JP2013134276A - 微細凹凸構造を表面に有する物品、および保護フィルム付き物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微細凹凸構造を表面に有し、該表面を保護フィルムで保護される物品10であって、前記表面は、前記微細凹凸構造を有する領域(I)と、該領域(I)よりも保護フィルムとの剥離強度が高い領域(II)と、該領域(II)に隣接し、かつ領域(II)よりも保護フィルムとの剥離強度が低い領域(III)とを有する、微細凹凸構造を表面に有する物品10、および微細凹凸構造を表面に有する物品10の該表面が、保護フィルムで保護された、保護フィルム付き物品。
【選択図】図1
Description
しかし、微細凹凸構造を表面に有する物品は、表面が平坦な物品に比べて保護フィルムとの接触面積が小さいため、保護フィルムが十分に密着せず、保管時や搬送時に保護フィルムが剥がれることがあった。特に、Moth−Eye構造の微細凹凸構造は、通常の微細凹凸構造に比べて凸部間の間隔(周期)が狭いため保護フィルムとの接触面積がより小さく、保護フィルムを密着させるのが困難であった。
しかし、強粘着保護フィルムを用いると、時間が経過するにつれて保護フィルムの粘着剤が微細凹凸構造の内部に侵入していき、保護フィルムを剥離した後も、微細凹凸構造の内部に粘着剤が残留し(糊残り)、その結果、反射率が上昇して微細凹凸構造が持つ反射防止性が低下するといった問題があった。
また、基材と、該基材の表面の少なくとも一部が露出するように基材の表面に形成された中間層と、該中間層の表面の少なくとも一部が露出するように中間層の表面に形成された、表面が微細凹凸構造である硬化層とを有し、前記硬化層の表面が前記領域(I)であり、前記中間層の露出した表面が前記領域(II)であり、前記基材の露出した表面が前記領域(III)であることが好ましい。
さらに、前記領域(III)が、前記微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面の端部に位置することが好ましい。
また、本発明の保護フィルム付き物品は、前記微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面が、保護フィルムで保護されたことを特徴とする。
なお、図2〜8において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。また、図1〜8においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。また、「(共)重合体」は、重合体および共重合体を意味する。
本発明の微細凹凸構造を表面に有する物品は、微細凹凸構造を表面に有し、使用されるまでの間、該表面を保護フィルムで保護される。微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面は、前記微細凹凸構造の領域(I)と、該領域(I)よりも保護フィルムとの剥離強度が高い領域(II)と、該領域(II)に隣接し、かつ領域(II)よりも保護フィルムとの剥離強度が低い領域(III)とを有する。
なお、本発明において、微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面(すなわち、保護フィルムで保護される表面)を「物品の表面」という。
図1に示す物品10の場合、物品10の表面は、硬化層13の表面13aと、中間層12の露出した表面12aと、基材11の露出した表面11aとで構成され、硬化層13の表面13aが領域(I)であり、中間層12の露出した表面12aが領域(II)であり、基材11の露出した表面11aが領域(III)である。
なお、図1に示す物品10は長尺なフィルムであり、基材11および中間層12の表面の両端とは、幅方向における表面の端部のことである。
領域(I)の保護フィルムとの剥離強度(剥離強度(I))は特に限定されないが、1.0N/25mm以下が好ましく、0.03〜0.5N/25mmがより好ましい。剥離強度(I)が1.0N/25mmを超えると、領域(I)において保護フィルムが強固に密着し、保護フィルムを剥離しにくくなることがある。
物品の表面に保護フィルムを貼着したもの(保護フィルム付き物品)を剥離強度測定機にセットし、領域(I)と保護フィルムとが貼着している箇所において90°引き剥がし試験を行って剥離強度を測定し、これを剥離強度(I)とする。
