JP2013127013A - 回転式ダンパー用粘性流体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体を提供する。
【解決手段】シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む、回転式ダンパー用粘性流体。
【選択図】なし
【解決手段】シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む、回転式ダンパー用粘性流体。
【選択図】なし
Description
本発明は、回転式ダンパー用粘性流体に関する。
各種の開閉機構に用いられて、開閉部材の開閉動作に対してトルクを付与するダンパーとして、粘性流体を用いる機構の回転式ダンパーが知られている。この機構の回転式ダンパーに用いられる粘性流体としては、シリコーンオイル等の液体に各種の固体粒子を分散したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、粘性流体を用いる機構の回転式ダンパーは、粘性流体の粘度が温度に依存して変化するため、低温領域ほどトルクが大きくなり高温領域ほどトルクが小さくなる傾向がある。したがって、ダンパー機能も温度に依存して変動してしまうという課題があった。
しかしながら、粘性流体を用いる機構の回転式ダンパーは、粘性流体の粘度が温度に依存して変化するため、低温領域ほどトルクが大きくなり高温領域ほどトルクが小さくなる傾向がある。したがって、ダンパー機能も温度に依存して変動してしまうという課題があった。
上記の課題を解決するために、粘性流体を用いない機構の回転式ダンパーが開発されている。例えば、エラストマー又は軟質ゴムからなる円環状のリング部とこれの円周方向に沿って摺動する摺動部とを備えた回転式ダンパーや、シリコンゲルからなる粘性固体を用いた回転式ダンパーが開発されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、上記の課題を解決するために、粘性流体の改良が試みられている。例えば、シリコーンオイル等の液体に磁性粒子を分散させた磁気粘性流体と、この磁気粘性流体を充填し磁場印加により粘度調整が可能な回転式ダンパーが開発されている(例えば、特許文献4参照)。ほかに、特定の分子構造を有するシリコーンオイルに無機充填剤を添加した粘着性グリース組成物が開発されている(例えば、特許文献5参照)。
上記のように粘性流体を用いない機構の回転式ダンパーが開発されているが、構造の単純さやトルク制動性などの点では、粘性流体を用いる機構の回転式ダンパーが優れている。
そして、回転式ダンパー用の粘性流体は、回転式ダンパーに磁場印加手段などの複雑な構造を要求しない、汎用性の高いものが望ましい。また、回転式ダンパー用の粘性流体は、液体成分を特定の構造を有するオイルに限定せずとも、広い範囲の温度領域においてトルクの変動率が小さいことが望ましい。
さらに、回転式ダンパー用の粘性流体は、特に低温領域において粘度の変動幅が大きいことから、低温領域においてトルクの変動を抑制可能な技術の開発が待たれている。
そして、回転式ダンパー用の粘性流体は、回転式ダンパーに磁場印加手段などの複雑な構造を要求しない、汎用性の高いものが望ましい。また、回転式ダンパー用の粘性流体は、液体成分を特定の構造を有するオイルに限定せずとも、広い範囲の温度領域においてトルクの変動率が小さいことが望ましい。
さらに、回転式ダンパー用の粘性流体は、特に低温領域において粘度の変動幅が大きいことから、低温領域においてトルクの変動を抑制可能な技術の開発が待たれている。
本発明は、上記状況のもとになされたものである。上記状況のもと、本発明の課題は、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段は、以下のとおりである。
<1> シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む、回転式ダンパー用粘性流体。
<2> 前記分散媒は、25℃における動粘度が100cSt以上10000cSt以下である、前記<1>に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<3> 前記有機樹脂粒子は、平均粒子径が30μm以下である、前記<1>又は<2>に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<4> 前記有機樹脂粒子は、ポリウレタン粒子である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<5> 前記回転式ダンパー用粘性流体は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子の総含有量を100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の含有量が50質量%以上である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<1> シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む、回転式ダンパー用粘性流体。
