JP2013128966A - レーザー光照射装置、フィルム切断装置、レーザー光照射方法及びフィルム切断方法 - Google Patents

レーザー光照射装置、フィルム切断装置、レーザー光照射方法及びフィルム切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学フィルムを適切に切断加工することが可能なレーザー光照射装置を提供する。
【解決手段】レーザー光Lを発振するレーザー光発振機31と、レーザー光発振機31から発振されたレーザー光Lを二つに分岐し、一方のレーザー光L1をフィルムに照射するビームスプリッター33と、他方のレーザー光L2の強度を測定する測定装置34と、設定値に対する出力値の大小を判断して、レーザー光発振機31の出力値を設定値に近づけるように補正する補正装置35と、ビームスプリッター33から照射される一方のレーザー光L1を遮断するシャッターを有するシャッター装置36と、レーザー光発振機31からレーザー光Lを連続的に発振させ、フィルムに一方のレーザー光L1を照射させるときはシャッターを開いた状態にし、フィルムに一方のレーザー光L1を照射させないときはシャッターを閉じた状態にするよう制御する制御装置37と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザー光照射装置、フィルム切断装置、レーザー光照射方法及びフィルム切断方法に関するものである。
偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムは、液晶パネル等の各種製品に広く用いられている。従来、光学フィルムの切断加工には刃物が用いられている。しかしながら、刃物による切断加工の場合、被切断物からフィルム屑等の異物が生じ易い。この異物が偏光フィルムに付着すると、液晶パネル等の製品に表示不具合等の欠陥が生じることがある。その結果、製品の歩留まりが低下してしまう。
そこで、近年、光学フィルムの切断加工には、刃物に代わってレーザー光が使用されている。レーザー光で切断加工を行うことにより、刃物による切断加工に比べて、被切断物からフィルム屑等の異物が生じ難くなる。その結果、製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
例えば、レーザー光による切断方法としては、特許文献1〜5に記載されているように、種々の方法が提案されている。
特開2008−284572号公報 特開2008−302376号公報 特開2009−22978号公報 特開2009−167321号公報 特開2010−53310号公報
ところで、一般にレーザー光発振機は、レーザー光の出力が一定ではなく、ごく短い周期(例えば1ミリ秒)で、出力値が設定値を挟んだ一定の振幅で変動するという特性を有する。その為、レーザー光発振機の出力変動により、光学フィルムを切断加工するのに必要な値にレーザー光の出力値を設定しても、実際には光学フィルムを適切に切断加工することができない場合があるという問題がある。
通常、光学フィルムの切断加工は、光学フィルムの長尺物を一定の速度で搬送しながらレーザー光を照射することによって連続的に行われる。ここで、レーザー光の出力値を光学フィルムの切断加工に必要な値に設定すると、レーザー光発振機の出力変動によって当該出力値が設定値よりも一定以上低くなったときには、光学フィルムが適切に切断されない場合がある。これに伴い、切断加工後の光学フィルムを巻回するときに当該光学フィルムの端部(切断部)が引きちぎられた状態になったり、光学フィルムの端部から内側に向かって破れたりするといった欠陥が発生することとなる。
一方、前記欠陥を解消するために、レーザー光の出力値が設定値よりも一定以上低くなったときにおいても適切に切断加工ができるように、レーザー光の出力値を光学フィルムの切断加工に必要な値よりも高い値に設定する方法も考えられる。しかしながら、レーザー光の出力値を光学フィルムの切断加工に必要な値よりも高い値に設定すると、レーザー光発振機の出力変動によって当該出力値が設定値よりも一定以上高くなったときには、出力値が高くなりすぎ、光学フィルムの端部(切断部)がレーザー光の照射による過剰な熱で溶解したり、熱膨張して盛り上がったり反り返ったりするといった欠陥が発生することとなる。
しかしながら、特許文献1〜5に記載されている切断方法においては、レーザー光発振機の前記特性、即ち、ごく短い周期でレーザー光の出力が変動するという特性について、特段の考慮や対策は行われていない。つまり、特許文献1〜5に記載されている切断方法においては、光学フィルムを適切に切断加工することができない場合があるという問題点を有している。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光学フィルムを適切に切断加工することが可能なレーザー光照射装置、フィルム切断装置、レーザー光照射方法及びフィルム切断方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のレーザー光照射装置は、フィルムを切断するために前記フィルムにレーザー光を照射するレーザー光照射装置であって、前記レーザー光を発振するレーザー光発振機と、前記レーザー光発振機から発振されたレーザー光を二つに分岐し、分岐されたレーザー光のうちの、一方のレーザー光を前記フィルムに照射するビームスプリッターと、分岐されたレーザー光のうちの、他方のレーザー光の強度を測定する測定装置と、測定された前記強度から前記レーザー光発振機の出力値を算出し、設定値に対する前記出力値の大小を判断して、前記レーザー光発振機の出力値を設定値に近づけるように補正する補正装置と、前記ビームスプリッターと前記フィルムとの間における前記一方のレーザー光の光路上に配置され、前記ビームスプリッターから照射される前記一方のレーザー光を遮断するシャッターを有するシャッター装置と、前記レーザー光発振機から前記レーザー光を連続的に発振させ、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記シャッターを開いた状態にし、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記シャッターを閉じた状態にするよう制御する制御装置と、を含むことを特徴とする。
