JP2006312276A - インクジェット記録装置用インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インク供給方法 - Google Patents

インクジェット記録装置用インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インク供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェット記録装置へのインクカートリッジの交換が容易で、且つ、使用後のインクカートリッジのインクの変質を防止し再使用が可能で、高粘度のインクを使用しても必要とするインク量を安定してインクジェットヘッドに供給出来るインクカートリッジ、インク供給手段を有するインクジェット記録装置、インクジェット記録装置へのインク供給方法の提供。
【解決手段】 インク導出部と、インク収納部とを有するインクパックを収納したインクカートリッジにおいて、前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料で作られ、前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インク導出部とインク収納部を有するインク容器を収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジ(以下、単にインクカートリッジとも言う)、インクジェット記録装置、インク供給方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙との組合せで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムでは、使用出来る記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へ、インクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光や電子線により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式などである。
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性のない記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号、特表2000−504778号、国際公開第99/29787号パンフレット、同99/29788号パンフレット、同97/31071号パンフレット、特開平5−214280号公報、特開2002−188025号公報等において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。しかしながら、通常の水系インクに比べ、紫外線硬化型インクは粘度が高いことから、非常に小さい液滴を安定且つ精度の高い射出を行うことは、非常に難しいことが知られている。
インクジェット記録装置は、インク滴を10〜100μmの微小ノズルであるインクジェットヘッドから吐出し、記録紙上に文字、画像等を描くことから、インクが微小ノズルや微小流路を安定して流動出来ることが要求されている。
インクジェット記録装置のインクジェットヘッドへのインクの供給は、例えば、特開2001−232812、同2002−331679、同2003−145785、同2003−226023に記載されている様な、熱可塑性樹脂フィルムのインク収納部とインク導入部とを有するインクパックを外箱に収納したインクカートリッジが取り扱い易いことから使用されている。
又、最近ではデジタル機器の進歩は著しく、それらの情報を可視化するためのインクジェットプリンターもそれらに合わせますます精緻化の再現が望まれている。又、大サイズ化も望まれている。特に大サイズの画像を作成するインクジェット記録装置に使用されるインクの種類は、色再現を忠実に行うことが要求されることから同じ色でも赤、黄、青、黒の濃淡インクが用意されており、合計8色が用意されている。
又、大サイズの画像を作成するのには時間が掛かるため夜間無人で作成しているのが一般的である。この際、途中でインク切れが生じるのを避けるため、新しいインクカートリッジに換えて対応をとっている。途中で取り外したインクカートリッジは作業者がいる時に別の画像を作成するのに使用される。
このため、インクの交換も頻繁に行うため交換が簡単なカートリッジ化が検討されてきた。例えば、使用時にインクカートリッジの弾性部材で栓がされているインク導入部にインクジェット記録装置側の供給用の中空針を差し込むことで中空針を介してインクをインクジェットヘッドに供給し、終了後、中空針を引き抜くことでインク導入部が再び密閉され保管が出来るカートリッジが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、特許文献1、2に記載のインクカートリッジの場合、インク導入部の弾性部材に中空針を差し込むことでインクをインクジェットヘッドに供給するため、安定な量のインク量を得るためには針を太くしなければならない。しかし、針を太くした場合、引き抜いた時の密閉性が悪くなる危険がある。特に粘度が高い紫外線硬化型インクの場合は、流量を保つためには針を太くしなければならないため、インクカートリッジの着脱時のインク漏れ、使用後に残るインクは溶媒の蒸発などにより変質する危険があるため処分してしまうか、なるべく使用残が少なくなるようにして計画的に使用している。
使用時にインクカートリッジの付勢部材を介して栓がされているインク導入部にインクジェット記録装置側の供給用の中空の棒状部材を差し込むことで栓が開き、中空の棒状部材を介してインクをインクジェットヘッドに供給し、終了後、中空棒状部材を引き抜くことでインク導入部が再び付勢部材により栓でインク導入部を密閉し、保管が出来るカートリッジが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献3に記載のインクカートリッジの場合、インク導入部に付勢部材(例えば、バネなど)と栓が必要になり、インクカートリッジを構成している部品点数が増加するし、インク導入部の組み立て工数が増え、コストが上がる場合がある。又、付勢部材に金属勢のバネを使用した場合、使用後の廃棄処理時に分別する必要が生じ、環境適性に欠ける欠点を有している。
これらの状況から、インクジェット記録装置へのインクカートリッジの交換が容易で、且つ、使用後のインクカートリッジのインクの変質を防止し再使用が可能で、高粘度のインクを使用しても必要とするインク量を安定してインクジェットヘッドに供給出来るインクカートリッジ、インク供給手段を有するインクジェット記録装置、インクジェット記録装置へのインク供給方法の開発が望まれている。
特開2002−347257号公報 特許第2936682号公報 特許第3016740号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的はインクジェット記録装置へのインクカートリッジの交換が容易で、且つ、使用後のインクカートリッジのインクの変質を防止し再使用が可能で、高粘度のインクを使用しても必要とするインク量を安定してインクジェットヘッドに供給出来るインクカートリッジ、インク供給手段を有するインクジェット記録装置、インクジェット記録装置へのインク供給方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジにおいて、
前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有する中空円筒状のインク導入管を有し、
前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
前記インク導入管は、インクジェット記録装置の挿入側に前記インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入・引き抜きが可能な第1開口部と、
前記インク収納部の内側に、前記インクを前記インクジェット記録装置へ供給する第2開口部と、
前記インク供給手段の挿入により、前記第2開口部を開き、前記インク供給手段の引き抜きにより、前記第2開口部を閉じる蓋とを有し、
前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料で作られ、