<2> 前記分散媒は、25℃における動粘度が100cSt以上10000cSt以下である、前記<1>に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<3> 前記有機樹脂粒子は、平均粒子径が30μm以下である、前記<1>又は<2>に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<4> 前記有機樹脂粒子は、ポリウレタン粒子である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
<5> 前記回転式ダンパー用粘性流体は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子の総含有量を100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の含有量が50質量%以上である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
本発明によれば、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体が提供される。
以下に、本発明の実施の形態について順次説明する。なお、これらの説明および実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<回転式ダンパー用粘性流体>
本発明の回転式ダンパー用粘性流体(以下、単に「粘性流体」とも称する。)は、シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む。
かかる構成の回転式ダンパー用粘性流体は、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい。
本発明の回転式ダンパー用粘性流体(以下、単に「粘性流体」とも称する。)は、シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、を含む。
かかる構成の回転式ダンパー用粘性流体は、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい。
前記粘性流体は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子とを組み合せることで、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい。そのメカニズムは、以下のように推測される。
前記分散媒は、低温領域(例えば、−30℃以上0℃以下)において、温度が低いほど粘度の上昇率が大きく、温度依存的に回転式ダンパーのトルクを増加させる。
他方、前記有機樹脂粒子は、ガラス転移温度(℃)よりも低温側ではガラス状態になり、前記有機樹脂粒子と回転式ダンパー内部のローターとの摩擦力が小さくなるので、回転式ダンパーのトルクを減少させる。
そのため、前記分散媒と、前記有機樹脂粒子とを組み合せると、低温領域において、分散媒のトルク増加作用を有機樹脂粒子のトルク減少作用が打ち消し、回転式ダンパーのトルクの変動を抑制するものと考えられる。
有機樹脂粒子のガラス転移温度が−30℃を超えて低いと、温度低下に伴って前記分散媒の粘度上昇率が大きくなりはじめる温度点と、温度低下に伴って有機樹脂粒子と回転式ダンパー内部のローターとの摩擦力が小さくなりはじめる温度点とがかけ離れてしまい、前記分散媒のトルク増加作用を有機樹脂粒子のトルク減少作用が打ち消す効果が期待できないと考えられる。
前記分散媒は、低温領域(例えば、−30℃以上0℃以下)において、温度が低いほど粘度の上昇率が大きく、温度依存的に回転式ダンパーのトルクを増加させる。
他方、前記有機樹脂粒子は、ガラス転移温度(℃)よりも低温側ではガラス状態になり、前記有機樹脂粒子と回転式ダンパー内部のローターとの摩擦力が小さくなるので、回転式ダンパーのトルクを減少させる。
そのため、前記分散媒と、前記有機樹脂粒子とを組み合せると、低温領域において、分散媒のトルク増加作用を有機樹脂粒子のトルク減少作用が打ち消し、回転式ダンパーのトルクの変動を抑制するものと考えられる。
有機樹脂粒子のガラス転移温度が−30℃を超えて低いと、温度低下に伴って前記分散媒の粘度上昇率が大きくなりはじめる温度点と、温度低下に伴って有機樹脂粒子と回転式ダンパー内部のローターとの摩擦力が小さくなりはじめる温度点とがかけ離れてしまい、前記分散媒のトルク増加作用を有機樹脂粒子のトルク減少作用が打ち消す効果が期待できないと考えられる。
(分散媒)
前記分散媒は、シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種である。これらは、単独で用いてもよく、複数種を組み合せて用いてもよい。
前記分散媒は、シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種である。これらは、単独で用いてもよく、複数種を組み合せて用いてもよい。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ系反応性シリコーン、エポキシ系反応性シリコーン、メルカプト系反応性シリコーン、カルビノール系反応性シリコーン、カルボキシル系反応性シリコーン、メタクリル系シリコーン、アルキル系非反応性シリコーン、アラルキル反応性シリコーン等が挙げられる。
上記の中でも、長期安定性や低吸湿性の観点から、非反応性のシリコーンが好ましい。
シリコーンオイルを構成するシリコーンの分子量は、500以上50000以下が好ましい。
上記の中でも、長期安定性や低吸湿性の観点から、非反応性のシリコーンが好ましい。
