以下、図面を参照して、一実施形態に係る使用電力管理システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本使用電力管理システムは実施形態の構成には限定されない。
以下、図1から図37の図面に基づいて、使用電力管理システムを説明する。
〔システム構成〕
図1に、OA機器のレイアウトの一例を示す。図1は、例えば、オフィスの1フロアのレイアウトが例示されている。ここで、オフィスには、例えば、企業、役所、学校、商店、飲食店、各種サービス提供施設等で種々の情報を取り扱う部署の他、工場内、あるいは作業現場等で種々の事務処理等を行う部署を含む。図1のオフィスは、複数の電源接続機器1−1、1−2、1−3、1−4等と、それぞれの電源接続機器1−1等に接続されるOA機器と、電源接続機器1−1等で検出された電力値を収集し、中継先へ中継する中継器2を含む。ここで、電源接続機器1−1等は、OA機器に電力を供給するコンセントを配置した機器である。以下、電源接続機器1−1等を総称する場合には、電源接続機器1という。コンセントがプラグ接続部の一例である。
なお、中継器2が電流値を収集するようにしてもよい。電源接続機器1を通じて、機器に供給される電力の電圧が特定できる場合には、電流値を電力値に換算できるからである。後述するように、以下の実施例のオフィスでは、電源接続機器1には、電流センサが内蔵され、個々のコンセントから供給される電流値を検出する。電流センサがセンサの一例である。この電流値は、エネルギー管理サーバ3で電力値に変換され、データベースに格納される。ただし、電源接続機器1において、電力値を検出するようにしてもよい。例えば、電源接続機器1が電流センサとともに、電圧センサを内蔵するようにすればよい。また、電源接続機器1に電圧パラメータを設定できる機能を設け、設定された電圧パラメータにしたがって電流値を電力値に換算する処理部を設けてもよい。また、電源接続機器1
において、電流値を検出し、中継器2が電流値を電力値に換算した後、エネルギー管理サーバ3に電力値を中継するようにしてもよい。この場合、中継器2には、電圧パラメータを設定できる機能を設けておけばよい。このように、機器に供給される電圧が特定できる場合には、電流値は、電力値と同様に見なすことができるため、以下の実施例では、電流と電力を同様に取り扱う。
さらに、図1のオフィスでは、中継器2を経由して各電源接続機器1で検出された電力の検出値を受信し、処理するエネルギー管理サーバ3と、エネルギー管理サーバ3での処理結果を基に、オフィスの使用電力を監視するための監視端末5と、オフィスで職務を遂行する利用者のスケジュールを管理するスケジュール管理サーバ6が含まれている。エネルギー管理サーバ3が情報処理装置の一例である。
図1では、1フロア分のレイアウトが例示されているが、1台のエネルギー管理サーバ3、1台の監視端末5が、複数のフロアを管理するようにしてもよい。また、図1では、オフィスの1フロアは、3つのエリアA1、A2、A3を含む。1つのエリアには、中継器2が1台配置される。実施例1では、エリアは、中継器2が1台でカバーできる範囲とする。ただし、1フロアが3つのエリアに限定される訳ではなく、オフィスの状況、ニーズに応じて、適正なエリアを設定すればよい。
さらに、図1では、1台の中継器が4個の電源接続機器1に接続されているが、1台の中継器に接続される電源接続機器1の数が4個に限定される訳ではない。なお、電源接続機器1には、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、電気スタンド等のOA機器の他、例えば、扇風機、暖房機器等も接続される場合がある。
なお、図1では、エネルギー管理サーバ3及び管理スケジュールサーバ6が、オフィス内のネットワークに接続されているが、エネルギー管理サーバ3及び管理スケジュールサーバ6は、例えば、インターネット上のコンピュータ群である、クラウドの一部であってもよい。また、エネルギー管理サーバ3及び管理スケジュールサーバ6は、データセンタ等にて、オフィス、工場等のエネルギー情報を収集し、管理機能を提供する情報処理装置であってもよい。
〔ハードウェアの構成〕
図2は、電源接続機器1の外観図の例である。電源接続機器1として、例えば、スマート電源タップを例示できる。ただし、本使用電力管理システムにおいて、電源接続機器1がスマート電源タップに限定される訳ではなく、コンセントごとに供給される電流、あるいは、電力が検出可能なものであれば、どのようなものでもよい。
図2のように、電源接続機器1は、外観上、筐体と、筐体の一方の面に配列された複数のコンセントC1と、筐体外部の商用電源を筐体内の各コンセントC1に接続する電源ケーブルAC1と、筐体内で検出された電流値を筐体外の信号ケーブルUB1に接続するアダプタUA1とを有している。
コンセントC1は、例えば、OA機器に接続されている電源ケーブルのプラグを装着する1対のプラグ挿入口と、プラグのアース端子を受け入れるアース端子口とを有する。筐体内には、電力ケーブルAC1から分岐し、各コンセントC1に供給する導電路と、分岐したそれぞれの導電路に接続される電極を有する。電極は、それぞれのプラグ挿入口内に埋め込まれており、電源ケーブルのプラグがコンセントC1に差し込まれたときにプラグのコンタクトに接触し、通電可能となる。
信号ケーブルUB1は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルであり、ア
ダプタUA1は、USBコネクタを装着するアダプタである。ただし、信号ケーブルUB1およびアダプタUA1の種類に特に限定がある訳ではない。
図3に、電源接続機器1内の接続図を例示する。図3のように、電源接続機器1は、筐体内に、図2の電源ケーブルAC1に接続される導電路AC2と、導電路AC2から分岐した分岐路AC3と、分岐路AC3の先端部に接続される複数のコンタクトCT1とを有する。
コンタクトCT1は、図2に示したコンセントに装着されるプラグのコンタクトと接触し、通電可能となる。さらに、電源接続機器1は、それぞれの分岐路AC3を流れる電流を検出する複数の電流センサCS1を有する。図3では、分岐路AC3、コンタクトCT1、電流センサCS1は、4組み示されている。
電流センサCS1は、例えば、分岐路AC3の周囲に発生する磁界を検出する磁気センサ、例えば、ホール素子を含む。例えば、分岐路AC3の周囲に、磁性体で閉磁路を形成し、磁路の一部にホール素子をはめ込むようにすればよい。
さらに、電源接続機器1は、電流センサCS1の検出信号を読み取り、処理する信号制御部10を有する。4つの電流センサCS1の検出信号は、それぞれ信号制御部10に入力される。信号制御部10は、電流センサCS1のそれぞれの検出値に、電流センサCS1が検出する電流の供給先となるコンセントの識別情報を対応付けて、アダプタUA1に出力する。したがって、アダプタUA1に接続される装置は、コンセントの識別情報に対応付けて、そのコンセントで使用されている電力値を取得可能となる。
図4は、電源接続機器1、中継装置2、およびエネルギー管理サーバ3の信号処理に関連するハードウェアの構成を例示する図である。すなわち、図4では、OA機器に電力を供給する導電路は除外し、電源接続機器1の電流センサCS1で検出される検出値を処理するシステムのハードウェア構成が例示されている。
電源接続機器1内の信号制御部10は、CPU11、メモリ12、通信制御部13、電力測定プログラム19、およびAD(Analog/Digital)変換部14を有する。このうち、AD変換部14は、電流センサCS1の検出値をアナログ信号からデジタル信号に変換し、CPU11に引き渡す。
CPU11は、電力測定プログラム19を実行し、信号制御部10の機能を提供する。すなわち、CPU11は、それぞれの電流センサCS1での検出値を読み取る。そして、CPU11は、通信制御部13を介して、検出値をアダプタUA1に出力する。なお、CPU11が出力する検出値は、例えば、所定の順序で4つの検出値を配列したベクトルデータとすればよい。あるいは、CPU11は、4つの検出値に、それぞれコンセントを識別する識別情報を付与して出力してもよい。したがって、電流センサCS1のそれぞれの検出値は、並び順または付与された識別情報によって、どのコンセントの検出値であるかが特定されることになる。ただし、CPU11は、電流センサCS1での検出値を電力値に換算し、アダプタUA1に出力してもよい。
メモリ12は、主記憶装置とも呼ばれ、CPU11が処理するデータを保持する。通信制御部13は、例えば、USBのドライバ回路である。通信制御部13は、CPU11から引き渡された信号を、例えば、アダプタUA1を介して中継器2に引き渡す。なお、通信制御部13は、USBのドライバ回路に限定される訳ではなく、他の通信インターフェースであってもよい。電力測定プログラム19は、例えば、CPU11で実行可能なバイナリプログラムであり、ROM(Read Only Memory)に保持される。
中継器2は、CPU21と、メモリ22と、通信制御部23A、23Bと、ドライブ装置24等を有する。CPU21は、ドライブ装置24に格納され、メモリ22に実行可能に展開された中継プログラムを実行し、中継器2の機能を提供する。すなわち、CPU21は、複数の電源接続装置1の信号制御部10から、通信制御部23Bを介して検出値を取得する。そして、CPU21は、複数の電源接続機器1から取得した検出値を配列して、所定順のベクトルとして通信制御部23Aからエネルギー管理サーバ3に引き渡す。ただし、中継器2は、複数の電源接続機器1から取得した検出値にそれぞれの電源接続機器1の識別情報を付与して、エネルギー管理サーバ3に引き渡すようにしてもよい。いずれにしても、エネルギー管理サーバ3は、検出値の並び順、または、検出値に付与された識別情報により、電源接続機器1、および電源接続機器1内のコンセントを区別して検出値を取得できる。
メモリ22は、主記憶装置ということもできる。メモリ22は、例えば、CPU21が実行する中継プログラム、あるいは、電源接続機器1の信号制御部10から取得した検出値等を記憶する。通信制御部23Aは、エネルギー管理サーバ3と通信するインターフェースである。通信制御部23Aは、例えば、LAN(Local Area Network)基板、あるいは、NIC(Network Interface Card)と呼ばれる。ただし、通信制御部23Aは、無線LANのインターフェース、Bluetoothのインターフェース等であってもよい。
通信制御部23Bは、電源接続機器1の通信制御部13と接続するためのインターフェースであり、例えば、USBのドライバ回路である。ドライブ装置24は、着脱可能な記憶媒体の入出力装置であり、例えば、フラッシュメモリカードの入出力装置、USBメモリを接続するUSBのアダプタ等である。ドライブ装置24は、着脱可能な記憶媒体から中継プログラムを読み出し、メモリ22に格納する。
エネルギー管理サーバ3は、CPU31、メモリ32、通信制御部33,ドライブ装置34、HDD(ハードディスク駆動装置)35、表示制御部36を有する。さらに、エネルギー管理サーバ3には、表示装置37、入力装置38等を接続可能である。
CPU31は、メモリ32に実行可能に展開された管理プログラムを実行し、エネルギー管理サーバ3の機能を提供する。メモリ32は、主記憶装置ということもできる。メモリ32は、例えば、CPU31が実行する管理プログラム、あるいは、中継器2を介して取得した、各電源接続機器1の各電流センサCS1の検出値等、各検出値から算出した電力値、その他の管理データ等を記憶する。
通信制御部33は、中継器2の通信制御部23Aと通信可能なインターフェースである。通信制御部33は、通信部の一例である。ドライブ装置34は、着脱可能な記憶媒体の入出力装置であり、例えば、フラッシュメモリカードの入出力装置、USBメモリを接続するUSBのアダプタ等である。ドライブ装置34は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)等のディスク媒体であってもよい。ドライブ装置34は、着脱可能な記憶媒体から管理プログラムを読み出し、HDD35に格納する。
HDD35は、外部記憶装置ということもできる。外部記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)等であってもよい。HDD35は、ドライブ装置34との間で、デー
タを授受する。例えば、HDD35は、ドライブ装置34からインストールされる管理プログラム等を記憶する。また、HDD35は、管理プログラムを読み出し、メモリ32に引き渡す。また、HDD35は、通信制御部33および中継器2を介して取得された各電源接続機器1で検出された検出値、その他の管理データをメモリ32から受け取り、不揮
発性データとして保持する。表示制御部36は、表示装置37の制御回路を有し、CPU31が処理した結果のデータ等を表示装置37に表示する。
表示装置37は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。入力装置38は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等を含む。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル等を例示できる。なお、表示装置37、入力装置38をエネルギー管理サーバ3に接続する代わりに、図1に示した監視端末5の表示装置、および入力装置を用いて、エネルギー管理サーバ3の表示機能、入力機能を提供してもよい。
図1に示した監視端末5の詳細構成は、図示しないが、例えば、CPU、主記憶装置、外部記憶装置、通信装置、着脱可能な記憶媒体の駆動装置等を含むコンピュータである。さらに、監視端末5は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力装置、表示装置等を有する。監視端末5は、例えば、パーソナルコンピュータ等である。ただし、監視端末5は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、電子ブック等であってもよい。
また、図1に示したスケジュール管理サーバ6の詳細構成は、図示しないが、エネルギー管理サーバ3の構成とほぼ同様である。スケジュール管理サーバ6は、ネットワーク上のPC等に対して、スケジュール管理機能を提供する。スケジュール管理機能は、PC等の利用者のスケジュール情報を登録し、複数PC間で共有させる機能を提供する。
図5に、ルータ、スイッチを含むオフィス内のネットワークの構成図を例示する。すなわち、図5は、図1で例示されるオフィスでの通信機器の接続例である。図5では、ルータR0の管理下でネットワークN1が形成されている。ルータR0は、例えば、外部のインターネットと接続する代理サーバの機能を有してもよい。すなわち、ルータR0は、図示しない外部のネットワークとオフィス内のネットワークN1とを接続するものであってもよい。
ネットワークN1には、ルータR1、R4、R5等が含まれる。ルータR1、R4、R5等は、ネットワークN1を複数の下位のネットワークに分割する。下位のネットワークは、サブネットと呼ぶこともできる。さらに、図5では、ルータR1の下位のネットワークが、ルータR2、R3等によって、下位のネットワークに接続されている。そして、ルータR2の下位のネットワークには、レイヤ2スイッチ(L2SW)LS1、LS2等が含まれている。そして、例えば、レイヤ2スイッチL1の下位のLANセグメントには、中継器2−1、2−2等、あるいは、情報処理装置等が接続されている。
なお、中継器2−1、2−2等を総称する場合には、中継器2という。また、ルータR1配下のルータR2、R3等の数、ルータR2配下のレイヤ2スイッチLS1、LS2等の数、レイヤスイッチLS1配下の中継器2−1、2−2等の数、情報処理装置の数が図5の例に限定される訳ではない。
レイヤ2スイッチLS2の下位のLANセグメントの構成も、レイヤ2スイッチLS1と同様である。ルータR3の下位のネットワークもルータR2の下位のネットワークと同様である。また、ルータR2等の下位にさらに、他のルータを接続してもよい。また、逆に、ルータR2、R3等をなくし、ルータR1の下位にレイヤ2スイッチLS1、LS2等を接続してもよい。ルータR4の下位のネットワークもルータR1の下位のネットワークと同様である。
さらに、ルータR5の下位のネットワークには、レイヤ2スイッチLS3が含まれている。そして、レイヤ2スイッチLS3の下位のLANセグメントには、スケジュール管理
サーバ6、エネルギー管理サーバ3、および監視端末5が接続されている。
ところで、図5のネットワークN1は、オフィスの家屋、ビル、建屋内で様々なレイアウトを採ることができる。例えば、ルータR1、ルータR4、ルータR5等を異なる階に設置し、階ごとに異なる下位ネットワークを構成してもよい。また、同一階にあるオフィスをさらに分割し、分割されたオフィスにルータR2、R3等を設置してもよい。
なお、上記図4、図5の構成では、電源接続機器1が中継器2を介してエネルギー管理サーバ3に接続されるシステムを例示した。しかし、本使用電力管理システムは、上記構成に限定される訳ではない。例えば、中継器2が、いずれかの電源接続機器1に内蔵されるようにしてもよい。中継器2を内蔵する電源接続機器(例えば、電源接続機器1A)が、中継器2を内蔵しない電源接続機器1から、検出値を取得し、エネルギー管理サーバ3に中継するようにしてもよい。また、中継器2を省略して、電源接続機器1と、エネルギー管理サーバ3とをネットワークで接続するようにしてもよい。中継器2を省略する場合には、電源接続機器1の通信制御部13は、図4と同様、例えば、USBのドライバ回路であってもよいし、LAN基板、NIC、無線LANのインターフェース、Bluetoothの
