JP2013136155A - 液体収容体 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷の低減と、耐久性の向上とを両立可能な液体収容体の提供。
【解決手段】液体収容体は、袋状に形成され、液体を収容可能な第1の収容部と、植物由来の材料を主体とする材料で形成され、第1の収容部を収容する第2の収容部とを備える。第1の収容部は、液体が気化した蒸気が単位時間および単位面積当たりに透過する速度である透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第1のバリア層を備える。第2の収容部は、透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第2のバリア層を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体を収容する液体収容体に関する。
印刷ヘッドに設けられた複数のノズルから印刷媒体上にインクを吐出して画像や文書を記録するインクジェットプリンターが広く普及している。インクジェットプリンターでは、ホルダーにインクを収容するインクカートリッジが装着され、インクカートリッジから印刷ヘッドにインクが供給される。
インクカートリッジの製造から廃棄に至るまでのライフサイクルにおいて、環境への負荷をできるだけ低減することが望ましい。かかる観点から、従来、熱可塑性フィルム材料により形成されたインクパックを紙で形成された外箱に収容した構成のインクカートリッジが知られている。かかるインクカートリッジのインクパックにおいて、インクに含まれる溶媒(水、有機溶剤など)の蒸発を防止する蒸発防止機能を実現するための層(以下、バリア層ともいう)として、アルミからなるフィルムが用いられていた(例えば、下記特許文献1〜3)。あるいは、バリア層として、無機物蒸着膜が用いられていた(例えば、下記特許文献2)。
特平10−114082号公報 特開2006−69051号公報 特開2006−69030号公報
しかしながら、環境負荷の低減の観点からは、アルミ等の金属を用いずにインクカートリッジを製造することが望まれる。また、バリア層として無機物蒸着膜を使用すれば、アルミ等の金属と比べて環境負荷を低減できるものの、無機物蒸着膜は、金属アルミに比べて蒸発防止機能が劣る。このため、蒸発防止機能を確保するためには、バリア層に使用する無機物蒸着膜の厚みを大きくする必要がある。しかしながら、無機物蒸着膜の厚みを大きくすると、製造時における曲げ加工や、製品輸送時等の落下、輸送時等に受ける振動や衝撃、インクの消費に伴うインクパックの変形などによって、クラックが生じやすくなる。このため、バリア層の耐久性の向上が望まれる。
このような課題は、インクジェットプリンターに使用されるインクを収容するインクカートリッジに限らず、液体消費装置に使用される液体を収容する種々の液体収容体に共通の課題であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]液体収容体であって、
液体収容体であって、
袋状に形成され、液体を収容可能な第1の収容部と、
植物由来の材料を主体とする材料で形成され、前記第1の収容部を収容する第2の収容部と
を備え、
前記第1の収容部は、前記液体が気化した蒸気が単位時間および単位面積当たりに透過する速度である透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第1のバリア層を備え、
前記第2の収容部は、前記透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第2のバリア層を備えた
液体収容体。
この液体収容体では、バリア層に非金属からなる材料を使用する。このため、アルミなどの金属材料をバリア層に使用する場合と比べて、環境負荷を低減できる。また、この液体収容体では、第1の収容部および第2の収容部の両方がバリア層を備える。つまり、液体収容体全体として必要な蒸発防止機能を、2つのバリア層に分担させることができる。その結果、各々のバリア層に必要な蒸発防止機能の程度は、1つのバリア層で液体収容体全体として必要な蒸発防止機能を確保する場合と比べて、小さくなる。このため、1つのバリア層で液体収容体全体として必要な蒸発防止機能を確保する場合と比べて、各々のバリア層の厚みを小さくすることができる。したがって、バリア層のクラックの発生を抑制し、耐久性を向上できる。すなわち、この液体収容容器では、環境負荷の低減と、耐久性の向上とを両立させることができる。
[適用例2]適用例1記載の液体収容体であって、前記第1のバリア層および前記第2のバリア層は、セラミック蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる群より選ばれた1つ以上の材料からなる液体収容体。
この液体収容体では、蒸発防止機能を好適に発揮することができる。
[適用例3]前記第2のバリア層の厚みは、前記第1のバリア層の厚みよりも大きい適用例1または適用例2記載の液体収容体。
この液体収容体では、第1の収容部と第2の収容部とのうちの、外方に配置される第2の収容部の厚みを相対的に厚くすることができる。第2の収容部は、第1の収容部と比べて、液体収容容器の出荷時の運搬や、ユーザーの取り扱い時などに外力を受けやすいが、第2の収容部の厚みが増すことで、剛性を好適に確保することができる。
[適用例4]前記第1のバリア層の厚みは、前記第2のバリア層の厚みよりも大きい適用例1または適用例2記載の液体収容体。
この液体収容体では、第1の収容部と第2の収容部とのうちの、内方に配置される第1の収容部の厚みを相対的に厚くすることができる。このように、液体を直接的に収容する第1の収容部の厚みが増すことで、液体の性状の変化を抑制する効果が増す。また、外方に配置される第2の収容部は、外力を受けやすいので、第1の収容部よりも変形や損傷が生じやすい。逆に、第1の収容部は、第2の収容部よりも変形や損傷が生じにくい。このような第1の収容部の厚みが増すことによって、第2の収容部の蒸発防止機能を確実に確保することができる。しかも、第1の収容部の厚みが増すことによって、第1の収容部の形状を規定する面は、局所的な撓みが生じにくくなる。その結果、第1の収容部に収容された液体が消費され、当該液体の収容量が減少した際に、局所的な撓みによって、第1の収容部の内部において液体の流通が阻害されることを抑制できる。このため、第1の収容部に収容された液体を使い切りやすくなる。つまり、第1の収容部に液体が残留したまま廃棄されることを抑制できる。したがって、省資源化、環境負荷の低減に資する。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか記載の液体収容体であって、前記第1の収容部の形状を規定する複数の面のうちの、相互に対向する2つの面の少なくとも一方には、前記第1の収容部に収容された前記液体の収容量が減少することに伴い、前記2つの面の一部同士が接触した際に、前記第1の収容部に形成された開口部であって、前記第1の収容部に収容された前記液体を外部に供給する開口部に向かって、前記液体を流通可能とする隙間を形成する凹部または凸部が形成された液体収容体。
