JP2006071615A - 転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 転動体の公転速度に基づいて転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する構造で、保持器21aに結合固定する公転速度検出用エンコーダ26aの結合強度を確保する。
【解決手段】 バックヨーク29aにゴム磁石28を加硫接着して成る上記公転速度検出用エンコーダ26aを、上記保持器21aを構成するリム部25の外側面部分にインサート成形する。この結果、この保持器21aに対する上記公転速度検出用エンコーダ26aの結合強度、耐久性及び信頼性を、接着剤を使用する場合に比べて高くできる。
【選択図】 図7
【解決手段】 バックヨーク29aにゴム磁石28を加硫接着して成る上記公転速度検出用エンコーダ26aを、上記保持器21aを構成するリム部25の外側面部分にインサート成形する。この結果、この保持器21aに対する上記公転速度検出用エンコーダ26aの結合強度、耐久性及び信頼性を、接着剤を使用する場合に比べて高くできる。
【選択図】 図7
Description
この発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、例えば自動車、鉄道車両、各種搬送車等の移動体の車輪を支持する為の転がり軸受ユニットの改良に関し、この転がり軸受ユニットに負荷される荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)を測定し、上記移動体の運行の安定性確保を図る為に利用する。又、本発明に係る転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットは、上記荷重を求める為に、上記転がり軸受ユニットを構成する転動体の公転速度を求める為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更にはビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)等の車両用走行安定装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等の信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、ラジアル荷重を測定自在な、荷重測定装置付転がり軸受ユニットが記載されている。この従来の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、ラジアル荷重を測定するもので、図30に示す様に構成している。懸架装置に支持される、静止輪であり外輪相当部材である外輪1の内径側に、車輪を結合固定する、回転輪であり内輪相当部材であるハブ2を支持している。このハブ2は、車輪を固定する為の回転側フランジ3をその外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる端部)に有するハブ本体4と、このハブ本体4の内端部(車両への組み付け状態で幅方向中央側となる端部)に外嵌されてナット5により抑え付けられた内輪6とを備える。そして、上記外輪1の内周面に形成した、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2の外周面に形成した、それぞれが回転側軌道である複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを配置して、上記外輪1の内径側での上記ハブ2の回転を自在としている。
上記外輪1の軸方向中間部で複列の外輪軌道7、7の間部分に、この外輪1を直径方向に貫通する取付孔10を、この外輪1の上端部にほぼ鉛直方向に形成している。そして、この取付孔10内に、荷重測定用のセンサである、円杆状(棒状)の変位センサ11を装着している。この変位センサ11は非接触式で、先端面(下端面)に設けた検出面は、ハブ2の軸方向中間部に外嵌固定したセンサリング12の外周面に近接対向させている。上記変位センサ11は、上記検出面と上記センサリング12の外周面との距離が変化した場合に、その変化量に対応した信号を出力する。
上述の様に構成する従来の荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記変位センサ11の検出信号に基づいて、転がり軸受ユニットに加わる荷重を求める事ができる。即ち、車両の懸架装置に支持した上記外輪1は、この車両の重量により下方に押されるのに対して、車輪を支持固定したハブ2は、そのままの位置に止まろうとする。この為、上記重量が嵩む程、上記外輪1やハブ2、並びに転動体9a、9bの弾性変形に基づいて、これら外輪1の中心とハブ2の中心とのずれが大きくなる。そして、この外輪1の上端部に設けた、上記変位センサ11の検出面と上記センサリング12の外周面との距離は、上記重量が嵩む程短くなる。そこで、上記変位センサ11の検出信号を制御器に送れば、予め実験等により求めた関係式或はマップ等から、当該変位センサ11を組み込んだ転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を求める事ができる。この様にして求めた、各転がり軸受ユニットに加わる荷重に基づいて、ABSを適正に制御する他、積載状態の不良を運転者に知らせる。
尚、図30に示した従来構造は、上記転がり軸受ユニットに加わる荷重に加えて、上記ハブ2の回転速度も検出自在としている。この為に、前記内輪6の内端部にセンサロータ13を外嵌固定すると共に、上記外輪1の内端開口部に被着したカバー14に回転速度検出用センサ15を支持している。そして、この回転速度検出用センサ15の検知部を、上記センサロータ13の被検出部に、検出隙間を介して対向させている。
上述の様な回転速度検出装置を組み込んだ転がり軸受ユニットの使用時、車輪を固定したハブ2と共に上記センサロータ13が回転し、このセンサロータ13の被検知部が上記回転速度検出用センサ15の検知部の近傍を走行すると、この回転速度検出用センサ15の出力が変化する。この様にして回転速度検出用センサ15の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、この回転速度検出用センサ15の出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
上述の様な従来構造の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を測定する為のものであるが、転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重を測定する構造も、特許文献2等に記載されて、従来から知られている。図31は、この特許文献2に記載された、アキシアル荷重を測定する為の荷重測定装置付転がり軸受ユニットを示している。この従来構造の第2例の場合、回転輪であり内輪相当部材であるハブ2aの外端部外周面に、車輪を支持する為の回転側フランジ3aを固設している。又、静止輪であり外輪相当部材である外輪1aの外周面に、この外輪1aを懸架装置を構成するナックル16に支持固定する為の、固定側フランジ17を固設している。そして、上記外輪1aの内周面に形成した複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2aの外周面に形成した複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを転動自在に設ける事により、上記外輪1aの内径側に上記ハブ2aを回転自在に支持している。
更に、上記固定側フランジ17の内側面複数個所で、この固定側フランジ17を上記ナックル16に結合する為のボルト18を螺合する為のねじ孔19を囲む部分に、それぞれ荷重センサ20を添設している。上記外輪1aを上記ナックル16に支持固定した状態でこれら各荷重センサ20は、このナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面との間で挟持される。
この様な従来構造の第2例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、図示しない車輪と上記ナックル16との間にアキシアル荷重が加わると、上記ナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面とが、上記各荷重センサ20を、軸方向両面から強く押し付け合う。従って、これら各荷重センサ20の測定値を合計する事で、上記車輪と上記ナックル16との間に加わるアキシアル荷重を求める事ができる。又、図示はしないが、特許文献3には、一部の剛性を低くした外輪相当部材の振動周波数から転動体の公転速度を求め、更に、転がり軸受に加わるアキシアル荷重を測定する方法が記載されている。
前述の図30に示した従来構造の第1例の場合、変位センサ11により、外輪1とハブ2との径方向に関する変位を測定する事で、転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する。但し、この径方向に関する変位量は僅かである為、この荷重を精度良く求める為には、上記変位センサ11として、高精度のものを使用する必要がある。高精度の非接触式センサは高価である為、荷重測定装置付転がり軸受ユニット全体としてコストが嵩む事が避けられない。
又、上述の図31に示した従来構造の第2例の場合、ナックル16に対し外輪1aを支持固定する為のボルト18と同数だけ、荷重センサ20を設ける必要がある。この為、荷重センサ20自体が高価である事と相まって、転がり軸受ユニットの荷重測定装置全体としてのコストが相当に嵩む事が避けられない。又、特許文献3に記載された方法は、外輪相当部材の一部の剛性を低くする必要があり、この外輪相当部材の耐久性確保が難しくなる可能性がある。
この様な事情に鑑みて本発明者等は先に、複列アンギュラ型玉軸受である転がり軸受ユニットを構成する1対の列の転動体(玉)の公転速度に基づいて、この転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はアキシアル荷重を測定する、転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関する発明を行なった(特願2004−7655号)。この先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実施する場合、上記各列の転動体の公転速度を求めるのに、これら各列の転動体を保持した保持器の回転速度を検出する事が、この公転速度を高分解能で求める面から有効である。この様な場合に、上記保持器に公転速度検出用エンコーダを支持固定する必要があるが、長期間に亙る使用に拘らず、この公転速度検出用エンコーダが上記保持器から分離しない様にする事が、上記荷重測定装置の信頼性を十分に確保する面から重要である。これに対して、上記公転速度検出用エンコーダを上記保持器に対し、単に接着剤により接着しただけでは、接着剤の接着強度、耐油性、耐熱性、経時劣化等の面から、上記信頼性確保が難しいと考えられる。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、低コストで構成できて、耐久性や設置スペースに問題を生じる事がなく、しかも転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定できる、転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットを実現するものである。