前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
(請求項2)
前記蓋の内側にインクジェット記録装置のインク供給手段と着脱可能な係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
(請求項3)
前記インクパックが保護部材により保護されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
(請求項4)
前記インクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
(請求項5)
熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジを用い、前記インク導出部に挿入しインク供給を受けるインク供給手段を有するインクジェット記録装置において、
前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有する中空円筒状のインク導入管を有し、
前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
前記インク導入管は、インクジェット記録装置の装着部側に第1開口部と、インク収納部側に第2開口部とを有し、
前記第2開口部は、前記インク導入管と係合する係合部を有する開閉可能な蓋を有し、
前記インク供給手段は、前記第1開口部より挿入・引き抜きが可能な挿入部材を有し、
前記挿入部材は、先端部に前記蓋の開閉を行う係合部と、少なくとも一つのインク供給口と、インク漏れ防止部材とを有する中空円筒状のインク供給管を有し、
前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの樹脂材料で作られ、
前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項6)
前記インク漏れ防止部材がインク供給管と一体で設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
(請求項7)
前記インク供給口の面積が1〜20mm2であり、インク供給管の内径が4〜8mmであることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
(請求項8)
前記挿入部材は、清掃手段を介して第1開口部より挿入・引き抜きを可能としていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
(請求項9)
前記インクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
(請求項10)
熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジを用い、前記インク導出部に挿入しインクジェットヘッドにインク供給を受けるインク供給手段を有するインクジェット記録装置へのインク供給方法において、
前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有するインク導入管を有し、
前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
前記インク導入管は、前記インクジェット記録装置の装着部側に第1開口部と、インク収納部側に第2開口部とを有し、
前記第2開口部は、前記インク導入管と係合する係合部を有する開閉可能な蓋を有し、
前記インク供給手段は、前記第1開口部より挿入・引き抜きが可能な挿入部材を有し、
前記挿入部材は、先端部に前記蓋の開閉を行う係合部と、少なくとも一つのインク供給孔と、インク漏れ防止部材とを有する中空円筒状のインク供給管を有し、
前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの樹脂材料で作られ、
前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインク供給方法。
(請求項11)
前記インク漏れ防止部材がインク供給管と一体で設けられていることを特徴とする請求項10に記載のインク供給方法。
(請求項12)
前記インク供給管はインク供給口を有し、該インク供給口の面積が1〜20mm2であり、該インク供給管の内径が4〜8mmであることを特徴とする請求項10又は11に記載のインク供給方法。
(請求項13)
前記挿入部材は、清掃手段を介して第1開口部より挿入・引き抜きを可能としていることを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載のインク供給方法。
(請求項14)
前記はインクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載のインク供給方法。
インクジェット記録装置へのインクカートリッジの交換が容易で、且つ、使用後のインクカートリッジのインクの変質を防止し再使用が可能で、高粘度のインクを使用しても必要とするインク量を安定してインクジェットヘッドに供給出来るインクカートリッジ、インク供給手段を有するインクジェット記録装置、インクジェット記録装置へのインク供給方法を提供することが出来、インクジェット記録装置側のインク供給手段の使用回数が伸び安心してインクカートリッジの交換が可能になり、又、交換頻度の減少に伴いコスト低減も可能となった。
本発明に係わる実施形態を図1〜図10を参照して、説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はインクカートリッジの概略分解斜視図である。
図中、1はインクカートリッジを示す。インクカートリッジ1は外箱101と、インク導出部103aとインク収納部103bとを有するインクパック103と、インク導出部103aの位置を決める位置決め規制部材104と、インクパック103のインク収納部103bを挟持する状態で保護する第1保護部材102aと、第2保護部材102bとを有している。以下、本図に示すインクカートリッジを構成してい各部材に付き図2〜図10を参照しながら順次説明する。
図2は図1に示される外箱の概略図である。図2の(a)は外箱の概略斜視図である。図2の(b)は開放口を開けた状態の外箱の概略斜視図である。図2の(c)は外箱の概略展開図である。尚、展開図は内側から見た状態となっている。
外箱101は、矩形の開放口101dを有する本体101cと、開放口101dに折れ目線を介して設けられた開閉蓋101aとを有している。101bは開閉蓋101aに設けられた切り取り部を示す。101b1は切り取り部101bを開閉蓋101aから切り取るためのミシン目を示す。101eは開閉蓋101aに設けられたフラップを示し、フラップ101eにより開閉蓋101aは本体101cに固定することが可能となっている。開閉蓋101aの本体101cへの固定方法はフラップ101eによる他に、接着テープによる方法であってもかまわない。開放口101dには位置決め規制部材104(図1を参照)が取り付け可能となっている。
101f1は開放口101dの長辺101d1を含む面101fの内側の第1面を示す。101g1は開放口101dの長辺101d2を含む面101gの内側の第2面を示す。101h1は開放口101dと対向する本体101cの対向面101hの内側の面を示す。外箱101は図2の(C)に示す展開図に従って各片を折り曲げ線に従って折り曲げ、フラップを固定することで組み立てることが可能となっている。
外箱の形式としては特に限定はなく、例えばJISZ1507に記載されている如き形式であっても良いし、最新紙加工便覧 株式会社テックタイムス P821〜824に記載されている如き形式であっても良い。本図の外箱はワンピースの材料から作製された場合を示している。
外箱101cに使用する材料としては、板紙、段ボール等の紙材料、熱可塑性樹脂など一般的に箱に使用されている材料であれば何でも使用可能であるが環境負荷低減の面から紙製であることが好ましい。紙材料としては、最新紙加工便覧 株式会社テックタイムスに記載されている如き一般的な板紙である白板紙又は段ボールを使用して作ることが可能である。板紙としては、取り扱い及び輸送に耐える強度、外箱を製造する時の作業性、品質、環境負荷等を考慮し、坪量300〜700g/m2が好ましく、より好ましくは400〜600g/m2である。厚さは、取り扱い及び輸送に耐える強度、品質、環境負荷等を考慮し、260〜1140μmが好ましく、より好ましくは480〜920μmである。
