JP2013123406A - 液状スープ - Google Patents
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Abstract
【課題】トウガラシによる旨味は維持しつつ、辛味が低減されたスープの提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で0.2〜3.9質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.01〜8ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が10〜30mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である液状スープ。
【選択図】なし
【解決手段】次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で0.2〜3.9質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.01〜8ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が10〜30mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である液状スープ。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルギン酸を含有する液状スープ並びに固体又は半固体状スープ組成物に関する。
スープ等の食品形態には種々の香辛料が利用されている。例えば、旨味を出すことを目的にトウガラシが利用されている。しかし、トウガラシは強い辛味を有しているため使用量が制限される。この辛味は、辛味成分であるカプサイシン類に因るものである。
これまでにトウガラシに由来する辛味を抑える技術として、例えば、特定量のグルタミン酸を添加することによって、カプサイシン由来の適度な辛味を有し、喉への刺激を低減した飲料(特許文献1)、スクロースを添加し、さらにpHを特定以下に調整して加熱処理することでカプサイシン類由来の辛味を抑えた液状食品(特許文献2)、寒天等の粘性物質を添加し、カプサイシン由来の刺激味を緩和した飲料(特許文献3)等が報告されている。
これまでにトウガラシに由来する辛味を抑える技術として、例えば、特定量のグルタミン酸を添加することによって、カプサイシン由来の適度な辛味を有し、喉への刺激を低減した飲料(特許文献1)、スクロースを添加し、さらにpHを特定以下に調整して加熱処理することでカプサイシン類由来の辛味を抑えた液状食品(特許文献2)、寒天等の粘性物質を添加し、カプサイシン由来の刺激味を緩和した飲料(特許文献3)等が報告されている。
一方、水溶性酸性多糖類であるアルギン酸塩は、食しやすい食物繊維素材として知られ、また、食品の増粘剤等としても広く利用されている。
近年では、特にその整腸作用及び/又はコレステロール低減作用といった機能により、厚生労働省から表示を許可された特定保健用食品の原材料としての利用も活発に行われている。
また、アルギン酸及びその塩類を加圧加熱により低分子量化して得た平均分子量1万〜90万のアルギンを含む肥満防止および糖尿病予防の食品(特許文献4)や、アルギン酸塩及び不溶性カルシウム塩の他に、たんぱく質も含む促進された満腹効果を有する食品(特許文献5)、アルギン酸塩をゲル化させないpH値で含むダイエットスープ(特許文献6)等が提案されている。
近年では、特にその整腸作用及び/又はコレステロール低減作用といった機能により、厚生労働省から表示を許可された特定保健用食品の原材料としての利用も活発に行われている。
また、アルギン酸及びその塩類を加圧加熱により低分子量化して得た平均分子量1万〜90万のアルギンを含む肥満防止および糖尿病予防の食品(特許文献4)や、アルギン酸塩及び不溶性カルシウム塩の他に、たんぱく質も含む促進された満腹効果を有する食品(特許文献5)、アルギン酸塩をゲル化させないpH値で含むダイエットスープ(特許文献6)等が提案されている。
前記特許文献1や2のように特定のアミノ酸や糖類を使用して辛味を抑制する方法は、それら素材に由来する異味が感じられる場合があり、また一方でトウガラシによる旨味は感じ難くなるといった問題が考えられる。また、特許文献3のように、粘性物質を添加しただけでは、十分にカプサイシン由来の辛味を抑制できず、トウガラシによる旨味も感じ難くなる場合があることが明らかとなった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、トウガラシによる旨味は維持しつつ、辛味が低減されたスープを提供しようとするものである。
