JP2013129878A - リチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板 - Google Patents

リチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】強度が高く、アルカリ処理を行った場合に、エッチングピットの発生および不溶成分の堆積が抑えられ、当該アルミニウム合金板を用いる電池缶と蓋部材とを安定に溶接し得るとともにアルカリ処理後の排液処理を容易に行うことができるリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板は、Si:0.01〜0.30質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.20〜0.60質量%、Mn:0.50〜0.90質量%、Mg:0.05〜0.20質量%を含有し、Cu、Mn、Mgの各含有量が、5×[Cu含有量]+10×[Mn含有量]+3×[Mg含有量]<10なる関係式を満たす。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯機器の電源、電気自転車などの車載用電源として、広く利用されているが、リチウムイオン二次電池を車載用電源として使用する場合、その電池外装缶には耐ふくれ性や耐衝撃性が要求される。このため、リチウムイオン電池外装缶の材料には、JIS A1050よりも高強度な3000系のアルミニウム合金が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、リチウムイオン二次電池の外装缶は、例えば、アルミニウム合金板を、多段絞り加工を用いるプレス成形によって有底筒状に成形し、この成形体(電池缶)と防爆処理が施された蓋部材とをレーザー溶接により一体に接合することで作製されている。この多段絞り加工では、得られる電池缶の開口縁部に余耳が生じるため、蓋部材を溶接する前に、開口縁部から余耳を切断するトリミング工程が行われている。
ここで、トリミング工程においてアルミニウム合金板の切断面には、アルミニウム合金板が平滑に切断された、剪断面と、金属が塑性変形した結果破断した破断面とが存在し、このうち破断面には粒径数μm程度の金属粉が付着している。
リチウムイオン二次電池において、金属粉の存在は極めて深刻な問題であり、破断面に付着する金属粉が電池缶内部に侵入した場合、侵入した金属粉がセパレータを貫通して正極と負極の短絡を引き起こす可能性がある。この短絡を生じた場合、リチウムイオン二次電池の内圧が異常に増加する結果、電池が発火することが懸念される。
そこで、電池缶に付着した金属粉を除去するため、トリミングを行った電池缶をアルカリ溶液中に浸漬し、電池缶表面を10〜30μm程度除去すると同時に、金属粉を取り除くアルカリ溶液浸漬処理が行われる場合がある。
特開2004−232009号公報
車載用の電池缶は、耐ふくれ性や耐衝撃性を確保するために、A1050よりも高強度なA3003あるいはそれ以上の系のアルミニウム合金材料が使用されている。アルミニウムは、アルカリ溶液に対し溶解するので、アルカリ溶液浸漬処理後に水洗浄を行うと、アルミニウム金属粉(スラッジ)が堆積する。A1050であれば、添加元素はSi、Fe程度であるので、その割合は小さく、スラッジの堆積も少ない。
しかし、Mnを溶質元素として1.0〜1.5質量%程度含む3000系のアルミニウム合金板によって電池缶を構成している場合、アルカリ処理を行うと、スラッジの堆積に加えて不要なMn系粒子やその他の金属間化合物が多く沈殿する。
A1050を用いた電池缶で発生するアルミニウムスラッジは、処分も容易であるが、3000系のアルミニウム合金板を用いた電池缶で発生するMn系粒子を含む沈殿物の分離除去は極めて困難であり、処理費用が膨大となるおそれがある。よって、できるだけこれらの溶質元素を含まないアルミニウム合金材料を電池缶用として用いることが好ましいが、リチウムイオン電池缶としての機能を十分に発揮するためには、十分な材料強度を確保する必要がある。
また、3000系のアルミニウム合金板をアルカリ溶液中に浸漬すると、その表面が溶解すると同時に、アルミニウム合金中の金属間化合物を起点としたエッチングピット(空孔)が多数形成される。このエッチングピットは、アルミニウム合金板の表面に、いわば空洞として存在するため、直径が50μm以上になると、電池缶と蓋部材をレーザー溶接した時に、この空洞部分が未溶接部分となって蓋部材の溶接安定性に問題を生じてしまう課題がある。