領域(II)の保護フィルムとの剥離強度(剥離強度(II))は、剥離強度(I)よりも高い。剥離強度(II)が剥離強度(I)よりも高いことで、物品10の表面に保護フィルムを貼着したときに領域(II)において保護フィルムが十分に密着する。よって、領域(I)上で保護フィルムが浮いた状態であっても、保護フィルムが不用意に剥がれる恐れがない。加えて、領域(II)において十分な密着強度を確保できるので、粘着力の強い粘着剤層を備えた保護フィルムを用いる必要がなく、また、領域(I)上で保護フィルムが浮いた状態でもよいので、保護フィルムを剥離したときに糊残りを抑制できる。
剥離強度(II)は剥離強度(I)と同様の方法にて、領域(II)と保護フィルムとが貼着している箇所において引き剥がし試験を行い、剥離強度を測定することで求められる。
領域(III)の保護フィルムとの剥離強度(剥離強度(III))は、剥離強度(II)よりも低い。剥離強度(III)が剥離強度(II)よりも低いことで、保護フィルムが貼着した物品から保護フィルムを剥がすときに、領域(III)が剥離の起点となるため、保護フィルムを容易に剥離できる。
剥離強度(III)は剥離強度(I)と同様の方法にて、領域(III)と保護フィルムとが貼着している箇所において引き剥がし試験を行い、剥離強度を測定することで求められる。
なお、物品10の表面の端部とは、物品10が長尺なフィルムである場合、幅方向における表面の端部のことである。
なお、領域(I)の幅w1については特に制限されず、物品10の用途に応じて適宜設定すればよい。
上述したように、基材11の露出した表面11aは領域(III)であり、中間層12の露出した表面12aは領域(II)であり、硬化層13の表面13aが領域(I)である。
基材11を構成する材料としては、剥離強度(III)が剥離強度(II)よりも低くなるものであれば特に限定されないが、光を透過するものが好ましく、例えば(メタ)アクリレート系(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等の合成高分子、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等の半合成高分子、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、それら高分子の複合物(例えば、ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸の複合物、ポリメチルメタクリレートとポリ塩化ビニルの複合物)、ガラス等が挙げられる。
また、剥離強度(III)が剥離強度(II)よりも低い状態を維持できれば、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性の改良を目的として、基材11の中間層12が形成される側の表面に、コーティングやコロナ処理などの表面処理を施してもよい。
また、これら密着性の高い樹脂の中でも、数平均分子量が1000,000以下、好ましくは100,000以下、より好ましくは40,000以下の低分子量成分を含む樹脂、架橋剤量が20部以下、好ましくは10部以下、より好ましくは1部以下の架橋密度が低い樹脂、室温での弾性率が1010Pa以下、好ましくは109Pa以下、より好ましくは108Pa以下の樹脂が好ましい。
また、中間層12は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
硬化層13の厚さは6〜29μmが好ましく、8〜21μmがより好ましい。硬化層13が上記範囲より薄いと、破断する場合がある。一方、硬化層13が上記範囲より厚いと、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて硬化層13を形成する際に、通常の紫外線照射では硬化が十分に進行しにくい場合がある。
凸部13bの形状としては、例えば円錐状、角錐状、釣鐘状などが挙げられる。ただし、凸部13bの形状はこれらに限定されず、硬化層13を膜面で切断した時の断面積の占有率が連続的に増大するような構造であればよい。また、より微細な凸部が合一して微細凹凸構造を形成していてもよい。すなわち、空気から材料表面まで連続的に屈折率を増大し、低反射率と低波長依存性を両立させた反射防止性能を示すような形状であればよい。
また、最低反射率や特定波長の反射率の上昇を抑制する観点から、凸部13bの高さまたは凹部13cの深さ(図3では、凹部13cの中心点(底点)から凸部13bの中心点(頂部)までの垂直距離d)は60nm以上が好ましく、90nm以上がより好ましい。
なお、良好な反射防止性能を発現する微細凹凸構造の形状については、特開2009−31764号公報などに記載されており、本発明においてもそれと同様の形状を用いることができる。