本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットのうちの転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、何れも、静止輪と、回転輪と、複数個の転動体と、1対の保持器と、1対の公転速度検出用エンコーダと、1対の公転速度検出用センサと、演算器とを備える。
このうちの静止輪は、使用時にも回転しない。
又、上記回転輪は、上記静止輪と同心に配置されて使用時に回転する。
又、上記各転動体は、上記静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられている。
又、上記各保持器は、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する。
又、上記各公転速度検出用エンコーダは、上記各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転するもので、特性を円周方向に関して交互に変化させている。
又、上記各公転速度検出用センサは、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させている。
更に、上記演算器は、上記各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて、上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する。
このうちの静止輪は、使用時にも回転しない。
又、上記回転輪は、上記静止輪と同心に配置されて使用時に回転する。
又、上記各転動体は、上記静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられている。
又、上記各保持器は、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する。
又、上記各公転速度検出用エンコーダは、上記各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転するもので、特性を円周方向に関して交互に変化させている。
又、上記各公転速度検出用センサは、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させている。
更に、上記演算器は、上記各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて、上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する。
又、請求項1に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状の永久磁石を含んで成る。そして、上記各保持器の軸方向一端部に、これら各保持器の射出成形時にインサートされて、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている。
又、請求項2に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状の永久磁石を含んで成る。そして、上記各保持器の軸方向一端部に、これら各保持器の射出成形時に形成された凹部に内嵌されて、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている。
又、請求項3に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状のゴム磁石又はプラスチック磁石である。そして、上記各保持器の軸方向一端部にこれら各保持器の射出成形時に形成された凹部内に射出成形される事により、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている。
又、請求項4に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状のプラスチック磁石であり、このプラスチック磁石は、上記各保持器を構成する合成樹脂と同じ合成樹脂中に磁性材製の粉末若しくは微小繊維を混入して成る。そして、上記各保持器の射出成形と同時にこれら各保持器の軸方向一端部に射出成形される事により、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている。
更に、請求項9に記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットは、静止輪と、回転輪と、複数個の転動体と、保持器と、公転速度検出用エンコーダとを備える。
このうちの静止輪は、使用時にも回転しない。
又、上記回転輪は、上記静止輪と同心に配置されて使用時に回転する。
又、上記各転動体は、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ形成された、静止側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、上記各転動体をポケット内に保持した状態で上記静止輪と上記回転輪との間に設置され、これら各転動体の公転に伴って回転するもので、合成樹脂製である。
更に、上記公転速度検出用エンコーダは、上記保持器に支持固定されてこの保持器と共に回転するもので、この保持器を構成する合成樹脂の融点以上の融点を有する合成樹脂をバインダーとして磁性材を結合して成り、被検出面である軸方向片側面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に配置した永久磁石製である。
そして、上記公転速度検出用エンコーダは、上記保持器の射出成形時にこの保持器にインサートされ、この保持器の軸方向一端部に上記被検出面を位置させた状態で、この保持器に対し結合固定されている。
このうちの静止輪は、使用時にも回転しない。
又、上記回転輪は、上記静止輪と同心に配置されて使用時に回転する。
又、上記各転動体は、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ形成された、静止側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、上記各転動体をポケット内に保持した状態で上記静止輪と上記回転輪との間に設置され、これら各転動体の公転に伴って回転するもので、合成樹脂製である。
更に、上記公転速度検出用エンコーダは、上記保持器に支持固定されてこの保持器と共に回転するもので、この保持器を構成する合成樹脂の融点以上の融点を有する合成樹脂をバインダーとして磁性材を結合して成り、被検出面である軸方向片側面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に配置した永久磁石製である。
そして、上記公転速度検出用エンコーダは、上記保持器の射出成形時にこの保持器にインサートされ、この保持器の軸方向一端部に上記被検出面を位置させた状態で、この保持器に対し結合固定されている。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットのうちの転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、接触角の方向が互いに異なる1対の列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する事により、上記転がり軸受ユニットに負荷される荷重を測定できる。即ち、複列アンギュラ型の玉軸受の如き転がり軸受ユニットに荷重が負荷されると、転動体(玉又は円すいころ)の接触角が変化し、この転動体の公転速度が変化する。そこで、この公転速度を、保持器の回転速度として検出すれば、静止輪と回転輪との間に作用する荷重を求められる。
更に、本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットは、上記保持器に対する公転速度検出用エンコーダの結合強度を高めて、長期間に亙る使用に拘らず、このエンコーダが上記保持器から分離しない様にして、上記荷重測定装置の信頼性を十分に確保できる。
更に、本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置及び転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットは、上記保持器に対する公転速度検出用エンコーダの結合強度を高めて、長期間に亙る使用に拘らず、このエンコーダが上記保持器から分離しない様にして、上記荷重測定装置の信頼性を十分に確保できる。
本発明のうち、請求項1、2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、永久磁石をゴム磁石とし、このゴム磁石の軸方向他側面に磁性材製のバックヨークを加硫接着する。
この様に構成すれば、低コストで造れるゴム磁石を使用し、しかも、公転速度検出用エンコーダの剛性を確保して、この公転速度検出用エンコーダと保持器との結合強度を十分に確保できる。
この様に構成すれば、低コストで造れるゴム磁石を使用し、しかも、公転速度検出用エンコーダの剛性を確保して、この公転速度検出用エンコーダと保持器との結合強度を十分に確保できる。
又、請求項1〜4に記載した各発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した様に、静止輪と回転輪とのうちの一方の軌道輪を外輪相当部材とし、他方の軌道輪を内輪相当部材とし、各転動体を玉とする。そして、この内輪相当部材の外周面に形成された複列アンギュラ型の内輪軌道と上記外輪相当部材の内周面に形成された複列アンギュラ型の外輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた玉に、背面組み合わせ型の接触角を付与する。
この様に構成すれば、支持剛性の大きな転がり軸受ユニットで、しかも、荷重の変動に伴う各列の公転速度の変動を大きくして、この荷重測定精度の向上を図れる。
この様に構成すれば、支持剛性の大きな転がり軸受ユニットで、しかも、荷重の変動に伴う各列の公転速度の変動を大きくして、この荷重測定精度の向上を図れる。
又、好ましくは、請求項7に記載した様に、上記回転輪の回転速度を検出する為の回転速度検出用センサを備える。そして、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との和と、上記回転輪の回転速度との比に基づいて、上記静止輪とこの回転輪との間に加わるラジアル荷重を算出する。
この様に構成すれば、上記回転輪の回転速度の変動に拘らず、この回転輪と上記静止輪との間に加わるラジアル荷重を正確に求められる。
この様に構成すれば、上記回転輪の回転速度の変動に拘らず、この回転輪と上記静止輪との間に加わるラジアル荷重を正確に求められる。
又、好ましくは、請求項8に記載した様に、上記回転輪の回転速度を検出する為の回転速度検出用センサを備える。そして、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との差と、上記回転輪の回転速度との比に基づいて、上記静止輪とこの回転輪との間に加わるアキシアル荷重を算出する。
