JP2013127390A - 物理量測定機能を備えた回転機械 - Google Patents

物理量測定機能を備えた回転機械 Download PDF

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Abstract

【課題】1対の磁気検出素子を備えた磁気検出用IC12aの小型化を図りつつ、これら両磁気検出素子の出力信号同士の間の位相差比と測定すべき物理量との関係を表すゲイン特性を良好にできる構造を実現する。
【解決手段】ハブ2aに外嵌固定したエンコーダ4aに円筒状被検出面19aと円輪状被検出面20aとを設ける。これら両被検出面19a、20aにS極とN極とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合うS極とN極との境界を、何れか一方の被検出面に関してのみ、当該被検出面の幅方向に対して傾斜させる。前記両磁気検出素子として、半導体基板15aの片側面に設置したホール素子13及びGMR素子21を使用し、これら両素子13、21を前記両被検出面20a、19aに対向させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、静止体と回転体との間に作用する外力等の物理量を測定する機能を備えた回転機械の改良に関する。
自動車の走行安定性確保の為の制御をより高度に行わせる為に、回転機械の一種である車輪支持用転がり軸受ユニットに物理量測定機能を付加する事により、各車輪に加わるアキシアル荷重やラジアル荷重を測定する事が考えられている。図6〜7は、この様な物理量測定機能を備えた回転機械の従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の場合、車輪支持用転がり軸受ユニットは、懸架装置に支持された状態で使用時にも回転しない、静止体である外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転する、回転体であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、背面組み合わせ型の接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の車輪支持用転がり軸受ユニットは、従動輪用である。
又、前記ハブ2の軸方向内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図1、5、6の右側。反対に、車両の幅方向外側となる、図1、5、6の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)には、円環状のエンコーダ4を、前記ハブ2と同心に支持固定している。このエンコーダ4は、このハブ2の内端部に外嵌固定した磁性金属板製で円環状の芯金5と、この芯金5の外周面の軸方向内半部に添着固定した、円筒状の永久磁石6とから成る。この永久磁石6の外周面には、S極とN極とを円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置している。これらS極とN極との境界である特性境界は、前記被検出面の軸方向(幅方向)中央部が円周方向に関して最も突出した、「く」字形になっている。そして、この様な永久磁石6の外周面のうち、この「く」字形の折れ曲がり部を挟んだ幅方向(軸方向)片側を第一被検出面7とし、幅方向他側を第二被検出面8としている。
又、前記外輪1の軸方向内端開口を塞ぐ、金属板製で有底円筒状のカバー9の内側に、センサユニット10を支持固定している。このセンサユニット10は、合成樹脂製のセンサホルダ11と、このセンサホルダ11の一部で前記永久磁石6の外周面と対向する部分に包埋した、磁気検出用IC12とから成る。この磁気検出用IC12は、図7に示す様に、それぞれが磁気検出素子である1対のホール素子13、13と、これら両ホール素子13、13の出力信号を取り出して波形処理をする処理回路14と、その側面にこれら両ホール素子13、13及び処理回路14を設置した半導体基板15とを備える。そして、これら両ホール素子13、13のうちの、一方のホール素子13を前記第一被検出面7に、他方のホール素子13を前記第二被検出面8に、それぞれ近接対向させている。
上述の様に構成する従来構造の1例の場合、外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用する事により、これら外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位すると、前記処理回路14により波形処理された、前記両ホール素子13、13の出力信号同士の間の位相差比(=位相差/周期)が変化する。この場合に、この位相差比は、前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)に見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)を算出する事ができる。尚、この算出処理は、図示しない演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた前記位相差比と前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)との関係を、計算式やマップ等の形式で組み込んでおく。
