JP2013124283A - 修飾シリカ粒子、ハードコーティング用組成物及びハードコーティング膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜の反りを十分に抑制でき、高い膜硬度が得られるハードコーティング技術を提供する。
【解決手段】シリカ粒子表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基、Xは水素原子又はR’、R’は炭素数1〜3のアルキル基、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上有し、加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)には、R1が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)中の、p=0の単位、p=1の単位及びp=2の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である。
【選択図】なし
【解決手段】シリカ粒子表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基、Xは水素原子又はR’、R’は炭素数1〜3のアルキル基、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上有し、加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)には、R1が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)中の、p=0の単位、p=1の単位及びp=2の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である。
【選択図】なし
Description
本発明は、修飾シリカ粒子、ハードコーティング用組成物及びハードコーティング膜に関する。
従来、液晶表示装置、CRT(ブラウン管)表示装置、タッチパネルディスプレイ等の光学表示装置の表面に、ハードコーティング膜を有するプラスチックフィルムが設けられている。ハードコーティング膜は、高い膜硬度を有し、光学表示装置の表面に設けられることで、その表面を保護する。
例えば、特定構造のポリシロキサンブロック及び光反応性二重結合基含有アクリルブロックを有する光反応性シリコーンアクリル共重合体と、光重合性多官能化合物と、光開始剤と、を含むハードコーティング用組成物が提案されている(特許文献1参照)。この技術によれば、ハードコーティング用組成物を用いて、光学表示装置の表面に設けられたフィルムにハードコーティング膜を形成することで、光学表示装置の表面硬度を向上できるとされている。
また、特定のポリシロキサンと、光カチオン重合可能なエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーと、コロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子と、を含み、エポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させた構造を有する有機ポリマーが提案されている(特許文献2参照)。この技術を用い、光学表示装置の表面に設けられたフィルムにハードコーティング膜を形成することで、薄膜でも光学表示装置の表面硬度を向上できるとされている。
しかしながら特許文献1の技術では、高い膜硬度は得られるものの、硬化時の膜の収縮度が大きいため、ハードコーティング膜が設けられたフィルムに反りが発生するという問題があった。
また特許文献2の技術では、薄膜でも高い膜硬度が得られるうえ、硬化時の膜の収縮度が小さいとされているものの、実際にはハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りを十分に抑制できるものではなかった。
また特許文献2の技術では、薄膜でも高い膜硬度が得られるうえ、硬化時の膜の収縮度が小さいとされているものの、実際にはハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りを十分に抑制できるものではなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りを十分に抑制でき且つ高い膜硬度が得られるハードコーティング用組成物及び該組成物用として好適な修飾シリカ粒子を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上有し、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)には、上記R1が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)中の、p=0の単位、p=1の単位及びp=2の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である修飾シリカ粒子を提供する。
また本発明は、シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上と、一般式(B):R2R3SiO(2−q)/2(OX)q{但し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、qは0〜2の整数である。}で表される構造単位(b)を1種以上有し、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)と1種以上の構造単位(b)のうち少なくとも一方には、上記R1及び/又はR2が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、上記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)及び1種以上の構造単位(b)中の、p=0の単位、p=1の単位、p=2の単位、q=0の単位及びq=1の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である修飾シリカ粒子を提供する。
上記の修飾シリカ粒子では、上記R1及び/又はR2が、(メタ)アクリロキシ基で置換された炭素数1〜3の炭化水素基を含むことが好ましい。
また、上記修飾シリカ粒子が、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアルキルアセトアセテート、アルミニウムビスアルキルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ビスアセチルアセトネート及びアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジアルコキシレートからなる群より選択される少なくとも一種を触媒として、上記シリカ粒子と上記アルコキシシランを反応させることにより得られたものであることが好ましい。
また、上記修飾シリカ粒子が、NR”3{但し、R”は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一若しくは異なっていてもよい。}及び4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種を触媒として、上記シリカ粒子と上記アルコキシシランを反応させることにより得られたものであることが好ましい。
また本発明は、活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、修飾シリカ粒子と、を含むハードコーティング用組成物であって、修飾シリカ粒子が少なくとも1種以上の上記修飾シリカ粒子であるハードコーティング用組成物を提供する。
上記のハードコーティング用組成物では、上記活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対する上記修飾シリカ粒子の含有量が、15〜900質量部であることが好ましい。
また本発明は、上記ハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜を提供する。
本発明によれば、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りを十分に抑制でき且つ高い膜硬度が得られるハードコーティング用組成物及び該組成物用として好適な修飾シリカ粒子を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<修飾シリカ粒子>
本発明の第1の実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子である。本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、反応性の修飾シリカ粒子であり、後述のハードコーティング用組成物中に配合されて後述の光重合性多官能化合物と光重合することで、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できるものである。
