JP2013122901A - 非水二次電池用電解液及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
【手段】アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体とを有機溶媒中に含む電解液であって、前記重合開始剤前駆体が、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである非水二次電池用電解液、該非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える二次電池。
【選択図】図1
Description
また、特許文献6には、リチウムイオンとキレート化しうる化合物を併用することにより、イソプレン、2−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリルなどのアニオン重合性モノマーから形成されるSEIの性質が改善されることが提示されている。
アニオン重合モノマーを効率よく重合させる手段として、特許文献7には、ブロモベンゼンを併用することが提示されている。この文献では、過充電状態の負極上に析出するリチウム金属とブロモベンゼンが反応して生成したフェニルリチウムがスチレンあるいはイソプレンの重合開始剤となり、負極上にSEIが形成されるメカニズムが提案されている。
他方、上述のように特許文献7にはブロモベンゼンを併用することが提示されているものの、その効果が認められる過充電状態は、電池における異常状態である。正常な電池作動時にSEIの形成が行なわれるものではない。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
好ましくは、(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
(一般式(3−b)において、R5は水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。R6はアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
(一般式(3−c)において、R7及びR8は水素原子、アルキル基または芳香族基を表す。X、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO2−から選択される2価の連結基を表し、Rはアルキル基または芳香族基を表す。)
(一般式(3−d)において、R9はアルキル基または水素原子を表す。)
(一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物は、R3〜R9で互いに連結した多量体を形成してもよい。)
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が、9−フルオレノン化合物、アントロン化合物、キサントン化合物、ジベンゾスベロン化合物、ジベンゾスベレロン化合物、アントラキノン化合物、ビアントロニル化合物、ビアントロン化合物、置換ベンゾフェノン化合物、ジベンゾイル化合物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が下記式(1−1)〜(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が、前記式(1−1)〜(1−12)、(1−15)〜(1−23)、(1−26)及び(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
さらに好ましくは、アニオン重合性モノマーが、芳香族置換ビニル化合物、炭酸ビニレン系化合物、または、アクリル系化合物の少なくともいずれか1つである。
さらに好ましくは、アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体との添加量が、それぞれ0.001mol/l以上0.1mol/l以下である。
さらに好ましくは、電解液が、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩をさらに含む。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える。
好ましくは、負極の活物質としてチタン酸リチウムを適用する。
本発明は、第1剤と第2剤とを混合して用いる非水二次電池用電解液のキットであって、
第1剤が周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンもしくはそれを含む金属塩を含有し、第2剤がアニオン重合性モノマーを含有し、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物のいずれかからなる重合開始剤前駆体を第1剤、第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させた非水二次電池用電解液のキットも包含される。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。
好ましくは、(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
[第一の添加剤:アニオン重合性モノマー]
アニオン重合性モノマーとして知られているものであれば、本発明に適用できるものの範囲に含まれ、特に限定されないが、それらの中で特に、下記一般式(3−a)〜(3−d)で示される構造の化合物を用いることが好ましい。これらの化合物は単独で用いても、二種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
前記、式(3−a)のR3は水素原子またはアルキル基を表す。R3として好ましいアルキル基は、炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)であり、R3は水素原子であることがさらに好ましい。
式(3−a)のR4は芳香族基、複素環基、ニトリル基、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を表す。R4の芳香族基としては炭素数6から10の2π系芳香族基(フェニル、ナフチルなど)が好ましく、複素環基としては炭素数4から9の複素芳香族基(フリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、キノリルなど)が好ましく、アルコキシ基としては炭素数1から10のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシなど)が好ましく、アシルオキシ基としては炭素数1から10のアシルオキシ基(アセトキシ基、ヘキサノイルオキシ基など)が好ましく、式(3−a)のR4としては、フェニル基がより好ましい。なお、本明細書において「から」は「〜」と同じ意味で用い、その前後で規定される数値ないし番号を含む意味である。
式(3−b)のR5は水素、アルキル基、または、シアノ基を表し、好ましいアルキル基としては炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)であり、水素またはメチル基であることがより好ましい。
式(3−b)のR6はアルキル基またはアルコキシ基を表し、アルコキシ基であることがより好ましい。すなわち、式(3−b)はアクリル系化合物であることが好ましく、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、または、シアノアクリル酸エステルであることがより好ましい。この場合のエステルのアルコール部分に相当するアルコキシ基は炭素数1から10のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシなど)が好ましく、メトキシ基あるいはエトキシ基がより好ましい。
式(3−c)のR7及びR8は水素、アルキル基または芳香族基を表す。R7及びR8が水素であるか、R7が水素でありR8が芳香族基であることが好ましい。この場合の好ましい芳香族基としては炭素数6から10の芳香族基(フェニル、ナフチルなど)がより好ましい。
式(3−c)のX、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−(C=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO2−から選択される2価連結基を表すが、XとYが−O−、Zが−(C=O)−であること、すなわち、炭酸ビニレン系化合物が好ましい。前記Rはアルキル基または芳香族基を表す。アルキル基の好ましいものとしてはR3と同義であり、芳香族基の好ましいものとしてはR4と同義である。
