JP2013136814A - セラミック溶射皮膜及びその製造方法 - Google Patents

セラミック溶射皮膜及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013136814A
JP2013136814A JP2011288262A JP2011288262A JP2013136814A JP 2013136814 A JP2013136814 A JP 2013136814A JP 2011288262 A JP2011288262 A JP 2011288262A JP 2011288262 A JP2011288262 A JP 2011288262A JP 2013136814 A JP2013136814 A JP 2013136814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
sprayed coating
ceramic sprayed
thermal spray
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011288262A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuto Sato
和人 佐藤
Hiroaki Mizuno
宏昭 水野
Junya Kitamura
順也 北村
Yoshitomo Kobayashi
由朋 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimi Inc filed Critical Fujimi Inc
Priority to JP2011288262A priority Critical patent/JP2013136814A/ja
Publication of JP2013136814A publication Critical patent/JP2013136814A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

【課題】セラミック焼結バルク体に近い特性を有するセラミック溶射皮膜を提供する。
【解決手段】本発明のセラミック溶射皮膜は、200gf(約1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さについて、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体に対して0.6倍以上の値を有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミック溶射皮膜及びその製造方法に関する。
セラミック溶射皮膜は、構成セラミックスの特性に応じて種々の用途で使用されている。例えば酸化イットリウム(Y)が優れた耐プラズマエロージョン性を示すことから、酸化イットリウム溶射皮膜は半導体デバイス製造装置中の部材の保護皮膜として有用である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、溶射皮膜が本質的に多孔質であることが原因で、セラミック焼結バルク体と比較してセラミック溶射皮膜は機械的、電気的又は化学的特性に劣ることがある。例えば、酸化イットリウム焼結バルク体と比較して酸化イットリウム溶射皮膜は耐プラズマエロージョン性に劣る。
特開2002−80954号公報
本発明の発明者は、種々のセラミック溶射皮膜について検証を重ねた結果、セラミック溶射皮膜の諸特性の多くがセラミック溶射皮膜のビッカース硬さと相関していることを見出した。本発明は、発明者によるこのような新たな知見に基づいてなされたものであり、その目的は、セラミック焼結バルク体に近い特性を有するセラミック溶射皮膜及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様ではセラミック溶射皮膜が提供され、このセラミック溶射皮膜の200gf(≒1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さは、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体の同じビッカース硬さの0.6倍以上である。
本発明の別の態様では、上記態様に係るセラミック溶射皮膜を製造する方法が提供される。この方法は、基材に向けてセラミック溶射材料を高速フレーム溶射又はプラズマ溶射する工程を含む。
本発明によれば、セラミック焼結バルク体に近い特性を有するセラミック溶射皮膜及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態のセラミック溶射皮膜は、セラミック溶射材料、より具体的には、セラミック粒子を含んだ溶射材料を溶射して得られるものである。溶射材料中のセラミック粒子は、例えば、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(Zr)、酸化クロム(Cr)などの酸化物セラミックスからなる粒子である。あるいは、スピネル型酸化物セラミックス、ランタン(La)を含んだ酸化物セラミックス、マンガンを含んだ酸化物セラミックスからなる粒子であってもよい。
溶射材料は例えば金属又はセラミックスからなる基材に向けて溶射されるため、セラミック溶射皮膜は通常、基材上に設けられることになる。溶射材料は粉末の形態であってもよいし、あるいはスラリー(すなわちサスペンション)の形態であってもよい。
粉末状の溶射材料は、セラミック粒子以外の成分を含んでもよいが、セラミック粒子以外の成分の含有量はできるだけ少ないことが好ましい。好ましくは、粉末状の溶射材料の100%がセラミック粒子によって構成される。
スラリー状の溶射材料は、エタノールをはじめとするアルコールや水などの分散媒、好ましくは水にセラミック粒子を混合して調製される。スラリー状の溶射材料は、ポリビニルアルコールなどの分散剤をさらに含有してもよい。
溶射材料中に含まれるセラミック粒子の平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、特に好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.7μm以下である。セラミック粒子の平均粒子径が小さくなるにつれて、より緻密でビッカース硬さの高いセラミック溶射皮膜を溶射材料から得ることができる。
