JP2013122901A - 非水二次電池用電解液及び二次電池 - Google Patents

非水二次電池用電解液及び二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】初期容量、サイクル特性、充電保存性のすべてに優れた非水電解液および非水電解液二次電池を提供する。
【手段】アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体とを有機溶媒中に含む電解液であって、前記重合開始剤前駆体が、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである非水二次電池用電解液、該非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶媒を含む非水二次電池用電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。
昨今、注目を集めているリチウムイオン電池と呼ばれる二次電池は、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)と、リチウムの析出および溶解を利用する二次電池(いわゆるリチウム金属二次電池)とに大別される。これらは、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られる。この特性を利用して、近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder)、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器用の電源として広く普及している。これに伴い、特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池の開発が進められている。さらには、その小型化、軽量化および長寿命化、高安全化が強く求められている。
リチウムイオン二次電池やリチウム金属二次電池(以下、これらを総称して単にリチウムイオン二次電池ということがある。)の電解液としては、導電率が高く電位的にも安定であるため、炭酸プロピレンあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系の溶媒と、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩との組み合わせが広く用いられている。
電解液の組成に関して、サイクル特性などの改善を目的として、電解液中に各種添加剤を含有させる技術が提案されている。例えば、特許文献1及び2においては、電解液として使用されている炭酸エステルが負極で分解されることによって充放電サイクル特性が低下することを抑制するために、ビニレンカーボネート(以下、VCと略記する)やビニルエチレンカーボネート(以下、VECと略記する)といった二重結合を有するカーボネートを電解液に添加し、VCやVEC等を負極上で電解重合させて負極保護膜(以下SEIと略記する)を形成することが提案されている。これらの添加剤はいわゆるアニオン重合性モノマーに分類されるもので、その他にも、スチレンまたはその誘導体(特許文献3)、イソプレン、2−ビニルピリジン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、イオノン、ミルセンなど(特許文献4)、フェニルビニレンカーボネート(特許文献5)などを添加剤として使用することが提案されている。
また、特許文献6には、リチウムイオンとキレート化しうる化合物を併用することにより、イソプレン、2−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリルなどのアニオン重合性モノマーから形成されるSEIの性質が改善されることが提示されている。
アニオン重合モノマーを効率よく重合させる手段として、特許文献7には、ブロモベンゼンを併用することが提示されている。この文献では、過充電状態の負極上に析出するリチウム金属とブロモベンゼンが反応して生成したフェニルリチウムがスチレンあるいはイソプレンの重合開始剤となり、負極上にSEIが形成されるメカニズムが提案されている。
特開2003−151621号公報 特開2003−031259号公報 特開2004−103372号公報 特許3,163,078号公報 特許3,837,914号公報 特許4,050,251号公報 特開平11−97059号公報
しかし、一般的には、上記のアニオン重合性モノマーの還元電位は、卑(低電位)であり、しかも電気化学的な還元活性も低いため、負極上での直接的な電子移動から始まる重合は極めて遅い。実際に、電気化学測定系において、スチレンやVCは対リチウム電位が0Vから2.5Vの範囲において明確な還元電流を示さない。
他方、上述のように特許文献7にはブロモベンゼンを併用することが提示されているものの、その効果が認められる過充電状態は、電池における異常状態である。正常な電池作動時にSEIの形成が行なわれるものではない。
以上のように、アニオン重合モノマーを電池用添加剤として用いる例はあるものの、過充電状態等ではない通常の使用条件下で、これらを効率よく負極上で重合させSEIを形成させる技術は知られていない。従って、これらアニオン重合性モノマーを添加剤として用いてもそのサイクル特性の改良効果は一定の範囲にとどまり不十分である。一方、サイクル特性の改良効果を向上させるために単にアニオン重合性モノマーの添加量を増やすと、電池の内部抵抗が上昇し電池の初期特性が悪化してしまい本質的な問題解決には至らない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、初期容量、サイクル特性、充電保存性のすべてに優れた非水電解液および非水電解液を用いた二次電池を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究の結果、アニオン重合性モノマーと第二の添加剤として、電気化学的な還元活性の高い化合物、いわゆるレドックス化合物、を組み合わせることにより、少量添加でも電池のサイクル特性を著しく向上させることができることを見出した。これは、電極電子移動速度の速い第二の添加剤が負極から電子を受容し、その還元体がアニオン重合性モノマーの重合開始剤となる機構に基づいていると考えられる。すなわち、第二の添加剤の還元電位が負極作動電位の範囲内にあるため、通常の電池作動電位においてアニオン重合性モノマーによるSEI形成を進めることが可能となり、サイクル特性等の性能改良において高い効果を発揮したものと考えられる。
上記の課題を解決し得た本発明の非水二次電池用電解液は、アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体と有機溶媒とを含む電解液であって、重合開始剤前駆体が、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである。
Figure 2013122901