シリコーンオイルを構成するシリコーンの分子量は、500以上50000以下が好ましい。
ポリブテンとしては、粘性の観点から、分子量が5000以下のものが好ましい。
ポリ−α−オレフィンとしては、例えば、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)等が挙げられる。これらは粘性の観点から、分子量が5000以下のものが好ましい。
アルキルベンゼンとしては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数6以上16以下のアルキル基を1個〜6個有するものが挙げられる。
融点が−30℃超であるアルキルベンゼン(−30℃以下の温度下では固体のアルキルベンゼン)であっても、他の種類のアルキルベンゼンと混合することによって−30℃の温度下で流動性を示すものであれば、前記分散媒として使用できる。
融点が−30℃超であるアルキルベンゼン(−30℃以下の温度下では固体のアルキルベンゼン)であっても、他の種類のアルキルベンゼンと混合することによって−30℃の温度下で流動性を示すものであれば、前記分散媒として使用できる。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、アルコール類にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)を付加重合して合成した、所謂プルロニック型非イオン界面活性剤が挙げられる。
ポリオールエステルとしては、例えば、ジオクチルアジペート;ジオクチルセバケート;トリメチロールプロパントリオレート等のトリメチロールプロパントリ脂肪酸エステル類;ペンタエリスリトールテトラヘプタノエート等が挙げられる。
前記分散媒としては、シリコーンオイル、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステルが好ましく、シリコーンオイル及びポリブテンがより好ましい。さらには、耐寒性、耐熱性、低揮発性および化学的安定性に優れるシリコーンオイルが特に好ましい。
前記分散媒は、25℃における動粘度(cSt、センチストークス)が100cSt以上10000cSt以下である場合に、本発明の構成とすることの効果が顕著である。動粘度が上記範囲の前記分散媒は、単独で回転式ダンパー用粘性流体としたとき、室温(例えば23℃)において、各種の用途ごとに必要なトルク値を実現できない場合がある。このような前記分散媒は、本発明の構成とすることにより、室温において各種の用途ごとに必要なトルク値を実現でき、且つ、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい。
本発明において分散媒の動粘度は、例えば、粘弾性測定装置(Anton Paar社製)にて、測定治具としてパラレルプレートを用いて2Hzの条件で測定する。
本発明において分散媒の動粘度は、例えば、粘弾性測定装置(Anton Paar社製)にて、測定治具としてパラレルプレートを用いて2Hzの条件で測定する。
前記分散媒としてのシリコーンオイルは、25℃における動粘度が、オイルの潤滑性の観点から、100cSt以上であることが好ましく、オイルへの粒子の混練の容易さから、100000cSt以下であることが好ましい。前記動粘度は、上記の観点から、100cSt以上50000cSt以下がより好ましく、100cSt以上10000cSt以下が更に好ましく、500cSt以上10000cSt以下が特に好ましい。
(有機樹脂粒子)
前記有機樹脂粒子は、そのガラス転移温度(℃)が−30℃以上である。
有機樹脂粒子のガラス転移温度(℃)が、−30℃を超えて低いと、このような有機樹脂粒子を含んで構成された粘性流体は、低温領域において温度によるトルク値の変動が大きい場合がある。
ここで有機樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)で通常の条件で測定した値である。
前記有機樹脂粒子は、そのガラス転移温度(℃)が−30℃以上である。
有機樹脂粒子のガラス転移温度(℃)が、−30℃を超えて低いと、このような有機樹脂粒子を含んで構成された粘性流体は、低温領域において温度によるトルク値の変動が大きい場合がある。
ここで有機樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)で通常の条件で測定した値である。
前記有機樹脂粒子のガラス転移温度(℃)の上限は、特に制限されないが、低温領域において温度変化による粘性流体のトルク値の変化が小さく、また、広い温度領域で粘性流体のトルクの温度安定性に優れる点で、0℃以下であることが好ましい。
前記有機樹脂粒子の形状は任意であり、球形、楕円形、棒状、板状、不定形のいずれでもよい。好ましくは、球形である。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、回転式ダンパー及びクリアランスの大きさにもよるが、30μm以下であることが好ましい。前記有機樹脂粒子の平均粒子径が30μm以下であると、前記分散媒に対する分散性がよく、また時間経過による沈降が起き難い。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径の下限は、特に制限されず、小さいほど好ましい。ただし、ハンドリング性の観点から、前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましい。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、上記の観点から、より好ましくは2μm以上25μm以下であり、更に好ましくは3μm以上20μm以下であり、特に好ましくは4μm以上15μm以下であり、最も好ましくは5μm以上10μm以下である。
