JP2006183080A - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 めっき浴中のPb含有量の調整を行うことなしに、レギュラースパングル用のめっき浴を用いてミニマムスパングルめっき鋼板を簡便かつ低コストで製造するための方途について提案する。
【解決手段】 Pb:0.10〜0.12mass%を含む溶融亜鉛めっき浴に、鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成するに当たり、めっき浴の温度を455℃未満およびめっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御して、ミニマムスパングル亜鉛めっき鋼板を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】 Pb:0.10〜0.12mass%を含む溶融亜鉛めっき浴に、鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成するに当たり、めっき浴の温度を455℃未満およびめっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御して、ミニマムスパングル亜鉛めっき鋼板を製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、特にレギュラースパングル亜鉛めっき鋼板の製造に供するめっき浴において、ミニマムスパングル亜鉛めっき鋼板の製造を可能とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
溶融亜鉛めっき鋼板の表面には、溶融亜鉛層が凝固する際に、その凝固核を中心に融点の低いZn−Pb固溶体が溶融状態のまま樹枝状に結晶する結果、いわゆるスパングルと称される模様が発生する。このスパングルは、粗大なレギュラースパングルおよび微細なミニマムスパングルとに大別される。
一般に、表面にレギュラースパングルを有する亜鉛めっき鋼板(以下、レギュラースパングルめっき鋼板と示す)と、表面にミニマムスパングルを有する亜鉛めっき鋼板(以下、ミニマムスパングルめっき鋼板と示す)とは、主に溶融亜鉛めっき浴中のPb含有量を制御することによって、造り分けられている。
すなわち、Pb含有量の高いめっき浴は、レギュラースパングルめっき鋼板の製造に適しており、一方同Pb含有量の低いめっき浴は、ミニマムスパングルめっき鋼板の製造に適している。このため、亜鉛めっき浴中のPb含有量を調整することによって、レギュラースパングルめっき鋼板とミニマムスパングルめっき鋼板とを造り分ける方法が、一般に用いられている。
具体的には、レギュラースパングルめっき鋼板を製造していためっきラインにて、ミニマムスパングルめっき鋼板を製造する場合は、めっき浴中のPb含有量を低減する必要があるために、めっき浴中のめっき液を入れ替えるか、または要求されるPb含有量に調整したミニマムスパングルめっき鋼板専用のめっき浴を準備する必要があり、生産性や経済性を損なう原因になっていた。
上記しためっき浴またはめっき液の交換を行うことなしに、すなわちレギュラースパングル用のめっき浴を用いてミニマムスパングルめっき鋼板を製造する方法について、特許文献1には、めっきを施した鋼板の表面に亜鉛粉または薬液を吹付けたのちブローイングすることが提案されている。
しかしながら、めっき表面に亜鉛粉または薬液を吹付ける際に、特に鋼板幅方向に均一に亜鉛粉または薬液を付着させるには厳密な制御が必要であり、また、亜鉛粉または薬液の吹付けやブローイングを行うための装置が新たに必要でなることから、設備コストの増加をまねく不利があった。
特開平5−247616号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消するものであり、めっき浴中のPb含有量の調整を行うことなしに、レギュラースパングル用のめっき浴を用いてミニマムスパングルめっき鋼板を簡便かつ低コストで製造するための方途について、提案することを目的とする。
さて、連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、レギュラースパングルめっき鋼板を製造する場合、亜鉛めっき浴にPbを添加することが一般的である。Pbを添加すると、亜鉛めっき浴の融点が下がり、純Znが優先的に凝固を開始し、Zn固体の結晶成長が起こることによって、スパングル径が大きくなるのである。従って、このPbが添加されたレギュラースパングル用溶融亜鉛めっき浴を用いてめっき処理を行うに当たり、Znの結晶成長を抑えることができれば、レギュラースパングル用のめっき浴においても、ミニマムスパングルめっき鋼板の製造が実現する。
そこで、発明者らは、Pbを添加した亜鉛めっき浴においてZnの結晶成長を抑える手段について鋭意究明したところ、めっき浴温度に加えてめっき浴浸入時の鋼板温度を制御することが有効であることを知見し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、Pb:0.10〜0.12mass%を含む溶融亜鉛めっき浴に、鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成するに当たり、めっき浴の温度を455℃未満およびめっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御して、ミニマムスパングル亜鉛めっき鋼板を得ることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
ここで、上記レギュラースパングルおよびミニマムスパングルについて整理すると、まずレギュラースパングルとは、亜鉛の結晶を粗大化させたものであり、一方ミニマムスパングルとは、結晶粒を微細化させたものである。すなわち、レギュラースパングルとミニマムスパングルとは、目視により判断することができる。例えば、めっき鋼板について20mm×20mm四方の正方形観察部の4辺におけるスパングルの粒界の数を測定し、
スパングル指数={(4辺上の粒界数)/4}2
として、スパングル指数を求めておき、該スパングル指数が5〜35がレギュラースパングル、35超えがミニマムスパングルと見做すことができる。なお、ミニマムスパングルとしては、スパングルが目視で判断できない程度の微細なスパングルが外観上特に好ましい。
ちなみに、上記スパングル指数の測定例を図1に示す。図1の測定例では、4辺と交わる粒界数は12であるからスパングル指数は9となり、レギュラースパングルと判断できる。