本発明は、斯かる実情に鑑み、トウガラシによる旨味は維持しつつ、辛味が低減されたスープを提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アルギン酸又はその塩、カリウム及びナトリウムを所定量含有し、かつカリウムとナトリウムとの含有比を一定の範囲に調整することで、カプサイシン類を所定量含みながらも辛味を低減することができ、さらにトウガラシによる旨味も維持された風味が良好なスープが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で0.2〜3.9質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.01〜8ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量(B+C)が10〜30mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である液状スープを提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で3〜60質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.1〜200ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が400〜730mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である固体又は半固体状スープ組成物を提供するものである。
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で0.2〜3.9質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.01〜8ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量(B+C)が10〜30mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である液状スープを提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で3〜60質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.1〜200ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が400〜730mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である固体又は半固体状スープ組成物を提供するものである。
本発明によれば、トウガラシによる旨味は維持しつつも、辛味が低減されて食しやすく、風味が良好なスープを提供することができる。本発明のスープは、高濃度のアルギン酸を含有し、長期間継続して飲用できることから、食物繊維摂取用のスープとしても有用である。
本発明における液状スープは、非濃縮タイプのスープであり、そのまま喫食することができるものをいう。また、スープ組成物は、水、湯、牛乳等の水系媒体に分散又は溶解して食用に供することのできる所謂濃縮スープをいう。スープ組成物の形態は、室温(15〜25℃)で粉末、固形、顆粒等の固体状であっても、あるいはペースト等の半固体状であってもよい。
本発明における固体又は半固体状スープ組成物(以下、スープ組成物ともいう)は、該組成物1質量部に対して5〜30質量部に希釈した液状のスープにして喫食するのが好ましい。本発明において、スープの種類としては、特に制限はなく、例えば、味噌汁、野菜スープ、コーンポタージュスープ、クリームスープ、カレースープ、ラーメンスープ、コンソメスープ、トムヤムクンスープ等が挙げられる。
本発明の液状スープは、(A)重量平均分子量(以下、単に分子量ともいう)が10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩をアルギン酸換算で0.2〜3.9質量%(以下、単に「%」とする)含有する。アルギン酸又はその塩の含有量は、辛味の抑制の点、えぐみの抑制の点、旨味の維持の点、十分な食物繊維摂取が可能となる点、低粘度で摂取し易くなる点から、アルギン酸換算で0.25〜3.5%であることがより好ましく、更に0.5〜3.3%、更に0.6〜3.2%、更に1〜3.1%、更に1.2〜2.5%であることが好ましい。
また、本発明のスープ組成物は、(A)分子量が10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩をアルギン酸換算で3〜60%含有する。アルギン酸又はその塩の含有量は、同様な点から、アルギン酸換算で12〜59%であることがより好ましく、更に20〜58%、更に25〜58%、更に30〜57%、更に33〜50%であることが好ましい。
本発明に用いられる(A)アルギン酸又はその塩の分子量は10,000〜900,000であるが、低粘度で摂取し易い点、食物繊維としての機能が高い点から、更に15,000〜700,000、更に15,000〜500,000、更に15,000〜100,000が好ましい。また、ボディ感を付与する点から、30,000〜900,000、更に50,000〜800,000、更に100,000〜700,000が好ましい。
なお、アルギン酸又はその塩の含有量は、以下の「HPLCによるアルギン酸の定量」によって測定するか、後述の実施例に記載の方法によって測定することが可能であり、分子量は、以下の「アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって測定することが可能である。
なお、アルギン酸又はその塩の含有量は、以下の「HPLCによるアルギン酸の定量」によって測定するか、後述の実施例に記載の方法によって測定することが可能であり、分子量は、以下の「アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって測定することが可能である。
