JP2013127390A - 物理量測定機能を備えた回転機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハブ2aに外嵌固定したエンコーダ4aに円筒状被検出面19aと円輪状被検出面20aとを設ける。これら両被検出面19a、20aにS極とN極とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合うS極とN極との境界を、何れか一方の被検出面に関してのみ、当該被検出面の幅方向に対して傾斜させる。前記両磁気検出素子として、半導体基板15aの片側面に設置したホール素子13及びGMR素子21を使用し、これら両素子13、21を前記両被検出面20a、19aに対向させる。
【選択図】図2
Description
特に、本発明の物理量測定機能を備えた回転機械に於いては、前記エンコーダは、一方の被検出面を円筒状に構成した円筒状被検出面とすると共に、他方の被検出面を円輪状に構成した円輪状被検出面としている。そして、これら円筒状被検出面と円輪状被検出面とを、それぞれが共通の円環状空間に対向する状態で断面L字形に配置している。更に、円周方向に隣り合うS極とN極との境界である特性境界を、前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面とのうちの何れか一方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向と平行にすると共に、他方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向に対し傾斜させている。又、前記センサユニットは、使用状態での一方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この一方の磁気検出素子と前記円筒状被検出面との対向方向とすると共に、使用状態での前記他方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この他方の磁気検出素子と前記円輪状被検出面との対向方向としている。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記特性境界を傾斜させた被検出面を、前記円輪状被検出面とする。この場合には、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のラジアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するラジアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量となる。
この場合に、より好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記ホール素子と前記GMR素子とを、それぞれ前記半導体基板の片側面に設置する。
即ち、本発明の場合、円筒状被検出面に存在する特性境界と、円輪状被検出面に存在する特性境界とは、それぞれ全体的に所定の方向(当該被検出面の幅方向に対して平行な方向又は傾斜した方向)を向いており、途中で向きが変化する箇所を有していない。この為、前記両磁気検出素子を、それぞれ前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面との幅方向に関する何れの箇所に対向させる場合でも、前記ゲイン特性を良好にできる。逆に言えば、このゲイン特性を良好にする為に、前記両磁気検出素子同士の位置関係を規制する必要がない為、これら両磁気検出素子同士の間隔を十分に狭められる。
従って、これら両磁気検出素子を固定する部品である、半導体基板のサイズを小さくする事ができる。この結果、磁気検出用ICの小型化を図れると共に、1枚のウエハから切り出せる前記半導体基板の数を増やせる為、部品コストの低減を図れる。
又、本発明を実施する場合に、請求項5に記載した発明の構成を採用すれば、前記磁気検出用ICの構成を簡単にする事ができる為、製造コストの低減を図れる。
図1〜3は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、エンコーダ4a及びセンサユニット10aの構造にある。車輪支持用転がり軸受ユニットの構造及び作用に就いては、この車輪支持用転がり軸受ユニットが駆動輪用であって、ハブ2aに対して等速ジョイント用外輪16をトルクの伝達を可能に結合して使用する点を除き、前述の図6に示した従来構造の場合と同様である。この為、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
請求項1、3、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4を参照しつつ説明する。本例の場合には、エンコーダ4bを構成する円筒状被検出面19a及び円輪状被検出面20aに存在する特性境界の方向が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。即ち、本例の場合には、図4の(A)に示す様に、前記円筒状被検出面19aに存在する特性境界を、この円筒状被検出面19aの幅方向(軸方向)に平行な直線形状としている。これに対し、同図の(B)に示す様に、前記円輪状被検出面20aに存在する特性境界を、この円輪状被検出面20aの幅方向(径方向)に対して傾斜した直線形状としている。そして、この様な構成を採用する事により、上述した実施の形態の第1例の場合と同様の原理で、処理回路により波形処理された、ホール素子13とGMR素子21との出力信号同士の間の位相差比に基づいて、外輪1とハブ2a(図1〜2参照)との間に作用するラジアル荷重(これら外輪1とハブ2aとのラジアル方向の相対変位)を算出できる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同種の符号(同一の数字及び異なるアルファベット文字から成る符号)を付して、重複する図示並びに説明は省略する。
