、身体の動作に衣服素材が追従せず、十分な保温感が得られないばかりか、蒸れ感を感じたり、内衣との摩擦により静電気が発生する等、着心地が悪いものであった。一方、寝具の場合では、睡眠中に適切な保温感が持続せず体温が低下し、身体から発散する不感蒸泄による蒸れ感や、寝間着との摩擦により静電気が発生する等、快適な睡眠環境が得られないものであった。
上記の様な欠点を改善すべく、非相溶である2成分がブレンドされてなる繊維であり、且つ繊維内部に空隙を300個以上有し、さらに空隙の平均直径が0.01μm以上,1μm以下であり、空隙数が繊維の外層部に対し内層部に1.3倍以上分布する傾斜構造をもつ、断面形状が異形断面を含むボイド繊維を用いてなることを特徴とする中わたが提案されている(特許文献1参照)。確かに、微細空隙を多数有するポリエステル繊維を用いているため、保温性等は若干改善されるものの、やはり満足のいく保温性を有するものではなく、それと合わせて衣料用途や寝具・家具用途に必須とされている、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、制電性及び吸放湿性等の人体生理や感性に係る高度な機能性は極めて劣るものであり、ウレタンライクの低品位な中わたとなってしまうものであった。
特開2006−345920号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性及び吸放湿性に優れた中わたを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性及び吸放湿性に優れた中わたを得るために鋭意検討した結果、断面形状がW型断面であるポリエステル系短繊維と再生セルロース系短繊維と合成系短繊維とを特定割合で混合し、各繊維が有する特性を組み合わせることで、優れた曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性を有する中わたを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)断面形状がW型であるポリエステル系短繊維(以下、Aとする)、再生繊維セルロース短繊維(以下、Bとする)及び合繊系短繊維(以下、Cとする)を含むことを特徴
とする中わた。
(2)前記A、B及びCの混合重量比率が、A:B:C=(10%〜40%):(10%〜40%):(20%〜80%)であることを特徴とする上記(1)記載の中わた。
(3)前記中わたが、さらに熱接着性繊維(以下Dとする)を含むことを特徴とする上記(1)記載の中わた。
(4)前記Dの混合重量比率が、A〜Dの繊維成分全体に対して1〜20重量%であることを特徴とする上記(3)に記載の中わた。
(5)繊維充填率が0.6%〜5%であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の中わた。
(6)前記Aの異型度が2〜4であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の中わた。
(7)前記Bが銅アンモニアレーヨンであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の中わた。
(8)前記中わたの剛軟度が65mm以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の中わた。
(9)前記中わたの圧縮剛性が0.7以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の中わた。
(10)前記中わたの帯電圧の半減期が30秒以下であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の中わた。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の中わたを衣料、寝具の全部または一部に用いてなることを特徴とする繊維製品。
本発明の中わたは、断面形状がW型断面であるポリエステル系短繊維(以下、Aとする)、再生セルロース系短繊維(以下、Bとする)及び合成系短繊維(以下、Cとする)を含むことにより、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性及び吸放湿性に優れている。
本発明の第一の特徴は、A及びBはいずれも繊維自身が屈曲に対して優れた柔軟性を有しているため、A、B及びCで構成された該中わたの曲げ柔軟性も優れたものとなる。
本発明の第二の特徴は、Aはその繊維断面形状がW型であるがゆえに、繊維表面積が大きくなるので、本発明の中わたの繊維充填率が大きくなる。そして短繊維間の空隙に、より多量の動かない空気(デッドエアー)を保持でき、保温性が大幅に向上する。