スパングル指数={(4辺上の粒界数)/4}2
として、スパングル指数を求めておき、該スパングル指数が5〜35がレギュラースパングル、35超えがミニマムスパングルと見做すことができる。なお、ミニマムスパングルとしては、スパングルが目視で判断できない程度の微細なスパングルが外観上特に好ましい。
ちなみに、上記スパングル指数の測定例を図1に示す。図1の測定例では、4辺と交わる粒界数は12であるからスパングル指数は9となり、レギュラースパングルと判断できる。
本発明によれば、めっき浴中のPb含有量の調整を行うことなしに、レギュラースパングル用のめっき浴を用いて、しかもめっき条件の制御という簡便な手段によって、ミニマムスパングルめっき鋼板を製造することができる。従って、特段の設備追加を伴うこともなく、一般的なレギュラースパングル用の連続溶融亜鉛めっきラインをそのまま用いることができるため、低コストでミニマムスパングルめっき鋼板を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法は、溶融亜鉛めっき浴に鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成する、一般的な溶融亜鉛めっき工程において、Pb:0.10〜0.12mass%を含むレギュラースパングル用のめっき浴を用いることを前提とする。すなわち、スパングルを粗大化させてレギュラースパングルめっき鋼板を製造するためには、めっき浴組成において少なくとも0.10mass%以上のPbが必要である。一方、Pbが0.12mass%を超えると、以下に示す制御を行ってもスパングルの微細化を望めないため、上限は0.12mass%とした。
本発明の方法は、溶融亜鉛めっき浴に鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成する、一般的な溶融亜鉛めっき工程において、Pb:0.10〜0.12mass%を含むレギュラースパングル用のめっき浴を用いることを前提とする。すなわち、スパングルを粗大化させてレギュラースパングルめっき鋼板を製造するためには、めっき浴組成において少なくとも0.10mass%以上のPbが必要である。一方、Pbが0.12mass%を超えると、以下に示す制御を行ってもスパングルの微細化を望めないため、上限は0.12mass%とした。
上記のめっき浴に鋼板を浸漬するに当たり、めっき浴の温度を455℃未満およびめっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御することが肝要である。
まず、めっき浴の温度は455℃未満とする。なぜなら、455℃以上のめっき浴の温度ではめっき皮膜の冷却に時間がかかり亜鉛の結晶成長が進んでしまう。このため充分に微細なミニマムスパングルが得られなくなってしまう。より好ましくは、450℃以下である。
まず、めっき浴の温度は455℃未満とする。なぜなら、455℃以上のめっき浴の温度ではめっき皮膜の冷却に時間がかかり亜鉛の結晶成長が進んでしまう。このため充分に微細なミニマムスパングルが得られなくなってしまう。より好ましくは、450℃以下である。
なお、めっき浴温度の下限は、めっきする亜鉛の凝固点で決まる。なお、亜鉛の結晶成長を極力抑制するためには、凝固点直上の温度が最も好ましい。
次に、めっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御することによって、スパングルの粗大化を抑制することも重要である。すなわち、めっき浴浸入時の鋼板温度が530℃以上になると、鋼板が保持している熱量が亜鉛めっき皮膜へ伝わり、めっき皮膜温度が上昇しめっき皮膜の冷却に時間がかかり亜鉛の結晶成長が進んでしまう。安定してミニマムスパングルを得る上では、好ましくは500℃以下、より好ましくは460℃以下である。さらに、鋼板温度はめっき浴温度に近づけることが望ましい。
なお、めっき浴浸入時の鋼板温度は、めっき層を均一かつ確実に形成するために、455℃以上とすることが好ましい。
また、その他のめっき条件については、特に限定する必要はない。
また、その他のめっき条件については、特に限定する必要はない。
Pb:0.11mass%を含む溶融亜鉛めっき浴(レギュラースパングル用溶融めっき浴)に、種々の条件の下に、通常の一般低炭素鋼材(SGCC相当 JIS ZG3302)のめっき原板を浸漬して溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。そのときのめっき条件は、表1に示す通りである。次いで、得られた溶融亜鉛めっき鋼板について、めっき層表面のスパングルの生成状況を調査した。その調査結果を、表1に併記する。
なお、スパングル生成状況は、目視で溶融亜鉛めっき鋼板の表裏面を観察し、前述のスパングル指数を求めた。
表1から、めっき浴の温度およびめっき浴浸入時の鋼板温度を、本発明に従って適正に制御することによって、レギュラースパングル用のめっき浴を用いてミニマムスパングルめっき鋼板が得られることがわかる。
Claims (1)
- Pb:0.10〜0.12mass%を含む溶融亜鉛めっき浴に、鋼板を浸漬し、該鋼板の表面にめっき層を形成するに当たり、めっき浴の温度を455℃未満およびめっき浴浸入時の鋼板温度を530℃未満に制御して、ミニマムスパングル亜鉛めっき鋼板を得ることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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JP2004376540A JP2006183080A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JP2004376540A Withdrawn JP2006183080A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133535A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Jfe Steel Corp | 溶融亜鉛鍍金鋼板の製造方法 |
-
2004
- 2004-12-27 JP JP2004376540A patent/JP2006183080A/ja not_active Withdrawn
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