ただし、粉末状の溶射材料中に含まれるセラミック粒子の平均粒子径が10μm以下である場合、溶射材料は流動性が低く、そのため溶射材料を円滑に溶射することが容易でない。そのため、粉末状の溶射材料の流動性を高める目的で、構成セラミックスの種類が異なる複数種類のセラミック粒子を併用してもよいし、あるいは粒度分布が異なる複数種類のセラミック粒子を併用してもよい。粒度分布が異なる二種類のセラミック粒子を併用した場合には、溶射材料がバイモーダルな粒度分布を示すこともありうる。
あるいは、粉末状の溶射材料の流動性を高めるための手段としては、溶射材料中のセラミック粒子を凝集させることも有効である。セラミック粒子の凝集は、造粒によって行うこともできるし、造粒焼結によって行うこともできる。得られる凝集体は、構成セラミックスの種類が同じセラミック粒子同士が凝集してなるホモ凝集体であってもよいし、構成セラミックスの種類が異なるセラミック粒子同士が凝集してなるヘテロ凝集体であってもよい。
粉末状の溶射材料の流動性を高めるための手段としてはさらに、より球形に近い形状のセラミック粒子を使用することも有効である。あるいは、セラミック粒子の表面を化学的に処理することにより溶射材料中のセラミック粒子同士の間で働く力を調整することも有効である。
溶射材料を溶射する方法は、高速酸素燃料溶射(HVOF)のような高速フレーム溶射であってもよいし、あるいは大気圧プラズマ溶射(APS)のようなプラズマ溶射であってもよい。より緻密でビッカース硬さの高いセラミック溶射皮膜を得るためには、高速フレーム溶射を用いることが好ましい。高速フレーム溶射で使用される燃料は、アセチレン、エチレン、プロパン、プロピレンなどの炭化水素のガス燃料であってもよいし、あるいは灯油やエタノールなどの液体燃料であってもよい。
溶射時に溶射材料は自身の融点の110%以上の温度にまで加熱されることが好ましい。溶射材料が溶射時に十分に加熱されるほど、より緻密でビッカース硬さの高いセラミック溶射皮膜が得られやすい。
溶射距離、すなわち溶射装置のノズル先端から基材までの距離は30mm以上200mm以下であることが好ましい。溶射距離が長くなるにつれて、基材を加熱しすぎなくなる有利がある。一方、溶射距離が短くなるにつれて、溶射材料が十分に加熱された状態で基材上に堆積するために、緻密でビッカース硬さの高いセラミック溶射皮膜が得られやすい。
例えば、0.4μm以上2.0μm以下の平均粒子径を有する酸化イットリウム粒子からなる粉末状の溶射材料の場合、より緻密でビッカース硬さの高いセラミック溶射皮膜を得るためには、溶射材料は2,700℃以上4,000℃以下に加熱されることが好ましく、溶射距離は40mm以上150mm以下であることが好ましい。
溶射材料がスラリー状の場合特に、溶射装置への溶射材料の供給はアクシャルフィード方式、すなわち溶射装置で生じるフレームと同軸方向から行われることが好ましい。
また、スラリー状の溶射材料を溶射装置に供給する場合、一般的なフィーダーでは、周期的に供給量が変動して安定供給が難しい。そのため、溶射材料を溶射装置に安定して供給するために、2ストローク方式、すなわち2つのフィーダーを用いて、両フィーダーからの溶射材料の供給量の変動周期が互いに逆位相となるようにしてもよい。
あるいは、スラリー状の溶射材料を溶射装置に安定して供給するための手段としては、フィーダーから送り出された溶射材料を溶射装置の直前で貯留するタンクを設け、自然落下を利用してそのタンク内の溶射材料を溶射装置に供給するようにしてもよい。
溶射材料を溶射して得られるセラミック溶射皮膜中のセラミックスの含有量、すなわちセラミック溶射皮膜の純度はできるだけ高いことが好ましい。コバルトなどの金属やフリーカーボンを不純物として含有する場合、セラミック溶射皮膜の絶縁性などの電気的特性が低下することがある。
セラミック溶射皮膜の200gf(約1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さは、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体の同じビッカース硬さの0.6倍以上であることが必要である。0.6倍を下回る場合には、セラミック溶射皮膜がセラミック焼結バルク体に近い特性を有することは難しい。その理由としては、セラミック溶射皮膜の緻密さが十分でないことが考えられる。よりセラミック焼結バルク体に近い特性をセラミック溶射皮膜に与えるためには、セラミック溶射皮膜の前記ビッカース硬さはセラミック焼結バルク体のそれの0.7倍以上であることが好ましく、より好ましくは0.8倍以上、さらに好ましくは0.9倍以上、特に好ましくは0.95倍以上である。セラミック溶射皮膜及びセラミック焼結バルク体の前記ビッカース硬さは、マイクロビッカース試験機を用いて測定可能である。
1100℃〜1200℃の範囲におけるセラミック溶射皮膜の熱膨張率の温度依存性を一次関数で近似したときにその一次関数が表す直線の傾きが−6.0×10−5/℃以上であることが好ましく、より好ましく−4.5×10−5/℃以上、さらに好ましくは−3.0×10−5/℃以上、特に好ましくは−1.5×10−5/℃以上、最も好ましくは−1.0×10−5/℃以上である。この傾きの値が大きくなるほど、よりセラミック焼結バルク体に近い特性がセラミック溶射皮膜に与えられる。その理由としては、セラミック溶射皮膜の密度がセラミック焼結バルク体の理論密度に近づくことが考えられる。セラミック溶射皮膜の熱膨張率は熱機械分析装置(TMA)を用いて測定可能である。また、一次関数を求める方法としては、温度を独立変数、熱膨張率を従属変数として、最小2乗法による直線回帰が用いられる。この作業はマイクロソフト社のマイクロソフトエクセル(登録商標)などで行うことができる。
セラミック溶射皮膜の破壊靭性値は、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体で同じ条件で測定される破壊靭性値の0.4倍以上であることが好ましく、より好ましくは0.5倍以上、さらに好ましくは0.55倍以上である。セラミック溶射皮膜の破壊靭性値が大きくなるほど、よりセラミック焼結バルク体に近い特性がセラミック溶射皮膜に与えられる。セラミック溶射皮膜及びセラミック焼結バルク体の破壊靭性値は圧子式破壊靭性試験(indentation fracture toughness test)により以下の式で算出可能である。なお、式中、cはクラック長さの半分(単位μm)を表し、aは圧痕の対角線長さの半分(単位μm)を表し、Hはビッカース硬さを表す。
