JP2013134950A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電特性がさらに向上した表示装置を提供する。
【解決手段】複数の発光管が並列に配置されてなる発光管アレイと、前記発光管アレイの前面側に前記発光管と交差する方向に設けられた表示電極と、前記発光管アレイの背面側に各発光管の長手方向に沿って設けられたアドレス電極とを備え、前記発光管は、管と、該管の内面に設けられた放電補助膜と、該管の背面側の内面に設けられた蛍光体膜とを有し、前記放電補助膜は、前記管の前面側の内面においては、MgO、CaO、BaOおよびSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群とを含んで構成され、前記管の背面側の内面には、酸化マグネシウム結晶微粒子を含まない前記表面層のみの放電補助膜を有し、該背面側の放電補助膜の上に前記蛍光体膜を設けてなることを特徴とする表示装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置に関し、さらに詳しくは、細管内面に放電補助膜および蛍光体膜が形成され、かつ内部に放電ガスが封入された発光管を複数並置したプラズマチューブアレイ型の表示装置とその製造方法に関する。
「プラズマチューブアレイ(PTA)」と呼ばれる大画面化が容易な表示装置として、特許文献1に記載の表示装置が知られている。
この従来の表示装置は、直径0.5〜5mm程度のガラスの細管を用い、細管内面に放電補助膜および蛍光体膜を形成し、細管内部に放電ガスを封入して発光管を作製し、この発光管を画面の行方向(または列方向)に複数本並列に配置して発光管アレイを形成し、発光管アレイの前面側とその反対の背面側に表示電極シートおよびアドレス電極シートを形成することにより構成されている。なお、特許文献1において、前記発光管は「ガス放電管」(プラズマチューブ)と呼ばれ、前記放電補助膜は「電子放出膜」と呼ばれている。
さらに詳しく説明すると、前記発光管アレイにおいて、各発光管の内面に酸化マグネシウム(MgO)の放電補助膜が均一な膜厚で形成されると共に、各発光管の非表示面側の放電補助膜上に蛍光体膜が形成されている。発光管の内面に放電補助膜を設けることにより、放電開始電圧の低減を図ることができる。酸化マグネシウムの放電補助膜を形成する従来の製法の一つが特許文献2に開示されている。
また、前記表示電極シートは、第1支持体と、前記細管と交差する方向に延びかつ前記細管の長手方向に並列に第1支持体上に複数形成された表示電極対とを有してなる。また、前記アドレス電極シートは、第2支持体と、前記複数の細管にそれぞれ沿うように第2支持体上に複数形成されたアドレス電極とを有してなる。
この従来の表示装置において、発光管の放電補助膜の形成方法は、まず、垂直状に立てた細管内に下端開口部から放電補助膜を形成する材料液を注入した後、下端開口部側を負圧にして細管内の余分な材料液を下端開口部から吸引して排出する。これにより、細管内面に材料液の膜が形成される。この際、材料液としては、カプロン酸マグネシウム溶液や、脂肪酸マグネシウム溶液を用いることができる。また、これらの溶液に含まれる溶媒としては、エタノールやエチレングリコールなどを用いることができる。
次いで、細管の下端開口部側を負圧にした状態を維持しながら、細管の上端外周部に配置した第1ヒータと第2ヒータを下端外周部へ向けてゆっくり下降させていく。この際、第1および第2ヒータによって未乾燥の材料液の膜の粘度が低下し、その部分の材料液が下方に垂れて液溜まりが発生し、それによって細管内の孔が材料液によって塞がれる。細管の下端開口部側は常に負圧となっているため、液溜まり(孔を塞いだ部分)は下方に移動し、液溜まりより上方の材料液の膜は乾燥して放電補助膜(MgO膜)となる。この際、液溜まりによって材料液の表面張力が細管の円周方向に均等に作用するため、液溜まりが通過して乾燥した部分の膜(放電補助膜)の膜厚は均一になる。
前記従来の表示装置は、表示電極対とアドレス電極との交差部が単位発光領域となる。表示は、表示電極対のいずれか1本を走査電極として用い、その走査電極とアドレス電極との交差部で選択放電を発生させて発光領域を選択し、その発光に伴って当該領域の管内面に形成された壁電荷を利用して、表示電極対で表示放電を発生させることで行う。この表示放電により、発光管内で紫外線が発生し、紫外線によって蛍光体膜から励起光が発生することにより、単位発光領域が発光する。
前記選択放電は、表示電極とアドレス電極との間の発光管内で発生する対向放電であり、前記表示放電は、平面上に平行に配置される2本の表示電極間の発光管内で発生する面放電である。なお、表示電極を1本とし、この表示電極とアドレス電極との間で選択放電と表示放電の両方を行うことも可能である。
特許第3895202号公報 特許第4303925号公報