本発明は、これら従来の問題点を解決するためになされたものであり、強度が高く、アルカリ処理を行った場合に、エッチングピットの発生および不溶成分の堆積を抑えることができ、電池缶と蓋部材とを安定に溶接し得るとともにアルカリ処理後の排液処理を容易に行うことができるリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
本発明者が、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム合金板にSi、Fe、Cu、Mn、Mgを所定の含有量で添加し、Cu、Mn、Mgの各含有量を、所定の関係式を満たすように設定することにより、強度が高く、また、アルカリ処理を行った場合に、エッチングピットの発生および不溶成分の堆積が抑えられるアルミニウム合金板が得られるとの知見を得るに至った。
本発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、以下の構成を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板は、Si:0.01〜0.30質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.20〜0.60質量%、Mn:0.50〜0.90質量%、Mg:0.05〜0.20質量%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、Cu、Mn、Mgの各含有量の割合が、以下の関係式を満たすことを特徴とする。
5×[Cuの含有量(質量%)]+10×[Mnの含有量(質量%)]+3×[Mgの含有量(質量%)]<10
本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板によれば、Si、Fe、Cu、Mn、Mgを所定の含有量で含有し、且つ、Cu、Mn、Mgの各含有量を所定の関係式を満たすように含ませているので、高い強度が得られるとともに、アルカリ溶液に対する優れたエッチング特性を発揮できる。
このため、本発明に係るアルミニウム合金板により構成された電池缶は、高い強度が得られるとともに、蓋部材との溶接前にアルカリ処理を行った場合、蓋部材との被溶接面に空洞の生成を抑制でき、その後の溶接工程で蓋部材を安定に溶接することができる。その結果、耐ふくれ性および耐衝撃性に優れた電池外装缶を得ることができる。また、アルカリ処理後の排液処理を容易に行うことができ、製造コストを低減できる効果がある。
本発明に係るアルミニウム合金板を適用した二次電池外装缶の一例を示す概略分解斜視図である。 図1に示す二次電池外装缶が備える角型缶の概略断面図である。 角型缶に蓋部材をレーザー溶接した状態を示す概略斜視図である。
以下に、本発明に係るアルミニウム合金板の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板(以下、アルミニウム合金板と称する。)は、プレス成形によって電池缶形状に成形され、必要に応じてアルカリ処理が施された後、蓋部材とレーザー溶接により一体化されて組み立てられたリチウムイオン二次電池缶である。
このアルミニウム合金板は、Si、Fe、Cu、Mn、Mgを、それぞれ、Si:0.01〜0.30質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.20〜0.60質量%、Mn:0.50〜0.90質量%、Mg:0.05〜0.20質量%なる含有量で含有し、残部がAlおよび不可避不純物から構成され、且つ、Cu、Mn、Mgの各含有量の割合が下記関係式を満たすものである。
5×[Cuの含有量]+10×[Mnの含有量]+3×[Mgの含有量]<10…(関係式)
本発明のアルミニウム合金板は、このような組成を有することにより、高い強度が得られ、また、アルカリ処理を行った場合に、即ち、製缶後エッチング処理に供された場合に、エッチングピットの発生および不溶成分の堆積が抑えられる。