式(3−d)のR9は水素原子又はアルキル基を表し、水素原子または炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)が好ましく、水素またはメチル基であることがより好ましい。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等);アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等);アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等);シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等);アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等);ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等);アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等);アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等);アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等);スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等);アシル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアシル基、例えば、アセチル、ベンゾイル等);アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等);カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等);アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等);シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
第二の添加剤となる重合開始剤前駆体は、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである。重合開始剤前駆体が、前記(C)化合物に属するか否かは、重合開始剤前駆体が還元電流ピーク電位を示すか否かで判断できる。その具体的な測定方法及び結果については実施例で後述するが、典型的には上記範囲の電位を掃引したときのボルタモグラムにおいて絶対値にして0.1mA/cm2以上の電流ピークを示すか否かにより、還元されるものか否かを評価することができる。このピークはブロードなものやショルダーを有するものであってもよく、本発明の効果を奏する範囲で評価判断することができる。あるいは、チャートのベースラインを控除してピークを評価してもよい。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
本発明に用いられる有機溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシド燐酸などが挙げられる。これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、特に、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
しかしながら、本発明に用いられる有機溶媒(非水溶媒)は、上記例示によって限定されるものではない。
本発明の電解液に含まれる周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩としては、電解液の使用目的により適宜選択される、例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。本発明の電解液をリチウム二次電池用非水系電解液の電解質として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩であれば特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
なお、電解液に用いるリチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における周期律表第一族又は第二族に属する金属のイオンもしくはその金属塩の含有量は、以下に電解液の調製法で述べる好ましい塩濃度となるよう量で添加される。塩濃度は電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%から50質量%であり、さらに好ましくは15質量%から30質量%である。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定されればよい。
次に、本発明の電解液の代表的な調製方法を、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた場合を例に挙げて説明する。
本発明の電解液は、前記非水溶媒に、前記アニオン重合性モノマー、前記重合開始剤前駆体、リチウム塩、及び、所望により添加される種々の添加剤を溶解して、調製される。
調製された電解液中のリチウム塩濃度は、濃度が高くなるにつれて電解液の粘度が高くなるため、高いイオン伝導度を示すための適正な濃度範囲が存在する。好ましい濃度範囲は、電解液全質量中10質量%から50質量%であり、さらに好ましくは15質量%から30質量%である。本発明の電解液の粘度(25℃)は特に限定されないが、10〜0.1mPa・sであることが好ましく、5〜0.5mPa・sであることがより好ましい。
本発明の電解液は、複数の液体ないし粉末等から構成されたキットとされていてもよい。例えば、第1剤(第1液)を金属塩と有機溶媒とで構成し、第2剤(第2液)を前記アニオン重合性モノマーと有機溶媒とで構成し、使用前に2液を混合して調液する形態などであってもよい。このとき、本発明のキットにおいては、重合開始剤前駆体を前記第1剤、前記第2剤、及び/又はその他の剤に含有させておく。このようにすることで、上述した前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体との相互作用を効果的に得ることができる。なお、上記各成分の含有量は、混合後に前記の範囲となることが好ましい。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。
前記(C)化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
本発明の好ましい実施形態として、リチウムイオン二次電池についてその断面図を大幅に模式化して示した図1を参照して説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1,正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出又は溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これら必須の部材に加え、電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、及び外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部及び電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受aが生じて充電αを行うことができ、授受bが生じて放電βを行うことができる。また、回路配線7および動作機構6を介して運転あるいは蓄電を行うことができる。
本発明のリチウム二次電池については、上述したようにアニオン重合性モノマーおよび重合開始剤前駆体が効果的に作用して、負極表面4aないし正極表面2aに良好なSEIを形成し、電池初期容量を維持したサイクル特性及び充電保存性の向上を達成したものと考えられる。なお、図1は説明のために大幅に模式化して示しており、同図の構成により、本発明が限定して解釈されるものではない。
本実施形態のリチウム二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状、及び、ペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや組み込まれる機器の形を考慮して、馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかでも、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
本実施形態のリチウム二次電池は、電解液5、正極及び負極の電極合剤C及び、A、セパレータの基本部材9を具備して構成される。以下、これらの各部材について述べる。本発明のリチウム二次電池は、電解液として、少なくとも前記本発明の非水二次電池用電解液を含む。