(一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
好ましくは、(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物である。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
さらに好ましくは、アニオン重合性モノマーが、下記一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物の少なくとも1つである。
Figure 2013122901
(一般式(3−a)において、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rは芳香族基、複素環基、ニトリル基、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を表す。)
(一般式(3−b)において、Rは水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。Rはアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
(一般式(3−c)において、R及びRは水素原子、アルキル基または芳香族基を表す。X、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO−から選択される2価の連結基を表し、Rはアルキル基または芳香族基を表す。)
(一般式(3−d)において、Rはアルキル基または水素原子を表す。)
(一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物は、R〜Rで互いに連結した多量体を形成してもよい。)
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が、9−フルオレノン化合物、アントロン化合物、キサントン化合物、ジベンゾスベロン化合物、ジベンゾスベレロン化合物、アントラキノン化合物、ビアントロニル化合物、ビアントロン化合物、置換ベンゾフェノン化合物、ジベンゾイル化合物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が下記式(1−1)〜(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
Figure 2013122901
Figure 2013122901
(一般式(1−24)は、4−フルオロ体又は4,4’−ジフルオロ体である。)
さらに好ましくは、重合開始剤前駆体が、前記式(1−1)〜(1−12)、(1−15)〜(1−23)、(1−26)及び(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である。
さらに好ましくは、アニオン重合性モノマーが、芳香族置換ビニル化合物、炭酸ビニレン系化合物、または、アクリル系化合物の少なくともいずれか1つである。
さらに好ましくは、アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体との添加量が、それぞれ0.001mol/l以上0.1mol/l以下である。
さらに好ましくは、電解液が、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩をさらに含む。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える。
好ましくは、負極の活物質としてチタン酸リチウムを適用する。
本発明は、第1剤と第2剤とを混合して用いる非水二次電池用電解液のキットであって、
第1剤が周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンもしくはそれを含む金属塩を含有し、第2剤がアニオン重合性モノマーを含有し、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物のいずれかからなる重合開始剤前駆体を第1剤、第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させた非水二次電池用電解液のキットも包含される。
Figure 2013122901
(一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。
好ましくは、(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
さらに好ましくは、第1剤、第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させる重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物のいずれかである。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
本発明の非水二次電池用電解液は、これを備えた二次電池において、使用初期の放電性能を示す「初期容量」、使用における耐劣化性を示す「サイクル特性」、ならびに充電状態で長期間保持するときの耐劣化性を示す「充電保存性」のすべてにおいて優れた性能を発揮する。
本発明の好ましい実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成を模式化して示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係るリチウムイオン二次電池の具体的な構成を示す断面図である。 参考例(実施例に用いる化合物)において測定したボルタモグラムである。 参考例(比較例に用いる化合物)において測定したボルタモグラムである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明の構成が、この内容により限定して解釈されるものではない。
本発明の非水二次電池用電解液(以下、「電解液」とも言う)は、アニオン重合性モノマーと特定の重合開始剤前駆体とを有機溶媒中に含む。以下、その好ましい実施形態について説明する。
[第一の添加剤:アニオン重合性モノマー]
アニオン重合性モノマーとして知られているものであれば、本発明に適用できるものの範囲に含まれ、特に限定されないが、それらの中で特に、下記一般式(3−a)〜(3−d)で示される構造の化合物を用いることが好ましい。これらの化合物は単独で用いても、二種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
Figure 2013122901
・R
前記、式(3−a)のRは水素原子またはアルキル基を表す。Rとして好ましいアルキル基は、炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)であり、Rは水素原子であることがさらに好ましい。
・R