前記形式の表示装置は、細長いガラス管を製造単位としているので、PDPやLCDのような大型のガラス基板を使用するパネル形式の表示装置に比べて製造設備などが小規模ですむメリットがある。しかしながら表示画面の大型化に伴い、1m以上の長い発光管の全長に亘って均一な放電特性を得ることが難しく、特に長手方向の放電点の間で放電遅れ時間に差が生じる問題があった。従って本発明は、発光管全長に亘っての放電特性の均一化を図ろうとするものであり、更には発光管の長手方向における放電点の間の統計的放電遅れ時間を短縮して高速で確実なアドレス動作のできるプラズマチューブアレイ型表示装置の提供を目的とするものである。
かくして、本発明によれば、複数の発光管が並列に配置されてなる発光管アレイと、前記発光管アレイの前面側に前記発光管と交差する方向に設けられた表示電極と、前記発光管アレイの背面側に各発光管の長手方向に沿って設けられたアドレス電極とを備え、
前記発光管は、管と、該管の内面に設けられた放電補助膜と、該管の背面側の内面に設けられた蛍光体膜とを有し、
前記放電補助膜は、前記管の前面側の内面においては、MgO、CaO、BaOおよびSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群とを含んで構成され、
前記管の背面側の内面には、酸化マグネシウム結晶微粒子を含まない前記表面層のみの放電補助膜を有し、該背面側の放電補助膜の上に前記蛍光体膜を設けてなる表示装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記表示装置に用いられる発光管であって、断面が扁平な管と、該管の内面に設けられた放電補助膜と、該管内に設けられた蛍光体膜と、前記管内に封入された放電ガスとを有し、
前記放電補助膜は、前記管の前面側となる内面においては、酸化マグネシウムからなる表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群とを含んで構成され、背面側となる内面においては、酸化マグネシウムの表面層のみからなり、前記背面側の酸化マグネシウムの表面層上に蛍光体膜を有する発光管が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、複数の発光管を平行に配列した発光管アレイ型の表示装置を製造する方法であって、
前記製造方法は、前記発光管となる管の内周面に部分的に膜厚の異なる放電補助膜を形成する工程を含み、
前記放電補助膜形成工程は、前記管内にIIa族元素の有機金属化合物を含んだ放電補助膜形成用の材料液と酸化マグネシウム結晶微粒子とを混合した溶液を注入する液注工程と、
前記溶液を注入したガラス管を表示面となる側を下にして所定時間水平に静置する静置工程と、
その後前記溶液の溶媒成分を遠心力を利用して排出する排出工程と、
前記表示面側に沈着した成分を焼成してIIa族元素の酸化物の表面層から前記酸化マグネシウム結晶微粒子の一部が露出した構成の放電補助膜を形成する焼成工程を含む表示装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、表示電極に対面して放電面となる発光管の前面側内面に酸化マグネシウム結晶微粒子を含む放電補助膜を設けたことにより、放電空間に露出した酸化マグネシウム結晶微粒子の結晶面が放電補助膜からの二次電子放出の増大に寄与し、放電遅れ時間の短縮した均一な放電特性の発光管および表示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、酸化マグネシウム結晶微粒子群を含んだ放電補助膜は発光管の前面側内面にのみ選択的に設けているので、材料コストを低減できる。更に背面側には結晶微粒子が無いことにより、放電補助膜形成後に、蛍光体膜を、蛍光体支持部材に載せて発光管内に挿入する場合に支持部材を安定して固定することができるほか、結晶微粒子が蛍光体支持部材と底面に部分的に介在して隙間の静電容量が不均一になり、それが原因で長手方向の放電点間での放電特性に差が生じる心配もない。
本発明の表示装置の実施形態1を示す構成説明図である。 図1のA−A線断面図である。 実施形態1の表示装置の製造工程においてガラス管内へ放電補助膜形成用の材料液を注入する状態を示す側断面図である。 実施形態1の表示装置の製造工程においてガラス管を静置した状態を示す側断面図である。 実施形態1の表示装置の製造工程においてガラス管から溶媒成分を排出する状態を示す側断面図である。 実施形態1の表示装置の製造工程において焼成工程によりガラス管の下側の平坦面に酸化マグネシウムの結晶微粒子群を含んだ放電補助膜を選択的に形成した状態を示す側断面図である。 図3(B)と図3(C)の製造工程で用いられるスピナの回転テーブルを示す概略断面構成図である。 図3(D)の工程後の表示管内面における酸化マグネシウム結晶微粒子群を含んだ放電補助膜の反対側に蛍光体膜を形成した状態を示す断面図である。 図3(D)の工程後の表示管内面における酸化マグネシウム結晶微粒子群を含んだ放電補助膜の反対側に支持体を介して蛍光体膜を形成した状態を示す断面図である。 本発明の表示装置の実施形態2を示す断面図である。 実施形態2の表示装置の発光管の変形例を示す断面図である。 本発明の発光管の放電特性を示すグラフである。 従来の発光管の放電と特性を示すグラフである。
本発明の表示装置は、複数の発光管が並列に配置されてなる発光管アレイと、前記発光管アレイの前面側に設けられた表示電極シートと、前記発光管アレイの背面側に設けられたアドレス電極シートとを備える。
