JP2013133876A - 部材連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】相互に連結された部材に意図しない外力が加わっても両部材の連結が解除され難くする。
【解決手段】ロア部材に設けられた係止フック30とアッパー部材に設けられた係止口40とは、係止フック30を構成する一対の係止片部32,32に突出形成された係止爪部33と係止口40の第1縁部41との重なり幅が、両係止片部32,32の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異なるように構成される。係止口40には、両第1縁部41,41間において重なり幅が小さい側に延在する第2縁部42から係止片部32,32間に向けて突出する突起部45が設けられている。突起部45は、係止爪部33と第1縁部41との最大の重なり幅を越えた該係止爪部33の変位を規制する。
【選択図】図3

Description

この発明は、一方の部材と他方の部材とを連結する部材連結構造に関するものである。
自動車の乗員室内には、車体に着脱可能に取り付けられて、車体や該車体との間に配設される車体構成部材を被覆する種々の車両内装部材が配設されている。図9は、車体におけるフロントドアとリアドアとの間に設けられるセンターピラー部(図示せず)に、乗員室内から取付けられるセンターピラーガーニッシュ10を示す斜視図である。図9に示すセンターピラーガーニッシュ10は、上下方向における略中間にシートベルト51の引出口13が設けられるタイプで、上側に配設されるアッパー部材11および該アッパー部材11に連結されて下側に配設されるロア部材12から構成される(引出口13が設けられていないタイプもある)。すなわち、図10(a)に示すように、アッパー部材11の下部には板厚方向に開口する係止口25が設けられると共に、ロア部材12における車体に臨む後面には該係止口25に挿入して係止される係止フック20が設けられ、係止フック20と係止口25との係止によりアッパー部材11とロア部材12との連結が図られる(図10(b))。
前記係止フック20は、図10および図11に示すように、突出方向に延在して上下に貫通するスリット21が形成され、このスリット21を挟んで並んで突出する一対の係止片部22,22を備えており、両係止片部22,22は、前記スリット21を挟んで互いに近接・離間する方向(接離方向)に撓む弾性変形が可能となっている。また、両係止片部22,22の突出端側には、前記接離方向において前記スリット21側(他方の係止片部22側)と反対側へ突出する係止爪部23が設けられている。前記係止爪部23は、係止片部22の突出端側から基端側に向かうにつれて他方の係止片部22から徐々に離間する傾斜面23Aと、この傾斜面23Aの基端側端部から他方の係止片部側へ延在する係止面23Bとを備えており、該傾斜面23Aの基端側における係止幅は係止口25の開口幅より大きく設定されている。
従って、前述した部材連結構造では、係止フック20が係止口25へ差込んで挿入される際には、両係止片部22,22の傾斜面23Aが係止口25の開口縁に当接することで両係止片部22,22が互いに近接するように弾性変形し(図11(a)に2点鎖線で表示)、両係止爪部23,23が係止口25を通過すると両係止片部22,22の弾性変形が解除されて両係止爪部23,23の係止面23Bが係止口25の縁部に係止される(図11(a)、図11(b))。また、係止フック20と係止口25とは、該係止フック20の挿入方向とは反対方向へロア部材12を引っ張ると、係止フック20の両係止片部22,22が互いに近接するように弾性変形して該係止フック20と係止口25との係止が解除され、係止フック20が係止口25から抜出してロア部材12とアッパー部材11とを分離し得るように構成されている。このような係止口に係止フックを挿入して係止する部材連結構造は特許文献1に開示されている。
特開2000−318657号公報
ところで、図9〜図11に示す従来の部材連結構造では、係止口25の縁部に両係止爪部23,23が係止した状態において、係止フック20に対し、係止口25に対する係止フック20の挿脱方向と直交する前記接離方向から外力が加わると、両係止片部22,22が互いに近接するよう弾性変形する。このため、図12(a)および図12(b)に示すように、外力が加わった側に位置する係止片部22の係止爪部23と係止口25との係止が解除されて所謂片外れの状態となり、係止フック20が係止口25から外れて連結が解除され易くなる問題がある。前述したセンターピラーガーニッシュ10は、半樋状の部材であり、成形状の都合から該センターピラーガーニッシュ10の幅方向と係止フック20の接離方向とが略一致しており、乗降する乗員の身体がロア部材12の側方や斜め後方から当たると前述したように係止片部22が弾性変形して片外れ状態となり、ロア部材12がアッパー部材11から分離するおそれがある。
すなわち本発明は、従来の技術に係る部材連結構造に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、相互に連結された部材に意図しない外力が加わっても両部材の連結が解除され難い部材連結構造を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の部材連結構造は、
一方の部材に並べて突出形成され、互いに接離する方向に弾性変形可能な一対の係止片部および該係止片部において互いに離れる方向に突出形成された係止爪部を有する係止フックと、他方の部材に形成された係止口とからなり、前記係止口に挿入した前記係止フックの係止爪部が該係止口の係止縁部に挿脱方向に重なるように引っ掛かることで両部材を連結する部材連結構造において、
前記係止フックと前記係止口とは、前記係止爪部と前記係止縁部との重なり幅が、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異なるように構成され、
前記係止口には、前記係止縁部間において前記重なり幅が小さい幅狭側に延在する開口縁部から前記係止片部間に向けて突出し、最大の前記重なり幅を越えた前記係止爪部における前記幅狭側の変位を規制する突起部が設けられたことを要旨とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、係止口に係止フックが挿入した状態において、両係止片部の接離方向から該係止フックに外力が付与された場合には、係止口における係止縁部間において係止フックと係止口との重なり幅が小さい幅狭側に延在する開口縁部に設けられた突起部に、外力が付与された側の係止片部が当接する。そして、係止片部が突起部に当接して接触することで、該係止片部の係止爪部における重なり幅が大きい側は係止口の係止縁部に係止した状態に維持される。従って、係止フックに接離方向から外力が付与されても両係止片部の係止爪部が係止口の両係止縁部に係止されているので、係止フックが係止口から抜出することが防止され、これにより一方の部材と他方の部材との連結を維持することができる。