ここで、本明細書において「化学修飾」とは、化学反応によって物質に分子等が結合することを意味する。即ち、本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面に化学反応によってアルコキシシランの加水分解縮合物が結合してなる修飾シリカ粒子である。
<修飾シリカ粒子>
本発明の第1の実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子である。本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、反応性の修飾シリカ粒子であり、後述のハードコーティング用組成物中に配合されて後述の光重合性多官能化合物と光重合することで、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できるものである。
ここで、本明細書において「化学修飾」とは、化学反応によって物質に分子等が結合することを意味する。即ち、本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面に化学反応によってアルコキシシランの加水分解縮合物が結合してなる修飾シリカ粒子である。
本発明の第1の実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面を化学修飾するアルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上有する。
上記一般式(A)中のR1の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基等の(メタ)アクリロキシ基、γ−グリシドキシ基、エポキシ基、メトカプト基、アミノ基等で置換された置換炭化水素基等が挙げられる。
また、アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)には、上記R1が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれる。即ち、構造単位(a)を複数種有する場合には、そのうちの少なくとも一の構造単位中のR1が、重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である。中でも、(メタ)アクリロキシ基で置換された炭素数1〜3の一価炭化水素基が含まれることが好ましい。具体的には、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基が好ましい。
上記一般式(A)中のR’の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。
第1の実施形態では、アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)中の(即ち、構造単位(a)を複数種有する場合には、その全ての構造単位中の)、p=0の単位、p=1の単位及びp=2の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率(以下、「分岐比率」という。)が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である。分岐比率がこの範囲内であれば、修飾シリカ粒子を後述のハードコーティング用組成物中に配合することにより、反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できる。より好ましい分岐比率は1〜30モル%であり、さらに好ましい分岐比率は1〜20モル%である。
このように第1の実施形態の修飾シリカ粒子では、p=0の単位のモル量の比率を小さくすることで、縮合率が制御されている。即ち、3次元架橋の割合(分岐比率)が少なくなるように制御されているため、高い硬度と低い収縮度の両立が可能となっている。
また、本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、p=0の単位のモル量の比率が小さいため、シリカ粒子の表面を化学修飾するアルコキシシランの加水分解縮合物の運動の自由度が高く、より多くのアルコキシシラン加水分解縮合物でシリカ粒子の表面を修飾できると考えられる。そのため、上記修飾シリカ粒子を含有するハードコーティング膜は、高い硬度が得られるとともに、フィルムの反りを十分に抑制できる。
また、本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、p=0の単位のモル量の比率が小さいため、シリカ粒子の表面を化学修飾するアルコキシシランの加水分解縮合物の運動の自由度が高く、より多くのアルコキシシラン加水分解縮合物でシリカ粒子の表面を修飾できると考えられる。そのため、上記修飾シリカ粒子を含有するハードコーティング膜は、高い硬度が得られるとともに、フィルムの反りを十分に抑制できる。
以下、29Si−NMRスペクトルのピーク面積から分岐比率を算出する方法について説明する。
先ず、本実施形態に係る修飾シリカ粒子について、FT−NMR装置(例えば、ブルカーバイオスピン(株)製のFT−NMR装置「AVANCE」(400MHz))を用いて29Si−NMR測定を実施する。測定条件については特に限定されないが、例えば修飾シリカ粒子を合成する際に用いた合成溶媒を、測定溶媒としての重ジメチルスルホキシドに置換した後、緩和時間30秒、積算回数1024回の条件で29Si−NMR測定を実施する。但し、29Si−NMR測定は、修飾シリカ粒子を溶液状態でなく固体状態で実施してもよい。
先ず、本実施形態に係る修飾シリカ粒子について、FT−NMR装置(例えば、ブルカーバイオスピン(株)製のFT−NMR装置「AVANCE」(400MHz))を用いて29Si−NMR測定を実施する。測定条件については特に限定されないが、例えば修飾シリカ粒子を合成する際に用いた合成溶媒を、測定溶媒としての重ジメチルスルホキシドに置換した後、緩和時間30秒、積算回数1024回の条件で29Si−NMR測定を実施する。但し、29Si−NMR測定は、修飾シリカ粒子を溶液状態でなく固体状態で実施してもよい。
ここで、上記一般式(A)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物のように、酸素原子が3つ結合し、それ以外の原子(通常は炭素)が1つ結合しているケイ素は、一般にTサイトと総称される。これらTサイトのケイ素は、29Si−NMRスペクトルにおいて、−20ppm〜−100ppmの領域にピークとして観測される。具体的には測定溶媒として上記重ジメチルスルホキシドを用いた場合、上記一般式(A)においてp=0のときの構造単位をT3単位、p=1のときの構造単位をT2単位、p=2のときの構造単位をT1単位とすると、T3単位のピークが−58ppm〜−62ppm付近、T2単位のピークが−48ppm〜−52ppm付近、T1単位のピークが−40ppm〜−45ppm付近に観測される。なお、重ジメチルスルホキシド以外の溶媒を用いたり、膜の状態で固体NMR測定を行うことも可能であり、その場合には、各ピークの位置は相対的位置関係を保ったまま高磁場若しくは低磁場にシフトする場合がある。これについては、後述の第2の実施形態でも同様である。
そこで、29Si−NMR測定により得られたスペクトルにおいて、−58ppm〜−62ppm付近に観測されるT3単位(p=0)のピークの積分値をA、−48ppm〜−52ppm付近に観測されるT2単位(p=1)のピークの積分値をB、−40ppm〜−45ppm付近に観測されるT1単位のピーク(p=2)の積分値をCとしたとき、分岐比率は、下記の数式(1)に従って算出される。
分岐比率(%)=A/(A+B+C)×100 ・・・数式(1)
分岐比率(%)=A/(A+B+C)×100 ・・・数式(1)
次に、本発明の第2の実施形態に係る修飾シリカ粒子は、シリカ粒子の表面を化学修飾するアルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上と、一般式(B):R2R3SiO(2−q)/2(OX)q{但し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、qは0〜2の整数である。}で表される構造単位(b)を1種以上有する。
上記一般式中のR2及びR’の具体例としては、第1の実施形態におけるR1と同様のものが挙げられる。
また、アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)と1種以上の構造単位(b)のうち少なくとも一方には、上記R1及び/又はR2が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれる。即ち、構造単位(a)と構造単位(b)をそれぞれ複数種有する場合には、それらのうちの少なくとも一の構造単位中のR1及び/又はR2が、重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である。中でも、(メタ)アクリロキシ基で置換された炭素数1〜3の一価炭化水素基を含むことが好ましい。