この様に構成すれば、上記回転輪の回転速度の変動に拘らず、この回転輪と上記静止輪との間に加わるアキシアル荷重を正確に求められる。
この様に構成すれば、上記回転輪の回転速度の変動に拘らず、この回転輪と上記静止輪との間に加わるアキシアル荷重を正確に求められる。
更に、請求項9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した様に、公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面を、被検出面に向かう程この公転速度検出用エンコーダの径方向に関する幅方向中央に向かう方向に傾斜した傾斜面とする。そして、この傾斜面と保持器を構成する合成樹脂の一部とを係合させる事で、この保持器と上記公転速度検出用エンコーダとの分離防止を図る。
この様に構成すれば、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとを機械的に係合させて、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとの分離防止を確実に図れる。
この様に構成すれば、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとを機械的に係合させて、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとの分離防止を確実に図れる。
又、請求項9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項11に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、内外両周縁部のうちの少なくとも一方の周縁部に、この公転速度検出用エンコーダの軸方向片側面から他側面にまで達する切り欠きを形成されたものを使用する。
或は、請求項12に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に凹凸を形成する事により、軸方向に関する厚さ寸法を円周方向に関して不同にしたものを使用する。
或は、請求項13に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に少なくとも1個の突起を形成したものを使用する。
この様に構成すれば、上記保持器に対する上記公転速度検出用エンコーダの回り止めを確実に行なえる。そして、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとが相対回転する事に伴う、各転動体の公転速度検出の信頼性の低下を確実に防止できる。
或は、請求項12に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に凹凸を形成する事により、軸方向に関する厚さ寸法を円周方向に関して不同にしたものを使用する。
或は、請求項13に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に少なくとも1個の突起を形成したものを使用する。
この様に構成すれば、上記保持器に対する上記公転速度検出用エンコーダの回り止めを確実に行なえる。そして、これら保持器と公転速度検出用エンコーダとが相対回転する事に伴う、各転動体の公転速度検出の信頼性の低下を確実に防止できる。
尚、上述の請求項13に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項14に記載した様に、それぞれの断面形状が円形である複数の突起を、上記被検出面と反対側の面の径方向中間部の円周方向に関して複数個所に形成する。
この様に構成すれば、上記各突起の形状を単純化して、これら各突起を形成する為の射出成形用の金型の製作を容易にし、上記公転速度検出用エンコーダ、延てはこの公転速度検出用エンコーダを組み込んだ転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットの製造コストの低廉化を図れる。
或は、請求項15に記載した様に、それぞれの断面形状が半円形である複数の突起を、半円筒形の面を公転速度検出用エンコーダの径方向外側に向けた状態で、上記被検出面と反対側の面の径方向内端部の円周方向複数個所に形成する。
この様に構成すれば、上記各突起を、上記保持器のうちで比較的軸方向に関する厚さ寸法が大きくなった内径寄り部分に配置する事ができて、上記保持器の軸方向寸法の増大を抑えつつ、上記各突起を設ける事に伴うこの保持器の強度低下を抑えられる。
この様に構成すれば、上記各突起の形状を単純化して、これら各突起を形成する為の射出成形用の金型の製作を容易にし、上記公転速度検出用エンコーダ、延てはこの公転速度検出用エンコーダを組み込んだ転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットの製造コストの低廉化を図れる。
或は、請求項15に記載した様に、それぞれの断面形状が半円形である複数の突起を、半円筒形の面を公転速度検出用エンコーダの径方向外側に向けた状態で、上記被検出面と反対側の面の径方向内端部の円周方向複数個所に形成する。
この様に構成すれば、上記各突起を、上記保持器のうちで比較的軸方向に関する厚さ寸法が大きくなった内径寄り部分に配置する事ができて、上記保持器の軸方向寸法の増大を抑えつつ、上記各突起を設ける事に伴うこの保持器の強度低下を抑えられる。
保持器と公転速度検出用エンコーダとの相対回転を防止する為、この公転速度検出用エンコーダのうちで上記保持器と接する部分に、切り欠きと凹凸と突起とのうちから選択される回転阻止部を設ける構造の場合に好ましくは、請求項16〜19に記載した様に、回転阻止部を複数個、これら各回転阻止部を円周方向に関して等間隔に設ける。
そして、請求項16に記載した様にこれら回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数と等しくする。
或は、請求項17に記載した様に、上記各回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の整数倍とする。
或は、請求項18に記載した様に、上記各回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の1/2とする。
或は、請求項19に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数を、上記各回転阻止部の数の整数倍とする。
この様に構成すれば、これら各回転阻止部を設ける事に伴って、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面から出る磁束の強さが、上記各回転阻止部に対応する部分と他の部分との間で異なった場合でも、上記公転速度検出用エンコーダの回転速度、即ち、各転動体の公転速度を正確に求められる。
そして、請求項16に記載した様にこれら回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数と等しくする。
或は、請求項17に記載した様に、上記各回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の整数倍とする。
或は、請求項18に記載した様に、上記各回転阻止部の数を、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の1/2とする。
或は、請求項19に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数を、上記各回転阻止部の数の整数倍とする。
この様に構成すれば、これら各回転阻止部を設ける事に伴って、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面から出る磁束の強さが、上記各回転阻止部に対応する部分と他の部分との間で異なった場合でも、上記公転速度検出用エンコーダの回転速度、即ち、各転動体の公転速度を正確に求められる。
又、請求項9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項20に記載した様に、上記公転速度検出用エンコーダとして、保持器を射出成形するのに先立って成形されたものを使用する。
この様に構成すれば、上記公転速度検出用エンコーダを上記保持器にインサートしてこの保持器に結合固定する作業を容易に行なえる。
又、請求項9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項21に記載した様に、公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの何れかの周面を基準面として、この公転速度検出用エンコーダを保持器に対し、この保持器と同心に結合固定する。具体的には、この公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの何れかの周面と上記保持器の内外両周面のうちの何れかの周面とを一致させて、上記公転速度検出用エンコーダを上記保持器にインサートする。
この様に構成すれば、上記公転速度検出用エンコーダの中心と上記保持器の中心とを厳密に一致させる作業を容易に行なえて、この公転速度検出用エンコーダの被検出面の振れ回りを抑えられる。
この様に構成すれば、上記公転速度検出用エンコーダを上記保持器にインサートしてこの保持器に結合固定する作業を容易に行なえる。
又、請求項9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項21に記載した様に、公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの何れかの周面を基準面として、この公転速度検出用エンコーダを保持器に対し、この保持器と同心に結合固定する。具体的には、この公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの何れかの周面と上記保持器の内外両周面のうちの何れかの周面とを一致させて、上記公転速度検出用エンコーダを上記保持器にインサートする。
この様に構成すれば、上記公転速度検出用エンコーダの中心と上記保持器の中心とを厳密に一致させる作業を容易に行なえて、この公転速度検出用エンコーダの被検出面の振れ回りを抑えられる。
図1〜6は、請求項1、5〜8に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例は、自動車の従動輪(FR車、RR車、MR車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重及びアキシアル荷重)を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に本発明を適用した場合に就いて示している。この転がり軸受ユニット自体の構成及び作用は、前述の図30に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