前記発光管は、ガラス管と、該ガラス管の内面に設けられた放電補助膜と、該ガラス管の内面における前記背面側に設けられた蛍光体膜と、前記ガラス管内に封入された放電ガスとを有する。
前記表示電極シートは、第1支持体と、前記ガラス管と交差する方向に延びかつ前記ガラス管の長手方向に並列に第1支持体上に複数形成された表示電極とを有する。
前記アドレス電極シートは、第2支持体と、前記複数のガラス管にそれぞれ沿うように第2支持体上に複数形成されたアドレス電極とを有する。
さらに、本発明の表示装置において、ガラス管の前面側の内面に形成される前記放電補助膜は、MgO、CaO、BaOおよびSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム微粒子群とを含んで構成されている。なお、前記酸化マグネシウム微粒子群は、(100)面、(110)面および(111)面のうち2つ以上の面で囲まれた結晶構造を有する酸化マグネシウム微粒子を含んでいてもよい。
本発明の表示装置は、次のように構成されてもよい。
(1)前記放電補助膜を構成する表面層の前記背面側の膜厚が前記前面側の膜厚よりも薄くなっていてもよい。換言すれば、背面側の蛍光体膜の下に延在する放電補助膜の厚みよりも放電面となる前面側の放電補助膜の厚みが厚く形成されていてもよい。
(2)前記放電補助膜を構成する表面層の前記背面側の膜厚が前記前面側の膜厚よりも薄くてもよい。このようにすれば、本発明における放電補助膜の形成面積が、従来の内周全面に放電補助膜を均一な膜厚で形成する場合に比べて実質的に半分になるため、高価な放電補助膜材料のコストを低減することができる。
(3)前記管の前面側内面において前記放電補助膜に含まれる酸化マグネシウムの粒径が、前記放電補助膜を構成する表面層の膜厚よりも大きくてもよい。このようにすれば、放電補助膜において、表面層から酸化マグネシウム結晶微粒子の一部路露出させやすくすることができる。
(4)前記発光管となるガラス管が、長径と短径を有し、長径側または短径側の一方または両方において対向する一対または二対の平坦面を有する扁平管からなってもよい。つまり、表示管の横断面形状は、扁平楕円形(長円形)や角部の湾曲した扁平四辺形(長方形)でもよい。
さらにこの場合、前記発光管アレイにおいて、前記扁平管の前記一対の平坦面が、前記表示面側となる前面側および前記非表示面側となる背面側に配置されるのが好ましい。このようにすれば、各発光管の一対の平坦面に対する表示電極およびアドレス電極の接触面積を増加させることができるため、発光管アレイの組み立て工程が容易になると共に、発光管の長手方向の複数の放電点において安定した均一な放電特性を得ることができる。
あるいはこの場合、前記発光管アレイにおいて、前記扁平管の前記一対の平坦面が、隣接する他の扁平管の平坦面と対面するように、すなわち発光管の横断面が表示面に対して縦長となるように配置されていてもよい。このようにすれば、蛍光体膜の表面積の減少に伴う輝度の低下を招くことなく複数の発光管の並列方向における単位発光領域の幅が狭くなるため、表示装置の解像度を高めることができる。
なお、発光管の横断面形状については特に限定されず、前記扁平楕円形の他に、円形、角部が丸い正方形および長方形等が挙げられる。表示管の直径および材質等についても特に限定されず、例えば、直径0.5〜5mm程度のガラス管(例えば、ホウケイ酸ガラス)を用いることができる。
(5)前記発光管となるガラス管の背面側内面に設けられる蛍光体膜は、当該背面側内面の薄い放電補助膜上に直接形成されても良いが、別の構成として、蛍光体膜を載せた樋状の支持体(蛍光体支持ボート)の形でガラス管内に挿入して設けてもよい。
このようにすれば、ガラス管内に蛍光体膜を容易に形成することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の表示装置およびその製造方法の実施形態について詳説する。
(実施形態1)
<PTAの構成>
実施形態1の表示装置1は、図1と図2に示すように、発光管アレイ10と、表示電極シート20と、アドレス電極シート30とを備える。この表示装置1において、表示電極シート20側が表示面側Pdとなる前面であり、アドレス電極シート30側が非表示面側Pnとなる背面である。なお、この表示装置1は、プラズマチューブアレイ(PTA)型の表示装置と呼ばれている。
発光管アレイ10は、複数の発光管11が並列に配置されてなる。
発光管11は、両端が封止された扁平形のガラス管11aと、ガラス管11aの内面に設けられた放電補助膜11bと、ガラス管11aの内面における非表示面側に設けられた蛍光体膜11cと、ガラス管11a内に封入された放電ガス11dとを有する。放電ガス11dとしては、例えば、ネオン、キセノン、またはこれらの混合ガスを用いることができる。
発光管アレイ10において、各発光管11はその対向する一対の平坦面を表示面側Pd(前面側)と非表示面側Pn(背面側)に向けて並列している。