式(3−a)のRは芳香族基、複素環基、ニトリル基、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を表す。Rの芳香族基としては炭素数6から10の2π系芳香族基(フェニル、ナフチルなど)が好ましく、複素環基としては炭素数4から9の複素芳香族基(フリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、キノリルなど)が好ましく、アルコキシ基としては炭素数1から10のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシなど)が好ましく、アシルオキシ基としては炭素数1から10のアシルオキシ基(アセトキシ基、ヘキサノイルオキシ基など)が好ましく、式(3−a)のRとしては、フェニル基がより好ましい。なお、本明細書において「から」は「〜」と同じ意味で用い、その前後で規定される数値ないし番号を含む意味である。
・R
式(3−b)のRは水素、アルキル基、または、シアノ基を表し、好ましいアルキル基としては炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)であり、水素またはメチル基であることがより好ましい。
・R
式(3−b)のRはアルキル基またはアルコキシ基を表し、アルコキシ基であることがより好ましい。すなわち、式(3−b)はアクリル系化合物であることが好ましく、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、または、シアノアクリル酸エステルであることがより好ましい。この場合のエステルのアルコール部分に相当するアルコキシ基は炭素数1から10のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシなど)が好ましく、メトキシ基あるいはエトキシ基がより好ましい。
・R、R
式(3−c)のR及びRは水素、アルキル基または芳香族基を表す。R及びRが水素であるか、Rが水素でありRが芳香族基であることが好ましい。この場合の好ましい芳香族基としては炭素数6から10の芳香族基(フェニル、ナフチルなど)がより好ましい。
・X,Y,Z
式(3−c)のX、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−(C=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO−から選択される2価連結基を表すが、XとYが−O−、Zが−(C=O)−であること、すなわち、炭酸ビニレン系化合物が好ましい。前記Rはアルキル基または芳香族基を表す。アルキル基の好ましいものとしてはRと同義であり、芳香族基の好ましいものとしてはRと同義である。
・R
式(3−d)のRは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子または炭素数1から10のアルキル基(メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシルなど)が好ましく、水素またはメチル基であることがより好ましい。
上述のRからRの置換基は、更に他の置換基Tを含んでいてもよい。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等);アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等);アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等);シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等);アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等);ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等);アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等);アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等);アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等);スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等);アシル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアシル基、例えば、アセチル、ベンゾイル等);アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等);カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等);アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等);シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
なお、本明細書において化合物の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基や連結基については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、前記置換基Tが挙げられる。
一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物としては下記のものを例示することができる。ただし、本発明はこれらの例により限定して解釈されるものではない。
Figure 2013122901
Figure 2013122901
第一の添加剤(アニオン重合性モノマー)の添加量が少ない場合には、サイクル特性の向上効果が小さく、また、添加量が多すぎる場合には、電池の内部抵抗が上がるため電池の初期特性が損なわれる。第一の添加剤の濃度範囲は、0.001Mから0.1M(mol/l)の範囲であることが好ましく、0.005Mから0.05Mの範囲がより好ましい。
[第二の添加剤:重合開始剤前駆体]
第二の添加剤となる重合開始剤前駆体は、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである。重合開始剤前駆体が、前記(C)化合物に属するか否かは、重合開始剤前駆体が還元電流ピーク電位を示すか否かで判断できる。その具体的な測定方法及び結果については実施例で後述するが、典型的には上記範囲の電位を掃引したときのボルタモグラムにおいて絶対値にして0.1mA/cm以上の電流ピークを示すか否かにより、還元されるものか否かを評価することができる。このピークはブロードなものやショルダーを有するものであってもよく、本発明の効果を奏する範囲で評価判断することができる。あるいは、チャートのベースラインを控除してピークを評価してもよい。
Figure 2013122901
(一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