「HPLCによるアルギン酸の定量」ならびに「アルギン酸の重量平均分子量の測定」
1.前処理(HPLC用分析試料の調製)
1−1 アルギン酸カルシウム沈殿の生成
ビーカーに被験試料2gを加え、更に水35mLを加えて均一になるように攪拌する。渦動攪拌器により適宜攪拌しながら、2mol/L塩化カルシウム水溶液1.5mLを、5〜10分かけて徐々に滴下する。壁面に付着した析出物を流し落としながら水約5mLを加え、その後pHが11以上となるように1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加え、その後ビーカー内の溶液を容量50mLのメスフラスコに移しかえ、ビーカー内に付着した析出物を水で流し落として全量50mLに定容する。共栓をした後、この溶液を渦動攪拌器により20秒攪拌し、その後20分室温に放置する(溶液A)。
1.前処理(HPLC用分析試料の調製)
1−1 アルギン酸カルシウム沈殿の生成
ビーカーに被験試料2gを加え、更に水35mLを加えて均一になるように攪拌する。渦動攪拌器により適宜攪拌しながら、2mol/L塩化カルシウム水溶液1.5mLを、5〜10分かけて徐々に滴下する。壁面に付着した析出物を流し落としながら水約5mLを加え、その後pHが11以上となるように1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加え、その後ビーカー内の溶液を容量50mLのメスフラスコに移しかえ、ビーカー内に付着した析出物を水で流し落として全量50mLに定容する。共栓をした後、この溶液を渦動攪拌器により20秒攪拌し、その後20分室温に放置する(溶液A)。
1−2 アルギン酸カルシウム沈殿の回収
直径25mmのメンブランフィルタをメンブランフィルタカートリッジに装着し、更に5mLのシリンジを接続する。このシリンジ内に、上からホールピペットで溶液A5mLを入れる。装着したシリンジにピストンを装着して押し出し、内溶液をメンブランフィルタでろ過する。
その後、水酸化ナトリウムでpH11.3とした40mmol/L塩化カルシウム水溶液約3mLで、ホールピペットの付着物を洗い、その洗浄液でシリンジ内も洗い、メンブランフィルタでろ過する。更にこの洗浄動作をもう一度繰り返す。
直径25mmのメンブランフィルタをメンブランフィルタカートリッジに装着し、更に5mLのシリンジを接続する。このシリンジ内に、上からホールピペットで溶液A5mLを入れる。装着したシリンジにピストンを装着して押し出し、内溶液をメンブランフィルタでろ過する。
その後、水酸化ナトリウムでpH11.3とした40mmol/L塩化カルシウム水溶液約3mLで、ホールピペットの付着物を洗い、その洗浄液でシリンジ内も洗い、メンブランフィルタでろ過する。更にこの洗浄動作をもう一度繰り返す。
1−3 アルギン酸ナトリウムへの塩交換と回収
上記操作で得られたメンブランフィルタカートリッジを解体し、メンブランフィルタとパッキンをとり出し、50mLビーカーに入れる。水4.8mLでメンブランフィルタカートリッジの残りの部品を洗浄しながらビーカーに加える。この溶液に1.5mol/L炭酸ナトリウム水溶液を200μL加えて、溶液が均一になるよう軽く攪拌する(全量約5mL)。途中、3回しんとう混和を行いながら1〜2時間室温に置く。再度攪拌し、メスフラスコ(容量10mL)に溶液を全量移し、水約5mLでビーカー内に残った部品を洗浄し、その液をメスフラスコに加えた後全量を10mLに定容する。これらの操作により、飲料中のアルギン酸をアルギン酸ナトリウムとして溶解させ回収する。この溶液を直径25mmのメンブランフィルタ(GLクロマトディスク0.45μm)でろ過したものをHPLC用分析試料として用いる。
上記操作で得られたメンブランフィルタカートリッジを解体し、メンブランフィルタとパッキンをとり出し、50mLビーカーに入れる。水4.8mLでメンブランフィルタカートリッジの残りの部品を洗浄しながらビーカーに加える。この溶液に1.5mol/L炭酸ナトリウム水溶液を200μL加えて、溶液が均一になるよう軽く攪拌する(全量約5mL)。途中、3回しんとう混和を行いながら1〜2時間室温に置く。再度攪拌し、メスフラスコ(容量10mL)に溶液を全量移し、水約5mLでビーカー内に残った部品を洗浄し、その液をメスフラスコに加えた後全量を10mLに定容する。これらの操作により、飲料中のアルギン酸をアルギン酸ナトリウムとして溶解させ回収する。この溶液を直径25mmのメンブランフィルタ(GLクロマトディスク0.45μm)でろ過したものをHPLC用分析試料として用いる。
2.HPLCによるアルギン酸の定量
HPLC用分析試料100μLを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する。純度既知のアルギン酸ナトリウム標準試料0.1%溶液を同様にHPLCで測定し、得られたクロマトグラムの面積の比較から試料中のアルギン酸ナトリウムを定量する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸量が算出できる。なお、HPLC操作条件は以下の通りである。
HPLC用分析試料100μLを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する。純度既知のアルギン酸ナトリウム標準試料0.1%溶液を同様にHPLCで測定し、得られたクロマトグラムの面積の比較から試料中のアルギン酸ナトリウムを定量する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸量が算出できる。なお、HPLC操作条件は以下の通りである。