本発明の第三の特徴は、Aは断面の細かい溝によって水分をしっかり吸水するため、該中わたが吸水した際に、短繊維間の空隙部に水や汗が浸透し優れた吸水性が得られ、且つ保水された水が外に出難いため、汗のべとつき感と肌に触れた時のひんやり感がない優れた濡れ戻り性が同時に得られる。又、乾燥時はAの表面積が大きいことによるラジエタ−効果からも速乾性も得ることができる。
本発明の第四の特徴は、Bは公定水分率が11%であるがゆえに、優れた吸放湿性を有しており、身体から発散する湿気を素早く吸収し、外へ放出するため、湿度の高い環境下で着用或いは使用した場合でも、蒸れ感やべたつき感を抑え快適性が得られる。更に、静電気を素早く空気中に逃がす性質があるので、不快なまとわりつきや着用時のパチパチ、埃の付着といったトラブルを軽減する。
本発明の第五の特徴は、Cはその繊維断面形状がW型以外の合繊系短繊維であるため、該中わたの圧縮回復性および耐へたり性を低下することなく、圧縮耐久性が保持できる。
即ち、上記のA、B及びCの各繊維成分の選択、さらに、それらの混合重量比率を鋭意検討し、曲げ柔軟性及び圧縮柔軟性に優れているのみならず、相反する圧縮回復性や耐へたり性等の圧縮耐久性をも兼ね備えた、保温効果の高い中わたを発明するに至った。
以上のことから、キルティングジャケット、ダウンジャケット、防寒服などの衣料用途、掛け布団、敷き布団、ベッドパッド、マットレス、枕等の寝具用途、クッションやソファー、座布団等の家具用途に好適に用いられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における中わたは、断面形状がW型断面であるポリエステル系短繊維(以下、Aとする)、再生セルロース系短繊維(以下、Bとする)及び合成系短繊維(以下、Cとする)を含むものである。
本発明におけるAとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのホモポリマー、これらポリマーとのポリエステル共重合体等の繊維形成性を有するポリエステル重合体からなる短繊維が用いられる。短繊維中に、制電剤、難燃剤、耐熱剤、耐光剤、酸化チタン等の添加剤を添加されていても何ら差し支えはない。強度、耐久性の点から、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。本発明におけるBとしては、セルロース系の再生繊維であり、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン(強力レーヨン、ポリノジックレーヨン、ハイウェットモジュラスレーヨンを含む)、精製セルロース(リヨセル)等の短繊維が好ましく用いられる。
特に制限されるものではないが、本発明の中わたの曲げ柔軟性や圧縮柔軟性を格段に向上させるには、再生セルロース繊維が好ましく、銅アンモニアレーヨン繊維であることがより好ましく、旭化成せんい(株)製キュプラ(ベンベルグR)が用いられる。再生セルロース系短繊維が銅アンモニアレーヨン以外の場合は、再生セルロース系短繊維自身の曲げ応力が大きくなりやすく、中わたの曲げ柔軟性や圧縮柔軟性が低下する傾向にある。
本発明におけるCとは、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維等の合成短繊維であれば特に制限されるものではなく、単糸断面形状には特に限定されず、丸形、W型でもよく、また三角型、五角型、星型、L型、T型、Y型、H型、π型、+型、#型、*型、八葉型、ドッグボーン型等の異型断面形状や、これらの中空断面形状であってもよい。
本発明における中わたの混合重量比率は、A:B:C=(10%〜40%):(10%〜40%):(20%〜80%)が好ましく、より好ましくは、A:B:C=(15%〜35%):(15%〜35%):(30%〜70%)、更に好ましくは、A:B:C=(20%〜30%):(20%〜30%):(40%〜60%)である。
A及びBの混合重量比率がそれぞれ10%未満であると、曲げ柔軟性と圧縮柔軟性及び制電性が低下しやすく、更に十分な保温性及び吸放湿性も得られにくくなる。A及びBの混合重量比率がそれぞれ40%を超えると、制電性及び吸放湿性は問題ないが、曲げ柔軟性及び圧縮柔軟性が低下しやすく、保温性にも劣るものとなりやすい。
本発明における繊維充填率とは、中わたにおいて、単位体積中に占める繊維の割合を言い、翻って、空気含有率に相関する。繊維充填率は0.6%〜5%であることが好ましい。より好ましくは0.7%〜4%、更に好ましくは0.8%〜3%である。繊維充填率が0.6%未満であると、十分な保温性が得られない。即ち、本発明の中綿において、空隙率は95〜99.4%と、高い空隙率を有する。