請求項2に係る発明では、
前記係止片部と突起部とは、前記最大の重なり幅より小さいクリアランスで離間するように構成されたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、係止片部が、突起部と該係止片部とのクリアランスの分だけ変位して該突起部に当接しても、係止爪部と係止口の係止縁部とが係止状態に維持され、一方の部材と他方の部材とが分離することが防止される。
請求項3に係る発明では、
前記係止爪部は、前記幅狭側における前記接離方向での爪幅が、前記突起部と前記係止縁部との間隔以下とされると共に、前記重なり幅が大きい幅広側における前記接離方向での爪幅が、前記係止口における両係止縁部間の開口幅の半分以下とされたことを要旨とする。
従って、 請求項3に係る発明によれば、係止口に対する係止フックの挿脱方向から該係止フックに外力が加わった場合には、両係止片部の近接移動により、係止爪部における重なり幅が小さい幅狭側が該突起部と係止縁部との間を通過し得ると共に、係止爪部における重なり幅が大きい幅広側が第1縁部間を通過し得るから、両係止爪部が係止口を通過することが許容されて、該係止口に対して係止フックを挿入および抜出することができる。
請求項4に係る発明では、
前記係止爪部における前記係止片部からの突出量を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせて、該係止爪部と対応の係止縁部との重なり幅を、前記接離方向と直交する方向における一方側と他方側とで異なるようにしたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、係止爪部における係止片部からの突出量を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせるだけで、係止口の形状を殆ど変更することなく、該係止爪部と係止縁部との重なり幅を該係止縁部の一端側と他端側とで異なるようにすることができる。また、係止口の係止縁部を単純な形状とすることができるから、該係止縁部の強度が低下して破損すること等を防止し得る。
請求項5に係る発明では、
前記係止口における係止縁部間の開口幅を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせて、前記係止爪部と対応の係止縁部との重なり幅を、前記接離方向と直交する方向における一方側と他方側とで異なるようにしたことを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、係止口における係止縁部間の開口幅を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせるだけで、係止フックの形状を変更することなく、該係止フックと係止口との重なり幅を該係止縁部の一端側と他端側とで異なるようにすることができる。そして、係止フックが従来と同じ形状のものを使用することができるから、係止フックの共用化が図られて製造コストを抑えることができる。
請求項6に係る発明では、
前記両係止片部は、最大の前記重なり幅を越えた近接変位を許容する間隔で配設され、
前記係止口には、前記係止縁部間において前記重なり幅が大きい幅広側に延在する開口縁部が接離方向に延在するよう形成されたことを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、前記係止フックの両係止片部が、該係止片部における重なり幅が大きい側が該重なり幅を越えた近接変位が許容される間隔で設けられていると共に、係止口における重なり幅が大きい幅広側に延在する開口縁部には係止片部間に向けて突出していないから、両係止片部が近接変位することで係止口に対する係止フックの挿入および抜出が適切になされる。
本発明に係る部材連結構造によれば、相互に連結された部材に意図しない外力が加わっても、両部材の連結を解除し難くすることができる。
(a)は、実施例の部材連結構造を構成する係止フックおよび係止口を示す斜視図であり、(b)は、係止フックが係止口に係止された状態を示す平断面図である。 (a)は、実施例の部材連結構造における係止フックおよび係止口を拡大して示す斜視図であり、(b)は、係止フックが係止口に係止された状態を示す斜視図である。 実施例の部材連結構造における係止フックと係止口との各寸法関係を示す説明図である。 (a)は、両係止片部の弾性変形により係止フックの係止部が係止口を通過する状態を示す説明図であり、(b)は、係止口に係止された係止フックが、係止片部の接離方向から押されても係止爪部と係止口の第1縁部との係止状態が維持されることを示す説明図である。 (a)は、第2実施例の部材連結構造を示す背面図であり、(b)は、係止口に挿通した係止フックが係止片部の接離方向へ押されても係止爪部と係止口との係止が維持されることを背面から見た説明図である。 (a)は、第3実施例の部材連結構造を示す背面図であり、(b)は、係止口に挿通した係止フックが係止片部の接離方向へ押されても係止爪部と係止口との係止が維持されることを背面から見た説明図である。 (a)は、第4実施例の部材連結構造を示す背面図であり、(b)は、係止口に挿通した係止フックが係止片部の接離方向へ押されても係止爪部と係止口との係止が維持されることを背面から見た説明図である。 (a)は、第5実施例の部材連結構造を示す背面図であり、(b)は、係止口に挿通した係止フックが係止片部の接離方向へ押されても係止爪部と係止口との係止が維持されることを背面から見た説明図である。 自動車のセンターピラー部に乗員室側から取付けられるセンターピラーガーニッシュの斜視図である。 (a)は、図9に示すセンターピラーガーニッシュのロア部材およびアッパー部材を連結する従来の部材連結構造を示す斜視図であり、(b)は、従来の部材連結構造における係止フックが係止口に係止された状態を示す平断面図である。 (a)は、従来の部材連結構造における係止フックが係止口に係止された状態を示す平断面図であり、(b)は、(a)のXI-XI線断面図である。 (a)は、従来の部材連結構造において、係止フックに接離方向と交差する方向から外力が加わることで両係止片部が近接するように弾性変形することで片外れ状態となったことを示す平断面図であり、(b)は、(a)のXII−XII線断面図である。