段ボールとしては最新紙加工便覧 株式会社テックタイムスに記載されている如き一般的なAフルート〜Eフルートの両面段ボール、複両面段ボールが好ましく使用されるが特に限定はない。インク容器の大きさに従い適宜選択することが出来る。
本発明のインクカートリッジ表面には、中のインクを識別するための表示がされており、表示方法としてはカートリッジの表面に直接印刷で表示しても良いし、識別するための表示が施されたラベルを貼着する方式であっても良い。
図3は図1に示すインクパックの拡大概略斜視図である。
図中、103b1はインク収納部103bを作っている熱可塑性フィルムのa面を示し(本図で上側の面を示す)、a面103b1はインク収納部103bの短辺103b3(103b4)を含む面となっている。103b2はインク収納部103bを作っている熱可塑性フィルムのb面(本図で上側の面の反対側の面を示す)を示し、b面はインク収納部103bの短辺103b3(103b4)を含む面となっており、a面103b1と対向する面である。
103b5は袋状のインク収納部103bを作るためのセンターシール部を示し、103b7は袋状にするための他方のシール部を示す。インク収納部103bの形式は特に限定はなく、例えば、2枚の熱可塑性フィルムの3方をシールして袋状としても良いし、一枚の熱可塑性フィルムを折り曲げて2方をシールして袋状としても良い。本図は一枚の熱可塑性フィルムを折り曲げて2方をシールして袋状とした場合を示し、シールの位置がセンターにある、所謂、センターシール方式で作製した場合を示している。103b6はインク導出部103aの接合部材103a4にインク収納部103bを接合したシール部を示す。インク収納部103bを接合部材103a4に接合する方法は、接合部材103a4をインク収納部103bに挿入した後、熱溶着、接着剤等で密封接着することで接合することが可能である。103cはインクパック103を外箱101(図1を参照)に収納した時、インク収納部103bのa面103b1又はb面103b2のどちらか一方を外箱の内側に固定するための両面テープを示す。本図では、両面テープ103cをインク収納部103bのa面103b1に貼着した場合を示している。インク収納部103bのa面103b1又はb面103b2のどちらか一方を外箱の内側に固定するための手段としては、接着剤を使用してもかまわない。インク導出部103aに関しては図3で詳細に説明する。
本図に示すインクパック103を作る方法としては、先ず多層熱可塑性フィルムを使用し筒状のインク収納部を作り、開放口の一方にインク導出部を取り付けた後、他の開放口から減圧条件下でインクを充填し熱溶着又は接着剤により密封することにより製造することが出来る。筒状のインク収納部を作る方法としては例えば、1)長方形の2枚の前記多層熱可塑性フィルムの長辺側を熱溶着又は接着剤で接着する方法、2)長方形の一枚の前記多層熱可塑性フィルムの長手中央から半折し両長辺側を熱溶着又は接着剤で接着する方法、3)長方形の一枚の前記多層熱可塑性フィルムの幅手中央から半折し長辺側を熱溶着又は接着剤で接着する方法が考えられるが一番作り易い方法を適宜選択して作ることが可能である。
胴部にインク導出部を取り付ける方法としては、インク導出部のインク導入管に取り付けられている接合部材をインク収納部に挿入した後、熱溶着又は接着剤で接着することでインクパックが出来上がる。尚、インク収納部103はインク導出部103aを取り付けてある側を前部とし、反対側を後部とする。
インク収納部に使用する熱可塑性フィルムとしては、多層熱可塑性フィルムが好ましい。本発明に使用する多層熱可塑性フィルムの剛性は、酸素透過率、インク導出部の接合部との接合強度、取り扱い性、インク残量等を考慮すると、7.9×10-7〜1.9×10-6Nm2が好ましく、より好ましくは6.7×10-7〜3.1×10-6Nm2である。剛性は島津製作所(株)製引っ張り試験器PSC−100を用いて測定した値である。
本発明に使用する多層熱可塑性フィルムの厚さは前記剛性と関連し、剛性の好ましい範囲を維持し、厚さは、インク収納部としての強度、取り扱い性、環境負荷、インク残量等を考慮すると73〜150μmが好ましく、より好ましくは83〜130μmである。
本発明の多層熱可塑性フィルムには無機物蒸着膜、アルミ蒸着膜を使用しても良い。無機物蒸着膜としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機膜が挙げられる。例えば、Cr23、Ta23、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si34、単結晶Si、アモルファスSi、W、AI23等が用いられる。これらの中でも最も好ましい無機物蒸着膜としては、蒸着膜の強さ、透明性の点からアルミナ(AI23)が挙げられる。無機蒸着膜を作る方法としては真空技術ハンドブック及び包装技術Vol29No.8に記載されている如き一般的な方法、例えば抵抗又は高周波誘導加熱法、エレクトロビーム(EB)法、プラズマ(PCVD)等により作ることが出来る。蒸着膜の厚さとしては40〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜180nmの範囲である。
本発明の無機蒸着層の基材として使用する熱可塑性樹脂フィルムとしてはエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン6(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されているフィルム材料を使用することが出来る。
蒸着フィルムシートを介して用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては一般の包装材料として使用されている高分子フィルム(例えば機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルム)である低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエステル(PET)、セロハン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)等が使用出来る。
又、これら熱可塑性フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組合せて作ることも当然可能である。最内層の熱可塑性フィルムとしては低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びメタロセン触媒を使用して製造した低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又、これらフィルムと高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムの混合使用したフィルムが使用されている。特にこれらの中でも溶融温度、強度の点からメタロセン触媒を使用して製造したLLDPEが好ましく一般に市販されているものであれば充分に使用出来る。例えば宇部興産(株)製のユメリット、ダウ・ケミカル日本製のAFFINITY、エリート、日本ポリオレフィン(株)製のハーモレックスLL、日本ポリケム(株)製のカーネル57L、三井化学(株)製エボリュー、積水フィルム西日本(株)製ラミロンスーパー、タマポリ(株)製SEシリーズ、東セロ(株)製トーセロT.U.X−FCS、T.U.X−TCS、二村化学工業(株)製太閤FL、三菱化学興人パックス(株)製メタロエース、和田化学工業(株)製WMX、住友化学(株)製FV202等が挙げられる。
無機物蒸着層を使用しない場合は、上述の熱可塑性フィルムの中から適宜選択し必要に応じて単体でも良いし又は、2種以上のフィルムを積層させて用いることが出来る。例えばCPP/OPP、PET/OPP/LDPE、Ny/OPP/LDPE、CPP/OPP/EVOH、サランUB/LLDPE(ここでサランUBとは旭化成工業株式会社製の塩化ビニリデン/アクリル酸エステル系共重合樹脂を原料とした2軸延伸フィルムを示す)K−OP/PP、K−PET/LLDPE、K−Ny/EVA(ここでKは塩化ビニリデン樹脂をコートしたフィルムを示す)等が使用されている。
