JP2008175286A - エンコーダ付転がり軸受ユニット - Google Patents

エンコーダ付転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで構成でき、しかも回転速度或いは荷重等の測定精度を確保し易い構造を実現する。
【解決手段】エンコーダ12は、磁性金属板製で円筒状の芯金21と、この芯金21の外周面の軸方向中間部乃至内端寄り部分に全周に亙って添着された永久磁石22とから成る。被検出面である、この永久磁石22の外周面に、S極とN極とを配置している。上記芯金21の軸方向外端寄り部分を、ハブを構成する内輪17の肩部23に締り嵌めで外嵌固定した状態で、嵌合部25と上記永久磁石22とが、上記エンコーダ12の径方向に関して重畳しない。この構成により、この永久磁石に、締り嵌めに伴う引っ張り応力が発生する事を防止して、上記S極と上記N極との境界の形状及び位置の精度を向上させ、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば自動車の懸架装置に車輪を回転自在に支持する為に利用し、この車輪の回転速度、或いはこの車輪と路面との接地面に作用する荷重を求める為に利用するエンコーダ付転がり軸受ユニットの改良に関する。具体的には、エンコーダの被検出面の形状が歪むのを防止して、上記回転速度或いは荷重の検出精度の向上を図れる構造を実現するものである。
自動車の走行状態を安定させる為のアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール装置(TCS)の制御には、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為従来から、懸架装置に対し車輪を回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する、回転側軌道輪であるハブにエンコーダを組み付けた、エンコーダ付転がり軸受ユニットが、広く実施されている。この様なエンコーダ付転がり軸受ユニットの構造として、例えば特許文献1、2に記載された発明の構造が知られている。又、上記走行状態を安定させる為の制御を、より高度に行なう為には、上記車輪と路面との接地面に作用する荷重の値を利用する事が考えられる。そして、ハブに組み込んだエンコーダを利用してこの荷重を求める為の装置として、特許文献3に記載された荷重測定装置付転がり軸受ユニットが知られている。
図5は、このうちの特許文献1に記載された、エンコーダ付転がり軸受ユニットの従来構造の第1例を示している。この構造は、外輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニットを対象としたもので、外輪であるハブ1の端部外周面に、断面L字形の芯金2と円筒状の永久磁石3とを組み合わせたエンコーダ4を、締り嵌めにより外嵌固定している。この永久磁石3は径方向に着磁すると共に、着磁方向を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。この為、上記永久磁石3の外周面には、S極とN極とが、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で配置されている。この様な永久磁石3を含んで構成される、上記エンコーダ4の外周面には、懸架装置を構成するナックル等の静止部材に支持されたセンサ5の検出部を対向させている。走行時に上記ハブ1が回転すると、このセンサ5の検出部の近傍を、S極とN極とが交互に通過して、このセンサ5の出力信号が、上記ハブ1の回転速度に比例した周波数で変化する。この為、この出力信号を図示しない制御器に送れば、前記ABSやTCSを適切に制御できる。
又、図6は、前記特許文献2に記載された、エンコーダ付転がり軸受ユニットの従来構造の第2例を示している。この構造は、内輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニットを対象としたもので、ハブ1aを構成する内輪6の端部外周面に、断面クランク型の芯金2aと円筒状の永久磁石3aとを組み合わせたエンコーダ4aを、締り嵌めにより外嵌固定している。このエンコーダ4aは、非磁性金属板製の芯金7を備えたシールリング8により覆っている。そして、静止側軌道輪である外輪9の取付孔10に挿通したセンサ5aの検出部を上記エンコーダ4aの外周面に、上記シールリング8の芯金7を介して対向させている。この様な第2例の構造の場合も、走行時に上記ハブ1aが回転すると、上記センサ5aの出力信号が回転速度に比例した周波数で変化するので、上記ABSやTCSを適切に制御できる。