回転輪であり内輪相当部材であるハブ2の外周面に形成した、それぞれが回転側軌道である複列アンギュラ型の内輪軌道8、8と、静止輪であり外輪相当部材である外輪1の内周面に形成した、それぞれが静止側軌道である複列アンギュラ型の外輪軌道7、7との間に、それぞれ転動体(玉)9a、9bを複列(2列)に分けて、各列毎にそれぞれ複数個ずつ、保持器21a、21bにより保持した状態で転動自在に設ける事により、上記外輪1の内径側に上記ハブ2を、回転自在に支持している。この状態で上記各列の転動体9a、9bには、互いに逆方向で、且つ、同じ大きさの接触角αa 、αb (図2)が付与されて、背面組み合わせ型の、複列アンギュラ型玉軸受を構成する。上記各列の転動体9a、9bには、使用時に加わるアキシアル荷重によって喪失する事がない程度に十分な予圧を付与している。この様な転がり軸受ユニットの使用時には、上記外輪1を懸架装置に支持固定し、上記ハブ2の回転側フランジ3に制動用のディスクと車輪のホイールとを支持固定する。
上述の様な転がり軸受ユニットを構成する上記外輪1の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道7、7の間部分に取付孔10aを、この外輪1を径方向に貫通する状態で形成している。そして、この取付孔10aにセンサユニット22を、上記外輪1の径方向外方から内方に挿通し、このセンサユニット22の先端部に設けた検出部23を、上記外輪1の内周面から突出させている。この検出部23には、1対の公転速度検出用センサ24a、24bと、1個の回転速度検出用センサ15aとを設けている。
このうちの各公転速度検出用センサ24a、24bは、上記複列に配置された転動体9a、9bの公転速度を測定する為のもので、上記検出部23のうち、上記ハブ2の軸方向(図1〜2の左右方向)に関する両側面に、それぞれの検出面を配置している。本例の場合、上記各公転速度検出用センサ24a、24bは、上記複列に配置された各転動体9a、9bの公転速度を、前記各保持器21a、21bの回転速度として検出する。この為に本例の場合には、これら各保持器21a、21bを構成するリム部25、25を、互いに対向する側に配置している。そして、これら各リム部25、25の互いに対向する面に、それぞれが円輪状である公転速度検出用エンコーダ26a、26bを、全周に亙り結合固定している。
本実施例の場合に上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、図5〜6に詳示する様に、軸方向片側面(図5〜6の右側面)にS極とN極とを交互に且つ等間隔で配置した円輪状のゴム磁石28と、このゴム磁石28の軸方向他側面(図5〜6の左側面)に加硫接着された、鋼板等の磁性材製のバックヨーク29とから成る。この様な公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、上記保持器21a(21b)の軸方向一端部(図5の右端部)に設けた上記リム部25に、この保持器21a(21b)の射出成形時にインサートしている。即ち、上記ゴム磁石28と上記バックヨーク29とを加硫接着してからこのゴム磁石28を軸方向に着磁し、このゴム磁石28の軸方向片側面にS極とN極とを交互に且つ等間隔で配置して、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)とする。その後、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を上記保持器21a(21b)を射出成形する為の金型のキャビティ内にセットしてから、このキャビティ内で上記リム部25の外側面(図5の右側面)となるべき部分に、上記保持器21a(21b)を構成する為の合成樹脂を注入する。尚、上記ゴム磁石28の磁力が、上記保持器21a(21b)の射出成形時の熱で低下する可能性があれば、このゴム磁石28の着磁を、この保持器21a(21b)の射出成形後に行なっても良い。射出成形後に着磁作業を行なう場合には、着磁ヨークの先端部を、次述する抑え部30a、30b同士の間に入り込ませる。
何れにしても、上記合成樹脂を上記キャビティ内に注入する結果、この保持器21a(21b)の一部で上記リム部25の外側面部分に、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)が結合固定される。この状態で、上記ゴム磁石28の軸方向片側面が、上記リム部25の外側面の径方向中間部に露出する。尚、本実施例の場合、上記ゴム磁石28と上記バックヨーク29との径方向に関する幅を同じとしている。これに伴って、上記リム部25の外側面の内外両周縁部に形成した抑え部30a、30bにより、上記ゴム磁石28の外側面の内外両周縁部を抑え付けている。従って、これら保持器21a(21b)と公転速度検出用エンコーダ26a(26b)とを結合固定した状態でこれら両部材21a(21b)、26a(26b)同士は、上記両抑え部30a、30bと上記ゴム磁石28の外側面の内外両周縁部との係合により、機械的に結合される。従って、単に接着剤により結合固定する場合に比べて、上記両部材21a(21b)、26a(26b)同士の結合固定に関する耐久性、信頼性を十分に確保できる。尚、永久磁石として、硬度の高いゴムを使用したゴム磁石、或はプラスチック磁石を使用する事で、永久磁石自体の剛性を十分に確保できれば、バックヨークを省略する事もできる。何れにしても、上記保持器21a(21b)の軸方向一端部に結合固定された上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の被検出面である、上記ゴム磁石28の軸方向片側面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化している。
前記公転速度検出用センサ24a(24b)の検出部は、図1〜3に示す様に、この様なゴム磁石28の軸方向片側面に検出隙間を介して対向して、上記保持器21a(21b)の回転速度を検出自在としている。尚、上記各公転速度検出用エンコーダ26a、26bの被検出面と上記各公転速度検出用センサ24a、24bの検出面との距離(検出隙間)は、上記各保持器21a、21bのポケットの内面と上記各転動体9a、9bの転動面との間の隙間であるポケット隙間よりも大きく、2mm以下とする事が好ましい。上記検出隙間がポケット隙間以下になると、上記各保持器21a、21bがこのポケット隙間分変位した場合に、上記被検出面と上記検出面とが擦れ合う可能性を生じる為、好ましくない。反対に、上記検出隙間が2mmを越えると、上記各公転速度検出用センサ24a、24bにより上記各公転速度検出用エンコーダ26a、26bの回転を正確に測定する事が難しくなる。
一方、前記回転速度検出用センサ15aは、回転輪である前記ハブ2の回転速度を測定する為のもので、前記検出部23の先端面、即ち、前記外輪1の径方向内端面に、その検出面を配置している。又、上記ハブ2の中間部で前記複列の内輪軌道8、8同士の間に、円筒状の回転速度検出用エンコーダ27を外嵌固定している。上記回転速度検出用センサ15aの検出面は、この回転速度検出用エンコーダ27の被検出面である、外周面に対向させている。この回転速度検出用エンコーダ27の被検出面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて、上記ハブ2の回転速度を上記回転速度検出用センサ15aにより検出自在としている。上記回転速度検出用エンコーダ27の外周面と上記回転速度検出用センサ15aの検出面との間の測定隙間に関しても、2mm以下に抑える。
尚、何れも回転速度を検出するセンサである、上記各公転速度検出用センサ24a、24b及び上記回転速度検出用センサ15aとしては、磁気式の回転速度検出用センサを使用する。又、この磁気式の回転速度検出用センサとしては、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子(MR素子、GMR素子)、MI素子等の磁気検出素子を組み込んだアクティブ型のものが、好ましく使用できる。この様な磁気検出素子を組み込んだアクティブ型の回転速度検出用センサを構成するには、例えば、この磁気検出素子の一側面を、直接又は磁性材製のステータを介して永久磁石の着磁方向一端面に突き当て(磁性材製のエンコーダを使用する場合)、上記磁気検出素子の他側面を、直接又は磁性材製のステータを介して、上記各エンコーダ26a、26b、27の被検出面に対向させる。尚、本実施例の場合、永久磁石製のエンコーダを使用するので、センサ側の永久磁石は不要である。
本実施例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、上記各センサ24a、24b、15aの検出信号は、図示しない演算器に入力する。そして、この演算器が、これら各センサ24a、24b、15aから送り込まれる検出信号に基づいて、前記外輪1と前記ハブ2との間に加わるラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方の荷重を算出する。例えば、このラジアル荷重を求める場合に上記演算器は、上記各公転速度検出用センサ24a、24bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の和を求め、この和と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度との比に基づいて、上記ラジアル荷重を算出する。又、上記アキシアル荷重は、上記各公転速度検出用センサ24a、24bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の差を求め、この差と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度との比に基づいて算出する。この点に就いて、図4を参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、アキシアル荷重Fa が加わらない状態での、上記各列の転動体9a、9bの接触角αa 、αb が互いに同じであるとして行なう。
図4は、前述の図1に示した車輪支持用の転がり軸受ユニットを模式化し、荷重の作用状態を示したものである。複列の内輪軌道8、8と複列の外輪軌道7、7との間に複列に配置された転動体9a、9bには予圧F0 、F0 を付与している。又、使用時に上記転がり軸受ユニットには、車体の重量等により、ラジアル荷重Fr が加わる。更に、旋回走行時に加わる遠心力等により、アキシアル荷重Fa が加わる。これら予圧F0 、F0 、ラジアル荷重Fr 、アキシアル荷重Fa は、何れも上記各転動体9a、9bの接触角α(αa 、αb )に影響を及ぼす。そして、この接触角αa 、αb が変化すると、これら各転動体9a、9bの公転速度nc が変化する。これら各転動体9a、9bのピッチ円直径をDとし、これら各転動体9a、9bの直径をdとし、上記各内輪軌道8、8を設けたハブ2の回転速度をni とし、上記各外輪軌道7、7を設けた外輪1の回転速度をno とすると、上記公転速度nc は、次の(1)式で表される。
nc ={1−(d・cos α/D)・(ni /2)}+{1+(d・cos α/D)・(no /2)} −−− (1)
nc ={1−(d・cos α/D)・(ni /2)}+{1+(d・cos α/D)・(no /2)} −−− (1)