本発明においては、前記ビームスプリッターは、前記レーザー光発振機から発振されたレーザー光の一部を反射し、残りの一部を透過するよう構成されており、前記測定装置は、前記ビームスプリッターを透過したレーザー光の強度を測定するように構成されていることを特徴とする。
本発明においては、前記測定装置は、前記他方のレーザー光を熱起電力に変換して前記他方のレーザー光の強度を測定する素子であることを特徴とする。
本発明においては、前記レーザー光発振機がCOレーザー光発振機であることを特徴とする。
本発明のフィルム切断装置は、帯状のフィルムを所定サイズのフィルムに切断するためのフィルム切断装置であって、前記帯状のフィルムを供給する供給装置と、前記供給装置から供給された前記帯状のフィルムを所定サイズに切断する前記レーザー光照射装置と、を含むことを特徴とする。
本発明においては、前記制御装置は、前記供給装置から供給された前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記帯状のフィルムを所定の切断領域で停止させるとともに前記シャッターを開いた状態にし、前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記帯状のフィルムを前記所定の切断領域で停止させないで前記シャッターを閉じた状態にするよう制御することを特徴とする。
本発明のレーザー光照射方法は、フィルムを切断するために前記フィルムにレーザー光を照射するレーザー光照射方法であって、レーザー光発振機から発振されたレーザー光を二つに分岐させ、分岐させたレーザー光のうちの、一方のレーザー光を前記フィルムに照射するとともに、他方のレーザー光の強度を測定し、測定した前記強度から前記レーザー光発振機の出力値を算出し、設定値に対する前記出力値の大小を判断して、前記レーザー光発振機の出力値を設定値に近づけるように補正し、前記レーザー光発振機から前記レーザー光を連続的に発振させ、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは、前記一方のレーザー光を遮断するシャッターを開いた状態にし、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記シャッターを閉じた状態にすることを特徴とする。
本発明のフィルム切断方法は、帯状のフィルムを所定サイズのフィルムに切断するためのフィルム切断方法であって、前記帯状のフィルムを供給する第1の工程と、供給された前記帯状のフィルムを所定サイズに切断する第2の工程と、を含み、前記第2の工程として、前記レーザー光照射方法を用いることを特徴とする。
本発明においては、前記第2の工程において、供給された前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記帯状のフィルムを所定の切断領域で停止させるとともに前記シャッターを開いた状態にし、前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記帯状のフィルムを前記所定の切断領域で停止させないで前記シャッターを閉じた状態にすることを特徴とする。
本発明によれば、光学フィルムを適切に切断加工することが可能なレーザー光照射装置、フィルム切断装置、レーザー光照射方法及びフィルム切断方法を提供することができる。
本発明のフィルム切断装置の一実施形態を示す模式図である。 同、切断機構の要部を示す断面図である。 同、レーザー光照射装置を示す模式図である。 同、フィルム切断方法の一実施形態を示すフローチャートである。 比較例のレーザー光照射装置を示す模式図である。 本発明のレーザー光照射装置によって照射されたレーザー光の出力変動と、比較例のレーザー光照射装置によって照射されたレーザー光の出力変動とを対比したグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明のフィルム切断装置1の一実施形態を示す模式図である。
図1に示すフィルム切断装置1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどの光学表示パネルの基板に貼り付ける偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムを切断するものである。尚、光学フィルムは、可撓性を有する帯状の機能性フィルムであれば特に限定されるものではなく、本実施形態では偏光フィルムを例に挙げて説明する。
尚、レーザー光照射装置30が切断する偏光フィルム(切断対象)は、特に限定されるものではないが、公知の偏光フィルムを挙げることができる。当該偏光フィルムとしては、通常、長尺(例えば切断方向における偏光フィルムの長さが10m以上)の偏光フィルムが挙げられるが、短尺(例えば切断方向における偏光フィルムの長さが2m以上、10m未満)または板状(例えば切断方向における偏光フィルムの長さが10cm以上、2m未満)の偏光フィルムであってもよい。
