以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明においては、パチンコ玉の計数を想定して説明しているが、コインその他の被検出物を計数することは可能である。
図1は本発明の実施形態に係るフォトセンサが取り付けられるパチンコ玉の通路を模式的に示しており、図2は本発明の第1の実施形態に係るフォトセンサの内部構造を模式的に示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るフォトセンサ10は、通路形成部品3に設けられているパチンコ玉1の通路2に跨るように挿入されている。フォトセンサ10には、二本の接続用配線11A,11Bが取り付けられている。
フォトセンサ10は、例えば図2に示すように、パッケージ12内で所定位置に、LEDなどの発光素子13と、発光素子13からの光を受光する受光素子14と、外乱光を監視するための外乱光検出素子15と、発光素子13からの光を受光素子14に導く光学部品16と、発光素子13、受光素子14及び外乱光検出素子15を含む回路を形成したプリント基板17と、を備える。図中における矢印は、発光素子13から受光素子14に入射される光を示している。
図2における各素子等の配置について説明する。図2において開口Cは、パチンコ玉が通過する領域であり、例えば平面視で矩形を有している。発光素子13と受光素子14とが矩形の一方側に並んで配置され、光学部品16としてのプリズムが発光素子13及び受光素子14に対向して矩形の他方側に配置されている。外乱光検出素子15は、発光素子13と受光素子14とが配置されている側で、受光素子13と受光素子14との間に配置されている。プリント基板17には接続コネクタ18が接続され、外部に受光素子14及び外乱光検出素子15からの信号を出力可能とする。
発光素子13及び受光素子14は、何れも、開口Cの中心に向いておらず、かつ、開口Cの中心を通る仮想線L、つまり、通路2においてパチンコ玉1の通過方向の中心軸線(図5(A)に符号Lで示すライン)からずれるように配置されている。これは、実際に二個のパチンコ玉1が通過した場合であっても一個のパチンコ玉1しか通過しないと判断されないようにするためである。仮に発光素子13及び受光素子14が開口Cの中心を向いていたとすると、発光素子13からの光が受光素子14に入射していた状態において二個のパチンコ玉1、1が開口Cを連続して通過することにより発光素子12からの光が遮断されるが、2個目のパチンコ玉1が通過した後に再度発光素子13からの光が受光素子14に入射されるからである。
さらに、図2に示すセンサ10の内部構造について説明すると、発光素子13には光が出射する側に、受光素子14及び外乱光検出素子15には光が入射する側に、絞り19A、19B、19Cが設けられている。絞り19Aは発光素子13の照射側に設けられており、発光素子13からの光が外部に漏れないように光路を形成する。絞り19Bは受光素子14の直前に配置されており、直進する光のみを入射するよう光路を形成する。一方、絞り19Cは外乱光検出素子15の直前に配置されており、直進する光以外に斜めに入射する光も入射させる光路を形成している。そのため、図2乃至図4では具体的に示していないが、絞り19A,19Bは、開口に向かってほぼ同じ径を有しているのに対し、絞り19Cは開口に向かって上下左右に広がって拡径していることが望ましい。なお、図2においては、パッケージ12に形成された絞り19A,19B、つまり、パッケージ12において光の通過領域との境界が凹凸の断面形状を有しており、絞り19A,19Bが光の通過方向に沿って複数の領域が連続した蛇腹形状となっている。しかし、絞り19A,19Bの形状は図2や後述の図3及び図4に示す態様に限定されず、例えば後述する図6に示す絞り30A,30Bのように一つの領域からなる態様であっても構わない。
本発明の第1の実施形態では、パッケージ12の開口Cを臨むように発光素子13と受光素子14とがパッケージ12に収容されており、発光素子13と受光素子14との間の光路が被検出物同士の接点を通らないよう、発光素子13と受光素子14とが配置されている。よって、パッケージ12の開口Cに対して被検出物が連続して通過する場合であっても、被検出物であるパチンコ玉1の数は受光素子14の出力信号の立ち上がり回数又は立ち下がり回数に一対一に対応し、出力信号の立ち上がり又は立ち下がりの数により、開口を通過するパチンコ玉1について正確な計数を行える。