破壊靭性値(KIC)=0.203×(c/a)−1.5×H×a0.5
セラミック溶射皮膜は、JIS B0601(ISO4287-1997準拠)に定められる表面粗さの最大高さRzが20μm以下であることが好ましく、より好ましくは17μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは13μm以下である。この値が小さくなるほど、よりセラミック焼結バルク体に近い特性がセラミック溶射皮膜に与えられる。セラミック溶射皮膜の表面粗さの最大高さRzは触針式表面粗さ計を用いて測定可能である。
セラミック溶射皮膜の表面粗さの最大高さRzは、セラミック溶射皮膜の表面を研磨することにより小さくすることが可能である。セラミック溶射皮膜の研磨にはエミリー紙を用いてもよいし、あるいはコロイダルシリカを用いてもよい。
本実施形態によれば以下の作用及び効果が得られる。
・ 本実施形態のセラミック溶射皮膜は、200gf(約1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さについて、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体に対して0.6倍以上の値を有している。このセラミック溶射皮膜は緻密であることが主な理由と考えられるが、セラミック焼結バルク体に近い機械的、電気的および化学的特性を有しており、種々の用途で有用である。例えば酸化イットリウム溶射皮膜であれば、耐プラズマエロージョン性に優れることから、半導体デバイス製造装置中の部材などの各種部材の保護皮膜として有用である。酸化アルミニウム溶射皮膜もまた、電気絶縁性、耐摩耗性及び耐食性に優れることから、各種部材の保護皮膜として有用である。酸化ジルコニウム溶射皮膜であれば、酸素イオン伝導性及びガス遮断性に優れることから、燃料電池の固体電解質での使用に好適である。酸化クロム溶射皮膜であれば、緻密性及び耐摩耗性に優れることから、印刷用アニロックスロールでの使用に好適である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜3,7〜9及び比較例1,2では、酸化イットリウム粒子又は酸化アルミニウム粒子からなる粉末状の溶射材料を用意し、これを表1又は表2に示す条件で溶射することにより厚さ約250μmの溶射皮膜をアルミニウム合金(A6061)又は炭素鋼(SS400)の基材上に形成した。
実施例4〜6では、酸化イットリウム粒子又は酸化アルミニウム粒子を水と混合することによりスラリー状の溶射材料を用意し、これを表3に示す条件で溶射することにより厚さ約250μmの溶射皮膜をアルミニウム合金(A6061)又は炭素鋼(SS400)の基材上に形成した。
実施例1〜9及び比較例1,2で使用した溶射材料の詳細及びその溶射材料から得られた溶射皮膜の詳細を表4に示す。
表4の“粒子の種類”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2の各溶射材料を用意するときに使用したセラミック粒子の種類を示す。同欄中の“Y”は酸化イットリウム粒子を使用したことを示し、“Al”は酸化アルミニウム粒子を使用したことを示す。
表4の“平均粒子径”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2でそれぞれ使用したセラミック粒子の平均粒子径を示す。
表4の“溶射材料の形態”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で用意した各溶射材料の形態を示す。同欄中の“粉末”は粉末状の溶射材料を用意したことを示し、“スラリー”はスラリー状の溶射材料を用意したことを示す。
表4の“皮膜の形成方法”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で各溶射材料を用いて溶射皮膜を形成するに際して使用した方法を示す。同欄中の“APS”は大気圧プラズマ溶射を使用したことを示し、“HVOF”は高速酸素燃料溶射を使用したことを示す。
表4の“ビッカース硬さ比”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜について、200gf(約1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さを、その溶射皮膜の構成セラミックと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体の同じ条件で測定されるビッカース硬さで除して得られる値を示す。
表4の“熱膨張率に関する直線の傾き”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の熱膨張率の温度依存性を一次関数で近似したときにその一次関数が表す直線の傾きを求めた結果を示す。
表4の“破壊靭性値比”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜について、先に説明した式に従って測定される破壊靭性値を、その溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体の同じ条件で測定される破壊靭性値で除して得られる値を示す。
表4の“表面粗さの最大高さ”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の表面粗さの最大高さRzを測定した結果を示す。
表4の“エロージョン速度比”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の耐プラズマエロージョン性に関する測定の結果を示す。具体的にはまず、平均粒子径0.06μmのコロイダルシリカを用いて各溶射皮膜の表面を鏡面研磨し、研磨後の溶射皮膜の表面の一部をポリイミドテープでマスキングした。続いて、133.3Pa(1000mTorr)の圧力に保たれた平行平板型プラズマエッチング装置のチャンバー内に四フッ化炭素(CF)とアルゴンと酸素を95:950:10の体積比で混合したエッチングガスを1.055L/分(1055sccm)の流量で供給しながら、13.56MHzで1300Wの高周波電力を20時間にわたり印加するという条件で各溶射皮膜をプラズマエッチングした。その後、ミツトヨ社の表面粗さ測定装置“SV−3000CNC”を用いて、マスキングした部分とマスキングしなかった部分の間の段差の大きさを測定し、測定された段差の大きさをエッチング時間で除することでエロージョン速度を算出した。“エロージョン速度比”欄中の各数値は、各溶射皮膜のエロージョン速度を、その溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなる比較例1又は比較例2の溶射皮膜の場合のエロージョン速度で除して得られた値である。