上述した様な従来構造の場合には、前記磁気検出用IC12を構成する1対のホール素子13、13同士の間隔Dを、例えば4〜5mm程度と、或る程度広くする必要がある。この理由は、前記位相差比と前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)との関係を表すゲイン特性を良好にする為である。即ち、このゲイン特性を良好にする為には、前記両ホール素子13、13による前記両被検出面7、8の走査位置が、これら両被検出面7、8の幅方向に関して、常に前記「く」字形の特性境界の直線部分で変化する様にする必要がある。一方、前記永久磁石6の着磁を適正に行う都合上、前記「く」字形の特性境界のうち、幅方向中央部に存在する折れ曲がり部は、実際には、図6〜7に示す様な角のある(曲率半径がほぼ0である)折れ曲がり部にならず、角のない円弧形の折れ曲がり部になる。この為、前記「く」字形の特性境界のうち、前記両ホールIC13、13が走査すべき直線部分は、前記円弧形の折れ曲がり部を挟んだ両側部分、即ち、幅方向に関して互いに離隔した部分となる。従って、前記両ホール素子13、13同士の間隔Dは、或る程度広くする必要がある。
ところが、この様に両ホール素子13、13同士の間隔Dを広くする事は、これら両ホール素子13、13を固定する部品である、前記半導体基板15の大型化につながる。この結果、前記磁気検出用IC12が大型になるだけでなく、1枚のウエハから切り出せる前記半導体基板15の数が少なくなる為、コスト面で非常に不利になる。尚、この半導体基板15の表面のうち、前記両ホール素子13、13同士の間に挟まれた部分は、処理回路が描かれない、単純なデッドスペースとなる場合が多い。この為、上述の様に両ホール素子13、13同士の間隔Dを広くする事は、回路の集積化の面でも不利となり、前記半導体基板15が無駄に大きくなり易い。
特開2009−186397号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、前記ゲイン特性を良好にできると共に、1対の磁気検出素子同士の間隔を十分に狭められる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の物理量測定機能を備えた回転機械は、回転機械と、エンコーダと、センサユニットと、演算器とを備える。
特に、本発明の物理量測定機能を備えた回転機械に於いては、前記エンコーダは、一方の被検出面を円筒状に構成した円筒状被検出面とすると共に、他方の被検出面を円輪状に構成した円輪状被検出面としている。そして、これら円筒状被検出面と円輪状被検出面とを、それぞれが共通の円環状空間に対向する状態で断面L字形に配置している。更に、円周方向に隣り合うS極とN極との境界である特性境界を、前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面とのうちの何れか一方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向と平行にすると共に、他方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向に対し傾斜させている。又、前記センサユニットは、使用状態での一方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この一方の磁気検出素子と前記円筒状被検出面との対向方向とすると共に、使用状態での前記他方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この他方の磁気検出素子と前記円輪状被検出面との対向方向としている。
上述の様な本発明の物理量測定機能を備えた回転機械を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記特性境界を傾斜させた被検出面を、前記円筒状被検出面とする。この場合には、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のアキシアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するアキシアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量となる。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記特性境界を傾斜させた被検出面を、前記円輪状被検出面とする。この場合には、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のラジアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するラジアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量となる。