このため、このようなアルミニウム合金板によって構成された電池缶は、アルミニウム合金板そのものが高強度であることにより高い強度が得られ、また、蓋部材との溶接前にアルカリ処理を行った場合であっても、蓋部材との被溶接面に空洞(エッチングピット)が形成されるのが抑えられ、その後の溶接工程で蓋部材を安定に溶接することができる。その結果、耐ふくれ性および耐衝撃性に優れた電池外装缶を得ることができる。また、アルカリ処理後の排液処理を容易に行うことができ、製造コストの低減を図ることが可能である。
以下、各元素の組成範囲について詳述する。
なお、以下の説明では、アルカリ処理後におけるアルミニウム合金板の成形体(電池缶)において、その表面の1mm当たりに存在する、孔径50μm以上のエッチングピットの個数を、「エッチングピットの分布密度」と称する。
「Si含有量:0.01〜0.30質量%」
Siは不可避不純物として存在し、アルミニウム合金板の強度を若干高める効果がある。しかし、レーザー溶接時に溶け込み深さが一定でなくなるなど、溶接安定性に悪影響を及ぼす。このため、Si含有量は0.30質量%以下である必要がある。但し、Si含有量を0.01質量%未満とするには、入手が困難な高純度地金を使用する必要があり、アルミニウム合金板がコスト高となる。このため、Si含有量の下限は0.01質量%に規定する。
「Fe含有量:0.05〜0.50質量%」
Feは、Siと同様に不可避不純物として存在し、アルミニウム合金板の強度を若干高める効果がある。しかし、Fe含有量が大きくなると、アルミニウム合金板にAl−Fe−Mn系の晶出物粒子が粗大に分布するようになる。このAl−Fe−Mn系晶出物粒子は、特に粗大である場合、アルミニウム合金板のプレス成形に際して、破断の直接原因にはならないが、き裂の進展経路となり易い。このため、良好なプレス成形性を得るには、アルミニウム合金板に分布するAl−Fe−Mn系晶出物粒子について、その大きさと分布状態を適切に管理する必要がある。
このため、本発明では、Fe含有量を0.50質量%未満に規制する。これにより、Al−Fe−Mn系晶出物粒子の晶出・粗大化が抑えられ、良好なプレス成形性を得ることができる。但し、Fe含有量を0.05質量%未満とするには、入手が困難な高純度地金を使用する必要があり、アルミニウム合金板がコスト高になる。さらに、Fe含有量を極めて少なくすると、アルミニウム合金の鋳造性が悪化し、鋳塊に割れを生じるなどの問題が発生する。このため、Fe含有量の下限は0.05質量%に規定する。
「Cu含有量:0.20〜0.60質量%」
Cuは、アルミニウム合金板を高強度化させるための主要元素である。Cu含有量が少ないと、プレス成形後の強度(電池缶の強度)が不十分となる。また、Cu含有量が多すぎると、アルミニウム合金板の材料強度が高くなりすぎてプレス成形が不可能となる。さらに、Cu含有量が多くなると、アルカリ処理を行った場合に、排液中の不溶成分(スマット)の堆積量が多くなり、排液処理が困難になるといった問題が生じる。このため、Cu含有量は、0.20〜0.60質量%の範囲に規定する。
「Mn含有量:0.50〜0.90質量%」
Mnの添加は、Al−Mn系分散相が高密度に分布することによる作用(分散強化)によって、アルミニウム合金板の材料強度を高める効果がある。一方、JIS A3003合金のようにMn含有量が0.90質量%を超えると、Cuと同様に、アルカリ処理を行った場合のスマット堆積量が多くなり、排液処理が困難になるといった問題が生じる。また、Mn含有量が0.50質量%未満であると、Al−Mn系分散相の材料強度への寄与が小さくなってしまい、プレス成形された電池缶が必要な強度を満たさなくなる。さらに、アルカリ処理を行った場合のエッチングピットの分布密度はMn含有量と相関関係があり、1mmあたりに存在する孔径50μm以上のエッチングピットの個数を10個以下とするためには、Mn含有量が0.50〜0.90質量%であることを要する。
「Mg含有量:0.05〜0.20質量%」
Mgは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高める効果がある。レーザー溶接を行う場合、0.05〜0.20質量%程度のMgを含有すると、溶接がキーホール型の溶接状態となり易いので初期に深い溶け込みを得ることができる。Mg含有量が0.20質量%を超えると、レーザー溶接時の溶け込み深さは大きくなるが、レーザー照射の際、照射部からスパッタが飛び跳ねて電池内部に侵入し、正極・負極の短絡を引き起こす可能性がある。また、Mg含有量が多すぎると、アルカリ処理を行った場合に、排液中のスマットの堆積量が多くなり、その排液処理が困難になる。これらの点から、Mg含有量は0.05〜0.20質量%の範囲に規定する。
