JP5045490B2 - エンコーダの着磁方法及び着磁装置 - Google Patents

エンコーダの着磁方法及び着磁装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えば車輪支持用軸受ユニットに作用するアキシアル荷重等の状態量を測定する為に使用されるエンコーダ、即ち、被検出面にS極とN極とを円周方向に関して交互に配置すると共に、これらS極とN極との境界の少なくとも一部分を、上記被検出面の幅方向に対して傾斜させたエンコーダの着磁方法及び着磁装置の改良に関する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型等の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、例えばアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更には、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等を表す信号が必要になる。そして、より高度の制御を行う為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、特殊なエンコーダを使用して、転がり軸受ユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明が記載されている。図10は、この特許文献1に記載された構造と同じ荷重の測定原理を採用している、転がり軸受ユニットの状態量測定装置に関する従来構造の1例を示している。この従来構造は、使用時に懸架装置に結合固定した状態で回転しない外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転するハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、背面組み合わせ型の接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の例では、これら各転動体3、3として玉を使用しているが、重量が嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、玉に代えて円すいころを使用する場合もある。
又、上記ハブ2の軸方向内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図10の右側。反対に、車両の幅方向外側となる、図10の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)には、円筒状のエンコーダ4を、上記ハブ2と同心に支持固定している。このエンコーダ4は、磁性金属板製で円環状の芯金5と、この芯金5の外周面の軸方向内半部に添着固定した、永久磁石製で円筒状のエンコーダ本体6とから成る。このエンコーダ本体6は、上記芯金5の外周面の軸方向内半部に、素材である円筒状の磁性部材(永久磁石材、高保磁力材)を添着固定(接着固定、モールドによる固定等)した後、この磁性部材に着磁する事により構成している。被検出面である、上記エンコーダ本体6の外周面には、S極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置している。これらS極とN極との境界は、上記被検出面の幅方向(軸方向)中央部が円周方向に関して最も突出した、「く」字形になっている。尚、測定精度は劣るが、上記被検出面の幅方向両半部のうち、何れか一方の半部の境界のみを幅方向に対して傾斜させ、他方の半部の境界を幅方向と平行にする事もできる。
又、上記外輪1の軸方向内端開口を塞ぐ、金属板製で有底円筒状のカバー7の内側に、合成樹脂製のセンサホルダ8を介して、1対のセンサ9a、9bを支持固定している。そして、この状態で、これら両センサ9a、9bの検出部を、上記エンコーダ4の被検出面の軸方向両半部に、それぞれ1つずつ近接対向させている。尚、上記両センサ9a、9bの検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
上述の様に構成する転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合、外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用する事により、これら外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位すると、これに伴って、上記両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差比(=位相差/1周期)が変化する。この位相差比は、上記アキシアル荷重の作用方向及び大きさ(上記相対変位の方向及び大きさ)に見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、上記アキシアル荷重の作用方向及び大きさ(上記相対変位の方向及び大きさ)を求める事ができる。尚、これらを求める処理は、図示しない演算器により行う。この為、この演算器のメモリ中には、予め理論計算や実験により調べておいた、上記位相差比と、上記アキシアル方向の相対変位又は荷重との関係(零点及びゲイン)を表す、式やマップを記憶させておく。