インターフェース等であってもよい。
〔エネルギー管理サーバの機能ブロック構成〕
図6に、エネルギー管理サーバ3の機能ブロック図を例示する。エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器設定部301、電力計測部302、接続機器判定部303、カテゴリ集計部304、比較表示部305の各機能部を有し、本使用電力管理システムの管理機能を提供する。以上の各機能部は、エネルギー管理サーバ3が主記憶装置上に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行することで提供される。
また、エネルギー管理サーバ3は、以上の機能部が参照し、あるいは、管理するデータの格納先として、電源接続機器データベース311、電力値データベース312、接続機器データベース313、所属データベース314、使用電力推移データベース315、目的別機器グループデータベース316を有する。以上の各データベースは、例えば、エネルギー管理サーバ3の外部記憶装置、あるいは、ネットワークN1上のデータベース機能を提供する他のサーバの外部記憶装置等に構築される。
以下、図6に示した各機能部の機能を説明する。電源接続機器設定部301は、本使用電力管理システム内に含まれるエリア、エリア内の電源接続機器1、電源接続機器1内の電流センサ等のID割付を実行し、割付済みのID、空きID等を管理する。
図1ですでに説明したように、本使用電力管理システムが管理するオフィスは、複数のエリアに分割され、各エリアには中継器2が設置される。エリアは、中継器2が設置されるという意味で、設置エリアとも呼ばれる。また、エリアのIDは、中継器2のIDともいうことができる。そこで、エリアのIDとして、中継器2のIPアドレス、MACアドレス等を用いるようにしてもよい。また、エリアのIDとして、本使用電力管理システムが独自に管理するIDを付与してもよい。本使用電力管理システムが独自に管理するIDをエリアのIDとする場合には、エリアのIDと、中継器2のIPアドレス、あるいは、MACアドレス等とを関連づけるアドレス関連づけテーブルを設けてもよい。新規に中継器2が設置された場合には、エネルギー管理サーバ3は、入力装置38への操作を受け、コンピュータプログラムを起動し、電源接続機器設定部301として機能する。ただし、エネルギー管理サーバ3は、例えば、監視端末5からの操作にしたがって、コンピュータプログラムを起動し、電源接続機器設定部301として機能してもよい。
電源接続機器設定部301は、ユーザの操作により、表示装置37等の画面上に、電源
接続機器設定画面を表示し、設置された中継器2に対応するエリアのID、中継器2に接続される電源接続機器1のID、電源接続機器1に含まれる電流センサのID等の設定を支援する。例えば、電源接続機器設定部301は、空きIDを検索して、ユーザに表示し、新たに設置されたエリア等のID、中継器2のID、電流センサのIDとして設定するように促す。電源接続機器設定部301は、ユーザが設定したエリア等のID、中継器2のID、電流センサのIDを電源接続機器データベース311に保存する。電源接続機器データベース311は、センサIDテーブルと設置エリアIDテーブルを含む。センサIDテーブルは、電源接続機器1内の個々の電流センサのIDを定義する。また、設置エリアIDテーブルは、オフィスの各エリアと、エリア内の電源接続機器1との関係を定義する。
また、例えば、電源接続機器設定部301は、新たに設置された中継器2のIPアドレス、MACアドレス等をネットワークN1上の通信により、新たに設置された中継器2から取得してもよい。そして、電源接続機器設定部301は、取得した中継器2のIPアドレス、MACアドレス等と、ユーザが設定したエリアのIDとの関連づけを図示しないデータベースに保存すればよい。また、例えば、電源接続機器設定部301は、新たに設置された中継器2のIPアドレス、MACアドレス等をエリアのIDとして、電源接続機器データベース311に設定するようにしてもよい。
電力計測部302は、中継器2と通信し、電源接続機器1内の電流センサごとの電流値を取得し、電力値に換算し、電力値データベース312に保存する。電流センサごとの電流値は、電源接続機器1のコンセントごとの電流値に該当する。電力計測部302は、電源接続機器1のそれぞれのプラグ接続部に対応付けた検出値を取得する通信部の一例である。
接続機器判定部303は、接続機器データベース313からそれぞれの電源接続機器1のそれぞれのコンセントのセンサID、それぞれのコンセントに接続されている機器、および各センサIDと対応する利用者ID、即ちコンセントを利用する利用者を示す情報を読み出す。また、接続機器判定部303は、接続機器データベース313からそれぞれのコンセントに接続されている機器の属する機器ID、機器が属する目的別グループID等を読み出す。そして、接続機器判定部303は、センサID、利用者ID、機器ID、目的別グループIDをカテゴリ集計部304に引き渡す。機器IDとは、コンセントに接続されている機器の種類をオフィス内でユニークに特定する情報である。例えば、複数のデスクトップパーソナルコンピュータに対して、同一の機器ID、例えばAが付与される。また、複数のノートブックパーソナルコンピュータに対して、他の同一の機器ID、例えば、Bが付与される。本実施形態では、センサIDで特定されるコンセントと、そのコンセントに接続される機器との関係は、固定であると見なされる。したがって、本実施形態の処理は、コンセントに接続される機器が変更されない限度において正確に使用電力の情報を処理できる。また、以下の処理では、センサIDごとに集計される情報を「機器ごと」の情報、「コンセントに接続される機器ごと」の情報、あるいは「コンセントごと」の情報のように表現する場合がある。
カテゴリ集計部304は、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を基に使用電力の推移に関するカテゴリ別のデータの集計処理を行う。ここで、カテゴリとは、例えば、利用者の所属部門、電源接続機器1の各コンセントに関連付けられた接続機器、使用目的等による分類である。カテゴリ集計部304は、所属データベース314の所属情報及び、接続機器データベース313の電源接続機器1に関連付けられた接続機器、目的別機器グループデータベース316の目的別機器グループ等の情報を取得し、各カテゴリの使用電力の推移を所定の期間で集計する。使用電力の推移を集計するための所定の期間は、例えば、週単位、月単位、年単位が提示できる。カテゴリ集計部304で集計
された使用電力の集計結果は、カテゴリ別に使用電力推移データベース315に格納される。カテゴリ集計部304で集計された結果は、例えば、機器ごと、機器の使用目的ごと、利用者ごとに使用電力の比較ができる客観的な基準(指標)となる。
なお、使用電力の集計には、例えば、電源接続機器1の各コンセントに関連付けされた接続機器の属性(型番、製造メーカ、製造年等)を含めてもよい。また、電源接続機器1の各コンセントに関連付けされた接続機器がパソコン等の情報処理装置である場合には、例えば、プロセッサ等の動作速度等を含めてもよい。さらに、使用電力を集計する期間には、季節単位を含むことができる。電源接続機器1に接続される機器の、季節ごとの使用電力推移が取得できる。
カテゴリ集計部304は、使用電力の集計に際して、例えば、以下の集計機能を提供する。
(1)機器使用総電力推移情報
カテゴリ集計部304は、接続機器データベース313の機器IDを基に、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。機器IDに基づいて集計された使用電力値は、機器ID別に分類された機器使用総電力値である。ここで、機器IDは、電源接続機器1のコンセントと関連付けられた機器の種別を示す識別情報である。機器IDは、複数台の機器が共有可能である。従って、機器ID別に集計された機器使用総電力値は、同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計となる。例えば、デスクトップAの機器IDを共有する情報処理装置が10台の場合には、それぞれの情報処理装置の使用電力値を足し合わせた、10台分の総計が機器IDの集計値となる。
カテゴリ集計部304は、機器ID別に集計された機器使用総電力値を、さらに、週単位、月単位、年単位等で表される所定の期間ごとに集計する。集計期間を週単位とする場合には、例えば、集計する単位週が属する西暦年の、年始から年末までの間の週番号で指定できる。また、月単位、年単位で集計する場合では、月暦、西暦等で指定できる。一例として、集計期間が月単位で指定された場合では、機器ID別に集計された機器使用総電力値を、さらに、指定月の暦に含まれる日数で累計する。つまり、指定月が6月の場合では、カテゴリ集計部304は、月初めである6月1日から、月末である6月30までの期間で、機器ID別に集計された機器使用総電力値を足し合わせて指定月の累計値とする。カテゴリ集計部は、このような足し合わせの結果、月単位で集計された機器ID別の機器使用総電力値を取得する。
また、カテゴリ集計部304は、機器使用総電力値の集計時に、電源接続機器1のコンセントに接続された機器単位で、所定の集計期間ごとに機器ID別の使用電力値の最大値及び最小値の抽出を行う。
例えば、カテゴリ集計部304は、同じ機器IDを共有する機器ごとの、24時間単位の使用電力値を集計する。そして、24時間単位で集計された使用電力値を同じ接続機器IDを共有する機器間で相互比較し、最も大きい使用電力値と最も小さい使用電力値を特定する。同様の処理を、週単位、月単位、年単位等で指定される集計期間で行う。集計期間が週単位の例では、週を構成する7日の期間で、単日(24時間単位)あたりの最も大きい使用電力値の相互比較を行うことで、週単位の最も大きい使用電力値が抽出できる。最も小さい使用電力値についても同様に、カテゴリ集計部304は、週を構成する7日の期間で、単日(24時間単位)あたりの最も小さい使用電力値の相互比較を行うことで、週単位の最も小さい使用電力値が抽出できる。このように、カテゴリ集計部304は、週単位で抽出した最も大きい使用電力値を週番号で指定された週の最大値とし、週単位で抽出した最も小さい使用電力値を週番号で指定された週の最小値とする。
集計期間が月単位の場合には、月初めから月末までの期間について、単日(24時間単位)の最も大きい使用電力値(最も小さい使用電力値)との相互比較を繰り返すことで、月暦で指定された月の使用電力値の最大値(最小値)を抽出できる。集計期間が年単位の場合には、年始から年末までの期間について、単日(24時間単位)の最も大きい使用電力値(最も小さい使用電力値)との相互比較を繰り返すことや、月単位で抽出された使用電力値の最大値(最小値)を12ヶ月間で相互比較を繰り返すことで、西暦で指定される年の使用電力値の最大値(最小値)が抽出できる。
(2)目的別使用総電力推移情報
カテゴリ集計部304は、上述した機器使用総電力の集計と同様に、目的別の機器グループIDについて電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。ここで、機器グループIDとは、電源接続機器1のコンセントに接続される機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である。使用目的別の分類例として、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称す)、冷房機器、暖房機器、調理機器等が例示できる。PCには、例えば、デスクトップ、ノートブック、タブレット等の目的別の機器が含まれる。冷房機器には、エアコン,扇風機,サーキュレータ(送風機)等の機器が含まれる。暖房機器には、ファンヒータ,オイルヒータ,ハロゲンヒータ,ホットカーペット,コタツ等の機器が含まれる。調理機器には、炊飯器,電子レンジ,オーブンレンジ等の機器が含まれる。このように、目的別機器グループは、電源接続機器1が配置されるオフィスの作業環境等に合わせ、機器の使用目的別に任意に形成できる。
カテゴリ集計部304は、目的別機器グループデータベース316の機器グループID情報を基に、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。機器グループID情報に基づいて集計された機器ごとの電力値は、機器グループID別に分類された目的別使用総電力値である。機器グループIDは、複数台の機器が共有できる。従って、機器グループIDごとに集計された目的別使用総電力値は、同じ機器グループIDを共有する複数台の機器の使用電力値の総計となる。例えば、冷房機器が機器グループIDを共有する、2台のエアコン,12台の扇風機,4台のサーキュレータで構成される場合、それぞれの使用電力値を足し合わせた累計値が、冷房機器としての目的別使用総電力値となる。
カテゴリ集計部304は、機器グループIDごとに集計された目的別使用総電力値を、さらに、週単位、月単位、年単位等で表される所定の期間ごとに集計する。カテゴリ集計部304で行われる目的別使用総電力値の所定の期間ごとの集計処理は、(1)機器使用総電力推移情報で説明した機器使用総電力値の所定の期間ごとの集計処理と同じ処理であるため、説明を省略する。
また、カテゴリ集計部304は、目的別使用総電力値の集計時に、電源接続機器1のコンセントに接続された機器単位で、機器グループID別の使用電力値の最大値及び最小値の抽出を行う。機器グループID別の使用電力値の最大値及び最小値の抽出は、(1)機器使用総電力推移情報で説明した所定の集計期間ごとの、使用電力値の最大値及び最小値の抽出と同じ処理であるため、説明を省略する。
(3)部門使用総電力推移情報
カテゴリ集計部304は、利用者が所属する部門について電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を利用者IDごとに集計する。ここで、部門とは例えば、職場の部署、部門、部課等であり、利用者IDと対応付けられる所属情報である。利用者IDと所属情報は、所属データベース314で定義される。カテゴリ集計部304は、所属データベース314を参照することにより、利用者が所属する部門を特定し、部門使用総電力値を集計する。部門使用総電力値の集計は利用者単位で行われる。利用者IDと電源
接続機器1は、1対1の関係で対応付けられる。さらに、電源接続機器1と電源接続機器1が有する各コンセント(センサ)IDとは、1対1の関係で対応付けられる。従って、利用者IDと各コンセント(センサ)IDは、1対1の関係で対応付けられるため、利用者IDと対応する複数のコンセントIDの電力値を集計することにより、利用者IDごとの使用電力値が取得できる。
カテゴリ集計部304は、所属データベース314の部門ID、接続機器データベース313の機器IDを基に、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。部門IDは、利用者IDと対応付けられる所属グループの識別情報である。部門IDごとに集計された部門使用総電力値は、同じ部門IDに所属する複数の利用者IDによる使用電力値の総計となる。例えば、部門Aに、10人の利用者IDが所属する場合、10人分の使用電力値を足し合わせた累計値が部門Aとしての部門使用総電力値となる。ここで、利用者IDの使用電力値は、利用者IDと対応付けられた電源接続機器1の使用電力値である。つまり、電源接続機器1に4つのコンセントが存在するとすれば、それぞれのコンセントで計測された電力値を足し合わせた累計値が電源接続機器1としての使用電力値となる。
カテゴリ集計部304は、所属データベース314の各部門IDで対応付けられた利用者IDを参照し、接続機器データベース313から利用者IDに対応する電源接続機器1を特定する。カテゴリ集計部304は、利用者IDと対応付けられた電源接続機器IDに基づいて電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。そして機器ごとに集計された電力値を足し合わせ、利用者IDと対応付けられた電源接続機器1の電力値を集計する。本実施形態では、利用者IDに1個の電源接続機器1が対応付けされた処理を例示する。ただし、本使用電力管理システムの処理は、本実施形態の処理に限定される訳ではなく、利用者IDに複数個の電源接続機器1が対応付けされてもよい。集計された電源接続機器1の電力値が利用者(利用者ID)の使用電力値である。カテゴリ集計部304は、部門IDに所属する利用者IDごとに使用電力値を取得し、それぞれの使用電力値を足し合わせた累計値を、部門IDの部門使用総電力値とする。
カテゴリ集計部304は、部門IDごとに集計された部門使用総電力値を、さらに、週単位、月単位、年単位等で表される所定の期間ごとに集計する。カテゴリ集計部304で行われる部門使用総電力値の所定の期間ごとの集計処理は、(1)機器使用総電力推移情報で説明した機器使用総電力値の所定の期間ごとの集計処理と同じ処理であるため、説明を省略する。