また、前記(C)化合物の中で好ましい化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
Figure 2013122901
一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基(不飽和複素環基)を表し、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基である。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。なお、一般式(1)で表される化合物は複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。本発明においてRとRとは直接あるいは連結基を介して結合し、C=Oを含む5〜8員環を形成していることが好ましい。
前記重合開始剤前駆体は、下記一般式(1)または(2)で表される化合物であるのがより好ましい。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
前記重合開始剤前駆体は、9−フルオレノン化合物、アントロン化合物、キサントン化合物、ジベンゾスベロン化合物、ジベンゾスベレロン化合物、アントラキノン化合物、ビアントロニル化合物、ビアントロン化合物、置換ベンゾフェノン化合物、ジベンゾイル化合物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種であることが好ましい。化学構造式で示すと、後記式(1−1)〜(1−27)で表される骨格を有する化合物であることがより好ましい(本発明において所定の化学構造の骨格というとき、その化学構造を有する化合物のほか、その構造を母核として有する化合物を含む意味に用いる。なお、化合物の語は上記で定義したのと同様である。)。換言すると、より好ましい前記重合開始剤前駆体は、9−フルオレノン骨格(1−1)、アントロン骨格(1−2)、キサントン骨格(1−3)、ジベンゾスベロン骨格(1−4)、ジベンゾスベレロン骨格(1−5)、アントラキノン骨格(1−6)、ビアントロニル骨格(1−8)、ビアントロン骨格(1−9)、置換ベンゾフェノン骨格の構造を持つもの、及びその芳香族環の炭素元素の1または2個が窒素元素に変わった構造(1−7、1−13〜1−23等)、あるいはベンゼン環に4つの炭素が縮合して多環芳香族環(例えばナフタレン環)を形成した構造(1−10、1−11等)、ジベンゾイル骨格(1−25、1−26、1−27)を有する。また、これらの骨格には、置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、前記置換基Tが挙げられる。より好ましい置換基はメトキシ基、シアノ基、メタンスルホニル基、アセチル基、フッ素原子がより好ましい。
前記重合開始剤前駆体としては下記のものを例示することができる。ただし、本発明はこれらの例により限定して解釈されるものではない。
Figure 2013122901
Figure 2013122901
Figure 2013122901
Figure 2013122901
Figure 2013122901
Figure 2013122901
上記、式(1−1)から(1−27)の骨格を有する化合物は、その骨格同士、直接に、または連結基を介して、2量体以上の多量体を形成してもよい。本発明に用いる前記重合開始剤前駆体としては、上記の骨格を有する化合物の中で、式(1−1)〜(1−12)、(1−15)〜(1−23)、(1−26)及び(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種であることが好ましく、(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−26)の骨格を有する化合物がより好ましく、(1−1)の骨格を有する化合物であることが特に好ましい。
前記重合開始剤前駆体は、前記(A)化合物、および、前記(B)化合物が、前記(C)化合物の要件を満たしていてもよい。すなわち、前記(A)化合物、および、前記(B)化合物は、負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物であってもよい。また、前記重合開始剤前駆体は、前記(A)化合物、前記(B)化合物、および、前記(C)化合物よりなる群から選択される二種以上で構成されてもよい。
第二の添加剤(重合開始剤前駆体)の添加量が少ない場合には、サイクル特性の向上効果が小さく、また、添加量が多すぎる場合には、電池の内部抵抗が上がるため電池の初期特性が損なわれる。第二の添加剤の濃度範囲は、0.001Mから0.05M(mol/l)の範囲であることが好ましく、0.005Mから0.05Mの範囲がより好ましい。
本発明の好ましい実施形態に係る反応機構を以下のスキームAを用いて説明する。特開平11−97059(特許文献7)に記載の機構では過充電にならないとSEIが形成できない。一方、本発明においては、重合開始剤前駆体(本例では9−フルオレノン)が適正な還元電位を持つ。そのため、電極反応活性な前駆体を組み合わせることで、その還元体がアニオン重合開始剤となり、アニオン重合性モノマーに作用する。これにより、通常作動電位で、効率よくアニオン重合性モノマーの重合体等からなるSEIが形成できる。その結果、本発明によれば通常の動作電位でも所望の優れた効果を発揮する。
Figure 2013122901
(有機溶媒)
本発明に用いられる有機溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシド燐酸などが挙げられる。これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、特に、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
しかしながら、本発明に用いられる有機溶媒(非水溶媒)は、上記例示によって限定されるものではない。
また、有機溶媒は、不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含有していてもよい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレン系化合物、炭酸ビニルエチレン系化合物および炭酸メチレンエチレン系化合物からなる群のうちの少なくとも1種などが挙げられる。
炭酸ビニレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニレン(1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸メチルビニレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸エチルビニレン(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オンあるいは4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどが挙げられる。