HPLC操作条件
カラム:(1)Super AW−L(ガードカラム):東ソー(株)製
(2)TSK−GEL Super AW4000(GPC用カラム)
:排除限界分子量4×105PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
(3)TSK−GEL Super AW2500(GPC用カラム)
:排除限界分子量2×103PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
上記カラムはAW−L,AW4000,AW2500の順で連結した。
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
移動相:0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.6mL/min
注入量:100μL
カラム:(1)Super AW−L(ガードカラム):東ソー(株)製
(2)TSK−GEL Super AW4000(GPC用カラム)
:排除限界分子量4×105PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
(3)TSK−GEL Super AW2500(GPC用カラム)
:排除限界分子量2×103PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
上記カラムはAW−L,AW4000,AW2500の順で連結した。
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
移動相:0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.6mL/min
注入量:100μL
3.アルギン酸の重量平均分子量の測定
アルギン酸の重量平均分子量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定する。HPLC操作条件は、前記「2.HPLCによるアルギン酸の定量」と同じ条件である。分子量算出用の検量線には、標準プルラン(昭和電工(株)製 Shodex STANDARD P−82)を用いる。HPLC用分析試料をHPLCに100μL注入し、得られたクロマトチャートより、試料中のアルギン酸ナトリウムの重量平均分子量を算出する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸の重量平均分子量が算出できる。
アルギン酸の重量平均分子量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定する。HPLC操作条件は、前記「2.HPLCによるアルギン酸の定量」と同じ条件である。分子量算出用の検量線には、標準プルラン(昭和電工(株)製 Shodex STANDARD P−82)を用いる。HPLC用分析試料をHPLCに100μL注入し、得られたクロマトチャートより、試料中のアルギン酸ナトリウムの重量平均分子量を算出する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸の重量平均分子量が算出できる。
上記の分子量を持つアルギン酸又はその塩は、高分子量のアルギン酸又はその塩を低分子量化して得ることができる。低分子量化の方法は特に限定されず、例えば酸又はアルカリの存在下に加水分解する方法や、分解酵素を用いた加水分解法が挙げられる。加水分解反応の条件は、常圧又は加圧のいずれでもよく、常圧の場合は60〜100℃、加圧の場合は100〜200℃で行われる。酵素分解法の場合は常圧にて20〜60℃程度で行われる。
アルギン酸の塩としては、特に限定されないが、アルギン酸のアルカリ金属塩が好ましく、更にアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムが好ましい。
本発明の液状スープ又はスープ組成物に含有されるアルギン酸又はその塩の例示としては、製品名:キミカアルギンSKAT−K−ULV((株)キミカ)や製品名:カリアルギン((株)紀文フードケミファ)等が挙げられる。ただし、アルギン酸又はその塩であれば、これらの例に限定されるものではない。
本発明の液状スープ又はスープ組成物に含有されるアルギン酸又はその塩の例示としては、製品名:キミカアルギンSKAT−K−ULV((株)キミカ)や製品名:カリアルギン((株)紀文フードケミファ)等が挙げられる。ただし、アルギン酸又はその塩であれば、これらの例に限定されるものではない。
本発明の液状スープ又はスープ組成物には、(B)カリウム及び(C)ナトリウムの両者が含まれる。
(B)カリウム源としては、アルギン酸及びカリウムを同時摂取できるという点からアルギン酸カリウムを用いることが好ましい。また、カリウムとしては、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩、野菜や果物等の植物由来のものも含まれる。
(B)カリウム源としては、アルギン酸及びカリウムを同時摂取できるという点からアルギン酸カリウムを用いることが好ましい。また、カリウムとしては、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩、野菜や果物等の植物由来のものも含まれる。