又、繊維充填率が0.6%未満である中わたを用いたキルティングジャケット、ダウンジャケット、防寒服等の衣料では、中わたの圧縮回復性が不良で、適度な膨らみのあるシルエットが得られず、長期に着用していると外観品位が低下し、繰返しの家庭洗濯やドライクリーニング等の洗濯耐久性がなく、形態安定性に劣る。中わたの繊維充填率が5%を超えると、空気の流れが不良となり、身体から発生する熱や湿気がこもり不快感を伴う。一方、掛け布団、敷き布団、ベッドパッド、マットレス、枕等の寝具用途、クッションやソファー、座布団等の家具用途についても、衣料と同様、圧縮回復性、形態安定性、外観品位等に劣るものであり、満足できる使用感が得られない。
本発明における異型度とは、W型断面に外接する長方形を描き、この長辺Lを短辺Hで
割った値を言う。Aの異型度が2〜4であることが好ましく、より好ましくは2.5〜3.5、更に好ましくは2.8〜3.3である。異型度が2より小さいとAの曲げ応力が大きくなり、中わたの曲げ柔軟性や圧縮柔軟性が低下し、しなやかさやソフト感が得られないものとなる。更に繊維充填率が0.6%未満となり、十分な保温性が得られない。異型度が4を超えると単糸間の空隙が極めて小さくなり、中わたとしたときの膨らみ感及び保温性が得られない。更に繊維充填率が5%を超え、空気の流れが不良となり身体から発生する熱や湿気がこもり不快感を伴う。又、W型断面の開口角度は、W型断面糸の下部凹部の両端より引き出した線を引いたときの角度で表され、W型断面形状の鋭利差を意味し、角度が大きいほど偏平となる。本発明において、W型断面の開口角度は110〜150度の範囲が好ましく、120〜140度がより好ましい。
本発明における中わたの剛軟度とは、剛さ(しなやかさ)の程度を言う。中わたの剛軟度が65mm以下であることが好ましく、より好ましくは63mm以下、更に好ましくは60mm以下である。剛軟度が65mmを超えると、例えば衣料の場合は、着用中の動作時の拘束感が大きいので動きにくく、身体へのフィット感が劣るものとなり着心地が悪い。
一方、掛け布団等の寝具の場合では、身体を覆った掛け布団が身体に沿いにくく、寝返りをうったりすると身体から離れてしまったり、身体と掛け布団の空間が大きくなりすぎて、十分な保温性が得られない等、快適な睡眠環境が得られないものとなる。
本発明における圧縮剛性とは、中わたを厚み方向に圧縮する際の圧縮のし易さの程度を言う。圧縮剛性が0.7以下であることが好ましく、より好ましくは0.6以下である。圧縮剛性が0.7以下であると、中わたを用いた衣料を着用したり、或いは中わたを用いた寝具を使用する際に、良好な圧縮柔らかさが得られると共に、適度な変形量で中わたが圧縮されるため、快適な着用感や寝心地が体感できる。圧縮剛性が0.7を超えると着用したり、寝た時に中わたが圧縮されず、着用中にごわつきを感じたり身体の動きが拘束される等の不快感や寝心地が悪い等、圧縮柔軟性が不十分となる。
本発明における半減期とは、10kVの電圧を30秒間印加した後、帯電圧が初期帯電圧の二分の一に減衰するまでの時間である。本発明の中わたは、帯電圧の半減期が30秒以下であることが好ましく、より好ましくは20秒以下、更に好ましくは17秒以下である。半減期が30秒を超えると、例えば衣料の場合は、内衣との摩擦により静電気が発生して着心地が悪いのみならず、埃や花粉等が付着しやすく、衣服の汚れが顕著で、又花粉症を引き起こす原因ともなる。一方、寝具の場合では、寝間着との摩擦により静電気が発生する等、快適な睡眠環境が得られないものとなる。尚、上記の各測定方法の詳細については後述する。
本発明における中わたとは、3次元的に絡合して繊維集合体を形成したものであり、例えば側地と側地との間に繊維を充填した形態のものであっても良く、A、B及びCの3種を混綿した後、得られた混綿塊をシート状の繊維集積層にする。繊維集積層を形成する主な方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等があるが、短繊維を用いる場合は乾式法或いは湿式法が好ましい。乾式法は、短繊維を紡績用カード、又は空気流によるランダム・ウェッバーで繊維集積層を作る方法である。一方、湿式法は、短繊維を水中に分散し、抄紙工程によってシート化する方法である。いずれの方法も繊維集積層をそのまま、或いは交差積層して結合する。繊維集積層を結合する方法としては、サーマルボンド法、ケミカルボンド法(含浸法及びスプレー法)、ニードルパンチ法、水流絡合法等があり、特に限定されるものではないが、本発明の中わたは、断面形状がW型断面であるポリエステル短繊維と再生セルロース系短繊維及び合成短繊維を用いて構成されているため、サーマルボンド法及びスプレー法によるケミカルボンド法を、どちらか単独で行うか、或いは両方法を組み合わせるのが好ましい。サーマルボンド法を採用する場合