さらに、パッケージ12に収容された外乱光検出素子15は、外乱光を検出して受光素子14の出力信号とは強度の異なる信号、特に強度の高い信号を出力する。よって、受光素子14からの出力信号は、外乱光検出素子15からの出力信号と区別することができる。そこで、受光素子14及び外乱光検出素子15からの出力信号を接続用配線11A,11Bから取り出し、接続用配線11A,11Bからの出力信号のうち、受光素子14による出力信号のみをモニターすることが可能となる。その結果、外乱光の影響をなくしてパチンコ玉1などの被検出物の有無を判断することができる。
次に他の実施形態について説明する。図3は本発明の第2の実施形態に係るフォトセンサの内部構造図である。フォトセンサ60は、図2と同様、被検出物が通過する開口Cが設けられている。発光素子63から受光素子64に到るまでの光路が開口Cの中心を通らないように、発光素子63と受光素子64とが矩形状の開口Cに対向する位置に配置されている。また、図3に示す形態では、外乱光検出素子65が開口Cに臨んで、受光素子64に並んで同じ側に設けられている。なお、図3とは異なり、外乱光検出素子65は発光素子63と並んで同じ側に設けられていてもよい。
図4は本発明の第3の実施形態に係るフォトセンサの内部構造図である。フォトセンサ70は、図2と同様、被検出物が通過する開口Cが設けられている。発光素子73から受光素子74に到る光路が開口Cの中心を通らないように、発光素子73と受光素子74とが矩形状の開口Cに対向する位置に配置されている。フォトセンサ70では、図3と異なり、外乱光検出素子75が発光素子73と受光素子74とを結ぶ方向と交差、好ましくは直交する位置で、開口Cに臨んで配置されている。
図3及び図4に示す何れの形態においても、各発光素子63,73の照射前側に、絞り69A,79Aが設けられ、これらの絞り69A,79Aは発光素子63,73からの光が外部に漏れないように光路を形成する。また、受光素子64,74の入射前側に、絞り69B,79Bが受光素子64,74の直前に配置されており、これらの絞り69B,79Bは直進する光のみを入射するよう光路を形成する。一方、絞り69C,79Cは外乱光検出素子65,75の直前に配置されており、直進する光以外に斜めに入射する光も入射する。発光素子63,73と受光素子64,74とによりフォトインタラプタが構成されており、絞り69A,69B,79A,79Bを設けることにより、発光素子63,73からの光以外の光が受光素子64,74に入射しない。また、絞り69C,79Cが設けられ、広く光を入射するようにしたことから、外乱光を確実に受けて、誤判を誘引しない。よって、フォトセンサの性能を確保することができる。
ここで、何れの実施形態においても、発光素子13,63,73及び受光素子14,64,74は、何れも、矩形Cの中心に向いておらず、かつ、矩形Cの中心を通る仮想線、つまり、通路2の中心軸線からずれるように配置されている。この点について、詳細に説明する。
図5は本発明の第1の実施形態に係るフォトセンサ10の作用を説明するための模式図であり、(A)は通路2にパチンコ玉1A,1Bが連続して通過している様子を模式的に描いた図であり、(B)は発光素子13の発光強度の時系列を示し、(C)は本発明の第1の実施形態のように発光素子13と受光素子14とが配置されている場合の受光素子14の出力信号波形であり、(D)は好ましくない状態での受光素子の出力信号波形である。
図5(A)に示すように、発光素子13からの光L1と受光素子14に向かう光L2とが、連続して通過するパチンコ玉1A,1Bの接点から離れた位置にある場合、発光素子13から図5(B)に示すように連続光が出力されるとする。パチンコ玉1Aとパチンコ玉1Bが通過する時間t1,t2では発光素子13からの光は遮断され、受光素子14には到達しない。しかしながら、時間t1と時間t2との間では必ず、発光素子13からの光が受光素子14に入射されるので、パチンコ玉1A,1Bが連続して通過する場合であっても、正確に、パチンコ玉1A,1Bのカウントをすることができる。
図5(A)に示す場合とは異なり、発光素子13からの光L1と受光素子14に向かう光L2とが、連続して通過するパチンコ玉1A,1Bの接点上に存在する場合、受光素子の出力信号波形は図5(D)に示すように、出力信号が低下する部分が一つとなる。その結果、二つの連続したパチンコ玉は一つとカウントされることになり、正確な通過数を判断することができない。
図5を参照して説明した事項は、本発明の第2及び第3の実施形態に係るフォトセンサ60,70の場合についてもあてはまる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るフォトセンサの詳細について更に説明する。図6は本発明の第1の実施形態を具体化したフォトセンサ20の断面図であり、図7及び図8は図6に示すフォトセンサ20の分解図で、図7と図8とはそれぞれ別の方向から見た図である。