なお、上記R3の具体例としては、上記R1と同様のものが挙げられる。
また、アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)と1種以上の構造単位(b)のうち少なくとも一方には、上記R1及び/又はR2が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれる。即ち、構造単位(a)と構造単位(b)をそれぞれ複数種有する場合には、それらのうちの少なくとも一の構造単位中のR1及び/又はR2が、重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である。中でも、(メタ)アクリロキシ基で置換された炭素数1〜3の一価炭化水素基を含むことが好ましい。
なお、上記R3の具体例としては、上記R1と同様のものが挙げられる。
第2の実施形態では、アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)及び1種以上の構造単位(b)中の(即ち、構造単位(a)及び構造単位(b)をそれぞれ複数種有する場合には、それらの全ての構造単位中の)、p=0の単位、p=1の単位、p=2の単位、q=0の単位及びq=1の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率(第1の実施形態の場合と同様に、以下、「分岐比率」という。)が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である。分岐比率がこの範囲内であれば、後述するハードコーティング用組成物中に配合することにより、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できる。第1の実施形態と同様に、より好ましい分岐比率は1〜30モル%であり、さらに好ましい分岐比率は1〜20モル%である。
このように第2の実施形態の修飾シリカ粒子では、アルコキシシランとしてトリアルコキシシランに加えてジアルコキシシランを用いるとともに、p=0の単位のモル量の比率を小さくすることで、縮合率が制御されている。即ち、3次元架橋の割合(分岐比率)が少なくなるように制御されているため、高い硬度と低い収縮度の両立が可能となっており、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
分岐比率の算出方法は、基本的には第1の実施形態と同様の方法が採用される。
具体的には、第1の実施形態と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−58ppm〜−62ppm付近に観測されるT3単位(p=0)のピークの積分値A、−48ppm〜−52ppm付近に観測されるT2単位(p=1)のピークの積分値B、−40ppm〜−45ppm付近に観測されるT1単位のピーク(p=2)の積分値Cを求める。
具体的には、第1の実施形態と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−58ppm〜−62ppm付近に観測されるT3単位(p=0)のピークの積分値A、−48ppm〜−52ppm付近に観測されるT2単位(p=1)のピークの積分値B、−40ppm〜−45ppm付近に観測されるT1単位のピーク(p=2)の積分値Cを求める。
ここで、上記一般式(B)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物のように、酸素原子が2つ結合し、それ以外の原子(通常は炭素)が2つ結合しているケイ素は、一般にDサイトと総称される。これらDサイトのケイ素は、29Si−NMRスペクトルにおいて、0ppm〜−40ppmの領域にピークとして観測される。具体的には、測定溶媒として上記重ジメチルスルホキシドを用いた場合、上記一般式(B)においてq=0のときの構造単位をD2単位、q=1のときの構造単位をD1単位とすると、これらD2単位及びD1単位のピークが−5ppm〜−20ppm付近に観測される。
そこで、29Si−NMR測定により得られたスペクトルにおいて、−5ppm〜−20ppm付近に観測されるD2、D1単位のピーク(q=0,1)の積分値の和を積分値Dとする。この積分値Dと、上記で求めた積分値A、B、Cとから、下記の数式(2)により分岐比率が算出される。
分岐比率(%)=A/(A+B+C+D)×100 ・・・数式(2)
分岐比率(%)=A/(A+B+C+D)×100 ・・・数式(2)
本実施形態に係る修飾シリカ粒子は、上記第1の実施形態及び第2の実施形態いずれにおいても、シリカ粒子と、少なくとも重合性不飽和基を有するアルコキシシランとを加水分解重縮合させることで合成される。具体的には、シリカ粒子と少なくとも重合性不飽和基を有するアルコキシシランを、触媒、脱水剤、水及び必要に応じて水混和性アルコールの存在下で、加水分解重縮合反応を進行させることで合成される。
シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子を用いることができる。例えば、E.I.du pont de Nemours & Co.(USA)から市販されている「Ludox AM」、「Ludox AS」、「Ludox LS」、「Ludox HS」(いずれも商品名)、日産化学株式会社から市販されている「スノーテックスシリーズ」、「オルガノゾルシリーズ」(いずれも商品名)、Monsant Co.(USA)から市販されている「Syton C−30」、「Syton―200」(いずれも商品名)、Nalco Chem. Co.(USA)から市販されている「Nalcoag 1030」、「Nalcoag 1060」、「Nalcoag ID−21−64」(いずれも商品名)等を用いることができる。
重合性不飽和基を有するアルコキシシランとしては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。例えば、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社、ジーイー東芝シリコーン株式会社等から市販されている、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられ、重合性不飽和基を有さないアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
触媒としては、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアルキルアセトアセテート、アルミニウムビスアルキルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ビスアセチルアセトネート及びアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジアルコキシレートからなる群より選択される少なくとも一種を好ましく用いることができる。具体的には、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジシソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等が好ましく用いられる。
また、触媒として、NR”3{但し、R”は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一若しくは異なっていてもよい。}及び4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種を好ましく用いることができる。具体的には、トリエチルアミン、テトラブチルアンモニウム臭化物等が好ましく用いられる。
また、触媒として、NR”3{但し、R”は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一若しくは異なっていてもよい。}及び4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種を好ましく用いることができる。具体的には、トリエチルアミン、テトラブチルアンモニウム臭化物等が好ましく用いられる。
上記の触媒を用いることで、反応条件によらず、例えば60℃、5.5時間の反応条件下で、アルコキシシランが加水分解してシリカ粒子表面のシラノール基との間で脱水縮合することで、本実施形態の修飾シリカ粒子が合成される。即ち、上記の触媒を用いることで、アルコキシシラン加水分解縮合物の分岐比率を40%以下に制御することが可能である。従って、分岐比率が小さいため、シリカ粒子の表面を化学修飾するアルコキシシランの加水分解縮合物の運動の自由度が高く、より多くのアルコキシシラン加水分解縮合物でシリカ粒子の表面を修飾できると考えられる。そのため、上記修飾シリカ粒子を含有するハードコーティング膜は、高い硬度が得られるとともに、フィルムの反りを十分に抑制できる。これは、従来一般的な塩酸や水酸化カリウム等の触媒を用いた場合に、3次元架橋が急激に進行して分岐比率が高くなるのと大きく相違する。