偏光フィルムの構成としては、具体的には、例えば、偏光子フィルムの両面に保護フィルム部材としてTAC(トリアセチルセルロース)フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等のフィルムが貼合されており、レーザー光照射装置30に対する面の逆面(裏面)のTACフィルムに、粘着剤を介して保護フィルムが積層された構成が挙げられる。偏光フィルムの中心に位置する偏光子フィルムとしては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素等の染色剤によって染色がなされて延伸されたフィルムに、TAC等の保護フィルム部材が貼合されたフィルムが挙げられる。また、前記ポリビニルアルコールフィルムに代えて、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムを使用することもできる。
上記保護フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等のフィルムを用いることもできる。上記保護フィルムの厚さおよび幅は、特に限定されるものではないが、偏光フィルムの保護フィルムとして用いられる観点から、例えば、5μm以上、60μm以下の厚さであり、200mm以上、1500mm以下の幅であることが好ましい。
保護フィルムを含めた偏光フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、100μm以上、500μm以下とすることができる。尚、偏光子フィルムの厚さは、概して10μm以上、50μm以下である。さらに、偏光フィルムは、実用上、問題が無い範囲において、上記三層(偏光子フィルム、TACフィルムおよびCOPフィルム、保護フィルム)以外にさらに他の層を含んでいてもよい。
図1に示すように、フィルム切断装置1は、帯状の偏光フィルムFを繰り出し供給する供給装置2と、帯状の偏光フィルムFを搬送方向において所定長さの枚葉に切断する切断機構3(レーザー光照射装置30)と、所定長さに切断された偏光フィルムFを間欠的に搬送する間欠搬送部3Aと、間欠搬送部3Aから搬送された偏光フィルムFを連続的に搬送する搬送コンベア4と、搬送コンベア4から搬送された偏光フィルムFを次工程に搬出する搬出機構5と、これらの機構の統括制御を行う制御部6と、を含んで構成されている。
尚、「間欠的搬送」とは、偏光フィルムFを搬送する過程で偏光フィルムFをいったん停止させることを含む搬送である。また、「連続的搬送」とは、偏光フィルムFを搬送する過程で偏光フィルムFを停止させることなく偏光フィルムFの送り出しを継続する搬送である。
供給装置2は、帯状の偏光フィルムFをロール状態にした原反ロール7がボビン8に装填されている。ボビン8は、モーターなどの駆動装置に接続されており、回転可能になっている。
供給装置2と切断機構3との間には、ダンサローラDが配置されている。ダンサローラDは、切断機構3の吸着テーブル9で吸着保持されている偏光フィルムFがレーザー光照射装置30で切断されて吸着保持が解除される間に、供給装置2から供給される偏光フィルムFの繰り出し量を吸収する。
また、供給装置2と切断機構3との間には、偏光フィルムFの搬送経路を形成する複数のローラが配置されている。尚、以下の説明においては、搬送経路上の任意の位置に対して、搬送経路の始点(供給装置2)に近づく側を上流側、搬送経路の終点(搬出機構5)に近づく側を下流側という。
図2は、切断機構3の要部を示す断面図である。
図2に示すように、切断機構3は、偏光フィルムFを裏面から吸着保持する吸着テーブル9と、偏光フィルムFをカットするレーザー光を照射するレーザー光照射装置30と、レーザー光照射装置30を挟んで上流側と下流側とで偏光フィルムFを把持する一対の把持ローラ11,12と、偏光フィルムFのアライメントを確認するためのアライメントカメラ13と、を備えている。
本実施形態の切断機構3は、レーザー光照射装置30、一対の把持ローラ11,12、およびアライメントカメラ13を2組有している(図1参照)。即ち、本実施形態においては、供給装置2から供給される偏光フィルムFを所定の切断作用位置で2箇所同時に切断し、枚葉の偏光フィルムFを一回の切断動作で2枚切り出し2枚ずつ搬送する構成を採用している。
吸着テーブル9の上面には高さが同一の2個の保持ブロック9a,9bが、偏光フィルムFの搬送方向に沿って近接して固定されている。つまり、両保持ブロック9a、9bの対向する内側壁によって偏光フィルムFの搬送方向に直交する吸着溝14が形成されている。この吸着溝14は、レーザー光照射装置30から照射されるレーザー光の走査経路となる。尚、レーザー光が走査される位置(吸着溝14が形成される位置)が偏光フィルムFの切断作用位置となる。
レーザー光照射装置30は、偏光フィルムFを吸着溝14(偏光フィルムFの搬送方向に直交する方向)に沿って切断するよう水平移動可能になっている。
把持ローラ11,12は、偏光フィルムFを挟んで対向配置された、駆動ローラ11a,12aと、フリーローラ11b,12bと、から構成されている。把持ローラ11,12は、例えば金属からなる芯材の表面にウレタン(硬度30〜90程度)などの弾性材が被覆されて構成されている。尚、把持ローラ11,12の構成は、これに限らず、金属ローラやゴムローラなどを必要に応じて適宜組み合わせて用いることができる。
駆動ローラ11a,12aは偏光フィルムFの下面側に配置されている。駆動ローラ11a,12aは、モーターなどの駆動装置に接続されており、偏光フィルムFを繰り出し可能になっている。
フリーローラ11b,12bは偏光フィルムFの上面側に配置されている。フリーローラ11b,12bは、駆動ローラ11a,12aの回転に従って自在に回転可能になっている。
アライメントカメラ13は、偏光フィルムFの上方に配置されている。アライメントカメラ13の撮像結果により、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されているかなど、偏光フィルムFのアライメントが精度よくなされているかを確認することができる。
尚、把持ローラ11,12は、所定長さに切断された偏光フィルムFを下流側の搬送コンベア4に間欠的に搬送する間欠搬送部3Aとして機能する。