有機樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により測定する。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、回転式ダンパー及びクリアランスの大きさにもよるが、30μm以下であることが好ましい。前記有機樹脂粒子の平均粒子径が30μm以下であると、前記分散媒に対する分散性がよく、また時間経過による沈降が起き難い。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径の下限は、特に制限されず、小さいほど好ましい。ただし、ハンドリング性の観点から、前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましい。
前記有機樹脂粒子の平均粒子径は、上記の観点から、より好ましくは2μm以上25μm以下であり、更に好ましくは3μm以上20μm以下であり、特に好ましくは4μm以上15μm以下であり、最も好ましくは5μm以上10μm以下である。
有機樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により測定する。
前記有機樹脂粒子は、前記分散媒と反応せず、前記分散媒に溶解しないものが好ましい。
前記有機樹脂粒子としては、シリコーンレジン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、ポリウレタン粒子、ポリアクリル系粒子、ポリエチレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリアミド粒子、ポリテトラフルオトエチレン粒子、ポリイミド粒子、ポリメタクリル系粒子、ポリラクトン系粒子等が挙げられる。
前記有機樹脂粒子は、前記分散媒との親和性を高めたり、前記分散媒中での分散性を高める目的で、その表面に表面処理を施してもよい。
前記有機樹脂粒子は、単独で用いてもよく、複数種を組み合せて用いてもよい。
前記有機樹脂粒子としては、シリコーンレジン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、ポリウレタン粒子、ポリアクリル系粒子、ポリエチレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリアミド粒子、ポリテトラフルオトエチレン粒子、ポリイミド粒子、ポリメタクリル系粒子、ポリラクトン系粒子等が挙げられる。
前記有機樹脂粒子は、前記分散媒との親和性を高めたり、前記分散媒中での分散性を高める目的で、その表面に表面処理を施してもよい。
前記有機樹脂粒子は、単独で用いてもよく、複数種を組み合せて用いてもよい。
前記有機樹脂粒子としては、粒子径やガラス転移温度の制御が容易である点や、各種オイルへの分散性に優れる点で、ポリウレタン粒子が好ましく、架橋ポリウレタン粒子がより好ましい。架橋ポリウレタン粒子は、架橋密度、架橋点間のポリマー鎖の分子量によって各種のオイルに対する分散性を制御することが可能である。
本発明の粘性流体において、前記分散媒と前記有機樹脂粒子との混合比は特に制限されないが、室温(例えば23℃)において各種の用途ごとに必要なトルク値になるように、前記分散媒と前記有機樹脂粒子との混合比を選択する。
例えば、前記分散媒の25℃における動粘度が100cSt以上10000cSt以下である場合、前記分散媒と前記有機樹脂粒子とを合わせて100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の濃度は、室温において各種の用途ごとに必要なトルク値を実現し、且つ、低温領域でトルクの温度安定性に優れる点で、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。
他方、前記有機樹脂粒子の濃度の上限は、粘性流体のトルク制動性が確保される限り任意に選定できる。具体的には、前記分散媒と前記有機樹脂粒子とを合わせて100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の濃度は、有機樹脂粒子の平均粒子径によるが、通常85質量%以下である。前記濃度は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
例えば、前記分散媒の25℃における動粘度が100cSt以上10000cSt以下である場合、前記分散媒と前記有機樹脂粒子とを合わせて100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の濃度は、室温において各種の用途ごとに必要なトルク値を実現し、且つ、低温領域でトルクの温度安定性に優れる点で、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。