この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と言う場合がある)は、重合反応性モノマー成分と、活性エネルギー線重合開始剤と、必要に応じてその他の成分とを含有する。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマーや多官能モノマーが挙げられ、具体的には、各種の(メタ)アクリレート及びその誘導体などが挙げられる。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられる。
微細凹凸構造を形成するのに適した重合反応性モノマー成分や活性エネルギー線重合開始剤としては、例えば特開2009−31764号公報に記載の各種の化合物を使用できる。
また、樹脂組成物の70℃における回転式B型粘度計で測定される粘度は、5000mPa・s以下が好ましく、2000mPa・s以下がより好ましい。
以上の点から、樹脂組成物の硬化物の引張弾性率は、1GPa以上が好ましい。そのような樹脂組成物を使用すれば、凸部13b同士が寄り添うことを回避し易くなる。
図1に示す物品10は、例えば基材11上に中間層12を形成した後、微細凹凸構造の反転構造を表面に有するスタンパを用いて中間層12上に硬化層13を形成することで得られる。
中間層12の形成方法としては、上述した樹脂や添加剤を溶剤に溶解または分散させて中間層用材料を基材11上に塗布した後、溶剤を乾燥させる方法や、上述した樹脂のうち、反応性樹脂を含む中間層用材料を基材11上に塗布した後、光や熱により硬化させる方法、これらを多段に組み合わせた方法などが挙げられる。
良好な反射防止性能を発現する微細凹凸構造の形成方法については、特開2009−31764号公報などに記載されており、本発明においてもそれと同様の形成方法を用いることができる。
また、硬化層13の形成に用いるスタンパに微細凹凸構造の反転構造を形成する方法については特に制限されず、電子ビームリソグラフィー法、レーザー光干渉法が挙げられる。例えば、適当な支持基板上に適当なフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザー、電子線、X線等の光で露光し、現像することによって微細凹凸構造を有する型が得られる。さらに、陽極酸化ポーラスアルミナをスタンパとして利用することも可能である。例えば、アルミニウムをシュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧にて陽極酸化することにより形成される20〜200nm間隔の細孔構造をスタンパとして利用してもよい。
以上説明した本発明の物品は、その表面が上述した領域(I)〜(III)を有するので、保護フィルムを貼着したときに領域(II)において保護フィルムが十分に密着する。さらに、領域(II)において十分な密着強度を確保できるので、粘着力の強い粘着剤層を備えた保護フィルムを用いる必要がなく、また、領域(I)上で保護フィルムが浮いた状態でもよいので、保護フィルムを剥離したときに糊残りを抑制できる。加えて、領域(III)が保護フィルムを剥がすときの剥離の起点となるので、保護フィルムを容易に剥離できる。よって、例えば低粘着性の粘着ロールを有するフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを自動的に安定して剥離することが可能となる。
本発明の物品は、図1に示す物品10に限定されない。図1に示す物品10は、領域(III)が物品の表面の端部の両方に位置し、かつ領域(II)が領域(I)の両側に位置しているが、例えば図4(a)に示す物品20aのように、表面の一方の端部のみに領域(III)が設けられていてもよい。なお、図4(a)に示す物品20aは、表面の他方の端部に領域(I)が位置しているが、図4(b)に示す物品20bのように、表面の他方の端部には領域(II)が位置していてもよい。
ただし、図1に示すように領域(III)が物品の表面の端部の両方に位置していれば、保護フィルムを剥がすときに物品10の両側から容易に剥離できる。また、図1、4(b)に示すように、領域(II)が領域(I)の両側に位置していれば、保護フィルムを貼着したときに物品10との密着性がより向上し、詳しくは後述するが、図8に示すように保護フィルム60が領域(I)に橋架けした状態で物品10の表面を覆うため、物品10の汚れや傷付きをより効果的に防止できる。
ただし、図1、5(a)に示すように中間層12を介して基材11上に硬化層13を形成すれば、基材11と硬化層13との接着性がより向上する。
ただし、図1に示すように中間層12を介して基材11上に硬化層13を形成すれば、基材11と硬化層13との接着性がより向上する。
部材14、15の材料としては、剥離強度(I)〜(III)が上述した関係を満たすものであれば特に制限されない。