この液体収容体では、第1の収容部に収容された液体の収容量が減少することに伴い、第1の収容部の対向する2つの面が部分的に接触しても、液体を開口部に向かって流通させることができる。したがって、第1の収容部に収容された液体を使い切りやすくなる。その結果、環境負荷の低減および省資源化に資する。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、液体収容体、液体収容体を備える液体消費装置、液体収容体の保護方法、液体収容体に収容される液体の変質または劣化抑制方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例におけるプリンター20の概略構成を示す説明図である。 インクカートリッジ70の基本構成を示す説明図である。 インクカートリッジ70の基本構成を示す説明図である。 インクカートリッジ70の基本構成を示す説明図である。 インク収容袋300および収容箱200の詳細構成を示す部分断面図である。 第2の部材220の構成を示す説明図である。 流路部材100の詳細構成を示す説明図である。 流路部材100の詳細構成を示す説明図である。 収容箱200と流路部材100との固定のための構成を詳細に示す説明図である。 流路部材100を複数並べた状態を示す説明図である。 インクカートリッジ70を複数並べた状態を示す説明図である。 収容箱200の厚み方向の断面構成を示す説明図である。 インク収容袋300の厚み方向の断面構成を示す説明図である。 バリア層の種別と蒸気の透過速度との関係を示す説明図である。
A.実施例:
A−1.プリンターの構成:
図1は、本発明の実施例におけるプリンター20の概略構成を示す説明図である。本実施例におけるプリンター20は、複数のノズルからインクを吐出することによって印刷媒体上にインクドットを形成し、これにより印刷媒体上に文字、図形、画像等を記録するインクジェットプリンターである。プリンター20は、液体としてのインクを消費する液体消費装置の1つである。
図1に示すように、プリンター20は、印刷ヘッド61を搭載する印刷ヘッドユニット60と、印刷ヘッドユニット60をプラテン52の軸に平行な方向に沿って往復移動させる主走査を行う印刷ヘッドユニット搬送機構40と、印刷媒体としての用紙Pを主走査方向と交差する方向(副走査方向)に搬送する副走査を行う紙搬送機構50と、印刷に関する種々の指示・設定操作を受け付ける操作パネル98と、記憶媒体としてのメモリーカードMCを接続可能なメモリーカードスロット99と、プリンター20の各部を制御する制御ユニット30と、を備えている。
紙搬送機構50は、モーター51を有している。モーター51の回転は、ギヤトレイン(不図示)を介して用紙搬送ローラー(同)に伝達され、用紙搬送ローラーの回転により用紙Pは副走査方向に沿って搬送される。
印刷ヘッドユニット搬送機構40は、モーター41と、モーター41との間に無端の駆動ベルト42を張設するプーリー43と、プラテン52の軸と平行に架設され印刷ヘッドユニット60を摺動可能に保持するシャフト44と、を有している。モーター41の回転は、駆動ベルト42を介して印刷ヘッドユニット60に伝達され、これにより印刷ヘッドユニット60がシャフト44に沿って往復移動する。
印刷ヘッドユニット60のホルダー62には、それぞれ所定の色(例えば、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、ブラック(K))のインクを収容する液体収容体としての複数のインクカートリッジ70(70a−70f)が装着される。なお、以下の説明では、複数のインクカートリッジ70a−70fを単にインクカートリッジ70とも呼ぶ。本実施例では、インクカートリッジ70は、重力方向の上方からホルダー62に装着される。ホルダー62に装着されたインクカートリッジ70に収容されたインクは、印刷ヘッド61に供給される。印刷ヘッド61は、インクを吐出する複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられたノズルアクチュエーター(例えば圧電素子)とを有している。ノズルアクチュエーターが所定の駆動信号により駆動されると、ノズルに連通するキャビティー(圧力室)内の振動板が変位してキャビティー内に圧力変化を生じさせ、その圧力変化によって対応するノズルからインクが吐出される。
制御ユニット30は、各種演算処理を実行するCPU31と、プログラムやデータを一時的に格納・展開するRAM37と、CPU31が実行するプログラム等を格納するEEPROM38と、を含んでいる。制御ユニット30による各種の機能は、CPU31がEEPROM38に格納されたプログラムをRAM37上に展開して実行することにより実現される。なお、制御ユニット30による機能の少なくとも一部は、制御ユニット30が備える電気回路がその回路構成に基づいて動作することによって実現されてもよい。
このような構成のプリンター20では、操作パネル98を介したユーザーからの指示に従い、制御ユニット30が、メモリーカードスロット99を介して入力された印刷対象のデータに基づく印刷を行うため、プリンター20の各部の制御を行う。これにより、ノズルからインクを吐出しつつ印刷ヘッドユニット60を往復動させる主走査と、用紙Pを副走査方向へ搬送する副走査とが繰り返し実行され、用紙Pへの画像等の記録が実現される。
A−2.インクカートリッジの構成:
次に、本実施例におけるインクカートリッジ70の構成について説明する。上述したように、本実施例のプリンター20では、ホルダー62に6つのインクカートリッジ70(70a−70f)が搭載されるが、各インクカートリッジ70の構成は基本的に同一である。