他方、前記有機樹脂粒子の濃度の上限は、粘性流体のトルク制動性が確保される限り任意に選定できる。具体的には、前記分散媒と前記有機樹脂粒子とを合わせて100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の濃度は、有機樹脂粒子の平均粒子径によるが、通常85質量%以下である。前記濃度は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
本発明の粘性流体は、前記分散媒がシリコーンオイルで、前記有機樹脂粒子がポリウレタン粒子である組合せが好ましい。シリコーンオイルとポリウレタン粒子とを用いた粘性流体は、耐寒性、耐熱性、低揮発性および化学的安定性に優れ、広い範囲の温度領域においてトルクの変動率が小さい。
より具体的には、前記粘性流体は、シリコーンオイルとガラス転移温度(℃)が−30℃以上であるポリウレタン粒子とを含むことが好ましく、シリコーンオイルとガラス転移温度(℃)が−20℃以上であるポリウレタン粒子とを含むことがより好ましい。この場合の、ポリウレタン粒子の好ましい平均粒子径は、有機樹脂粒子に関して前述したとおりである。
シリコーンオイルに組み合せるポリウレタン粒子のガラス転移温度(℃)の上限は、特に制限されないが、広い温度領域で粘性流体のトルクの温度安定性に優れ。また、低温領域において温度変化による粘性流体のトルク値の変化が小さい点で、0℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることが更に好ましい。
より具体的には、前記粘性流体は、シリコーンオイルとガラス転移温度(℃)が−30℃以上であるポリウレタン粒子とを含むことが好ましく、シリコーンオイルとガラス転移温度(℃)が−20℃以上であるポリウレタン粒子とを含むことがより好ましい。この場合の、ポリウレタン粒子の好ましい平均粒子径は、有機樹脂粒子に関して前述したとおりである。
シリコーンオイルに組み合せるポリウレタン粒子のガラス転移温度(℃)の上限は、特に制限されないが、広い温度領域で粘性流体のトルクの温度安定性に優れ。また、低温領域において温度変化による粘性流体のトルク値の変化が小さい点で、0℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることが更に好ましい。
(その他の成分)
本発明の粘性流体は、本発明の目的、効果を阻害しない限り、各種の添加剤を含有してよい。前記添加剤としては、酸化防止剤、ゲル化防止剤、染料、顔料、減粘剤、増粘剤、金属不活性化剤、界面活性剤などが挙げられる。前記添加剤は、回転式ダンパー用粘性流体に従来用いられてきた物のなかから、目的に合わせて選定すればよい。
本発明の粘性流体は、本発明の目的、効果を阻害しない限り、各種の添加剤を含有してよい。前記添加剤としては、酸化防止剤、ゲル化防止剤、染料、顔料、減粘剤、増粘剤、金属不活性化剤、界面活性剤などが挙げられる。前記添加剤は、回転式ダンパー用粘性流体に従来用いられてきた物のなかから、目的に合わせて選定すればよい。
本発明の粘性流体は、シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステル以外に、回転式ダンパー用粘性流体に従来用いられてきたオイルを含んでいてもよい。
(粘性流体の製造方法)
本発明の粘性流体の製造方法は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子と、必要に応じて添加させる添加剤とを、均一に混合できればよく、その混合手段は特に限定されるものではない。混合手段は、粘性流体に空気などの気体が混入しない混合手段、または混入した空気などの気体を脱気可能な混合手段が望ましい。例えば、脱気装置を備えた撹拌混練機が好適である。
本発明の粘性流体の製造方法は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子と、必要に応じて添加させる添加剤とを、均一に混合できればよく、その混合手段は特に限定されるものではない。混合手段は、粘性流体に空気などの気体が混入しない混合手段、または混入した空気などの気体を脱気可能な混合手段が望ましい。例えば、脱気装置を備えた撹拌混練機が好適である。
<回転式ダンパー>
本発明の粘性流体を適用した回転式ダンパーは、少なくとも、既述の構成の粘性流体が充填されたハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に収容され外部から回転力が伝達される軸体及び制動板(ローター)とを備える。かかる構成の回転式ダンパーは、低温領域において温度によるトルク値の変動が小さく、ダンパー機能の温度安定性が高い。
前記回転式ダンパーは、各種ドアーの開閉機構、各種カバーの開閉機構、フック、ホルダー及び棚の回転機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作および回転部材の回転動作に対してトルクを付与し、ダンパー機能を発揮する。
本発明の粘性流体を適用した回転式ダンパーは、少なくとも、既述の構成の粘性流体が充填されたハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に収容され外部から回転力が伝達される軸体及び制動板(ローター)とを備える。かかる構成の回転式ダンパーは、低温領域において温度によるトルク値の変動が小さく、ダンパー機能の温度安定性が高い。
前記回転式ダンパーは、各種ドアーの開閉機構、各種カバーの開閉機構、フック、ホルダー及び棚の回転機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作および回転部材の回転動作に対してトルクを付与し、ダンパー機能を発揮する。
