JP2013133535A - 溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板10を、直火加熱炉1で加熱し更に焼鈍炉5において焼鈍を行った後に、純亜鉛鍍金浴で溶融亜鉛鍍金を施す溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法である。上記直火加熱炉1出側での鋼板10表面の板温と溶融亜鉛鍍金後の単位面積当たりのスパングル個数との相関を予め取得し、その取得した相関に基づき、溶融亜鉛鍍金後に要求される単位面積当たりのスパングル個数の範囲となる上記直火加熱炉1の出側での板温を求め、その求めた板温となるように、上記直火加熱炉1を制御する。
【選択図】 図1
Description
鍍金処理の条件を制御する具体的な方法としては、例えば結晶粒成長時間を長くしてスパングルを粗大化させることを目的として、亜鉛鍍金浴ヘの侵入板温を下げる、亜鉛鍍金浴温を上げる、ワイピングガス圧を下げるといった制御を一般には実施している。しかし例えば、ワイピングガス圧を下げるとノズルと鋼板とを近づけなくてはならないため、ノズルに鋼板が接触する可能性がある。このように鍍金処理の条件をスパングルだけのために変更することは、鍍金処理の条件の自由度を制限することに繋がる。このため、スパングル粗大化のために、鍍金処理部以外での制御が課題となっていた。
本発明は、上記のような点に対応できるもので、焼鈍炉よりも上流側で且つよりスパングル制御が容易で、更に目的とするスパングル径の変更にも対応可能な溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法を提供することを課題としている。
上記直火加熱炉出側での鋼板表面の板温と溶融亜鉛鍍金後の単位面積当たりのスパングル個数との相関を予め取得し、その取得した相関に基づき、溶融亜鉛鍍金後に要求される単位面積当たりのスパングル個数の範囲となる上記直火加熱炉の出側での板温を求め、その求めた板温となるように、上記直火加熱炉を制御することを特徴とするものである。
また、直火加熱炉の出側での鋼板表面の板温を、スパングルのサイズ径を目的のスパングルのサイズ径にするための制御変数としているので、加熱帯の露点を制御する場合に比べて制御が容易となる。具体的には、板温の調整は、バーナーの出力を調整するだけで制御することが出来る。
更に、鍍金を施す鍍金部での鍍金条件及びその前処理としての焼鈍条件をスパングルのための制御対象としないので、スパングル条件以外の鍍金条件及び焼鈍条件の自由度を阻害することもない。
図1は、本実施形態に係る溶融亜鉛鍍金鋼板の製造設備のライン構成を示す概要図である。
(設備構成)
本実施形態における溶融亜鉛鍍金鋼板の製造設備は、例えば図1に示すように、直火加熱炉1、連続焼鈍炉5、及び鍍金処理部9がこの順番に配置されて構成される。そして、圧延された鋼板10は、連続して搬送されて、順次、直火加熱され、更に焼鈍をされた後に、鍍金処理が施される。
直火加熱炉1は、連続して搬送されてくる圧延後の鋼板10に対し直火バーナーによって加熱する。直火加熱炉1は、焼鈍処理に先立って、直火で鋼板10を加熱することで、鋼板表面に残存する圧延油その他の汚れを除去し、酸化皮膜を形成する。
鍍金浸漬部6では、連続して搬送されてくる鋼板10を鍍金槽6a内の亜鉛鍍金浴(鍍金液6b)に浸漬し、続いてシンクロール6cで鋼板10の方向を転換して上方に搬送する。続いて、鋼板10を加熱部7で所定の温度に加熱した後に冷却部8で目的の温度まで冷却する。
ここで、上記亜鉛鍍金浴を構成する鍍金液6bは、純亜鉛鍍金液6bである。純亜鉛鍍金液6bとは、Znが99質量%以上の鍍金液を指す。本実施形態の鍍金液6bは、例えばZn以外には残部としてAl及びPbを含む。
上記構成の溶融亜鉛鍍金鋼板の製造設備において、直火加熱炉1の出側での鋼板10の表面の板温と、鍍金処理後の単位面積当たりのスパングル個数との関係を予め実験によって求める。なお、連続焼鈍炉5の条件及び鍍金処理部9の条件は、スパングル以外の鍍金条件を満足することを主として設定しておく。
なお、情報取得のための実験時における鍍金液6bは、純亜鉛鍍金液6bであり、Zn以外に残部として下記量だけAl及びPbが含まれていた場合で取得した。
Al:0.140〜0.150質量%
Pb:0.100〜0.120質量%
図2から分かるように、直火加熱炉1の出側での板温とスパングル個数とは、相関がある。そして、空気比を一定にした場合、いずれも板温700℃でスパングル個数が最小となるようになって相関がある。