但し、アルコキシシラン重縮合体中に一般式(B)で表される構造単位を含む場合には、分岐比率は一般式(A)の構造単位と一般式(B)で表される構造単位の比率(即ち、原料であるトリアルコキシシランとジアルコキシシランの配合比率)によっても変化するため、触媒の選択範囲は上記の限りではない。具体的には、トリアルコキシシランの配合量とジアルコキシシランの配合量の合計に対するトリアルコキシシランの配合比率が40%以下の場合には、いかなる強触媒を用いても分岐比率が40%を超えることはない。
但し、アルコキシシラン重縮合体中に一般式(B)で表される構造単位を含む場合には、分岐比率は一般式(A)の構造単位と一般式(B)で表される構造単位の比率(即ち、原料であるトリアルコキシシランとジアルコキシシランの配合比率)によっても変化するため、触媒の選択範囲は上記の限りではない。具体的には、トリアルコキシシランの配合量とジアルコキシシランの配合量の合計に対するトリアルコキシシランの配合比率が40%以下の場合には、いかなる強触媒を用いても分岐比率が40%を超えることはない。
脱水剤としては、従来公知の脱水剤を用いることができ、例えばオルトギ酸トリメチルを用いることができる。
水混和性アルコールとしては、例えばt−ブタノール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールの他、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール等のエーテルアルコール等を用いることができる。
水混和性アルコールとしては、例えばt−ブタノール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールの他、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール等のエーテルアルコール等を用いることができる。
<ハードコーティング用組成物>
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、上記実施形態に係る少なくとも1種以上の修飾シリカ粒子を含むことで、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できるものである。
また、本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、上記実施形態に係る修飾シリカ粒子と、活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、光重合開始剤と、を含むことが好ましい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、上記実施形態に係る少なくとも1種以上の修飾シリカ粒子を含むことで、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できるものである。
また、本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、上記実施形態に係る修飾シリカ粒子と、活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、光重合開始剤と、を含むことが好ましい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物中における修飾シリカ粒子の含有量は、後述の活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対して、15〜900質量部であることが好ましい。修飾シリカ粒子の含有量がこの範囲内であれば、反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できる。より好ましい修飾シリカ粒子の含有量は、後述の活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対して45〜900質量部であり、さらに好ましくは100〜900質量部である。
活性エネルギー線硬化性多官能化合物としては、一分子中に2以上の光重合性基を有する化合物を用いることができ、中でも、分子中に2個以上の(メタ)アクリロキシ基を有する化合物を好ましく用いることができる。より高い膜硬度が得られる観点から、3個以上の(メタ)アクリロキシ基を有する化合物がより好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー線硬化性多官能化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロキシ基を有する化合物であれば、モノマーであってもオリゴマーであってもよい。
なお、活性エネルギー線硬化性多官能化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロキシ基を有する化合物であれば、モノマーであってもオリゴマーであってもよい。
上記のモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の低分子量ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ又はトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート又はそのアルキレンオキサイド変成体;イソシアヌル酸アルキレンオキシド変成体のジ又はトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記のオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のオリゴマーが挙げられる。中でも、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化性多官能化合物としては、上記で列挙したもののうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物中における活性エネルギー線硬化性多官能化合物の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して、10質量%〜90質量%であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性多官能化合物の含有量がこの範囲内であれば、高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できる。より好ましい活性エネルギー線硬化性多官能化合物の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して10〜70質量部であり、さらに好ましくは10〜50質量部である。
光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等が挙げられる。
光重合開始剤としては、上記で列挙したもののうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が好ましく用いられる。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物中における光重合開始剤の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であれば、高い膜硬度を有するハードコーティング膜を形成できる。より好ましい光重合開始剤の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、必要に応じて、シリコーン系添加剤又はフッ素系添加剤等の添加剤を含んでもよい。これらを含むことで、ハードコーティング膜が設けられる光学表示装置に対して、必要な性能を付与することが可能となる。これらシリコーン系添加剤又はフッ素系添加剤の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、必要に応じて、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を含んでもよい。このような化合物を含むことで、得られるハードコーティング膜の密着性、硬度及び柔軟性を調整できる。エチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、例えばシクロヘキシルメタクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルコキシオキシド付加物の(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリップロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のグリコールのモノ(メタ)アクリレート;N−ビニルピドリロン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル化合物等が挙げられる。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、必要に応じて、無機充填剤を含んでもよい。無機充填剤を含むことで、ハードコーティング層の耐擦傷性及び表面の膜硬度をさらに向上させることができる。無機充填剤としては、例えば金属又は金属酸化物の微粒子が挙げられる。金属としては、例えば、Si、Ti、Al、Zn、Zr、In、Sn、Sb等が挙げられる。具体的な無機充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。これらの無機充填剤は、重量平均粒径5〜100nm程度であるものが好ましい。無機充填剤の含有量は、ハードコーティング用組成物の固形分質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。