炭酸ビニルエチレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニルエチレン(4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−n−プロピル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
炭酸メチレンエチレン系化合物としては、4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,4−ジエチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、炭酸ビニレンが好ましい。高い効果が得られるからである。
(第一族又は第二族イオン等)
本発明の電解液に含まれる周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩としては、電解液の使用目的により適宜選択される、例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。本発明の電解液をリチウム二次電池用非水系電解液の電解質として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩であれば特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBRO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSOが好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSOなどのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf1、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
なお、電解液に用いるリチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における周期律表第一族又は第二族に属する金属のイオンもしくはその金属塩の含有量は、以下に電解液の調製法で述べる好ましい塩濃度となるよう量で添加される。塩濃度は電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%から50質量%であり、さらに好ましくは15質量%から30質量%である。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定されればよい。
[電解液の調製方法]
次に、本発明の電解液の代表的な調製方法を、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた場合を例に挙げて説明する。
本発明の電解液は、前記非水溶媒に、前記アニオン重合性モノマー、前記重合開始剤前駆体、リチウム塩、及び、所望により添加される種々の添加剤を溶解して、調製される。
本発明において、「非水」とは水を実質的に含まないことをいい、発明の効果を妨げない範囲で微量の水を含んでいてもよい。良好な特性を得ることを考慮して言うと、水の含有量が200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、不可避的な混入を考慮すると、10ppm以上であることが実際的である。
(電解液の組成)
調製された電解液中のリチウム塩濃度は、濃度が高くなるにつれて電解液の粘度が高くなるため、高いイオン伝導度を示すための適正な濃度範囲が存在する。好ましい濃度範囲は、電解液全質量中10質量%から50質量%であり、さらに好ましくは15質量%から30質量%である。本発明の電解液の粘度(25℃)は特に限定されないが、10〜0.1mPa・sであることが好ましく、5〜0.5mPa・sであることがより好ましい。
(キット)
本発明の電解液は、複数の液体ないし粉末等から構成されたキットとされていてもよい。例えば、第1剤(第1液)を金属塩と有機溶媒とで構成し、第2剤(第2液)を前記アニオン重合性モノマーと有機溶媒とで構成し、使用前に2液を混合して調液する形態などであってもよい。このとき、本発明のキットにおいては、重合開始剤前駆体を前記第1剤、前記第2剤、及び/又はその他の剤に含有させておく。このようにすることで、上述した前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体との相互作用を効果的に得ることができる。なお、上記各成分の含有量は、混合後に前記の範囲となることが好ましい。
本発明のキットに用いることの出来る重合開始剤前駆体は、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物のいずれかである。
Figure 2013122901
(一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。
前記(C)化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
前記第1剤、前記第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させる前記重合開始剤前駆体が、一般式(1)または(2)で表される化合物のいずれかであることがより好ましい。
Figure 2013122901
(一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
[二次電池]
本発明の好ましい実施形態として、リチウムイオン二次電池についてその断面図を大幅に模式化して示した図1を参照して説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1,正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出又は溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これら必須の部材に加え、電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、及び外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部及び電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受aが生じて充電αを行うことができ、授受bが生じて放電βを行うことができる。また、回路配線7および動作機構6を介して運転あるいは蓄電を行うことができる。
本発明のリチウム二次電池については、上述したようにアニオン重合性モノマーおよび重合開始剤前駆体が効果的に作用して、負極表面4aないし正極表面2aに良好なSEIを形成し、電池初期容量を維持したサイクル特性及び充電保存性の向上を達成したものと考えられる。なお、図1は説明のために大幅に模式化して示しており、同図の構成により、本発明が限定して解釈されるものではない。
(電池形状)