また、カテゴリ集計部304は、部門使用総電力値の集計時に、利用者ID単位で部門ID別の使用電力値の最大値及び最小値の抽出を行う。部門ID別の使用電力値の最大値及び最小値の抽出は、(1)機器使用総電力推移情報で説明した所定の集計期間ごとの、使用電力値の最大値及び最小値の抽出と同じ処理であるため、説明を省略する。
カテゴリ集計部304で処理された集計結果は、機器使用総電力推移情報、目的別使用総電力推移情報、部門使用総電力推移情報として使用電力推移データベース315に保存される。機器使用総電力推移情報には、機器ID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値、機器使用電力値の最大値、最小値が含まれる。目的別使用総電力推移情報には、機器グループID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値、機器使用電力値の最大値、最小値が含まれる。部門使用総電力推移情報には、部門ID別の、所定の集計期間ごとの利用者の使用総電力値、利用者の使用電力値の最大値、最小値が含まれる。
次に、比較表示部305は、使用電力推移表示の対象となるコンセントに接続された機器(以下、対象機器と称する)が属するカテゴリ別の各使用総電力推移情報に基づいて、
当該使用電力推移表示時のゴースト表示処理を行う。ここで、ゴースト表示とは、表示目的の情報とともに、表示目的の情報に関連する情報を表示目的の情報と重ね合わせて、かつ、表示目的の情報が認識できる限度で表示することをいう。例えば、対象機器の使用電力推移表示に重ね合わせて、当該対象機器が属する各カテゴリの使用総電力推移情報を、表示装置37等の画面上に同時に表示する。
比較表示部305は、ユーザ操作等によって指定された比較対象期間,対象機器が属するカテゴリの使用総電力推移情報の取得を行い、対象機器の当日の使用電力推移表示と重ね合わせ表示が可能なように使用総電力推移情報のデータ処理を行う。
既述したように、利用者に割当てられた電源接続機器1の各コンセントには、機器別、所属部門別、使用目的別等のカテゴリに属する機器が接続される。そして、各カテゴリで集計された使用総電力推移情報は使用電力推移データベース315に保存されている。各カテゴリで集計された使用総電力推移情報には、カテゴリ集計部304で集計された所定の単位期間(週単位、月単位、年単位等)ごとの使用総電力値が格納されている。また、所定の単位期間(週単位、月単位、年単位等)における使用電力値の最大値及び最小値が格納されている。
比較表示部305は、対象機器の当日の使用電力推移表示の際に、対象機器の属する各カテゴリの平均使用電力推移,使用電力値の最大値および最小値を取得し、表示グラフ上の時間軸を合わせてそれぞれの電力値をグラフ上に設定する。表示グラフ上では、対象機器の属する各カテゴリの平均使用電力推移,使用電力値の最大値および最小値の推移が、対象機器の当日の使用電力推移表示にゴースト表示として重ね合わせられる。
比較表示部305は、重ね合わせ処理のとして、以下の機能を提供する。
(1)機器別の使用電力推移情報によるデータ処理
比較表示部305は、ユーザ操作によって指定された集計期間の、対象機器が属する機器IDの使用総電力値と当該機器IDに属する機器の台数を取得し、当該機器IDの平均使用電力推移を算出する。
例えば、対象機器が属する機器IDの使用総電力値が「X」であり、機器IDの属する機器の台数が「Y」の場合では、(「X」/「Y」)で算出される値が当該機器IDの平均使用電力値となる。比較表示部305は、例えば、時間単位で使用電力推移表示が行われる場合には、単位時間(例えば、1時間)ごとの平均使用電力値の算出を0時から24時まで順に繰り返すことにより、当該機器IDの単位時間ごとの平均使用電力データが取得できる。比較表示部305は、単位時間ごとの平均使用電力データを表示グラフ上の時間軸に沿って描画することにより、当該機器IDの平均使用電力推移が表示できる。比較表示部305は、この単位時間ごとの平均使用電力値の算出を、ユーザ操作により指定された単位期間(週単位、月単位、年単位)について実行する。
また、比較表示部305は、ユーザ操作により指定された単位期間ごとの、対象機器が属する機器IDの使用電力値の最大値および最小値を取得する。比較表示部305は、平均使用電力値の算出と同様に、使用電力推移表示される時間単位ごとの使用電力値の最大値および最小値を取得する。例えば、単位時間(例えば、1時間)ごとの使用電力値の最大値および最小値を、0時から24時まで順に繰り返し取得することにより、当該機器IDの単位時間ごとの使用電力値の最大値データおよび最小値データが取得できる。単位時間ごとの使用電力値の最大値データおよび最小値データを表示グラフ上の時間軸に沿って描画することにより、当該機器IDの使用電力値の最大値および最小値の推移が表示できる。
(2)目的別の使用電力推移情報によるデータ処理
比較表示部305は、ユーザ操作によって指定された集計期間の、対象機器が属する目的別機器グループIDの使用総電力値と当該目的別機器グループIDに属する機器の台数を取得し、当該目的別機器グループIDの平均使用電力推移を算出する。なお、目的別機器グループIDの平均使用電力推移の算出および、対象機器が属する目的別機器グループIDの使用電力値の最大値および最小値の推移は、(1)機器別の使用電力推移情報によるデータ処理、と同様のため説明を省略する。
(3)部門別の使用電力推移情報によるデータ処理
機器別、目的別の使用電力推移情報によるデータ処理では、比較表示部305は、機器単位でデータ処理を行ったが、部門別の使用電力推移情報によるデータ処理では、対象機器を使用する利用者単位でデータ処理を行う。従って、部門別の使用電力推移情報によるデータ処理では、比較表示部305は、電源接続機器1単位をデータ処理の対象とする。なお、電源接続機器1には、対象機器以外の機器が接続される。
比較表示部305は、ユーザ操作によって指定された集計期間の、対象機器が接続された電源接続機器1を使用する利用者が所属する部門IDの使用総電力値と当該部門IDに所属する人数を取得し、当該部門IDの平均使用電力推移を算出する。
例えば、電源接続機器1の利用者の所属する部門IDの使用総電力値が「X」であり、部門IDに所属する人数が「Y」の場合では、(「X」/「Y」)で算出される値が当該部門IDの平均使用電力値となる。比較表示部305は、例えば、時間単位で使用電力推移表示が行われる場合には、単位時間(例えば、1時間)ごとの平均使用電力値の算出を0時から24時まで順に繰り返すことにより、当該部門IDの単位時間ごとの平均使用電力データが取得できる。比較表示部305は、単位時間ごとの平均使用電力データを表示グラフ上の時間軸に沿って描画することにより、当該部門IDの平均使用電力推移が表示できる。比較表示部305は、この単位時間ごとの平均使用電力値の算出を、ユーザ操作により指定された単位期間(週単位、月単位、年単位)について実行する。
また、比較表示部305は、ユーザ操作により指定された単位期間ごとの、利用者が所属する部門IDの使用電力値の最大値および最小値を取得する。比較表示部305は、平均使用電力値の算出と同様に、使用電力推移表示される時間単位ごとの使用電力値の最大値および最小値を取得する。例えば、単位時間(例えば、1時間)ごとの使用電力値の最大値および最小値を、0時から24時まで順に繰り返し取得することにより、当該部門IDの単位時間ごとの使用電力値の最大値データおよび最小値データが取得できる。単位時間ごとの使用電力値の最大値データおよび最小値データを表示グラフ上の時間軸に沿って描画することにより、当該部門IDの使用電力値の最大値および最小値の推移が表示できる。
(4)重ね合わせ表示処理
比較表示部305は、既に説明した機器別、目的別、部門別の使用電力推移情報によるデータ処理で取得した平均使用電力値、使用電力の最大値および最小値に基づいて、重ね合わせ表示処理を行う。ここで、対象機器の使用電力推移を表示する場合、例えば、使用電力値を縦軸とし、時間を横軸として、使用電力値の時間経過による推移変化を表示できる。このような時間経過によるデータ推移は、例えば、棒グラフ、折れ線グラフ、面グラフ等により、単位時間ごとの使用電力値を表示することで可視化が可能となる。以下の説明では、縦軸に使用電力値、横軸に時間として折れ線グラフ表示による使用電力推移として重ね合わせ表示処理の説明を行う。
比較表示部305は、対象機器の属する各カテゴリ(機器別、目的別、部門別)の単位
時間ごとの平均電力値、使用電力値の最大値および最小値の取得を行い、重ね合わせ表示を行う表示グラフ上の配置位置を設定する。例えば、推移表示の単位時間が1時間の場合では、表示グラフ上で単位時間が属する時間帯の中央に位置するように1時間ごとの平均電力値、使用電力値の最大値および最小値を設定する。
比較表示部305は、折れ線グラフ表示に係る線種(例えば、実線、破線、鎖線等)や属性(例えば、太さ、配色等)を設定する。なお、折れ線グラフ表示に係る線種や属性は任意のものを選択できるが、対象機器の使用電力推移表示に係る折れ線グラフの属性とゴースト表示として重ね合わせられる各電力推移表示に係る折れ線グラフの属性とは、異なることが望ましい。例えば、各折れ線グラフの表示に係る線種を全て実線とした場合、対象機器の使用電力推移を表示するグラフ線の線幅を相対的に太くして表示することや、対象機器の使用電力推移を表示するグラフ線の配色を相対的に異ならせること等が例示できる。また、グラフ表示に係る線種や属性の設定は、ユーザの操作入力によるとしてもよい。この場合、比較表示部305は、ユーザの操作入力によって指定された線種や属性に従って、表示グラフ上に配置された各使用電力値間を接続する。
比較表示部305は、使用電力値の最大値と使用電力値の最小値との間の領域を、色彩を段階的に変化させるグラデーションによって配色する。例えば、使用電力値の最大値を赤色とし、使用電力値の最小値を青色に配色する。そして、使用電力値の最大値と最小値との間の領域を、赤色から青色に色彩を段階的に変化させて配色することにより、グラデーションを施した電力推移情報が得られる。なお、グラデーションは色彩に限定されない。例えば、明色から暗色にと明度を段階的に変化させる明度のグラデーション、鮮色から濁色に彩度を段階的に変化させる彩度のグラデーション、明度と彩度の両方が段階的に変化するトーンのグラデーション、明度と彩度が同じで色相だけが段階的に変化する色相のグラデーション等、任意のグラデーションが設定できる。例えば、RGBによる配色指定の場合、各色調の比率を変化させて組合せることにより、グラデーションによる配色が可能である。RGBの各色調を例えば、0〜max(255)の間で段階的に指定できるとすれば、Rを0〜max(255)の間で、Gを0〜max(255)の間で、Bを0〜max(255)の間で変化させた組み合わせを指定すればよい。また、R,G,Bの何れか1を固定として他を変化させるとしてもよく、何れか2を固定として他の1を固定するとしてもよい。このような処理により、濃淡を含む任意のグラデーションが行える。
比較表示部305で処理された重ね合わせのための表示データは、対象機器の属するカテゴリ内での対象機器の使用電力の多寡を相対的に可視化できる指標であり、利用者が属する部門内、対象機器が属する接続機器内、対象機器が属する目的別機器内の省エネ活動を評価するための指標となる。比較表示部305の処理例は、図35−37に従って後述する。
〔データベースの構成〕
以下、エネルギー管理サーバ3がデータを入出力するデータベースの構成を例示する。図7は、電源接続機器データベース311が有するセンサIDテーブルの構成例であり、図8は、設置エリアIDテーブルの構成例である。図6に示したように、電源接続機器データベース311は、センサIDテーブルと、設置エリアIDテーブルとを含む。
このうち、センサIDテーブルは、電源接続機器IDと、センサIDとを関連づける。電源接続機器IDは、電源接続機器1をユニークに識別する識別情報である。また、センサIDは、電源接続機器1に含まれる電流センサの識別情報である。本実施形態では、センサIDは、例えば、電源接続機器ID内でユニークに定義される識別情報である。ただし、センサIDは、例えば、オフィス内でユニークな識別情報、あるいは、外部のネットワークを含む世界でユニークな識別情報であってもよい。
設置エリアIDテーブルは、エリアIDと、エリア名とを関連づける。エリアIDは、中継器2が設置されるエリアの識別情報である。すでに述べたように、エリアには、中継器2が1台設置される。したがって、エリアIDは、中継器2をユニークに識別する識別情報ということができる。エリアIDは、中継器2のIPアドレス、あるいはMACアドレス等でもよい。
エリア名は、エリアの名称である。エリア名は、利用者、あるいは、本使用電力管理システムの管理者等に、エリアIDで特定されるエリアが、実際に人が認識するどのエリアであるかということを示す。図8の例では、エリア名として、1F、2F等のフロアの名称が例示されている。ただし、エリアは、フロアと対応して定義されるとは限らない。例えば、1つのフロアに複数のエリアが存在してもよい。また、複数のフロアをまとめて、1つのエリアとしてもよい。
なお、本実施例では、エリアIDの1つとして、監視端末5のID(例えば、“Z”)と、監視端末5の設置エリア(例えば、“B1F”)とが定義される。監視端末5のエリアを定義しておくのは、本使用電力管理システムの管理者、あるいは、本使用電力管理システムを利用するオフィスの管理者等に、監視端末5の位置を認識できるようにするためである。監視端末5の位置を認識できると、中継器2、電源接続機器1、電源接続機器1から電力を供給される機器等の管理上都合がいいからである。
図9に、電力値データベース312の構成を例示する。電力値データベース312は、電源接続機器IDと、センサIDと、各センサの時間帯ごとの電力値のフィールドを有する。したがって、本実施形態では、電源接続機器IDと、センサIDとの組み合わせによって、コンセントが特定できる。電源接続機器IDとセンサIDについては、すでに、電源接続機器データベース311において説明した。図9で電力値は、時間帯、例えば、5分間隔の時間で格納されている。5分間隔の場合、5分間の平均電力値を格納すればよい。なお、平均値の他に、最大値、最小値等を保存するようにしてもよい。また、例えば、時間帯の各始点での電力値、時間帯の中央の時刻での電力値、時間帯の終点での電力値等を保存するようにしてもよい。例えば、電流センサによる検出は、1秒間隔で実行し、平均値、最大値、最小値、時間帯始点の検出値、中央の時刻での検出値、時間帯終点での検出値等のいずれか1以上を保存するようにしてもよい。
ただし、電力値を格納する時間間隔は、使用電力管理システムが要求される管理精度、システムの規模、データベースが構築される外部記憶装置の容量等によって適正なものを選択すればよい。例えば、10分間隔で、電力値を保存してもよい。また、例えば、1秒間隔で、電力値を保存してもよい。
電力値の保存の仕方として、図9では、表のカラムに時間帯が特定されている。したがって、管理情報として電力値検出開始時刻、検出終了時刻、時間帯の時間幅(保存する時間間隔)を保存した上で、電力値の列をデータベースに保存すればよい。あるいは、例えば、(電力値の検出の時刻、電力値)を組みした列を保存してもよい。
図10に、接続機器データベース313の構成を例示する。接続機器データベース313は、電源接続機器ID、センサID、機器ID、機器グループID、利用者IDを対応付ける。図10で、機器IDが“デスクトップ”となっているのは、その行で定義されている電源接続機器IDとセンサIDとで特定されるコンセントには、デスクトップコンピュータが接続されることを示す。一方、機器IDが“任意”となっているのは、その行で定義されている電源接続機器IDとセンサIDとで特定されるコンセントに接続される機器には制約がないことを示す。
機器IDは、電源接続機器1のコンセントと関連付けられた接続機器の種別を示す識別情報である。機器IDとして例えば、デスクトップA、ノートブックB、ディスプレイC等を提示できる。機器グループIDは、接続機器の電源接続機器1のコンセントに接続される機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である。使用目的別の分類例として、「パソコン」、「冷房機器」、「暖房機器」、「調理機器」等が例示できる。「パソコン」には、例えば、デスクトップPCである「デスクトップ」、ノートブックPCである「ノートブック」、タブレットPCである「タブレット」等の機器が含まれる。冷房機器には、「エアコン」,「扇風機」,「サーキュレータ(送風機)」等の機器が含まれる。暖房機器には、「ファンヒータ」,「オイルヒータ」,「ハロゲンヒータ」,「ホットカーペット」,「コタツ」等の機器が含まれる。調理機器には、「炊飯器」,「電子レンジ」,「オーブンレンジ」等の機器が含まれる。
利用者IDは、電源接続機器データベース311で定義される電源接続機器1の利用者を識別する利用者識別情報である。利用者IDは、利用者をユニークに識別する。例えば、従業員番号、あるいは、エネルギー管理サーバ3に登録されたユーザ識別情報、PCのログイン名、グループウェア上での利用者識別情報、電子メールアドレス等である。ただし、コンセントごとに利用者IDを設定してもよい。接続機器データベース313が利用者記憶部の一例である。