また、本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、必要に応じて、希釈溶媒としての有機溶媒を含んでもよい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;等が挙げられる。
有機溶媒としては、上記で列挙したもののうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、上記で列挙したもののうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、さらに必要に応じて、帯電防止剤、光重合開始助剤、有機フィラー、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、顔料等の通常用いられる添加剤を含んでもよい。
本実施形態に係るハードコーティング用組成物は、上述の各成分を混合することで調製できる。調製時には、必要に応じて、有機溶媒を用いてもよい。
<ハードコーティング膜>
本実施形態に係るハードコーティング膜は、上記実施形態に係るハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。好ましくは、上述した活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、上述した少なくとも1種以上の修飾シリカ粒子と、を含むハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。より好ましくは、上述した活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対して、上述した修飾シリカ粒子の含有量が15〜900質量部であるハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。修飾シリカ粒子の含有量がこの範囲内であることにより、反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜が形成される。
本実施形態に係るハードコーティング膜は、上記実施形態に係るハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。好ましくは、上述した活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、上述した少なくとも1種以上の修飾シリカ粒子と、を含むハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。より好ましくは、上述した活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対して、上述した修飾シリカ粒子の含有量が15〜900質量部であるハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜である。修飾シリカ粒子の含有量がこの範囲内であることにより、反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜が形成される。
なお、上述したように、ハードコーティング膜の状態で固体29Si−NMR測定を行うことも可能である。即ち、測定して得られる固体29Si−NMRスペクトルのピーク面積から、上述の算出方法に従って修飾シリカ粒子の分岐比率を算出できる。ただし上述した通り、この場合には、溶液の状態で測定した場合よりも各ピークの位置が相対的な位置関係を保ったまま高磁場若しくは低磁場にシフトする場合がある。
本実施形態に係るハードコーティング膜は、上記実施形態に係るハードコーティング用組成物を、液晶表示装置、CRT(ブラウン管)表示装置、タッチパネルディスプレイ等の光学表示装置の表面に塗装した後、UV等の活性エネルギー線を照射することで形成される。
具体的には、光学表示装置の種類に応じて、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、PC(ポリカーボネート)フィルム等の樹脂フィルム上にハードコーティング膜が形成される。
具体的には、光学表示装置の種類に応じて、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、PC(ポリカーボネート)フィルム等の樹脂フィルム上にハードコーティング膜が形成される。
塗装方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、グラビアコート法、スプレー法、ローラー法、はけ塗り法等が挙げられる。塗装する光学表示装置の種類に応じて、適した塗装方法が採用される。塗装の際には、得られるハードコーティング膜の厚さが0.1〜20μmとなるように塗装するのが好ましい。
活性エネルギー線の照射は、200nm〜500nmの波長の光を用いて、50mJ/m2〜5000mJ/m2照射することが好ましい。これにより、反りが十分に抑制され且つ高い膜硬度を有するハードコーティング膜が形成される。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、部及び%は全て質量基準である。
<製造例1>
撹拌機、温度調節器及び冷却管を備えた反応容器内に、メタノール分散シリカゾル(日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル)89部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、KBM−503)5.5部及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートA)0.029部を配合し、温度を60℃に保持したまま、2.5時間撹拌した。次いで、オルトギ酸トリメチル5.8部を添加し、温度を60℃に保持したまま、3時間撹拌した。得られた生成物を室温まで冷却した後、1ミクロンメッシュのフィルタで濾過し、固形分濃度を調整するためにメタノールを適宜添加することで、固形分30%の修飾シリカを得た。
撹拌機、温度調節器及び冷却管を備えた反応容器内に、メタノール分散シリカゾル(日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル)89部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、KBM−503)5.5部及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートA)0.029部を配合し、温度を60℃に保持したまま、2.5時間撹拌した。次いで、オルトギ酸トリメチル5.8部を添加し、温度を60℃に保持したまま、3時間撹拌した。得られた生成物を室温まで冷却した後、1ミクロンメッシュのフィルタで濾過し、固形分濃度を調整するためにメタノールを適宜添加することで、固形分30%の修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、ブルカーバイオスピン(株)製のFT−NMR装置「AVANCE」(400MHz)を用いて、29Si−NMR測定を実施した。具体的には、合成溶媒を測定溶媒としての重ジメチルスルホキシドに置換した後、緩和時間30秒、積算回数1024回の条件で29Si−NMR測定を実施した。得られたスペクトルの−58ppm〜−62ppm付近に現れるT3単位のピーク(p=0)の積分値をAとし、−48ppm〜−52ppm付近に現れるT2単位のピーク(p=1)の積分値をBとし、−40ppm〜−45ppm付近に現れるT1単位のピーク(p=2)の積分値をCとして、下記数式(1)に従って分岐比率を算出した結果、8%であった。
分岐比率(%)=A/(A+B+C)×100 ・・・数式(1)
分岐比率(%)=A/(A+B+C)×100 ・・・数式(1)
<製造例2>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートD)0.034部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、7%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートD)0.034部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、7%であった。