「Cu、Mn、Mgの各含有量:5×[Cu含有量]+10×[Mn含有量]+3×[Mg含有量]<10」
溶質元素であるCu、Mn、Mgの各含有量を、前記関係式を満たす範囲とすることにより、アルカリ処理後におけるアルミニウム合金板のエッチングピットの分布密度(1mm当たりに存在する、孔径50μm以上のエッチングピットの個数)を10個以下に抑えることができる。また、これらの溶質元素を含むアルミニウム合金板では、アルカリ処理後の排液中にNa、Al(OH)他、溶質元素の残渣が堆積するが、Cu、Mn、Mgの各含有量を前記関係式の範囲とすることにより、これらの堆積量を小さく抑えることができ、排液処理を簡単に行うことができるようになる。また、関係式の値が大きくなるとプレス成形性が低下する傾向にある。
次に、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法の一例について説明する。
本発明のアルミニウム合金板は、所定の組成となるように成分調整したアルミニウム合金鋳塊に対して、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍の各工程を行うことによって製造される。以下、各工程について順次説明する。
[1]均質化処理工程
まず、目的とするアルミニウム合金板の組成に対応するアルミニウム合金鋳塊を、処理温度まで昇温し、この温度で一定時間保持する。これにより、アルミニウム合金鋳塊の偏析等の不均一な組織が除去され、得られるアルミニウム合金板の特性及び品質が安定化する。
均質化処理時間及び均質化処理温度は、特に限定されないが、通常480℃〜590℃の温度範囲において60分〜12時間とされる。
[2]熱間圧延工程
次に、均質化処理が施されたアルミニウム合金鋳塊を、再結晶温度以上に加熱しつつ、一対の圧延ロール間を通過させることで圧延し、得られた圧延板を巻取りコイルに巻取る。
ここで、圧延板を巻取る際の圧延板の温度は360℃以下であるのが好ましい。これにより、圧延板において繊維状組織を強く発達させることができ、後工程[4]で行う最終焼鈍で、均一且つ微細な結晶粒組織を容易に得ることができる。
なお、この圧延工程を繰り返し行う場合には、各圧延工程の全てにおいて、圧延板を360℃以下の温度で巻取ることが好ましい。これにより、圧延板の繊維状組織をより強く発達させることができる。
[3]冷間圧延工程
次に、熱間圧延工程で得られた圧延板を、冷間圧延し、得られた圧延板を巻取りコイルに巻取る。これにより、圧延板の平坦度および硬度が所望の値に調整される。
ここで、この冷間圧延工程での加工度は、20〜90%であることが好ましい。冷間圧延工程での加工度が20%未満の場合には、得られるアルミニウム合金板の引張強さが不足し、該アルミニウム合金板によって電池の角型缶を構成したとき十分な耐圧強度が得られない可能性がある。また、加工度が90%を超えると、アルミニウム合金板の引張強さが高くなり過ぎ、そのプレス成形性が低下する。これにより、このアルミニウム合金板を多段絞り加工としごき加工によって角型缶に成形した場合に、得られた角型缶が破断し易い可能性がある。
[4]最終焼鈍工程
次に、冷間圧延工程によって得られた圧延板を、再結晶温度以上(焼鈍温度)に昇温し、この温度で一定時間保持した後、冷却することでアルミニウム合金板を得る。
この最終焼鈍は、アルミニウム合金板を再結晶温度以上に加熱した後冷却することで再結晶化させる処理であり、この最終焼鈍によって圧延板の加工歪を緩和し、プレス成形性と成形後の電池缶強度を両立させることができる。
ここで、最終焼純工程の条件は以下のように設定することが好ましい。
昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400〜550℃、保持時間:5〜60秒、冷却速度:20〜200℃/秒。
これにより、再結晶化した結晶粒が微細且つ均一となり、プレス成形性と成形後の電池缶強度に優れたアルミニウム合金板を得ることができる。
なお、この最終焼鈍工程は、連続焼鈍炉を用いて行うことができる。