ガラス管11aの内面に形成されたIIa族の酸化物からなる放電補助膜11bは、表示面側Pdの膜厚が非表示面側Pnの膜厚よりも厚く形成されている。放電補助膜11bの表示面側Pdの膜厚としては、例えば、50〜800nm程度であり、好ましくは100〜500nm、特に好ましくは150〜300nmである。また、放電補助膜11bの非表示面側Pnの膜厚としては、例えば、0〜300nm程度であり、好ましくは0〜150nm、特に好ましくは0〜50nmである。また、放電補助膜11bの表示面側Pdと非表示面側Pnの膜厚差としては50〜500nm程度であり、好ましくは100〜400nm、特に好ましくは150〜250nmである。このように、放電補助膜11bの非表示面側Pnの膜厚は非表示面側Pnの膜厚に比べて非常に薄いか、或いは無いに等しいため、図2では非表示面側Pnの放電補助膜11bは図示されていない。
また、放電補助膜11bは、特に放電面となるガラス管の前面側内面において、MgO、CaO、BaOおよびSrOのIIa族酸化物より選ばれた少なくとも一つの金属酸化を含む表面層11b1と、表面層11b1から一部が露出した酸化マグネシウム微粒子群とを含んで構成されている。ここで用いられる酸化マグネシウム微粒子群は、(100)面、(110)面および(111)面のうち2つ以上の面で囲まれた結晶構造を有する酸化マグネシウム微粒子11b2が好ましい。また、酸化マグネシウム微粒子11b2の平均粒子径としては、例えば、20〜20000nmの範囲の中で形成すべき放電補助膜の厚みに応じて分級選定される。この粒径選定の目安は酸化マグネシウム結晶微粒子の一部が前記表面層から露出するよう表面層の厚さより大きいものとなる。
図2に示すように、この表示装置1では、前述したようにガラス管11a内面の表示面側Pdに膜厚50〜800nm程度の厚い放電補助膜11bが形成されている。そして、この厚い放電補助膜11bは、表面層11b1と、表面層11b1から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子11b2含む粒子群とを有している。一方、ガラス管11a内面の非表示面側Pnには膜厚0〜50nm程度の薄い放電補助膜11b1が形成されているが、薄い放電補助膜11bは表面層のみから構成され、酸化マグネシウム結晶微粒子11b2を含んでいない。
図1と図2に示すように、発光管アレイ10において、隣接する3本の発光管11内には赤色、緑色、青色の蛍光体膜11Rc、11Gc、11Bcが配置されており、この3色の蛍光体膜11Rc、11Gc、11Bcが繰り返し配置されている。各蛍光体膜11cの膜厚としては、例えば、10〜50μmである。
表示電極シート20は、第1支持体21と、発光管11と交差する方向に延びかつ発光管11の長手方向に並列に第1支持体21上に複数形成された表示電極22と、第1支持体21の表示電極22側の内面に積層された接着層23とを有する。
第1支持体21は、透明な可撓性フィルムからなり、例えば、厚さ0.5mm程度のPETフィルムまたはポリカーボネートフィルムからなる。
表示電極22は、第1支持体21の発光管アレイ10側の内面に形成されており、走査電極22aと維持電極22bとからなる表示電極対であり、発光管11の長手方向と直角に交差する方向に延びている。
走査電極22aは、例えば、第1支持体21上に形成したITOといった透明電極と、透明電極上に形成したCu、Crなどの金属膜からなるバス電極とで構成される。これらの電極は、当該分野で公知の印刷法や低温スパッタ法などで形成することができる。維持電極22bも走査電極22aと同様に形成することができる。
走査電極22aおよび維持電極22bの幅は例えば0.75mmであり、各表示電極22における走査電極22aと維持電極22bの間隔は例えば0.4mmである。また、隣接する表示電極22同士の間には、帯状の非表示領域である非放電ギャップが設けられており、その幅は例えば1.1mmである。
アドレス電極シート30は、第2支持体31と、複数の発光管11にそれぞれ沿うように第2支持体31上に複数形成されたアドレス電極32と、第2支持体31のアドレス電極32側の内面に積層された接着層(図示省略)とを有する。
第2支持体31は、第1支持体21と同様の可撓性フィルムにて構成することができるが、透光性を有する必要はなく、むしろ暗色である方が背景コントラストを高める上で好ましい。また、ソーダライムガラスにて第2支持体31を形成してもよい。
アドレス電極32は、表示電極22の走査電極22aとの間で選択用の放電を発生させる。アドレス電極32は、光を透過する必要のない非表示面側Pnの第2支持体31上に、当該分野で公知の印刷法や低温スパッタ方などにより金属のみで形成されている。
このように構成された表示装置1によれば、表示電極22の走査電極22aとアドレス電極32との交差部で選択放電を発生させて発光領域を選択し、その発光に伴って当該領域の表示管11a内面の放電補助膜11bの表面層11b1に形成された壁電荷を利用して、走査電極22aと維持電極22b(表示電極対)で表示放電を発生させることができる。この表示放電により、発光管11内で紫外線が発生し、紫外線によって蛍光体膜11cから励起光が発生することにより、単位発光領域が図2の点線矢印に示す如く発光する。なお、表示電極対を1本とし、この表示電極を走査電極として用いてアドレス電極との間に選択放電と表示放電を発生させる形式の電極構造を採用することも可能である。