図1〜3は、本発明の回転式ダンパー用粘性流体が充填される回転式ダンパーの構成の一態様を示す概略図であり、図1は回転式ダンパーの平面図、図2は回転式ダンパーの側面図、図3は回転式ダンパーの分解斜視図である。
回転式ダンパー1は、ハウジング本体4とカバー2とが一体化してなるハウジング5、ハウジング5の内部に回動可能に収容された軸体3、及び軸体3に設けられ且つハウジング5の内部に収容された制動板(ローター)6を備える。
軸体3は、ハウジング5から突出した部分に、開閉機構の可動部(従動部)を制動するためのギアーやカムなど(いずれも不図示)が取り付けられる。ハウジング本体4は、取付部4aを備え、取付部4aには取付孔4bが形成されており、取付孔4bに螺子等が嵌め込まれることにより、ハウジング本体4は、開閉機構における固定部などに取り付け固定される。ハウジング5は、その内部に粘性流体が充填される。
回転式ダンパー1は、ハウジング本体4とカバー2とが一体化してなるハウジング5、ハウジング5の内部に回動可能に収容された軸体3、及び軸体3に設けられ且つハウジング5の内部に収容された制動板(ローター)6を備える。
軸体3は、ハウジング5から突出した部分に、開閉機構の可動部(従動部)を制動するためのギアーやカムなど(いずれも不図示)が取り付けられる。ハウジング本体4は、取付部4aを備え、取付部4aには取付孔4bが形成されており、取付孔4bに螺子等が嵌め込まれることにより、ハウジング本体4は、開閉機構における固定部などに取り付け固定される。ハウジング5は、その内部に粘性流体が充填される。
回転式ダンパー1は、ハウジング5に対して軸体3を回動させると、ハウジング5の内部において制動板6と粘性流体との間に摩擦を生じ、これによって軸体3にトルクが発生し、ダンパー機能を発揮する。
図1〜3に例示される構成の回転式ダンパーは、例えば、自動車等の車両の室内に設けられカップや缶等の容器を保持するカップホルダーの蓋の開閉機構に用いられる。この用途の場合、23℃におけるトルク値が、2.5mN・m以上23mN・m以下の範囲にあることが望ましい。
本発明の回転式ダンパー用粘性流体が充填される回転式ダンパーは、ほかに、自動車等の車両の室内に設けられる小物入れ及び灰皿;自動車のアシストグリップ;プリンター、DVDデッキ等の電子電気機器;等の開閉機構に用いることができる。
図1〜3に例示される構成の回転式ダンパーは、例えば、自動車等の車両の室内に設けられカップや缶等の容器を保持するカップホルダーの蓋の開閉機構に用いられる。この用途の場合、23℃におけるトルク値が、2.5mN・m以上23mN・m以下の範囲にあることが望ましい。
本発明の回転式ダンパー用粘性流体が充填される回転式ダンパーは、ほかに、自動車等の車両の室内に設けられる小物入れ及び灰皿;自動車のアシストグリップ;プリンター、DVDデッキ等の電子電気機器;等の開閉機構に用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[材料の用意]
以下の実施例及び比較例で使用した分散媒および有機樹脂粒子は、下記のとおりである。
以下の実施例及び比較例で使用した分散媒および有機樹脂粒子は、下記のとおりである。
(分散媒)
・シリコーンオイル(1):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)100cSt
・シリコーンオイル(2):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)500cSt
・シリコーンオイル(3):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)1000cSt
・シリコーンオイル(4):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)2000cSt
・シリコーンオイル(5):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)5000cSt
・シリコーンオイル(6):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)10000cSt
・シリコーンオイル(7):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)200000cSt
・シリコーンオイル(1):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)100cSt
・シリコーンオイル(2):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)500cSt
・シリコーンオイル(3):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)1000cSt
・シリコーンオイル(4):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)2000cSt
・シリコーンオイル(5):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)5000cSt
・シリコーンオイル(6):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)10000cSt