(電解液)
本実施形態のリチウム二次電池に用いられる電解液は、前述した方法により調製された、前記アニオン重合性モノマーと、前記重合開始剤前駆体と、非水溶媒と、電解質塩としてのリチウム塩とを、少なくとも含有する本発明の非水二次電池用電解液を主成分として含有することが好ましい。即ち、電解液5は、前記アニオン重合性モノマーと、前記重合開始剤前駆体と、前記非水溶媒と、電解質塩としてのリチウム塩とを少なくとも含有する非水二次電池用電解液であることが好ましい。非水二次電池用電解液に用いられる電解質塩としては、前述の周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンの塩、すなわち、前記本発明の非水二次電池用電解液の実施の態様で詳細に記載したものを用いることができる。また、本実施形態のリチウム二次電池に用いられる非水溶媒も同様に、前記本発明の非水二次電池用電解液の実施の態様で詳細に記載したものを用いることができる。さらには他の添加剤を加えて、より一層性能を向上させることができる。
電極合剤は、集電体(電極基材)上に活物質と導電材、結着剤、フィラーなどの分散物を塗布したものであり、リチウム二次電池においては、活物質が正極活物質である正極合剤と、活物質が負極活物質である負極合剤とが使用される。次に、電極合剤を構成する、正極活物質、負極活物質、導電材、結着剤、フィラー及び集電体について説明する。
(正極活物質)
本発明の非水二次電池用電解液には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。本発明に用いられる正極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、リチウム含有遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。本発明において、正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物等が好適に挙げられる。またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(Ia)族、第2(IIa)族の元素)、及び/又はAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量としては、遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
LiNi0.5Mn0.5O2、LiNi0.85Co0.01Al0.05O2、
LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2、LiMn1.8Al0.2O4、
LiMn1.5Ni0.5O4等が挙げられる。
本発明の非水二次電池用電解液に用いられる負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化スズや酸化ケイ素等の金属酸化物;金属複合酸化物;リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金を形成することが可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であれば特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
導電材は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよく、公知の導電材を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種又はこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。前記導電材の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では、前記電極合剤を保持するための結着剤を用いることが好ましい。
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
本発明に用いることのできる電極合剤は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、本発明の非水電解質二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
正・負極の集電体としては、本発明の非水電解質二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材により本発明の非水電解質二次電池の集電体が形成される。
本実施形態のリチウム二次電池に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、及び正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料であれば特に限定されることはない。このような材料として多孔質のポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料、あるいはガラス繊維などが用いられる。これらセパレータは安全性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能、を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
本実施形態のリチウム二次電池の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
本発明の非水電解質二次電池は、前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体を加えることで、サイクル特性が良好な二次電池を作製することができるため、種々の用途に適用される。
適用態様には特に限定はないが、例えば、本発明の非水電解質二次電池を電子機器に搭載する場合、当該電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
表Aに示した重合開始剤前駆体を1M LiPF6の炭酸エチレン/炭酸ジエチルの体積比が1対1の電解液中に0.1mol/l濃度で添加し、サンプル溶液を調製した。各サンプル溶液について、作用極にグラッシーカーボン電極(3mmΦ)、対極に白金メッシュ、参照極に銀/硝酸銀電極(ALS社製)を用いた3極電気化学測定系にて、ポテンショスタット(BioLogic社製VMP3(商品名))を用い、室温(約25℃)でのボルタンメトリー(掃引速度5mV/sec)を行った。観測された還元電流ピークが見られた電位をLi/Li+電位に換算して表Aに記載し、各ボルタモグラムを図3、図4に示した。なお、換算式は表Aの欄外*に記載した。
・電解液の調製
1M LiPF6の炭酸エチレン/炭酸ジエチルの体積比が1対1の電解液に、表1に示した重合開始剤前駆体及びアニオン性重合モノマーを、表中に記載の量で加え試験用電解液を調製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO2) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%で作製し、負極は活物質:黒鉛 86質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 6質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表1に示している。
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて、30℃の恒温槽中、0.4mA(0.2C)で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電した後、−0.4mA(0.2C)で電池電圧が2.75Vになるまで定電流放電を行ない、この操作を5回繰り返し、5回目の放電容量を初期放電容量とした。
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて60℃の恒温槽中、4.0mAで電池電圧が4.2Vになるまで1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行い、次に4.0mAで電池電圧が2.75Vになるまで1C定電流放電を行い、1サイクルとした。これを200サイクルに達するまで繰り返し、200サイクル目の放電容量(mAh)を測定した。
放電容量維持率(%)=