表4の“体積摩耗比”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の耐摩耗性に関する測定の結果を示す。具体的には、スガ摩耗試験機を用いたJIS H8682-1に準ずる往復運動平面摩耗試験(abrasive wheel wear test)による各溶射皮膜の摩耗体積量を測定した。“体積摩耗比”欄中の各数値は、各溶射皮膜の摩耗体積量を、その溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなる比較例1又は比較例2の溶射皮膜の場合の摩耗体積量で除して得られた値である。
表4の“環境遮断性”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の環境遮断性を評価した結果を示す。具体的には、JIS Z2371に準ずる塩水噴霧試験により、炭素鋼からなる基材の上に設けた各溶射皮膜に塩水を噴霧した。“環境遮断性”欄中の“○”は24時間の塩水噴霧後に錆が確認されなかったことを示し、“×”は24時間の塩水噴霧後に錆が確認されたことを示す。
表4の“電気抵抗率”欄には、実施例1〜9及び比較例1,2で得られた各溶射皮膜の電気抵抗率を測定した結果を示す。この測定には、株式会社三菱化学アナリテック製の抵抗率計であるハイレスタUP MCP−HT450型を使用した。

Claims (5)

  1. セラミック溶射皮膜であって、セラミック溶射皮膜の200gf(≒1.96N)の荷重で測定されるビッカース硬さが、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体の同じビッカース硬さの0.6倍以上であることを特徴とするセラミック溶射皮膜。
  2. 請求項1に記載のセラミック溶射皮膜であって、セラミック溶射皮膜の熱膨張率の温度依存性を一次関数で近似したときにその一次関数が表す直線の傾きが−6.0×10−5/℃以上であることを特徴とするセラミック溶射皮膜。
  3. 請求項1又は2に記載のセラミック溶射皮膜であって、セラミック溶射皮膜の破壊靭性値が、セラミック溶射皮膜の構成セラミックスと同じセラミックスからなるセラミック焼結バルク体で同じ条件で測定される破壊靭性値の0.4倍以上であることを特徴とするセラミック溶射皮膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミック溶射皮膜であって、セラミック溶射皮膜の表面粗さの最大高さ(Rz)が20μm以下であることを特徴とするセラミック溶射皮膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミック溶射皮膜を製造する方法であって、基材に向けてセラミック溶射材料を高速フレーム溶射又はプラズマ溶射する工程を含むことを特徴とする溶射皮膜の製造方法。
JP2011288262A 2011-12-28 2011-12-28 セラミック溶射皮膜及びその製造方法 Pending JP2013136814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011288262A JP2013136814A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 セラミック溶射皮膜及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011288262A JP2013136814A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 セラミック溶射皮膜及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013136814A true JP2013136814A (ja) 2013-07-11

Family

ID=48912753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011288262A Pending JP2013136814A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 セラミック溶射皮膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013136814A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014240511A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 株式会社フジミインコーポレーテッド 溶射皮膜の製造方法および溶射用材料
WO2016035870A1 (ja) * 2014-09-03 2016-03-10 株式会社フジミインコーポレーテッド 溶射用スラリー、溶射皮膜および溶射皮膜の形成方法
JP2017515001A (ja) * 2014-05-07 2017-06-08 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 耐プラズマ性セラミックスコーティングのスラリープラズマ溶射
JP2017537217A (ja) * 2014-09-18 2017-12-14 エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド 予備配合された粉末原料
US10196729B2 (en) 2015-09-25 2019-02-05 Fujimi Incorporated Slurry for thermal spraying, sprayed coating, and method for forming sprayed coating