この(1)式から明らかな通り、上記各転動体9a、9bの公転速度nc は、これら各転動体9a、9bの接触角α(αa 、αb )の変化に応じて変化するが、上述した様にこの接触角αa 、αb は、上記ラジアル荷重Fr 及び上記アキシアル荷重Fa に応じて変化する。従って上記公転速度nc は、これらラジアル荷重Fr 及びアキシアル荷重Fa に応じて変化する。本実施例の場合、上記ハブ2が回転し、上記外輪1が回転しない為、具体的には、上記ラジアル荷重Fr に関しては、大きくなる程上記公転速度nc が遅くなる。又、アキシアル荷重Fa に関しては、このアキシアル荷重Fa を支承する列の公転速度が速くなり、このアキシアル荷重Fa を支承しない列の公転速度が遅くなる。従って、この公転速度nc に基づいて、上記ラジアル荷重Fr 及びアキシアル荷重Fa を求められる事になる。
但し、上記公転速度nc の変化に結び付く上記接触角αは、上記ラジアル荷重Fr と上記アキシアル荷重Fa とが互いに関連しつつ変化するだけでなく、上記予圧F0 、F0 によっても変化する。又、上記公転速度nc は、上記ハブ2の回転速度ni に比例して変化する。この為、これらラジアル荷重Fr 、アキシアル荷重Fa 、予圧F0 、F0 、ハブ2の回転速度ni を総て関連させて考えなければ、上記公転速度nc を正確に求める事はできない。このうちの予圧F0 、F0 は、運転状態に応じて変化するものではないので、初期設定等によりその影響を排除する事は容易である。これに対して上記ラジアル荷重Fr 、アキシアル荷重Fa 、ハブ2の回転速度ni は、運転状態に応じて絶えず変化するので、初期設定等によりその影響を排除する事はできない。
この様な事情に鑑みて本実施例の場合には、前述した様に、ラジアル荷重Fr を求める場合には、前記各公転速度検出用センサ24a、24bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の和を求める事で、上記アキシアル荷重Fa の影響を少なくしている。又、アキシアル荷重Fa を求める場合には、上記各列の転動体9a、9bの公転速度の差を求める事で、上記ラジアル荷重Fr の影響を少なくしている。更に、何れの場合でも、上記和又は差と、前記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度ni との比に基づいて上記ラジアル荷重Fr 又は上記アキシアル荷重Fa を算出する事により、上記ハブ2の回転速度ni の影響を排除している。
尚、上記各公転速度検出用センサ24a、24bの信号に基づいて上記ラジアル荷重Fr とアキシアル荷重Fa とのうちの一方又は双方の荷重を算出する方法は、他にも各種存在するが、この様な方法に就いては、前述の特願2004−7655号に詳しく説明されているし、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい説明は省略する。
次に、図7〜8は、やはり請求項1、5〜8に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を構成するバックヨーク29aの径方向に関する幅を、ゴム磁石28の径方向に関する幅よりも大きくして、このバックヨーク29aの内外両周縁部を、このゴム磁石28の内外両周縁よりも径方向に突出させている。そして、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を保持器21a(21b)のリム部25の外側面(図7の右側面)部分に包埋した状態で、上記ゴム磁石28の軸方向片側面(図7〜8の右側面)を、このリム部25の外側面と同一平面上に位置させている。この様な本実施例の場合、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)と上記保持器21a(21b)とを結合固定した後に於いても、上記ゴム磁石28の軸方向片側面に着磁ヨークの先端面を容易に突き当てられる。従って、このゴム磁石28の着磁作業は、上記保持器21a(21b)と結合固定する前に限らず、後からでも容易に行なえる。その他の構成及び作用は、上述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
次に、図9〜10は、請求項2、6〜8に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例を構成する公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の構成は、前述した実施例1と同様であり、径方向に関する幅が互いに等しい円輪状のゴム磁石28とバックヨーク29とを、加硫接着により互いに結合固定して成る。特に、本実施例の場合には、保持器21a(21b)の軸方向一端部である、リム部25の外側面(図9の右側面)部分に凹部31を、この保持器21a(21b)の射出成形時に、全周に亙って形成している。
上記凹部31の径方向に関する幅は、開口部で上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の幅よりも狭く、この開口部よりも奥側部分でこの公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の幅と同じにしている。又、この奥側部分の軸方向寸法は、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の軸方向の厚さとほぼ同じとしている。この様な上記凹部31を有する上記保持器21a(21b)に上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を結合固定するには、上記凹部31の開口部の幅寸法を弾性的に広げつつ、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を上記凹部31内に押し込む。この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を構成する上記バックヨーク29が上記凹部31の奥面に当接するまで、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)をこの凹部31内に押し込めば、上記開口部の幅寸法が弾性的に縮まる。この結果、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)が上記凹部31から抜け出なくなって、上記保持器21a(21b)に上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を、確実に結合固定できる。尚、これら両部材21a(21b)、26a(26b)同士の結合強度をより向上させる為に、上記バックヨーク29と上記凹部31の奥面とを接着する事もできる。尚、接着若しくは他の方法により、この凹部31内で上記エンコーダ26a(26b)が周方向に回転するのを防止する対策を講じる事は有用である。この点は、前述の実施例1、2に就いても同様である。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
次に、図11〜12は、請求項3、6〜8に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を、保持器21a(21b)の軸方向片側面(図11〜12の右側面)、即ち、この保持器21a(21b)を構成するリム部25の外側面(図11〜12の右側面)に全周に亙って形成した凹部31a内に、射出成形により設けている。この凹部31aは、径方向に関する幅が、開口部で狭く、奥部で広くなったアリ溝状で、上記保持器21a(21b)の射出成形と同時に形成している。
上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、上記保持器21a(21b)を射出成形した後、この保持器21a(21b)を別の金型内にセットした状態で上記凹部31a内に、磁性材製の粉末若しくは微細繊維を混入したゴム若しくは合成樹脂を注入する事により造る。この様な公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、上記凹部31a内で上記ゴム若しくは合成樹脂が固化した後、軸方向に着磁する事により、被検出面である外側面にS極とN極とを交互に且つ等間隔に配置した、円輪状のゴム磁石又はプラスチック磁石とする。本実施例の場合、バックヨークは設けない。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
次に、図13は、請求項4、6〜8に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合も、公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、軸方向片側面にS極とN極とを交互に且つ等間隔に配置した円輪状のプラスチック磁石である。特に、本実施例の場合には、このプラスチック磁石は、保持器21a(21b)を構成する合成樹脂と同じ合成樹脂中に磁性材製の粉末若しくは微小繊維を混入して成る。この様な公転速度検出用エンコーダ26a(26b)は、上記保持器21a(21b)の射出成形と同時に、この保持器21a(21b)の軸方向一端部である、リム部25の外側面部分に射出成形される事により、このリム部25の外側面部分に結合固定する。
この為に、上記保持器21a(21b)を射出成形する為の金型32のキャビティ33内に、軸方向一端側から上記磁性材製の粉末若しくは微小繊維を混入した合成樹脂を、軸方向他端側からこの様な粉末や微小繊維を混入しない合成樹脂を、それぞれ注入する。そして、両方向から注入された合成樹脂同士を溶着させて、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を一体に設けた、上記保持器21a(21b)とする。この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の着磁作業は、射出成形後に行なう。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図14〜15は、請求項9、10、20に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合には、磁性材製の粉末若しくは微小繊維を混入した合成樹脂(バインダー)を射出成形する事により形成した、図14に示す様な公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を、保持器21a(21b)のリム部25の外側面(転動体を保持する為のポケット34と反対側面)に、この保持器21a(21b)の射出成形時にインサートしている。上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の内外両周面はそれぞれ傾斜面35a、35bとして、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の径方向に関する幅寸法を、上記リム部25の外側面に露出する被検出面の側で狭く、上記ポケット34の側で広くしている。