図11に目的別機器グループデータベース316の構成を例示する。目的別機器グループデータベース316は、機器IDと機器グループIDとの関係を対応付ける。機器ID、機器グループIDについては、接続機器データベース313で説明した。目的別機器グループデータベース316よって、機器IDで特定される接続機器の種別と、使用目的別に分類された機器グループとの関係が定義される。目的別機器グループデータベース316を参照することで、目的別機器グループごとの使用電力が管理できる。
図12に、所属データベース314の構成を例示する。所属データベース314は、利用者IDと、部門IDとの関係を対応付ける。利用者IDについては、カテゴリ集計部304で説明した。所属データベース314によって、利用者IDで特定される利用者と、部門との関係が定義される。所属データベース314を参照することで、部門ごとの使用電力が管理できる。
なお、所属データベース314が、利用者IDおよび部門IDに加えて、さらに、ノード名、IPアドレス、MACアドレス、およびメールアドレスを対応付けて保持するようにしてもよい。ここで、ノード名は、利用者IDの利用者が使用するPCのネットワーク上の識別情報である。ノード名は、例えば、PCのOS(Operating System)のベンダが提供するLAN上の識別情報であってもよい。IPアドレスは、オフィス内のLAN上のローカルなIPアドレスでもよいし、インターネット上のグローバルなIPアドレスでもよい。MACアドレスは、利用者IDの利用者が使用するPCのネットワーク基板が有する、データリンク層のアドレスである。メールアドレスは、利用者IDの利用者に付与された電子メールアドレスである。
なお、所属データベース314には、ノード名、IPアドレス、MACアドレス、およびメールアドレスのすべてを格納してもよいし、その一部だけ、例えば、ノード名だけを格納してもよい。すなわち、本使用電力管理システムでは、エネルギー管理サーバ3、PC、監視端末5等が、ノード名、IPアドレス、MACアドレス、およびメールアドレスの少なくとも1つを使用して通信するようにすればよい。また、所属データベース314には、利用者IDおよび部門IDの関係を格納し、利用者IDと、ノード名、IPアドレス、MACアドレス、メールアドレス等の関係は、他のテーブルに保持するようにしても
よい。
図13に、使用電力推移データベース315の機器使用総電力推移情報の構成を例示する。機器使用総電力推移情報は、カテゴリ集計部304の使用電力の集計結果の1つである。図13の表の1行(レコード)が機器IDごとの使用電力の集計結果に該当する。機器使用総電力推移情報の各行は、図例のように、機器ID、年、月、週番号、台数、区分、総値、時間帯ごとの総電力値の各フィールドを有する。機器IDについては、接続機器データベース313で説明した。年のフィールドには、機器使用電力を集計した年を特定する情報が設定される。月のフィールドには、機器使用電力を集計した月を特定する情報が設定される。週番号のフィールドには、機器使用電力を集計した週を特定する情報が設定される。すなわち、図例では機器ごとの、過去の使用電力推移データを年別、月別、週別で集計することが想定されている。集計された機器ごとの機器使用電力推移情報は、1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録される。例えば、過去月の機器使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当月の属する年が設定され、過去月を特定する情報が月のフィールドに設定される。なお、過去月を特定する場合では、週番号が特定されないため、週番号のフィールドには「0」が設定される。
また、例えば、過去週の機器使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当週の属する年が設定され、過去週を特定するための情報が週番号のフィールドに設定される。過去週を特定する場合では、月が特定されないため、月のフィールドには「0」が格納される。
なお、図13の例では、集計した機器使用電力の推移情報は1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録されるが、機器使用電力の集計が1週間に1回と限定される訳
ではない。例えば、機器ごとの使用電力の集計は日ごとに行ってもよい。使用電力を毎日集計する場合には、週番号に代えて、日番号として、1―31等の日付を設定するようにすればよい。また、機器ごとの使用電力の集計は月ごとに行ってもよい。使用電力を毎月集計する場合には、週番号に代えて、月番号として、1―12等の月を特定する情報を設定するようにすればよい。また、例えば、春夏秋冬別の季節単位で個人の使用電力の集計を行ってもよく、年単位の集計でもよい。さらに、年、月、日の単位に限定されず、不定期の期間で機器ごとの使用電力の集計を行ってもよい。不定期の期間で機器ごとの使用電力の集計を行う場合には、例えば、週番号に代えて、集計期間の開始と終了を特定する情報(開始日、終了日等)を設定すればよい。
図13に例示する機器使用電力推移情報の構成に戻り、台数のフィールドには、同一の機器IDを有する機器の数量を特定する情報が設定される。区分のフィールドには、「min」、「max」、「all」で特定される機器ごとの機器使用電力値の集計情報が設定される。「min」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器IDを有する複数の機器で測定された使用電力値のうち、最小となる電力値である。「max」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器IDを有する複数の機器で測定された使用電力値のうち、最大となる電力値である。「all」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器IDを有する全ての複数の機器を足し合わせた集計値である。そして、総値のフィールドには、区分のフィールドで設定された集計情報に対応する機器ごとの機器使用電力値が格納される。すなわち、図例では機器ごとの、過去の使用電力推移データを「min」、「max」、「all」で特定することが想定されている。「min」で特定される機器ごとの機器使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される複数の機器の中で使用電力値が最小値となる機器のデータである。そして「min」で特定される使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「max」で特定される機器ごとの機器使用電力データは、年、月、週番号の各フィ
ールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される複数の機器の中で使用電力値が最大値となる機器のデータである。「max」で特定される使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「all」で特定される機器ごとの機器使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される全ての機器数の使用電力値を足し合わせた累計値である。「all」で特定される機器使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。
総電力値のフィールドは、時間帯ごとのサブフィールドを有する。時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された、区分のフィールドに設定された情報に応じた総電力値が格納される。総電力値の説明のため、図13に開示された、機器IDのフィールドに「ノートA」、週番号のフィールドに「50」が設定されたレコードを例とする。区分のフィールドに「min」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最小値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最小値は、同一機器IDに属する17台の「ノートA」の中で最も小さい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も小さい使用電力値である。
区分のフィールドに「max」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最大値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最大値は、同一機器IDに属する17台の「ノートA」の中で最も大きい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も大きい使用電力値である。
区分のフィールドに「all」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の累計値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された累計値は、同一機器IDに属する全ての使用電力値を足し合わせ、さらに、週番号「50」で特定された7日間の期間で足し合わせた累計値である。時間帯のサブフィールドに格納される総電力値は、各時間帯別に集計期間の、機器IDに属する全ての「ノートA」で使用電力を積分した電力値(17台×7日×時間帯別の使用電力値)である。総電力値の単位は、W/時間である。なお、時間帯のサブフィールドの時間間隔は、使用電力管理システムが要求される管理精度、システムの規模、データベースが構築される外部記憶装置の容量等によって適正なものを選択すればよい。例えば、10分間隔で、総電力値を格納してもよい。また、例えば、10秒間隔で、総電力値を格納してもよい。
図14に、使用電力推移データベース315の目的別使用総電力推移情報の構成を例示する。目的別使用総電力推移情報は、カテゴリ集計部304の使用電力の集計結果の1つである。図14の表の1行(レコード)が機器グループIDごとの使用電力の集計結果に該当する。目的別使用総電力推移情報の各行は、図例のように、機器グループID、年、月、週番号、台数、区分、総値、時間帯ごとの総電力値の各フィールドを有する。機器グループIDについては、接続機器データベース313で説明した。年のフィールドには、目的別使用電力を集計した年を特定する情報が設定される。月のフィールドには、目的別使用電力を集計した月を特定する情報が設定される。週番号のフィールドには、目的別使用電力を集計した週を特定する情報が設定される。すなわち、図例では機器ごとの、過去の使用電力推移データを年別、月別、週別で集計することが想定されている。集計された機器ごとの目的別使用電力推移情報は、1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録される。例えば、過去月の目的別使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当月の属する年が設定され、過去月を特定する情報が月のフィールドに設定される。なお、過去月を特定する場合では、週番号が特定されないため、週番号のフィールドには「
0」が設定される。
また、例えば、過去週の目的別使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当週の属する年が設定され、過去週を特定するための情報が週番号のフィールドに設定される。過去週を特定する場合では、月が特定されないため、月のフィールドには「0」が格納される。
なお、図14の例では、集計した目的別使用電力の推移情報は1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録されるが、目的別使用電力の集計が1週間に1回と限定され
る訳ではない。例えば、機器ごとの使用電力の集計は日ごとに行ってもよい。使用電力を毎日集計する場合には、週番号に代えて、日番号として、1―31等の日付を設定するようにすればよい。また、機器ごとの使用電力の集計は月ごとに行ってもよい。使用電力を毎月集計する場合には、週番号に代えて、月番号として、1―12等の月を特定する情報を設定するようにすればよい。また、例えば、春夏秋冬別の季節単位で個人の使用電力の集計を行ってもよく、年単位の集計でもよい。さらに、年、月、日の単位に限定されず、不定期の期間で機器ごとの使用電力の集計を行ってもよい。不定期の期間で機器ごとの使用電力の集計を行う場合には、例えば、週番号に代えて、集計期間の開始と終了を特定する情報(開始日、終了日等)を設定すればよい。
図14に例示する目的別使用電力推移情報の構成に戻り、台数のフィールドには、同一の機器グループIDを有する機器の数量を特定する情報が設定される。「min」、「max」、「all」で特定される機器ごとの機器使用電力値の集計情報が設定される。「min」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器グループIDを有する複数の機器で測定された使用電力値のうち、最小となる電力値である。「max」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器グループIDを有する複数の機器で測定された使用電力値のうち、最大となる電力値である。「all」で特定される機器使用電力値は、過去の集計期間における同一の機器グループIDを有する全ての複数の機器を足し合わせた集計値である。そして、総値のフィールドには、区分のフィールドで設定された集計情報に対応する機器ごとの目的別使用電力値が格納される。すなわち、図例では機器ごとの、過去の使用電力推移データを「min」、「max」、「all」で特定することが想定されている。「min」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される機器数の中で使用電力値が最小値となるデータである。「min」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「max」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される機器数の中で使用電力値が最大値となるデータである。「max」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「all」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および台数のフィールドで特定される全ての機器数の使用電力値を足し合わせた累計値である。「all」で特定される機器ごとの目的別使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。
総電力値のフィールドは、時間帯ごとのサブフィールドを有する。時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された、区分のフィールドに設定された情報に応じた総電力値が格納される。総電力値の説明のため、図14に開示された、機器グループIDのフィールドに「パソコン」、週番号のフィールドに「50」が設定されたレコードを例とする。区分のフィールドに「min」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最小値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最小値は、同一機器グループIDに属する30台の「
パソコン」の中で最も小さい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も小さい使用電力値である。
区分のフィールドに「max」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最大値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最大値は、同一機器グループIDに属する30台の「パソコン」の中で最も大きい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も大きい使用電力値である。
区分のフィールドに「all」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の累計値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された累計値は、同一機器グループIDに属する全ての使用電力値を足し合わせ、さらに、週番号「50」で特定された7日間の期間で足し合わせた累計値である。時間帯のサブフィールドに格納される総電力値は、各時間帯別に集計期間の、機器グループIDに属する全ての「パソコン」で使用電力を積分した電力値(30台×7日×時間帯別の使用電力値)である。総電力値の単位は、W/時間である。なお、時間帯のサブフィールドの時間間隔は、使用電力管理システムが要求される管理精度、システムの規模、データベースが構築される外部記憶装置の容量等によって適正なものを選択すればよい。例えば、10分間隔で、総電力値を格納してもよい。また、例えば、10秒間隔で、総電力値を格納してもよい。