上記積層フィルムの製造方法としては、コンバーテック1990.5月号40〜48頁に記載されている如き一般的に知られている各種の方法が用いられ、例えばウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。使用材料によっては多層インフレーション方式により作ることが出来る。
積層する際に使用される接着剤としてはコンバーテック1996.1月号18〜22頁、1997.10月号13〜17頁、21〜25頁に記載されている如き一般的に知られている接着剤が使用出来る。
尚、インク収納部に収納するインクが紫外線硬化型の場合はアルミ蒸着フィルム又はアルミ箔ラミネートフィルムにカーボン含有フィルムを組合せて多層フィルムを構成することが好ましい。
本発明に使用する紫外線硬化型インクとしては、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有していれば特に限定はなく、例えば、特開平10−324836号、特開2002−167537、同2002−179967、同2002−241654、同2003−147233、同04−18716、同2004−59810、同2004−59857、同2004−124077、同2004−131589、同2004−131725、同2004−182933に記載されている組成の紫外線硬化型インクが挙げられる。
粘度が0.05Pa・s未満の場合は、インクジェットヘッドからインクを液滴状で安定して出射することが困難となり、高速印刷適性が不足するため生産性が低下するため好ましくない。粘度が0.1Pa・sを越える場合は、粘度が高くなり過ぎてインク導入管より安定してインクジェットヘッドへのインクの供給が困難となるため好ましくない。粘度測定は、Pyhsica社製レオメーターMCR300を使用し、25℃で測定した値を示す。
図4は図3のWで示される部分の拡大概略図である。図4の(a)は図3のWで示される部分の拡大概略平面図である。図4の(b)は図3に示されるインク導出部の拡大概略斜視図である。
図中、103aはインク導出部を示す。インク導出部103aはインク導入管103a1と、インク導入管103a1に取り付けられた位置規制手段の2枚のフランジ部材103a2(103a3)と、インク導入管103a1に取り付けられインク収納部と接合する接合部材103a4と、インク収納部側の第2開口部103a9(図5を参照)を開閉可能にするための蓋103a5とを有している。蓋103a5は、インク導入管103a1に脱落防止部材103a7を介して取り付けられていることが好ましい。103a6はインク導入管103a1のインクジェット記録装置側のインク供給手段2(図9を参照)を挿入する第1開口部を示す。
2枚のフランジ部材103a2(103a3)の間隔は、位置決め規制部材104(図7を参照)の収納部104a(図7を参照)の幅に合わせ適宜決めることが可能であり、収納部104a(図7を参照)にフランジ部材103a2(103a3)とを収納することでインク導出部103aが固定され位置決めが可能となっている。
接合部材103a4の厚さは、インク導入管との取り付け強度、製造過程、輸送時の取り扱い性、インク残量等を考慮して、0.2〜2mmが好ましく、より好ましくは0.3〜1mmである。
インク導入管103a1の直径は、インクジェット記録装置側のインク供給手段の太さ及び接合部材103a4の厚さと関係するため、これらと合わせて適宜決めることが必要である。又、インク収納部103bを接合部材103a4により強固に接合するため接合部材103a4の上面、下面に凹状の溝を設けることが好ましいため、溝が配設することが出来る厚さに合わせ適宜インク導入管103a1の直径を決めることも必要である。
インク導出部103aに使用する材料としては、引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料であれば特に限定はなく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。製造方法もごく一般的な実用プラスチック成形加工便覧 全日本プラスチック成形工業連合会編に記載されている如き射出成形方法で製造することが出来る。引っ張り弾性率は、JIS K7113に準じた測定方法により、東洋精機(株)製 引っ張り試験機V10−Cにより測定した。
使用する材料の引っ張り弾性率が100MPa未満の場合は、インク導出部が変形し易くなり、インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材の繰り返しの挿入・引き抜きに対して変形し、インク漏れが生じる危険があるため好ましくない。1500MPaを越える場合は、インク導出部が硬くなり、インクジェット記録装置のインク供給手段に設けたインク漏れ防止部材との密着性が悪くなり、挿入時にインク漏れが生じる危険があるため好ましくない。
図5は図4に示すインク導出部の蓋が開いた状態を示す概略斜視図である。尚、蓋を開くための第1開口部103a6から挿入されるインクジェット記録装置側のインク供給手段は省略している。
図中、103a8は第1係止リブを示し、103a9は第2係止リブを示す。蓋103a5は第1係止リブ103a8と、第2係止リブ103a9でインク導入管103a1の内側に設けられた係止リブ(不図示)と係合することで、使用前は蓋103a5は第2開口部103a10を密閉し、インク収納部に充填されているインクの漏出を防止することが可能となっている。蓋103a5は、第1開口部103a6から挿入されるインクジェット記録装置側のインク供給手段の押圧力により、第1係止リブ103a8と、第2係止リブ103a9との係合が解除され第2開口部103a10を開く様になっている。
図6は図3のB−B′に沿った概略断面図である。図6の(a)は第2開口部が蓋で密閉された状態を示す図3のB−B′に沿った概略断面図である。図6の(b)は第2開口部が開放された状態を示す図3のB−B′に沿った概略断面図である。尚、本図ではインクジェット記録装置側のインク供給手段は省略してある。
図中、103a13は蓋103a5の内側に設けられた第3係止リブを示し、インクジェット記録装置側のインク供給手段(不図示)を抜く時、インク供給手段のインク供給管203(図9を参照)に設けられた係止リブ205(図9を参照)と係合し、第2開口部103a10を再び密閉する機能を有している。103a11は、蓋103a5に設けられた第1係止リブ103a8と係合するインク導入管の内側に設けられた第4係止リブを示し、103a12は、蓋103a5に設けられた第2係止リブ103a9と係合するインク導入管の内側に設けられた第5係止リブを示す。
本図に示す如く、使用前は蓋103a5はインク導入管の内側に設けられた第4係止リブ103a11と、第5係止リブ103a12とに蓋側に設けられた第1係止リブ103a8と、第2係止リブ103a9とが係合することで第2開口部103a10を密封するようになっている。その他の符号は図5と同義である。
図7は図1に示す位置決め規制部材の拡大概略図である。図7の(a)は図1に示す位置決め規制部材の拡大概略斜視図である。図7の(b)は図1に示す位置決め規制部材にインク導出部を挿入した状態を示す拡大概略断面図である。
図中、104は位置決め規制部材を示す。104aは図4に示す位置規制手段の2枚のフランジ部材103a2(103a3)を収納する収納部を示す。104bは図4に示す2枚のフランジ部材103a2(103a3)を収納する際のインク導出部の接合部材103a4を取り付けたインク導入管103a1用の切り欠け部を示す。104cはインクジェット記録装置側のインク供給手段をインク導入管103a1の第1開口部103a6へ挿入するための挿入口を示し、挿入口104cの中心と、第1開口部103a6との中心は一致するように位置決め規制部材に設けられている。本発明においては、位置決め規制部材104の挿入口104cが設けられている面を前面と言い、切り欠け部が設けられている面を後面と言う。尚、挿入口104cの中心は位置決め規制部材104の前面の中心と一致するように前面に設けられている。図7の(b)に示す様に収納部104aにインク導出部の位置規制手段の2枚のフランジ部材103a2(103a3)を収納することでインク導出部の位置が決まり規制され、固定される。この様な状態で外箱に収納することで、位置決め規制部材104によりインク導出部の位置が規制され、更に、外箱の開閉蓋に設けられたミシン目を切り取った時、インク導入管103a1の第1開口部103a6が出るため、インクジェット記録装置側のインク供給手段の第1開口部103a6への挿入が間違いなく簡単に行うことが可能となる。