フォトセンサ20では、筐体21と蓋体22とでパッケージ23が構成されている。このパッケージ23に、発光素子28A、受光素子28B及び外乱光検出素子28Cを有するモジュール28が収容されている。以下詳細に説明する。
筐体21は、外枠24と仕切り枠25とにより、前述の開口Cを形成した通路形成部21Aと収容部21Bとに大きく区分けされている。外枠24は被検出物が通過する方向には塞がれておらず、貫通している。収容部21Bは、この外枠24及び仕切り枠25に対し外枠24より低い高さの仕切り26A,26B,26Cが一体に形成され、さらに外枠24において収容部21B側にだけ蓋部27で覆われることにより、複数の収容領域27A,27B、27Cを画成している。
ここで、例えば、仕切り26A,26Bは略断面L字状で対称的に設けられ、仕切り26Cは略断面U字状であり、仕切り26Aと仕切り26Bと仕切り26Cと仕切り枠25とは一体的に構成されている。第1の収容領域27Aには発光素子28Aが収容され、第2の収容領域27Bには受光素子28Bが収容され、第3の収容領域27Cには外乱光検出素子28Cが収容されている。
蓋部27は外枠24の一方の開口を塞ぐのみならず、第1、第2、第3の収容領域27A,27B,27Cの開口C側をそれぞれ透過部27D,27E,27Fで塞いでいる。第1乃至第3の収容領域27A〜27Cにそれぞれ発光素子28A,受光素子28B,外乱光検出素子28Cを対応して挿入するよう、モジュール28により、蓋部27が取り付けられた外枠24の開口側から覆って、第1乃至第3の収容領域27A〜27Cをそれぞれ閉じられた空間としている。第1乃至第3の収容領域27A〜27Cがそれぞれ閉空間となることにより、各領域27A〜27C内に、発光素子28A,受光素子28B,外乱光検出素子28Cにゴミや埃が付着しないようにしている。なお、図6に示されているように、第1の収容領域27A,第2の収容領域27Bの開口C側には、絞り30A,30Bがそれぞれ形成されている。
このように、筐体21における収容部21Bにモジュール28が挿入され、蓋体22でモジュール28が覆われることで、パッケージ23に、モジュール28が収容されている。図6乃至図8には、発光素子28A、受光素子28B及び外乱光検出素子28Cを電気的に接続する回路の詳細は示していない。モジュール28には、コネクタ接続部28Dが設けられ、コネクタ接続部28Dに図1に示す接続用配線11A,11Bが接続される。
外枠24の通路形成部21Aにおいては、仕切り枠25と対向する側に光学部品29としてのプリズムが設けられている。
ここで、外枠24、仕切り枠25及び蓋部27を含む筐体21と光学部品29は二色成形により一体的に構成されている。外枠24、仕切り枠25及び仕切り26A,26B,26Cは何れも光吸収率の高い樹脂でなり、蓋部27のうち透過部27D,27E,27Fは光透過性の高い樹脂でなる。
次に、本発明の各実施形態において、外乱光検出素子による出力信号が受光素子による出力信号よりも強度を高くするようにした回路の構成について説明する。このような回路構成としては複数考えられる。以下、具体的に説明する。
図9はフォトセンサの回路図である。フォトセンサ120は、発光素子としてのLED123と、LED123からの光を検出する受光素子としてのフォトトランジスタ124と、外乱光を監視するためのフォトトランジスタ125と、を備え、プリント基板上に配置される第1の抵抗126、第2の抵抗127、トランジスタ128及び保護回路としてのツェナーダイオード122とで回路構成されている。
フォトセンサ120の回路構成を説明すると、外部接続用端子41A,41B(図6参照)に対し、外乱光監視部120Bにおけるフォトトランジスタ125と、保護回路としてのツェナーダイオード122と、センサ本体部120Aと、が並列接続されている。
センサ本体部120Aの構成は次の通りである。LED123と第1の抵抗126とが直列接続され、LED123のアノードとフォトトランジスタ124の第1主電極としてのコレクタとが外部接続用端子117Aに接続され、フォトトランジスタ124の第2主電極としてのエミッタがトランジスタ128の制御電極としてのベースに接続され、トランジスタ128の第1主電極としてのコレクタがLED123のカソードと第1の抵抗126の一端との接続点に接続され、トランジスタ128の第2主電極としてのエミッタが第2の抵抗127の一端に接続され、第2の抵抗127の他端が第1の抵抗126の他端とともに外部接続用端子41Bに接続されている。外部接続用端子41A,41Bは接続用配線11A,11Bに接続され、一方の接続用配線11Aは直流電圧源Vccに接続され、他方の接続用配線11Bには負荷抵抗RLの一端が接続され、負荷抵抗RLの他端がグランドラインに接続されて接地され、負荷抵抗RLに加わる電圧が出力信号となる。