図2ないし図4は、インクカートリッジ70の基本構成を示す説明図である。図2,3には、インクカートリッジ70の外観の概略構成を示しており、図4には、インクカートリッジ70の断面の概略構成を示している。インクカートリッジ70は、流路部材100と、収容箱200と、インク収容袋300とを備えている(図3,4参照)。インク収容袋300は、流路部材100と収容箱200とで囲まれた空間210内に配置される(図4参照)。なお、図3には、インクカートリッジ70の構成をわかりやすくするために、収容箱200を流路部材100から取り外した状態を示しているが、インクカートリッジ70をプリンター20に装着して使用する際には、図2,4に示すように収容箱200は流路部材100に固定されている。この状態において、インクカートリッジ70は略直方体形状である。
インク収容袋300は、可撓性材料によって形成され、内部にインクを収容可能なインク収容空間310を有する袋である。図3に示すように、インク収容袋300は、マチを有するいわゆるガゼットタイプの袋であるが、インク収容袋300の形状は、特に限定するものではない。例えば、インク収容袋300は、マチを有しないいわゆるピロータイプの袋としてもよい。図5は、インク収容袋300および収容箱200の構成を示す部分断面図である。本実施例のインク収容袋300は、可撓性を有する第1の部材320によって形成されている(図5参照)。具体的には、インク収容袋300は、第1の部材320同士を接合部330で溶着して袋状にすることにより製造される。かかる第1の部材320は、複層構造を有している。第1の部材320の断面構成については後述する。
インク収容袋300を形成する第1の部材320は、水分バリア性とガスバリア性とを有している。ここでの水分バリア性とは、インク収容袋300に収容されたインクの溶媒(水、有機溶剤など)が気化した蒸気が第1の部材320を透過して、外部に移動することを抑制する性質である。水分バリア性により、インク収容空間310内に収容されたインクにおける溶媒量の低下(インク濃度の上昇)が抑制される。また、ガスバリア性とは、インク収容袋300の外部の空気等のガスが第1の部材320を透過して、インク収容空間310内に移動することを抑制する性質である。第1の部材320が水分バリア性およびガスバリア性を有することにより、インクの変質や劣化の原因となる事象が抑制される。
収容箱200は、本実施例では、略直方体形状の箱である。収容箱200の略直方体形状を規定する6面の内の1面は、開口202となっている(図3参照)。後述するように、収容箱200は、開口202が流路部材100で塞がれるように、流路部材100に対して固定されている(図4参照)。本実施例の収容箱200は、第2の部材220によって形成されている(図5参照)。
収容箱200は、図6に示した1枚の第2の部材220を折り曲げ、接合部230(図4参照)で溶着して箱状に組み立てることにより製造される。本実施例では、第2の部材220は、複層構造を有している。第2の部材220の断面構成については後述する。
収容箱200は、インク収容袋300と比較して一定の剛性を有するため、インクカートリッジ70の製品輸送時やインクカートリッジ70に装着されて使用される時に、可撓性材料によって形成されたインク収容袋300を保護することができる。なお、収容箱200は、インク収容袋300を囲っているため、インク収容袋300内に形成されたインク収容空間310を囲っているとも表現できる。本明細書において、ある物体が対象物(または対象空間)を「囲う」とは、当該物体が対象物(または対象空間)を完全に包囲する場合に限らず、当該物体が対象物(または対象空間)を包囲する面の少なくとも一部を構成することを意味する。
かかる収容箱200を形成する第2の部材220は、水分バリア性とガスバリア性とを有している。つまり、収容箱200およびインク収容袋300の両方は、水分バリア性およびガスバリア性を有している。
図7および図8は、流路部材100の詳細構成を示す説明図である。図8には、流路部材100の収容箱200に対向する側の平面構成を示しており、図7には、図8のS1−S1の位置における流路部材100の断面構成を示している。流路部材100は、収容箱200の材料である第2の部材220より剛性の高い樹脂材料(例えばポリプロピレン)によって形成されている。流路部材100は、略平板形状の基部110と、基部110の周縁にわたって形成され収容箱200に対向する側(図7における上側)に向かって突出する突出部120と、を有する形状である。突出部120の先端には、内側(基部110の中心側)に向かって基部110と略平行に伸びる鍔部122が形成されている。
流路部材100の基部110には、インク収容袋300のインク収容空間310内に収容されたインクをプリンター20の印刷ヘッド61に供給する供給口142と、インク収容空間310と供給口142とを連通させる流路140とが形成されている。より詳細には、流路部材100にはインク収容袋300が例えば溶着により固定されており、インク収容袋300に形成された開口340を介してインク収容空間310と流路部材100の流路140とが連通しており、インク収容空間310に収容されたインクが開口340、流路140、供給口142を介して印刷ヘッド61に供給される。なお、流路部材100の供給口142には、図示しない弁が設けられている。環境負荷のさらなる低減のため、この弁として、金属材料を使用していない弁(例えば、パックプラス社のクリーン・クリック・コネクターや、バーネイラボラトリーズ社のダックビルバルブ)を用いるとしてもよい。
流路部材100の収容箱200に対向する側とは反対側の面(図7における下側の面)には、2つの凹部170が形成されている。インクカートリッジ70をホルダー62に装着する際には、流路部材100の各凹部170がホルダー62に形成された各凸部64と係合することにより、ホルダー62に対するインクカートリッジ70の位置決めが実現される。なお、流路部材100およびホルダー62には、インクカートリッジ70がホルダー62に装着された状態において互いに係合することにより、インクカートリッジ70のホルダー62からの離脱を阻止する係合部(流路部材100の係合部114およびホルダー62の係合部66)が形成されている。また、インクカートリッジ70がホルダー62に装着された状態において、インクカートリッジ70の少なくとも特定の1面(収容箱200で構成される面の内、流路部材100と対向する面)は、ホルダー62等により隠されることなく露出する。
図9は、収容箱200と流路部材100との固定のための構成を詳細に示す説明図である。収容箱200は、開口202の周囲の一部または全部に沿って折り返し部240を有している。折り返し部240は、収容箱200の開口202側の縁部を外側に折り返すことにより形成されたフラップ状の部分である。すなわち、折り返し部240は、開口202の縁部の少なくとも一部から開口202から離れる方向に延びている。従って、収容箱200の厚さは、折り返し部240が形成された部分において他の部分より大きい。