<発光管の製造方法>このようなPTA型表示装置において、本発明の特徴構成を有する発光管は、液注工程(図3(A))、静置工程(図3(B))溶媒排出工程(図3(C)および焼成工程(図3(D))を含んで製造される。以下、本発明の特徴とする発光管の製造方法について説明する。
[液注工程]
図3(A)に示すように、液注工程は、両端開口部を封止する前のガラス管11ax内に放電補助膜形成用の材料液11Lbを注入する工程である。このガラス管11axは、例えば、横断面が扁平楕円形のホウケイ酸ガラスからなり、長さとしては10〜200cm程度である。
ガラス管11ax内に材料液11Lbを注入する方法は、特に限定されず、どのような方法を用いてもよい。例えば、図3(A)においてはガラス管11axの一端開口部に送液パイプPを接続し、材料液タンクF内の材料液11Lbを注入機Gを用いて送液パイプPに供給し、送液パイプPから材料液11Lbをガラス管11ax内に他端開口部から溢れるまで注入する。注入された材料液11Lbはガラス管11axが細いためそのままでは排出されることはない。
材料液11Lbは、放電補助膜11bの表面層11b1の形成材料液中に酸化マグネシウム結晶微粒子11b2を分散混合することにより得ることができる。
表面層11b1の形成材料液は、表面層としてMgO膜を形成する場合、カルボン酸マグネシウム塩、界面活性剤、アルコール混合液および水を所定の割合で混合した混合液を調製することにより得ることができる。
カルボン酸マグネシウム塩としては、例えば、二酢酸マグネシウム4水和物、クエン酸マグネシウム、DL−アスパラギン酸マグネシウム4水和物、カプリル酸マグネシウム等を用いることができるが、これらに限定されない。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を用いることができるが、これらに限定されない。
アルコール混合液としては、エタノール、エチレングリコール、グリセロール等を用いることができるが、これらに限定されない。
表面層11b1の形成材料液中のカルボン酸マグネシウム塩は5〜15重量%程度、界面活性剤は10〜20重量%程度、アルコール混合液は55〜70重量%程度、水は5〜15重量%程度である。
酸化マグネシウム結晶微粒子11b2は、高純度のマグネシウム化合物(MgO前駆体)を700℃以上の酸素含有雰囲気で均一に熱処理することにより得ることができる
MgO前駆体として利用できるマグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、マグネシウムアセチルアセトン、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられ、これらを単体または2種以上を混合して用いることができる。また、これらのマグネシウム化合物の水和物も用いることができる。
また、酸化マグネシウム結晶微粒子11b2は、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、宇部マテリアル株式会社製の「高純度超微粉マグネシア」(商品名)が挙げられる。
[静置工程]
この工程では、図3(B)に示すように液注工程後の送液パイプを取り外したガラス管11axをスピナの回転テーブル上に水平にセットして所定時間そのまま静置する。
さらに具体的には、例えば、図4に示すように、材料液11Lbが注入された複数のガラス管11axをホルダH内にがたつかないようにセットする。この際、複数のガラス管11axをホルダH内で一つの扁平面を下に揃えて寝かせた状態にセットする。なお、ホルダHは、ガラス管11axの両端側に開口を有するケース状のものである。そして、各ガラス管の扁平面が水平となるよう、セット済みの複数個(例えば、4個)のホルダHをスピナの回転テーブルT上に回転中心から見て放射状に固定して静置工程に入る。すなわちこの状態を所定時間維持することにより材料液中の有機マグネシウム成分と酸化マグネシウム結晶微粒子群とが各ガラス管の下側の扁平面内に沈降することになる。静置時間としては材料液の粘度にもよるが、1分〜1時間の間が適当である。
[溶媒排出工程]
所定時間静置した後、図3(C)に示すように、スピナの回転テーブルTの回転を実行してガラス管11ax内の材料液の溶媒成分を遠心力により排出する。この排出工程は、回転テーブルTを所定の回転数および回転時間で回転させるものである。回転テーブルTの回転数としては、例えば、20〜3000rpm程度であり、回転時間としては100〜1000秒間である。
この溶媒排出(スピン)工程により、各ガラス管11ax内の溶媒成分が回転テーブルT外周側の開口部から外部へ排出される。そして、回転テーブルTの回転を停止することにより、図3(C)に示すように、ガラス管11axの下方の平坦内面11ax2にマグネシウム塩成分と酸化マグネシウム結晶微粒子群とからなる厚い塗布膜11Sbが形成され、上方の平坦内面11ax1にはマグネシウム塩成分のみの薄い塗布膜が形成される。また、この間のスピン回転により、ガラス管の下側の面に沈降した前記塗布膜のガラス管の長手方向における膜厚が均等化されることになる。