又、本発明を実施する場合に、好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記センサユニットを構成する磁気検出用ICに組み込む1対の磁気検出素子の組み合わせとして、ホール素子とGMR素子との組み合わせを採用する。
この場合に、より好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記ホール素子と前記GMR素子とを、それぞれ前記半導体基板の片側面に設置する。
上述の様に構成する本発明の物理量測定機能を備えた回転機械によれば、1対の磁気検出素子同士の間隔を十分に狭めた構成を採用しつつ、処理回路により波形処理された、これら両磁気検出素子の出力信号同士の間の位相差比と、測定すべき物理量との関係を表すゲイン特性を良好にできる。
即ち、本発明の場合、円筒状被検出面に存在する特性境界と、円輪状被検出面に存在する特性境界とは、それぞれ全体的に所定の方向(当該被検出面の幅方向に対して平行な方向又は傾斜した方向)を向いており、途中で向きが変化する箇所を有していない。この為、前記両磁気検出素子を、それぞれ前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面との幅方向に関する何れの箇所に対向させる場合でも、前記ゲイン特性を良好にできる。逆に言えば、このゲイン特性を良好にする為に、前記両磁気検出素子同士の位置関係を規制する必要がない為、これら両磁気検出素子同士の間隔を十分に狭められる。
従って、これら両磁気検出素子を固定する部品である、半導体基板のサイズを小さくする事ができる。この結果、磁気検出用ICの小型化を図れると共に、1枚のウエハから切り出せる前記半導体基板の数を増やせる為、部品コストの低減を図れる。
又、本発明を実施する場合に、請求項5に記載した発明の構成を採用すれば、前記磁気検出用ICの構成を簡単にする事ができる為、製造コストの低減を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のX部拡大図。 円輪状被検出面の円周方向一部分を軸方向から見た図(A)、及び、円筒状被検出面の円周方向一部分を径方向から見た図(B)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す断面図。 従来構造の1例を示す断面図。 エンコーダの被検出面の円周方向一部分と、センサユニットを構成する磁気検出用ICとを、エンコーダの径方向外側から見た図。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、エンコーダ4a及びセンサユニット10aの構造にある。車輪支持用転がり軸受ユニットの構造及び作用に就いては、この車輪支持用転がり軸受ユニットが駆動輪用であって、ハブ2aに対して等速ジョイント用外輪16をトルクの伝達を可能に結合して使用する点を除き、前述の図6に示した従来構造の場合と同様である。この為、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、前記ハブ2aの軸方向内端部に外嵌固定したエンコーダ4aは、芯金5aと、1対の永久磁石6a、6bとを備える。このうちの芯金5aは、磁性金属板により断面L字形で全体を円環状に造られており、円筒部17と、この円筒部17の軸方向外端部から径方向外側に直角に折れ曲がった円輪部18とを備える。そして、このうちの円筒部17を前記ハブ2aの軸方向内端部に締り嵌めで外嵌している。又、前記両永久磁石6a、6bのうち、一方の永久磁石6aは円筒状であって、前記芯金5aの円筒部17の外周面に添着固定しており、他方の永久磁石6bは円輪状であって、前記芯金5aの円輪部18の内側面に添着固定している。そして、このうちの一方の永久磁石6aの外周面を円筒状被検出面19とし、前記他方の永久磁石6bの内側面を円輪状被検出面20としている。即ち、これら円筒状被検出面19と円輪状被検出面20とは、それぞれが共通の円環状空間に対向する状態で断面L字形に配置されている。又、図3に示す様に、これら円筒状被検出面19と円輪状被検出面20とには、それぞれS極とN極とが、円周方向に関して交互に、且つ、これら両被検出面19、20同士で互いに等しいピッチで配置されている。特に、本例の場合には、円周方向に隣り合うS極とN極との境界である特性境界を、前記円筒状被検出面19に関しては、この円筒状被検出面19の幅方向(軸方向)に対し傾斜した直線形状とし、前記円輪状被検出面20に関しては、この円輪状被検出面20の幅方向(径方向)に平行な直線形状としている。