本発明の保護フィルム付き物品は、上述した本発明の物品の表面に保護フィルムが貼着し、表面が保護フィルムで保護されたものである。
図8に、本発明の保護フィルム付き物品の一例を示す。この例の保護フィルム付き物品1は、図1に示す物品10の表面に保護フィルム60が貼着されている。
図8に示す保護フィルム60は、基材フィルム61上に粘着剤層62が積層している。
基材フィルム61を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、セロハン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、アセチルセルロース等が挙げられる。中でも柔軟性、透明性などの観点から、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
保護フィルム60のアクリル樹脂製の平板に対する剥離強度は、アクリル樹脂製の平板に保護フィルムを貼着したものを剥離強度測定機にセットし、90°引き剥がし試験を行って剥離強度を測定することで求められる。
本発明の保護フィルム付き物品1は、例えば上述した方法により物品10を製造した後、物品10の表面に保護フィルム60を貼着することで製造できる。このとき、保護フィルム60は硬化層13の表面(すなわち、領域(I))に貼着していてもよいし、硬化層13上で保護フィルム60が浮いた状態でもよい。
以上説明した本発明の保護フィルム付き物品は、本発明の物品の表面に保護フィルムが貼着しているので、物品の表面の領域(II)において保護フィルムが十分に密着している。さらに、領域(II)において十分な密着強度を確保できるので、粘着力の強い粘着剤層を備えた保護フィルムを用いる必要がなく、また、領域(I)上で保護フィルムが浮いた状態でもよいので、保護フィルムを剥離したときに糊残りを抑制できる。加えて、物品の表面の領域(III)が保護フィルムを剥がすときの剥離の起点となるので、保護フィルムを容易に剥離できる。
<物品の製造>
(中間層の形成)
基材として145mm×145mmのトリアセチルセルロースフィルム(厚さ40μm)を用意した。この基材上に、基材の表面が端から10mmの幅で露出するように、バーコーターを用いてアクリル系樹脂を含有する中間層用材料(東亞合成株式会社製、「アロンタック S−1511X」、粘度3000〜6000mPa・s/25℃、アクリル樹脂製の平板との剥離強度26.5N/25mm)を均一に塗布し、70℃の乾燥機内にて5分間静置し、135mm×135mmの中間層(厚さ10μm)を形成した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、「A−DPH」)25質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬株式会社製、「PET−3」)25質量部、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「KAYARAD DPEA−12」)25質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、「A−600」)25質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー株式会社製、「IRG.184」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(日本チバガイギー株式会社製、「IRG.819」)0.5質量部、ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸(日本ケミカルズ株式会社製、「NIKKOL TDP−2」)0.1質量部を混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
微細凹凸構造を表面に有する半径60mmの円盤状スタンパの微細凹凸構造面に、先に調製した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を流し込み、その上から、中間層が形成された基材の中心とスタンパの中心とが一致するように、かつ活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と中間層とが接するように、中間層が形成された基材で活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を押し広げながら被覆した。ついで、基材側から高圧水銀灯を用いて1000mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化した。その後スタンパを剥離して、微細凹凸構造を表面に有する物品を得た。