図3は、本実施形態のレーザー光照射装置30を示す模式図である。
図3に示すように。レーザー光照射装置30は、レーザー光発振機31、反射ミラー32、ビームスプリッター33、測定装置34、補正装置35、シャッター装置36、制御装置37、を備えている。
レーザー光発振機31は、レーザー光Lを発振する部材である。例えば、レーザー光発振機31としては、COレーザー光発振機(二酸化炭素レーザー光発振機)、UVレーザー光発振機、半導体レーザー光発振機、YAGレーザー光発振機、エキシマレーザー光発振機等の発振機を用いることができるが、具体的な構成は特に限定されるものではない。前記例示の発振機の中でもCOレーザー光発振機は、例えば偏光フィルムの切断加工に好適な高出力でレーザー光を発振することができるので、より好ましい
一般に、レーザー光発振機31は、レーザー光の出力が一定ではなく、ごく短い周期(例えば1ミリ秒)で、出力値が設定値を挟んだ一定の振幅で変動するという特性を有する。さらに、レーザー光の出力が低い場合にはレーザー光の出力値が不安定となり易い(出力が高いほど出力値の変動幅が小さくなり易い)という特性も有する。このため、レーザー光発振機31の出力値をより一層安定化させるには、レーザー光発振機31の出力を比較的高出力にすることが望ましい。但し、出力値が高すぎると、偏光フィルムがレーザー光の照射による過剰な熱で溶解したり、熱膨張して盛り上がったり反り返ったりしてしまい、切断加工後の偏光フィルムの端部において欠陥が生じるおそれがある。
その為、レーザー光発振機31の出力値は、偏光フィルムの材質や厚さ等の条件に応じた適切な設定値に予め設定することが望ましい。即ち、レーザー光発振機31の具体的な出力値は、偏光フィルムの材質や厚さ、偏光フィルムの搬送速度、並びに、ビームスプリッター33による透過光および反射光の比率に応じて、適切な設定値に設定することが望ましい。
本実施形態において、レーザー光Lの周波数は、レーザー光発振機31の出力、偏光フィルムの材質や厚さ、偏光フィルムの搬送速度等の条件により適宜設定される。例えば、レーザー光Lの周波数は、5kHz以上、100kHz以下とすることができる。
レーザー光発振機31は、予め設定された設定値に従ってレーザー光を出力するとともに、補正装置35によって、その出力値が設定値に近づくように補正されるようになっている。なお、本実施形態において、レーザー光発振機31は、制御装置37の制御により、レーザー光Lを連続的に発振するようになっている。
反射ミラー32は、レーザー光発振機31から発振されたレーザー光Lをビームスプリッター33に向けて反射する部材である。例えば、反射ミラー32は、平面反射鏡が好適であるが、レーザー光Lをビームスプリッター33に向けて反射することができる構成であればよい。また、その個数は特に限定されるものではない。
ビームスプリッター33は、レーザー光発振機31から発振され反射ミラー32にて反射されたレーザー光Lを、一定の比率(割合)で二つに分岐する部材である。即ち、ビームスプリッター33は、レーザー光Lを、一定の比率で反射光L1と透過光L2とに分岐する部材である。そして、ビームスプリッター33は、分岐させたレーザー光のうちの、反射光L1(一方のレーザー光)を、集光レンズ等の光学部材を介して偏光フィルムに照射して偏光フィルムの切断加工に使用すると共に、透過光L2(他方のレーザー光)を、測定装置34に照射してレーザー光発振機31の出力調節に使用するようになっている。当該ビームスプリッター33は、公知のビームスプリッターを使用することができる。
集光レンズは、例えば球面レンズや非球面レンズ等の公知のレンズを使用すればよく、特に限定されるものではない。尚、反射光L1であるレーザー光の集光径によって偏光フィルムの切断幅(切りしろ)が決定されることになるため、偏光フィルム上における当該レーザー光の集光径は、5μm以上、500μm以下であることが好ましく、10μm以上、400μm以下であることがより好ましい。
尚、本実施形態に係るレーザー光照射装置30においては、反射光L1を偏光フィルムの切断加工に使用し、透過光L2をレーザー光発振機31の出力調節に使用する構成となっているが、これに限らない。例えば反射ミラー(図示しない)を用いることにより、透過光L2を偏光フィルムの切断加工に使用し、反射光L1をレーザー光発振機31の出力調節に使用する構成とすることもできる。
測定装置34は、透過光L2を熱起電力に変換し、透過光L2であるレーザー光の強度を測定する素子、いわゆるパワーセンサーである。測定装置34は、レーザー光が照射されることによって発生する電力を測定し、これにより当該レーザー光の強度を測定するようになっている。測定装置34による測定間隔は短い方がより好ましく、例えば10ミリ秒とすればよいが、特に限定されるものではない。尚、測定装置34は、公知のパワーセンサーを使用することができる。また、測定装置34は、レーザー光の強度を測定することができる構成であればよい。
測定装置34は、測定したレーザー光の強度(測定値)のデータを、A/Dコンバータ(図示しない)を介して補正装置35に送信する。上記A/Dコンバータは、測定値のアナログデータをデジタルデータに変換し、測定値のデジタルデータを補正装置35に送信する。
補正装置35は、CPU(central processing unit) 等の演算処理装置を内蔵している。補正装置35は、測定装置34からA/Dコンバータを介して受信した測定値のデジタルデータと、ビームスプリッター33での分岐における透過光L2の比率(割合)とから、上記レーザー光発振機31の出力値を算出し、予め設定された設定値に対する上記出力値の大小(過不足)を判断して、上記レーザー光発振機31の出力値を設定値に近づけるようにフルタイム補正するようになっている。