図9に示すように、収容箱200と流路部材100とは、折り返し部240と突出部120との係合により固定される。より詳細には、収容箱200が流路部材100から離れる方向(図9における上方向であり、以下、「第1の方向」と呼ぶ)に沿って、流路部材100の基部110の表面と突出部120の鍔部122の表面との間の間隔は、折り返し部240の長さよりもわずかに小さくなっている。そのため、収容箱200の折り返し部240が形成された部分を流路部材100の突出部120側に押し込むと、突出部120は、折り返し部240を第1の方向に沿って圧縮するように狭持する。これにより、収容箱200が流路部材100に固定される。なお、このような固定状態において、突出部120の鍔部122は、折り返し部240との干渉によって収容箱200が流路部材100から離れる第1の方向に沿った動きを阻止している。このように、流路部材100の鍔部122を含む突出部120は、収容箱200を固定する把持部として機能し、収容箱200の折り返し部240は、把持部によって把持される被把持部として機能する。
収容箱200と流路部材100との固定方法は上記の通りであるため、収容箱200の折り返し部240が形成された部分を流路部材100の突出部120から離すように引っ張ることにより、折り返し部240と突出部120との係合が解除され、収容箱200が流路部材100から容易に取り外される。
図8に示すように、本実施例では、流路部材100の基部110に略直交する端面であって、互いに平行な1組の端面(図8における上側の端面および下側の端面)の一方に凹部126が形成されており、上記1組の端面の他方には凹部126に係合する凸部124が形成されている。なお、本実施例では、上記1組の端面に、2組の凹部126および凸部124が形成されている。このような流路部材100を複数並べると、図10に示すように、1つの流路部材100の凹部126が、隣接する他の流路部材100の凸部124と係合し、流路部材100が一体にまとまってずれが防止される。そのため、図11に示すように、複数のインクカートリッジ70を互いの位置ずれを防止しつつ一体にまとめることができる。従って、例えば複数のインクカートリッジ70をまとめて輸送する場合に、包装を簡易化することができる。
上述したインクカートリッジ70において、インク収容袋300を形成する第1の部材320と、収容箱200を形成する第2の部材220とには、環境負荷を低減するために、非金属の材料が使用される。ここで金属とは、自由電子の存在によって強結合状態を実現している物質をいう。非金属の材料としては、例えば、樹脂、繊維材料、セラミック材料から選択された材料を使用することができる。特に、第2の部材220は、植物由来の材料を主体とする材料で形成される。ここでの植物由来の材料とは、化石資源由来の材料を含まない意味であり、例えば、カーボンニュートラルな材料や、生分解性の材料を含む。植物由来の材料を主体とするとは、以下の(1),(2)のうちの少なくとも一方を満たすことをいう。
(1)第2の部材220が複層構造を有する場合に、植物由来の材料からなる層の厚みが、第2の部材220の厚みの半分以上であること。
(2)第2の部材220の全材料の重量に占める、植物由来の材料の重量の割合が50%以上であること。
図12は、収容箱200を形成する第2の部材220の断面構成を示す。図12において、図の左側は、インク収容袋300側、つまり、インクカートリッジ70の内部側である。図の右側は、インクカートリッジ70の外部側である。本実施例の第2の部材220は、インクカートリッジ70の内部側から外側に向かって、第1の樹脂層221、バリア層222、第2の樹脂層223、植物由来層224、表層225からなる5層構造を有している。第2の部材220は、各層を熱溶着することによって一体的に形成することができる。図12において、各層は模式的に示しているに過ぎず、図示された各層の厚みの相対関係は、必ずしも実際の相対関係とは一致していない。
第1の樹脂層221および第2の樹脂層223は、第1の樹脂層221と第2の樹脂層223との間に配置されるバリア層222との接着性を高めるために使用される。第1の樹脂層221は、図5で示したように、接合部230での接着性を確保する役割も担っている。第2の樹脂層223は、植物由来層224との接着性を高める役割も担っている。さらに、本実施例では、第1の樹脂層221および第2の樹脂層223は、バリア層222および植物由来層224よりも剛性の高い材料を使用することによって、第2の部材220の剛性を高める役割も担っている。かかる第1の樹脂層221および第2の樹脂層223には、例えば、熱可塑性樹脂を使用することができる。第1の樹脂層221および第2の樹脂層223は、本実施例では、ポリエチレン(PE)からなる。第1の樹脂層221および第2の樹脂層223は、PEに限られるものではなく、例えば、エチレンテトラフルオロエチル共重合体(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の種々の熱可塑性樹脂としてもよい。
バリア層222は、水分バリア性を有する層である。本実施例では、バリア層222は基材上に形成されたセラミック蒸着膜を備える。基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)を使用することができる。基材として、その他、一般の包装用フィルムを使用することもできる。セラミック蒸着膜としては、例えば、酸化アルミ(Al23)(アルミナ)や二酸化ケイ素(SiO2)(シリカ)によって形成される膜を使用することができる。かかるセラミック蒸着膜は、ガスバリア性も有している。バリア層222は、セラミック蒸着膜に限らず、水分バリア性を有する各種材料を使用することができる。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などを使用してもよい。DLCを使用すれば、高いガスバリア性が得られる。ただし、バリア層222の材質は、上述の例に限るものではない。例えば、酸化クロム(Cr2O3)や炭化ケイ素(SiC)など種々の無機膜を使用してもよい。
かかるバリア層222は、透過速度が、金属アルミよりも大きく、植物由来層224よりも小さい。透過速度とは、第2の部材220に収容されたインクが気化した蒸気が単位時間および単位面積当たりに透過する速度である。透過速度は、水分バリア性の指標の1つである。本実施例では、透過速度は、以下のようにして測定される。
(1)恒温槽を温度40度、湿度20%RHの環境に設定する。