尚、上述した従来構造の場合には、エンコーダの被検出面にその検出部を対向させるセンサの数を、2個としている。これに対し、図示は省略するが、特許文献2〜3及び特願2006−345849には、当該センサの数を3個以上とする事で、多方向の変位や外力を求められる構造が記載されている。
次に、従来から提案されている、上述した従来構造に組み込むエンコーダ4の着磁方法の2例に就いて、図11〜13を参照しつつ説明する。尚、このうちの図11は、これら両例に関する共通の図を、図12は第1例に関する図を、図13は第2例に関する図を、それぞれ示している。これら両例の場合とも、着磁作業を行うのに先立って、図12〜13に示す様なエンコーダ素材11を造っておく。このエンコーダ素材11は、芯金5の外周面に円筒状の磁性部材10{エンコーダ本体6(図10〜11)の素材}を添着固定して成るものである。又、着磁作業を行う際には、1対の着磁ヘッド12、12を使用する。図11の(A)に詳示する、これら両着磁ヘッド12の先端面の形状(=断面形状)は、同図の(B)に詳示する、完成後のエンコーダ4の被検出面に設けるS極及びN極(これらS極とN極との境界)の形状と同様、「く」字形としている。これと共に、上記両着磁ヘッド12の先端面の幅方向{図11の(A)の上下方向}に対する、この先端面の幅方向両半部の傾斜角度−θ、+θ(角度に関しては時計回りを+とする。本明細書全体で同じ。)を、それぞれ上記被検出面の幅方向{図11の(B)の上下方向}に対する、上記S極及びN極(上記境界)の幅方向両半部の傾斜角度−θ、+θと同じにしている。
先ず、図12に示した着磁方法の第1例の場合、着磁作業を行う際には、上記磁性部材10の外周面と上記両着磁ヘッド12、12の先端面との幅方向を互いに一致させた状態で、上記磁性部材10の外周面のうち、円周方向に関して互いに隣接する2個所部分に、それぞれ上記両着磁ヘッド12、12の先端面を近接対向させる。この状態で、上記各着磁ヘッド12、12の周囲に巻回した図示しないコイルに電流を流すと、これら両着磁ヘッド12、12の先端面同士の間に磁気回路が形成され、この磁気回路を構成する磁束が、上記2個所部分を貫通する。この結果、これら2個所部分に、被検出面を構成する「く」字形のS極とN極とが1対、着磁形成される。そこで、本例の場合には、上記磁性部材10及び芯金5を連続的に(或は所定角度毎間欠的に)回転させながら、この回転速度に(或は回転、停止に)見合った適切なタイミングで、上記コイルへの通電のON・OFFを交互に切り替える。これにより、上記磁性部材10の外周面の全周に、上記被検出面を構成する「く」字形のS極及びN極を1対ずつ、円周方向に関して順次着磁形成し、上記エンコーダ本体6を完成させる。
尚、図示の例では、円周方向に並べて使用する着磁ヘッド12を2個としたが、3個以上(例えば3〜5個)として実施する事もできる。
次に、図13に示した着磁方法の第2例の場合、着磁作業を行う際には、上記磁性部材10の外周面と上記両着磁ヘッド12、12の先端面との幅方向を互いに一致させた状態で、上記磁性部材10及び芯金5の円周方向一部分を径方向両側から非接触に挟む状態で、上記両着磁ヘッド12、12の先端面同士を対向させる。この状態で、上記各着磁ヘッド12、12の周囲に巻回した図示しないコイルに電流を流すと、これら両着磁ヘッド12、12の先端面同士の間に磁気回路が形成され、この磁気回路を構成する磁束が、上記磁性部材10の外周面のうち、径方向外側の着磁ヘッド12の先端面が対向する部分を貫通する。この結果、この貫通した部分に、被検出面を構成する「く」字形のS極又はN極が1つ、着磁形成される。そこで、本例の場合には、上記磁性部材10を連続的に(或は所定角度毎間欠的に)回転させながら、この回転速度に(或は回転、停止に)見合った適切なタイミングで、上記コイルへの通電のON・OFF、並びに、このコイルへの通電の向きを、それぞれ交互に切り替える。これにより、上記磁性部材10の外周面の全周に、上記被検出面を構成する「く」字形のS極とN極とを、円周方向に関して1つずつ交互に着磁形成し、上記エンコーダ本体6を完成させる。
尚、図示の例では、使用する着磁ヘッド12の対の数を1としたが、この対の数を2以上(例えば2〜5)として実施する事もできる。