図15に、使用電力推移データベース315の部門使用総電力推移情報の構成を例示する。部門使用総電力推移情報は、カテゴリ集計部304の使用電力の集計結果の1つである。図15の表の1行(レコード)が部門IDごとの使用電力の集計結果に該当する。部門使用総電力推移情報の各行は、図例のように、部門ID、年、月、週番号、人数、区分、総値、時間帯ごとの総電力値の各フィールドを有する。部門IDについては、所属データベース314で説明した。年のフィールドには、部門使用電力を集計した年を特定する情報が設定される。月のフィールドには、部門使用電力を集計した月を特定する情報が設定される。週番号のフィールドには、部門使用電力を集計した週を特定する情報が設定される。すなわち、図例では部門ごとの、過去の使用電力推移データを年別、月別、週別で集計することが想定されている。集計された部門ごとの部門使用電力推移情報は、1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録される。例えば、過去月の部門使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当月の属する年が設定され、過去月を特定する情報が月のフィールドに設定される。なお、過去月を特定する場合では、週番号が特定されないため、週番号のフィールドには「0」が設定される。
また、例えば、過去週の部門使用電力を集計する場合には、年のフィールドには該当週の属する年が設定され、過去週を特定するための情報が週番号のフィールドに設定される。過去週を特定する場合では、月が特定されないため、月のフィールドには「0」が格納される。
なお、図15の例では、集計した部門使用電力の推移情報は1週間ごとに使用電力推移データベース315に登録されるが、部門使用電力の集計が1週間に1回と限定される訳
ではない。例えば、部門ごとの使用電力の集計は日ごとに行ってもよい。使用電力を毎日集計する場合には、週番号に代えて、日番号として、1―31等の日付を設定するようにすればよい。また、部門ごとの使用電力の集計は月ごとに行ってもよい。使用電力を毎月集計する場合には、週番号に代えて、月番号として、1―12等の月を特定する情報を設定するようにすればよい。また、例えば、春夏秋冬別の季節単位で個人の使用電力の集計を行ってもよく、年単位の集計でもよい。さらに、年、月、日の単位に限定されず、不定期の期間で部門ごとの使用電力の集計を行ってもよい。不定期の期間で部門ごとの使用電
力の集計を行う場合には、例えば、週番号に代えて、集計期間の開始と終了を特定する情報(開始日、終了日等)を設定すればよい。
図15に例示する部門使用電力推移情報の構成に戻り、人数のフィールドには、同一の部門IDに所属する利用者の人数を特定する情報が設定される。区分のフィールドには、「min」、「max」、「all」で特定される利用者ごとの使用電力値の集計情報が設定される。「min」で特定される使用電力値は、過去の集計期間における同一の部門IDを有する複数の利用者の中で測定された使用電力値のうち、最小となる電力値である。「max」で特定される使用電力値は、過去の集計期間における同一の部門IDを有する複数の利用者の中で測定された使用電力値のうち、最大となる電力値である。「all」で特定される使用電力値は、過去の集計期間における同一の部門IDを有する全ての人数でそれぞれの使用電力値を足し合わせた集計値である。そして、総値のフィールドには、区分フィールドで設定された部門ごとの部門使用電力の集計値が格納される。すなわち、図例では部門ごとの、過去の使用電力推移データを「min」、「max」、「all」で特定することが想定されている。「min」で特定される部門ごとの部門使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および人数のフィールドで特定される利用者数の中で使用電力値が最小値となるデータである。「min」で特定される部門ごとの部門使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「max」で特定される部門ごとの部門使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および人数のフィールドで特定される利用者数の中で使用電力値が最大値となるデータである。「max」で特定される部門の部門使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。「all」で特定される部門ごとの部門使用電力データは、年、月、週番号の各フィールドで特定される過去の集計期間、および人数のフィールドで特定される全ての利用者数の使用電力値を足し合わせた累計値である。「all」で特定される部門ごとの部門使用電力データは、同一レコードの総値のフィールドに格納される。
総電力値のフィールドは、時間帯ごとのサブフィールドを有する。時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された、区分のフィールドに設定された情報に応じた総電力値が格納される。総電力値の説明のため、図15に開示された、部門IDのフィールドに「部門A」、週番号のフィールドに「50」が設定されたレコードを例とする。区分のフィールドに「min」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最小値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最小値は、同一部門IDに属する20人の「部門A」の中で最も小さい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も小さい使用電力値である。
区分のフィールドに「max」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の最大値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された最大値は、同一部門IDに属する20人の「部門A」の中で最も大きい使用電力値であり、且つ、週番号「50」で特定された7日間の期間で最も大きい使用電力値である。
区分のフィールドに「all」が設定されたレコードでは、時間帯のサブフィールドには、各時間帯で集計された使用電力値の累計値が総電力値として格納される。すなわち、時間帯のサブフィールドに格納された累計値は、同一部門IDに属する全ての利用者の使用電力値を足し合わせ、さらに、週番号「50」で特定された7日間の期間で足し合わせた累計値である。時間帯のサブフィールドに格納される総電力値は、各時間帯別に集計期間の、部門IDに属する全ての利用者で使用電力を積分した電力値(20人×7日×時間帯別の使用電力値)である。総電力値の単位は、W/時間である。なお、時間帯のサブフ
ィールドの時間間隔は、使用電力管理システムが要求される管理精度、システムの規模、データベースが構築される外部記憶装置の容量等によって適正なものを選択すればよい。例えば、10分間隔で、総電力値を格納してもよい。また、例えば、10秒間隔で、総電力値を格納してもよい。
〔処理フロー〕
図16に、エネルギー管理サーバ3による電力管理準備処理のフローチャートを例示する。エネルギー管理サーバ3は、主記憶装置に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより電力管理準備処理を実行する。電力管理準備処理は、図17に示す使用電力推移集計および図18に示す比較表示処理の前提として、実行される処理である。
エネルギー管理サーバ3は、まず、電源接続機器1およびセンサのIDを設定する(S1)。例えば、オフィス内に、新たな電源接続機器1が設置されたときには、システム管理者は、エネルギー管理サーバ3にアクセスし、所定の定義画面を立ち上げ、新たに設置された電源接続機器1をエネルギー管理サーバ3に登録する。例えば、4口コンセントを有する電源接続機器1に対しては、システム管理者は、1つの電源接続機器IDと、4つのセンサIDとを設定する。設定に際して、エネルギー管理サーバ3は、未使用の電源接続機器IDと、未使用のセンサIDを画面に表示し、ポインティングデバイス等によるシステム管理者の選択を促すようにしてもよい。エネルギー管理サーバ3は、システム管理者の指定にしたがって、電源接続機器データベース311のセンサIDテーブルに、電源接続機器IDとセンサIDを対応付けて保存する。
また、エネルギー管理サーバ3は、設置エリアのIDを設定する(S2)。すでに述べたように、設置エリアは、中継器2がカバーするエリアである。S2の処理では、設置エリアごとに、エリアIDと、それぞれのエリアに配置される1以上の電源接続機器1との関係が定義される。オフィス内に、新たな中継器2が設置されたときには、システム管理者は、エネルギー管理サーバ3にアクセスし、所定の定義画面を立ち上げる。そして、システム管理者は、新たに設置された中継器2がカバーするエリアのエリアID、エリア名、およびそのエリアに配置される電源接続機器1の関係をエネルギー管理サーバ3に登録する。
設定に際して、エネルギー管理サーバ3は、未使用のエリアIDを画面に表示し、ポインティングデバイス等によるシステム管理者の選択を促すようにしてもよい。また、エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器データベース311に登録済みであるが、エリアに配置していない電源接続機器の一覧を画面に表示し、ポインティングデバイス等によるシステム管理者の選択を促すようにしてもよい。また、エネルギー管理サーバ3は、エリア名の入力をシステム管理者から受け付けるようにしてもよい。エネルギー管理サーバ3は、以上のようなシステム管理者の指定にしたがって、電源接続機器データベース311の設置エリアIDテーブルに、エリアIDとエリア名とを対応付けて保存する。
なお、中継機2を用いないで、エネルギー管理サーバ3が電源接続機器1から使用電力(電流センサの検出電流)を収集するようにしてもよい。中継機2を用いない使用電力管理システムでは、エリアIDと電源接続機器IDとを一対一で対応付けて保存すればよい。また、以上のS1、S2の処理は、エネルギー管理サーバ3の電力管理処理とは、切り離してオフラインで実行してもよい。また、S1の処理と、S2の処理とは、シーケンシャルに実行しなくてもよい。
エネルギー管理サーバ3は、中継器2経由でそれぞれの電源接続機器1の電流センサから電流値を収集する(S3)。例えば、中継器2がカバーするエリア内の電源接続機器1の各電流センサから電流値を定期的に取得し、エネルギー管理サーバ3に報告するように
すればよい。報告には、例えば、電源接続機器ID、センサIDとともに、その報告の時点において電流センサで検出されている電流値を含めるようにすればよい。ただし、中継器2は、それぞれの電源接続機器1およびそれぞれの電流センサから取得した電流値を所定の順で配列し、電流値ベクトルデータの形式で、エネルギー管理サーバ3に報告してもよい。エネルギー管理サーバ3は、電流値ベクトルデータの形式にしたがって、各電流センサの電流値を読み取ればよい。エネルギー管理サーバ3は、収集した電流値を電力値に換算し、図9に示した形式で、電力値データベース312に格納すればよい。
この場合、エネルギー管理サーバ3は、収集した電力値をすべて電力値データベース312に格納してもよい。また、エネルギー管理サーバ3は、収集した電力値のうちの一部をサンプルとして、電力値データベース312に格納してもよい。
より具体的には、中継器2は比較的短期間、例えば、1秒間隔で電流値を取得し、エネルギー管理サーバ3に送信する。そして、エネルギー管理サーバ3は、中継器2から送信された電流値をすべて電力値に換算し、電力値データベース312に格納してもよい。また、エネルギー管理サーバ3は、中継器2から送信された電流値の集合から、所定期間、例えば、5分間隔でサンプル値を取得して電力値に換算し、電力値データベース312に格納してもよい。また、エネルギー管理サーバ3は、中継器2から送信された電流値から所定期間内の平均値、最大値、最小値、期間の始期の値、期間の終期の電力値等を求め、電力値データベース312に格納してもよい。
また、エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器1の電流センサで検出した電流波形からコンセントに接続された機器を選定する(S4)。例えば、パソコン、扇風機、スタンド、ヒータ、プリンター等の、電源投入後の定常状態となるまでの電力値の時系列変化を電力波形として機器に対応付けてデータベースに記憶する。エネルギー管理サーバ3は、データベースに格納された機器別の電力波形と、電源接続機器1のコンセントに接続された機器の電力値が定常状態となるまでの電力値の時系列変化とを照合し、両者の合致の度合いを条件に、コンセントに接続された機器を特定することができる。
なお、データベースに格納された電力波形との照合によりコンセントに接続された機器の特定が行えない場合には、例えば、確認用の画面を表示装置37に表示させてシステム管理者に接続機器を示す情報の入力を促すようにしてもよい。また、S4の処理は、例えば、図19に例示する使用電力推移集計時のS205で処理するとしてもよい。S4の処理を使用電力推移集計時に行う場合には、図16のフローチャートにおいて当該S4の処理を省略することができる。
エネルギー管理サーバ3は、特定された機器が属する目的別機器グループIDを目的別機器グループデータベースから抽出する。そして、エネルギー管理サーバ3は、接続機器データベース313に、電源接続機器IDとコンセントに対応するセンサIDと特定された接続機器と接続機器が所属する目的別機器グループIDと利用者IDとを対応付けて保存する。
次に、エネルギー管理サーバ3のカテゴリ集計部304による使用電力推移集計処理を説明する。図17に、エネルギー管理サーバ3による使用電力推移集計処理のフローチャートを例示する。エネルギー管理サーバ3は、主記憶装置に実行可能に展開されたコンピュータプログラムの実行により、カテゴリ集計部304による使用電力推移集計処理を行う。この処理は、バッチ処理により、本使用電力管理システムの管理者が設定した時期、例えば、1日1回、1週間に1回等のタイミングで起動される。なお、本使用電力管理システムの管理者のマニュアル操作等により、図17の処理を起動するようにしてもよい。この場合、例えば、使用電力の集計期間を指定するようにしてもよい。エネルギー管理サ
ーバ3は、以上のような条件を処理実行の起動トリガとして、図17に例示する使用電力推移集計処理を実行する。
エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器1の各コンセントに接続された機器の電力値を電力値データベース312から取得する(S10)。電力値データベース312に格納された電力値は、例えば、図9に示した形式で格納されている。そして、エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器IDごと、コンセントに対応付けられたセンサIDごとの使用電力値の集計を行う(S20)。S20では、エネルギー管理サーバ3は、接続機器データベース313、所属データベース314に格納されたデータを参照し、電源接続機器ID、センサIDと対応付けられた機器が属するカテゴリ別の使用電力値の集計を行う。ステップS20で集計された結果は、カテゴリ別の使用総電力推移情報として使用電力推移データベース315に格納される。
図19〜図29に、S20の詳細処理を例示する。図19は、S20の全体処理を例示するフローチャートである。
エネルギー管理サーバ3は、接続機器データベース313を参照して使用電力推移集計を行う利用者を順に指定する(S201)と共に、使用電力推移集計を行う起動日までの対象期間を順に指定し(S202)、変数に初期値を設定する(S203)。例えば、個人の使用電力推移を格納する変数「wk個人使用電力推移リスト」、機器の使用電力推移を格納する変数「wk機器使用電力推移コンセントリストa」,「wk機器使用電力推移コンセントリストb」,「wk機器使用電力推移コンセントリストc」,「wk機器使用電力推移コンセントリストd」を設定し、この値をそれぞれ0(クリア)とする。
エネルギー管理サーバ3は、例えば、使用電力推移集計を行うコンセントを順に指定し(S204)、起動された時から24時までのループ(S206)と、起動された時から60分までのループ(S207)を実行する。この2つのループで、エネルギー管理サーバ3は、例えば、5分間隔での電力情報を取得する(S208)。なお、電力値データベース312の構成で説明したように、例えば、10分間隔で電力値が保存される場合では、S208は、保存された10分間隔の電力情報を取得することとなる。さらに、例えば、1秒間隔で電力値が保存されている場合には、起動された時から60秒までのループを、S207−S208間に追加し、1秒間隔の電力情報を取得するとすればよい。S205の処理については、S4の説明で述べた通りである。ただし、このような電力値を取得する時間間隔に制限がある訳ではない。
エネルギー管理サーバ3は、S208で取得した電力情報を変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納する(S209)。変数「wk機器使用電力推移リストX」は、ステップS204で指定されたコンセントに対応する変数であり、例えば、コンセントaが指定された場合は変数「wk機器使用電力推移リストa」となる。S209の後、エネルギー管理サーバ3は、次の単位時間を指定し(S210、S211)、5分単位の電力情報を変数「wk機器使用電力推移リストX」に足し込んでいく。そして、次のコンセントを指定し(S212)、S204〜S211のステップを繰り返す。