図5は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、車輪支持用転がり軸受ユニットは、前述した従来構造の場合と同様、従動輪用である。又、エンコーダ4a(4b)及びセンサユニット10bの設置箇所を、1対の転動体列同士の間部分としている。この為に、ハブ2の軸方向中間部で1対の転動体列同士の間部分に、前記エンコーダ4a(4b)を外嵌固定している。又、外輪1aの軸方向中間部で1対の転動体列同士の間部分に支持孔22を形成し、この支持孔22の内側に前記センサユニット10bを挿通支持している。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例又は第2例の場合と同様であるから、同等部分には同種の符号を付して、重複する図示並びに説明は省略する。
又、本発明を実施する場合には、アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)を測定する為のエンコーダ及び磁気検出用ICと、ラジアル荷重(ラジアル方向の相対変位)を測定する為のエンコーダ及び磁気検出用ICとを、両方とも備えた構造を採用する事もできる。
2、2a ハブ
3 転動体
4、4a、4b エンコーダ
5、5a 芯金
6、6a〜6d 永久磁石
7 第一被検出面
8 第二被検出面
9 カバー
10、10a、10b センサユニット
11、11a、11b センサホルダ
12、12a 磁気検出用IC
13 ホール素子
14 処理回路
15、15a 半導体基板
16 等速ジョイント用外輪
17 円筒部
18 円輪部
19、19a 円筒状被検出面
20、20a 円輪状被検出面
21 GMR素子
22 支持孔
Claims (5)
- 回転機械と、エンコーダと、センサユニットと、演算器とを備え、
このうちの回転機械は、使用時にも回転しない静止体と、この静止体に対して予圧を付与された転がり軸受により回転自在に支持された回転体を備えたものであり、
前記エンコーダは、前記回転体の一部に支持固定されたもので、それぞれがこの回転体と同心である1対の被検出面を備え、これら両被検出面はそれぞれ、S極とN極とを円周方向に関して交互に配置したものであり、
前記センサユニットは、1対の磁気検出素子と、これら両磁気検出素子の出力信号を取り出して波形処理をする処理回路と、その側面にこれら両磁気検出素子と処理回路とを設置した半導体基板とを含んで構成される磁気検出用ICを、センサホルダにより保持して成るもので、使用時に前記両磁気検出素子のうちの一方の磁気検出素子を前記両被検出面のうちの一方の被検出面に、他方の磁気検出素子を他方の被検出面に、それぞれ対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持されるものであり、
前記演算器は、前記信号処理部により処理された、前記両磁気検出素子の出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記静止体と前記回転体との間の相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用する外力とのうちの、少なくとも1種類の物理量を算出する機能を有するものである
物理量測定機能を備えた回転機械に於いて、
前記エンコーダは、前記一方の被検出面を円筒状に構成した円筒状被検出面とすると共に、前記他方の被検出面を円輪状に構成した円輪状被検出面とし、且つ、これら円筒状被検出面と円輪状被検出面とを、それぞれが共通の円環状空間に対向する状態で断面L字形に配置しており、且つ、円周方向に隣り合う前記S極と前記N極との境界である特性境界を、前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面とのうちの何れか一方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向と平行にすると共に、他方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向に対し傾斜させており、
前記センサユニットは、使用状態での前記一方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この一方の磁気検出素子と前記円筒状被検出面との対向方向とすると共に、使用状態での前記他方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この他方の磁気検出素子と前記円輪状被検出面との対向方向としている事を特徴とする
物理量測定機能を備えた回転機械。 - 前記特性境界を傾斜させた被検出面が、前記円筒状被検出面であり、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のアキシアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するアキシアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量である、請求項1に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
- 前記特性境界を傾斜させた被検出面が、前記円輪状被検出面であり、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のラジアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するラジアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量である、請求項1に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
- 前記1対の磁気検出素子の組み合わせとして、ホール素子とGMR素子との組み合わせを採用している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
- 前記ホール素子と前記GMR素子とが、それぞれ前記半導体基板の片側面に設置されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
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