本実施例の場合には、この様に径方向に関する幅寸法が、軸方向に関して漸次変化する上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を、上記リム部25にインサートしているので、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)と上記保持器21a(21b)との結合強度を十分に大きくできる。即ち、本実施例の場合には、この保持器21a(21b)と上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)とを機械的に係合させているので、これら保持器21a(21b)と公転速度検出用エンコーダ26a(26b)との分離防止を確実に図れる。この様にして公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を結合固定した上記保持器21a(21b)は、前述した各実施例の場合と同様、例えば図1〜2に示す様に転がり軸受ユニットに組み込んで、転がり軸受ユニットの荷重測定装置を構成する。尚、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の着磁作業は、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を上記保持器21a(21b)にインサートする前に行なっても良いが、この保持器21a(21b)の射出成形時の熱で磁力が低下する可能性がある場合には、インサート後に行なう。
図16〜17は、請求項9〜12、20、21に対応する、本発明の実施例7を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の外周面のみを傾斜面35aとし、内周面は単なる円筒面36としている。そして、この円筒面36と、保持器21a(21b)のリム部25の内周面とが単一円筒面上に位置する様にして、この保持器21a(21b)を射出成形している。即ち、本実施例の場合には、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の内周面を基準面として、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を上記保持器21a(21b)に対し、この保持器21a(21b)と同心に結合固定している。本実施例の場合には、この様な構成を採用する事により、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の中心と上記保持器21a(21b)の中心とを厳密に一致させて、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の被検出面の振れ回りを抑える様にしている。
又、本実施例の場合には、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)として、図17の(A)又は(B)に示したものを使用する事で、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)と上記保持器21a(21b)との相対回転を確実に防止している。このうちの図17の(A)に示した構造は、請求項11に記載した発明に対応するもので、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の外周縁部に、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の軸方向片側面から他側面にまで達する複数の切り欠き37、37を形成している。又、図17の(B)に示したものは、請求項12に記載した発明に対応するもので、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)として、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に凹凸を形成する(被検出面は平坦面のままとする)事により、軸方向に関する厚さ寸法を円周方向に関して不同にしている。
上述の様な切り欠き37、37或は凹凸を形成した公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を上記保持器21a(21b)の射出成形時にこの保持器21a(21b)のリム部25にインサートすれば、この保持器21a(21b)を構成する合成樹脂の一部が、上記切り欠き37、37或は上記凹凸を構成する凹部に流入し固化する。そして、この合成樹脂の一部が上記保持器21a(21b)の一部と機械的に係合して、この保持器21a(21b)に対する、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の回り止めを確実に行なえる。そして、これら保持器21a(21b)と公転速度検出用エンコーダ26a(26b)とが相対回転する事に伴う、各転動体の公転速度検出の信頼性の低下を確実に防止できる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例6と同様であるから、重複する説明は省略する。
図18〜19は、請求項9、10、13〜15、20、21に対応する、本発明の実施例8を示している。本実施例の場合には公転速度検出用エンコーダ26a(26b)として、図19の(A)又は(B)に示す様に、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に、複数の突起38a、38bを形成したものを使用している。本実施例の場合には、保持器21a(21b)の射出成形に伴って上記各突起38a、38bを、この保持器21a(21b)を構成する合成樹脂中に食い込ませて機械的に係合させ、この保持器21a(21b)に対する、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の回り止めを確実に行なえる様にしている。
尚、上記各突起38a、38bのうち、図19の(A)に示した突起38a、38aは、それぞれの断面形状が円形であって、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の径方向中間部の円周方向複数個所に、円周方向に関して等間隔に形成している。この様な図19の(A)に示した構造によれば、上記各突起38a、38aの形状を単純化して、これら各突起38a、38aを形成する為の射出成形用の金型の製作を容易にし、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)、延てはこの公転速度検出用エンコーダ26a(26b)を組み込んだ転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニットの製造コストの低廉化を図れる。
又、図19の(B)に示した突起38b、38bは、それぞれの断面形状が半円形であって、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の径方向内端部の円周方向複数個所に、半円筒面をこの公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の径方向外側に向けた状態で、円周方向に関して等間隔に形成している。この様な図19の(B)に示した構造によれば、上記各突起38b、38bを、上記保持器21a(21b)のうちで比較的軸方向に関する厚さ寸法が大きくなった、リム部25の内径寄り部分に配置する事ができる。この為、上記保持器21a(21b)の軸方向寸法の増大を抑えつつ、上記各突起38b、38bを設ける事に伴うこの保持器21a(21b)の強度低下を抑えられる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例7と同様であるから、重複する説明は省略する。
図20は、請求項9、12、16に対応する、本発明の実施例9を示している。本実施例の構造及び作用を説明する前に、本実施例及び後述する実施例10〜12の必要性に就いて、図22〜23を参照しつつ説明する。被検出面にS極とN極とを交互に且つ等間隔に配置した公転速度検出用エンコーダ26の厚さ及び幅が、図22に示す様に、全周に亙って等しければ、上記被検出面に近接対向させた公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度は、図23に実線で示す様に、円周方向に関して規則的に変化する。尚、この図23中で磁束の強度は、N極に対向する部分で正(+)の値とし、S極に対向する部分で負(−)の値としている。これに対して、先に述べた実施例7、8の様に、公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の一部に切り欠き37、37、凹凸、突起38a、38b(図17、19参照)を形成すると、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の幅又は厚さが、円周方向に関して不均一になる。そして、この公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の被検出面に近接対向する公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度が、円周方向に関して不規則に変化する。具体的には、切り欠きが形成されて幅が狭い部分の磁束の強度は他の部分よりも弱くなり、凸部或は突起が存在して厚さが厚い部分の磁束の強度は他の部分よりも強くなる。この結果、切り欠き、凸部、突起の配列状況によっては、上記公転速度検出用センサの出力が不規則に変化し、この出力に基づく公転速度検出の精度確保が難しくなる。
例えば、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の円周方向に関して、最も磁束の強度が強くなるべきS極又はN極の中央部に切り欠きが存在すると、上記図23に鎖線aで示す様に、当該部分の磁束の強度が弱くなる。又、磁束の強度が中間であるべき、S極又はN極の中央部から円周方向にずれた部分に凸部或は突起が存在すると、上記図23に鎖線bで示す様に、当該部分の磁束の強度が強くなる。この様に、切り欠き、凸部或は突起の存在に基づいて磁束の強度が弱くなったり強くなったりする部分が、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の被検出面に存在するS極とN極との繰り返しと無関係に出現すると、上記公転速度検出用センサに組み込んだ磁気検出素子の特性変化を矩形波(公転速度検出用センサの出力信号)に変形する波形成形回路のスレッシュホールドレベルの値によっては、得られた矩形波の変動が、上記公転速度検出用エンコーダ26a(26b)の変動に応じたものとはならない。この様な原因での公転速度検出の精度悪化を防止する為には、上記切り欠き、凸部、突起等の回転阻止部の存在に基づく磁束の強度変化を、公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極及びN極の配置と関連付ければ良い。
この様な点を勘案して、本実施例の場合には、図20に示す様に、公転速度検出用エンコーダ26Aの被検出面{図20の(B)の下面}に配置したS極の数とN極の数との合計と、この被検出面と反対面{図20の(B)の上面}に形成した凸部39、39{図20の(A)の斜格子部分}の数とを互いに等しく(図示の例では12個所ずつと)している。又、上記各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Aの円周方向に関して等間隔に形成している。言い換えれば、上記各凸部39、39のピッチを、隣り合うS極とN極とのピッチと等しくしている。又、上記公転速度検出用エンコーダ26Aの回転方向に関して、上記各凸部39、39の位相とS極及びN極の位相とは、常に同じになる様に(個体差がない様に)規制している。本実施例の場合には、これら各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Aの回転方向{図20の(A)の時計方向}に関して、上記各S極及びN極の前半部に位置させている。