(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて、30℃の環境下、0.4mAで電池電圧が4.2Vになるまで0.1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行い、0.4mAで電池電圧が2.75Vになるまで0.1C定電流放電を行い、初期放電容量を測定した。さらに、0.4mAで電池電圧が4.2Vになるまで0.1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行った後、電池を45℃の環境下で30日間放置した。その後、30℃の環境に取り出した後、同様の放電条件にて放電を行ったときの放電容量を測定し、下記容量維持率を算出した。
放電容量維持率[充電保存性](%)=
(30日後の放電容量/初期放電容量)×100
(1)スチレンのみを利用した例
(2)特開昭62−86673号公報 記載の添加剤
9−フルオレノンを利用した例
(3)特開平11−97059号公報 記載の添加剤の組合せ
スチレン/ブロモベンゼンの併用を利用した例
(4)特開2000−149989号公報 記載のモノマー
スチレンにベンゾフェノンの併用を利用した例
(注)試験結果を未記載としたものを「−」で表記した
・電解液の調製
1M LiPF6の炭酸エチレン/エチルメチルカーボネートの体積比が1対2の電解液に、表2に示した重合開始剤前駆体及びアニオン性重合モノマーを、表2中に記載の量で加え試験用電解液を調製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO2) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製し、負極は活物質:チタン酸リチウム(Li4Ti5O12) 94質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 3質量%、バインダー:PVDF 3質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表2に示している。なお、表2以降は電池No.を省略しているが、電解液No.から末尾のaを削除した番号が、電池No.に該当するものとする。
実施例1・比較例1と同様にして測定した。ただし、充電時の電圧を2.85Vとし、放電後の電圧の下限値を1.2Vとした。
実施例1・比較例1と同様にして測定した。ただし、恒温槽の温度を30℃とした。
実施例2・比較例2と同様にして、電解液を調製し、2032形コイン電池を作製した。電池初期容量の測定も実施例2・比較例2と同様にして行った。結果を表3に示している。容量維持率(200サイクル)については、実施例2・比較例2の条件に対して、充電時の電圧を2.85Vとし、放電時の電圧の下限値を1.2Vとする以外、同様に行った。この結果を表3に示した。
実施例2・比較例2と同様にして、電解液を調製した。2032形コイン電池は下記のとおりにして作製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製し、負極は活物質:チタン酸リチウム(Li4Ti5O12) 94質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 3質量%、バインダー:PVDF 3質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表4に示している。
容量維持率(200サイクル)については、実施例2・比較例2の条件に対して、充電時の電圧を2.95Vとし、放電時の電圧の下限値を1.2Vとする以外、同様に行った。この結果を表4に示した。
2 正極活物質
3 負極導電材
4 負極活物質
5 電解液
6 動作手段
7 配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電体
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウム二次電池
Claims (15)
- アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体と有機溶媒とを含む電解液であって、前記重合開始剤前駆体が、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである非水二次電池用電解液。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。) - 前記重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物である請求項1又は2に記載の非水二次電池用電解液。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。) - 前記アニオン重合性モノマーが、下記一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物の少なくとも1つである請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
(一般式(3−b)において、R5は水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。R6はアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
(一般式(3−c)において、R7及びR8は水素原子、アルキル基または芳香族基を表す。X、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO2−から選択される2価の連結基を表し、Rはアルキル基または芳香族基を表す。)
(一般式(3−d)において、R9はアルキル基または水素原子を表す。)
(一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物は、R3〜R9で互いに連結した多量体を形成してもよい。) - 前記重合開始剤前駆体が、9−フルオレノン化合物、アントロン化合物、キサントン化合物、ジベンゾスベロン化合物、ジベンゾスベレロン化合物、アントラキノン化合物、ビアントロニル化合物、ビアントロン化合物、置換ベンゾフェノン化合物、ジベンゾイル化合物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
- 前記重合開始剤前駆体が、前記式(1−1)〜(1−12)、(1−15)〜(1−23)、(1−26)及び(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である請求項6に記載の非水二次電池用電解液。
- 前記アニオン重合性モノマーが、芳香族置換ビニル化合物、炭酸ビニレン系化合物、または、アクリル系化合物の少なくともいずれか1つである請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
- 前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体との添加量が、それぞれ0.001mol/l以上0.1mol/l以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
- 前記電解液が、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える非水電解質二次電池。
- 前記負極の活物質としてチタン酸リチウムを適用した請求項11に記載の非水電解質二次電池。
- 第1剤と第2剤とを混合して用いる非水二次電池用電解液のキットであって、
前記第1剤が周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンもしくはそれを含む金属塩を含有し、前記第2剤がアニオン重合性モノマーを含有し、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物のいずれかからなる重合開始剤前駆体を前記第1剤、前記第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させた非水二次電池用電解液のキット。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。 - 前記第1剤、前記第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させる前記重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物のいずれかである請求項13又は14に記載の非水二次電池用電解液のキット。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、R1とR2は式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
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