ところが、上述した着磁方法の第1〜2例の場合には、1対の着磁ヘッド12、12の「く」字形の先端面の傾斜角度(−θ、+θ)を、完成後のエンコーダ4の被検出面に設ける「く」字形の境界の傾斜角度(−θ、+θ)と等しくしている為、着磁対象となるエンコーダ素材の構造によっては、上記「く」字形の境界の傾斜角度を、所望の傾斜角度(−θ、+θ)にできない場合がある。この点に就いて、以下に説明する。
例えば、図14に示すエンコーダ素材11aの場合、このエンコーダ素材11aを構成する円環状の芯金5aは、十分な剛性を確保する為、円筒部13の軸方向一端部(図14の右端部)に、径方向外方に向け直角に折れ曲がった外向フランジ状の鍔部14を設けている。又、上記円筒部13の外周面の全周に添着固定した磁性部材10a(エンコーダ本体の素材)の剥がれ防止効果を十分に確保する為、この磁性部材10aの軸方向一端部(図14の右端部)を、上記鍔部14の側面及び外周縁部分に被せる状態で添着固定している。これと共に、上記磁性部材10aの軸方向他端部(図14の左端部)を、上記円筒部13の軸方向他端縁(図14の左端部)部分に被せる状態で添着固定している。
図14に示す様に、上述の様なエンコーダ10aを対象として、上述した着磁方法{図示の例は、第2例(図13)であるが、第1例(図12)でも同じ。}を実施すると、上記磁性部材10aの軸方向両端部がそれぞれ、着磁ヘッド12の先端面が対向する位置から軸方向両側にはみ出した状態となる。この結果、図14に矢印で示す様に、上記磁性部材10aの軸方向両端部と、上記着磁ヘッド12の先端部の幅方向(図14の左右方向)両側面との間で、磁束漏れが発生する。この結果、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の傾斜角度の絶対値が、上記着磁ヘッド12の「く」字形の先端面の傾斜角度(−θ、+θ)の絶対値(θ)よりも小さくなる場合がある。
又、上述の場合とは逆に、着磁対象となるエンコーダ素材の構造によっては、上記着磁ヘッド12の「く」字形の先端面から出入りする磁束が、この「く」字形の先端面の折れ曲がり部(幅方向中央部)に集中し、結果として、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の傾斜角度の絶対値が、上記着磁ヘッド12の「く」字形の先端面の傾斜角度(−θ、+θ)の絶対値(θ)よりも大きくなる場合がある。
又、以上に述べた様な不具合、即ち、上記「く」字形の境界の傾斜角度の絶対値が、上記着磁ヘッド12の「く」字形の先端面の傾斜角度(−θ、+θ)の絶対値(θ)よりも小さく又は大きくなると言った不具合は、上記「く」字形の境界の全体に於いて生じる場合がある他、この「く」字形の境界の一部分に於いてのみ生じる場合もある。更には、上記不具合が、この「く」字形の境界の各部分に於いて、それぞれ異なる向き及び大きさで生じる場合もある。
何れにしても、上述の様な不具合が生じた場合には、当該不具合が生じたエンコーダの着磁をやり直したり、或いは当該不具合が生じたエンコーダと組み合わせて使用する演算器の側で零点やゲインを補正する等して、使用時に状態量の測定精度が悪化する事を回避する必要がある。この結果、状態量測定装置の生産性が悪化する為、好ましくない。
特開2006−317420号公報 特開2006−322928号公報 特開2007−93580号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、完成後のエンコーダの被検出面に設ける境界の傾斜角度を、所望の傾斜角度にできるエンコーダの着磁方法及び着磁装置を実現すべく発明したものである。
本発明の着磁方法及び着磁装置により着磁すべきエンコーダは、使用時に回転部材に支持固定された状態でこの回転部材と同心になる、被検出面を有する。そして、この被検出面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置すると共に、これらS極とN極との境界の少なくとも一部分を、上記被検出面の幅方向に対して傾斜させている。
本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置のうち、請求項1に記載したエンコーダの着磁方法は、上記エンコーダの製造過程で、このエンコーダの素材のうちで上記被検出面となるべき面の円周方向一部分に、着磁装置を構成する着磁ヘッドの先端面を対向させた状態で、この円周方向一部分に、上記被検出面を構成するS極又はN極を着磁形成する。
特に、本発明のエンコーダの着磁方法の場合には、上記着磁ヘッドとして、先端面の円周方向両側縁のうちの少なくとも一部分の傾斜角度が、上記境界のうちで当該部分により形成すべき部分の傾斜角度と異なるものを使用する。これにより、上記被検出面となるべき面に、所望の傾斜角度を有する上記境界を形成する。