この様な公転速度検出用エンコーダ26Aの被検出面に近接対向する公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度は、この被検出面の円周方向に関して、図21に実線で示す様に変化する。即ち、上記検知部がN極、S極、何れに対向している状態でも、磁束の強度の絶対値は、上記各凸部39、39が存在しない場合に比べて大きくなり、大きくなる位相は規則的になる。この結果、上記公転速度検出用エンコーダ26Aに組み込んだ磁気検出素子の特性変化を矩形波に変形する波形成形回路のスレッシュホールドレベルの値を、前述の図22に示した様な、凸部や突起を持たず、厚さ及び幅が全周に亙って等しい公転速度検出用エンコーダ26と同じ様に設定しても、上記公転速度検出用エンコーダ26Aと組み合わせた公転速度検出用センサの出力を規則的に変化させる事ができる。そして、この出力に基づく公転速度検出の精度確保を図れる。
図24は、請求項9、12、17に対応する、本発明の実施例10を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26Bの被検出面{図24の(B)の下面}と反対面{図24の(B)の上面}に形成した凸部39a、39a{図24の(A)の斜格子部分}の数(図示の例では24個所)を、上記被検出面に配置したS極の数とN極の数との合計(図示の例では12個所)の2倍としている。又、上記各凸部39a、39aを、上記公転速度検出用エンコーダ26Bの円周方向に関して等間隔に形成している。言い換えれば、上記各凸部39a、39aのピッチを、隣り合うS極とN極とのピッチの1/2としている。これら各凸部39a、39aの位相と各極の位相とは、常に同じになる様に規制している。本実施例の場合には、上記各凸部39a、39aを、上記公転速度検出用エンコーダ26Bの回転方向{図24の(A)の時計方向}に関して、上記各S極及びN極の前端部と中間部とに位置させている。
この様な公転速度検出用エンコーダ26Bの被検出面に近接対向する公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度は、この被検出面の円周方向に関して、図25に実線で示す様に変化する。即ち、上述した実施例9の場合と同様に、上記検知部がN極、S極、何れに対向している状態でも、磁束の強度の絶対値は、上記各凸部39a、39aが存在しない場合に比べて大きくなり、大きくなる位相は規則的になる。この為、上記実施例9の場合と同様に、上記公転速度検出用エンコーダ26Bと組み合わせた公転速度検出用センサの出力を規則的に変化させる事ができて、この出力に基づく公転速度検出の精度確保を図れる。
図26は、請求項9、12、18に対応する、本発明の実施例11を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26Cの被検出面{図26の(B)の下面}と反対面{図26の(B)の上面}に形成した凸部39、39{図26の(A)の斜格子部分}の数(図示の例では6個所)を、上記被検出面に配置したS極の数とN極の数との合計(図示の例では12個所)の1/2としている。又、上記各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Cの円周方向に関して等間隔に形成している。言い換えれば、上記各凸部39、39のピッチを、隣り合うS極とN極とのピッチの2倍としている。本実施例の場合には、上記各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Cの回転方向{図26の(A)の時計方向}に関して、上記各N極の前端部に位置させている。上記各S極に対応する部分には凸部を設けてはいない。
この様な公転速度検出用エンコーダ26Cの被検出面に近接対向する公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度は、この被検出面の円周方向に関して、図27に実線で示す様に変化する。即ち、前述した実施例9及び上述した実施例10の場合と同様に、上記検知部がN極に対向している状態では、磁束の強度の絶対値は、上記各凸部39、39が存在しない場合に比べて大きくなり、S極に対向している場合にはこの場合と同じになる。上記磁束の強度の絶対値が大きくなる位相は規則的になる。この為、上記実施例9、10の場合と同様に、上記公転速度検出用エンコーダ26Cと組み合わせた公転速度検出用センサの出力を規則的に変化させる事ができて、この出力に基づく公転速度検出の精度確保を図れる。
図28は、請求項9、12、19に対応する、本発明の実施例12を示している。本実施例の場合には、公転速度検出用エンコーダ26Dの被検出面{図28の(B)の下面}と反対面{図28の(B)の上面}に形成した凸部39、39{図28の(A)の斜格子部分}の数(図示の例では3個所)を、上記被検出面に配置したS極の数とN極の数との合計(図示の例では12個所)の1/4としている。又、上記各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Dの円周方向に関して等間隔に形成している。言い換えれば、上記各凸部39、39のピッチを、隣り合うS極とN極とのピッチの4倍としている。本実施例の場合には、上記各凸部39、39を、上記公転速度検出用エンコーダ26Dの回転方向{図26の(A)の時計方向}に関して、2つ目毎の各N極の前端部に位置させている。上記各S極に対応する部分には、何れのS極に関しても、凸部を設けてはいない。
この様な公転速度検出用エンコーダ26Dの被検出面に近接対向する公転速度検出用センサの検知部での磁束の強度は、この被検出面の円周方向に関して、図29に実線で示す様に変化する。即ち、先に述べた実施例9〜11の場合と同様に、上記検知部が上記各凸部39、39を設けたN極に対向している状態では、磁束の強度の絶対値は、上記各凸部39、39が存在しない場合に比べて大きくなり、これら各凸部39、39を設けていないN極及び総てのS極に対向している場合には上記の場合と同じになる。上記磁束の強度の絶対値が大きくなる位相は規則的になる。この為、上記実施例9〜11の場合と同様に、上記公転速度検出用エンコーダ26Dと組み合わせた公転速度検出用センサの出力を規則的に変化させる事ができて、この出力に基づく公転速度検出の精度確保を図れる。尚、本実施例の場合、この精度確保は、波形成形回路のスレッシュホールドレベルの調整でも行なえるが、フィルタ処理により上記各凸部39、39を設けたN極に関する磁束密度の影響を除去する事も、容易に行なえる。
本発明は、各実施例に示した様な、自動車の車輪を支持する転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に限らず、工作機械、産業機械等、各種回転機械装置に作用する荷重を求める為に利用できる。
又、荷重を測定する場合に、必ずしも両列の転動体の公転速度を測定する必要はない。特願2003−120072号に開示されている様に、一方の列の転動体の公転速度と、回転輪であるハブの回転速度とから、このハブと静止輪である外輪との間に作用する荷重を求める事もできる(請求項22)。
又、荷重を測定する場合に、必ずしも両列の転動体の公転速度を測定する必要はない。特願2003−120072号に開示されている様に、一方の列の転動体の公転速度と、回転輪であるハブの回転速度とから、このハブと静止輪である外輪との間に作用する荷重を求める事もできる(請求項22)。
1、1a 外輪
2、2a ハブ
3、3a 回転側フランジ
4 ハブ本体
5 ナット
6 内輪
7 外輪軌道
8 内輪軌道
9a、9b 転動体
10、10a 取付孔
11 変位センサ
12 センサリング
13 センサロータ
14 カバー
15、15a 回転速度検出センサ
16 ナックル
17 固定側フランジ
18 ボルト
19 ねじ孔
20 荷重センサ
21a、21b 保持器
22 センサユニット
23 検出部
24a、24b 公転速度検出用センサ
25 リム部
26、26a、26b、26A、26B、26C、26D 公転速度検出用エンコーダ 27 回転速度検出用エンコーダ
28 ゴム磁石
29、29a バックヨーク
30a、30b 抑え部
31、31a 凹部
32 金型
33 キャビティ
34 ポケット
35a、35b 傾斜面
36 円筒面
37 切り欠き
38a、38b 突起
39、39a 凸部
2、2a ハブ
3、3a 回転側フランジ
4 ハブ本体
5 ナット
6 内輪
7 外輪軌道
8 内輪軌道
9a、9b 転動体
10、10a 取付孔
11 変位センサ
12 センサリング
13 センサロータ
14 カバー
15、15a 回転速度検出センサ
16 ナックル
17 固定側フランジ
18 ボルト
19 ねじ孔
20 荷重センサ
21a、21b 保持器
22 センサユニット
23 検出部
24a、24b 公転速度検出用センサ
25 リム部
26、26a、26b、26A、26B、26C、26D 公転速度検出用エンコーダ 27 回転速度検出用エンコーダ
28 ゴム磁石
29、29a バックヨーク
30a、30b 抑え部
31、31a 凹部
32 金型
33 キャビティ
34 ポケット
35a、35b 傾斜面
36 円筒面
37 切り欠き
38a、38b 突起
39、39a 凸部
Claims (22)