又、前記センサユニット10aは、図1〜2に示す使用状態で、その先端部(図1〜2に於ける下端部)を前記円筒状被検出面19と前記円輪状被検出面20とに対向する部分に配置した状態で、懸架装置を構成するナックル等の使用時にも回転しない部分に支持固定している。この様なセンサユニット10aは、合成樹脂製のセンサホルダ11aと、このセンサホルダ11aの先端部(図1〜2に於ける下端部)に包埋した、磁気検出用IC12aとから成る。この磁気検出用IC12aは、それぞれが磁気検出素子である、ホール素子13及びGMR素子21と、これら両素子13、21の出力信号を取り出して波形処理をする図示しない処理回路と、半導体基板15aとを備える。このうちの半導体基板15aは、前記円輪状被検出面20と平行に配置している。又、前記ホール素子13及びGMR素子21と、前記処理回路とは、それぞれ前記半導体基板15aの片側面(図2に於ける左側面)に設置している。又、この状態で、前記ホール素子13と前記GMR素子21とを、前記センサホルダ11aの長さ方向(図1〜2に於ける上下方向)に並べて配置すると共に、前記GMR素子21を前記ホール素子13よりも前記センサホルダ11aの先端側に配置している。又、本例の場合には、これらホール素子13とGMR素子21との間隔を、短絡が起こらない範囲で十分に狭くしている。
又、上述の様なホール素子13とGMR素子21とは、それぞれが前記円筒状被検出面19と前記円輪状被検出面20との両方に対向する部分に配置されているが、周知の様に、前記ホール素子13と前記GMR素子21とを前記半導体基板15aの片側面に設置した状態での、これらホール素子13とGMR素子21とによる磁場の感度方向は、互いに異なる。即ち、このうちのホール素子13による磁場の感度方向は、前記半導体基板15aの片側面に垂直な方向となり、本例の場合、この方向は、前記ホール素子13と前記円輪状被検出面20との対向方向(図1〜2に於ける左右方向)に一致する。この為、このホール素子13の出力信号は、このホール素子13を通過する磁束のうち、前記円輪状被検出面20から発生した磁束の変化に基づいて変化するのみであって、実質的に、前記円筒状被検出面19から発生した磁束の変化に基づいて変化する事はない。これに対し、前記GMR素子21による磁場の感度方向は、前記半導体基板15aの片側面に平行な方向となり、本例の場合には、この方向が、前記GMR素子21と前記円筒状被検出面19との対向方向(図1〜2に於ける上下方向)に一致する様に、前記GMR素子21の設置の向きを規制している。この為、このGMR素子21の出力信号は、このGMR素子21を通過する磁束のうち、前記円筒状被検出面19から発生した磁束の変化に基づいて変化するのみであって、実質的に、前記円輪状被検出面20から発生した磁束の変化に基づいて変化する事はない。
尚、前記ホール素子13及びGMR素子21の動作の信頼性を十分に確保すべく、これらホール素子13及びGMR素子21を通過する、それぞれの感度方向の磁束の密度を十分に高める観点より、前記ホール素子13と前記円輪状被検出面20との対向間隔、及び、前記GMR素子21と前記円筒状被検出面19との対向間隔は、それぞれ極力短くする事が好ましい。この為に、本例の場合、前記磁気検出用IC12aは、前記両被検出面19、20に近い、前記センサホルダ11aの隅部(図1〜2に於ける左下の隅部)に配置する事が好ましい。
上述の様に構成する本例の物理量測定機能を備えた回転機械の場合、外輪1と前記ハブ2aとの間にアキシアル荷重が作用する事により、これら外輪1とハブ2aとがアキシアル方向に相対変位すると、前記処理回路により波形処理された、前記ホール素子13と前記GMR素子21との出力信号同士の間の位相差比(=位相差/周期)が変化する。即ち、本例の場合、前記円筒状被検出面19に存在する特性境界は、軸方向に対して傾斜した直線形状になっている。この為、前記アキシアル方向の相対変位が生じる事により、前記GMR素子21による前記円筒状被検出面19の走査位置が軸方向に変化すると、これに伴って、このGMR素子21の出力信号の位相が変化する。これに対し、前記ホール素子13に関しては、前記アキシアル方向の相対変位が生じても、このホール素子13と前記円輪状被検出面20との対向間隔が変化するだけである。この為、このホール素子13の出力信号のレベルが変化する事はあっても、この出力信号の位相が変化する事はない。従って、前記アキシアル方向の相対変位が生じた場合には、前記GMR素子21の出力信号の位相変化の分だけ、前記位相差比が変化する。この場合に、この位相差比は、前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)に見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)を算出する事ができる。この算出処理は、図示しない演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた、前記位相差比と前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)との関係を、計算式やマップ等の形式で組み込んでおく。
尚、本例の場合、前記外輪1と前記ハブ2aとの間にラジアル荷重が作用する事により、これら外輪1とハブ2aとがラジアル方向に相対変位した場合でも、これに伴って、前記位相差比が変化する事はない。即ち、本例の場合、前記円輪状被検出面20に存在する特性境界は、径方向に形成された直線形状になっている。この為、前記ラジアル方向の相対変位が生じる事により、前記ホール素子13による前記円輪状被検出面20の走査位置が径方向に変化しても、これに伴って、このホール素子13の出力信号の位相が変化する事はない。又、前記GMR素子21に関しては、前記ラジアル方向の相対変位が生じても、このGMR素子21と前記円筒状被検出面19との対向間隔が変化するだけである。この為、このGMR素子21の出力信号のレベルが変化する事はあっても、この出力信号の位相が変化する事はない。従って、前記ラジアル方向の相対変位が生じた場合でも、これに伴って、前記位相差比が変化する事はない。この為、前記外輪1と前記ハブ2aとの間にモーメントの如き複合荷重が作用した場合には、このうちのアキシアル成分のみを検出する事になる。