つまり、補正装置35は、演算結果をレーザー光発振機31にフルタイムで、具体的には例えば10ミリ秒毎にフィードバックして、レーザー光発振機31の実際の出力値を、設定値に近づくように調節(補正)するようになっている。より具体的には、透過光L2であるレーザー光の強度が小さく、レーザー光発振機31の出力値が設定値よりも小さい場合には、レーザー光Lの実際の出力値が大きくなるようにレーザー光発振機31の出力を調節する。一方、透過光L2であるレーザー光の強度が大きく、レーザー光発振機31の出力値が設定値よりも大きい場合には、レーザー光Lの実際の出力値が小さくなるようにレーザー光発振機31の出力を調節する。尚、補正装置35は、上記算出および判断を行うことができる構成であればよく、従ってその具体的な構成は、特定の構成に限定されるものではない。
シャッター装置36は、ビームスプリッター33と偏光フィルムの間におけるレーザー光L1の光路上に配置されている。シャッター装置36は、ビームスプリッター33から照射されるレーザー光L1を遮断するシャッターを有して構成されている。
制御装置37は、レーザー光発振機31からレーザー光Lを連続的に発振させる。また、制御装置37は、偏光フィルムにレーザー光L1を照射させるときは、シャッター装置36にシャッターを開いた状態にするよう制御信号を送る。一方、制御装置37は、偏光フィルムにレーザー光L1を照射させないときは、シャッター装置36にシャッターを閉じた状態にするよう制御信号を送る。
図1に戻り、搬送コンベア4は、間欠搬送部3Aの下流側に配置されている。搬送コンベア4は、間欠搬送部3Aから間欠的に搬送されてくる偏光フィルムFを受け取りながら連続的に搬送する。搬送コンベア4は、切断機構3で切断されて間欠搬送部3Aから送り出された2枚の偏光フィルムFを所定ピッチで平面保持できる長さに設定されている。
搬出機構5は、搬送コンベア4の終端下方に連続配置されたローラコンベアにより構成されている。搬出機構5の始端部分には、搬送コンベア4から落下してくる偏光フィルムFを回収するトレー15が配置されている。
制御部6は、間欠搬送部3Aから当該間欠搬送部3Aの下流側に続く搬送コンベア4に枚葉の偏光フィルムFを受け渡す際には、間欠搬送部3Aにおける間欠搬送過程の終了時点において、間欠搬送部3Aから偏光フィルムFの後端が離間するように枚葉の偏光フィルムFが送り出されるように制御する。具体的には、切断後の枚葉の偏光フィルムFを後端が次の間欠搬送時に当該間欠搬送部3Aを越えるよう送り出し、当該間欠搬送部3Aの下流側に続く搬送コンベア4に受け渡す。「間欠搬送部3Aを越えるように送り出す」とは、切断後の枚葉の偏光フィルムFの後端が間欠搬送部3Aから離間すること、即ち、間欠搬送部3Aの最も下流側にある搬送ローラと離間することを意味する。これにより、切断後の偏光フィルムFは、間欠搬送部3Aを越えて下流側の搬送コンベア4上に載置される。
本実施形態の制御部6は、コンピュータシステムを含んで構成されている。このコンピュータシステムは、CPU等の演算処理部6aと、メモリーやハードディスク等の記憶部6bとを備える。本実施形態の制御部6は、コンピュータシステムの外部の装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。制御部6には、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。上記の入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。制御部6は、フィルム切断装置1の各部の動作状況を示す液晶表示ディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよいし、表示装置と接続されていてもよい。
制御部6の記憶部6bには、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。制御部6の記憶部6bには、演算処理部6aにフィルム切断装置1の各部を制御させることによって、フィルム切断装置1の各部に偏光フィルムFを精度よく搬送させるための処理を実行させるプログラムが記録されている。記憶部6bに記録されているプログラムを含む各種情報は、制御部6の演算処理部6aが読み取り可能である。制御部6は、フィルム切断装置1の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。
(フィルム切断方法)
図4は、本発明のフィルム切断方法の一実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態に係るフィルム切断方法は、帯状の偏光フィルムFを所定サイズのフィルムに切断するためのフィルム切断方法であり、帯状の偏光フィルムFを供給する第1の工程と、供給された帯状の偏光フィルムFを所定のサイズに切断する第2の工程と、を有する。第2の工程としては、前記レーザー光照射装置30を用いる(レーザー光照射方法を用いる)。
第2の工程において、供給された帯状の偏光フィルムFにレーザー光L1を照射させるときは帯状の偏光フィルムF1を所定の切断領域で停止させるとともにシャッターを開いた状態にし、帯状の偏光フィルムFにレーザー光L1を照射させないときは帯状の偏光フィルムF1を所定の切断領域で停止させないでシャッターを閉じた状態にする。
以下、フィルム切断装置1を用いて帯状の偏光フィルムFを切断するまでの動作を説明する。
先ず、使用する偏光フィルムFの原反ロール7を供給装置2に装填する。この装填が完了した後、オペレータは、操作パネルなどを利用して初期設定を行う(図4に示すステップS1)。例えば、当該初期設定により、偏光フィルムFの切断長さ、厚み、供給速度、レーザー光の出力および焦点深度、駆動ローラ12aの繰り出し速度、搬送コンベア4の搬送速度などが設定される。