また、この物品10は、145mm×145mmの基材上に、135mm×135mmの中間層が形成されており、さらに該中間層上に微細凹凸構造を有する硬化層が基材の中心から半径60mmで形成されている。
保護フィルムとしてポリオレフィン系フィルム(株式会社サンエー化研製、「PAC−4−50」、アクリル樹脂製の平板との剥離強度0.1N/25mm)の粘着面を物品の硬化層が形成されている全面に手で圧着し、保護フィルム付き物品を得た。
同様にして、基材の露出した表面(すなわち、領域(III))と保護フィルムとが貼着している箇所において引き剥がし試験を行い、剥離強度を測定した。その結果、領域(III)の保護フィルムとの剥離強度(III)は0.15N/25mmであった。
さらに、保護フィルム付き物品を直径1cmのロール状に巻き取った際、およびロール状から伸ばした際に、保護フィルムは剥離しなかった。
また、実施例1で得られた保護フィルム付き物品は、その表面に剥離強度の異なる領域(II)、(III)を備えているので、剥離強度が低い領域(III)が剥離の起点となり、保護フィルムを剥離しやすかった。
中間層用材料として、アクリル系樹脂を含有する中間層用材料(東亞合成株式会社製、「アロンタック S−3403」、粘度3500〜4500mPa・s/25℃、アクリル樹脂製の平板との剥離強度31.4N/25mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして物品を製造し、保護フィルムを貼着して剥離強度を測定した。
その結果、領域(II)の保護フィルムとの剥離強度(II)は9.7N/25mmであり、領域(III)の保護フィルムとの剥離強度(III)は0.15N/25mmであった。
また、保護フィルムを剥がした後の物品の表面を目視にて観察したところ、微細凹凸構造に糊残りは生じていなかった。
さらに、保護フィルム付き物品を直径1cmのロール状に巻き取った際、およびロール状から伸ばした際に、保護フィルムは剥離しなかった。
また、実施例2で得られた保護フィルム付き物品は、その表面に剥離強度の異なる領域(II)、(III)を備えているので、剥離強度が低い領域(III)が剥離の起点となり、保護フィルムを剥離しやすかった。
中間層を形成しなかった以外は(すなわち、基材上に直接硬化層を形成し、領域(II)を形成しなかった以外は)、実施例1と同様にして物品を製造し、保護フィルムを貼着して保護フィルム付き物品を製造した。
得られた保護フィルム付き物品を直径1cmのロール状に巻き取った際、およびロール状から伸ばした際に、保護フィルムが剥がれてしまい、保護フィルムが十分に密着していなかった。
基材表面の全面に中間層を形成した以外は(すなわち、領域(III)を形成しなかった以外は)、実施例1と同様にして物品を製造し、保護フィルムを貼着して保護フィルム付き物品を製造した。
得られた保護フィルム付き物品から保護フィルムを剥がそうとしたが、保護フィルムを剥離するのが困難であった。
10、20a、20b、30a、30b、40、50 物品
11 基材
11a 基材の露出した表面
12 中間層
12a 中間層の露出した表面
13 硬化層
13a 硬化層の表面
13b 凸部
13c 凹部
60 保護フィルム
61 基材フィルム
62 粘着剤層
Claims (4)
- 微細凹凸構造を表面に有し、該表面を保護フィルムで保護される物品であって、
前記表面は、前記微細凹凸構造の領域(I)と、該領域(I)よりも保護フィルムとの剥離強度が高い領域(II)と、該領域(II)に隣接し、かつ領域(II)よりも保護フィルムとの剥離強度が低い領域(III)とを有する、微細凹凸構造を表面に有する物品。 - 基材と、該基材の表面の少なくとも一部が露出するように基材の表面に形成された中間層と、該中間層の表面の少なくとも一部が露出するように中間層の表面に形成された、表面が微細凹凸構造である硬化層とを有し、
前記硬化層の表面が前記領域(I)であり、前記中間層の露出した表面が前記領域(II)であり、前記基材の露出した表面が前記領域(III)である、請求項1に記載の微細凹凸構造を表面に有する物品。 - 前記領域(III)が、前記微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面の端部に位置する、請求項1または2に記載の微細凹凸構造を表面に有する物品。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細凹凸構造を表面に有する物品の該表面が、保護フィルムで保護された、保護フィルム付き物品。
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