(2)収容箱200の内部にインクを充填して恒温槽内に配置し、定常状態(平衡状態)となるまで放置する。放置する期間は、約1週間である。
(3)定常状態になった後、収容箱200の質量を測定する。この測定は、30日間にわたり1日1回行う。
(4)各測定データに対応する収容箱200の質量変化量を求め、測定時間との関係をプロットする。質量変化量とは、初期質量(恒温槽内に配置する前の収容箱200の質量)と、測定質量(定常状態になった後に測定した収容箱200の質量)との差分値である。測定時間とは、定常状態になった後に初めて質量を測定した時点をゼロ点とした、その後の測定までの経過時間である。
(5)プロットされた質量変化量と測定時間との相関が、直線になった箇所の傾きを、バリア層222の表面積(インクと接触する箇所)で割ったものを、透過速度(g/m2/day)として算出する。
植物由来層224は、植物由来の材料からなる層である。本実施例では、植物由来層224は、紙からなる。植物由来層224の材料は、紙に限らず、種々の植物由来の材料とすることができる。例えば、植物由来層224の材料は、ポリ乳酸(PLA)などのバイオプラスチックであってもよい。植物由来層224の厚みは、収容箱200に必要な剛性に応じて設定すればよい。つまり、インクカートリッジ70の運搬時に受ける外力や、ユーザーの取り扱い、例えば、インクカートリッジ70をプリンター20に装着する際にインクカートリッジ70を落下する恐れなどを考慮して、設定すればよい。本実施例では、収容箱200は、植物由来層224よりも剛性が大きい第1の樹脂層221および第2の樹脂層223を備えているため、厚みを小さくすることができる。その結果、インクカートリッジ70の軽量化および小型化できる。
表層225は、第2の部材220を保護するための層である。表層225には、植物由来層224よりも剛性の大きい材料を使用することができる。本実施例では、表層225は、PEからなる。ただし、表層225の材料は、特に限定するものではなく、例えば、DLCを使用してもよい。DLCを使用すれば、収容箱200のガスバリア性を高めることができる。
図13は、インク収容袋300を形成する第1の部材320の断面構成を示す。図13において、図の左側は、インク収容袋300に収容されるインク側、つまり、インクカートリッジ70の内部側である。図の右側は、収容箱200側、つまり、インクカートリッジ70の外部側である。本実施例の第1の部材320は、インクカートリッジ70の内部側から外部側に向かって、樹脂層321,バリア層324、樹脂層325、表層326からなる4層構造を有している。第1の部材320は、各層を熱溶着することによって一体的に形成することができる。図13において、各層は模式的に示しているに過ぎず、図示された各層の厚みの相対関係は、必ずしも実際の相対関係とは一致していない。
樹脂層321および樹脂層325は、樹脂層321と樹脂層325との間に配置されるバリア層324との接着性を高めるために使用される。樹脂層321は、図5で示したように、接合部330での接着性を確保する役割も担っている。樹脂層325は、表層326との接着性を高める役割も担っている。さらに、本実施例では、樹脂層321および樹脂層325は、バリア層324および表層326よりも剛性の高い材料を使用することによって、第1の部材320の剛性を高める役割も担っている。
バリア層324は、上述したバリア層222と同一の材料からなる層である。このため、バリア層324は、水分バリア性とガスバリア性とを有する。本実施例においては、バリア層324の厚みは、バリア層222の厚みよりも小さく形成されている。バリア層324のバリア層の透過速度の評価は、上述したバリア層222の透過速度の評価と同様の手法を用いることができる。このとき、収容箱200に代えて、インク収容袋300にインクを充填し、インク収容袋300の質量変化を測定すればよい。また、バリア層222の表面積に代えて、バリア層324の表面積を使用すればよい。なお、バリア層324およびバリア層222は、インクカートリッジ70全体として評価してもよい。この場合、収容箱200に代えて、インク収容袋300にインクを充填し、インクカートリッジ70の質量変化を測定すればよい。また、バリア層222の表面積に代えて、バリア層222の表面積とバリア層324の表面積との総和を使用してもよいし、インクカートリッジ70(収容箱200)の表面積を使用してもよい。
表層326は、第1の部材320を保護するための層である。本実施例では、表層326には、植物由来の材料(ここでは紙)を使用する。こうすれば、インクカートリッジ70における植物由来の材料の使用割合を高め、環境負荷を低減することができる。ただし、表層326は、その他の材料を使用してもよい。例えば、ナイロン(Ny)、ポリプロピレン(PP)などの一般の包装用フィルムを使用してもよい。こうすれば、第1の部材320の剛性を高めることができる。あるいは、表層326の厚みを小さくすることができる。なお、表層326は、植物由来の材料と、樹脂フィルムとの複層構造としてもよい。
かかる第1の部材320で形成されるインク収容袋300は、可撓性を有しているため、プリンター20でのインクの消費に伴い、インク収容袋300に収容されたインク量が減少すると、インク収容袋300の形状を規定する複数の面のうちの、相互に対向する2つの面が接触する方向に変形する。本実施例では、この2つの面は、接合部330で接合される2つの面である(図5参照)。ここで、第1の部材320を形成する樹脂層321は、その内面(インクが収容される側の面)に凸部322が形成されている(図13参照)。本実施例では、この凸部322は、接合部330を除き、2つの面の全面にわたって点在するように形成されている。樹脂層321のうちの凸部322が形成されていない領域を平坦領域323ともいう。
インク収容袋300に収容されたインク量が残り僅かとなると、インク収容袋300の2つの面は近接し、その一部分同士が接触する。例えば、2つの面の凸部322同士が接触する場合には、平坦領域323に対応する領域には、凸部322の高さ(面に垂直な方向の高さ)の2倍に相当する隙間が形成される。あるいは、1つの面の凸部322と、他の1つの面の平坦領域323とが接触する場合には、その接触箇所の周囲に、凸部322の高さに相当する隙間が形成される。かかる隙間は、開口340に向かって、つまり、インクを外部に供給する方向に向かって連通して形成される。
かかる構成により、インク収容袋300に収容されたインクの量が減少しても、2つの面が局所的に接触して開口340に向かうインクの流れを妨げることがない。したがって、インク収容袋300に収容されたインクを最後まで使い切ることができる。その結果、環境負荷の低減および省資源化に資する。