WO2024038674A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 Agc株式会社 イットリウム質保護膜およびその製造方法ならびに部材

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02167609A (ja) * 1988-12-19 1990-06-28 Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp 超音波加工装置
JPH05339697A (ja) * 1992-06-09 1993-12-21 Tosoh Corp 溶射用ジルコニア粉末の製造方法
JPH073730U (ja) * 1992-04-03 1995-01-20 株式会社香蘭社 ジルコニア質インナーノズル
JPH09316665A (ja) * 1996-03-29 1997-12-09 Toshiba Corp 耐熱部材及び耐熱部材の品質評価方法
JP2003347849A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Kyocera Corp 高周波装置およびその製造方法ならびにミリ波送受信器
JP2004332081A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐プラズマ部材及びその製造方法
JP2004339035A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Nissan Motor Co Ltd ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを用いた用途
JP2006118013A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fujimi Inc 溶射用粉末、溶射方法及び溶射皮膜
JP2006144094A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Fujimi Inc 溶射用粉末及びその製造方法
JP2006175479A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyota Motor Corp 鋳造用金型
JP2006225689A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fujimi Inc 溶射用粉末
JP2007217779A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tocalo Co Ltd 熱放射特性等に優れるセラミック溶射皮膜被覆部材およびその製造方法
JP2010150617A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Fujimi Inc 溶射用スラリー、溶射皮膜の形成方法、及び溶射皮膜
JP2012149322A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Nihon Ceratec Co Ltd セラミックス溶射部材およびその製造方法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02167609A (ja) * 1988-12-19 1990-06-28 Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp 超音波加工装置
JPH073730U (ja) * 1992-04-03 1995-01-20 株式会社香蘭社 ジルコニア質インナーノズル
JPH05339697A (ja) * 1992-06-09 1993-12-21 Tosoh Corp 溶射用ジルコニア粉末の製造方法
JPH09316665A (ja) * 1996-03-29 1997-12-09 Toshiba Corp 耐熱部材及び耐熱部材の品質評価方法
JP2003347849A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Kyocera Corp 高周波装置およびその製造方法ならびにミリ波送受信器
JP2004332081A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐プラズマ部材及びその製造方法
JP2004339035A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Nissan Motor Co Ltd ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを用いた用途
JP2006118013A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fujimi Inc 溶射用粉末、溶射方法及び溶射皮膜
JP2006144094A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Fujimi Inc 溶射用粉末及びその製造方法
JP2006175479A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyota Motor Corp 鋳造用金型
JP2006225689A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fujimi Inc 溶射用粉末
JP2007217779A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tocalo Co Ltd 熱放射特性等に優れるセラミック溶射皮膜被覆部材およびその製造方法
JP2010150617A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Fujimi Inc 溶射用スラリー、溶射皮膜の形成方法、及び溶射皮膜