<製造例3>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートM)0.058部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、8%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートM)0.058部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、8%であった。
<製造例4>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、ALCH)0.024部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、15%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、ALCH)0.024部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、15%であった。
<製造例5>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、トリエチルアミン0.0081部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、4%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、トリエチルアミン0.0081部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、4%であった。
<製造例6>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、テトラブチルアンモニウム臭化物0.025部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、6%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、テトラブチルアンモニウム臭化物0.025部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、6%であった。
<製造例7>
製造例1における3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.5部の代わりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.8部及び3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、KBM−502)2.8部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−5ppm〜−20ppm付近に観測されるD2、D1単位のピーク(q=0,1)の積分値Dを求め、この積分値Dと、製造例1と同様にして求めた積分値A、B、Cとから、下記の数式(2)により分岐比率を算出した結果、10%であった。
分岐比率(%)=A/(A+B+C+D)×100 ・・・数式(2)
製造例1における3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.5部の代わりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.8部及び3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、KBM−502)2.8部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−5ppm〜−20ppm付近に観測されるD2、D1単位のピーク(q=0,1)の積分値Dを求め、この積分値Dと、製造例1と同様にして求めた積分値A、B、Cとから、下記の数式(2)により分岐比率を算出した結果、10%であった。
分岐比率(%)=A/(A+B+C+D)×100 ・・・数式(2)
<製造例8>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネートの添加量を0.29部とした以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、35%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネートの添加量を0.29部とした以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、35%であった。
<製造例9>
撹拌機、温度調節器及び冷却管を備えた反応容器内に、メタノール分散シリカゾル85部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.7部、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン3.7部、及び1N塩酸0.078部を配合し、温度を60℃に保持したまま、2.5時間撹拌した。次いで、オルトギ酸トリメチル9.5部を添加し、温度を60℃に保持したまま、3時間撹拌した。得られた生成物を室温まで冷却した後、1ミクロンのフィルタで濾過し、固形分濃度を調整するためにメタノールを適宜添加することで、固形分30%の修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−5ppm〜−20ppm付近に観測されるD2、D1単位のピーク(q=0,1)の積分値Dを求め、この積分値Dと、製造例1と同様にして求めた積分値A、B、Cとから、上記の数式(2)により分岐比率を算出した結果、2%であった。
撹拌機、温度調節器及び冷却管を備えた反応容器内に、メタノール分散シリカゾル85部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.7部、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン3.7部、及び1N塩酸0.078部を配合し、温度を60℃に保持したまま、2.5時間撹拌した。次いで、オルトギ酸トリメチル9.5部を添加し、温度を60℃に保持したまま、3時間撹拌した。得られた生成物を室温まで冷却した後、1ミクロンのフィルタで濾過し、固形分濃度を調整するためにメタノールを適宜添加することで、固形分30%の修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施して得られたスペクトルにおいて、−5ppm〜−20ppm付近に観測されるD2、D1単位のピーク(q=0,1)の積分値Dを求め、この積分値Dと、製造例1と同様にして求めた積分値A、B、Cとから、上記の数式(2)により分岐比率を算出した結果、2%であった。
<製造例10>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、0.1N塩酸0.80部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、57%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、0.1N塩酸0.80部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、57%であった。
<製造例11>
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、0.1N水酸化カリウム0.80部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、51%であった。
製造例1におけるアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.029部の代わりに、0.1N水酸化カリウム0.80部を用いた以外は、製造例1と同様の操作を実施することで、修飾シリカを得た。
得られた修飾シリカについて、実施例1と同様に29Si−NMR測定を実施し、分岐比率を算出した結果、51%であった。
<実施例1>
[ハードコーティング用組成物の調製]
製造例1で合成した修飾シリカ61部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−405)9.1部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−305)9.1部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF(株)製、イルガキュア184)1.8部及びメチルイソブチルケトン19部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。