は、A、B及びC以外に、熱接着性繊維を含めた4種を混綿して、熱処理することによって生じた融着点を繊維間に保持すれば良い。特に敷き布団、ソファー、自動車用シート等として本発明の中わたを用いる場合、特に弾力性が高く、綿切れ等が生じないことが要求されることから、A、B、C及び熱接着性繊維(以下、Dとする)の4種を混綿し、繊維間に融着点を有することが好ましい。その場合の中わた材中での熱接着性繊維Dの混合重量比率は、A〜Dの繊維成分全体に対して1〜20重量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。
該熱接着性繊維Dが1重量%以上であれば、繊維集積層を結合するには十分であり、20重量%以内であれば、柔軟性等にも支障はない。
本発明に用いる熱接着性繊維としては、繊維全体が熱接着性成分からなるものであっても、繊維表面の一部又は全部に熱接着性成分が存在するものであっても良い。Dの形態安定性が高くでき、結果として耐熱性の高い中わたとなる点で、熱接着性成分と熱接着性成分以上の軟化点或いは融点を有する成分からなり、繊維表面の一部或いは全部に熱接着性成分が存在する熱接着性複合繊維を用いることが好ましい。
熱接着性成分は特に制限されるものではなく、非晶性ポリマであっても、結晶性ポリマであっても良い。例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンや、ポリエステル系エラストマー、ポリオフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられ、得られる中わたが適度な形態安定性、柔軟性を有する点で、イソフタル酸共重合PET、イソフタル酸共重合PBT、或いは熱可塑性エラストマーであることが好ましい。単糸断面形状には特に限定されず、丸形、W型でもよく、また三角型、五角型、星型、L型、T型、Y型、H型、π型、+型、#型、*型、八葉型、ドッグボーン型等の異型断面形状や、これらの中空断面形状であってもよい。
一方、スプレー法によるケミカルボンド法は、バインダの溶液を表裏のどちらか片面或いは表裏両面に均一にスプレーし、乾燥させる方法であり、バインダの溶液としては一般的なアクリル樹脂を用いれば特に限定されるものではない。
本発明の中わたは、A、B、C及びDを混綿したウェブ状の繊維集合体を積層して熱処理を施した不織布状の形態のものが好ましい。もちろん不織布でも側地の間に内在された形態であっても良く、目的用途に応じて便宜選択すれば良い。
本発明の中わたに用いる、A、B、C及びDの単糸繊度は目的用途に応じて便宜選択すればよいが、0.6dtex〜6dtexが好ましく、より好ましくは1.0dtex〜5dtexである。0.6dtexより細いと、単糸切れが発生し、中わた製造工程での生産性が悪く、消費性能面では繰返し着用したり、洗濯やドライクリーニングの機械的外力により外観品位が低下し、圧縮回復性及び耐へたり性に劣る。6dtexを超えると曲げ柔軟性、圧縮柔軟性に劣り、快適な着心地や寝心地が得られない。
本発明の中わたに用いる、A、B、C及びDの繊維長は目的用途に応じて便宜選択すればよいが、過度に短いと繊維の絡合性が低下して、カード通過性が悪化することがあるため、繊維長は10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。また過度に長いと開繊性が低下して嵩高性が悪化することがあるため、200mm以下であることが好ましく、100mm以下であることがより好ましい。
本発明の中わたは、優れた曲げ柔軟性を有するA、B及びCを混綿して成型されているため、用いる繊維の重量が少なくても、圧縮された時の底打ち感が無く、且つ優れた圧縮柔軟性を示す。このため、中わたの目付けについては制限されず目的用途に応じて選択できる。例えば、敷き布団やマットレス等の底打ち感の無い中わたを得るには、目付けは高いことが好ましく、1000g/m以上であることが好ましく、1500g/m以上であることがより好ましい。又、例えば、衣料用途等の着用性や柔軟性、或いは軽量性が要求される用途に用いる場合は、低目付であることが好ましく、好ましくは500g/m
以下であり、より好ましくは300g/m以下であるり、更に好ましくは100g/m以下である。又、中わたの厚さについても同様に適宜選択すれば良い。