以上のような条件で熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を行うことにより、高強度、かつ、適度な伸びを有し、レーザー溶接性、プレス成形性に優れたアルミニウム合金板を製造できる。
次に、本発明のアルミニウム合金板よりなるリチウムイオン二次電池缶を適用した電池外装缶の一例について説明する。
図1は、本発明に係るアルミニウム合金板を適用した電池外装缶を示す概略分解斜視図、図2は、図1に示す電池外装缶が備える角型缶の概略断面図、図3は、角型缶に蓋部材をレーザー溶接した状態を示す概略斜視図である。
図1、2に示す電池外装缶10は、横断面が略長方形状をなす有底筒状の角型缶(リチウムイオン二次電池缶)1と、角型缶1の開放された一端を閉塞する蓋部材2とを有しており、角型缶と蓋部材2とは、レーザー溶接によって接合されている(図3参照)。この電池外装缶10の内部には、例えば、板状の正極および負極がセパレータを介して交互に積層された電極積層体と、電解質とが収容される。
そして、本実施形態の電池外装缶10では、角型缶1が先に説明したアルミニウム合金板により構成されている。
先に説明したアルミニウム合金板は、強度が高く、また、アルカリ処理を行った場合に、エッチングピットの発生および不溶成分の堆積が抑えられる。
このため、前述のアルミニウム合金板によって構成された角型缶1は、アルミニウム合金板が高強度であることを反映して高い強度が得られ、また、蓋部材2との溶接前にアルカリ処理を行った場合でも、蓋部材2との被溶接面に大きな空洞(エッチングピット)が形成されるのが抑えられ、その後の溶接工程で蓋部材2を安定に溶接することができる。その結果、耐ふくれ性および耐衝撃性に優れた電池外装缶10を得ることができる。
また、先のアルミニウム合金板は、CuとMnとMgの含有量を前述の関係式を満たすように低く抑えているので、スマットの量も少なくでき、アルカリ処理後の排液処理を容易に行うことができ、製造コストの低減を図ることが可能である。このため、この電池外装缶10は、車載用のリチウムイオン二次電池外装缶として好適に用いることができる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、本発明のリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板が適用される電池缶は、図1、図2に示す角筒型のものに限るものではなく、円筒型等、他の形状であっても構わない。
以下に、本発明の具体的実施例について説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1〜実施例7」
Si、Fe、Cu、Mn、Mgを表1に示すように調整したアルミニウム合金鋳塊を溶製し、このアルミニウム合金鋳塊を580℃で6時間保持する均質化処理を行い、その後、熱間圧延を施した。熱間圧延工程で得られた圧延板に、冷間圧延を施すことによって板厚0.8mmの圧延板を得た。この圧延板に最終焼純を行った。最終焼鈍の条件は下記の通りである。
昇温速度:120℃/秒、焼鈍温度:450℃、焼鈍温度での保持時間:30秒、冷却速度:150℃/秒。以上の工程により、アルミニウム合金板を得た。
「比較例1〜比較例11」
表1に示すように、アルミニウム合金に含まれる成分のいずれかの含有量を、前述した所定範囲外とする以外は、前記実施例1と同様にして各アルミニウム合金板を得た。
各実施例及び各比較例で作製したアルミニウム合金板について、エッチング特性、プレス成形性および成形された電池缶の強度、レーザー溶接性を評価した。評価の条件は以下に示した通りである。
(1)エッチング特性
各アルミニウム合金板を50mm×50mmサイズに切出して、60℃の7%NaOH水溶液中に3分間浸漬した。浸漬した試料を、HNO溶液での酸洗および水洗を行った後、レーザー顕微鏡にて観察し、1mmあたりに存在する孔径50μm以上のエッチングピットの個数を調べた。このエッチングピットの個数が、10個以下であればエッチング特性に優れてレーザー溶接に問題がないと評価した。
(2)プレス成形性および電池缶の強度