[ハードコーティング用組成物の調製]
製造例1で合成した修飾シリカ61部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−405)9.1部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−305)9.1部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF(株)製、イルガキュア184)1.8部及びメチルイソブチルケトン19部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。
[ハードコーティング膜の作製]
上記のようにして調製したハードコーティング用組成物を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、コスモシャインA4100)上に、バーコーターを用いて硬化後の膜厚が7μmとなるように塗装した。80℃のオーブンで1.5分間乾燥させた後、空気中で高圧水銀ランプにて300mJ/cm2のエネルギーを照射することで、ハードコーティング膜を作製した。
上記のようにして調製したハードコーティング用組成物を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、コスモシャインA4100)上に、バーコーターを用いて硬化後の膜厚が7μmとなるように塗装した。80℃のオーブンで1.5分間乾燥させた後、空気中で高圧水銀ランプにて300mJ/cm2のエネルギーを照射することで、ハードコーティング膜を作製した。
[ハードコーティング膜の物性評価]
上記のようにして作製したハードコーティング膜について、以下の手順に従って、鉛筆硬度、カール性及び耐擦傷性の評価を実施した。結果を表1に示した。
上記のようにして作製したハードコーティング膜について、以下の手順に従って、鉛筆硬度、カール性及び耐擦傷性の評価を実施した。結果を表1に示した。
「鉛筆硬度」
JIS K5600−5−4に準拠して、ハードコーティング膜の鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度が3H以上のものを合格とした。
JIS K5600−5−4に準拠して、ハードコーティング膜の鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度が3H以上のものを合格とした。
「カール性」
ハードコーティング膜を100mm×100mmの正方形状に切断し、温度23℃、相対湿度50%の条件で一晩放置した。次いで、ハードコーティング膜が上になるように平坦な机上に載置し、机の表面から上方に向かって反ったハードコーティング膜の四隅と机の表面間の距離(mm)をそれぞれ測定し、その平均値を算出した。結果を表1に示した。なお、カール性が15mm以下のものを合格とした。
ハードコーティング膜を100mm×100mmの正方形状に切断し、温度23℃、相対湿度50%の条件で一晩放置した。次いで、ハードコーティング膜が上になるように平坦な机上に載置し、机の表面から上方に向かって反ったハードコーティング膜の四隅と机の表面間の距離(mm)をそれぞれ測定し、その平均値を算出した。結果を表1に示した。なお、カール性が15mm以下のものを合格とした。
「耐擦傷性」
ハードコーティング膜に、スチールウール(日本スチールウール(株)製 ボンスター#0000)を密着させ、2000gの荷重をかけながら面方向に10往復させた。これにより、ハードコーティング膜の表面に付いた傷の程度を、以下の基準で目視にて判定した。結果を表1に示した。
1:傷が認められない。
2:少し傷が認められる。
3:明らかな傷が認められる。
4:多数の傷が認められる。
5:著しい傷が認められる。
ハードコーティング膜に、スチールウール(日本スチールウール(株)製 ボンスター#0000)を密着させ、2000gの荷重をかけながら面方向に10往復させた。これにより、ハードコーティング膜の表面に付いた傷の程度を、以下の基準で目視にて判定した。結果を表1に示した。
1:傷が認められない。
2:少し傷が認められる。
3:明らかな傷が認められる。
4:多数の傷が認められる。
5:著しい傷が認められる。
<実施例2>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例2で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例2で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例3>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例3で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例3で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例4>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例4で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例4で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例5>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例5で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例5で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例6>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例6で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例6で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例7>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例7で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例7で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例8>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート9.1部の代わりに、多官能ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製、UA−306H)9.1部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート9.1部の代わりに、多官能ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製、UA−306H)9.1部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例9>
製造例1で合成した修飾シリカ77部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.9部、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.9部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.5部及びメチルイソブチルケトン15部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ77部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.9部、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.9部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.5部及びメチルイソブチルケトン15部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例10>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例8で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例8で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<実施例11>