上述した従来構造の第1〜2例の場合には、特に接地面に作用する荷重を求める事は考慮していない為、上記エンコーダ4、4aを構成する永久磁石3、3aの外周面に存在するS極とN極との境界は、上記ハブ1、1aの中心軸に対し平行である。これに対して、特許文献3に記載された、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに組み込むエンコーダの場合には、エンコーダの周面に存在するS極とN極との境界は、ハブの中心軸に対し傾斜している{後述する実施の形態の第3例を示す、図4の(B)参照}。上記荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合には、この様なエンコーダの周面のうち、互いに異なる複数個所にそれぞれの検出部を対向させたセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記荷重を求める。
上述の様なエンコーダ付転がり軸受ユニットを使用した、上記回転速度或いは上記荷重を精度良く求める為には、上記エンコーダ4、4aの被検出面の特性が変化する境界の位置或いは形状の精度が良好である事が必要である。これに対して、前述の図5に示した、従来構造の第1例の場合には、前記芯金2を前記ハブ1の端部に締り嵌めにより外嵌するのに伴って、この芯金2の外周面に添設した前記永久磁石3に、円周方向の引っ張り応力が発生する。この引っ張り応力は、円周方向に関して必ずしも均一に発生しない為、この引っ張り応力に基づいて、上記永久磁石3の外周面に存在して円周方向に隣り合うS極とN極との境界位置がずれたり(本来均一であるべき、S極とN極との円周方向に関するピッチが不均一になったり)、この境界の形状が歪む(本来直線状であるべきものが非直線状になる)可能性がある。何れの場合も、上記回転速度或いは上記荷重を精度良く求める面からは有害である。特に、上記引っ張り応力が過大になって、上記永久磁石3に亀裂、剥離等の損傷が発生した場合には、上記回転速度或いは上記荷重の測定精度の悪化が著しくなる。
これに対して、前述の図6に示した、従来構造の第2例の場合には、前記芯金2aを前記内輪6に締り嵌めにより外嵌しても、この芯金2aと共にエンコーダ4aを構成する永久磁石3aに、円周方向に引っ張り応力が発生する事はない。但し、上記第2例の構造の場合には、上記芯金2aの形状が比較的複雑である為、この芯金2aを含む、上記エンコーダ4aの製造コストが嵩む事が避けられない。しかも、上記永久磁石3aを、上記内輪6の外周面よりも径方向外方に支持する構造である為、これら永久磁石3aと内輪6との中心軸を厳密に一致させる事が難しくなる。そして、これら両部材3a、6の中心軸同士が不一致になった(径方向のずれ或いは傾斜が発生した)場合には、やはり上記回転速度或いは上記荷重の測定精度が悪化する。
特開2002−340920号公報 特開2006−64145号公報 特開2006−133045号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、低コストで構成でき、しかも回転速度或いは荷重等の測定精度を確保し易いエンコーダ付転がり軸受ユニットを実現すべく発明したものである。
本発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットは、従来から知られているエンコーダ付転がり軸受ユニットと同様に、静止側軌道輪と、回転側軌道輪と、複数個の転動体と、エンコーダとを備える。
このうちの静止側軌道輪は、何れかの周面である静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない。
又、上記回転側軌道輪は、上記静止側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、この静止側軌道輪と同心に配置されている。
又、上記各転動体は、上記回転側軌道と上記静止側軌道との間に設けられている。
更に、上記エンコーダは、円筒状で、何れかの周面に、特性を円周方向に関して交互に変化させた被検出面を設け、上記回転側軌道輪の一部にこの回転側軌道輪と同心に支持固定されている。
特に、本発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットに於いては、上記エンコーダは、軸方向の一部に上記被検出面を、軸方向の残部に上記回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定する為の嵌合部を、それぞれ設けたものである。そして、この嵌合部をこの回転側軌道輪に嵌合固定した状態で、嵌合面と上記被検出面とが、上記エンコーダの径方向に関して重畳していない。
上述の様な本発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットを実施する場合に、例えば請求項2に記載した様に、上記エンコーダを、磁性金属板製で円筒状の芯金と、この芯金の周面の軸方向一部に全周に亙って添着された永久磁石とから構成する。そして、この永久磁石の周面を被検出面とし、上記芯金の軸方向残部を回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定した状態で、嵌合面と上記永久磁石とを、上記エンコーダの径方向に関して重畳させない。