初期設定が完了すると、供給装置2は、制御部6の制御に基づいて、原反ロール7から偏光フィルムFの供給を開始する(第1の工程、図4に示すステップS2)。当該偏光フィルムFの供給の際には、供給装置2に設けられたモーターなどの駆動軸の回転数がロータリーエンコーダなどのセンサーにより検出される(図示略)。
供給装置2から供給される偏光フィルムFは、当該偏光フィルムFの搬送経路を形成する複数のローラにより、切断機構3に搬送される。当該搬送の際、制御部6は、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されたか否かの判定を行う(第2の工程、図4に示すステップS3)。例えば、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されたか否かの判定は、予め制御部6の記憶部6bに記憶されたタイムテーブルにより行われる。具体的には、初期設定において偏光フィルムFを切断する際の所定長さ、間欠搬送部3Aにおける駆動ローラ11a,12aの回転速度(偏光フィルムFの搬送速度)、間欠搬送部3Aと搬送コンベア4との間の距離を設定しておく。これにより、偏光フィルムを搬送する際、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されたか否かを判定することができる。
なお、当該判定は、アライメントカメラ13の撮像結果に基づいて行うこともできる。例えば、制御部6は、アライメントカメラ13の撮像結果に基づいて、偏光フィルムFのアライメントが精度良くなされているかを判定する。これにより、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されたか否かを高精度に判定することができる。
そして、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出された(YES)と判定された場合には、両把持ローラ11,12は、制御部6の制御に基づいて、偏光フィルムFを所定の切断領域で停止させる(図4に示すステップS4)。例えば、偏光フィルムFの先端が把持ローラ12を通過して所定の位置に到達すると、制御部6の制御により、駆動ローラ11a,12aの駆動を停止させる。これにより、偏光フィルムFが吸着テーブル9の両側で把持される。
また、制御部6は、この状態で吸引装置(図示略)を作動させて吸着テーブル9に偏光フィルムFを吸着保持させる。
尚、これらの動作に連動して、制御部6の制御により、ダンサローラDが作動する。
これにより、供給装置2から連続的に供給される偏光フィルムFがダンサローラD以降に繰り出さないよう調整される。
本実施形態においては、レーザー光発振機31は、制御装置37の制御より、レーザー光Lを連続的に発振するようになっている。これにより、ビームスプリッター33は、常時レーザー光L1をシャッター装置36に向けて照射するようになっている。シャッター装置36は、制御装置37の制御により、予めシャッターが閉じた状態にし、ビームスプリッター33からシャッター装置36に向けて照射されるレーザー光L1はシャッターにより遮断される。これにより、ビームスプリッター33から照射されるレーザー光L1が偏光フィルムFに到達しないようになっている。
本実施形態においては、制御装置37は、制御部6の制御に基づいて、レーザー光発振機31からレーザー光Lを連続的に発振させる制御を行う。また、制御装置37は、制御部6の制御に基づいて、シャッター装置36にシャッターを開閉動作させる制御を行う。なお、制御部6が、制御装置37を介さずに、レーザー光発振機31からレーザー光Lを連続的に発振させる制御を行うとともにシャッター装置36にシャッターを開閉動作させる制御を行う構成であってもよい。
偏光フィルムFが吸着テーブル9に吸着保持されると、シャッター装置36は、制御装置37の制御により、シャッターが閉じた状態から開いた状態にする(図4に示すステップS5)。シャッター装置36は、シャッターが開いた状態のとき、ビームスプリッター33から照射されるレーザー光L1を通過させる。これにより、ビームスプリッター33から照射されるレーザー光L1が偏光フィルムFに到達するようになる。
そして、レーザー光照射装置30は、制御部6の制御により、偏光フィルムFの搬送方向に直交する方向に水平移動する。これにより、吸着テーブル9に吸着保持された偏光フィルムFは、吸着溝14に沿って切断される。その結果、帯状の偏光フィルムFが所定長さの枚葉に切断される(図4に示すステップS6)。
尚、制御部6が、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出されていない(NO)と判定した場合には、偏光フィルムFを所定の切断領域で停止させない(図4に示すステップS7)。この場合、シャッター装置36は、制御部6の制御により、シャッターが閉じた状態を維持する(図4に示すステップS8)。そして、偏光フィルムFが所定の切断作用位置に達するまで送り出された(YES)と判定されるまで、偏光フィルムFの搬送が継続される(図4に示すステップS9)。
図5は、比較例のレーザー光照射装置130を示す模式図である。
図5に示すように、比較例のレーザー光照射装置130は、レーザー光発振機131、反射ミラー132、反射ミラー133、および集光レンズ(図示しない)を備えている。つまり、比較例のレーザー光照射装置130は、ビームスプリッター、測定装置、A/Dコンバータ、補正装置、シャッター装置及び制御装置を備えておらず、レーザー光発振機131から発振されるレーザー光Lの全てを反射ミラー132および反射ミラー133で反射して、フィルムの切断加工に使用する構成となっている。