本実施形態のリチウム二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状、及び、ペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや組み込まれる機器の形を考慮して、馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかでも、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗によって発生するジュール発熱を効率よく外部に逃がす設計にすることが好ましい。また、熱伝導性が高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。
有底角型形状では、一番大きい面の面積(最大面)S(端子部を除く外形寸法の幅と高さとの積、単位cm)の2倍と電池外形の厚さT(単位cm)との比率2S/Tの値が100以上であることが好ましく、200以上であることが更に好適である。最大面Sを大きくすることにより高出力かつ大容量の電池であってもサイクル性や高温保存等の特性を向上させるとともに、異常発熱時の放熱効率を上げることができ、後述する「弁作動」や「破裂」という危険な状態になることを抑制することができる。
(電池を構成する部材)
本実施形態のリチウム二次電池は、電解液5、正極及び負極の電極合剤C及び、A、セパレータの基本部材9を具備して構成される。以下、これらの各部材について述べる。本発明のリチウム二次電池は、電解液として、少なくとも前記本発明の非水二次電池用電解液を含む。
(電解液)
本実施形態のリチウム二次電池に用いられる電解液は、前述した方法により調製された、前記アニオン重合性モノマーと、前記重合開始剤前駆体と、非水溶媒と、電解質塩としてのリチウム塩とを、少なくとも含有する本発明の非水二次電池用電解液を主成分として含有することが好ましい。即ち、電解液5は、前記アニオン重合性モノマーと、前記重合開始剤前駆体と、前記非水溶媒と、電解質塩としてのリチウム塩とを少なくとも含有する非水二次電池用電解液であることが好ましい。非水二次電池用電解液に用いられる電解質塩としては、前述の周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンの塩、すなわち、前記本発明の非水二次電池用電解液の実施の態様で詳細に記載したものを用いることができる。また、本実施形態のリチウム二次電池に用いられる非水溶媒も同様に、前記本発明の非水二次電池用電解液の実施の態様で詳細に記載したものを用いることができる。さらには他の添加剤を加えて、より一層性能を向上させることができる。
本発明による電解液には、電池の性能を向上させるため、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、過充電防止剤、負極被膜形成剤、正極保護剤等のような機能性添加剤を用いてもよい。
また、負極被膜形成剤と正極保護剤との併用や、過充電防止剤と負極被膜形成剤と正極保護剤との併用が特に好ましい。
非水系電解液中におけるこれら機能性添加剤の含有割合は特に限定はないが、非水系電解液全体に対し、それぞれ、0.01質量%以上が好ましく、特に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、上限は、5質量%以下が好ましく、特に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。これらの化合物を添加することにより、過充電による異常時に電池の破裂・発火を抑制したり、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させたりすることができる。
(電極合剤)
電極合剤は、集電体(電極基材)上に活物質と導電材、結着剤、フィラーなどの分散物を塗布したものであり、リチウム二次電池においては、活物質が正極活物質である正極合剤と、活物質が負極活物質である負極合剤とが使用される。次に、電極合剤を構成する、正極活物質、負極活物質、導電材、結着剤、フィラー及び集電体について説明する。
(正極活物質)
本発明の非水二次電池用電解液には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。本発明に用いられる正極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、リチウム含有遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。本発明において、正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物等が好適に挙げられる。またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(Ia)族、第2(IIa)族の元素)、及び/又はAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量としては、遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
前記正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物の中でも、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種のことをいう。)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
さらに、前記リチウム化合物/遷移金属化合物の中でも、LiM3O(M3はCo、Ni、Fe、及びMnから選択される1種以上の元素を表す。gは、0〜1.2を表す。)を含む材料、又はLiM4O(M4はMnを表す。hは、0〜2を表す。)で表されるスピネル構造を有する材料が特に好ましい。前記M3、前記M4としては、遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
前記LiM3Oを含む材料、LiM4Oで表されるスピネル構造を有する材料の中でも、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−j、LiMn、 LiNiMn1−j、LiCoNiAl1−j−h、LiCoNiMn1−j−h、LiMnAl2−h、LiMnNi2−h(ここでgは0.02〜1.2を表す。jは0.1〜0.9を表す。hは0〜2を表す。)が特に好ましく、もっと好ましくはLiCoO2、LiMn、LiNi0.85Co0.01Al0.05、及びLiNi0.33Co0.33Mn0.33である。高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極が更に好ましい。ここで、前記g値及び前記h値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する値である。具体的には、
LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.85Co0.01Al0.05
LiNi0.33Co0.33Mn0.33、LiMn1.8Al0.2
LiMn1.5Ni0.5等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属酸化物として、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられるが、リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO、LiFeP等のリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、これらのリチウム含有遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
本発明の非水電解液を用いた二次電池において、用いられる前記正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。前記正極活物質の比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01m/g〜50m/gであるのが好ましい。また、前記正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
前記正極活性物質を所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。前記焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶媒にて洗浄した後使用してもよい。
(負極活物質)
本発明の非水二次電池用電解液に用いられる負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化スズや酸化ケイ素等の金属酸化物;金属複合酸化物;リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金を形成することが可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であれば特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類;メソフェーズ微小球体;グラファイトウィスカー;平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
本実施形態のリチウム二次電池において用いられる負極活物質である金属酸化物及び金属複合酸化物は、これらの少なくとも1種を含んでいればよい。金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイドも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°以上40°以下の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
前記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
本発明の非水電解質二次電池において、用いられる前記負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
前記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
本発明において、Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金を形成することが可能な金属が好適に挙げられる。
本発明においては、チタン酸リチウム、より具体的にはリチウム・チタン酸化物(Li[Li1/3Ti5/3]O)を負極の活物質として用いることが好ましい。これを負極活物質として用いることにより、前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体によるSEIの形成効果が一段と高まり、一層優れた電池性能を発揮させることができる。
(導電材)
導電材は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよく、公知の導電材を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種又はこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。前記導電材の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
(結着剤)
本発明では、前記電極合剤を保持するための結着剤を用いることが好ましい。
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
結着剤は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。結着剤の添加量が多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
(フィラー)
本発明に用いることのできる電極合剤は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、本発明の非水電解質二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
(集電体)
正・負極の集電体としては、本発明の非水電解質二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材により本発明の非水電解質二次電池の集電体が形成される。
(セパレータ)
本実施形態のリチウム二次電池に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、及び正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料であれば特に限定されることはない。このような材料として多孔質のポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料、あるいはガラス繊維などが用いられる。これらセパレータは安全性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能、を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
前記セパレータが有する孔(隙間)の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05μm〜30μmであり、0.1μm〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20%〜90%であり、35%〜80%が好ましい。
前記ポリマー材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。セパレータが有する孔の孔径、気孔率や孔(隙間)の閉塞温度などが異なる2種以上の微多孔性フィルムを積層したものが、好ましい。