又、本例の場合、前記円輪状被検出面20aに存在する特性境界は、この円輪状被検出面20aの幅方向に平行な直線形状である。この為、この円輪状被検出面20aに対向させた前記ホール素子13の出力信号は、車輪支持用転がり軸受ユニットに作用するアキシアル荷重やラジアル荷重等の外力の影響を殆ど受ける事なく、車輪の回転速度を表す信号としてABS等の制御に有効に利用できる。
又、上述の様に構成する本例の物理量測定機能を備えた回転機械によれば、前述の様にホール素子13とGMR素子21との間隔を十分に狭めた構成を採用しつつ、前記位相差比と前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)との関係を表すゲイン特性を良好にできる。即ち、本例の場合、前記円筒状被検出面19に存在する特性境界と、前記円輪状被検出面20に存在する特性境界とは、それぞれ全体的に所定の方向(当該被検出面の幅方向に対して傾斜した方向又は平行な方向)を向いており、途中で向きが変化する箇所を有していない。この為、前記ホール素子13と前記GMR素子21とを、それぞれ前記円輪状被検出面20と前記円筒状被検出面19との幅方向に関する何れの箇所に対向させる場合でも、前記ゲイン特性を良好にする事ができる。逆に言えば、このゲイン特性を良好にする為に、前記ホール素子13と前記GMR素子21との位置関係を規制する必要がない為、これら両素子13、21同士の間隔を、上述の様に十分に狭められる。従って、これら両素子13、21を固定する部品である、前記半導体基板15aのサイズを小さくする事ができる。この結果、前記磁気検出用IC12aの小型化を図れると共に、1枚のウエハから切り出せる前記半導体基板15aの数を増やせる為、部品コストの低減を図れる。又、本例の場合には、前記ホール素子13と前記GMR素子21とを、それぞれ前記半導体基板15aの片側面に設置する構成を採用している為、前記磁気検出用IC12aの構成を簡単にでき、その分だけ製造コストの低減を図れる。
[実施の形態の第2例]
請求項1、3、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4を参照しつつ説明する。本例の場合には、エンコーダ4bを構成する円筒状被検出面19a及び円輪状被検出面20aに存在する特性境界の方向が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。即ち、本例の場合には、図4の(A)に示す様に、前記円筒状被検出面19aに存在する特性境界を、この円筒状被検出面19aの幅方向(軸方向)に平行な直線形状としている。これに対し、同図の(B)に示す様に、前記円輪状被検出面20aに存在する特性境界を、この円輪状被検出面20aの幅方向(径方向)に対して傾斜した直線形状としている。そして、この様な構成を採用する事により、上述した実施の形態の第1例の場合と同様の原理で、処理回路により波形処理された、ホール素子13とGMR素子21との出力信号同士の間の位相差比に基づいて、外輪1とハブ2a(図1〜2参照)との間に作用するラジアル荷重(これら外輪1とハブ2aとのラジアル方向の相対変位)を算出できる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同種の符号(同一の数字及び異なるアルファベット文字から成る符号)を付して、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図5は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、車輪支持用転がり軸受ユニットは、前述した従来構造の場合と同様、従動輪用である。又、エンコーダ4a(4b)及びセンサユニット10bの設置箇所を、1対の転動体列同士の間部分としている。この為に、ハブ2の軸方向中間部で1対の転動体列同士の間部分に、前記エンコーダ4a(4b)を外嵌固定している。又、外輪1aの軸方向中間部で1対の転動体列同士の間部分に支持孔22を形成し、この支持孔22の内側に前記センサユニット10bを挿通支持している。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例又は第2例の場合と同様であるから、同等部分には同種の符号を付して、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明を実施する場合、対象となる回転機械は、車輪支持用転がり軸受ユニットに限らず、例えば工作機械の主軸支持装置等、各種のものを採用できる。