かかる凸部322は、必ずしも2面にわたって形成される必要はなく、対向する2面のうちの少なくとも1面に形成されてもよい。また、面全体にわたって形成される必要はなく、面の一部の領域に形成されてもよい。また、凸部322に代えて、開口340に向かって連通する凹部を形成しても、同様の効果を奏する。かかる凸部322は、樹脂層321と同一の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。あるいは、凸部を形成する部材、または、平坦面に凸部を有する部材を樹脂層321に接着してもよい。凸部322は、市販の気泡緩衝材やエアーインペーパーを利用して、形成してもよい。
上述したインクカートリッジ70において、インク収容袋300は、請求項の第1の収容部に該当する。収容箱200は、請求項の第2の収容部に該当する。
バリア層324は、請求項の第1のバリア層に該当する。バリア層222は、請求項の第2のバリア層に該当する。開口340は、請求項の開口部に該当する。
以上説明したインクカートリッジ70によれば、バリア層222およびバリア層324は、非金属からなる材料によって形成される。したがって、金属材料を使用する場合と比べて、環境負荷を低減できる。また、収容箱200とインク収容袋300との両方がバリア層を備える。つまり、主にインク収容袋300を保護する目的で設けられるインク収容袋300にもバリア層の機能を分担させる。その分、収容箱200が備えるべきバリア層の機能が軽減される。つまり、バリア層222、バリア層324のそれぞれに必要な水分バリア性の程度は、インク収容袋300のみにバリア層を設ける場合と比べて、小さくなる。このため、1つのバリア層あたりの厚みを小さくすることができる。その結果、バリア層のクラックの発生を抑制できる。
しかも、1つのバリア層あたりの厚みを小さくしても、2つのバリア層222およびバリア層324によって、水分バリア性を確保するため、水分バリア性も好適に確保できる。インク収容袋300(バリア層324)を透過したインク蒸気は、収容箱200(バリア層222)の水分バリア性により、収容箱200とインク収容袋300との間の空間210に滞留するので、収容箱200にバリア層222が設けられていない場合と比べて、インク蒸気のインク収容袋300(バリア層324)のさらなる透過を抑制できる。つまり、バリア層324は、バリア層222からのインク蒸気の流出を抑制する働きも備えている。インク蒸気の流出が抑制されることにより、インク濃度の上昇が抑制される。以上のように、インクカートリッジ70によれば、環境負荷の低減と、耐久性の向上とを両立させることができる。
図14は、バリア層の種別とインク蒸気の透過速度との関係の具体例を示す。バリア層に金属アルミ(アルミ蒸着膜)を使用した場合、透過速度は、極めて小さく抑えられる。一方、金属アルミを使用しない1層のバリア層では、透過速度は、著しく大きくなる。しかし、金属アルミを使用しないバリア層を3つ重ねた3層のバリア層では、1層のバリア層と比べて、透過速度は、著しく小さくなる。このことは、収容箱200とインク収容袋300との両方にバリア層を設けるインクカートリッジ70が、水分バリア性を好適に確保できることを示している。
また、インクカートリッジ70では、収容箱200を形成するバリア層222の厚みは、インク収容袋300を形成するバリア層324の厚みよりも大きい。したがって、このような構成を採用しない場合と比べて、収容箱200の厚みを相対的に厚くすることができる。収容箱200は、インクカートリッジ70の運搬時やユーザーの取り扱い時などに、インク収容袋300よりも外力を受けやすいが、収容箱200の厚みが増すことにより、剛性を好適に確保することができる。また、インク収容袋300は、インクの消費により変形するので、かかる構成とすることで、インク収容袋300の変形に伴い、バリア層324にクラックが生じることをいっそう抑制できる。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、インク収容袋300を囲うことによってインク収容空間310を囲うこととなる収容箱200が植物由来の材料である紙により形成されている。そのため、本実施例のインクカートリッジ70では、ライフサイクルにおける環境負荷を低減することができる。特に、本実施例のインクカートリッジ70では、インクカートリッジ70の略直方体形状を規定する6面の内の1面のみを流路部材100により構成し、残りの5面は収容箱200により構成することによって、樹脂材料の使用を最小限に抑え、環境負荷を大きく低減することができる。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、インク収容空間310に収容されたインクを印刷ヘッド61に供給する供給口142と、インク収容空間310と供給口142とを連通させる流路140と、を有する流路部材100が樹脂材料により形成されている。また、収容箱200は開口202を有しており、収容箱200は、開口202が流路部材100で塞がれるように流路部材100に対して固定されている。そのため、本実施例のインクカートリッジ70では、比較的剛性の高い流路部材100にインク供給のための供給口や流路を形成してインク漏れ等の不具合の発生を抑制することができる。また、本実施例のインクカートリッジ70では、比較的剛性の高い流路部材100を介してインクカートリッジ70をプリンター20のホルダー62に安定的に固定することができ、さらに、比較的剛性の高い流路部材100によって収容箱200を安定的に固定することができる。従って、本実施例のインクカートリッジ70では、ホルダー62への装着時やホルダー62からの取り外し時に、インクカートリッジ70が撓んだり変形したりするといった不具合の発生を抑制することができる。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、収容箱200を流路部材100から容易に取り外すことができるため、収容箱200のリサイクルを促進することができる。また、仮にインクカートリッジ70を廃棄する場合であっても、植物由来の材料とそれ以外の材料とが分別された状態で廃棄することができる。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、可撓性材料によって形成されたインク収容袋300の内部のインク収容空間310にインクが収容されるため、インク漏れの発生を抑制することができる。