また、本発明の中わたが側地を有する場合、側地の全部が同一組織であっても、異なっていても良く、目的用途に応じた繊維構造物を用いることができる。例えば側地に用いる、織物の織り組織としては、1重織物としてはブロード、ボイル、ローン、ギンガム、トロピカル、タフタ、シャンタン、デシン等の平織、デニム、サージ、ギャバジン等の綾織、サテン、ドスキン等の朱子織、バスケット、パナマ、マット、ホップサック、オックスフォード等のななこ織、グログラン、オットマン、ヘアコード等の畝織、フランス綾、ヘリンボーン、ブロークンツイル等の急斜文、緩斜文、山形斜文、破れ斜文、飛び斜文、曲り斜文、飾斜文や、不規則朱子、重ね朱子、拡げ朱子、昼夜朱子や、蜂巣織、ハック織、梨地織、ナイアガラ等が挙げられ、又、2枚の織物を合わせて1枚の織物となした2重織物としては、ピケ、フクレ織等の2重織、ベッドフォードコード等の緯2重織、風通織、袋織等の緯2重織等が挙げられ、目的用途に応じて適宜選ばれる。
側地に用いるパイル織物としては別珍やコールテン等のパイル織や、タオル、ビロード、ベルベット等のパイル織等が挙げられ、その他に紗織や絽織等のからみ織物、ドビー織やジャガード織などの紋織物等が挙げられ、それぞれ用途や目的に応じて適宜選ばれる。
側地に用いる編物の編み組織としては、例えば、天竺やシングル等の平編、ゴム編やフライス等のリブ編、リンクス等のパール編の他、鹿の子、梨地、アコーディオン編、スモールパターン、レース編、裏毛編、片畦編、両畦編、リップル、ミラノリブ、ダブルピケ、等の緯編、あるいはトリコット、ラッセル、ミラニーズ等の経編等が挙げられ、それぞれ用途や目的に応じて適宜選ばれる。
側地に用いる不織布の構造としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、ウォータージェットパンチ(スパンレース)法、スティッチボンド法、フェルト法等の方法により形成された不織布等が挙げられ、それぞれ用途や目的に応じて適宜選ばれる。
又、本発明の効果を妨げない範囲で、常法の精練、染色、熱セット等の加工を受けてもよく、艶付けプレス、エンボスプレス、コンパクト加工、柔軟加工、ヒートセッティング等の物理的処理加工や、ボンディング加工、ラミネート加工、コーティング加工、蒸着加工、防汚加工、撥水加工、帯電防止加工、防炎加工、防虫加工、衛生加工、泡樹脂加工等の化学的処理加工や、その他にマイクロ波応用や、超音波応用、遠赤外線応用、紫外線応用、低温プラズマ応用等の応用処理がなされていても良い。
本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)糸物性の測定
1)繊度
JIS−L−1015の8−5−1に記載のA法に準拠して行う。
2)繊維長
JIS−L−1015の8−4−1に記載のA法(ステープルダイヤグラム法)に準拠して行う。
(2)繊維充填率
繊維充填率は次式より算出する。
繊維充填率(%)=目付/{(厚み×(比重a×混率a+比重b×混率b+・・・・))}×100 (1)
(3)異型度の算出
W型断面に外接する長方形を描き、この長辺Lを短辺Hで割った値を異型度とする。
(4)剛軟度
JIS L−1096 剛軟度試験方法A法(45°カンチレバー法)に準拠して行う。
(5)圧縮剛性の測定
カトーテック(株)製KES−G5圧縮試験機を使用し、試料を面積10cmの円形表面を持つ銅板間(圧縮速度0.05cm/sec)で圧縮し、圧縮力P=10gf/cmにおける 試料の圧縮剛さを測定する。
(6)制電性
JIS L−1094 半減期試験方法A法に準拠して行う。
(7)保温性
JIS L−1096 保温性試験方法(冷却法)に準拠して行う。
(8)吸放湿性
所定量の中わたの絶乾状態での重量を測定する(絶乾条件は105℃×2時間である)。雰囲気X(20℃×65%RH)及び雰囲気Y(30℃×90%RH)で24時間放置した後の重量を測定する。これらの測定値から、雰囲気Xでの吸湿率は(2)式で求め、雰囲気Yでの吸湿率は(3)式で求めた。又、吸放湿能力(%)は(4)式で求めた。
雰囲気Xの吸湿率(重量%)=(雰囲気Xでの重量―絶乾重量)/絶乾重量×100 (2)
雰囲気Yの吸湿率(重量%)=(雰囲気Yでの重量―絶乾重量)/絶乾重量×100 (3)
吸湿能力(重量%)=(雰囲気Yでの吸湿率)−(雰囲気Xでの吸湿率) (4)
吸湿率は大きい方が吸湿量が多い。又、吸放湿能力は快適性を得るためのドライビングフォースであり、大きい方が良い。
[実施例1]