製造例9で合成した修飾シリカ61部、多官能ウレタンアクリレート9.1部、ペンタエリスリトールトリアクリレート9.1部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.8部及びメチルイソブチルケトン19部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例9で合成した修飾シリカ61部、多官能ウレタンアクリレート9.1部、ペンタエリスリトールトリアクリレート9.1部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.8部及びメチルイソブチルケトン19部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<比較例1>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート31.7部、ペンタエリスリトールトリアクリレート31.7部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3.2部及びメチルイソブチルケトン33部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート31.7部、ペンタエリスリトールトリアクリレート31.7部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3.2部及びメチルイソブチルケトン33部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<比較例2>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、メタノール分散シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、メタノール分散シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<比較例3>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例10で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例10で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<比較例4>
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例11で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
製造例1で合成した修飾シリカ61部の代わりに、製造例11で合成した修飾シリカ61部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、ハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
<比較例5>
メタノール分散シリカゾル77部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.9部、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.9部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.5部及びメチルイソブチルケトン15部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜の作製を試みたところ、膜表面に凝集したシリカが析出し、ハードコーティング膜が作製できなかった。
メタノール分散シリカゾル77部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.9部、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.9部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1.5部及びメチルイソブチルケトン15部を混合し、固形物が溶解するまで撹拌した。その後、溶媒を減圧留去することで、固形分50%のハードコーティング用組成物を調製した。また、調製したハードコーティング用組成物を用いて実施例1と同様の操作を実施してハードコーティング膜の作製を試みたところ、膜表面に凝集したシリカが析出し、ハードコーティング膜が作製できなかった。
表1に示した結果から明らかであるように、分岐比率を1〜40モル%に制御した本実施例によれば、比較例に比してフィルムの反りの抑制と高い膜硬度の両立が可能であることが確認された。また、本実施例によれば、耐擦傷性も良好であることが判った。
本発明の修飾シリカ粒子、本発明の修飾シリカ粒子を含むハードコーティング用組成物及びハードコーティング膜によれば、ハードコーティング膜が設けられたフィルムの反りを十分に抑制でき且つ高い膜硬度が得られるため、液晶表示装置、CRT(ブラウン管)表示装置、タッチパネルディスプレイ等の光学表示装置の表面のハードコーティング技術に好ましく適用される。
Claims (8)
- シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上有し、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)には、前記R1が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)中の、p=0の単位、p=1の単位及びp=2の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である修飾シリカ粒子。 - シリカ粒子の表面をアルコキシシランの加水分解縮合物で化学修飾してなる修飾シリカ粒子であって、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が、一般式(A):R1SiO(3−p)/2(OX)p{但し、R1は水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、pは0〜3の整数である。}で表される構造単位(a)を1種以上と、一般式(B):R2R3SiO(2−q)/2(OX)q{但し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又はR’であり、R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、qは0〜2の整数である。}で表される構造単位(b)を1種以上有し、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)と1種以上の構造単位(b)のうち少なくとも一方には、前記R1及び/又はR2が重合性の不飽和基で置換された一価炭化水素基である構造単位が含まれ、
前記アルコキシシランの加水分解縮合物が有する1種以上の構造単位(a)及び1種以上の構造単位(b)中の、p=0の単位、p=1の単位、p=2の単位、q=0の単位及びq=1の単位の合計モル量に対する、p=0の単位のモル量の比率が、29Si−NMRスペクトルのピーク面積からの算出値で1〜40モル%である修飾シリカ粒子。 - 前記R1及び/又はR2が、(メタ)アクリロキシ基で置換された炭素数1〜3の一価炭化水素基を含む請求項1又は2に記載の修飾シリカ粒子。
- 前記修飾シリカ粒子が、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアルキルアセトアセテート、アルミニウムビスアルキルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ビスアセチルアセトネート及びアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジアルコキシレートからなる群より選択される少なくとも一種を触媒として、前記シリカ粒子と前記アルコキシシランを反応させることにより得られたものである請求項1から3いずれかに記載の修飾シリカ粒子。
- 前記修飾シリカ粒子が、NR”3{但し、R”は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一若しくは異なっていてもよい。}及び4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種を触媒として、前記シリカ粒子と前記アルコキシシランを反応させることにより得られたものである請求項1から3いずれかに記載の修飾シリカ粒子。
- 活性エネルギー線硬化性多官能化合物と、修飾シリカ粒子と、を含むハードコーティング用組成物であって、
前記修飾シリカ粒子が、請求項1から5いずれかに記載の少なくとも1種以上の修飾シリカ粒子であるハードコーティング用組成物。 - 前記活性エネルギー線硬化性多官能化合物100質量部に対する前記修飾シリカ粒子の含有量が、15〜900質量部である請求項6に記載のハードコーティング用組成物。
- 請求項6又は7に記載のハードコーティング用組成物を硬化させてなるハードコーティング膜。
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