・シリコーンオイル(7):信越化学工業(株)製KF−96、動粘度(25℃)200000cSt
(有機樹脂粒子)
・ポリウレタン粒子(A):根上工業(株)製CE−800T、Tg34℃、平均粒子径7.9μm、比重1.1〜1.2
・ポリウレタン粒子(B):根上工業(株)製C−800、Tg−13℃、平均粒子径6.6μm、比重1.1〜1.2
・ポリウレタン粒子(A):根上工業(株)製CE−800T、Tg34℃、平均粒子径7.9μm、比重1.1〜1.2
・ポリウレタン粒子(B):根上工業(株)製C−800、Tg−13℃、平均粒子径6.6μm、比重1.1〜1.2
<実施例1〜3、対照例1>
[粘性流体の調製]
実施例1〜3及び対照例1に用いた材料とその組成比は、表1に示すとおりである。
シリコーンオイルにポリウレタン粒子を複数回に分けて添加し、添加する度に真空撹拌・脱泡ミキサー(EME社製V−mini300)を用いて撹拌した。例えば、実施例2では、10ccガラス製サンプル管に600mgのシリコーンオイル(3)と150mgのポリウレタン粒子(B)とを入れて撹拌(1550rpm、10分)し、続いて、ポリウレタン粒子(B)を150mgずつ加えて撹拌(1550rpm、10分)する操作を5回繰り返した。
上記の操作により、シリコーンオイルとポリウレタン粒子とを所定量で含有する粘性流体を得た。
[粘性流体の調製]
実施例1〜3及び対照例1に用いた材料とその組成比は、表1に示すとおりである。
シリコーンオイルにポリウレタン粒子を複数回に分けて添加し、添加する度に真空撹拌・脱泡ミキサー(EME社製V−mini300)を用いて撹拌した。例えば、実施例2では、10ccガラス製サンプル管に600mgのシリコーンオイル(3)と150mgのポリウレタン粒子(B)とを入れて撹拌(1550rpm、10分)し、続いて、ポリウレタン粒子(B)を150mgずつ加えて撹拌(1550rpm、10分)する操作を5回繰り返した。
上記の操作により、シリコーンオイルとポリウレタン粒子とを所定量で含有する粘性流体を得た。
[トルク値の測定]
上記で得た各粘性流体を用いて、図1〜3に図示するような回転式ダンパー(ローター素材:ポリアセタール、ローター直径:11.2mm、クリアランス:200μm)を作製し、これを粘性流体のトルク値の測定に供した。
上記回転式ダンパーは、例えば、自動車等の車両の室内に設けられカップや缶等の容器を保持するカップホルダーの蓋の開閉機構に用いられる場合、23℃におけるトルク値が、2.5mN・m以上23mN・m以下の範囲にあることが望ましい。
上記で得た各粘性流体を用いて、図1〜3に図示するような回転式ダンパー(ローター素材:ポリアセタール、ローター直径:11.2mm、クリアランス:200μm)を作製し、これを粘性流体のトルク値の測定に供した。
上記回転式ダンパーは、例えば、自動車等の車両の室内に設けられカップや缶等の容器を保持するカップホルダーの蓋の開閉機構に用いられる場合、23℃におけるトルク値が、2.5mN・m以上23mN・m以下の範囲にあることが望ましい。
作製した回転式ダンパーを室温下、回転速度120rpmで5秒間回転させ、続いて、周囲温度80℃、23℃、−30℃のいずれかの環境下で2時間放置した。
その後、放置時の環境温度下、回転式ダンパーを回転速度20rpmで回転させ、トルク測定装置(ニフコ社製)を用いてトルク値を測定し、回転開始から6秒〜9秒の間のトルク値の平均値を求めた。そして、各温度間のトルク値の比を求めた。その結果を表1に示す。
その後、放置時の環境温度下、回転式ダンパーを回転速度20rpmで回転させ、トルク測定装置(ニフコ社製)を用いてトルク値を測定し、回転開始から6秒〜9秒の間のトルク値の平均値を求めた。そして、各温度間のトルク値の比を求めた。その結果を表1に示す。
参考例1として、実施例に用いたシリコーンオイル(3)自体の23℃におけるトルク値を測定し、その結果を表1に示した。
対照例1は、図1〜3に図示するような回転式ダンパーに従来用いられてきた動粘度200000cStのシリコーンオイルを本実施例の対照としたものである。当該オイルは、表1に示すとおり、23℃におけるトルク値が2.5mN・m以上23mN・m以下であり、−30℃のトルク値と23℃のトルク値との比(−30℃/23℃)が2.0である。
対照例1は、図1〜3に図示するような回転式ダンパーに従来用いられてきた動粘度200000cStのシリコーンオイルを本実施例の対照としたものである。当該オイルは、表1に示すとおり、23℃におけるトルク値が2.5mN・m以上23mN・m以下であり、−30℃のトルク値と23℃のトルク値との比(−30℃/23℃)が2.0である。
表1に明らかなとおり、実施例1〜3は、23℃におけるトルク値が2.5mN・m以上23mN・m以下であり、且つ、−30℃のトルク値と23℃のトルク値との比(−30℃/23℃)が対照例1よりも小さい。このことから、本発明の粘性流体は、室温において実用上望まれるトルク値を示し、且つ、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さいことがわかる。
したがって、本発明の回転式ダンパー用粘性流体によれば、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体が提供される。また、本発明の回転式ダンパー用粘性流体を用いることで、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパーが提供される。