特に、本実施例では、バリア性を有する材料によりインク収容袋300が形成されているため、インク収容空間310内に収容されたインクにおける溶媒量の低下(インク濃度の上昇)やインク収容空間310への空気の流入といったインク劣化の原因となる事象が抑制される。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、収容箱200が折り返し部240を有しており、収容箱200の厚さは折り返し部240が形成された部分において他の部分より大きくなっている。そのため、収容箱200の材料である第2の部材220に対する簡易な加工により厚さの大きい部分を形成することができる。また、比較的剛性の高い流路部材100の突出部120が折り返し部240を第1の方向に沿って圧縮するように狭持することにより、収容箱200が流路部材100に固定される。そのため、収容箱200を安定的に流路部材100に固定することができる。また、被把持部として機能する収容箱200の折り返し部240が開口202に隣接して設けられているため、把持部としての流路部材100の突出部120の大きさを最低限に抑えることができ、環境負荷を抑制することができる。
また、本実施例のインクカートリッジ70では、比較的剛性の高い流路部材100に、ホルダー62に形成された凸部64と係合することによりホルダー62に対するインクカートリッジ70の位置決めするための凹部170が形成されているため、位置決め精度を向上させることができる。特に、本実施例のインクカートリッジ70では、位置決めのための凹部170が流路部材100における供給口142が設けられた部分に形成されているため、供給口142付近の位置決め精度を向上させることができ、インク漏れ等の不具合の発生を効果的に抑制することができる。
B1.変形例1:
上記実施例におけるプリンター20の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、プリンター20は、インクカートリッジ70が印刷ヘッドユニット60と共に主走査方向に往復移動する、いわゆるオンキャリッジ方式のプリンターであるとしているが、本発明は、インクカートリッジ70を装着するホルダーが印刷ヘッドユニット60とは別の場所に設けられ、インクカートリッジ70から可撓性チューブ等を介して印刷ヘッド61にインクを供給する、いわゆるオフキャリッジ方式のプリンターにも適用することが可能である。また、上記実施例では、プリンター20は、印刷ヘッドユニット60を主走査方向に往復移動する動作(主走査)と用紙を主走査方向と交差する搬送方向に搬送する動作(副走査)とを繰り返しつつ印刷を行う、いわゆるシリアル型プリンターであるとしているが、本発明は、印刷ヘッドの下面に紙幅長さにわたって並んで配設されたノズル列の下を、紙幅方向と交差する方向に用紙を搬送させつつ印刷を行う、いわゆるラインヘッド型プリンターにも適用することが可能である。
また、本発明は、液体(機能材料の粒子が分散された液状体やジェルなどの流状体を含む)を消費する装置に装着される液体収容体であれば、インクジェットプリンター以外の液体消費装置に装着される液体収容体にも適用可能である。このような液体消費装置としては、例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、液晶ディスプレイやEL(エレクトロルミネッサンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルター等の製造に用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解の形態で含む液体を吐出する装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられて試料となる液体を吐出する装置、時計やカメラなどの精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子などに用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するための紫外線硬化樹脂などの透明樹脂液を基板上に吐出する装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリなどのエッチング液を吐出する装置等が挙げられる。
B2.変形例2:
インク収容袋300を形成するバリア層324の厚みは、収容箱200を形成するバリア層222の厚みよりも大きくしてもよい。かかる構成によれば、かかる構成を採用しない場合と比べて、インクを直接的に収容するインク収容袋300の厚みが増すので、インク濃度の上昇を抑制できる。また、インク収容袋300よりも外力によって損傷しやすい収容箱200が、万一、損傷した場合であっても、インクカートリッジ70に必要な水分バリア性の半分以上がインク収容袋300側に確保されるため、インク濃度の上昇を抑制することができる。しかも、インク収容袋300の厚みが増すことにより、インクの消費に伴い、インク収容袋300が局所的に撓むことが抑制される。その結果、インク収容袋300の対向する2面が接触して、局所的な閉塞状態が生じることを抑制でき、インクを使い切りやすくなる。
インク収容袋300を形成するバリア層324の厚みは、収容箱200を形成するバリア層222の厚みと同じであってもよい。かかる構成によれば、バリア層324とバリア層222とは、同一の製造工程で製造することができ、インクカートリッジ70の製造工数を低減できる。
B3.変形例3:
収容箱200とインク収容袋300との間の空間210には、緩衝部材を配置してもよい。こうすれば、インク収容袋300をいっそう好適に保護することができる。また、収容箱200は、二重化、三重化などの複重構成としてもよい。例えば、インク収容袋300を収容する第1の収容箱と、第1の収容箱を収容する第2の収容箱とを設けてもよい。かかる場合、バリア層は、インク収容袋300、第1の収容箱および第2の収容箱のそれぞれに設けてもよい。こうすれば、より確実にインク収容袋300を保護することができる。
B4.変形例4:
第1の部材320および第2の部材220の断面構成は、上述した実施例に限らず、インクカートリッジ70の製造方法や使用条件に応じて、適宜設定すればよい。例えば、収容箱200を形成する第2の部材220において、収容箱200の接合部230を接着剤により接合する場合には、第1の樹脂層221は省略してもよい。また、バリア層222と植物由来層224との接着性が十分に確保できる場合には、第2の樹脂層223は省略してもよい。あるいは、運搬条件や、商品の包装条件などにより、収容箱200に求められる剛性が比較的小さい場合には、表層225は省略してもよい。インク収容袋300においても同様に、樹脂層321や樹脂層325を適宜省略可能である。また、第1の部材320および第2の部材220は、単一の材料からなる層を複層化することに限らず、複数の材料を混合して製造した複合材料を使用して形成してもよい。複層のうちの少なくとも1つの層を複合材料で形成してもよい。
