JP4394214B2 - 防振性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘性液体と固体粉末からなる防振性組成物に関し、詳しくは、温度変化による影響の小さい安定した防振特性を有する防振性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘性液体と固体粉末からなる防振性組成物としては、例えば、水,ジエチレングリコール,グリセリン,ポリブタジエン等の液体ポリマーと粘土鉱物粉末からなる防振性組成物(特開昭62−113932号公報参照)、シリコーンオイル等の粘性液体とシリカ粉末、ガラス粉末、シリコーンレジン粉末等の固体粉末からなる防振性組成物(特開昭63−308241号公報参照)、シリコーンオイル等の粘性液体とアクリル樹脂等のガラス転移点が使用温度範囲内にある有機樹脂粉末からなる防振性組成物(特開昭63−308242号公報参照)が知られている。また、本発明者らは先に出願した特願平9−82117号において、振動の周波数の変化によっても良好な振動特性を有する防振性組成物を提案した。
しかし、これらの防振性組成物は温度変化によってその防振効果が変化し、安定した防振特性を有するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、防振性に優れ、かつ、温度変化による影響の小さい安定した防振特性を有する防振性組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)粘性液体95〜25重量%と(B)平均粒径の異なる2種類以上の固体粉末5〜75重量%とからなる防振性組成物であって、前記2種類以上の固体粉末のそれぞれの平均粒径の差が少なくとも10μmであることを特徴とする防振性組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の防振性組成物について詳細に説明する。
本発明組成物における粘性液体(A)は、固体粉末(B)を分散させるための媒体である。このような粘性液体としては、鉱油,植物油,合成油,シリコーンオイルが例示される。これらの中でも、圧縮率が大きくて、粘度変化の温度依存性が小さく、かつ、耐熱性に優れることから、特に、シリコーンオイルであることが好ましい。このシリコーンオイルとしてはシロキサン骨格を有するオルガノポリシロキサンが挙げられ、該シロキサン中、ケイ素原子に結合する基としては、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基;ビニル基,アリル基,ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基,トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;その他少量の水酸基,メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基が例示される。これらの中でも、粘度変化の温度依存性が小さく、本発明組成物の保存安定性が良好であることから、アルキル基であることが望ましく、特に、メチル基であることが好ましい。また、このシリコーンオイルの分子構造としては、直鎖状,一部分枝を有する直鎖状,分枝鎖状,環状が例示されるが、直鎖状であることが望ましい。このシリコーンオイルの25℃における動粘度は100〜1,000,000mm2/sの範囲であることが好ましく、500〜500,000mm2/sの範囲であることがより好ましい。これは、25℃における動粘度が100mm2/s未満であると固体粉末(B)を分散状態で保持することが出来なくなる傾向にあり、一方、1,000,000mm2/sを超えると取り扱い作業性が悪化して、固体粉末(B)を分散させることが困難となる傾向があるからである。このようなシリコーンオイルとしては、トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン,トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体が例示される。本成分(A)の含有量は組成物全体の95〜25重量%である。好ましくは91〜30重量%であり、より好ましくは80〜30重量%である。
【0006】
本発明組成物に使用される固体粉末(B)は本発明組成物に防振特性を付与するための成分であり、平均粒径の異なる2種類以上の固体粉末の混合物である。そして2種類以上の固体粉末の平均粒径に基づく粒径差は少なくとも10μmであることが必要であり、15μm以上であることが好ましい。これらの固体粉末の平均粒径は、通常、1〜200μmの範囲内であり、好ましくは10〜150μmの範囲にあるが、特に本発明の固体粉末は、平均粒径が1〜50μmの固体粉末(B1)と平均粒径が20〜200μmの固体粉末(B2)の混合物であることが好ましい。このような固体粉末としては、シリカ粉末,炭酸カルシウム粉末,ガラス粉末等の無機粉末;ポリエチレン樹脂粉末,アクリル樹脂粉末等の有機樹脂粉末;シリコーンレジン粉末が例示される。またその形状としては、球状,偏平状,不定形状が挙げられる。これらの中でも材質の異なる粉末を組合わせるのが好ましく、特に、平均粒径が約10〜30μmの炭酸カルシウム粉末と平均粒径が約70〜120μmのガラス粉末の組合せが好ましい。成分(B)の含有量は組成物全体の5〜75重量%である。好ましくは9〜70重量%であり、より好ましくは20〜70重量%である。これは、固体粉末(B)の含有量がこの範囲外であると防振特性が低下する傾向にあるからである。また、上記(B1)成分の固体粉末と(B2)成分の固体粉末の混合比率は、(B2)成分が(B1)成分の40重量%以下であることが好ましい。