この図2に示すように、他の焼鈍条件及び鍍金処理部9の条件に焼鈍炉5及び鍍金処理部9を設定した状態で、直火加熱炉1出側での板温とスパングル個数との相関を取得する。
ここで、レギュラースパングル材として要求されるスパングル個数は、通常は20〜50個の範囲である。従って、レギュラースパングル材にするには、図2から、出側の板温を670℃から720℃の範囲に設定すればよいことが分かる。好ましくは690℃〜710℃の範囲である。またこのとき、図2から分かるように、空気比を0.95〜1.05の範囲に制御することで、より確実にスパングル個数を20〜50個の範囲に収めることが可能となる。
更に、図2から分かるように、直火加熱炉1での空気比を変更することでもスパングル個数が変化する。
ここで、上記板温が700℃を境界としてスパングル個数が増加、つまりスパングルのサイズが小さくなる理由は、次のように考えられる。
同様に、空気比についても空気比=1を境界として同様なことが考えられる。すなわち、空気比が低いほど、酸化力が不足し、鋼板10の表面の汚れ等が除去できず、酸化皮膜の形成も不十分な傾向となる。一方、空気比が高いほど、鋼板10の深部まで酸化し、表面の鍍金濡れ性が悪化する傾向になる。
(1)上記直火加熱炉1出側での鋼板10表面の板温と溶融亜鉛鍍金後のスパングルの単位面積当たりの個数との相関に基づき、要求される単位面積当たりのスパングル個数の範囲となる上記直火加熱炉1の出側での板温を求め、その求めた板温となるように、上記直火加熱炉1を制御する。
これによって、鍍金を施す鍍金処理部9での鍍金条件及び焼鈍炉5の焼鈍条件をスパングルのための制御対象とする必要がない。この結果、スパングル条件以外の鍍金条件に対する、鍍金処理部での鍍金条件及び焼鈍炉の焼鈍条件の自由度を確保しつつ、目的とするスパングルに制御することが可能となる。
また、直火加熱炉1の出側での鋼板10表面の板温を、スパングルのサイズ径を目的のサイズ径にするための制御変数としているので、加熱帯2の露点を制御する場合に比べて制御が容易となる。具体的には、板温の調整は、バーナーの出力を調整するだけで容易に制御することが出来る。
これによって、上記効果を奏しつつ、レギュラースパングルのサイズ径に制御することが可能となる。
(3)さらにまた、上記直火加熱炉1での空気比を、0.95以上1.05以下の範囲内に設定する。
これによって、スパングルのバラツキを抑制出来て、より所望のスパングルを得ることが可能となる。
2 加熱帯
3 均熱帯
4 冷却帯
5 焼鈍炉
6 鍍金浸漬部
6a 鍍金槽
6b 鍍金液
6c シンクロール
7 加熱部
8 冷却部
9 鍍金処理部
10 鋼板
Claims (1)
- 鋼板を、直火加熱炉で加熱し更に焼鈍炉において焼鈍を行った後に、純亜鉛鍍金浴で溶融亜鉛鍍金を施す溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法において、
上記直火加熱炉出側での鋼板表面の板温と溶融亜鉛鍍金後の単位面積当たりのスパングル個数との相関を予め取得し、
その取得した相関に基づき、溶融亜鉛鍍金後に要求される単位面積当たりのスパングル個数の範囲となる上記直火加熱炉の出側での板温を求め、その求めた板温となるように、上記直火加熱炉を制御することを特徴とする溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法。
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JPH1136057A (ja) * | 1997-07-18 | 1999-02-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 微小スパングル溶融亜鉛合金めっき鋼板と製造方法 |
JP2000273608A (ja) * | 1999-03-19 | 2000-10-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 意匠性に優れた溶融Zn系合金めっき鋼板の製造方法 |
JP2006183080A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Jfe Steel Kk | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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