B5.変形例5:
インク収容袋300を形成するバリア層324と、収容箱200を形成するバリア層222とは、異なる材料を使用してもよい。例えば、バリア層324には、バリア層222よりも水分バリア性に優れた材料を採用し、バリア層222には、バリア層324よりもガスバリア性に優れた材料を採用してもよい。より具体的には、例えば、バリア層324にセラミック蒸着膜を採用し、バリア層222にEVOHを採用してもよい。こうすれば、水分バリア性とガスバリア性とを、より安全側で確保できるため、インクの変質や劣化をいっそう抑制できる。
B6.変形例6:
上記実施例では、収容箱200の略直方体形状を規定する6面の内の1面が開口202となっており、開口202が流路部材100で塞がれるように収容箱200が流路部材100に対して固定されているとしているが、上記6面の内の2面以上(5面以下)が開口となっており、当該開口が流路部材100で塞がれるように収容箱200が流路部材100に対して固定されているとしてもよい。また、収容箱200は必ずしも略直方体形状である必要はなく、収容箱200がどのような形状であっても、収容箱200が開口を有し、当該開口が流路部材100で塞がれるように収容箱200が流路部材100に対して固定されていればよい。
B7.変形例7:
上記実施例では、ホルダー62に6つのインクカートリッジ70が装着されるとしているが、ホルダー62に装着可能なインクカートリッジ70の数は、1つ以上であればよい。また、同一の性状のインクが収容される複数のインクカートリッジ70がホルダー62に装着されてもよい。
B8.変形例8:
上記実施例における収容箱200と流路部材100との固定のための構成はあくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、図9に示した実施例では、突出部120が折り返し部240を圧縮するように狭持することにより収容箱200が流路部材100に固定されるとしているが、突出部120の鍔部122と折り返し部240との間に隙間が存在し、収容箱200と流路部材100とが相対的に離れるように動くと、突出部120の鍔部122と折り返し部240が干渉してそのような動きが阻止されるとしてもよい。
また、図9に示した実施例では、収容箱200における流路部材100との固定部分である被把持部は折り返し部240であるとしているが、被把持部は折り返しではなく貼り合わせによって厚さが大きくなっている部分であるとしてもよいし、第2の部材220自体の厚さが部分的に大きくなった部分であるとしてもよい。また、収容箱200の被把持部は、必ずしも開口202に隣接して設けられている必要はなく、開口202から離れた位置に設けられていてもよい。また、収容箱200の被把持部は、必ずしも他の部分より厚さが大きい必要はなく、他の部分と同じ厚さであってもよいし、他の部分より厚さが小さくてもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるい、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…プリンター
30…制御ユニット
31…CPU
37…RAM
40…印刷ヘッドユニット搬送機構
41…モーター
42…駆動ベルト
43…プーリー
44…シャフト
50…紙搬送機構
51…モーター
52…プラテン
60…印刷ヘッドユニット
61…印刷ヘッド
62…ホルダー
64…凸部
66…係合部
70…インクカートリッジ
98…操作パネル
99…メモリーカードスロット
100…流路部材
110…基部
111…記録層
114…係合部
120…突出部
122…鍔部
124…凸部
126…凹部
140…流路
142…供給口
170…凹部
200…収容箱
202…開口
210…空間
220…第2の部材
221…第1の樹脂層
222…バリア層
223…第2の樹脂層
224…植物由来層
225…表層
230…接合部
240…折り返し部
250…接合部
300…インク収容袋
310…インク収容空間
320…第1の部材
321…樹脂層
322…凸部
323…平坦領域
324…バリア層
325…樹脂層
326…表層
330…接合部
340…開口

Claims (5)

  1. 液体収容体であって、
    袋状に形成され、液体を収容可能な第1の収容部と、
    植物由来の材料を主体とする材料で形成され、前記第1の収容部を収容する第2の収容部と
    を備え、
    前記第1の収容部は、前記液体が気化した蒸気が単位時間および単位面積当たりに透過する速度である透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第1のバリア層を備え、
    前記第2の収容部は、前記透過速度が、金属アルミ膜よりも大きく、かつ、前記植物由来の材料よりも小さい材料であって、非金属の材料からなる、第2のバリア層を備えた
    液体収容体。
  2. 請求項1記載の液体収容体であって、
    前記第1のバリア層および前記第2のバリア層は、セラミック蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる群より選ばれた1つ以上の材料からなる
    液体収容体。
  3. 前記第2のバリア層の厚みは、前記第1のバリア層の厚みよりも大きい請求項1または請求項2記載の液体収容体。
  4. 前記第1のバリア層の厚みは、前記第2のバリア層の厚みよりも大きい請求項1または請求項2記載の液体収容体。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の液体収容体であって、
    前記第1の収容部の形状を規定する複数の面のうちの、相互に対向する2つの面の少なくとも一方には、前記第1の収容部に収容された前記液体の収容量が減少することに伴い、前記2つの面の一部同士が接触した際に、前記第1の収容部に形成された開口部であって、前記第1の収容部に収容された前記液体を外部に供給する開口部に向かって、前記液体を流通可能とする隙間を形成する凹部または凸部が形成された
    液体収容体。
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