位置決め規制部材に使用する材料は特に限定はないが、インクカートリッジの使用後の廃棄処理を考慮し全体として統一することが好ましい。例えば、インクパックのインク導出部と同じ樹脂材料を使用し射出成形方法で製造することが出来る。外箱が紙材料の場合は、同じ紙でも良いし、紙材料を使用した、所謂、パルプモールド製であってもかまわない。パルプモールド製の場合、使用する材料は限定はなく、例えば葦等の多年草の非木材パルプ、新聞、段ボール、古紙等を使用することが可能である。又、製造方法も原料を溶解した後、成形機で成形する一般的な方法で製造することが可能である。
図8は図1に示すインクカートリッジのA−A′に沿った拡大概略断面図である。
第1保護部材102aは、第1保護部102a1と、第2保護部102a2と、第3保護部102a3とを有している。第1保護部102a1は、位置決め規制部材104の後面に接する面102a11(X面とする)と、本体101cの開放口101d(図2を参照)の長辺を含む面の内側の第1面101f1(図2を参照)に接する面102a12(Y面とする)と、インク収納部の短辺を含むa面103b1に接する斜面102a13(Z面とする)とを有する断面形状が三角形状を有している。第2保護部102a2は、開放口101d(図2を参照)と対向する本体101cの対向面の内面101h1(図2を参照)に接する面102a21(X面とする)と、本体101cの開放口101d(図2を参照)の長辺を含む面の内側の第1面101f1(図2を参照)に接する面102a22(Y面とする)と、インク収納部103bの短辺を含むa面103b1に接する斜面102a23(Z面とする)とを有し、断面形状が三角形状を有している。第3保護部102a3は、第1保護部102a1の面102a12と、第2保護部102a2の面102a22と一体となった平板部材である。
第2保護部材102bは、第1保護部102b1と、第2保護部102b2と、第3保護部102b3とを有している。第1保護部102b1は、位置決め規制部材104の後面に接する面102b11(X面とする)と、本体101cの開放口101d(図2を参照)の長辺を含む面の内側の第1面101f1(図2を参照)に接する面102b12(Y面とする)と、インク収納部の短辺を含むa面103b1に接する斜面102b13(Z面とする)とを有する断面形状が三角形状を有している。第2保護部102b2は、開放口101d(図2を参照)と対向する本体101cの対向面の内面101h1(図2を参照)に接する面102b21(X面とする)と、本体101cの開放口101d(図2を参照)の長辺を含む面の内側の第1面101f1(図2を参照)に接する面102b22(Y面とする)と、インク収納部103bの短辺を含むa面103b1に接する斜面102b23(Z面とする)とを有し、断面形状が三角形状を有している。第3保護部102b3は、第1保護部102b1の面102b12と、第2保護部102b2の面102b22と一体となった平板部材である。
第1保護部材102aと第2保護部材102bとは同じ形態となっている。本図では、第1保護部材102aの第1保護部102a1と、第2保護部102a2とが平板部材102a3を介して一体となっているが個別であってもかまわない。同様に、第2保護部材102bの第1保護部102b1と、第2保護部102b2とが平板部材102b3介して一体となっているが個別であってもかまわない。
θ1は面102b21(102a21)(X面)と斜面102b23(102a23)(Z面)とのなす角度を示し、θ2は面102b22(102a22)(Y面)と斜面1102b23(102a23)(Z面)とのなす角度を示す。θ3は面102b11(102a11)(X面)と斜面102b13(102a13)(Z面)とのなす角度を示し、θ4は面102b12(102a12)(Y面)と斜面102b13(102a13)(Z面)とのなす角度を示す。
角度θ1(θ3)は68〜84°が好ましい。角度θ1(θ3)が68°未満の場合は、外箱が大きくなり、インクジェット記録装置側のインクカートリッジ挿入部に挿入出来なくなる場合がある。角度θ1(θ3)が84°を越える場合は、緩衝部材によりインク収納部が押される状態になるため、インク収納部のインクが減量した時、緩衝部材によりインク収納部に皺が発生し、皺の部分にインクが残り、インク残量が多くなる場合がある。
角度θ2(θ4)は7〜22°が好ましい。角度θ2(θ4)が7°未満の場合は、緩衝部材によりインク収納部が押される状態になるため、インク収納部のインクが減量した時、緩衝部材によりインク収納部に皺が発生し、皺の部分にインクが残り、インク残量が多くなる場合がある。
角度θ2(θ4)が22°を越える場合は、外箱が大きくなり、インクジェット記録装置側のインクカートリッジ挿入部に挿入出来なくなる場合がある。
Qは外箱の本体101cの第2面101g1から内面101h1の半分までの高さを示し、Pは第2保護部102b2の面102b21(X面)の高さを示す。高さPは高さQの23〜91%が好ましい。23%未満の場合は、緩衝部材によりインク収納部が押される状態になるため、インク収納部のインクが減量した時、緩衝部材によりインク収納部に皺が発生し、皺の部分にインクが残り、インク残量が多くなる場合がある。91%を越える場合は、インク導入管の太さに制約が出たり、インク収納部を緩衝部材により圧迫することで外箱内でインク収納部のゆとりがなくなるため耐衝撃性が劣り、落下した時に破裂する危険がある。
第1保護部材102aの第1保護部102a1の面102a11と、第2保護部102a2の面102a21、及び第2保護部材102bの第1保護部102b1の面102b11の高さは、第2保護部材102bの第1保護部102b1の面102b21と同じ関係を有した高さとなっている。
本図では、インク収納部のa面103b1は外箱の本体101cの内面101f1に両面テープ103cにより固定された場合を示している。本図に示されるインクカートリッジの場合、インクジェット記録装置側へ装填する際は、インク導出部を下側に向け立てた状態で行うことが好ましく、この状態で使用することでインク残量を最小にすることが可能となる。
図9はインクジェット記録装置側のインク供給手段である挿入部材の概略図である。図9の(a)はインクジェット記録装置側のインク供給手段である挿入部材の概略斜視図である。図9の(b)は図9の(a)のC−C′に沿った概略断面図である。
図中、2はインク導入管103a1(図4を参照)の第1開口部103a6(図4を参照)に挿入するインクジェット記録装置側のインク供給手段である挿入部材を示す。挿入部材2は、第1開口部103a6(図4を参照)に挿入した時に、インク導入管103a1(図4を参照)の蓋103a5(図4を参照)の内側先端に当接し、押圧力により蓋103a5(図4を参照)をインク導入管103a1(図4を参照)との係合を解除し第2開口部103a9(図5を参照)を開放する先端部201と、インク供給部202と、中空円筒状のインク供給管203と、インク供給管203に一体に取り付けられたインクの漏出を防止するインク漏れ防止部材204とを有している。
202aはインク供給部202に配設されたインク供給口を示す。インク供給口202aはインク供給部202に少なくとも一つは配設されており、インク供給口202aの形状は特には限定はなく、例えば矩形、正方形、円形、楕円形等が挙げられる。インク供給口の面積は、インクジェット記録装置への安定したインク供給量の確保、インク供給管の強度維持、耐久性等を考慮し、1〜20mm2が好ましい。供給口の数としては、例えばインク供給口の面積が1mm2の場合は一つ、20mm2の場合は1〜20個の範囲で必要に応じて適宜配設することが可能である。
Rはインク供給管203の内径を示す。内径Rは、インクジェット記録装置へのインク供給量の安定化、インクカートリッジのインク導出部の大きさの最適化、インクジェット記録装置側のインク供給部の大きさの最適化等を考慮し、4〜8mmが好ましい。