又、請求項2に記載したエンコーダの着磁装置は、上述の請求項1に記載したエンコーダの着磁方法を実施する為に使用するものであって、着磁ヘッドを備える。この着磁ヘッドは、上記エンコーダの素材のうちで上記被検出面となるべき面の円周方向一部分に、その先端面を対向させた状態で、この円周方向一部分に、上記被検出面を構成するS極又はN極を着磁形成するものである。そして、この着磁ヘッドの先端面の円周方向両側縁のうちの少なくとも一部分の傾斜角度が、上記エンコーダの被検出面に形成すべきS極とN極との境界のうちで当該部分により形成すべき部分の傾斜角度と異なっている。
上述の様に、本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置によれば、完成後のエンコーダの被検出面に設けるS極とN極との境界の傾斜角度を、所望の傾斜角度にする事ができる。
即ち、本発明の場合、着磁対象となるエンコーダ素材の構造によって、完成後のエンコーダの被検出面に形成される境界の(少なくとも一部分の)傾斜角度が、着磁ヘッドの先端面の円周方向両側縁の傾斜角度よりも小さくなる(又は大きくなる)場合には、この着磁ヘッドとして、先端面の円周方向両側縁の(少なくとも一部分の)傾斜角度が、上記境界の所望の傾斜角度よりも適度に大きいもの(又は小さいもの)を使用する事により、完成後のエンコーダの被検出面に形成される境界の傾斜角度を、所望の傾斜角度にする事ができる。
[実施の形態の第1例]
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、着磁装置を構成する1対の着磁ヘッド12aの先端面の形状(=断面形状)にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、図1の(A)(B)は、着磁装置を構成する着磁ヘッド12、12aの先端面を、エンコーダ素材の径方向の外方から見た模式図(透視図。図2〜6に就いても同じ。)である。
図1の(A)は、上記従来の着磁方法の第1〜2例で使用する、1対の着磁ヘッド12の「く」字形の先端面を示している。前述した様に、この先端面の幅方向(同図の上下方向)両半部の傾斜角度−θ、+θは、完成後のエンコーダの被検出面に設けるべき「く」字形の境界{図11の(B)参照}の幅方向両半部の傾斜角度−θ、+θと等しくしている。一方、本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、上記従来の着磁方法の第1〜2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度の絶対値が、互いに等しい割合で、上記着磁ヘッド12の「く」字形の先端面の幅方向両半部の傾斜角度−θ、+θの絶対値θよりも、大きくなるものである。
この様なエンコーダ素材を着磁対象とする、本例の場合には、このエンコーダ素材の着磁作業を実施する際に、図1の(B)に示す様な「く」字形の先端面を有する着磁ヘッド12aを、1対使用する。この着磁ヘッド12aの先端面の幅方向(同図の上下方向)両半部の傾斜角度−θ1 、+θ1 の絶対値θ1 は、それぞれ上記境界の幅方向両半部の所望の傾斜角度−θ、+θの絶対値θよりも、適度に小さく(θ1 <θ)している。これにより、本例の場合には、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。尚、上記絶対値θ1 の具体的な大きさは、例えば、上述の様なエンコーダ素材に対して、上記従来の着磁方法の第1〜2例の何れかを実施し、この結果生じた、上記境界の幅方向両半部の傾斜角度を参考にして、具体的に決定する。即ち、実験により、上記所望の傾斜角度の絶対値θと、上記着磁ヘッド12aの先端面の傾斜角度の絶対値θ1 との差「θ−θ1 」を決定する。その他の構成及び作用は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第2例]
図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度の絶対値が、互いに異なる割合で、着磁ヘッド12{図1の(A)参照}の「く」字形の先端面の幅方向両半部の傾斜角度−θ、+θの絶対値θよりも、大きくなるものである。
この為、本例の場合には、図2の(A)又は(B)に示す様に、着磁作業を実施する際に使用する、着磁ヘッド12b(12c)の「く」字形の先端面の幅方向両半部の傾斜角度の絶対値θ1 (<θ)、θ2 (<θ)を、適度な割合で互いに異ならせている(θ1 >θ2 としている)。これにより、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。上記絶対値θ1 、θ2 の具体的な決定の仕方を含めて、その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向片半部の傾斜角度の絶対値のみが、着磁ヘッド12{図1の(A)参照}の「く」字形の先端面の幅方向片半部の傾斜角度の絶対値θよりも、大きくなるものである。