次に、本発明に係る部材連結構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、連結対象部材として、図9に示したセンターピラーガーニッシュ10を構成するアッパー部材11およびロア部材12を例示するが、本発明の部材連結構造M1が実施される連結対象部材は、これに限定されるものでないことは勿論である。なお、実施例では、図1(b)に示すように、センターピラー部50に対しセンターピラーガーニッシュ10を乗員室側から取付けた状態を基準として、センターピラー部50に対するセンターピラーガーニッシュ10の着脱方向を前後方向、この前後方向と水平に直交する方向を左右方向、センターピラー部50の上下方向を上下方向と指称する。また、センターピラーガーニッシュ10の乗員室側に臨む外面を前面、センターピラー部50に臨む外面を後面と指称する。
(第1実施例)
センターピラーガーニッシュ10は、図1および図9に示すように、車体のセンターピラー部50の下側に乗員室内側から取付けられる一方の部材としてのロア部材12と、該センターピラー部の上側に乗員室内側から取付けられる他方の部材としてのアッパー部材11とから構成されている。これらロア部材12の上端側とアッパー部材11の下端側とは、センターピラー部50に個別に取付けた際に、後述する第1実施例の部材連結構造M1により連結され、該ロア部材12の上部と該アッパー部材11の下部との境界部には、シートベルト51が挿通される引出口13が形成される。なお、引出口13が設けられないタイプのセンターピラーガーニッシュ10では、ロア部材12の上部と該アッパー部材11の下部との境界部が隙間なく接触するよう構成される。
ロア部材12は、合成樹脂からインジェクション成形された一体成形部材である。このロア部材12は、図1(a)および図1(b)に示すように、センターピラー部50から前方へ離間して位置する前壁部12Aと、この前壁部12Aの左縁および右縁からセンターピラー部50側(後側)へ湾曲する湾曲部12B,12Bとを備えている。ロア部材12のセンターピラー部50に対向する後面には、該センターピラー部50に設けられた被係合部に着脱可能に係合される係合手段(図示せず)が設けられており、ロア部材12は、これら係合手段および被係合部によりセンターピラー部50に着脱可能に取り付けられる。そしてロア部材12は、センターピラー部50に取付けた際に、該センターピラー部50と前壁部12Aとの間に空間を画成するようになっており、シートベルト51を巻回するリトラクタ(図示せず)等を被覆し得るようになっている。また、ロア部材12の後面の上部には、第1実施例の部材連結構造M1を構成する係止フック30,30が、後方へ突出した状態に設けられている(図1)。
アッパー部材11は、合成樹脂からインジェクション成形された一体成形部材である。このアッパー部材11は、図1(a)に示すように、センターピラー部50から前方へ離間して位置する前壁部11Aと、この前壁部11Aの左縁および右縁からセンターピラー部50側(後側)へ湾曲する湾曲部11B,11Bとを備えている。アッパー部材11のセンターピラー部50に対向する後面には、センターピラー部50に設けられた被係合部に着脱可能に係合される係合手段(図示せず)が設けられており、アッパー部材11は、これら係合手段および被係合部によりセンターピラー部50に着脱可能に取り付けられる。そして、アッパー部材11の前壁部11Aには、図9に示すように、シートベルト装置におけるセンターピラー部50にスライド可能に配設されたスルーリング52を移動可能に挿通する開口14が形成されている。また、アッパー部材11の下部には、図1(a)に示すように、下方へ延出した支持片15,15が形成されており、各支持片15には、第1実施例の部材連結構造M1を構成する係止口40,40が、前後に貫通した状態に設けられている。
次に、センターピラーガーニッシュ10のアッパー部材11とロア部材12とを連結する第1実施例の部材連結構造M1について説明する。第1実施例の部材連結構造M1は、ロア部材12の後面の上部に設けられた複数(第1実施例では2つ)の係止フック30,30と、アッパー部材11の下部に設けられて各係止フック30,30に対応する複数(第1実施例では2つ)の係止口40,40とから構成されている。そして、この部材連結構造M1は、アッパー部材11を予めセンターピラー部50に取付けた後、該アッパー部材11を取付けたセンターピラー部50に対してロア部材12を取付ける際に、ロア部材12に設けられた係止フック30,30をアッパー部材11に設けられた係止口40,40に各々挿入して係止することで、アッパー部材11とロア部材12とを連結可能に構成されている。なお、2つの各係止フック30および2つの各係止口40は各々が同一形状に形成されているので、同一部材、部位には同一の符号を付して説明する。また、係止フック30および係止口40の配設数は、2つに限定されず、1つまたは3つ以上であってもよい。
ロア部材12の後側に設けられた両係止フック30は、図1および図2に示すように、ロア部材12の後面から後方へ略水平に突出した状態で、該ロア部材12に一体に形成されている。係止フック30は、突出方向に延在しかつ上下に貫通するスリット31が形成され、このスリット31を挟んで左右に並んだ状態で後方へ突出形成された一対の係止片部32,32を備えている。両係止片部32,32は、図3に示すように、左右方向(該係止片部32の短手方向)において破断した断面形状が縦長の長方形状に形成され、基端部32A側および突出端部32B側が支持された状態で互いに対向する左右方向へ撓むことが許容され、この左右方向においてスリット31を挟んで互いに近接および離間するよう弾性変形が可能となっている。また、両係止片部32,32は、前後の軸回りに捻れるよう変形することも可能であり、ロア部材12に固定された基端部32A側に対して突出端部32B側が左方向または右方向に適宜回動し得るように構成されている。なお、両係止片部32,32は、前述したように断面形状が縦長の長方形状となっているから、上下方向には変形し難くなっている。