S213でエネルギー管理サーバ3は、変数「wk機器使用電力推移コンセントリストa」,「wk機器使用電力推移コンセントリストb」,「wk機器使用電力推移コンセントリストc」,「wk機器使用電力推移コンセントリストd」の電力情報をさらに、変数「wk個人使用電力推移リスト」に足し込む。S213の結果、変数「wk個人使用電力推移リスト」には、4コンセント分の合計された電力情報が格納される。
S213の後、エネルギー管理サーバ3は、カテゴリ別にデータ集計を行い(S214
)、次の使用電力推移集計日、次の利用者を指定し(S215,S216)、S201〜S216のステップを繰り返す。この結果、エネルギー管理サーバ3は、電力値データベース312に格納された全ての電源接続機器ID、センサIDについて、比較表示を行うための重ね合わせデータが集計できる。
図20は、図19のS214におけるデータ集計の詳細処理を例示するフローチャートである。エネルギー管理サーバ3は、使用電力推移表示の対象機器が属するカテゴリ別に、週単位、月単位、年単位の過去期間の使用電力値を集計する。図20に例示するフローチャートでは、エネルギー管理サーバ3は、機器別グループ化(S220)、目的別グループ化(S240)、部門別グループ化(S260)の各カテゴリ別の集計処理を行う。なお、図20では、S220,S240,S260の順に各ステップ処理を行うが、各ステップ処理を並行して実行するとしてもよい。
図21は、図20のS220における機器別グループ化の詳細処理を例示するフローチャートである。機器別グループ化の詳細処理は、機器単位で当該機器が属する機器別のカテゴリを判定し、週単位、月単位、年単位の過去期間の使用電力値を集計する。このため、図21に例示するフローチャートでは、エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器1が備えるコンセントを順に指定し(S221)、コンセントに接続された機器の機器IDを特定する(S222)。コンセントに接続された機器は、接続機器データベース312に設定されたセンサIDと接続機器との対応付により特定される。エネルギー管理サーバ3は、S222の処理の後、図19のS206〜S213の集計日が属する該当週への集計値の登録(S223)、該当月への集計値の登録(S224)を行い、次のコンセントを指定し(S225)、S221〜S225のステップを繰り返す。
図22は、図20のS240における目的別グループ化の詳細処理を例示するフローチャートである。目的別グループ化の詳細処理は、機器単位で当該機器が属する目的別のカテゴリを判定し、週単位、月単位、年単位の過去期間の使用電力値を集計する。このため、図22に例示するフローチャートでは、エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器1が備えるコンセントを順に指定し(S241)、コンセントに接続された機器の目的別グループIDを特定する(S242)。コンセントに接続された機器は、接続機器データベース312に設定されたセンサIDと接続機器との対応付により特定される。エネルギー管理サーバ3は、S242の処理の後、図19のS206〜S213の集計日が属する該当週への集計値の登録(S243)、該当月への集計値の登録(S244)を行い、次のコンセントを指定し(S245)、S241〜S245のステップを繰り返す。
図23は、図20のS260における部門別グループ化の詳細処理を例示するフローチャートである。部門別グループ化の詳細処理は、利用者単位で利用者が所属する部門別のカテゴリを判定し、週単位、月単位、年単位の過去期間の使用電力値を集計する。このため、図23に例示するフローチャートでは、コンセント単位の指定は行わず、利用者が所属する部門IDを所属データベース314から特定する(S261)。エネルギー管理サーバ3は、S261の処理の後、図28のS271〜S296の集計日が属する該当週への集計値の登録(S262)、該当月への集計値の登録(S263)を行う。
図24は、図21のS223における機器別グループ化処理の該当週への登録処理を例示するフローチャートである。図24では、エネルギー管理サーバ3は、図21のS222で特定された機器IDの機器使用総電力推移情報の該当週に、該当するコンセントの一日の使用電力値を登録する(S231)。具体的には、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントに対応する変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値を、対象機器が属する機器IDの機器使用総電力推移情報の該当週に足し込みを行う。S231の後、エネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報の該当週の台数を1つカ
ウントアップし(S232)、S233のステップに移行する。
S233では、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントの一日の使用電力値と該当週の一日の使用電力値の最小値を示す「min総値」との比較を行う。ここで、「min総値」とは、例えば図13に例示する区分フィールドの、「min」に対応するレコードの総値フィールドに格納される情報である。
例えば、同じ機器IDを有する機器が10台である場合には、一日の総電力値を10台×7日間で相対的な比較を行うことにより、該当週における「min総値」を取得することができる。エネルギー管理サーバ3は、比較の結果、既に登録された「min総値」より該当するコンセントの一日の使用電力値が大きい場合(S233,“No”)には、S235に移行する。既に登録された「min総値」より小さい場合(S233,“Yes”)には、「min総値」を変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値に置き換える(S234)。
S235では、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントの一日の使用電力値と該当週の一日の使用電力値の最大値を示す「max総値」との比較を行う。ここで、「max総値」とは、例えば図13に例示する区分フィールドの、「max」に対応するレコードの総値フィールドに格納される情報である。
「max総値」と同じように、(同じ機器IDを有する機器の台数)×7日間で相対的な比較を行うことにより、該当週における「max総値」を取得できる。エネルギー管理サーバ3は、比較の結果、既に登録された「max総値」より該当するコンセントの一日の使用電力値が大きい場合(S235,“Yes”)には、「max総値」を変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値に置き換え(S236)、該当週の登録フローを終了する。既に登録された「max総値」より小さい場合(S233,“No”)には、「max総値」を置き換えずに該当週の登録フローを終了する。
なお、S233,S235のステップにおいて、該当週の「min総値」,「max総値」が登録されていない場合では、該当するコンセントの一日の使用電力値が該当週の「min総値」,「max総値」として登録される。
図25は、図21のS224における機器別グループ化の該当月への登録処理を例示するフローチャートである。図25では、エネルギー管理サーバ3は、図21のS222で特定された機器IDの機器使用総電力推移情報の該当月に、該当するコンセントの一日の使用電力値を登録する(S237)。使用電力値の当該月への登録においては、エネルギー管理サーバ3は、図24に例示する当該週への使用電力値の登録と同様の処理を行う。
すなわち、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントの変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値を、対象機器が属する機器IDの機器使用総電力推移情報の該当月に足し込みを行う。S237の後、エネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報の該当月の台数を1つカウントアップし(S238)、S239の処理に移行する。なお、S239,S23bのステップにおいて、エネルギー管理サーバ3は、該当月の「min総値」,「max総値」が登録されていない場合、該当するコンセントの一日の使用電力値を該当月の「min総値」,「max総値」として登録する。「min総値」はS233、「max総値」はS235で説明した通りである。
S239では、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントの一日の使用電力値と該当月の一日の使用電力値の最小値を示す「min総値」との比較を行う。比較の結果、既に登録された「min総値」より小さい場合(S239,“Yes”)には、「min
総値」を変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値に置き換える(S23a)。一方、既に登録された「min総値」より大きい場合(S239,“No”)には、「min総値」を置き換えずにS23bに移行する。
S23bでは、エネルギー管理サーバ3は、該当するコンセントの一日の使用電力値と該当月の一日の使用電力値の最大値を示す「max総値」との比較を行う。比較の結果、既に登録された「max総値」より大きい場合(S23b,“Yes”)には、「max総値」を変数「wk機器使用電力推移リストX」に格納された電力値に置き換える(S23c)。一方、既に登録された「max総値」より小さい場合(S23b,“No”)には、「max総値」は置き換えずに該当月の登録フローを終了する。
図26に、図22のS243における目的別グループ化処理の該当週への登録を行うフローチャートを例示する。図27に、図22のS244における目的別グループ化処理の当該月への登録を行うフローチャートを例示する。図26、27に例示する目的別グループ化処理への、該当するコンセントの一日の使用電力値の登録は、図24、25に例示する機器別グループ化処理で「機器使用総電力推移情報」を「目的別使用総電力推移情報」とした処理である。
例えば、図26に例示するフローチャートにおける該当週への登録では、S251−S252のステップが、図24に例示する機器別グループ化処理で「機器使用総電力推移情報」を「目的別使用総電力推移情報」とした処理である。また、図27に例示するフローチャートにおける該当月への登録では、S257−S258のステップが、図25に例示する機器別グループ化処理で「機器使用総電力推移情報」を「目的別使用総電力推移情報」とした処理である。図26の他のステップ(S253−S256)は、図24のS233−S236で既に説明した処理を実行する。また、図27の他のステップ(S259−S25c)は、図25のS239−S23cで既に説明した処理を実行する。
図28に、図23のS262における部門別グループ化処理の該当週への登録を行うフローチャートを例示する。図28では、エネルギー管理サーバ3は、図23のS261で特定された部門IDの部門別使用総電力推移情報の該当週に、該当する利用者の1日の使用電力値を登録する(S271)。エネルギー管理サーバ3は、該当する利用者に対応する変数「wk個人使用電力推移リスト」に格納された電力値を、利用者が所属する部門IDの部門別使用総電力推移情報の該当週に足し込みを行う。エネルギー管理サーバ3は、S271の後、エネルギー管理サーバ3は、部門別使用総電力推移情報の該当週の人数を1人カウントアップし(S272)、S273のステップに移行する。
S273では、エネルギー管理サーバ3は、該当する利用者の一日の使用電力値と該当週の一日の使用電力値の最小値を示す「min総値」との比較を行う。比較の結果、既に登録された「min総値」より小さい場合(S273,“Yes”)には、「min総値」を変数「wk個人使用電力推移リスト」に格納された電力値に置き換える(S274)。一方、既に登録された「min総値」大きい場合(S273,“No”)には、「min総値」は置き換えずにS275に移行する。
S275では、エネルギー管理サーバ3は、該当する利用者の一日の使用電力値と該当週の一日の使用電力値の最大値を示す「max総値」との比較を行う。比較の結果、既に登録された「max総値」より大きい場合(S275,“Yes”)には、「max総値」を変数「wk個人使用電力推移リスト」に格納された電力値に置き換える(S276)。一方、既に登録された「max総値」より小さい場合(S275,“No”)には、「max総値」は置き換えずに該当週の登録フローを終了する。
なお、S273,S275のステップにおいて、該当週の「min総値」,「max総値」が登録されていない場合には、該当する利用者の一日の使用電力値が該当週の「min総値」,「max総値」として登録される。
図29に、図23のS263における部門別グループ化処理の該当月への登録を行うフローチャートを例示する。部門別グループ化処理の該当月への登録では、エネルギー管理サーバ3は、該当する利用者の1日の使用電力値の登録を、部門IDの部門別使用総電力推移情報の該当月を登録対象先として、図28のS271−S276で既に説明した処理を実行する。また、部門別グループ化処理の該当週への登録と同様に、S279,S27bのステップにおいて、該当月の「min総値」,「max総値」が登録されていない場合には、該当する利用者の一日の使用電力値が該当月の「min総値」,「max総値」として登録される。
次に、エネルギー管理サーバ3の比較表示部305による比較表示処理を説明する。図18に、エネルギー管理サーバ3による比較表示処理のフローチャートを例示する。エネルギー管理サーバ3は、主記憶装置に実行可能に展開されたコンピュータプログラムの実行により、比較表示部305による比較表示処理を行う。この処理は、本使用電力管理システムの管理者のマニュアル操作等により起動される。エネルギー管理サーバ3は、このような条件を処理実行の起動トリガとして、図18に例示する比較表示処理を実行する。
エネルギー管理サーバ3は、使用電力推移データベース315からカテゴリ別の使用総電力推移情報を取得する(S30)。使用電力推移データベース315に格納されたカテゴリ別の使用電力推移情報は、例えば、図13〜図15に示した形式で格納されている。そして、エネルギー管理サーバ3は、カテゴリ別の使用電力推移情報として集計されたカテゴリ別の使用総電力値、使用電力の最大値および最小値に基づいて、例えば、本日の使用電力推移表示と比較する表示データの処理を行う(S40)。S40で処理された表示データは、ゴースト表示として使用電力推移表示と重ね合わせられ、表示装置37等の画面に表示される。
図30に、比較表示処理の詳細なフローチャートを例示する。図30に例示するフローチャートにおいて、S301〜S343が図18に例示するS30の処理に相当し、S400が図18に例示するS40の処理に相当する。
先ず、エネルギー管理サーバ3は、例えば、本システムの管理者等のマニュアル操作等で入力されたゴースト表示の対象となる、使用電力推移情報のカテゴリ区分を判定する(S301)。使用電力推移情報のカテゴリ区分は、例えば、図18に例示する比較表示処理の起動時に指定するとしてもよく、起動後に表示装置37等の画面上にカテゴリの一覧メニューを表示させ、ポインティングデバイス等の指示操作により、選定するとしてもよい。
エネルギー管理サーバ3は、S301で判定されたカテゴリ区分に従い、機器別の使用電力推移情報(S310)、目的別の使用電力推移情報(S320)、部門別の使用電力推移位情報(S330)を使用電力推移データベース315から取得する。そして、例えば、本日の使用電力推移表示に重ね合わせる比較表示としてのデータ処理を行う。なお、機器別の使用電力推移情報は、例えば、図13に示した形式で格納されている。また、目的別の使用電力推移情報は、例えば、図14に示した形式で格納されている。部門別の使用電力推移情報は、例えば、図15に示した形式で格納されている。
エネルギー管理サーバ3は、S310,S320の後、対象機器が接続された本日のコンセント単位の使用電力推移情報を電力値データベース312から取得する(S341、
S342)。また、エネルギー管理サーバ3は、S330の後、本日の利用者の使用電力推移情報を電力値データベース312から取得する(S343)。電力値データベース312に格納された電力値は、例えば、図9に示した形式で格納されている。電力値データベース312の構成で説明したように、例えば、5分単位で電力値が格納されている場合には、本日の0:00〜起動時までの1時間ごとの集計値として使用電力推移情報の取得を行う。この場合、起動時が属する時間帯の使用電力値は表示対象に含めないとしてもよい。
エネルギー管理サーバ3は、S341〜S343の後、S301で判定されたカテゴリの使用電力推移情報をゴースト表示として、本日の使用電力推移情報に重ね合わせて表示する(S400)。