205は係止リブを示し、挿入部材2を引き抜く時、インク導入管103a1(図6を参照)の蓋103a5(図6を参照)の内側に設けられた第3係止リブ103a13(図6を参照)に係合し、インク導入管103a1(図6を参照)の第2開口部103a9(図6を参照)を蓋103a5(図6を参照)により再び密閉する機能を有している。206はインクジェット記録装置側のインク供給管への接合部を示す。挿入部材2のインク供給部202から供給されたインクは、インク供給管203を介してインクジェット記録装置のインクジェットヘッドに供給される。
挿入部材2に使用する材料は引っ張り強度が50〜1000MPaであれば特に限定はなく、例えば、フェノール樹脂、ポリアセタール、Ni鋼、SUS等が挙げられる。製造方法としては、ポリアセタール、ポリカーボネイト等の場合は、実用プラスチック成形加工便覧 全日本プラスチック成形工業連合会編に記載されている如き射出成形方法で製造することが出来る。SUSの場合は、削り出しで製造することが出来る。
引っ張り強度は、JIS K7113に準じた測定方法により、東洋精機(株)製 引っ張り試験機V10−Cにより測定した。
使用する材料の引っ張り強度が50MPa未満の場合は、インクカートリッジのインク導出部への繰り返しの挿入・引き抜きに対して耐性が不足し、インク漏れが生じる危険、インク漏れ防止のための交換頻度が多くなり費用も掛かるしメンティナンスも大変になるため好ましくない。1000MPaを越える場合は、硬くなり過ぎ挿入部材の加工が難しくなるため好ましくない。
図10はインクジェット記録装置側のインク供給手段であるインク供給管により、インクパックからインクをインクジェットへ供給するまでの概略フロー図である。尚、本図では、図1〜図8に示すインクカートリッジのインク導出部を下に向け、立てて使用する場合を示している。又、インクカートリッジを構成している外箱、位置決め規制部材は省略してある。
S1では、インクカートリッジのインク導出部103aの第1開口部103a6の位置と、インクジェット記録装置側のインク供給手段である挿入部材2との位置が合わされたのち、第1開口部103a6に挿入部材2を挿入するため第1開口部103a6が下げられる(インクカートリッジが下げられる)(図中の矢印方向)。
S2では、挿入部材2の先端部201が、蓋103a5の内面の先端と当設する位置まで挿入される。この段階では蓋103a5はインク導入管103a1の内部に係止された状態であり、インク導入管103a1の第2開口部を密閉している状態となっている。
S3では、更に第1開口部103a6が下げられる(インクカートリッジが下げられる)(図中の矢印方向)ことで、蓋103a5のインク導入管103a1との係合が解除された状態となり、第2開口部103a9が開放される。この状態で、第2開口部103a10と蓋103a5の間に挿入部材2の少なくとも一つのインク供給口202aを有するインク供給部202が位置する様になる。インク収納部103に充填されていたインクはインク供給口202aより中空円筒状のインク供給管203を介してインクジェットヘッドへ供給する様になっている。
印刷が終了した時点では、インクカートリッジを上げ、挿入部材2をインク導出部から引き抜くことで、蓋103a5の内部の内側に設けられた第3係止リブ103a13と、インク供給管2に設けられた係止リブ205が係合し、第2開口部103a9が密閉される。尚、本図はインクジェット記録装置のインク供給手段を固定し、インクカートリッジを移動させることで、インク供給手段の挿入部材をインクカートリッジのインク導出部の開口部に挿入する場合を示したが、インクカートリッジをインクジェット記録装置の装着部に固定し、インク供給手段の挿入部材を移動させることでインクカートリッジのインク導出部の開口部に挿入する方法でも良い。この場合、挿入部材の挿入、引き抜きの時、挿入部材を清掃手段により清掃することが好ましい。清掃手段としては、例えば、スポンジ、高分子吸着材で払拭する方法が挙げられる。
本図に示されるインクカートリッジを本図に示される状態で使用する場合は、特開2003−145785に記載の方法で使用することが好ましい。又、横置きの状態で使用する場合は特開2003−226023に記載の方法で使用することが好ましい。図1〜図8に示す引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料で作られたインク導出部を有するインクパックを収納したカートリッジと、図9に示す引っ張り強度50〜1000MPaの材料で作られたインクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材との組合せ使用により次の効果が得られる。
1)インク導出部へインクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材を挿入した時に、挿入部材との密着性が良くなりインク漏れがなくなった。
2)インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材の繰り返し使用が可能となり、交換頻度の低下に伴い、低コスト、メンティナンスが容易になった。
3)インク導出部へのインクジェット記録装置のインク供給手段の挿入が容易になった。
4)インクカートリッジ内でインクパックが保護部材により動きが規制されているため、輸送、取り扱い時の振動、落下等に対して耐性が向上しインク収納部の損傷を防止することが可能となり安心して輸送、取り扱いをすることが可能となった。
5)インク導出部が位置決め規制部材に挿入され、位置規制されているためインクジェット記録装置側のインク供給部への装填が容易に行うことが可能となった。
6)インクカートリッジを立てた状態でインクジェット記録装置側のインク供給部へ装填し使用する際、インク導出部側の保護部材の傾斜面が漏斗の機能として作用し、インク収納部内のインク残量を少なくすることが可能となった。
7)インクカートリッジを立てた状態でインクジェット記録装置側のインク供給部へ装填し使用する際、インク収納部の片側が外箱の本体の内面に固定されているため、インク収納部内のインクの量が減少してもインク収納部がインク導出部側に落ち、変形しないためインクを最後まで使い切ることが可能となり、インク残量を減らすことが可能となった。
8)インクカートリッジを構成している部材が分解出来るため、使用後に分別回収が容易になりリサイクル適性が向上した。
9)S1〜S3に示される様に、インクカートリッジのインクジェット記録装置側のインク供給手段への着脱が容易に行うことが可能となりインクカートリッジの交換が容易に行うことが可能にった。
10)使用後にインクパックを密閉にすることが出来るため、インクパック中のインクの変質を防止して保存することが可能となった。又、変質が防止されるため最後までインクを使い切ることが可能となり無駄を無くすことでコストを抑えることが可能となった。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示す材料を使用してインクカートリッジを作製した。
(インク導出部用材料の準備)
表1に示す引っ張り弾性率が異なるインク導出部用材料を準備しNo.a〜fとした。尚、引っ張り弾性率はJIS K7113に準じた測定方法により、東洋精機製作所(株)製 引っ張り試験機V10−Cにより測定した値を示す。
Figure 2006312276
*EEA:エチレンエチルアクリレート、*LDPE:低密度ポリエチレン、*HDPE:高低密度ポリエチレン、*PP:ポリプロピレン、*Ny6:ナイロン6、*PS:ポリスチレン
(インク導出部の作製)
準備したインク導出部用材料No.a〜fを使用し、図4〜図6に示すインク導出部を射出成形で作製しNo.A〜Fとした。尚、インク導出部のインク導入管の第1開口部の大きさは、インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材の寸法に合わせて作製した。インク導入管に取り付けたフランジ部材の直径は20mm、厚さは1mm、2枚のフランジ部材の間隔は2mmとした。
(インクパックの作製)
多層熱可塑性フィルムとして、PET12μm/アルミ箔12μm/ONy15μm/LLDPE20μm/黒LLDPE50μmを使用し、センターシール方式で筒状とした後、作製したインク導出部No.A〜Fの接合部材を挿入し、熱溶着で接合した。尚、シーラント層に使用した黒LLDPEは、メタロセン触媒を使用して製造したLLDPEにカーボンブラックを添加した物を使用した。この後、粘度0.05Pa・sの紫外線硬化型インクを減圧条件下で充填し、片方の開放口を熱溶着でシールすることで図3に示す形態のインクパックを作製しNo.1−A〜1−Fとした。