ここで、ツェナーダイオード122は、外部接続用端子41A,41Bの間に異常電圧が加わったときの保護回路として働く。フォトトランジスタ125からなる外乱光監視部120Bは、外乱光が入力されたときに、外部接続用端子41Aと外部接続用端子41Bとを導通して、接続用配線11Bに接続された負荷抵抗RLに対して電圧Vcc−Vce(sat)を印加する。よって、外乱光の入力があると、外部接続用端子41Aを経由して接続用配線11Bには出力信号としてVcc−Vce(sat)が出力される。ここで、Vce(sat)は、フォトトランジスタ125におけるコレクタ、エミッタ間の飽和電圧である。
パチンコ玉1が開口Cを通過しておらずフォトトランジスタ124がLED123からの光を検出している場合には、トランジスタ128がON状態となる。この状態の等価回路は、第1の抵抗126と第2の抵抗127との並列接続の一端がLED123のカソードの一端に接続され、かつ、その並列接続の他端が接続用配線11Bに接続されたものとして表現される。よって、第1の抵抗126、第2の抵抗127の各抵抗値をR1,R2とすると、パチンコ玉1が通過していない状態では、外部接続用端子41Bからの出力信号が(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)となる。ここで、VFとはLED123の順方向電圧(「立ち上がり電圧」とも呼ぶ。)である。
パチンコ玉1が通過しておりフォトトランジスタ124がLED123からの光を検出していない場合には、トランジスタ128がOFF状態となる。この等価回路は、Vccに対しLED123と第1の抵抗126と負荷抵抗RLとが直列接続されたものとして表すことができる。よって、外部接続用端子41Bからの出力信号は、(Vcc−VF)RL/(R1+RL)となる。ここで、VFとはLED123の順方向電圧(「立ち上がり電圧」とも呼ぶ。)である。
以上説明したように、外乱光があった場合、パチンコ玉1が通過していない場合とパチンコ玉1が通過している場合とで、それぞれ出力信号を、Vcc−Vce(sat)、(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)、(Vcc−VF)RL/(R1+RL)の三段階に区分けすることができるので、出力信号の大きさに応じてパチンコ玉1の通過を確認することができる。
図10は図9に示すフォトセンサに関する回路の変形例を示す回路図である。図5に示すフォトセンサ130の回路において、外部接続用端子41A,41Bとセンサ本体部120Aと外乱光監視部130Bを備えている点では図9に示すフォトセンサ120と同じであるが、外乱光監視部130Bの構成が異なる。
外乱光監視部130Bは、外部接続用端子41A及び41Bに対して増幅用トランジスタ132が並列接続されており、増幅用トランジスタ132の制御電極としてのベースに対し光検出素子131の第2主電極としてのエミッタが接続されている。すなわち、外乱光監視部130Bはフォトダーリントントランジスタで構成してもよい。これは、パチンコ玉が通過している状態においてフォトトランジスタ124へ影響を及ぼす外乱光が意図的に照射されたとき、外乱光監視部130Bの設置箇所と光検出素子131の検出感度に応じて増幅用トランジスタ132により検出感度を増加させるためである。
図11は、図9とは別の回路構成を示す図である。フォトセンサ140は、発光素子としてのLED143と、LED143からの光を検出するフォトトランジスタ144と、外乱光を監視するためのフォトトランジスタ145と、を備え、プリント基板上に配置される第1の抵抗146、第2の抵抗147、第3の抵抗149A,コンデンサ149B,トランジスタ148及び保護回路としてのツェナーダイオード142とで回路構成されている。
フォトセンサ140の回路構成を説明する。外部接続用端子41A,41Bに対し、外乱光監視部140Bとしてのフォトトランジスタ145と、保護回路としてのツェナーダイオード142と、センサ本体部140Aと、が並列接続されている。外乱光監視部140Bとツェナーダイオード142とは図9における外乱光監視部120Bとツェナーダイオード122と同じ構成、作用であり、外部接続用端子41A,41Bには接続用配線11A,11Bが接続され、一方の接続用配線11Aは直流電圧源Vccに接続され、他方の接続用配線11Bは負荷抵抗RLの一端に接続され、負荷抵抗RLの他端がグランドラインに接続されて接地され、負荷抵抗RLに加わる電圧が出力信号となる。