したがって、本発明の回転式ダンパー用粘性流体によれば、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体が提供される。また、本発明の回転式ダンパー用粘性流体を用いることで、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパーが提供される。
<実施例4〜8>
実施例2においてシリコーンオイル(3)を表2に示すシリコーンオイルに変更した以外は、実施例2と同様にして粘性流体を得て、トルク値を測定した。その結果を表2に示す。表2には、実施例2のトルク値を併記する。
実施例2においてシリコーンオイル(3)を表2に示すシリコーンオイルに変更した以外は、実施例2と同様にして粘性流体を得て、トルク値を測定した。その結果を表2に示す。表2には、実施例2のトルク値を併記する。
表2に明らかなとおり、実施例4〜8は、23℃におけるトルク値が2.5mN・m以上23mN・m以下であり、且つ、−30℃のトルク値と23℃のトルク値との比(−30℃/23℃)が前記の対照例1よりも小さい。このことから、本発明の粘性流体は、室温において実用上望まれるトルク値を示し、且つ、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さいことがわかる。
したがって、本発明の回転式ダンパー用粘性流体によれば、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体が提供される。また、本発明の回転式ダンパー用粘性流体を用いることで、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパーが提供される。
したがって、本発明の回転式ダンパー用粘性流体によれば、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパー用粘性流体が提供される。また、本発明の回転式ダンパー用粘性流体を用いることで、低温領域において温度によるトルク値の変化が小さい回転式ダンパーが提供される。
1 回転式ダンパー
2 カバー
3 軸体
4 ハウジング本体
4a 取付部
4b 取付孔
5 ハウジング
6 制動板(ローター)
2 カバー
3 軸体
4 ハウジング本体
4a 取付部
4b 取付孔
5 ハウジング
6 制動板(ローター)
Claims (5)
- シリコーンオイル、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも1種の分散媒と、
ガラス転移温度(℃)が−30℃以上である有機樹脂粒子と、
を含む、回転式ダンパー用粘性流体。 - 前記分散媒は、25℃における動粘度が100cSt以上10000cSt以下である、請求項1に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
- 前記有機樹脂粒子は、平均粒子径が30μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
- 前記有機樹脂粒子は、ポリウレタン粒子である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
- 前記回転式ダンパー用粘性流体は、前記分散媒と前記有機樹脂粒子の総含有量を100質量%としたときの前記有機樹脂粒子の含有量が50質量%以上である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の回転式ダンパー用粘性流体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011276210A JP2013127013A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 回転式ダンパー用粘性流体 |
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JP2011276210A JP2013127013A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 回転式ダンパー用粘性流体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021246100A1 (ja) * | 2020-06-05 | 2021-12-09 | 日立Astemo株式会社 | 電気粘性流体およびシリンダ装置 |
US20240327745A1 (en) * | 2022-11-18 | 2024-10-03 | Somar Corporation | Magnetic viscous fluid and mechanical device |
-
2011
- 2011-12-16 JP JP2011276210A patent/JP2013127013A/ja active Pending
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WO2021246100A1 (ja) * | 2020-06-05 | 2021-12-09 | 日立Astemo株式会社 | 電気粘性流体およびシリンダ装置 |
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