この為、本例の場合には、図3の(A)又は(B)に示す様に、着磁作業を実施する際に使用する、着磁ヘッド12d(12e)の「く」字形の先端面の幅方向片半部{(A)の上半部、(B)の下半部}の傾斜角度の絶対値θ1 を、上記境界の幅方向片半部の所望の傾斜角度の絶対値θよりも、適度に小さく(θ1 <θ)している。これと共に、上記着磁ヘッド12d(12e)の「く」字形の先端面の幅方向他半部{(A)の下半部、(B)の上半部}の傾斜角度の絶対値θを、上記境界の幅方向他半部の所望の傾斜角度の絶対値θと同じ大きさにしている。これにより、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。上記絶対値θ1 の具体的な決定の仕方を含めて、その他の構成及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
図4は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向外半部の傾斜角度の絶対値のみが、互いに等しい割合で、着磁ヘッド12{図1の(A)参照}の「く」字形の先端面の幅方向両半部の傾斜角度の絶対値θよりも、大きくなるものである。
この為、本例の場合には、図4に示す様に、着磁作業を実施する際に使用する、着磁ヘッド12fの「く」字形の先端面の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向外半部の傾斜角度の絶対値θ1 を、上記境界の幅方向両半部の所望の傾斜角度の絶対値θよりも、適度に小さく(θ1 <θ)している。これと共に、上記着磁ヘッド12fの「く」字形の先端面の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向内半部の傾斜角度の絶対値θを、上記境界の幅方向両半部の所望の傾斜角度の絶対値θと同じ大きさにしている。これにより、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。上記絶対値θ1 の具体的な決定の仕方を含めて、その他の構成及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
図5は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向外半部の傾斜角度の絶対値のみが、互いに異なる割合で、着磁ヘッド12{図1の(A)参照}の「く」字形の先端面の幅方向両半部の傾斜角度の絶対値θよりも、大きくなるものである。
この為、本例の場合には、図5の(A)又は(B)に示す様に、着磁作業を実施する際に使用する、着磁ヘッド12g(12h)の「く」字形の先端面の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向外半部の傾斜角度の絶対値θ1 (<θ)、θ2 (<θ)を、適度な割合で互いに異ならせている(θ1 >θ2 としている)。これと共に、上記着磁ヘッド12g(12h)の「く」字形の先端面の幅方向両半部のうち、それぞれの幅方向内半部の傾斜角度の絶対値θを、上記境界の幅方向両半部の所望の傾斜角度の絶対値θと同じ大きさにしている。これにより、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。上記絶対値θ1 、θ2 の具体的な決定の仕方を含めて、その他の構成及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
図6は、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の着磁対象となるエンコーダ素材は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向片半部のうちの、幅方向外半部の傾斜角度の絶対値のみが、着磁ヘッド12{図1の(A)参照}の「く」字形の先端面の幅方向片半部の傾斜角度の絶対値θよりも、大きくなるものである。