尚、比較例のレーザー光照射装置130は、本発明のレーザー光発振機31の出力値を設定値に近づけるように補正するための構成以外の構成については、本実施形態のレーザー光照射装置30と同様に備えている。また、比較例のレーザー光発振機131は、本発明の本発明のレーザー光発振機31と同一の発振機を用いている。
図6は、本実施形態のレーザー光照射装置30によって照射されたレーザー光の出力変動と、比較例のレーザー光照射装置130によって照射されたレーザー光の出力変動とを対比したグラフである。図6(a)は、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を14.0Wに設定し、フィルムを6m/分の速度で切断加工した場合のグラフである。 図6(b)は、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を100.0Wに設定し、フィルムを60m/分の速度で切断加工した場合のグラフである。
図6(a)に示すように、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を14.0Wに設定した場合のレーザー光の出力変動を見ると、比較例のレーザー光照射装置130では、実際に出力されたレーザー光Lの出力値は概して12.3〜15.0Wの範囲内にばらついた(平均13.8W,振れ幅2.7W)。
これに対し、本実施形態に係るレーザー光照射装置30では、実際に出力されたレーザー光Lの出力値は概して13.5〜14.3Wの範囲内に納まった(平均13.9W,振れ幅0.8W)。
従って、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を14.0Wに設定した場合において、本実施形態のレーザー光照射装置30のレーザー光発振機31から発振されるレーザー光Lの出力変動は小さく、本実施形態のレーザー光照射装置30の性能は、比較例のレーザー光照射装置130の性能と比較して、格段に優れていることが判った。
図6(b)に示すように、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を100.0Wに設定した場合のレーザー光の出力変動を見ると、比較例のレーザー光照射装置130では、実際に出力されたレーザー光Lの出力値は概して95.2〜102.8Wの範囲内にばらついた(平均99.1W,振れ幅7.6W)。
これに対し、本実施形態に係るレーザー光照射装置30では、実際に出力されたレーザー光Lの出力値は概して99.3〜101.0Wの範囲内に納まった(平均100.2W,振れ幅1.7W)。
従って、レーザー光発振機から発振されるレーザー光Lの出力値を100.0Wに設定した場合において、本実施形態のレーザー光照射装置30のレーザー光発振機31から発振されるレーザー光Lの出力変動は小さく、本実施形態のレーザー光照射装置30の性能は、比較例のレーザー光照射装置130の性能と比較して、格段に優れていることが判った。
即ち、図6(a)、図6(b)に示す結果から、本実施形態に係るレーザー光照射装置30の性能は、比較例のレーザー光照射装置130の性能と比較して、レーザー光発振機31から発振されるレーザー光Lの出力変動が小さいので、格段に優れていることが明らかである。
このように本実施形態のレーザー光照射装置30、レーザー光照射方法によれば、測定装置34及び補正装置35により、例えば10ミリ秒の測定間隔で透過光L2の強度を測定し、レーザー光Lの出力値を調節するいわゆるFTS(full time stabilizer)システムを採用してレーザー光発振機31の実際の出力値を設定値に近づくように調節(補正)することができる。よって、偏光フィルムFを適切に切断することができる。
さらに、本実施形態においては、制御装置37の制御より、レーザー光発振機31からレーザー光Lを連続的に発振させている。このため、レーザー光発振機31からレーザー光Lを間欠的に発振させる場合に比べて、レーザー光Lの出力値を安定させることができる。ここで、「レーザー光を間欠的に発振させる場合」とは、偏光フィルムを切断するときはレーザー光発振機の電源をONにしてレーザー光を照射させ、偏光フィルムを切断しないときはレーザー光発振機の電源をOFFにしてレーザー光の照射を停止させる場合をいう。
また、本実施形態においては、制御装置37の制御より、偏光フィルムFにレーザー光L1を照射させるときはシャッターを開いた状態にし、偏光フィルムFにレーザー光L1を照射させないときはシャッターを閉じた状態にしている。このため、シャッターの開閉タイミングで偏光フィルムFの切断タイミングを調整することができる。よって、偏光フィルムFを所定のタイミングで適切に切断することができる。
また、本実施形態のフィルム切断装置1によれば、前記レーザー光照射装置30を備えるため、偏光フィルムFを所定のタイミングで適切に切断することができる。
また、本実施形態のフィルム切断方法によれば、第2の工程として、前記レーザー光照射方法を用いるため、偏光フィルムFを所定のタイミングで適切に切断することができる。
尚、本実施形態においては、フィルムを「切断する」とは、フィルムを少なくとも二つに分割することの他に、フィルムに貫通する切れ目を入れることやフィルムに所定の深さの溝(切れ込み)を形成すること等の「少なくとも一部を切断する」ことも包含されていることとする。より具体的には、「切断する」には、例えば、フィルムの端部の切断(切り落とし)、ハーフカット、マーキング加工等も含まれることとする。
また、本実施形態においては、帯状の偏光フィルムを枚葉の偏光フィルムに切断する場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、帯状の偏光フィルムから複数のフィルムチップを切り出したり、矩形状の中間フィルムを切り出したりする等、所定サイズのフィルムに切断する場合においても適用することができる。