JP2012149322A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Nihon Ceratec Co Ltd セラミックス溶射部材およびその製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014240511A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 株式会社フジミインコーポレーテッド 溶射皮膜の製造方法および溶射用材料
JP2017515001A (ja) * 2014-05-07 2017-06-08 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 耐プラズマ性セラミックスコーティングのスラリープラズマ溶射
WO2016035870A1 (ja) * 2014-09-03 2016-03-10 株式会社フジミインコーポレーテッド 溶射用スラリー、溶射皮膜および溶射皮膜の形成方法
CN106605008A (zh) * 2014-09-03 2017-04-26 福吉米株式会社 喷镀用浆料、喷镀皮膜及喷镀皮膜的形成方法
JPWO2016035870A1 (ja) * 2014-09-03 2017-06-15 株式会社フジミインコーポレーテッド 溶射用スラリー、溶射皮膜および溶射皮膜の形成方法
EP3190205A4 (en) * 2014-09-03 2017-10-11 Fujimi Incorporated Slurry for thermal spraying, thermal sprayed film and thermal sprayed film formation method
CN106605008B (zh) * 2014-09-03 2019-08-27 福吉米株式会社 喷镀用浆料、喷镀皮膜及喷镀皮膜的形成方法
US11066734B2 (en) 2014-09-03 2021-07-20 Fujimi Incorporated Thermal spray slurry, thermal spray coating and method for forming thermal spray coating
JP2017537217A (ja) * 2014-09-18 2017-12-14 エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド 予備配合された粉末原料
JP2019073805A (ja) * 2014-09-18 2019-05-16 エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド 予備配合された粉末原料
US10196729B2 (en) 2015-09-25 2019-02-05 Fujimi Incorporated Slurry for thermal spraying, sprayed coating, and method for forming sprayed coating
WO2024038674A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 Agc株式会社 イットリウム質保護膜およびその製造方法ならびに部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6262716B2 (ja) 溶射用粉末、及び溶射皮膜の形成方法
US8318261B2 (en) Thermally sprayed Al2O3 coatings having a high content of corundum without any property-reducing additives, and method for the production thereof
JP2013136814A (ja) セラミック溶射皮膜及びその製造方法
CN106605008B (zh) 喷镀用浆料、喷镀皮膜及喷镀皮膜的形成方法
JP6097701B2 (ja) 溶射材料、及び酸化イットリウム皮膜の形成方法
EP3294919B1 (en) Powder for thermal spraying, thermal spraying method, and thermally sprayed coating
JP2014240511A (ja) 溶射皮膜の製造方法および溶射用材料
US20120042807A1 (en) Powder for thermal spraying and method for forming thermal-spray deposit
EP1674589A2 (en) Thermal spraying powder, thermal spraying method, and method for forming thermal spray coating
KR102405683B1 (ko) 용사용 재료
Puranen et al. Characterization of high-velocity solution precursor flame-sprayed manganese cobalt oxide spinel coatings for metallic SOFC interconnectors
JP5726400B2 (ja) 溶射用粉末、溶射皮膜の形成方法、及び溶射皮膜
WO2015080134A1 (ja) プラズマ装置用部品およびその製造方法
JP6722073B2 (ja) シリコン溶射膜及びその製造方法
JP2012188677A (ja) 溶射用粉末
JP6188004B2 (ja) セラミック溶射被膜の形成方法および機能性セラミック溶射被膜
JP5996756B2 (ja) 溶射用材料
US20130052123A1 (en) Thermally sprayed al203 layers having a high content of corundum without any property-reducing additivies, and method for the production thereof
Luo et al. Cold spray deposition of a core-shell structured WC-Co coating

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151215