ここで、図4を参照してスピナの回転テーブルTについて簡単に説明する。この回転テーブルTは、基台部t1と、基台部t1上に回転可能に設置された円板t2と、基台部t1内に設けられたモータt3と、モータt3と円板t2とを連結するシャフトt4と、材料液回収部t5とを備える。材料液回収部t5は、基台部t1の上部外周面に沿って設けられて溝t5a1を形成するカバー壁部t5aと、材料液回収ボックスt5bと、カバー壁部t5aの底壁に形成された貫通孔と材料液回収ボックスt5bの上方開口部とを接続する接続パイプt5cとを具備する。このように構成された回転テーブルTによれば、遠心力によって各表示管11axから排出された材料液11Lbがカバー壁部t5aの周壁内面に当たって溝t5a1に集まり、溝t5a1内の材料液11Lbは接続パイプt5cを通って材料液回収ボックスt5b内に回収される。なお、材料液回収ボックスt5b内に回収された材料液11Lbは再利用することができる。
[焼成工程]
焼成工程では、塗布膜を加熱することにより前記放電補助膜を焼成する。図3(D)はガラス管11axの内面に焼成して固着した放電補助膜11bを示している。なお、塗布膜形成工程と焼成工程との間に、塗布膜を乾燥させる乾燥工程が含まれていてもよい。乾燥および焼成工程は、表示管内にエアーを流しながら加熱して行われる。乾燥温度および時間としては、例えば、80〜200℃、1〜20時間である。焼成温度および時間としては、例えば、450〜650℃、1〜50時間である。エアー流量としては2〜200cc/mである。
焼成工程により、図3(D)に示すように、表示管11axの下方の平坦内面11ax2に厚い酸化マグネシウムからなる放電補助膜11bが形成され、上方の平坦内面11ax1に薄い放電補助膜が形成される。厚い放電補助膜11bは、前記のように、MgOの表面層11b1と、該表面層11b1から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子11b2群とを有している。一方、薄い放電補助膜11bは表面層のみから構成され、酸化マグネシウム結晶微粒子を実質的に含んでいない。なお、上方の平坦内面11ax1には放電補助膜が形成されなくてもよい。
[その他の工程]
次いで、ガラス管11axの一端開口部を封止した後、図5(A)に示すように、厚い放電補助膜11d1が上になるようにガラス管11axを上下反転させ、薄い放電補助膜上に蛍光体膜11cを形成する。この際、当該分野で公知の各種蛍光体ペーストを薄い放電補助膜上に塗布し焼成することにより蛍光体膜11cを形成する。あるいは、図5(B)に示すように、ガラス管11axの内面形状に沿った樋状の支持体11e上に蛍光体ペーストを塗布し焼成することにより蛍光体膜11cを形成した蛍光体支持ボートを作成し、この蛍光体支持ボート11eをガラス管11ax内に挿入して、蛍光体膜11cを厚い放電補助膜11bと対面させるようにガラス管の背面側に配置する。支持体11eとしては、ガラス管11axと同じホウケイ酸ガラスにて作製したものを用いることができる。
その後、ガラス管11ax内に放電ガス11dを導入し、ガラス管11axの他端開口部を封止することにより、発光管11を得ることができる。
(実施形態2)
図6は本発明の表示装置の実施形態2を示す断面図であり、図7は実施形態2の表示装置の発光管の変形例を示す断面図である。なお、図6および図7において、図1〜図5中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2の表示装置101の発光管アレイ110において、ガラス管11a(扁平管)の長径側の一対の平坦面が、隣接する他のガラス管11a(扁平管)の平坦面と対面するよう断面が縦長に配置されている。この場合、発光管アレイ110の表示面側Pdと非表示面側Pnに各ガラス管11aの対向する湾曲外面が配置されており、各ガラス管11aの表示面側Pdの湾曲内面に酸化マグネシウム結晶微粒子群を含んだ厚い放電補助膜11bが形成され、各ガラス管11aの非表示面側Pnの湾曲内面に薄い放電補助膜が形成され、薄い放電補助膜上に蛍光体膜11cが形成されている。図6および7において、表示面側と非表示面側の対向する外表面は湾曲面として示されているが、長径軸の中心線上で対向する部分に少しの平坦面部を有する方が電極面との接触を確実にするのに好都合である。この場合、扁平管の横断面形状は角部の湾曲した縦長の四辺形となる。
この表示装置101は、図7に示す発光管211を用いてもよい。すなわち、蛍光体膜11cを支持する支持体11e(蛍光体支持ボート)をガラス管に挿入した構成を有する発光管211を図6の発光管111の代わりに用いてもよい。
実施形態2における発光管111、211は、実施形態1における発光管11の製造方法に準じて製造することができる。
実施形態2の表示装置101によれば、複数の発光管111が縦長扁平断面を有するので配列方向における単位発光領域の幅が狭くなるため、表示装置101の解像度を高めることができる。因みに図2に示した横長断面の扁平管で長径側の幅寸法を狭めて解像度を上げようとすると、ガラス管の内容積に併せて蛍光体膜の塗布面積が減少し十分な輝度が得難くなる。この点、縦長扁平断面の発光管を配列した実施形態2の構成によれば十分な輝度を持った高精細の表示装置を得ることができる。