或いは、請求項3に記載した様に、上記エンコーダを、円筒状の磁性金属板のみから成るものとして、この磁性金属板の軸方向一部に複数の透孔を、円周方向に関して間欠的に形成した部分の周面を被検出面とする。そして、上記磁性金属板の軸方向残部を回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定した状態で、嵌合面と上記各透孔を形成した部分とを、上記エンコーダの径方向に関して重畳させない。
又、上述の様な本発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットを実施する場合に、好ましくは、請求項4に記載した様に、上記磁性金属板の軸方向端部に、径方向に折れ曲がった鍔部を全周に亙って形成する。
上述の様に構成する本発明によれば、低コストで構成でき、しかも回転速度或いは荷重等の測定精度を確保し易いエンコーダ付転がり軸受ユニットを実現できる。
即ち、エンコーダ全体を、軸方向に関して直径が変化しない円筒状、若しくは、端部に鍔部を設けただけのほぼ円筒状に構成する為、磁性金属板等の、上記エンコーダを構成する部材の加工が容易で、このエンコーダの製造コストを抑えられる。又、嵌合面と被検出面とをこのエンコーダの径方向に関して重畳させない為、このエンコーダを回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定(外嵌又は内嵌)しても、このエンコーダの軸方向の一部に設けた上記被検出面に、円周方向の応力(引っ張り応力又は圧縮応力)が発生する事はない。この為、この被検出面に存在する、特性変化の境界の位置がずれたり、この境界の形状が歪む事がなくなる。この結果、この境界の位置検出に基づく、上記回転速度或いは荷重等の測定精度を確保できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、本発明を、懸架装置に車輪を回転自在に支持すると共にこの車輪の回転速度を求める為の、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに適用した場合に就いて示している。この回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットは、本発明の対象となるエンコーダ付車輪支持用転がり軸受ユニットにセンサを組み合わせたもので、静止側軌道輪である外輪9aと、回転側軌道輪であるハブ1bと、複数個の転動体11、11と、エンコーダ12と、センサユニット27とを備える。
このうちの外輪9aは、静止側周面である内周面の軸方向2個所位置に、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道14、14を、外周面の軸方向中間部に外向フランジ状の取付部15を、それぞれ有する。この様な外輪9aは、使用状態である、懸架装置への組み付け時には、上記取付部15をこの懸架装置を構成するナックルに結合固定されて、回転しない。又、上記ハブ1bは、ハブ本体16と内輪17とを、かしめ部18により結合固定して成る。このうちのハブ本体16の軸方向外端部(軸方向に関して外とは、自動車の組み付け状態でこの自動車の幅方向外側となる側で、図1〜4の左側。反対に、自動車の組み付け状態でこの自動車の幅方向中央側となる、図1〜4の右側を、軸方向に関して内と言う。以下同じ。)で上記外輪1から軸方向外方に突出した部分に、車輪を支持固定する為の回転側フランジ19を形成している。又、上記ハブ本体16の軸方向中間部、及び、このハブ本体16の軸方向内端部に外嵌固定した上記内輪17の外周面に、複列の内輪軌道20、20を設けている。そして、これら両内輪軌道20、20と上記両外輪軌道14、14との間に上記各転動体11、11を、両列毎に複数個ずつ設けて、上記外輪9aの内径側に上記ハブ16を、同心に、且つ、回転自在に支持している。
又、前記エンコーダ12は、それぞれが円筒状に形成された芯金21と永久磁石22とを組み合わせる事で、全体を円筒状に形成している。このうちの芯金21は、軟鋼板等の磁性金属板を円筒状に形成したもので、直径が軸方向に関して(自由状態では厳密に)均一であり、自由状態での内径は、上記内輪17の軸方向内端寄り部分で上記内輪軌道20に隣接する部分に設けられた肩部23の外径よりも僅かに小さい。又、上記永久磁石22は、ゴム磁石、プラスチック磁石等で、径方向に着磁されている。着磁方向は、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で変化させている。従って、上記エンコーダ12の被検出面である、上記永久磁石22の外周面には、図2の(B)に示す様に、S極とN極とが、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で配置されている。