【0007】
本発明組成物は上記粘性液体と固体粉末からなるものであるが、その他任意の成分として、クレー,ベントナイト,シリカ微粉末,金属石鹸等の増稠剤,酸化防止剤,防錆剤,難燃性付与剤,顔料,染料を配合してもよい。
【0008】
本発明組成物は上記粘性液体と固体粉末とを均一に混合することによって製造される。ここで、粘性液体と固体粉末を混合する手段としては、ボールミル,振動ミル,ニーダミキサー,スクリューエクストルーダー,パドルミキサー,リボンミキサー,ヘンシェルミキサー,フロージェットミキサー,ホバートミキサー,ロールミキサー等の周知の混練装置により混練する方法が挙げられる。
【0009】
以上のような本発明組成物は防振性に優れ、かつ、その温度依存性が小さく温度変化によっても良好な防振特性を有するという利点を有する。このため本発明の防振性組成物は、これを弾性体からなる容器に封入して緩衝体を形成することにより、コンパクトディスクプレーヤー,コンパクトディスクチェンジャー,ミニディスクプレーヤー,カーナビゲーション装置といった電気機器の緩衝体として利用することができる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明の防振性組成物を実施例により詳細に説明する。実施例中、動粘度は25℃における測定値である。
【0011】
【実施例1】
ホバートミキサー(ホバート社製)に動粘度60,000mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン1000g、平均粒径が20μmの不定形状炭酸カルシウム1620g、平均粒径が110〜80μmの球状ガラスビーズ360gを投入して、これらを低速で30分毎に掻き落とししながら1時間混練した。このようにして得られた防振性組成物の−20℃,25℃,60℃における防振特性(tanδ)を、レオメトリック ダイナミックアナライザー[RHEOMETRICS社製;RDA−700]を用いてプレート法により測定した(測定条件はプレート径:20mm,周波数:10Hz,ストレイン:20%,サンプル厚:1mmであった。)。そしてこれらの結果から25℃のtanδに対する比[tanδ/tanδ(25℃)]を求めた。その結果を表1に記載した。
【0012】
【実施例2】
実施例1において、平均粒径が110〜80μmの球状ガラスビーズの替りに平均粒径が80〜40μmの球状ガラスビーズを配合した以外は実施例1と同様にして防振性組成物を調製した。得られた防振性組成物の−20℃,25℃,60℃におけるtanδを実施例1と同様にして測定し、これらの結果から25℃のtanδに対する比を求めた。その結果を表1に記載した。
【0013】
【実施例3】
実施例1において、動粘度60,000mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンの替りに、動粘度100,000mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを配合した以外は実施例1と同様にして防振性組成物を調製した。得られた防振性組成物の−20℃,25℃,60℃におけるtanδを実施例1と同様にして測定し、これらの結果から25℃のtanδに対する比を求めた。その結果を表1に記載した。
【0014】
【比較例1】
実施例1において、球状ガラスビーズを添加しなかった以外は実施例1と同様にして防振性組成物を調製した。得られた防振性組成物の−20℃,25℃,60℃におけるtanδを実施例1と同様にして測定し、これらの結果から25℃のtanδに対する比を求めた。その結果を表1に記載した。
【0015】
【比較例2】
実施例1において、平均粒径が110〜80μmの球状ガラスビーズの替りに平均粒径が15μmの球状ガラスビーズを配合した以外は実施例1と同様にして防振性組成物を調製した。得られた防振性組成物の−20℃,25℃,60℃におけるtanδを実施例1と同様にして測定し、これらの結果から25℃のtanδに対する比を求めた。その結果を表1に記載した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明の防振性組成物は粘性液体と平均粒径の異なる2種類以上の固体粉末各所定量からなり、前記2種類以上の固体粉末のそれぞれの平均粒径の差が少なくとも10μmであるので、防振性に優れ、かつ、温度変化による影響の小さい安定した防振特性を有するという特徴を有する。
Claims (4)
- (A)シリコーンオイル95〜25重量%と(B)平均粒径の異なる2種類以上の固体粉末5〜75重量%とからなる防振性組成物であって、前記2種類以上の固体粉末が炭酸カルシウム粉末と炭酸カルシウム粉末以外の無機粉末、ポリエチレン樹脂粉末およびアクリル樹脂粉末からなる群から選択される少なくとも一つの固体粉末との混合物であり、前記2種類以上の固体粉末のそれぞれの平均粒径の差が少なくとも10μmであることを特徴とする防振性組成物。
- 固体粉末(B)の平均粒径が1〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の防振性組成物。
- 固体粉末(B)が、(B1)平均粒径が1〜50μmである固体粉末と(B2)平均粒径が20〜200μmである固体粉末とからなる請求項1または請求項2に記載の防振性組成物。
- 固体粉末(B)が、(B1)平均粒径が10〜30μmである炭酸カルシウム粉末と(B2)平均粒径が70〜120μmであるガラス粉末とからなる請求項1または請求項2に記載の防振性組成物。
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