(C)ナトリウム源としては、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手し得るナトリウム塩、野菜や果物等の植物由来のものも含まれるが、風味を良好にする点から塩化ナトリウムが好ましい。
液状スープにおける(B)カリウムと(C)ナトリウムの合計量は、10〜30mmol/100gであるが、辛味の抑制の点から、12〜29mmol/100gであることがより好ましく、更に14〜27mmol/100g、更に17〜25mmol/100gであることが好ましい。
また、スープ組成物における(B)カリウムと(C)ナトリウムの合計量は、同様の点から、400〜730mmol/100gであるが、更に420〜720mmol/100gであることがより好ましく、更に440〜680mmol/100g、更に470〜660mmol/100gであることが好ましい。
また、本発明の液状スープ又はスープ組成物における(B)カリウムと(C)ナトリウムの含有モル比(B/C)は0.1〜1.5であるが、辛味の抑制の点、旨味の維持の点から、0.3〜1.45であることがより好ましく、更に0.5〜1.2、0.6〜1.0であることが好ましい。
なお、本発明において、液体スープ中又はスープ組成物中のカリウムとナトリウムの含有量は、後述の方法にて得られた値をもってカリウム含有量、ナトリウム含有量とする。このカリウムとナトリウムの含有量には、成分(A)としてアルギン酸カリウムやアルギン酸ナトリウムを用いた場合、該アルギン酸塩由来のカリウムとナトリウムも含まれる。
なお、本発明において、液体スープ中又はスープ組成物中のカリウムとナトリウムの含有量は、後述の方法にて得られた値をもってカリウム含有量、ナトリウム含有量とする。このカリウムとナトリウムの含有量には、成分(A)としてアルギン酸カリウムやアルギン酸ナトリウムを用いた場合、該アルギン酸塩由来のカリウムとナトリウムも含まれる。
本発明の液状スープ又はスープ組成物に含まれる(D)カプサイシン類は、カプサイシンとジヒドロカプサイシンを併せての総称である。ここで、カプサイシンとは、(E)−N−[(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メチル]−8−メチル−6−ノネンアミドであり、ジヒドロカプサイシンとは、N−[(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メチル]−8−メチルノナンアミドである。液体スープ中又はスープ組成物中の(D)カプサイシン類の含有量は上記2種の合計量に基づいて定義される。
(D)カプサイシン類は、トウガラシ(Capsicum)由来のものである。トウガラシは、ナス科トウガラシ属の植物で、カプサイシン類を含むものであれば特に制限されないが、例えば、トウガラシ(C.annuum)、キダチトウガラシ(C.frutescens)等が挙げられる。トウガラシの形態としては、特に限定されず、植物をそのまま又は乾燥、粉砕したもの、或いはこれらを抽出して得られる抽出物、その希釈液、その濃縮液、その乾燥末、そのペースト状等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
液状スープにおける(D)カプサイシン類の含有量は、0.01〜8ppmであるが、辛味の抑制の点、旨味の維持の点から、0.01〜7ppmであることがより好ましく、更に0.05〜7ppm、更に0.1〜4ppmであることが好ましい。
また、スープ組成物における(D)カプサイシン類の含有量は、0.1〜200ppmであるが、同様の点から、0.1〜180ppmであることがより好ましく、更に0.5〜150ppm、更に1〜120ppmであることが好ましい。
本発明の液状スープ又はスープ組成物には、さらに、スープに含まれ得る成分、例えば、食用油脂;肉、野菜、海草、ヌードル、パスタ等の材料(具);食塩、糖類、アミノ酸・核酸・有機酸等の旨み調味料;脱脂粉乳、牛乳、生クリーム等の乳成分;馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、コーンスターチ、米粉等の穀粉;畜肉エキス(チキン、ポーク、ビーフエキス等)、魚介エキス(カツオ、鯖、ホタテ、いわし、昆布エキス等)、野菜エキス(トマト、ネギ、セロリ、マッシュルーム、玉ネギエキス等)等のエキス;トウガラシ以外の香辛料、酒類、着色料、保存料、乳化剤、増粘多糖類等が適宜配合されていても良い。
本発明の液状スープ及びスープ組成物は、特に制限はなく常法に従い製造される。
本発明の液状スープは、種々の容器に詰めることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アルミ、ナイロン、ポリエチレン等を主成分とする成形容器(いわゆるパウチ容器)に充填して提供することができる。また、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
本発明の液状スープは、種々の容器に詰めることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アルミ、ナイロン、ポリエチレン等を主成分とする成形容器(いわゆるパウチ容器)に充填して提供することができる。また、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