Aは繊度1.4dtex、繊維長38mm、Bは繊度1.4dtex、繊維長51mm、Cは繊度1.1dtex、繊維長38mm、Dは繊度1.4dtex、繊維長38mmを、A:B:C:D=30:20:40:10の重量比率で混綿し、サーマルボンド法とケミカルボンド法(スプレー法)を併用した成形方法によって中わたを製造し、曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性、吸放湿性を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、A:B:C:D=10:40:40:10の重量比率で混綿し、中わたを得た。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、A:B:C:D=40:10:40:10の重量比率で混綿し、中わたを製造した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様の方法で、Bとしてビスコースレーヨンの繊度1.4dtex、繊維長51mmを用い、A:B:C:D=0:45:50:5の重量比率で混綿し中わたを製造した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様の方法で、A:B:C:D=45:0:50:5の重量比率で混綿し中わたを製造した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
繊度3.3dtex、繊維長51mmのCを100%用いてニードルパンチ法による成
形方法によって中わたを製造した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3は曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性及び吸放湿性の全てにおいて優れたものとなった。特に実施例2はBの重量比率を大きくしているので、実施例1及び実施例3に比べて吸放湿性に優れ、蒸れ感やべたつき感が殆ど感じられない。一方、実施例3はAの重量比率を大きくしているので、実施例1及び実施例2に比べて保温性が格段に向上する。
しかし、比較例1は曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、及び保温性に劣るものであり、比較例2及び比較例3は曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性及び吸放湿性の全てにおいて劣るものであった。
Figure 2009247664
本発明は曲げ柔軟性、圧縮柔軟性、保温性、制電性、吸放湿性に優れた中わたを提供するものであり、キルティングジャケット、ダウンジャケット、防寒服等の衣料用途、掛け布団、敷き布団、ベッドパッド、マットレス、枕等の寝具用途、クッションやソファー、座布団等の家具用途に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 断面形状がW型であるポリエステル系短繊維(以下、Aとする)、再生繊維セルロース短繊維(以下、Bとする)及び合繊系短繊維(以下、Cとする)を含むことを特徴とする中わた。
  2. 前記A、B及びCの混合重量比率が、A:B:C=(10%〜40%):(10%〜40%):(20%〜80%)であることを特徴とする請求項1記載の中わた。
  3. 前記中わたが、さらに熱接着性繊維(以下Dとする)を含むことを特徴とする請求項1記載の中わた。
  4. 前記Dの混合重量比率が、A〜Dの繊維成分全体に対して1〜20重量%であることを特徴とする請求項3に記載の中わた。
  5. 繊維充填率が0.6%〜5%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中わた。
  6. 前記Aの異型度が2〜4であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中わた。
  7. 前記Bが銅アンモニアレーヨンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の中わた。
  8. 前記中わたの剛軟度が65mm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の中わた。
  9. 前記中わたの圧縮剛性が0.7以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の中わた。
  10. 前記中わたの帯電圧の半減期が30秒以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の中わた。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の中わたを衣料、寝具の全部または一部に用いてなることを特徴とする繊維製品。
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