センサ本体部140Aの構成は次の通りである。LED143と第1の抵抗146とが直列接続され、フォトトランジスタ144と第3の抵抗149Aが直列接続され、LED143のアノードとフォトトランジスタ144の第1主電極としてのコレクタとが外部接続用端子41Aに接続され、フォトトランジスタ144の第2主電極としてのエミッタと第3の抵抗149Aの一端との接続点がトランジスタ148の制御電極としてのベースに接続され、トランジスタ148の第1主電極としてのコレクタに第2の抵抗147の一端が接続され、LED143のカソード側に第2の抵抗147の他端が接続され、トランジスタ148の第2主電極としてのエミッタに第1の抵抗146及び第3の抵抗149Aの各他端が接続されている。さらに、コンデンサ149Bが、トランジスタ148の第1主電極としてのエミッタと第2主電極としてのコレクタに並列に接続されている。
LED143とフォトトランジスタ144とのペアは、図9におけるLED123とフォトトランジスタ124とのペアと同じく、パチンコ玉の有無を検出する機能を有する。第1の抵抗146は図9における第1の抵抗126と同様、LED143の駆動電圧を制御する駆動補助抵抗として機能する。トランジスタ148は図9におけるトランジスタ128と同じく順方向電流の切り替えを行う手段である。第2の抵抗147は、図9における第2の抵抗127と同じく、負荷抵抗RLとで出力電圧を分圧する出力分圧抵抗として機能する。よって、図11に示すフォトセンサ140においても、外乱光があった場合、パチンコ玉1が通過していない場合とパチンコ玉1が通過している場合とで、それぞれ出力信号を、Vcc−Vce(sat)、(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)、(Vcc−VF)RL/(R1+RL)の三段階に区分けすることができるので、出力信号の大きさに応じてパチンコ玉1の通過を確認することができる。
ここで、図11の回路図においては、トランジスタ148とフォトトランジスタ144との接続点と外部接続用端子41Bとの間に第3の抵抗149Aを設けているが、図9においては第3の抵抗を同様に設けても設けていなくても回路動作上支障がないので、設けていない。また、図11の回路図において、トランジスタ148のエミッタ及びコレクタ間にコンデンサ149Bを設けているが、これは、LED143のカソード側の電圧を一定に保つことで、LED143から出力される光強度を安定化させるためである。また、このコンデンサ149Bは、トランジスタ148がOFFからONになるまでの時間を速くするためでもある。
図12は図11に示す回路の変形例を示す回路図である。図12に示すフォトセンサ150の回路において、外部接続用端子41A,41Bとセンサ本体部140Aと外乱光監視部150Bを備えている点では図11に示すフォトセンサ140と同じであるが、外乱光監視部150Bの構成が異なる。
外乱光監視部150Bは、外部接続用端子41A及び41Bに対して増幅用トランジスタ152が並列接続されており、増幅用トランジスタ152の制御電極としてのベースに対しフォトトランジスタ151の第2主電極としてのエミッタが接続されている。すなわち、外乱光監視部150Bはフォトダーリントントランジスタで構成してもよい。これは、パチンコ玉が通過している状態においてフォトトランジスタ144へ影響を及ぼす外乱光が意図的に照射されたとき、外乱光監視部150Bの設置箇所と光検出素子151の検出感度に応じて増幅用トランジスタ152により検出感度を増加させるためである。
図13は、フォトセンサの別の回路図である。フォトセンサ160は、発光素子としてのLED163と、LED163からの光を検出するフォトトランジスタ164と、外乱光を監視するためのフォトトランジスタ165と、を備え、プリント基板上に配置される第1の抵抗166、第2の抵抗167、トランジスタ168及び保護回路としてのツェナーダイオード162とで回路構成されている。
フォトセンサ160の回路構成を説明する。外部接続用端子41A,41Bに対し、外乱光監視部160Bとしてのフォトトランジスタ165と、保護回路としてのツェナーダイオード162と、センサ本体部160Aと、が並列接続されている。外乱光監視部160Bとツェナーダイオード162は、図9における外乱光監視部120Bとツェナーダイオード122と同じ構成、作用であり、外部接続用端子41A,41Bには接続用配線1A,11Bが接続され、一方の接続用配線11Aは直流電圧源Vccに接続され、他方の接続用配線11Bは負荷抵抗RLの一端に接続され、負荷抵抗RLの他端がグランドラインに接続されて接地され、負荷抵抗RLに加わる電圧が出力信号となる。
センサ本体部160Aの構成は次の通りである。第1の抵抗166とLED163とが直列接続されており、第1の抵抗166のうちLED163と接続されていない側の一端と、フォトトランジスタ164の第1主電極としてのコレクタと、第2の抵抗167の一端と、が外部接続用端子41Aに接続されている。LED163のカソード側は、外部接続用端子41Bに接続されている。フォトトランジスタ164の第2主電極としてのエミッタがトランジスタ168の制御電極としてのベースに接続されている。トランジスタ168の第1主電極としてのコレクタと第2の抵抗167の他端が接続されている。トランジスタ168の第2主電極としてのエミッタが第1の抵抗166及びLED163のアノードに接続されている。