<アルギン酸の定量ならびに重量平均分子量の測定>
1.アルギン酸塩中のカリウム量及びナトリウム量の測定によるアルギン酸の定量
原料として用いたアルギン酸塩中のアルギン酸換算値は、アルギン酸塩中のナトリウム量及びカリウム量を後述する原子吸光光度計で分析し、ナトリウム量及びカリウム量を差し引いて求めた。このアルギン酸換算値から試料中のアルギン酸含有量を求めた。
なお、この方法に従い算出した試料中のアルギン酸量は、上述した「2.HPLCによるアルギン酸の定量」に従い算出したアルギン酸量と同じであった。
1.アルギン酸塩中のカリウム量及びナトリウム量の測定によるアルギン酸の定量
原料として用いたアルギン酸塩中のアルギン酸換算値は、アルギン酸塩中のナトリウム量及びカリウム量を後述する原子吸光光度計で分析し、ナトリウム量及びカリウム量を差し引いて求めた。このアルギン酸換算値から試料中のアルギン酸含有量を求めた。
なお、この方法に従い算出した試料中のアルギン酸量は、上述した「2.HPLCによるアルギン酸の定量」に従い算出したアルギン酸量と同じであった。
2.アルギン酸の重量平均分子量の測定
原料として用いたアルギン酸塩の分子量の測定は、前述した「3.アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって行った。
原料として用いたアルギン酸塩の分子量の測定は、前述した「3.アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって行った。
<カリウム含有量の測定>
カリウム含有量は、原子吸光光度計を用いて、測定用試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線から試験溶液の濃度を求めた。測定波長は766.5nmに設定した。測定用試験溶液は、原液を蒸留水で希釈して調整した。その時、塩酸の濃度が0.02Nになるように塩酸を加えて調整した。
カリウム含有量は、原子吸光光度計を用いて、測定用試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線から試験溶液の濃度を求めた。測定波長は766.5nmに設定した。測定用試験溶液は、原液を蒸留水で希釈して調整した。その時、塩酸の濃度が0.02Nになるように塩酸を加えて調整した。
<ナトリウム含有量の測定>
ナトリウム含有量は、原子吸光光度計を用いて、測定用試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線から試験溶液の濃度を求めた。測定波長は589.0nmに設定した。測定用試験溶液は、原液を蒸留水で希釈して調整した。その時、塩酸の濃度が0.02Nになるように塩酸を加えて調整した。
ナトリウム含有量は、原子吸光光度計を用いて、測定用試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線から試験溶液の濃度を求めた。測定波長は589.0nmに設定した。測定用試験溶液は、原液を蒸留水で希釈して調整した。その時、塩酸の濃度が0.02Nになるように塩酸を加えて調整した。
<カプサイシン類含有量の測定>
カプサイシン類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定した。
試料にメタノールを加え、5分間の超音波照射によってカプサイシン類を抽出し、定容したものをHPLC用分析試料とした。HPLCの分析条件は下記の通りである。
HPLC操作条件
カラム:Shim−pack FC−ODS 長さ7.5cm,内径4.6mm
カラム温度:50℃
検出器:蛍光検出器(励起波長:283nm、測定波長:316nm)
移動相:水、アセトニトリル、酢酸の混液
流速:1.0mL/min
カプサイシン類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定した。
試料にメタノールを加え、5分間の超音波照射によってカプサイシン類を抽出し、定容したものをHPLC用分析試料とした。HPLCの分析条件は下記の通りである。
HPLC操作条件
カラム:Shim−pack FC−ODS 長さ7.5cm,内径4.6mm
カラム温度:50℃
検出器:蛍光検出器(励起波長:283nm、測定波長:316nm)
移動相:水、アセトニトリル、酢酸の混液
流速:1.0mL/min
<風味の評価方法と判断基準>
本発明の実施例及び比較例の液状スープを製造後に専門パネル3名がスープの辛味、旨味、及びえぐみについて、以下の基準に従って評価を行い、協議により評点を決定した。なお、本発明における「辛味」とは喫食時に感じる舌や喉への痛みを伴う刺激、「旨味」とはスープ全体としてのおいしさ、「えぐみ」とは、口の中に残る不快な渋味をいう。
〔辛味の評価基準〕
5:辛味を感じない
4:辛味をほとんど感じない
3:辛味を感じる
2:辛味をやや強く感じる
1:辛味を強く感じる
〔旨味の評価基準〕
5:旨味を強く感じる
4:旨味をやや強く感じる
3:旨味を感じる
2:旨味をほとんど感じない
1:旨味を感じない
〔えぐみの評価基準〕
5:えぐみを感じない
4:えぐみをほとんど感じない
3:えぐみを感じる
2:えぐみをやや強く感じる
1:えぐみを強く感じる