両係止片部32,32の突出端部側には、図1および図2に示すように、スリット31側と反対側(他方の係止片部32側から離れる方向)へ突出する係止爪部33が各々設けられている。両係止爪部33は、突出端部32B側から基端部32A側に向かうにつれて他方の係止片部32から徐々に離間する傾斜面33Aと、この傾斜面33Aの基端部32A側の端部から該基端部32A側に向かうにつれて他方の係止片部側へ延在する係止面33Bとを備えており、該傾斜面33Aの基端部32A側において接離方向へ最大に突出している。なお係止面33Bは、傾斜面33Aより係止片部32に対する傾斜角度が大きく設定されている。
また、両係止爪部33,33は、図2および図3に示すように、係止片部32の上面に臨む上端において接離方向での爪幅が最小で、下方に向かうにつれて接離方向での爪幅が徐々に大きくなり、該係止片部32の下面に臨む下端において接離方向での爪幅が最大となるように形成されている。すなわち係止爪部33は、上端側が幅狭となり、下端側が幅広となっている。そして、係止片部32の側面が鉛直となっているから、両係止爪部33,33における係止片部32の側面からの突出量は、該係止片部32の上面に臨む状態において最小であり、下方に向かうにつれて徐々に大きくなり、下端において最大となるように形成されている。
また、各係止片部32,32の上面は、係止爪部33において後方に向かうにつれて下方傾斜すると共に、各係止片部32,32の下面は、係止爪部33において後方に向かうにつれて上方傾斜している。これにより、係止フック30の突出端部32B側が後方に向けて先細になっており、該係止フック30を係止口40へ挿入させ易くなっている。また、両係止爪部33,33の上面が突出端部32Bに向かうにつれて下方傾斜していることで、図3に示すように、スリット31の上部分が後方へ開口して後側開口部31Aが形成されており、係止口40に対する係止フック30の挿脱時には、該後側開口部31Aを後述する突起部45が通過するようになり、該突起部45と係止フック30との干渉が回避されるように構成されている。
前記係止口40は、図1(a)および図2(a)に示すように、前後に貫通する矩形状の貫通口であって、左右方向である係止フック30の両係止片部32,32の接離方向で対向する第1縁部(係止縁部)41,41と、両第1縁部41,41の上端(一端)間に亘って左右に延在する第2縁部(開口縁部)42と、両第1縁部41,41の下端(他端)間に沿って左右に延在する第3縁部43とを備えている。第1実施例では、両第1縁部41,41が係止片部32の接離方向と交差する上下方向へ平行に延在し、第2縁部42および第3縁部43が接離方向へ平行に延在している。
これにより、第1実施例の部材連結構造M1では、図3および図4に示すと共に後述するように、係止フック30の係止爪部33と係止口40の第1縁部41,41との重なり幅Lが、両係止片部32,32の接離方向に交差する方向における一方側と他方側とで異なるように構成されている。すなわち、係止フック30の係止爪部33と係止口40の第1縁部41とは、該係止口40の第2縁部42側の上端では重なり幅Lが小さく、上端から下端にいくにつれて重なり幅Lが徐々に大きくなり、第3縁部43側の下端では重なり幅Lが最大となるように構成されている。
係止口40の第2縁部42には、図2〜図4に示すように、該係止口40の中央方向に向けて垂直下方へ突出する突起部45が、該第2縁部42の接離方向の中央に設けられている。この突起部45は、後述するように、両係止片部32,32における係止フック30と係止口40との重なり幅Lが小さい幅狭側(第1実施例では上面側)に対応して、該係止フック30の両係止片部32,32間のスリット31に上方から突出するようになっている。そして突起部45は、後述するように、係止フック30と係止口40との最大の重なり幅Lを越えた係止爪部33の接離方向での変位を規制するようになっている。
次に、係止フック30の各部と係止口40の各部との寸法関係について、図3を引用して説明する。係止フック30については、前述したように、両係止爪部33,33が第2縁部42側である上端側より第3縁部43側である下端側が接離方向において幅広に形成されており、該係止爪部33の上端における接離方向での爪幅を第1爪幅F1とし、係止爪部33に下端における接離方向での爪幅を第2爪幅F2とする。また、両係止片部32,32の間に形成されたスリット31の接離方向での幅をスリット幅F3とすると共に、両係止片部32,32の係止爪部33での上下方向の寸法を上下幅F4とする。従って、係止フック30において両係止爪部33,33により形成される係止部34は、両係止片部32,32の非変形状態において、該係止部34の上端における接離方向での幅である第1係止幅F5は、2つの係止爪部33,33の各第1爪幅F1とスリット幅F3とを合わせた幅となり、該係止部34の下端における接離方向での幅である第2係止幅F6は、2つ係止爪部33,33の各第2爪幅F2とスリット幅F3とを合わせた幅となる。
また、係止口40については、接離方向の開口寸法を左右開口幅H1とし、上下方向の開口寸法を上下開口幅H2とする。係止口40の第2縁部42に設けた突起部45については、該第2縁部42の接離方向の幅寸法を突出幅H3とし、該第2縁部42から下方への突出寸法を突出高さH4とする。そして、突起部45の下端から第3縁部43までの上下方向の寸法を、突起下間隔H5とする。また、係止口40の第2縁部42において、左側の第1縁部41から突起部45の左側面45Aまでの間隔と、右側の第1縁部41から該突起部45の右側面45Aまでの間隔とを、それぞれ突起縁間隔H6,H6とする。
第1実施例の部材連結構造M1では、図3に示すように、両係止片部32,32の上下幅F4が、係止口40の上下開口幅H2より小さく、かつ突起下間隔H5より大きく設定されており、係止フック30を係止口40に挿入した際には突起部45がスリット31に対し上方から突入するようになっている。また、両係止爪部33,33の第1爪幅F1は、係止口40の突起縁間隔H6より小さくなるように設定されている。更に、両係止爪部33,33の第2爪幅F2は、係止口40の左右開口幅H1の半分以下となるように設定されている。
また、図3に示すように、スリット31のスリット幅F3は、突起部45の突出幅H3より大きく設定されている。従って、係止フック30を係止口40に挿入した状態においては、両係止片部32,32と突起部45との間に、各々クリアランスC,Cの隙間が画成されるようになっている。そして、係止片部32と突起部45との間のクリアランスCは、係止フック30の係止爪部33と係止口40との最大の重なり幅Lより小さく設定されており、該最大の重なり幅Lを越えた接離方向での該係止爪部33の変位が規制されるようになっている。また、スリット幅F3は、図3に示すように、最大の重なり幅Lの2倍以上に設定されており、両係止片部32,32の下側が該重なり幅Lを越えて近接変位し得るようになっている。