(実施例1)
放電補助膜および支持体にて支持された蛍光体膜を内部に有し、かつ放電ガスが封入された発光管を次のように作製した。
まず、エタノール25重量%、エチレングリコール10重量%およびグリセロール20重量%のアルコール混合液と、二酢酸マグネシウム4水和物15重量%と、純水10重量%と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル20重量%とを混合して、酸化マグネシウムからなる放電補助膜を形成するための表面層形成用の材料液を調製した。そして、この表面層形成用の材料液100重量部に対して、平均粒子径1000nmの酸化マグネシウム結晶微粒子を5重量部混合分散して放電補助膜形成用の材料液を調製した。
次に、長径1mm、短径0.5mmの扁平楕円形断面を有する長さ1mの表示管(ガラスチューブ)の孔内に放電補助膜形成用の材料液を充填し、材料液が充填された各表示管200本を1セットとしてホルダ内に寝かせた状態で並べ、4個のホルダをスピナの回転テーブル上に放射状にセットした。セット後、各ガラス管を20分間静置し、次いで260秒間回転テーブルを回転し、各ガラス管内の溶媒成分を排出した。回転テーブルは回転数0〜500rpmの範囲で回転と停止を調整した。
次に、回転テーブルから取り外した各表示管を焼成炉内に設置し、エアー流量1.5cc/mを維持しながら11時間(660分間)で乾燥処理を行った。このときの乾燥温度は25〜120℃の範囲で調整した。その後、27時間(1620分間)で焼成処理を行うことにより、ガラス管の一方の平坦面側の内面に酸化マグネシウムの表面層とその表面から一部露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群からなる放電補助膜を形成した。このときのエアー流量は0〜29cc/mの範囲で調整し、焼成温度は25〜500℃の範囲で調整した。
形成された放電補助膜は、ガラス管内の下方の平坦面側において酸化マグネシウム表面層の膜厚が300nmで、表面に酸化マグネシウム結晶部粒子の一部が露出した膜構造となった。他方、ガラス管の上方の平坦面側の膜厚は30nmで酸化マグネシウム結晶微粒子の混在は見られなかった。
続いて、ガラス管の一端開口部を低融点ガラスで平坦に封止した後、予め一面に蛍光体膜を形成した支持体(U字状の蛍光体支持ボート)をガラス管内に挿入し、厚い放電補助膜と反対側に蛍光体膜が支持された支持体を配置した。次いで、ガラス管内の空気をネオンとキセノンの混合ガスで置換した後、ガラス管の他端開口部を低融点ガラスにて平坦に封止することにより発光管を得た。
このようにして製造した長さ1mの発光管の長手方向に720点の単位放電領域(放電セル)を定めるよう発光管の表面側に720対の表示電極対を配置し、背面側に沿ってアドレス電極を配置して放電特性を測定した結果を図8のオシロ画面に示す。図8から判るようにアドレス電極に幅2μsのスキャンパルスPsを印加してからアドレス放電が開始するまでの放電形成遅れ時間は各セルのアドレス放電電流を示すDaの測定結果から見て全体的に短くなり、しかも全ての放電セルにおける遅れ時間がほぼ等しくなって、統計的な遅れ時間をほぼゼロにすることができた。この点、放電補助膜に酸化マグネシュウム結晶微粒子を混入しないで形成した従来の発光管の測定結果を示す図9と対比した場合、従来各放電セルの放電遅れ時間がほぼ1μsの幅で異なっていたのに対して改善効果は顕著である。このようにして放電の形成遅れ時間と統計的遅れ時間を改善できたことにより、アドレス動作を高速化して高精細なセル密度においても確実かつ安定した表示動作を達成することが可能となった。
(実施例2)
放電補助膜形成用の材料液および材料液除去前の表示管の静置時間を次のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして発光管を作製した。
まず、酸化マグネシウムからなる放電補助膜を得る表面層形成用の材料液は、エタノール30重量%、エチレングリコール20重量%およびグリセロール15重量%のアルコール混合液と、クエン酸マグネシウム10重量%と、純水10重量%と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル15重量%とを混合して調製した。そして、この表面層形成用の材料液100重量部に対して、平均粒子径1000nmの酸化マグネシウム結晶微粒子を5重量部混合分散して放電補助膜形成用の材料液を調製した。
また、静置時間は30分間に変更した。
実施例2の放電補助膜は、表示管内の下方の平坦面側の酸化マグネシウムの表面層の膜厚は200nmであり、その表面から酸化マグネシウム結晶微粒子の一部が露出した膜構成が得られた。他方、上方の平坦面側内面には酸化マグネシウム層のみが形成されその膜厚は20nmであった。この実施例2の発光管においても実施例1と同様に長手方向における720点の放電セルの放電特性を均一化して統計的放電遅れ時間をほぼゼロにすることができた。