また、本実施形態においては、切断機構3で切断される枚葉の偏光フィルムFの枚数が2枚の場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、切断機構3で切断される枚葉の偏光フィルムFの枚数は、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。
また、本実施形態においては、光学フィルムとして偏光フィルムを例に挙げて説明したが、これに限らず、セパレータ付きの偏光フィルムにおいても適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…フィルム切断装置、2…供給装置、30…レーザー光照射装置、31…レーザー光発振機、33…ビームスプリッター、34…測定装置、35…補正装置、36…シャッター装置、37…制御装置、F…偏光フィルム(フィルム)

Claims (9)

  1. フィルムを切断するために前記フィルムにレーザー光を照射するレーザー光照射装置で
    あって、
    前記レーザー光を発振するレーザー光発振機と、
    前記レーザー光発振機から発振されたレーザー光を二つに分岐し、分岐されたレーザー光のうちの、一方のレーザー光を前記フィルムに照射するビームスプリッターと、
    分岐されたレーザー光のうちの、他方のレーザー光の強度を測定する測定装置と、
    測定された前記強度から前記レーザー光発振機の出力値を算出し、設定値に対する前記出力値の大小を判断して、前記レーザー光発振機の出力値を設定値に近づけるように補正する補正装置と、
    前記ビームスプリッターと前記フィルムとの間における前記一方のレーザー光の光路上に配置され、前記ビームスプリッターから照射される前記一方のレーザー光を遮断するシャッターを有するシャッター装置と、
    前記レーザー光発振機から前記レーザー光を連続的に発振させ、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記シャッターを開いた状態にし、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記シャッターを閉じた状態にするよう制御する制御装置と、
    を含むレーザー光照射装置。
  2. 前記ビームスプリッターは、前記レーザー光発振機から発振されたレーザー光の一部を反射し、残りの一部を透過するよう構成されており、
    前記測定装置は、前記ビームスプリッターを透過したレーザー光の強度を測定するように構成されている請求項1に記載のレーザー光照射装置。
  3. 前記測定装置は、前記他方のレーザー光を熱起電力に変換して前記他方のレーザー光の強度を測定する素子である請求項1または2に記載のレーザー光照射装置。
  4. 前記レーザー光発振機がCOレーザー光発振機である請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレーザー光照射装置。
  5. 帯状のフィルムを所定サイズのフィルムに切断するためのフィルム切断装置であって、
    前記帯状のフィルムを供給する供給装置と、
    前記供給装置から供給された前記帯状のフィルムを所定サイズに切断する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のレーザー光照射装置と、
    を含むフィルム切断装置。
  6. 前記制御装置は、前記供給装置から供給された前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記帯状のフィルムを所定の切断領域で停止させるとともに前記シャッターを開いた状態にし、前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記帯状のフィルムを前記所定の切断領域で停止させないで前記シャッターを閉じた状態にするよう制御する請求項5に記載のフィルム切断装置。
  7. フィルムを切断するために前記フィルムにレーザー光を照射するレーザー光照射方法であって、
    レーザー光発振機から発振されたレーザー光を二つに分岐させ、分岐させたレーザー光のうちの、一方のレーザー光を前記フィルムに照射するとともに、他方のレーザー光の強度を測定し、測定した前記強度から前記レーザー光発振機の出力値を算出し、設定値に対する前記出力値の大小を判断して、前記レーザー光発振機の出力値を設定値に近づけるように補正し、
    前記レーザー光発振機から前記レーザー光を連続的に発振させ、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは、前記一方のレーザー光を遮断するシャッターを開いた状態にし、前記フィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記シャッターを閉じた状態にするレーザー光照射方法。
  8. 帯状のフィルムを所定サイズのフィルムに切断するためのフィルム切断方法であって、
    前記帯状のフィルムを供給する第1の工程と、
    供給された前記帯状のフィルムを所定サイズに切断する第2の工程と、を含み、
    前記第2の工程として、請求項7に記載のレーザー光照射方法を用いるフィルム切断方法。
  9. 前記第2の工程において、供給された前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させるときは前記帯状のフィルムを所定の切断領域で停止させるとともに前記シャッターを開いた状態にし、前記帯状のフィルムに前記一方のレーザー光を照射させないときは前記帯状のフィルムを前記所定の切断領域で停止させないで前記シャッターを閉じた状態にする請求項8に記載のフィルム切断方法。
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