従って、第1実施例の部材連結構造M1では、係止口40に対する係止フック30の挿入時には、両係止片部32,32における係止爪部33の各傾斜面33Aが係止口40の第1縁部41,41に各々接触することで、両係止片部32,32が接離方向で互いに近接するように弾性変形する。このとき、係止フック30の両係止爪部33と係止口45の第1縁部41との重なり幅Lが該係止口40の第3縁部43側より第2縁部42側が小さく設定されていると共に、係止口40の第3縁部43にはスリット31へ突出する部分がないから、係止フック30の第2縁部42側においては両係止片部32,32の接離方向の弾性変形が抑えられると共に第3縁部43側においては両係止片部32,32の接離方向の弾性変形が規制されず、両係止片部32,32は前後軸回りに捻れるように変形する。そして、図4(a)に示すように、両係止片部32の第1爪幅F1が突起縁間隔H6以下に設定されているから係止フック30の第1係止幅F5が左右開口幅H1以下となると共に、両係止片部32の第2爪幅F2が左右開口幅H1の半分以下に設定されているから係止フック30の第2係止幅F6が左右開口幅H1以下となる。これにより、係止口40の第2縁部42に突起部45が設けられていても、係止部34を構成する両係止爪部33,33が係止口40に挿通されることが許容され、係止口44に対する該係止フック30の挿入が可能となる。
係止口40に挿通された係止フック30は、図2(b)および図3に示すように、接離方向からの意図しない外力が付与されない状態では、両係止片部32,32の係止爪部33における各係止面33Bが、係止口40の両第1縁部41,41に各々引っ掛かっているから、係止フック30と係止口40との係止状態が維持され、ロア部材12とアッパー部材11とが適切に連結される。
そして、ロア部材12をセンターピラー部50から乗員室内側へ取外すに際には、該ロア部材12を係止フック30の挿脱方向で前方へ引っ張ることで、該係止フック30が係止口40が抜出される。すなわち、係止口40に対する係止フック30の抜出時には、両係止片部32,32における係止爪部33の各係止面33Bが係止口40の第1縁部41,41に各々接触することで、接離方向で互いに近接するように弾性変形する。このとき、係止フック30の両係止爪部33と係止口45の第1縁部41との重なり幅Lが該係止口40の第3縁部43側より第2縁部42側が小さく設定されていると共に、係止口40の第3縁部43にはスリット31へ突出する部分がないから、係止フック30の第2縁部42側においては両係止片部32,32の接離方向の弾性変形が抑えられると共に第3縁部43側においては両係止片部32,32の接離方向の弾性変形が規制されず、両係止片部32,32は前後軸回りに捻れるように変形する。そして、図4(a)に示すように、両係止片部32の第1爪幅F1が突起縁間隔H6以下に設定されているから係止フック30の第1係止幅F5が左右開口幅H1以下となると共に、両係止片部32の第2爪幅F2が左右開口幅H1の半分以下に設定されているから係止フック30の第2係止幅F6が左右開口幅H1以下となる。これにより、係止口40の第2縁部42に突起部45が設けられていても、係止部34を構成する両係止爪部33,33が係止口40に挿通されることが許容され、係止口44に対する該係止フック30の抜出が可能となる。
一方、図4(b)に示すように、ロア部材12に左側方から外力が加わり、係止口40に挿通された係止フック30に対して、挿脱方向とは異なる接離方向における左方(図4(b)では右方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における左側の係止片部(図4(b)では右側)32が、前記突起部45に左方から当接するため(図4(b)に実線で表示)、該左側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、前述したように、突起部45と左側の係止片部32との間のクリアランスCが、該左側の係止フック30における係止爪部33と係止口40の第1縁部41との最大の重なり幅Lより小さく設定されているから、左側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態に維持されて係止フック30が所謂片外れ状態とならない。従って、係止フック30に対して接離方向における左方から意図しない外力が加わっても、係止フック30と係止口40との係止状態が維持され、該係止フック30が係止口40から抜出することが防止される。
また、ロア部材12に右側方から外力が加わり、係止口40に挿通された係止フック30に対して、挿脱方向とは異なる接離方向における右方から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における右側の係止片部32が前記突起部45に右方から当接するため(図4(b)に2点鎖線で表示)、該右側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、前述したように、突起部45と右側の係止片部32との間のクリアランスCが、該右側の係止フック30における係止爪部33と係止口40の第1縁部41との最大の重なり幅Lより小さく設定されているから、右側の係止片部32が突起部45に当接した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態に維持されて係止フック30が所謂片外れ状態とならない。従って、係止フック30に対して接離方向における右方から外力が加わっても、係止フック30と係止口40との係止状態が維持され、該係止フック30が係止口40から抜出することが防止される。
従って、第1実施例の部材連結構造M1によれば、係止口40に係止フック30が係止された状態において、係止フック30における両係止片部32,32の接離方向から該係止フック30に意図しない外力が加わっても、係止口40の第2縁部42に設けられた突起部45により係止片部32,32の接離方向での変位および弾性変形が規制される。これにより、係止フック30の両係止爪部33,33と係止口40の第1縁部41,41との係止状態が維持されて、センターピラーガーニッシュ10のロア部材12とアッパー部材11とが分離されることを防止し得る。すなわち、係止口40に対する係止フック30の挿脱方向とは異なる両係止片部32,32の接離方向から該係止フック30に外力が加わっても、係止口40と係止フック30との係止状態が維持され、ロア部材12とアッパー部材11の連結状態が維持される。