なお、以上の実施例では放電補助膜を酸化マグネシウム(MgO)で構成する場合について説明したが、放電補助膜は放電空間となる発光管内に放電電圧を低減するための電子を供給する役目をするものであるので、二次電子放出効率γの高いその他のIIa族元素の酸化物であるCaO、BaOまたはSrOを単独または複合させた膜として構成することができる。このような放電補助膜の形成には材料液として上記カルボン酸マグネシュウム塩と同様にIIa族元素の有機金属化合物を適宜調合して溶媒に溶解した溶液を用いればよい。
1、101 表示装置
10、110 発光管アレイ
11、111、211 発光管
11a 表示管(ガラス管)
11ax ガラス管
11b、11b1 放電補助膜
11b2 酸化マグネシウム結晶微粒子
11c 蛍光体膜
11d 放電ガス
11e 支持体
11Lb 材料液
22 表示電極
32 アドレス電極
Pd 表示面側
Pn 非表示面側
T 回転テーブル

Claims (9)

  1. 複数の発光管が並列に配置されてなる発光管アレイと、前記発光管アレイの前面側に前記発光管と交差する方向に設けられた表示電極と、前記発光管アレイの背面側に各発光管の長手方向に沿って設けられたアドレス電極とを備え、
    前記発光管は、管と、該管の内面に設けられた放電補助膜と、該管の背面側の内面に設けられた蛍光体膜とを有し、
    前記放電補助膜は、前記管の前面側の内面においては、MgO、CaO、BaOおよびSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群とを含んで構成され、
    前記管の背面側の内面には、酸化マグネシウム結晶微粒子を含まない前記表面層のみの放電補助膜を有し、該背面側の放電補助膜の上に前記蛍光体膜を設けてなることを特徴とする表示装置。
  2. 前記放電補助膜を構成する表面層の前記背面側の膜厚が前記前面側の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記管の前面側内面において前記放電補助膜に含まれる酸化マグネシウムの粒径が、前記放電補助膜を構成する表面層の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  4. 前記発光管アレイにおいて、前記管が、長径と短径を有し、かつ少なくとも対向する一対の平坦面を有する扁平ガラス管からなり、平坦面の一方を前記表示電極に接する前面となし、対向する他方の平坦面をアドレス電極に接する背面となしたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の表示装置。
  5. 前記発光管アレイにおいて、前記管が長辺と短辺を有する略四辺形の横断面を有する扁平管からなり、前記長辺または短辺の対向する一対の平坦面が、隣接する他の扁平管の平坦面と対面するように配置され、残りの対向する一対の平坦面が前記発光管アレイの前面側と背面側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の表示装置。
  6. 前記発光管アレイにおいて、前記蛍光体膜が、樋状の支持体内面に形成された状態で前記管内の背面側の放電補助膜上に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の表示装置に用いられる発光管であって、断面が扁平な管と、該管の内面に設けられた放電補助膜と、該管内に設けられた蛍光体膜と、前記管内に封入された放電ガスとを有し、
    前記放電補助膜は、前記管の前面側となる内面においては、酸化マグネシウムからなる表面層と、前記表面層から一部が露出した酸化マグネシウム結晶微粒子群とを含んで構成され、背面側となる内面においては、酸化マグネシウムの表面層のみからなり、前記背面側の酸化マグネシウムの表面層上に蛍光体膜を有することを特徴とする発光管。
  8. 複数の発光管を平行に配列した発光管アレイ型の表示装置を製造する方法であって、
    前記製造方法は、前記発光管となる管の内周面に部分的に膜厚の異なる放電補助膜を形成する工程を含み、
    前記放電補助膜形成工程は、前記管内にIIa族元素の有機金属化合物を含んだ放電補助膜形成用の材料液と酸化マグネシウム結晶微粒子とを混合した溶液を注入する液注工程と、
    前記溶液を注入したガラス管を表示面となる側を下にして所定時間水平に静置する静置工程と、
    その後前記溶液の溶媒成分を遠心力を利用して排出する排出工程と、
    前記表示面側に沈着した成分を焼成してIIa族元素の酸化物の表面層から前記酸化マグネシウム結晶微粒子の一部が露出した構成の放電補助膜を形成する焼成工程を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. 前記製造方法は、
    横断面が扁平な略長方形のガラス管を準備する段階を含み、
    前記液注工程後のガラス管を一つの平坦面を下にして回転テーブル上に水平にセットした状態で前記静置工程を行い、
    その後回転テーブルを回転することにより溶媒の排出工程を実施し、しかる後、焼成工程を経て前記一つの平坦面側の内面においては酸化マグネシウム結晶微粒子を含んだ放電補助膜を形成することを特徴とする請求項8記載の表示装置の製造方法。
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