板厚0.8mmの各アルミニウム合金板を、金型数10段のトランスファープレスによる多段絞り−しごき加工によって、図1に示す電池缶として、肉厚t:0.5mm、横断面における短幅W:14mm、長幅L:90mm、高さH:70mmの角型缶に成型した後、各角型缶からJIS5号の1/2比例サイズの試験片を切出して引張試験を行った。ここで、プレス成形性については、以下の基準に従い評価した。また、電池缶の強度については、引張強度が150MPa以上のものを十分な強度を有するものと評価した。
○:多段絞り−しごき加工で問題なく成形できた場合
×:多段絞り−しごき加工で割れが発生して成形できなかった場合
(3)レーザー溶接性
レーザー溶接性は、プレス成形性の評価において、アルミニウム合金板から成形した各角型缶を用いて評価した。各角型缶の開放側に、JIS A3003−O材よりなる蓋部材(板厚0.8mm)を、最大出力2kwのYb−ファイバーレーザー溶接機を用いて溶接し、電池外装缶を作製した。溶接条件は以下の通りである。
発振方式:CW発振、ファイバー径:φ0.1、Arガス流量:20(L/min)、出力:550W、溶接速度:166(mm/sec)。
得られた電池缶の溶接部を切出して観察し、溶け込み深さ、溶接の安定性(全周にわたって溶接ができているか)を以下の基準に従い評価した。
○:0.2〜0.4mm程度(肉厚tに対して40〜80%程度)の溶け込み深さを全周にわたって得ることができた場合
△:0.2〜0.4mm程度(肉厚tに対して40〜80%程度)の溶け込み深さをほぼ全周にわたって得ることができたが、一部で0.2mm未満の溶け込み不足の箇所があった場合。
×:溶け込み深さが0.2mm未満の部分が多く存在する場合や0.5mmの肉厚を貫通してしまう場合。また、溶融スパッタが周囲に飛びはねる場合。
Figure 2013129878
表1に示すように、Si、Fe、Cu、Mn、Mgを所定の含有量で含有し、Cu、Mn、Mgの各含有量が所定の関係式を満たす各実施例のアルミニウム合金板は、いずれも50μm以上のエッチングピットの個数が1mmあたり10個以下であり、プレス成形性、電池缶強度、レーザー溶接性に優れていた。
これに対し、Si含有量が多すぎる比較例1のアルミニウム合金板は、レーザー溶接特性、特に溶接時の安定性に問題があった。
比較例2のアルミニウム合金板は、Si、Fe、Cuがいずれも多すぎるために成形中に破断した。
比較例3のアルミニウム合金板は、Cuが多すぎるアルミニウム合金板であるが、成形中に破断した。また、関係式を満たしていない。
比較例4のアルミニウム合金板は、Cuが少なすぎるアルミニウム合金板であるので、成形缶の強度が不足している。
比較例5のアルミニウム合金板は、Mnが多すぎるアルミニウム合金板であるが、関係式の値が大きく、50μm以上のエッチングピット数が多くなった。
比較例6のアルミニウム合金板は、Mnが少なすぎるアルミニウム合金板であるので、成形缶の強度が不足している。
比較例7のアルミニウム合金板は、Mgが多すぎるアルミニウム合金板であるので、関係式の値が大きく、溶接時に溶融スパッタの飛びはねが多く溶接安定性に劣った。
比較例8のアルミニウム合金板は、Mgが少なすぎるアルミニウム合金板であるので、目標の溶け込み深さを得ることができなかった。
比較例9のアルミニウム合金板は、CuとMnとMgが多すぎるアルミニウム合金板であるが、関係式の値が大きく、成形不可であった。
なお、Cu、Mn、Mgの含有量が所定量よりも多く、関係式の値が10以上のアルミニウム合金板(比較例3、5、7、9)は、アルカリ処理においてスマット堆積量が多く、その排液処理が困難であった。
1…角型缶(リチウムイオン二次電池缶)、2…蓋部材、10…電池外装缶。

Claims (1)

  1. Si:0.01〜0.30質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.20〜0.60質量%、Mn:0.50〜0.90質量%、Mg:0.05〜0.20質量%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、Cu、Mn、Mgの各含有量の割合が、以下の関係式を満たすことを特徴とするリチウムイオン二次電池缶用アルミニウム合金板。
    5×[Cuの含有量(質量%)]+10×[Mnの含有量(質量%)]+3×[Mgの含有量(質量%)]<10
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