図31は、図30のS310における機器別の使用電力推移情報の取得処理を例示するフローチャートである。図31に例示する取得処理において、エネルギー管理サーバ3は、ゴースト表示と重ね合わせを行うための機器使用電力推移表示単位を判定する(S311)。機器使用電力推移表示単位として、例えば、週番号で特定される過去週、月暦で特定される過去月、西暦等で特定される過去年が例示できる。機器使用電力推移位の表示単位は、例えば、図18に例示する比較表示処理の起動時に指定するとしてもよく、起動後に表示装置37等の画面上に表示単位の一覧メニューを表示させ、ポインティングデバイス等の指示操作により、選定するとしてもよい。
S311の結果、機器使用電力推移の表示単位が過去週の場合、エネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報から区分「all」のレコード行に格納された指定週の使用電力集計値である「総値」(以下、「all総値」と称する)、および台数を取得する(S312)。そして、エネルギー管理サーバ3は、取得した「all総値」を台数で除することにより、指定週の平均使用電力推移を算出する(S313)。S313で算出された平均使用電力推移は、対象機器の属する機器別グループの平均使用電力推移である。
また、エネルギー管理サーバ3は、指定週の機器使用総電力推移情報から区分フィールドで「min」のレコード行に格納された「総値」フィールドの格納値(以下、「min総値」と称する)および区分フィールドで「max」のレコード行に格納された「総値」フィールドの格納値(以下、「max総値」と称する)を取得する(S314)。S314で取得した「min総値」は、指定週の使用電力値の最小値の使用電力推移であり、「max総値」は、指定週の使用電力値の最大値の使用電力推移である。
S311の結果、機器使用電力推移の表示単位が過去月の場合、エネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報から指定月に対応する「all総値」および台数を取得し、取得した「all総値」を台数で除することにより、指定月の平均使用電力推移を算出する(S315−S316)。そして、エネルギー管理サーバ3は、指定月の機器使用総電力推移情報から区分「min」のレコード行に格納された「総値」(以下、「min総値」と称する)および区分「max」のレコード行に格納された「総値」(以下、「max総値」と称する)を取得する(S317)。
S311の結果、機器使用電力推移の表示単位が過去年の場合、エネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報から指定年に含まれる12ヶ月分の「all総値」、および台数を取得する(S318)。そして、エネルギー管理サーバ3は、取得した12ヶ月分の「all総値」を足し込み、足し込んだ12ヶ月分の「all総値」の累計値を台数で除することにより、指定年の平均使用電力推移を算出する(S319)。なお、S318の取得時に、月別の「all総値」と台数とから月別の平均使用電力推移を算出し、S319で12ヶ月分の平均使用電力推移を足し込んで指定年に対する平均使用電力推移を
算出する、としてもよい。
次にエネルギー管理サーバ3は、機器使用総電力推移情報から指定年に含まれる12ヶ月分の「min総値」および「max総値」を取得する(S31a)。そして、取得した各月の「min総値」を12ヶ月の間で相対比較を行い、「min総値」が最も小さいものを指定年における「min総値」とする(S31b)。エネルギー管理サーバ3は、「max総値」についても各月の「max総値」を12ヶ月の間で相対比較を行い、「max総値」の最も大きいものを指定年における「max総値」とする(S31c)。
図32は、図30のS320における目的別の使用電力推移情報の取得処理を例示するフローチャートである。図32の取得処理では、図14に例示する目的別使用総電力推移情報に対して、図31に例示した処理を行う。つまり、エネルギー管理サーバ3は、図31のS311〜S31cの各ステップを、機器使用総電力推移情報から目的別使用総電力推移情報に対象を置き換えて取得処理を行う。図32のS321〜S32cが、図31のS311〜S31cに相当する。
図33は、図30のS330における部門別の使用電力推移情報の取得処理を例示するフローチャートである。図33の取得処理でも、図15に例示する部門別使用総電力推移情報に対して、図31に例示した処理を行う。エネルギー管理サーバ3は、図31のS311〜S31cの各ステップを、機器使用総電力推移情報から部門別使用総電力推移情報に対象を置き換えて取得処理を行う。図33のS331〜S33cが、図31のS311〜S31cに相当する。
図34に、図30のS400における詳細なフローチャートを例示する。既に説明したように、S400では、S310で取得した機器別の使用電力推移情報をゴースト表示として、S341で取得した対象機器の本日の使用電力推移表示に重ね合わせを行う。また、S320で取得した目的別の使用電力推移情報をゴースト表示として、S342で取得した対象機器の本日の使用電力推移表示に重ね合わせを行う。さらに、S320で取得した部門別の使用電力推移情報をゴースト表示として、S343で取得した個人(利用者)の本日の使用電力推移表示に重ね合わせを行う。
ここで、使用電力推移を表示する場合、例えば、使用電力値を縦軸、推移時間を横軸として使用電力値の時間経過による推移変化を表示できる。このような時間経過による推移表示は、例えば、棒グラフ表示、折れ線グラフ表示、面グラフ表示等の表示形態が選択可能である。以下の説明では、縦軸に使用電力値、横軸に推移時間として折れ線グラフ表示を用いた使用電力推移表示の重ね合わせを説明する。
図34に例示するフローチャートでは、エネルギー管理サーバ3は、ゴースト表示として重ね合わせるときの、グラデーション種別を判定する(S401)。グラデーション種別は、ゴースト表示を行う際の表示形態である。
このような表示形態として例えば、指定されたカテゴリ別の平均使用電力推移情報、「min総値」、「max総値」の24時間推移を折れ線グラフで描画する形態が例示できる(S402−S404)。この形態(以下、グラデーションAと称する)では、「min総値」の24時間推移の中で最も小さい使用電力値と、「max総値」の24時間推移の中で最も大きい使用電力値との間の電力値領域を所定のグラデーションにより配色する。このような、グラデーションを行うことにより、過去の指定期間における全体的な使用電力推移幅に対する本日の使用電力推移の位置づけを、相対的に確認できる。
また、指定されたカテゴリ別の平均使用電力推移情報の24時間推移を折れ線グラフで
描画し、時間単位(例えば1時間)ごとの「min総値」と「max総値」を24時間に亘り連続して描画する形態が例示できる(S410−413)。この形態(以下、グラデーションBと称する)では、時間単位ごとの「min総値」と「max総値」との間の電力値領域を所定のグラデーションで配色する。このような、グラデーションを行うことにより、過去の指定期間における時間帯ごとの間隔で使用電力推移に対する本日の使用電力推移の位置づけを、相対的に確認できる。また、使用電力推移において時間帯ごとの使用電力の変動幅を把握できる。
さらに、時間単位ごとの平均使用電力推移情報、「min総値」、「max総値」を24時間に亘り連続して描画する形態が例示できる(S420−S423)。この形態(以下、グラデーションCと称する)では、時間単位ごとの「min総値」と「max総値」との間の電力値領域を所定のグラデーションで配色するとともに、時間単位ごとの平均使用電力推移情報を所定の色で配色する。このような、グラデーションを行うことにより、過去の指定期間における時間帯ごとの平均使用電力推移に対する本日の使用電力推移の位置づけを、相対的に確認できる。また、平均使用電力推移に対する、本日の使用電力推移との相対的な電力値差分が確認できる。
S401の結果、グラデーション種別がグラデーションAの場合、エネルギー管理サーバ3は、「min総値」、「max総値」を、重ね合わせ表示を行うグラフ上に設定する(S402)。
例えば、推移表示の表示間隔が1時間の場合では、「min総値」、「max総値」の1時間ごとの使用電力値を読み取り、単位時間が属する時間帯の中央に位置するように設定する。そして、各時間帯の「min総値」の最小値および、「max総値」の最大値を特定し、特定した「min総値」の最小値と「max総値」の最大値との間の電力値領域を、色彩を段階的に変化させるグラデーションによって配色する(S403)。例えば、「max総値」の最大値の使用電力値を赤色とし、「min総値」の最小値の使用電力値を青色に配色する。そして、「max総値」の最大値と「min総値」の最小値との間の電力値領域を、赤色から青色に色彩を段階的に変化させて配色することにより、グラデーションを施した使用電力推移情報のゴースト表示が得られる。
そして、エネルギー管理サーバ3は、平均使用電力推移情報の単位時間毎の電力値を読み取り、重ね合わせ表示を行うグラフ上に描画する(ステップS404)。推移表示の表示間隔が1時間の場合では、平均使用電力推移情報から1時間ごとの使用電力値を読み取り、単位時間が属する時間帯の中央に位置するように描画する。平均使用電力推移情報の描画において、エネルギー管理サーバ3は、折れ線グラフ表示に係る線種(例えば、実線、破線、鎖線等)や配色属性を設定する。このような、グラフ表示に係る線種や属性の設定は任意である。予め指定された線種や属性の情報に従って設定するとしてもよく、管理者等のユーザ操作入力による設定としてもよい。
S404の後、エネルギー管理サーバ3は、図30のステップS341−343で取得した本日の使用電力推移情報から単位時間毎の電力値を読み取り、重ね合わせ表示を行うグラフ上に描画する(ステップS405)。推移表示の表示間隔が1時間の場合では、本日の使用電力推移情報から1時間ごとの使用電力値を読み取り、単位時間が属する時間帯の中央に位置するように描画する。本日の使用電力推移情報の描画において、折れ線グラフ表示に係る線種や属性(例えば、太さ、配色等)は任意に設定できるが、重ね合わせ表示の時に、他のゴースト表示との区別が付けられることが好ましい。
S402−S405の結果、「min総値」、「max総値」、平均使用電力推移情報、本日の使用電力推移情報が、表示グラフ上の同一時間軸上に整列して描画される。この
結果、ゴースト表示の「min総値」、「max総値」、平均使用電力推移情報、の使用電力値と本日の使用電力推移情報の使用電力値とが表示画面上で比較可能となる。
S401の結果、グラデーション種別がグラデーションBの場合、エネルギー管理サーバ3は、時間単位(例えば1時間)を指定し(S410)、時間単位当たりの「min総値」、「max総値」を読み取り、重ね合わせ表示を行うグラフ上に設定する(S411)。
例えば、0時〜1時までの1時間当たりの「min総値」、「max総値」の使用電力値を読み取り、0時〜1時が属する時間帯の中央に位置するように設定する。そして、S403のステップと同様に、「min総値」と「max総値」との間の電力値領域を、色彩を段階的に変化させるグラデーションによって配色する(S412)。そして、エネルギー管理サーバ3は、次の時間帯(例えば、1時〜2時)を指定し(S413)、S411−412のステップを24時に達するまで繰り返す。エネルギー管理サーバ3は、24時までのグラデーション処理が終了した後、S404−S405のステップを実行し、平均使用電力推移情報および本日の使用電力推移情報の描画を行う。
S411−S413、S404−S405の結果、1時間当たりの「min総値」,「max総値」、平均使用電力情報、本日の使用電力推移情報が、表示グラフ上の同一時間軸上に整列して描画される。ゴースト表示の1時間当たりの「min総値」および「max総値」、平均使用電力推移情報の使用電力値と本日の使用電力推移情報の使用電力値とが表示画面上で比較可能となる。
S401の結果、グラデーション種別がグラデーションCの場合、エネルギー管理サーバ3は、時間単位(例えば1時間)を指定し(S420)、時間単位当たりの「min総値」、「max総値」、重ね合わせ表示を行うグラフ上に設定する(S421)。
例えば、0時〜1時までの1時間当たりの「min総値」、「max総値」の使用電力値を読み取り、0時〜1時が属する時間帯の中央に位置するように設定する。そして、時間単位当たりの平均電力推移情報の使用電力値を読み取り、重ね合わせ表示を行うグラフ上に設定し、1時間当たりの平均使用電力推移情報が濃く表示されるようにグラデーションを行う(S422)。
例えば、「max総値」の折れ線表示を赤色とし、「min総値」の折れ線表示を青色とし、平均使用電力推移情報の折れ線表示を橙色に配色する。そして、「max総値」の折れ線表示と平均使用電力推移情報の折れ線表示との間の電力値領域を、赤色から橙色に色彩を段階的に変化させて配色する。また、平均電力推移情報の折れ線表示と「min総値」の折れ線表示との間の電力値領域を、橙色から青色に色彩を段階的に変化させて配色する。
このようなグラデーションを施すことにより、平均使用電力推移位の折れ線表示近傍が色濃く表示される使用電力推移情報のゴースト表示が得られる。グラデーションCは、平均使用電力推移情報の折れ線表示近傍が色濃く表示されればよい。「max総値」の折れ線表示と平均使用電力推移情報の折れ線表示との間の電力値領域および、平均電力推移情報の折れ線表示と「min総値」の折れ線表示との間の電力値領域を、平均使用電力推移情報の折れ線表示が色濃く表示される、濃淡のグラデーションで配色するとしてもよい。
エネルギー管理サーバ3は、次の時間帯(例えば、1時〜2時)を指定し(S423)、S421−422のステップを24時に達するまで繰り返す。エネルギー管理サーバ3は、24時までのグラデーション処理が終了した後、S405のステップを実行し、本日
の使用電力推移情報の描画を行う。
S421−S423、S405の結果、1時間当たりの「min総値」,「max総値」,平均使用電力情報と本日の使用電力推移情報が、表示グラフ上の同一時間軸上に整列して描画される。ゴースト表示の1時間当たりの「min総値」,「max総値」,平均使用電力推移情報の使用電力値、本日の使用電力推移情報の使用電力値が表示画面上で比較可能となる。
図35に、図34のS402−S405における、グラデーションAによる電力推移位情報の、ゴースト表示との重ね合わせの表示結果を例示する。図36に、図34のS410−S413、S404、S405における、グラデーションBによる電力推移位情報の、ゴースト表示との重ね合わせの表示結果を例示する。図37に、図34のS420−S423、S405における、グラデーションCによる電力推移位情報の、ゴースト表示との重ね合わせの表示結果を例示する。
図35の表示を重ねあわせ画面A、図36の表示を重ねあわせ画面B、図37の表示を重ねあわせ画面Cと称する。重ねあわせ画面は、例えば、比較表示部305が生成し、利用者のPCあるいは監視端末5等に設けた表示装置に表示させる。なお、利用者のPCあるいは監視端末5等が、エネルギー管理サーバ3から、使用電力推移データベース315の情報を取得し、重ねあわせ画面を作成するようにしてもよい。
以下では、エネルギー管理サーバ3の比較表示部305が利用者のPCからの使用電力推移表示要求に従って、利用者のPCの表示装置に重ねあわせ画面を表示する処理例を説明する。図35〜37の表示画面では、横軸と縦軸が設定されている。横軸は、経過時間であり、単位時間は1時間である。縦軸は、電力値である。
利用者は、重ね合わせ画面の表示の際に、所望のゴースト表示との重ね合わせ情報を指定できる。例えば、機器別,目的別,部門別のカテゴリ指定、過去週,過去月,過去年の使用電力推移表示単位、グラデーションA,B,Cのグラデーション種別等である。また、折れ線グラフ表示に係る線種(例えば、実線、破線、鎖線等)や属性(例えば、太さ、配色等)等を指定してもよい。これらの重ね合わせ情報、折れ線グラフ表示に係る線種(例えば、実線、破線、鎖線等)や属性等は、利用者のPCからエネルギー管理サーバ3の比較表示部305に引き渡される。エネルギー管理サーバ3の比較表示部305は、利用者のPCからの設定に従って、画面を描画・生成する。
図35に例示する重ね合わせ画面Aでは、指定されたゴースト表示の重ね合わせ情報が表示領域Xに表示されている。図例では、グラデーションAの「機器別使用電力推移(週)」である。重ね合わせ画面Aでは、本日の使用電力推移が折れ線表示R1で表示される。折れ線表示R1は、使用者の電源接続機器1に接続された機器(対象機器)の使用電力推移である。
また、本日の使用電力推移に重ね合わせるゴースト表示の「min総値」が折れ線表示G1、「max総値」が折れ線表示G2、平均使用電力推移が折れ線表示G3で表示される。折れ線表示G1は、対象機器が属する機器グループの使用電力値が最小値の電力推移であり、折れ線表示G2は、対象機器が属する機器グループの使用電力値が最大値の電力推移である。折れ線表示G2は、対象機器が属する機器グループの平均使用電力推移である。折れ線表示R1、G1、G2、G3は、異なる線種や属性で表示される。例えば、折れ線表示G1は青色の実線、折れ線表示G2は赤色の実線、折れ線表示G3は橙色の点線等である。また、折れ線表示R1は、単位時間ごとの使用電力値を黒塗りの四角で示され、各使用電力値間を折れ線表示G1〜G3とは異なる色の線で接続されている。