フォトトランジスタ165からなる外乱光監視部60Bは、外乱光が入力されたときに、接続用配線11Aと11Bとを導通して、接続用配線11Bに接続された負荷抵抗RLに対して電圧Vcc−Vce(sat)が印加される。よって、外乱光の入力があると、外部接続用端子41Bに出力される電圧はVcc−Vce(sat)となる。ここで、Vce(sat)は、フォトトランジスタ165におけるコレクタ、エミッタ間の飽和電圧である。
パチンコ玉1が通過しておらずフォトトランジスタ164がLED163からの光を検知している場合には、トランジスタ168がON状態となる。この状態の等価回路は、第1の抵抗166と第2の抵抗167との並列接続の一端がLED163のアノードの一端に接続され、他端が外部接続用端子41Aに接続されたものとして表される。よって、第1の抵抗166、第2の抵抗167の各抵抗値をR1,R2とすると、パチンコ玉1が通過していない状態では、外部接続用端子41Bに出力される電圧は(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)となる。
パチンコ玉1が通過しておりフォトトランジスタ164がLED163からの光を検知していない場合には、トランジスタ168がOFF状態となる。この状態の等価回路は、Vccに対し第1の抵抗156とLED153と負荷抵抗RLとが直列接続されたものとして表すことができる。よって、外部接続用端子41Bに出力される電圧は、(Vcc−VF)RL/(R1+RL)となる。ただし、VFはLED163の順方向電圧(立ち上がり電圧とも呼ぶ。)である。
図13に示すフォトセンサ60においても、外乱光があった場合、パチンコ玉1が通過していない場合と通過している場合とで、それぞれ出力を、Vcc−Vce(sat)、(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)、(Vcc−VF)RL/(R1+RL)の三段階に区分けすることができるので、出力信号の大きさに応じてパチンコ玉1の通過を確認することができる。
図14はフォトセンサの別の回路図である。図14に示すフォトセンサ170の回路において、外部接続用端子41A,41Bとセンサ本体部160Aと外乱光監視部170Bを備えている点では図13に示すフォトセンサ160と同じであるが、外乱光監視部170Bの構成が異なる。
外乱光監視部170Bは、外部接続用端子41A及び41Bに対して増幅用トランジスタ172が並列接続されており、増幅用トランジスタ172の制御電極としてのベースに対しフォトトランジスタ171の第2主電極としてのエミッタが接続されている。すなわち、外乱光監視部170Bはフォトダーリントントランジスタで構成してもよい。これは、フォトセンサ170において光検出素子171が設けられる箇所やフォトセンサ170が取り付けられる箇所に応じて、フォトセンサ170に入射される外乱光が弱い場合であっても、増幅用トランジスタ172により検出感度を増加させるためである。
以上の各回路構成の何れも、センサ本体部120A,140A,160Aが、LED123,143,163と、このLED123,143,163に流れる電流を制御するための第1の抵抗126,146,166と、LED123,143,163からの光を検出するフォトトランジスタ124,144,164と、フォトトランジスタ124,144,164により制御されるトランジスタ128,148,168と、トランジスタ128,148,168に接続される第2の抵抗127,147,167とを含んで構成され、パチンコ玉1の通過の有無に応じて出力電圧の大きさが変化している。また、外乱光監視部120B,130B,140B,150B,160B,170Bにより外乱光の入力があった場合には、パチンコ玉1が通過している場合と通過していない場合とは別の異なるレベルの電圧を出力する。よって、この出力信号の大きさをモニタリングすることで、外乱光を監視した状態でパチンコ玉1の通過の有無を検出することができる。
図15はフォトセンサの別の回路図である。フォトセンサ180は、発光素子としてのLED183と、LED183からの光を検出するフォトトランジスタ184と、外乱光を監視するためのフォトトランジスタ185と、を備え、プリント基板上に配置される各抵抗、第1及び第2のトランジスタ187,188及び保護回路としてのツェナーダイオード182とで回路構成されている。