又、本発明を実施する場合には、アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)を測定する為のエンコーダ及び磁気検出用ICと、ラジアル荷重(ラジアル方向の相対変位)を測定する為のエンコーダ及び磁気検出用ICとを、両方とも備えた構造を採用する事もできる。
1 外輪
2、2a ハブ
3 転動体
4、4a、4b エンコーダ
5、5a 芯金
6、6a〜6d 永久磁石
7 第一被検出面
8 第二被検出面
9 カバー
10、10a、10b センサユニット
11、11a、11b センサホルダ
12、12a 磁気検出用IC
13 ホール素子
14 処理回路
15、15a 半導体基板
16 等速ジョイント用外輪
17 円筒部
18 円輪部
19、19a 円筒状被検出面
20、20a 円輪状被検出面
21 GMR素子
22 支持孔

Claims (5)

  1. 回転機械と、エンコーダと、センサユニットと、演算器とを備え、
    このうちの回転機械は、使用時にも回転しない静止体と、この静止体に対して予圧を付与された転がり軸受により回転自在に支持された回転体を備えたものであり、
    前記エンコーダは、前記回転体の一部に支持固定されたもので、それぞれがこの回転体と同心である1対の被検出面を備え、これら両被検出面はそれぞれ、S極とN極とを円周方向に関して交互に配置したものであり、
    前記センサユニットは、1対の磁気検出素子と、これら両磁気検出素子の出力信号を取り出して波形処理をする処理回路と、その側面にこれら両磁気検出素子と処理回路とを設置した半導体基板とを含んで構成される磁気検出用ICを、センサホルダにより保持して成るもので、使用時に前記両磁気検出素子のうちの一方の磁気検出素子を前記両被検出面のうちの一方の被検出面に、他方の磁気検出素子を他方の被検出面に、それぞれ対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持されるものであり、
    前記演算器は、前記信号処理部により処理された、前記両磁気検出素子の出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記静止体と前記回転体との間の相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用する外力とのうちの、少なくとも1種類の物理量を算出する機能を有するものである
    物理量測定機能を備えた回転機械に於いて、
    前記エンコーダは、前記一方の被検出面を円筒状に構成した円筒状被検出面とすると共に、前記他方の被検出面を円輪状に構成した円輪状被検出面とし、且つ、これら円筒状被検出面と円輪状被検出面とを、それぞれが共通の円環状空間に対向する状態で断面L字形に配置しており、且つ、円周方向に隣り合う前記S極と前記N極との境界である特性境界を、前記円筒状被検出面と前記円輪状被検出面とのうちの何れか一方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向と平行にすると共に、他方の被検出面に関して当該被検出面の幅方向に対し傾斜させており、
    前記センサユニットは、使用状態での前記一方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この一方の磁気検出素子と前記円筒状被検出面との対向方向とすると共に、使用状態での前記他方の磁気検出素子による磁場の感度方向を、この他方の磁気検出素子と前記円輪状被検出面との対向方向としている事を特徴とする
    物理量測定機能を備えた回転機械。
  2. 前記特性境界を傾斜させた被検出面が、前記円筒状被検出面であり、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のアキシアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するアキシアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量である、請求項1に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
  3. 前記特性境界を傾斜させた被検出面が、前記円輪状被検出面であり、前記演算器が算出する物理量が、前記静止体と前記回転体との間のラジアル方向に関する相対変位と、これら静止体と回転体との間に作用するラジアル荷重とのうちの、少なくとも1種類の物理量である、請求項1に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
  4. 前記1対の磁気検出素子の組み合わせとして、ホール素子とGMR素子との組み合わせを採用している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。
  5. 前記ホール素子と前記GMR素子とが、それぞれ前記半導体基板の片側面に設置されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した物理量測定機能を備えた回転機械。

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