この為、本例の場合には、図6の(A)又は(B)に示す様に、着磁作業を実施する際に使用する、着磁ヘッド12i(12j)の「く」字形の先端面の幅方向片半部{(A)の上半部、(B)の下半部}のうちの、幅方向外半部の傾斜角度の絶対値θ1 を、上記境界の幅方向片半部の所望の傾斜角度の絶対値θよりも、適度に小さく(θ1 <θ)している。これと共に、上記着磁ヘッド12i(12j)の「く」字形の先端面の幅方向片半部のうちの、幅方向内半部の傾斜角度の絶対値θと、この先端面の幅方向他半部{(A)の下半部、(B)の上半部}の傾斜角度の絶対値θとを、それぞれ上記境界の幅方向両半部の所望の傾斜角度の絶対値θと同じ大きさにしている。これにより、上記着磁作業を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される「く」字形の境界の幅方向両半部の傾斜角度が、それぞれ所望の傾斜角度−θ、+θになる様にしている。上記絶対値θ1 の具体的な決定の仕方を含めて、その他の構成及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。
尚、本発明は、前述の図12に示した従来の着磁方法の第1例、又は、前述の図13に示した従来の着磁方法の第2例を実施した場合に、完成後のエンコーダの被検出面に形成される境界(の少なくとも一部分)の傾斜角度の絶対値が、所望の傾斜角度の絶対値よりも小さくなるエンコーダ素材を着磁対象とする場合にも、適用できる。この場合には、使用する着磁ヘッドの先端面(の少なくとも一部分)の傾斜角度の絶対値を、上記所望の傾斜角度の絶対値よりも大きくする。
又、本発明は、例えば、図7〜9に示す様な境界形状を有するエンコーダ4a〜4cの着磁方法及び着磁装置にも適用可能である。
又、本発明は、軸方向側面を被検出面としたエンコーダの着磁方法及び着磁装置にも適用可能である。
又、本発明を実施する場合、着磁装置を構成する着磁ヘッドの数は、3個以上とする事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示しており、(A)は従来例で使用する着磁ヘッドの先端面の形状を、(B)は本例で使用する着磁ヘッドの先端面の形状を、それぞれ示す模式図。 同第2例を示す、図1の(B)と同様の図。 同第3例を示す、図1の(B)と同様の図。 同第4例を示す、図1の(B)と同様の図。 同第5例を示す、図1の(B)と同様の図。 同第6例を示す、図1の(B)と同様の図。 他のエンコーダの第1例に関する、被検出面の一部を示す図。 同じく第2例に関する、被検出面の一部を示す図。 同じく第3例に関する、被検出面の一部を示す図。 転がり軸受ユニットの状態量測定装置に関する、従来構造の1例を示す断面図。 (A)は、従来から提案されているエンコーダの着磁方法の2例で使用する着磁ヘッドの先端面の形状を、(B)は、完成後のエンコーダの被検出面の一部を、それぞれ示す図。 従来から提案されているエンコーダの着磁方法の第1例を、このエンコーダの軸方向から見た図。 同第2例を示す、図12と同様の図。 従来の着磁方法で生じる不都合を説明する為の断面図。
符号の説明
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4、4a、4b エンコーダ
5、5a 芯金
6 エンコーダ本体
7 カバー
8 センサホルダ
9a、9b センサ
10、10a 磁性部材
11、11a エンコーダ素材
12、12a〜12j 着磁ヘッド
13 円筒部
14 鍔部

Claims (2)

  1. 使用時に回転部材に支持固定された状態でこの回転部材と同心になる被検出面を有し、この被検出面にS極とN極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置すると共に、これらS極とN極との境界の少なくとも一部分を、上記被検出面の幅方向に対して傾斜させているエンコーダの製造過程で、このエンコーダの素材のうちで上記被検出面となるべき面の円周方向一部分に、着磁装置を構成する着磁ヘッドの先端面を対向させた状態で、この円周方向一部分に、上記被検出面を構成するS極又はN極を着磁形成するエンコーダの着磁方法であって、上記着磁ヘッドとして、先端面の円周方向両側縁のうちの少なくとも一部分の傾斜角度が、上記境界のうちで当該部分により形成すべき部分の傾斜角度と異なるものを使用する事により、上記被検出面となるべき面に、所望の傾斜角度を有する上記境界を形成する事を特徴とするエンコーダの着磁方法。
  2. 請求項1に記載したエンコーダの着磁方法を実施する為に使用する着磁装置であって、エンコーダの素材のうちで被検出面となるべき面の円周方向一部分にその先端面を対向させた状態で、この円周方向一部分に、上記被検出面を構成するS極又はN極を着磁形成する着磁ヘッドを備え、この着磁ヘッドの先端面の円周方向両側縁のうちの少なくとも一部分の傾斜角度が、上記エンコーダの被検出面に形成すべきS極とN極との境界のうちで当該部分により形成すべき部分の傾斜角度と異なっているエンコーダの着磁装置。
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