また、第1実施例の部材連結構造M1によれば、係止口40に対する係止フック30の挿脱方向から該係止フック30に外力が加わった際には、係止口40の第2縁部42に突起部45が設けられていても、両係止片部32,32が互いに近接するように弾性変形することで係止部34が係止口40を通過することが許容され、係止口40に対する係止フック30の挿入および抜出が適切になされる。従って、センターピラーガーニッシュ10のロア部材とアッパー部材11の連結作業および分離作業を、簡単かつ容易に行なうことができる。
そして、第1実施例の部材連結構造M1では、係止爪部33における係止片部32からの接離方向での突出量を、係止口40の第1縁部41の第2縁部42側と第3縁部43側とで異ならせることで、該係止爪部33と係止縁部41との重なり幅Lを、係止口40の第1縁部41の第2縁部42側と第3縁部43側とで異なるようにした。すなわち、係止フック30側の係止爪部33,33の突出量を調整するだけで、係止口40を形状を殆ど変更することなく、係止片部32の接離方向からの外力付与時に該係止フック30が係止口40から抜出することを好適に防止し得る。また、係止口40の第1縁部41,41を単純な形状とすることができ、該係止縁部41,41の強度が低下して破損すること等を防止し得る。
(第2実施例)
図5は、第2実施例に係る部材連結構造M2を示す背面図である。この第2実施例に係る部材連結構造M2では、係止口40の両第1縁部41,41は、該係止口40の第2縁部42側から該第2縁部42と対向する第3縁部43側に向けて徐々に近づくように形成されている。また、係止フック30の係止爪部33は、第2縁部42側と第3縁部43側とが同一幅に形成され、係止爪部33における係止片部32の側面からの突出量は、第2縁部42側から第3縁部43側まで同一とした形態である。すなわち係止口40は、第2縁部42側より第3縁部43側が接離方向において狭くなっており、よって係止爪部33,33は、前述した第1実施例と同様に、第3縁部43側に近づくにつれて係止口40より相対的に幅広となっているから、前記係止爪部33と係止口40の係止縁部41との挿脱方向での重なり幅Lは、第2縁部42側より第3縁部43側が大きく、該第3縁部43側で最大となっている。
従って、第2実施例の部材連結構造M2では、係止口40に対して係止フック30を挿脱方向から挿入または抜出する際に、両係止片部32,32は前後軸回りに各々捻れるから、図5(a)に2点鎖線で示すように、係止口40に対して両係止爪部33,33の挿通が許容される。また、第2実施例の部材連結構造M2では、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における左方(図5(b)では右方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における左側の係止片部(図5(b)では右側)32が前記突起部45に左方から当接するため(図5(b)に1点鎖線で表示)、該左側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、左側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態に維持され、係止フック30が係止口40に係止した状態が維持される。一方、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における右方(図5(b)では左方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における右側の係止片部(図5(b)では右側)32が前記突起部45に右方から当接するため(図5(b)に2点鎖線で表示)、該右側の係止片部32の接離方向への変位制される。そして、右側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態に維持され、係止フック30が係止口40に係止した状態に維持される。よって第2実施例の部材連結構造M2は、第1実施例の部材連結構造M1と同等の作用効果が期待できる。なお第2実施例では、係止口40における第1縁部41,41間の左右開口幅を調整するだけで、係止フック30の係止爪部33の形状を変更することなく、該係止フック30と係止口40との重なり幅Lを第2縁部42側と第3縁部43側とで異なるようにすることができる。すなわち、係止フック30は、従来と同じ形状のものを使用することができ、他の部材の係止フックとの共用化が図られて製造コストを抑えることができる。
(第3実施例)
図6は、第3実施例に係る部材連結構造M3を示す背面図である。この第3実施例に係る部材連結構造M3では、図6(a)に示すように、係止フック30の両係止爪部33,33に、接離方向へ突出する膨出部35を第3縁部43側に設け、これにより第2縁部42側より第3縁部43側を幅広に形成したものである。すなわち、前述した第1実施例の部材連結構造M1では、係止フック30の両係止爪部33,33が、第2縁部42側から第3縁部43側に向けて徐々に幅広となる形状であるが、第3実施例に係る部材連結構造M3では、第2縁部42側から第3縁部43の近傍までは平行に形成され、該第3縁部43側だけが膨出部35により幅広となっている。よって係止爪部33,33は、前述した第1実施例と同様に、第3縁部43側が係止口40より幅広となっており、前記係止爪部33と係止口40の係止縁部41との挿脱方向での重なり幅Lが、第2縁部42側より第3縁部43側が大きくなっている。
従って、第3実施例の部材連結構造M3では、係止口40に対して係止フック30を挿脱方向から挿入または抜出する際に、両係止片部32,32は前後軸回りに各々捻れるから、図6(a)に2点鎖線で示すように、係止口40に対して両係止爪部33,33の挿通が許容される。また、第3実施例の部材連結構造M3では、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における左方(図6(b)では右方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における左側の係止片部(図6(b)では右側)32が前記突起部45に左方から当接するため(図6(b)に1点鎖線で表示)、該左側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、左側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の膨出部35を設けた係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態が維持される。