重ね合わせ画面Aにおいて、折れ線表示R1、G1、G2、G3は、同一時間軸上に整列し時間経過に伴い変化していることがわかる。さらに、折れ線表示G1と折れ線表示G2との間の電力値領域は、青色から赤色に段階的に変化させるグラデーションで配色されて塗りつぶされている。折れ線表示G3は、グラデーションで塗りつぶされた領域内に表示されていることが分かる。また、折れ線表示R1は、0時から7時までの時間帯、15時から24時までの時間帯では折れ線表示G1を下回り、8時から15時までの時間帯では折れ線表示G1と粗重なるように推移していることが分かる。一日あたりの使用電力推移の傾向として、7時から8時の間に使用電力値のピークがあり、15時から16時の間に使用電力値の第2のピークがあることが分かる。
図36に例示する重ね合わせ画面Bでは、指定されたゴースト表示の重ね合わせ情報が表示領域Xに表示されている。図例では、グラデーションBの「機器別使用電力推移(週)」である。図36に例示する重ね合わせ画面Bも、図35に例示する重ね合わせ画面Aと同様である。ただし、グラデーションは、1時間ごとの「min総値」の推移と「max総値」の推移との間の電力領域に対して、配色がなされている。このため、折れ線表示G1と折れ線表示G2との間の電力値領域のグラデーションによる配色形態は図35と相違する。重ね合わせ画面Bでは、例えば、1時間ごとの区分で、対象機器の使用電力推移と「min総値」および「max総値」の使用電力推移とを同一時間軸上で比較することができる。利用者は、重ね合わせ画面Bに表示されたゴースト表示から使用電力値が増減する時間帯を読み取ることができ、使用電力値が増大する時間帯を具体的に把握できる。
図37に例示する重ね合わせ画面Cでは、指定されたゴースト表示の重ね合わせ情報が表示領域Xに表示されている。図例では、グラデーションCの「機器別使用電力推移(週)」である。図37に例示する重ね合わせ画面Cも、図36に例示する重ね合わせ画面Bと同様である。図37の重ね合わせ画面Cでは、1時間あたりの平均使用電力推移を採用し、「max総値」と平均使用電力推移との間の電力値領域、平均電力推移と「min総値」との間の電力値領域をグラデーションで配色して塗りつぶしている。例えば、「max総値」を赤色、「min総値」を青色、平均使用電力推移を橙色に配色し、「max総値」と平均使用電力推移情報との間の電力値領域を、赤色から橙色に色彩を段階的に変化させて配色している。また、平均電力推移情報と「min総値」との間の電力値領域を、橙色から青色に色彩を段階的に変化させて配色している。重ね合わせ画面Cでは、1時間ごとの平均電力推移が濃く表示されている。利用者は、重ね合わせ画面Cに表示されたゴースト表示から対象機器の属する機器グループの使用電力値の推移を読み取ることができ、ゴースト表示との比較から、時間帯ごとの、機器グループ内での対象機器の使用電力値の位置づけを確認できる。
以上述べたように、本実施形態の使用電力管理システムは、カテゴリ別の使用電力推移情報から使用電力値の最大値(「max総値」)、最小値(「min総値」)、平均使用電力推移といった客観的な基準をゴースト表示として対象機器の使用電力推移に重ね合わせて表示する。この結果、客観的な基準に基づく比較表示指標を利用者に提供できる。本実施形態の使用電力管理システムは、対象機器の使用電力推移表示とゴースト表示とを重ね合わせて表示することで、利用者が所属するグループの中での位置づけが見えるため、省エネルギー活動に取り組むように、動機付けすることができる。また、本実施形態の使用電力管理システムは、カテゴリ内の使用電力値の最大値と最小値との間の表示領域をグラデーションで配色することで、視認性を高めているため、ゴースト表示との比較が容易に行える。また、本実施形態の使用電力管理システムは、カテゴリ内の1時間当たりの使用電力値の最大値と最小値とをゴースト表示としているため、使用電力値が増減する時間帯に応じて省エネルギー活動を行うことができる。また、本実施形態の使用電力管理システムは、カテゴリ内の1時間当たりの平均使用電力推移をゴースト表示としているため、
利用者の省エネルギー活動の正当性を確認できる。また、本実施形態の使用電力管理システムは、カテゴリ別のゴースト表示が行えるので、様々な組織内で、使用する機器種別や使用目的別の単位での省エネルギー活動を効果的に可視化し、省エネルギー活動の推進を支援できる。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成と組み合わせることができる。
(付記1)
複数のプラグ接続部、
前記複数のプラグ接続部のそれぞれに供給される電流または電力を検出する複数のセンサ、および、
前記複数のセンサが検出した検出値を前記複数のプラグ接続部に対応付けて出力するデータ出力部、を有する電源接続機器と、
前記複数の電源接続機器のそれぞれのプラグ接続部に対応付けた検出値を取得する通信部、
前記複数の電源接続機器のそれぞれの利用者を識別する利用者識別情報と前記複数の電源接続機器のそれぞれとを対応付けて記憶する利用者記憶部、
前記利用者識別情報と対応する前記検出値を所定の時間間隔で、取得すると共に、基準とする期間内で最も大きい検出値を最大収集値および最も小さい検出値を最小収集値として特定する集計部、および
前記最大収集値と前記最小収集値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大収集値と前記最小収集値との差となる検出値の領域を、色の彩度、明度、色相の少なくとも1つに対応する階調、または色の濃淡に対応する階調を段階的に変化させて配色する表示処理部、を有する情報処理装置と、を備える使用電力管理システム。
(付記2)
前記情報処理装置は、
前記プラグ接続部に接続された機器の種類を特定する機器識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記機器識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器の種類の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記1に記載の使用電力管理システム。
(付記3)
前記情報処理装置は、
前記機器識別情報が含まれるカテゴリを特定するための機器グループ識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記機器グループ識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器グループの時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記2に記載の使用電力管理システム。
(付記4)
前記情報処理装置は、
前記利用者識別情報に関連付けけされた部門識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記部門識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各部門の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記2に記載の使用電力管理システム。
(付記5)
前記集計部は、さらに基準とする期間内の前記集計値を足し合わせ総集計値として特定する手段を有し、
前記表示処理部は、前記総集計値に基づいて平均集計値を特定する手段を有し、
前記最大集計値と前記最小集計値と前記平均集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最大集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色し、前記時系列で配列された前記最小集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最小集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色する、付記2から4の何れか1に記載の使用電力管理システム。
(付記6)
電源接続機器に設けられた複数のプラグ接続部のそれぞれに対応付けた検出値を取得する通信部と、
前記電源接続機器のそれぞれのプラグ接続部の利用者を識別する利用者識別情報と前記複数のプラグ接続部のそれぞれとを対応付けて記憶する利用者記憶部と、
前記利用者識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各利用者の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定する集計部と、
前記最大集計値と前記最小集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記最小集計値との差となる集計値の領域を、色の彩度、明度、色相の少なくとも1つに対応する階調、または色の濃淡に対応する階調を段階的に変化させて配色する表示処理部とを有する情報処理装置。
(付記7)
前記プラグ接続部に接続された機器の種類を特定する機器識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記機器識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器の種類の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記6に記載の前記情報処理装置。
(付記8)
前記機器識別情報が含まれるカテゴリを特定するための機器グループ識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記機器グループ識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器グループの時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記7に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記利用者識別情報に関連付けけされた部門識別情報を取得する手段をさらに備え、
前記集計部は、前記部門識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各部門の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定する、付記7に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記集計部は、さらに基準とする期間内の前記集計値を足し合わせ総集計値として特定する手段を有し、
前記表示処理部は、前記総集計値に基づいて平均集計値を特定する手段を有し、
前記最大集計値と前記最小集計値と前記平均集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最大集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色し、前記時系列で配列された前記最小集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最小集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色する、付記7から9の何れか1に記載の情報処理装置。
(付記11)
コンピュータが、電源接続機器に設けられた複数のプラグ接続部のそれぞれに対応付けた検出値を取得するステップと、
前記電源接続機器のそれぞれのプラグ接続部の利用者を識別する利用者識別情報と前記複数のプラグ接続部のそれぞれとを対応付けるステップと、
前記利用者識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各利用者の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、
前記最大集計値と前記最小集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記最小集計値との差となる集計値の領域を、色の彩度、明度、色相の少なくとも1つに対応する階調、または色の濃淡に対応する階調を段階的に変化させて配色するステップと、
を実行する情報処理方法。
(付記12)
前記プラグ接続部に接続された機器の種類を特定する機器識別情報を取得するステップをさらに備え、
前記機器識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器の種類の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行する付記11に記載の情報処理方法。
(付記13)
前記機器識別情報が含まれるカテゴリを特定するための機器グループ識別情報を取得するステップをさらに備え、
前記機器グループ識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器グループの時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行する付記12に記載の情報処理方法。
(付記14)
前記利用者識別情報に関連付けけされた部門識別情報を取得するステップをさらに備え、
前記集計部は、前記部門識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各部門の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行する付記12に記載の情報処理方法。
(付記15)
基準とする期間内の前記集計値を足し合わせ総集計値として特定するステップと、
前記総集計値に基づいて平均集計値を特定するステップと、
前記最大集計値と前記最小集計値と前記平均集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最大集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色し、前記時系列で配列された前記最小集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最小集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色するステップと、をさらに実行する付記12から14のいずれか1の付記に記載の情報処理方法。
(付記16)
コンピュータに、電源接続機器に設けられた複数のプラグ接続部のそれぞれに対応付けた検出値を取得するステップと、
前記電源接続機器のそれぞれのプラグ接続部の利用者を識別する利用者識別情報と前記複数のプラグ接続部のそれぞれとを対応付けるステップと、
前記利用者識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各利用者の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、
前記最大集計値と前記最小集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記最小集計値との差となる集計値の領域を、色の彩度、明度、色相の少なくとも1つに対応する階調、または色の濃淡に対応する階調を段階的に変化させて配色するステップと、
を実行させるためのプログラム。
(付記17)
前記プラグ接続部に接続された機器の種類を特定する機器識別情報を取得するステップをさらに備え、
前記機器識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器の種類の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行させるための付記16に記載のプログラム。
(付記18)
前記機器識別情報が含まれるカテゴリを特定するための機器グループ識別情報を取得す
るステップをさらに備え、
前記機器グループ識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各機器グループの時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値とし、最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行させるための付記17に記載のプログラム。
(付記19)
前記利用者識別情報に関連付けされた部門識別情報を取得するステップをさらに備え、
前記集計部は、前記部門識別情報と対応する前記検出値を時間帯毎に集計して、各部門の時間帯毎の集計値を求めると共に、基準とする期間内で最も大きい集計値を最大集計値および最も小さい集計値を最小集計値として特定するステップと、をさらに実行させるための付記17に記載のプログラム。
(付記20)
基準とする期間内の前記集計値を足し合わせ総集計値として特定するステップと、
前記総集計値に基づいて平均集計値を特定するステップと、
前記最大集計値と前記最小集計値と前記平均集計値とを単位時間を合わせて時系列で配列すると共に、前記時系列で配列された前記最大集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最大集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色し、前記時系列で配列された前記最小集計値と前記平均集計値との差となる集計値の領域を、前記最小集計値から前記平均集計値へ前記平均集計値が色濃くなるように濃淡を段階的に変化させて配色するステップと、をさらに実行させるための付記17から19の何れか1に記載のプログラム。