この様な永久磁石22は、上記芯金21の外周面の軸方向中間部乃至内端部に、全周に亙って、接着、モールド成形等により添着されている。即ち、上記永久磁石22の軸方向に関する幅寸法W22は、上記芯金21の軸方向に関する幅寸法W21よりも十分に小さく(W22≪W21)、且つ、永久磁石22は上記芯金21の外周面に、軸方向内方に偏った状態で添着されている。従って、この芯金21の軸方向外端寄り部分の外周面には、上記永久磁石22は設けられていない。尚、この芯金21の内周面の軸方向外端縁部には、軸方向外端縁に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した面取り部24を形成している。この面取り部24は、次述する様に、上記芯金21を上記肩部23に締り嵌めで外嵌固定する作業を容易に行なえる様にする為に設けている。又、上記永久磁石22は、上記芯金21の軸方向内端縁迄は達していない。言い換えれば、この芯金21の軸方向内端縁は、上記永久磁石22により覆われてはいない。この理由は、次述する押圧治具による押圧時に、この永久磁石22の一部がこの押圧治具により押される事がない様にして、この永久磁石22の中心軸と前記ハブ1bの中心軸とを一致させ易くする為と、押圧力がこの永久磁石22に伝播して、この永久磁石22が損傷する事を防止する為とである。
上述の様な芯金21と永久磁石22とから成る、前記エンコーダ12は、この芯金21の軸方向外端寄り部分で、外周面がこの永久磁石22により覆われていない部分を、上記肩部23に締り嵌めで外嵌する事により、前記ハブ1bの軸方向内端部に、このハブ1bと同心に支持固定している。この様に上記エンコーダ12を上記肩部23に外嵌する作業は、押圧治具の先端面で上記芯金21の軸方向内端縁を押圧する事により行なう。この芯金21の厚さ寸法は、この押圧作業により変形しない程度に、十分に確保している。又、この芯金21の軸方向内端縁は、この芯金21の中心軸に対し直角な単一平面上に存在する様にして、上記押圧作業に伴ってこの芯金21の中心軸と上記ハブ1bの中心軸とがずれない様にしている。この為に、必要に応じて、上記芯金21の軸方向内端縁を、旋削等の機械加工により精度良く仕上げる。
何れにしても、上記芯金21と上記肩部23との嵌合部25が、上記永久磁石22の軸方向外端縁よりも軸方向外方に存在する様に、この嵌合部25の幅寸法W25を規制している。具体的には、この嵌合部25の幅寸法W25を、上記永久磁石22の軸方向外端縁から上記面取り部24迄の距離L24よりも小さく(W25<L24)している。好ましくは、これら幅寸法W25と距離L24との差(L24−W25)を、1mm以上(或は、芯金21を構成する磁性金属板の厚さの2倍以上)確保する様にしている。この様に規制する事で、上記嵌合部25の周囲に上記永久磁石22が存在しない様に、言い換えれば、上記芯金21の内周面と上記肩部23の外周面との嵌合面と、被検出面である上記永久磁石22の外周面とが、上記エンコーダ22の径方向に関して重畳していない様にしている。そして、上記芯金21を上記肩部23に締り嵌めで外嵌固定する事に伴う、この芯金21の歪みが、上記永久磁石22に迄及ばない様にしている。尚、この芯金21の歪みがこの永久磁石22に迄及ばない様にする事のみを考慮すれば、上記嵌合部25の幅寸法W25は小さい程好ましい。但し、上記ハブ1bに対する上記エンコーダ12の支持強度を確保し、これらハブ1bとエンコーダ12との同心性を確保する為には、上記幅寸法W25を5mm以上確保する事が好ましい。
更に、前記外輪9aの軸方向内端開口部は、ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の金属板に絞り加工等の塑性加工を施して成るカバー26により塞いでいる。そして、このカバー26の内面(上記ハブ1bの軸方向内端部に対向する面)に、前記センサユニット27を保持固定している。このセンサユニット27は、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子28を合成樹脂製のホルダ29に包埋支持して成る。この様なセンサユニット27は、上記カバー26を上記外輪9aの軸方向内端部に嵌合固定した状態で、上記磁気検出素子28を上記永久磁石22の外周面に近接対向させる様に位置決めされた状態で、上記カバー26の内面に支持固定されている。回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの使用時には、上記ハブ1bの回転に伴って上記永久磁石22の外周面に存在するS極とN極とが、上記磁気検出素子28の近傍を、交互に通過する。そして、この磁気検出素子28の特性が変化し、上記センサユニット27の出力信号が、上記ハブ1bの回転速度に比例した周波数で変化する。そこで、この出力信号を、上記カバー26のコネクタ30に接続したハーネスを通じて取り出せば、ABSやTCSを適切に制御できる。