フォトセンサ180の回路構成を説明する。外部接続用端子41A,41Bに対し、外乱光監視部180Bとしてのフォトトランジスタ185と、保護回路としてのツェナーダイオード182と、センサ本体部180Aと、が並列接続されている。外乱光監視部180Bとツェナーダイオード182は図9における外乱光監視部120Bとツェナーダイオード122と同じ構成、作用であり、外部接続用端子41A,41Bには接続用配線11A,11Bが接続され、一方の接続用配線11Aは直流電圧源Vccに接続され、他方の接続用配線11Bは負荷抵抗RLの一端に接続され、負荷抵抗RLの他端がグランドラインに接続されて接地され、負荷抵抗RLに加わる電圧が出力信号となる。
センサ本体部180Aの構成は次の通りである。フォトトランジスタ184と抵抗186とが直列接続されて、その両端が外部接続用端子41A,41Bに接続されている。フォトトランジスタ184と抵抗186との接続点には、第1のトランジスタ187における制御電極としてのベースが接続されている。第1のトランジスタ187における第1の主電極としてのコレクタが抵抗189の一端に接続されている。第2のトランジスタ188における第1の主電極としてのコレクタが抵抗190の一端に接続されている。その抵抗190の他端が、抵抗189の他端及びフォトトランジスタ184の一方の主電極と共に外部接続用端子41Aに接続されている。第1のトランジスタ187及び第2のトランジスタ188における各第2の主電極としてのエミッタが共にLED183のアノードに接続されている。第1のトランジス1タ87における第1の主電極と抵抗189との接続点には、抵抗192と加速コンデンサ193との並列接続の一端が接続されている。抵抗192と加速コンデンサ193との並列接続の他端が、抵抗191の一端と第2のトランジスタ188の制御電極としてのベースとに接続されている。抵抗191の他端は、抵抗186の他端及びLED183のカソードと共に外部接続用端子41Bに接続されている。
センサ本体部180Aの動作原理について説明する。LED183とフォトトランジスタ184とで、フォトインタラプタが構成されている。LED183による発光がフォトトランジスタ184で検出されることで、光路が開放されており、パチンコ玉1が光路を遮断していない状態と判断される。一方、LED183による発光がフォトトランジスタ184で検出されないと光路がパチンコ玉1で遮断されている状態と判断される。抵抗191及び抵抗192により第2のトランジスタ188から第1のトランジスタ187に信号を帰還している。またLED183により第1のトランジスタ187からの出力を次段である第2のトランジスタ188へ入力している。第1のトランジスタ187と第2のトランジスタ188とは何れか一方がONの状態では他方がOFF状態となる。
通常、LED183からの光がフォトトランジスタ184に入射されているため、フォトトランジスタ184がON状態となり、第1のトランジスタ187がON状態となり、第2のトランジスタ188がOFF状態となっている。
LED183からの光がフォトトランジスタ184に入射しなくなると、第1のトランジスタ187のベース電位が下がり、第1のトランジスタ187がOFF状態となる。それに伴い、第2のトランジスタ188のベース電位が上がり、第2のトランジスタ188のコレクタ電流が大きくなる。そして、第1のトランジスタ187と第2のトランジス1タ88のエミッタ電位が下がり、第2のトランジスタ188のコレクタ電流が益々流れる。このように、第2のトランジスタ188のコレクタ電流が益々流れ、第1のトランジスタ187のコレクタ電流が益々減る。その結果、第2のトランジスタ188がON状態となる。
次に、LED183からの光がフォトトランジスタ184に入射するようになると、第1のトランジスタ187のベース電位が上昇し、第1のトランジスタ187がON状態となる。それに伴い、第1のトランジスタ187のコレクタ電流が流れ始め、第1のトランジスタ187のコレクタ電位が下がる。すると、第2のトランジスタ188のベース電位が下がり、第2のトランジスタ188のコレクタ電流が小さくなる。そして、第1のトランジスタ187及び第2のトランジスタ188におけるエミッタ電位が下がり、第1のトランジスタ187のコレクタ電流が増加する。そうなると、さらに、第1のトランジスタ187のコレクタ電位が益々下がる。このように、第1のトランジスタ187のコレクタ電流が益々流れ、第2のトランジスタ188のコレクタ電流が益々減る。その結果、第2のトランジスタ188がOFF状態となる。