一方、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における右方(図6(b)では左方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における右側の係止片部(図6(b)では右側)32が前記突起部45に右方から当接するため(図6(b)に2点鎖線で表示)、該右側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、右側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の膨出部35を設けた係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態に維持される。よって第3実施例の部材連結構造M3は、第1実施例の部材連結構造M1と同等の作用効果が期待できる。なお第3実施例では、係止フック30側の係止爪部33,33の突出量を調整するだけで、係止口40を形状を殆ど変更することなく、係止片部32の接離方向からの外力付与時に該係止フック30が係止口40から抜出することを好適に防止し得る。また、係止口40の第1縁部41,41を単純な形状とすることができ、該第1縁部41,41の強度が低下して破損すること等を防止し得る。
(第4実施例)
図7は、第4実施例に係る部材連結構造M4を示す背面図である。この第4実施例に係る部材連結構造M4では、図7(a)に示すように、係止口40の両第1縁部41,41の下部に、接離方向へ突出する膨出係止部46,46を設け、これにより係止口40を、第2縁部42側より第3縁部43側を幅狭に形成したものである。すなわち、前述した第2実施例の部材連結構造M2では、係止口40の両第1縁部41,41が、該係止口40の第2縁部42側から該第2縁部42と対向する第3縁部43側に向けて徐々に近づくように形成されているが、第4実施例に係る部材連結構造M4では、係止口40の両第1縁部41,41が、第2縁部42側から第3縁部43の近傍までは平行に形成され、該第3縁部43側だけが膨出係止部46により幅狭となっている。よって係止爪部33,33は、前述した実施例と同様に、第3縁部43側が係止口40より相対的に幅広となっており、前記係止爪部33と係止口40の係止縁部41との挿脱方向での重なり幅Lが、第2縁部42側より第3縁部43側が大きくなっている。
従って、第4実施例の部材連結構造M4では、係止口40に対して係止フック30を挿脱方向から挿入または抜出する際に、両係止片部32,32は前後軸回りに各々捻れるから、図7(a)に2点鎖線で示すように、係止口40に対して両係止爪部33,33の挿通が許容される。また、第4実施例の部材連結構造M4では、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における左方(図7(b)では右方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における左側の係止片部(図7(b)では右側)32が前記突起部45に左方から当接するため(図7(b)に1点鎖線で表示)、該左側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、左側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に設けた膨出係止部46,46に係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態が維持される。一方、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における右方(図7(b)では左方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における右側の係止片部(図7(b)では右側)32が前記突起部45に右方から当接するため(図7(b)に2点鎖線で表示)、該右側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、右側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に設けた膨出係止部46,46係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態に維持される。よって第4実施例の部材連結構造M4は、第1実施例の部材連結構造M1と同等の作用効果が期待できる。なお第4実施例では、係止口40における第1縁部41,41間の開口幅を膨出係止部46,46により調整するだけで、係止フック30の係止爪部33の形状を変更することなく、該係止フック30と係止口40との重なり幅Lを第2縁部42側と第3縁部43側とで異なるようにすることができる。すなわち、係止フック30は、従来と同じ形状のものを使用することができ、他の部材の係止フックとの共用化が図られて製造コストを抑えることができる。
(第5実施例)
図8は、第5実施例に係る部材連結構造M5を示す背面図である。この第5実施例に係る部材連結構造M5では、図8(a)に示すように、係止口40は、両第1縁部41,41を第2縁部42側から第3縁部43側に向けて平行に形成され、第2縁部42には下方へ突出する突起部45が設けられると共に、第3縁部43には上方へ突出する別の突起部45が設けられている。また係止フック30は、図8(a)に示すように、スリット31の左側(図8(a)では右側)の係止片部32に設けられた係止爪部33は、係止口40の第3縁部43側よりも第2縁部42側が幅広に形成されており、左側の第1縁部41と左側の係止爪部33との重なり幅Lは第2縁部42側より第3縁部43側が小さくなっている。一方、スリット31の右側(図8(a)では左側)の係止片部32に設けられた係止爪部33は、係止口40の第2縁部42側よりも第3縁部43側が幅広に形成されており、右側の第1縁部41と右側の係止爪部33との重なり幅Lは第3縁部43側より第2縁部42側が幅広に形成されている。但し、図8(a)に示すように、係止口40の第2縁部42における突起部45の左側には、左側の係止片部32に設けられた係止爪部33と左側の係止縁部41との最大の重なり幅Lより幅広の空間が形成されており、第3縁部43における突起部の右側には、右側の係止片部32に設けられた係止爪部33と右側の係止縁部41との最大の重なり幅Lより幅広の空間が形成されている。