上述の様に構成する本例の構造によれば、上記エンコーダ12全体を円筒状に構成している為、磁性金属板製の芯金21とゴム磁石等の永久磁石22の加工が容易で、上記エンコーダ12の製造コストを抑えられる。又、上記芯金21を前記肩部23に締り嵌めで外嵌した嵌合部25の周囲には、被検出面を備えた上記永久磁石22が存在せず、この締り嵌めに伴って上記芯金21の軸方向外端部に生じた、円周方向の応力が、上記永久磁石22に迄伝わる事はない。この為、この永久磁石22に、円周方向の引っ張り応力が発生する事はなく、この永久磁石22の外周面に存在する、S極とN極との境界の位置がずれたり、この境界の形状が歪む事がなくなる。更に、上記永久磁石22の内径側に、上記芯金21を除き、前記内輪17等の他の磁性部材が存在しない為、この永久磁石22のN極から出てS極に達する磁束が、この他の部材に漏洩する事を防止できて、上記磁気検出素子28に達する磁束の量を確保できる。この結果、この境界の位置検出に基づく、上記ハブ1bの回転速度の測定精度を確保できる。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、エンコーダ12aを、円筒状の磁性金属板31のみから構成している。そして、この磁性金属板31のうちで軸方向内半部に、それぞれが軸方向に長いスリット状乃至は超矩形である複数の透孔32、32を、円周方向に関して間欠的に、且つ、等間隔に形成している。本例の場合には、上記エンコーダ12aの軸方向内半部で上記各透孔32、32を形成した部分の外周面が被検出面となる。又、上記磁性金属板31の軸方向外端部を径方向外方に向けて直角に折り曲げる事により、この部分に、外向フランジ状の鍔部33を、全周に亙って形成している。
上述の様なエンコーダ12aを、回転側軌道輪であるハブを構成する内輪17の肩部23に締り嵌めで外嵌固定する際には、上記鍔部33の軸方向内側面に押圧治具の先端面を突き当てる。そして、上記エンコーダ12aの軸方向外端寄り部分で上記各透孔32、32を形成した部分よりも軸方向外寄り部分を、上記肩部23に外嵌固定する。外嵌固定した後の状態で、この肩部23の外周面と上記エンコーダ12aの内周面との嵌合面と、上記各透孔32、32を形成した被検出部分とは、このエンコーダ12aの径方向に関して重畳しない。この為、この被検出部分が歪む事がなく、このエンコーダ12aを利用した、車輪の回転速度検出を精度良く行なえる。
又、上述の様な本例の構造の場合、上記エンコーダ12aを上記肩部23に外嵌する為の押圧作業を、このエンコーダ12aの軸方向外端部に設けた鍔部33を利用して行なう為、この押圧作業に伴う押圧力が、上記各透孔33、33を形成した被検出部分に加わる事はない。この為、軸方向に関する圧縮力に対する剛性が低い、この被検出部分が、上記押圧作業に伴って変形する事を防止できて、この面からも、上記回転速度検出の精度を確保できる。更には、上記各透孔33、33を形成した部分の内径側には、磁性材製の上記内輪17は存在しない。従って、この部分の磁気特性の変化を、上記各透孔33、33の部分と円周方向に隣り合う透孔33、33同士の間の柱部分とで大きくして、上記回転速度検出の信頼性向上を図れる。
尚、上述の様な本例の構造の場合には、エンコーダ12aの側から磁束が出る事はないので、センサユニット27aの側に、磁気検出素子28aに加えて永久磁石を設ける。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、前述の特許文献3に記載された荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに、本発明を適用した場合に就いて示している。本例の構造に組み込むエンコーダ12bも、前述した実施の形態の第1例のエンコーダ12(図1〜2参照)と同様に、磁性金属板製の芯金21aと永久磁石22aとから成る。本例の場合には、この永久磁石22aの外周面に存在するS極とN極との境界が、ハブを構成する内輪17の中心軸の方向に対し傾斜している。具体的には、上記永久磁石22aの外周面の軸方向片半部で上記境界が、上記中心軸の方向に対し所定方向に所定角度傾斜しており、同じく軸方向他半部でこの境界が、この中心軸の方向に対しこの所定方向と逆方向に所定角度傾斜している。従って、上記境界は、幅方向中央部が円周方向に突出した、「く」字形となっている。
又、上記芯金21aは、軸方向内端部を径方向内方に向けて直角に折り曲げる事により、この部分に、内向フランジ状の鍔部33aを、全周に亙って形成している。上記エンコーダ12bを内輪17の肩部23に締り嵌めにより外嵌固定する際には、上記鍔部33aの軸方向内側面に押圧治具の先端面を突き当て、上記芯金21aを軸方向外方に押圧する。そして、この芯金21aの軸方向外端寄り部分で、外周面に上記永久磁石22aを添着した部分よりも軸方向外方に突出した部分を、上記肩部23に締り嵌めで外嵌する。上記鍔部33aは、上記永久磁石22aと逆の方向に折り曲げているので、この永久磁石22aの外周面から出入りする磁束が上記鍔部33aに漏洩したり、或いは、この鍔部33aと次述するホルダ29とが干渉する事はない。
荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを組み立てた状態では、外輪9aの軸方向内端部に嵌合固定したカバー26の内面に支持固定したホルダ29に保持した1対の磁気検出素子28b、28cを、上記永久磁石22aの外周面のうちで、軸方向位置が異なる2個所位置に近接対向させる。車輪支持用転がり軸受ユニットにアキシアル荷重が加わり、上記内輪17が上記外輪9aに対し軸方向に変位すると、上記両磁気検出素子28b、28cの特性が変化する位相が変化する(ずれる)。そこで、これら両磁気検出素子28b、28cの特性変化に関するずれの方向及び大きさに基づいて、上記アキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。この点に関しては、前記特許文献3等に詳しく記載されているので、詳しい説明は省略する。
荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニットの場合、上記両磁気検出素子28b、28cの特性が変化するタイミングを精度良く求める必要がある。この為、上記永久磁石22aの外周面に配置されたS極とN極との境界位置を厳密に規制する必要がある。本例の場合には、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、上記芯金21aと上記肩部23との嵌合部と、上記永久磁石22aの設置部分とを、径方向に関して重畳させていない為、上記境界位置を厳密に規制した、上記アキシアル荷重の測定精度の向上を図れる。尚、上記肩部23に対する上記芯金21aの位置決め精度を確保する為に、この芯金21aの軸方向内端寄り部分の内周面で、上記肩部23の外周面と開口する部分を、研磨等により精密な仕上面とする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 (A)は図1のX部拡大図、(B)はエンコーダの被検出面の一部を形方向外側から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、図2と同様の図。 従来構造の第1例を示す部分断面図。 同第2例を示す部分断面図。
符号の説明
1、1a、1b ハブ
2、2a 芯金
3、3a 永久磁石
4、4a エンコーダ
5、5a センサ
6 内輪
7 芯金
8 シールリング
9、9a 外輪
10 取付孔
11 転動体
12、12a 12b エンコーダ
14 外輪軌道
15 取付部
16 ハブ本体
17 内輪
18 かしめ部
19 回転側フランジ
20 内輪軌道
21、21a 芯金
22、22a 永久磁石
23 肩部
24 面取り部
25 嵌合部
26 カバー
27、27a センサユニット
28、28a、28b、28c 磁気検出素子
29 ホルダ
30 コネクタ
31 磁性金属板
32 透孔
33、33a 鍔部

Claims (4)

  1. 何れかの周面である静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止側軌道輪と、この静止側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、この静止側軌道輪と同心に配置された回転側軌道輪と、この回転側軌道と上記静止側軌道との間に設けられた複数個の転動体と、何れかの周面に、特性を円周方向に関して交互に変化させた被検出面を設け、上記回転側軌道輪の一部にこの回転側軌道輪と同心に支持固定された円筒状のエンコーダとを備えたエンコーダ付転がり軸受ユニットに於いて、このエンコーダは軸方向の一部に上記被検出面を、軸方向の残部に上記回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定する為の嵌合部を、それぞれ設けたものであり、この嵌合部をこの回転側軌道輪に嵌合固定した状態で、嵌合面と上記被検出面とが、上記エンコーダの径方向に関して重畳していない事を特徴とするエンコーダ付転がり軸受ユニット。
  2. エンコーダは、磁性金属板製で円筒状の芯金と、この芯金の周面の軸方向一部に全周に亙って添着された永久磁石とから成り、この永久磁石の周面が被検出面であり、上記芯金の軸方向残部を回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定した状態で、嵌合面と上記永久磁石とが、上記エンコーダの径方向に関して重畳していない、請求項1に記載したエンコーダ付転がり軸受ユニット。
  3. エンコーダは、円筒状の磁性金属板のみから成るものであって、この磁性金属板の軸方向一部に複数の透孔を、円周方向に関して間欠的に形成した部分の周面が被検出面であり、上記磁性金属板の軸方向残部を回転側軌道輪に締り嵌めで嵌合固定した状態で、嵌合面と上記各透孔を形成した部分とが、上記エンコーダの径方向に関して重畳していない、請求項1に記載したエンコーダ付転がり軸受ユニット。
  4. 磁性金属板の軸方向端部に、径方向に折れ曲がった鍔部を全周に亙って形成している、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載したエンコーダ付転がり軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078887A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 Ntn株式会社 磁気エンコーダ装置および回転検出装置

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