本発明の実施例及び比較例の液状スープを製造後に専門パネル3名がスープの辛味、旨味、及びえぐみについて、以下の基準に従って評価を行い、協議により評点を決定した。なお、本発明における「辛味」とは喫食時に感じる舌や喉への痛みを伴う刺激、「旨味」とはスープ全体としてのおいしさ、「えぐみ」とは、口の中に残る不快な渋味をいう。
〔辛味の評価基準〕
5:辛味を感じない
4:辛味をほとんど感じない
3:辛味を感じる
2:辛味をやや強く感じる
1:辛味を強く感じる
〔旨味の評価基準〕
5:旨味を強く感じる
4:旨味をやや強く感じる
3:旨味を感じる
2:旨味をほとんど感じない
1:旨味を感じない
〔えぐみの評価基準〕
5:えぐみを感じない
4:えぐみをほとんど感じない
3:えぐみを感じる
2:えぐみをやや強く感じる
1:えぐみを強く感じる
<液状スープの調製>
表1又は表2に示した組成の粉末状のスープ組成物を製造した。所定量の低分子アルギン酸カリウム(株式会社キミカ、重量平均分子量4万)、低分子アルギン酸ナトリウム(株式会社カイゲン、重量平均分子量5万)、アルギン酸カリウム(株式会社キミカ、重量平均分子量30万又は50万)、野菜パウダー(ヤスマ株式会社)、オニオンパウダー(ヤスマ株式会社)、トウガラシ末(株式会社ケーアイエス)、並塩、上白糖、塩化カリウムを混合し、粉末状のスープ組成物(固形分100%)を製造した。各スープ組成物に、160gの熱湯を注ぎ、充分攪拌し、液状スープを得た。
得られた液状スープの風味を評価した結果を表1及び表2に示す。
表1又は表2に示した組成の粉末状のスープ組成物を製造した。所定量の低分子アルギン酸カリウム(株式会社キミカ、重量平均分子量4万)、低分子アルギン酸ナトリウム(株式会社カイゲン、重量平均分子量5万)、アルギン酸カリウム(株式会社キミカ、重量平均分子量30万又は50万)、野菜パウダー(ヤスマ株式会社)、オニオンパウダー(ヤスマ株式会社)、トウガラシ末(株式会社ケーアイエス)、並塩、上白糖、塩化カリウムを混合し、粉末状のスープ組成物(固形分100%)を製造した。各スープ組成物に、160gの熱湯を注ぎ、充分攪拌し、液状スープを得た。
得られた液状スープの風味を評価した結果を表1及び表2に示す。
本発明のスープは、比較例のものと比べて、トウガラシによる旨味を維持しつつも辛味が低減されて風味が良いものであった。
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で0.2〜3.9質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.01〜8ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が10〜30mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である液状スープ。 - (D)カプサイシン類がトウガラシ由来である請求項1記載の液状スープ。
- 次の成分(A)〜(D):
(A)重量平均分子量10,000〜900,000のアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で3〜60質量%
(B)カリウム
(C)ナトリウム
(D)カプサイシン類 0.1〜200ppm
を含有し、成分(B)及び成分(C)の合計量が400〜730mmol/100gであり、成分(B)と成分(C)のモル比(B/C)が0.1〜1.5である固体又は半固体状スープ組成物。 - (D)カプサイシン類がトウガラシ由来である請求項3記載の固体又は半固体状スープ組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011274548A JP2013123406A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | 液状スープ |
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JP2011274548A JP2013123406A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | 液状スープ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011274548A Pending JP2013123406A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | 液状スープ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013123406A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016111957A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | 伊那食品工業株式会社 | 多糖類水溶液の製造方法、それによって得られた多糖類水溶液及び多糖類水溶液を含む食品 |
JP2016187328A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | 株式会社創味食品 | 濃縮調味液およびその製造方法 |
-
2011
- 2011-12-15 JP JP2011274548A patent/JP2013123406A/ja active Pending
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