- 使用時にも回転しない静止輪と、この静止輪と同心に配置されて使用時に回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する1対の保持器と、これら各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転する、特性を円周方向に関して交互に変化させた1対の公転速度検出用エンコーダと、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させた1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状の永久磁石を含んで成り、上記各保持器の軸方向一端部に、これら各保持器の射出成形時にインサートされて、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 使用時にも回転しない静止輪と、この静止輪と同心に配置されて使用時に回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する1対の保持器と、これら各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転する、特性を円周方向に関して交互に変化させた1対の公転速度検出用エンコーダと、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させた1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状の永久磁石を含んで成り、上記各保持器の軸方向一端部に、これら各保持器の射出成形時に形成された凹部に内嵌されて、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 使用時にも回転しない静止輪と、この静止輪と同心に配置されて使用時に回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する1対の保持器と、これら各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転する、特性を円周方向に関して交互に変化させた1対の公転速度検出用エンコーダと、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させた1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状のゴム磁石又はプラスチック磁石であり、上記各保持器の軸方向一端部にこれら各保持器の射出成形時に形成された凹部内に射出成形される事により、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 使用時にも回転しない静止輪と、この静止輪と同心に配置されて使用時に回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ1対ずつ形成された静止側軌道と回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、上記静止輪と上記回転輪との間に設けられ、それぞれに複数個ずつ設けたポケット内に保持した上記各転動体の公転に伴って回転する1対の保持器と、これら各保持器に支持固定されてこれら各保持器と共に回転する、特性を円周方向に関して交互に変化させた1対の公転速度検出用エンコーダと、上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する為、上記各保持器に支持固定した公転速度検出用エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させた1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記静止輪と上記回転輪との間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記各公転速度検出用エンコーダは、軸方向片側面にS極とN極とを交互に配置した円輪状のプラスチック磁石であり、このプラスチック磁石は、上記各保持器を構成する合成樹脂と同じ合成樹脂中に磁性材製の粉末若しくは微小繊維を混入して成るもので、上記各保持器の射出成形と同時にこれら各保持器の軸方向一端部に射出成形される事により、これら各保持器の軸方向一端部に結合固定されている転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 永久磁石がゴム磁石であり、このゴム磁石の軸方向他側面に磁性材製のバックヨークが加硫接着されている、請求項1〜2の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 静止輪と回転輪とのうちの一方の軌道輪が外輪相当部材であり、他方の軌道輪が内輪相当部材であり、各転動体が玉であり、この内輪相当部材の外周面に形成された複列アンギュラ型の内輪軌道と上記外輪相当部材の内周面に形成された複列アンギュラ型の外輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた玉に、背面組み合わせ型の接触角が付与されている、請求項1〜5の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 回転輪の回転速度を検出する為の回転速度検出用センサを備え、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との和と、上記回転輪の回転速度との比に基づいて、静止輪とこの回転輪との間に加わるラジアル荷重を算出する、請求項1〜6の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 回転輪の回転速度を検出する為の回転速度検出用センサを備え、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との差と、上記回転輪の回転速度との比に基づいて、静止輪とこの回転輪との間に加わるアキシアル荷重を算出する、請求項1〜6の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 使用時にも回転しない静止輪と、この静止輪と同心に配置されて使用時に回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪との互いに対向する部分にそれぞれ形成された静止側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体をポケット内に保持した状態で上記静止輪と上記回転輪との間に設置され、これら各転動体の公転に伴って回転する合成樹脂製の保持器と、この保持器に支持固定されてこの保持器と共に回転する、この保持器を構成する合成樹脂の融点以上の融点を有する合成樹脂をバインダーとして磁性材を結合して成り、被検出面である軸方向片側面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に配置した永久磁石製の公転速度検出用エンコーダとを備え、この公転速度検出用エンコーダは、上記保持器の射出成形時にこの保持器にインサートされ、この保持器の軸方向一端部に上記被検出面を位置させた状態で、この保持器に対し結合固定されている、転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面が、被検出面に向かう程この公転速度検出用エンコーダの径方向に関する幅方向中央に向かう方向に傾斜した傾斜面であり、この傾斜面と保持器を構成する合成樹脂の一部とが係合する事で、この保持器と上記公転速度検出用エンコーダとの分離防止が図られている、請求項9に記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダが、内外両周縁部のうちの少なくとも一方の周縁部に、この公転速度検出用エンコーダの軸方向片側面から他側面にまで達する切り欠きを形成されたものである、請求項9〜10の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダが、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に凹凸を形成する事により、軸方向に関する厚さ寸法を円周方向に関して不同にしたものである、請求項9〜11の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダが、軸方向両側面のうちで被検出面と反対側の面に少なくとも1個の突起を形成したものである、請求項9〜11の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- それぞれの断面形状が円形である複数の突起が、被検出面と反対側の面の径方向中間部の円周方向複数個所に形成されている、請求項13に記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- それぞれの断面形状が半円形である複数の突起が、半円筒形の面を公転速度検出用エンコーダの径方向外側に向けた状態で、被検出面と反対側の面の径方向内端部の円周方向複数個所に形成されている、請求項13に記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 保持器と公転速度検出用エンコーダとの相対回転を防止する為、この公転速度検出用エンコーダのうちで上記保持器と接する部分に、切り欠きと凹凸と突起とのうちから選択される複数の回転阻止部を、円周方向に関して等間隔に設けており、これら各回転阻止部の数が、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数と等しい、請求項11〜14の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 保持器と公転速度検出用エンコーダとの相対回転を防止する為、この公転速度検出用エンコーダのうちで上記保持器と接する部分に、切り欠きと凹凸と突起とのうちから選択される複数の回転阻止部を、円周方向に関して等間隔に設けており、これら各回転阻止部の数が、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の整数倍である、請求項11〜14の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 保持器と公転速度検出用エンコーダとの相対回転を防止する為、この公転速度検出用エンコーダのうちで上記保持器と接する部分に、切り欠きと凹凸と突起とのうちから選択される複数の回転阻止部を、円周方向に関して等間隔に設けており、これら各回転阻止部の数が、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数の1/2である、請求項11〜14の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 保持器と公転速度検出用エンコーダとの相対回転を防止する為、この公転速度検出用エンコーダのうちで上記保持器と接する部分に、切り欠きと凹凸と突起とのうちから選択される複数の回転阻止部を、円周方向に関して等間隔に設けており、上記公転速度検出用エンコーダの被検出面に存在するS極とN極とを合計した数が、上記各回転阻止部の数の整数倍である、請求項11〜14の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダは、保持器を射出成形するのに先立って成形されたものである、請求項9〜19の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダの内外両周面のうちの何れかの周面を基準面として、この公転速度検出用エンコーダを保持器に対し、この保持器と同心に結合固定した、請求項9〜20の何れかに記載した転動体の公転速度検出用エンコーダ付転がり軸受ユニット。
- 公転速度検出用エンコーダと公転速度検出用センサとの組み合わせを1組のみとする代わりに、回転輪の回転速度を検出する為の回転速度検出用エンコーダと回転速度検出用センサとの組み合わせを設け、演算器に、一方の列の転動体の公転速度と上記回転輪の回転速度とに基づいて、静止輪と回転輪との間に加わる荷重を算出する機能を持たせた、請求項1〜6の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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2004
- 2004-09-13 JP JP2004265172A patent/JP2006071615A/ja not_active Withdrawn
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