従って、第5実施例の部材連結構造M5では、係止口40に対して係止フック30を挿脱方向から挿入または抜出する際に、両係止片部32,32は図8(a)において反時計方向へ各々が捻れるから、係止口40に対して両係止爪部33,33の挿通が許容される。また、第5実施例の部材連結構造M5では、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における左方(図8(b)では右方)から意図しない外力が加わった場合には、係止フック30における左側の係止片部(図8(b)では右側)32が前記突起部45に左方から当接するため(図8(b)に1点鎖線で表示)、該左側の係止片部32の接離方向への変位が規制される。そして、左側の係止片部32が突起部45に接触した状態であっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態が維持される。一方、係止口40に挿通された係止フック30に対して接離方向における右方(図8(b)では左方)から意図しない外力が加わった場合には、図8(b)に2点鎖線で表示するように、右側の係止片部32が突起部45に接触した状態となっても、両係止片部32,32の係止爪部33が係止口40の両第1縁部41,41に係止された状態となり、係止フック30が係止口40に係止した状態に維持される。よって第5実施例の部材連結構造M5は、第1実施例の部材連結構造M1と同等の作用効果が期待できる。なお第5実施例では、係止フック30側の両係止爪部33,33の突出量を調整するだけで、係止口40を形状を殆ど変更することなく、係止片部32の接離方向からの外力付与時に該係止フック30が係止口40から抜出することを好適に防止し得る。また、係止口40の第1縁部41,41を単純な形状とすることができ、該第1縁部41,41の強度が低下して破損すること等を防止し得る。
(変更例)
本願の部材連結構造は、前述した各実施例の形態に限定されず、様々に変更することが可能である。
(1)第1〜第4実施例では、係止口40の上縁となる第2縁部42に突起部45を設けた形態を例示したが、該突起部45は、係止口40の下縁となる第3縁部43に設けてもよい。この場合には、係止フック30の両係止片部32,32に設けた係止爪部33の形状は、実施例の場合と上下逆となる。
(2)第1〜第4実施例では、突起部を、第1縁部41の何れか一方に設けると共に、係止フックは、実施例の係止フック30に対して前後軸回りに90度回転させた形態としてもよい。
(3)第5実施例では、係止フック30について、左側の係止爪部33を、第2縁部42側から第3縁部43側に向けて徐々に幅広となるように形成すると共に、右側の係止爪部33を、第3縁部43側から第2縁部42側に向けて徐々に幅広となるように形成してもよい。
(4)係止フック30は、両係止片部32,32の突出端部側が左右に分離して、スリット31が突出端部側に開口した形態であってもよい。
(5)連結対象部材は、実施例で例示したセンターピラーガーニッシュ10のアッパー部材11およびロア部材12に限らず、ドアパネルや乗降ステップ等、乗降時に乗員が接触して外力が加わる可能性がある各種車両内装部材を構成部材であってもよい。また、連結対象部材は、車両内装部材を構成する部材に限らず、家具や事務機器等における外力が加わる可能性がある部材であってもよい。
11 アッパー部材(他方の部材),12 ロア部材(一方の部材),30 係止フック
32 係止片部,33 係止爪部,40 係止口,41 第1縁部(係止縁部)
42 第2縁部(係止片部の重なり幅が小さい側に延在する開口縁部),
43 第3縁部(係止片部の重なり幅が大きい側に延在する開口縁部),
45 突起部,C クリアランス
F1 第1爪幅(係止片部の重なり幅が小さい側における接離方向での係止爪部の爪幅)
F2 第2爪幅(係止片部の重なり幅が大きい側における接離方向での係止爪部の爪幅)
H1 左右開口幅(係止縁部間の開口幅)
H6 突起縁間隔(突起部45と第1縁部41との間隔),L 重なり幅

Claims (6)

  1. 一方の部材に並べて突出形成され、互いに接離する方向に弾性変形可能な一対の係止片部および該係止片部において互いに離れる方向に突出形成された係止爪部を有する係止フックと、他方の部材に形成された係止口とからなり、前記係止口に挿入した前記係止フックの係止爪部が該係止口の係止縁部に挿脱方向に重なるように引っ掛かることで両部材を連結する部材連結構造において、
    前記係止フックと前記係止口とは、前記係止爪部と前記係止縁部との重なり幅が、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異なるように構成され、
    前記係止口には、前記係止縁部間において前記重なり幅が小さい幅狭側に延在する開口縁部から前記係止片部間に向けて突出し、最大の前記重なり幅を越えた前記係止爪部における前記幅狭側の変位を規制する突起部が設けられた
    ことを特徴とする部材連結構造。
  2. 前記係止片部と突起部とは、前記最大の重なり幅より小さいクリアランスで離間するように構成された請求項1記載の部材連結構造。
  3. 前記係止爪部は、前記幅狭側における前記接離方向での爪幅が、前記突起部と前記係止縁部との間隔以下とされると共に、前記重なり幅が大きい幅広側における前記接離方向での爪幅が、前記係止口における両係止縁部間の開口幅の半分以下とされた請求項1または2記載の部材連結構造。
  4. 前記係止爪部における前記係止片部からの突出量を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせて、該係止爪部と対応の係止縁部との重なり幅を、前記接離方向と直交する方向における一方側と他方側とで異なるようにした請求項1〜3の何れか一項に記載の部材連結構造。
  5. 前記係止口における係止縁部間の開口幅を、両係止片部の接離方向に直交する方向における一方側と他方側とで異ならせて、前記係止爪部と対応の係止縁部との重なり幅を、前記接離方向と直交する方向における一方側と他方側とで異なるようにした請求項1〜3の何れか一項に記載の部材連結構造。
  6. 前記両係止片部は、最大の前記重なり幅を越えた近接変位を許容する間隔で配設され、
    前記係止口には、前記係止縁部間において前記重なり幅が大きい幅広側に延在する開口縁部が接離方向に延在するよう形成された請求項1〜5の何れか一項に記載の部材連結構造。
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