フォトトランジスタ184からなる外乱光監視部180Bは、外乱光が入力されたときに、接続用配線11Aと接続用配線11Bとを導通して、接続用配線11Bに接続された負荷抵抗RLに対して電圧Vcc−Vce(sat)が印加される。よって、外乱光の入力があると、外部接続用端子41Bに出力される電圧はVcc−Vce(sat)となる。ここで、Vce(sat)は、フォトトランジスタ185におけるコレクタ、エミッタ間の飽和電圧である。
パチンコ玉1が通過しておらずフォトトランジスタ184がLED183からの光を検知している場合には、第1のトランジスタ187がON状態となり、第2のトランジスタ188がOFF状態となる。この状態の等価回路は、抵抗186、第2の抵抗189の各抵抗値をR1,R2とし、R1>>R2の条件下において、抵抗189とLED183との直列接続に対し抵抗186が並列接続され、その両端が外部接続用端子41A,41Bに接続されたものとして表すことができる。よって、パチンコ玉1が通過していない状態では、外部接続用端子41Bに出力される電圧は(Vcc−VF)RL/(R1R2/(R1+R2)+RL)≒(Vcc−VF)RL/(R2+RL)となる。ただし、VFはLED183の順方向電圧(立ち上がり電圧とも呼ぶ。)である。
パチンコ玉1が通過しておりフォトトランジスタ184がLED183からの光を検知していない場合には、第1のトランジスタ187がOFF状態となり、第2のトランジスタ188がON状態となる。この状態の等価回路は、抵抗190、第2の抵抗189の各抵抗値をR,R2とし、R>>R2の条件下において、Vccに対し抵抗90とLED83と負荷抵抗RLとが直列接続されたものとして表すことができる。よって、抵抗190の抵抗値をRとすると、外部接続用端子17Bに出力される電圧は、(Vcc−VF)RL/(R+RL)となる。ただし、VFはLED183の順方向電圧(立ち上がり電圧とも呼ぶ。)である。
図15に示すフォトセンサ180においても、外乱光があった場合、パチンコ玉1が通過していない場合と通過している場合とで、それぞれ出力を、Vcc−Vce(sat)、VccRL/(R2+RL)、(Vcc−VF)RL/(R+RL)の三段階に区分けすることができるので、出力信号の大きさに応じてパチンコ玉1の通過を確認することができる。
図16は図15に示す回路の変形例を示す回路図である。図16に示すフォトセンサ200の回路では、外部接続用端子41A,41Bとセンサ本体部180Aと外乱光監視部200Bを備えている点において図15に示す回路図と同じであるが、外乱光監視部200Bの構成が異なる。
外乱光監視部200Bは、外部接続用端子41A及び41Bに対して増幅用トランジスタ202が並列接続されており、増幅用トランジスタ202の制御電極としてのベースに対しフォトトランジスタ201の第2主電極としてのエミッタが接続されている。すなわち、外乱光監視部200Bはフォトダーリントントランジスタで構成してもよい。これは、パチンコ玉が通過している状態においてフォトトランジスタ184へ影響を及ぼす外乱光が意図的に照射されたとき、外乱光監視部200Bの設置箇所と光検出素子201の検出感度に応じて増幅用トランジスタ202により検出感度を増加させるためである。
以上、本発明の実施形態を説明したが、フォトセンサの回路構成は図9〜図16に示したものに限定されることなく、それと等価な回路まで含まれるものとする。例えば各フォトトランジスタ及びトランジスタにおけるエミッタとコレクタとは接続が逆であってもよい。また、図9〜図16においては、外部接続用端子41Aの一端を電源Vccに接続し、外部接続用端子41Bに負荷抵抗RLを接続しているが、外部接続用端子41Aに負荷抵抗RLを介在して電源Vccを接続し、外部接続用端子41Bを接地して、負荷抵抗RLの外部接続用端子41A側を出力としてもよい。具体的には図17に示すように、外部接続用端子41Aを、電源Vccに接続された負荷抵抗RLの一端に対して外部接続用配線11Aを介在して接続し、外部接続用端子41Bを外部接続用配線11Bを介在してアースに接地してもよい。その際、負荷抵抗RLの外部接続用端子41A側を出力とする。なお、図17において、センサ本体部210A,外乱光監視部210B,ツェナーダイオード212については、前述と同様である。
以上説明したように、本発明の実施形態においては、発光素子と受光素子との間の光路が、開口の中心付近を通らないよう、即ち、連続的に通過する被検出物同士の接点が存在し得ない領域を通るよう、発光素子と受光素子とが配置され、さらに外乱光検出素子が配置されている。よって、外乱光の影響をなくして、被検出物の数を正確にカウントすることができる。本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲で適宜変更して実施することができることは説明するまでもない。例えば、パッケージに設けた開口は矩形である必要はなく、略円形状、略楕円形状であってもよいことはいうまでもない。