紫外線硬化型インクとしては、以下に示す組成のものを使用し、粘度は溶剤の添加により調整した。粘度測定は、Pyhsica社製レオメーターMCR300により行った値を示す。
紫外線硬化型インクの処方
下記の各組成物を混合、撹拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して紫外線硬化型インクを得た。
カーボンブラックMA100(三菱化学社製、黒インク用顔料) 5質量部
脂環式エポキシ化合物:(CEL2021P、ダイセル化学社製) 40質量部
オキセタン(OXT221、東亞合成社製) 70質量部
光重合開始剤:スルホニウム塩(SP152、旭電化社製) 2.5質量部
アントラセン誘導体(CS7102、日本曹達社製) 1.0質量部
作製したインクパックのインク収納部の大きさは、短辺側の長さが230mm、長辺側の長さが450mm、容量3Lとした。使用した多層熱可塑性フィルムの剛性は1.3×10-6Nm2であった。尚、剛性は島津製作所(株)製引っ張り試験器PSC−100を用いて測定した値である。
(外箱の作製)
坪量450g/m2、厚さ590μmの板紙を使用し図2の展開図に示される型の箱を作製した。開放口の寸法は、幅225mm、高さ70mmとした。
(位置決め規制部材の作製)
材料として段ボールを使用し、パルプモールドで図7に示す位置決め規制部材を作製した。位置決め規制部材の収納部の寸法はインク導出部に取り付けた2枚のフランジ部材が入る寸法とし、インク導入管が入る切り欠け部は、インク導入管の直径に合わせた。位置決め規制部材の幅、高さは外箱の開放口の寸法に合わせた。
(保護部材の作製)
外箱と同じ板紙を使用し、図1に示す第1保護部材と第2保護部材を、X面の高さを20mmとし、X面とZ面とのなす角度を72°、Y面とZ面とのなす角度を18°となるように作製した。第1保護部材と第2保護部材とは同じ形状とした。尚、X面とは位置決め規制部材後面に接する面(開放口と対向する本体の対向面の内面に接する面)を指し、Y面とは本体の開放口の長辺を含む面の内側の第1面(第2面)に接する面を指し、Z面インク収納部の短辺を含むa面(b面)に接する斜面を指す。X面の高さとは、図8に示す様に、外箱の本体の第2面から内面の半分までの高さ(35mm)に対する緩衝部材のX面の高さの割合(%)を示す。
(インクカートリッジの作製)
作製したインクパック1−A〜1−Fのインク導入部を位置決め規制部材の収納部に納め、作製した保護部材を用いて、作製した外箱に図8に示す様な状態で収納し表2に示すインクカートリッジを作製した。
Figure 2006312276
(インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材用材料の準備)
表3に示す引っ張り強度が異なる挿入部用材料を準備しNo.イ〜へとした。尚、引っ張り強度はJIS K7113に準じた測定方法により、東洋精機(株)製 引っ張り試験機V10−C器により測定した値を示す。
Figure 2006312276
(挿入部材の作製)
準備した材料No.イ〜ヘを使用し、図9に示されるインクジェット記録装置側のインク供給手段である挿入部材を作製しNo.1−イ〜l−ホとし表4に示す。尚、インク供給口の形状は矩形として、面積は同じで4つ設けた。尚、挿入部用材料No.ヘは引っ張り強度1100であるため加工が困難となり挿入部材の作製は出来なかった。
Figure 2006312276
インク導出部の耐久性能試験及び評価
作製したインクカートリッジ1−1〜1−6のインク導出部の耐久性能試験を以下に示す方法で行い、耐久性能試験No.101〜130とし、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
インク導出部の耐久性能試験方法
コニカミノルタ(株)製インクジェット記録装置LF−900のインク供給部を改造し作製した挿入部材1−イ〜l−ホを取り付け、表5に示す組合せで、作製したインクカートリッジ1−1〜1−6のインク導出部への挿入・抜き取りの繰り返し試験行いNo.101〜130とし、インク導出部からのインク漏れの有無を目視で確認し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
インク導出部の耐久性能試験評価ランク
○:挿入部材の挿入・抜き取り20回以上でインク漏れの発生無し、
△:挿入部材の挿入・抜き取り10回以上、20回未満でインク漏れが発生
×:挿入部材の挿入・抜き取り10回未満でインク漏れが発生
××:挿入部材の挿入時インク漏れが発生
Figure 2006312276
試験No.101、107、113、119、125、131は、何れもインク導出部へ挿入部材を挿入する時、インク導出部の変形に伴いインク漏れが発生した。試験No.101〜106に使用した挿入部材No.1−イは引っ張り強度が40で本発明の範囲外であるがインクカートリッジのインク導出部のインク漏れ試験には耐えられる耐久性は有している。挿入部材No.1−イの耐久性試験は実施例2で示す。試験No.106、112、118、124、130、136は、何れもインク導出部への挿入部材の挿入が出来なかった。引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料で作られたインク導出部を有するインクパックを収納したカートリッジと、引っ張り強度50〜1000MPaの材料で作られたインクジェット記録装置のインク供給手段の挿入部材との組合せの使用により、インク漏れを防止し、挿入部材の繰り返し使用が可能となり本発明の有効性が確認された。
実施例2
実施例1で作製した挿入部材No.1−イ〜1−ニの耐久性能試験を以下に示す方法で行い、耐久性能試験No.201〜220とし、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
挿入部材の耐久性能試験方法
コニカミノルタ(株)製インクジェット記録装置LF−900のインク供給部を改造し、作製した挿入部材1−イ〜l−ホを取り付け、表6に示す組合せで、作製したインクカートリッジ1−1〜1−6のインク導出部への挿入・抜き取りを繰り返し、インク導出部からインク漏れが発生した時点で、新しいインクカートリッジに変え、以後同様の操作を繰り返し、挿入部材を新しいインクカートリッジのインク導出部に始めに挿入した時、インク漏れが発生するまでのインク導出部への挿入・抜き取りの回数を確認した。
挿入部材の耐久性能評価ランク
○:挿入・抜き取りの回数1500回以上
△:挿入・抜き取りの回数1000〜1500回
×:挿入・抜き取りの回数1000回未満
Figure 2006312276
試験No.201〜204に使用した挿入部材No.1−イは、使用した材料の引っ張り強度が40と本発明の範囲外であるため、図9に示す挿入部材に設けられたインク漏れ防止部材の摩耗が早く耐久性が悪い結果となった。本発明の有効性が確認された。
実施例3
実施例1で作製したインクカートリッジNo.1−3を作製する際、表7に示す様に粘度を変えた紫外線硬化型インクをインクパックに充填しインクカートリッジを作製しNo.3−1〜3−5とした。粘度を変えた紫外線硬化型インクを使用した他は全て同じ条件でインクカートリッジを作製した。尚、粘度は溶剤の添加により調整した。粘度測定は、Pyhsica社製レオメーターMCR300により行った値を示す。
Figure 2006312276
(試料の作製)
コニカ(株)製インクジェット記録装置LF−900のインク供給部を改造し実施例1で作製した挿入部材No.1−ハと同じ挿入部材を作製し取り付け、作製したインクカートリッジNo.3−1〜3−5を装着し、記録媒体としてA2サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム20枚に印刷記録を行い、印刷物を作製し、試料No.301〜305とした。尚、印刷速度は20分/枚で行った。
(評価)
作製した各試料No.301〜305に付き、印刷品質を目視で検査し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
評価ランク
○:欠陥がない画像が作成される
△:製品として問題とならない僅かな欠陥
×:印刷速度を下げないと適性な画像が作成されない
Figure 2006312276
本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例1で作製した挿入部材1−ニを作製する時、インク供給口の面積、インク供給管の内径を表9に示す様に変えた他は全て同じ条件で挿入部材を作製しNo.4−1〜4−11とした。
Figure 2006312276
(試料の作製)
コニカ(株)製インクジェット記録装置LF−900のインク供給部を改造し作製した挿入部材No.4−1〜4−11を取り付け、実施例1で作製したインクカートリッジ1−3と同じインクカートリッジを作製し装着し、記録媒体としてA2サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム20枚に印刷記録を行い、印刷物を作製し、試料401〜411とした。尚、印刷速度は20分/枚で行った。
(評価)
作製した各試料No.401〜411に付き、印刷品質を目視で検査し、実施例2と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
Figure 2006312276
本発明の有効性が確認された。
インクカートリッジの概略分解斜視図である。 図1に示される外箱の概略図である。 図1に示すインクパックの拡大概略図である。 図3のWで示される部分の拡大概略図である。 図4に示すインク導出部の蓋が開いた状態を示す概略斜視図である。 図3のB−B′に沿った概略断面図である。 図1に示す位置決め規制部材の拡大概略図である。 図1に示すインクカートリッジのA−A′に沿った拡大概略断面図である。 インクジェット記録装置側のインク供給手段であるインク供給管の概略図である。 インクジェット記録装置側のインク供給手段であるインク供給管により、インクパックからインクをインクジェットへ供給するまでの概略フロー図である。
符号の説明
1 インクカートリッジ
101 外箱
101d 開放口
102a 第1保護部材
102b 第2保護部材
103 インクパック
103a インク導出部
103a1 インク導入管
103a2、103a3 フランジ部材
103a4 接合部材
103a5 蓋
103a6 第1開口部
103b インク収納部
103a8 第1係止リブ
103a9 第2係止リブ
103a10 第2開口部
103a13 第3係止リブ
103a11 第4係止リブ
104 位置決め規制部材
104a 収納部
104c 挿入口

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジにおいて、
    前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有する中空円筒状のインク導入管を有し、
    前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
    前記インク導入管は、インクジェット記録装置の挿入側に前記インクジェット記録装置のインク供給手段の挿入・引き抜きが可能な第1開口部と、
    前記インク収納部の内側に、前記インクを前記インクジェット記録装置へ供給する第2開口部と、
    前記インク供給手段の挿入により、前記第2開口部を開き、前記インク供給手段の引き抜きにより、前記第2開口部を閉じる蓋とを有し、
    前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの材料で作られ、
    前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
  2. 前記蓋の内側にインクジェット記録装置のインク供給手段と着脱可能な係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
  3. 前記インクパックが保護部材により保護されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
  4. 前記インクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置用インクカートリッジ。
  5. 熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジを用い、前記インク導出部に挿入しインク供給を受けるインク供給手段を有するインクジェット記録装置において、
    前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有する中空円筒状のインク導入管を有し、
    前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
    前記インク導入管は、インクジェット記録装置の装着部側に第1開口部と、インク収納部側に第2開口部とを有し、
    前記第2開口部は、前記インク導入管と係合する係合部を有する開閉可能な蓋を有し、
    前記インク供給手段は、前記第1開口部より挿入・引き抜きが可能な挿入部材を有し、
    前記挿入部材は、先端部に前記蓋の開閉を行う係合部と、少なくとも一つのインク供給口と、インク漏れ防止部材とを有する中空円筒状のインク供給管を有し、
    前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの樹脂材料で作られ、
    前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記インク漏れ防止部材がインク供給管と一体で設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク供給口の面積が1〜20mm2であり、インク供給管の内径が4〜8mmであることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記挿入部材は、清掃手段を介して第1開口部より挿入・引き抜きを可能としていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 熱可塑性樹脂製のインク導出部と、多層熱可塑性フィルム材料から作られた袋状のインク収納部とを有するインクパックにインクを充填し、前記インク導出部の位置が位置決め規制部材により規制された状態で、前記インクパックを外箱に収納したインクジェット記録装置用インクカートリッジを用い、前記インク導出部に挿入しインクジェットヘッドにインク供給を受けるインク供給手段を有するインクジェット記録装置へのインク供給方法において、
    前記インク導出部が、前記インク収納部を接合する接合部と、位置規制手段とを有するインク導入管を有し、
    前記位置規制手段は前記位置決め規制部材に収納され、
    前記インク導入管は、前記インクジェット記録装置の装着部側に第1開口部と、インク収納部側に第2開口部とを有し、
    前記第2開口部は、前記インク導入管と係合する係合部を有する開閉可能な蓋を有し、
    前記インク供給手段は、前記第1開口部より挿入・引き抜きが可能な挿入部材を有し、
    前記挿入部材は、先端部に前記蓋の開閉を行う係合部と、少なくとも一つのインク供給孔と、インク漏れ防止部材とを有する中空円筒状のインク供給管を有し、
    前記インク導出部は引っ張り弾性率が100〜1500MPaの樹脂材料で作られ、
    前記インク供給手段は引っ張り強度が50〜1000MPaの材料で作られていることを特徴とするインク供給方法。
  11. 前記インク漏れ防止部材がインク供給管と一体で設けられていることを特徴とする請求項10に記載のインク供給方法。
  12. 前記インク供給管はインク供給口を有し、該インク供給口の面積が1〜20mm2であり、該インク供給管の内径が4〜8mmであることを特徴とする請求項10又は11に記載のインク供給方法。
  13. 前記挿入部材は、清掃手段を介して第1開口部より挿入・引き抜きを可能としていることを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載のインク供給方法。
  14. 前記インクが紫外線硬化型であり、粘度が0.05〜0.1Pa・sを有することを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載のインク供給方法。
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