前記無機材料としては、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物類、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物類、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩類が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01μm〜1μm、厚さが5μm〜50μmのものが好適に用いられる。前記の薄膜形状以外に、樹脂製の結着剤を用いて正極及び/又は負極の表層に前記無機材料の粒子を含有する複合多孔層を形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層として形成させることが挙げられる。
(非水電解質二次電池の作製)
本実施形態のリチウム二次電池の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
以下、図2により、有底筒型形状リチウム二次電池100を例に挙げて、その構成及び作製方法について説明する。有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗によって発生するジュール発熱を効率よく外部に逃がす設計にすることが好ましい。また、熱伝導性が高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100を例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を捲回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。その他、図2中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電体、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
まず、負極活物質と、所望により用いられる結着剤やフィラーなどを有機溶媒に溶解したものを混合して、スラリー状あるいはペースト状の負極合剤を調製する。得られた負極合剤を集電体としての金属芯体の両面の全面にわたって均一に塗布し、その後、有機溶媒を除去して負極合剤層を形成する。さらに、集電体と負極合剤層との積層体をロールプレス機等により圧延して、所定の厚みに調製して負極シート(電極シート)を得る。このとき、各剤の塗布方法や塗布物の乾燥、正・負極の電極の形成方法は定法によればよい。
本実施形態では、円筒形の電池を例に挙げたが、本発明はこれに制限されず、例えば、前記方法で作製された正・負の前記電極シートを、セパレータを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工するか、或いは、折りまげた後、角形の缶(電池缶)に挿入して、前記缶と前記電極シートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いて開口部を封止して角形電池を形成してもよい。
いずれの実施形態においても、開口部を封止するための封口板として安全弁を用いることができる。また、封口板には、安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが好適に用いられる。
また、前記安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
前記缶や前記リード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
キャップ、前記缶、前記シート、前記リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
[本発明の非水電解質二次電池の用途]
本発明の非水電解質二次電池は、前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体を加えることで、サイクル特性が良好な二次電池を作製することができるため、種々の用途に適用される。
適用態様には特に限定はないが、例えば、本発明の非水電解質二次電池を電子機器に搭載する場合、当該電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
本発明の非水電解質二次電池において電荷の輸送に用いられる金属イオンは特に限定されないが、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンを利用したものであることが好ましい。中でも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン等を用いることが好ましい。リチウムイオンを用いた二次電池についての一般的な技術事項は冒頭に挙げた特許文献等、多くの文献や書籍があり参考になる。その他、ナトリウムイオンを用いた二次電池については、Journal of Electrochemical Society;Electrochemical Science and Technology、米国、1980年、第127巻、第2097〜2099頁等を参照することができる。マグネシウムイオンについては、Nature 407, p.724−727(2000)等を参照することができる。カルシウムイオンについては、J.Electrochem. Soc., Vol.138, 3536 (1991)等を参照することができる。本発明においてはその普及の程度からリチウムイオン二次電池に適用することが好ましいが、それ以外のものにおいても所望の効果を奏するものであり、これに限定して解釈されるものではない。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。
<参考例>
表Aに示した重合開始剤前駆体を1M LiPFの炭酸エチレン/炭酸ジエチルの体積比が1対1の電解液中に0.1mol/l濃度で添加し、サンプル溶液を調製した。各サンプル溶液について、作用極にグラッシーカーボン電極(3mmΦ)、対極に白金メッシュ、参照極に銀/硝酸銀電極(ALS社製)を用いた3極電気化学測定系にて、ポテンショスタット(BioLogic社製VMP3(商品名))を用い、室温(約25℃)でのボルタンメトリー(掃引速度5mV/sec)を行った。観測された還元電流ピークが見られた電位をLi/Li電位に換算して表Aに記載し、各ボルタモグラムを図3、図4に示した。なお、換算式は表Aの欄外*に記載した。
Figure 2013122901
比較例(1) 特開平11−97059号公報 記載の添加剤
* Ep(対Li/Li)=Ep(測定値:対銀/硝酸銀電位)+3.18(V)
(実施例1・比較例1)
・電解液の調製
1M LiPFの炭酸エチレン/炭酸ジエチルの体積比が1対1の電解液に、表1に示した重合開始剤前駆体及びアニオン性重合モノマーを、表中に記載の量で加え試験用電解液を調製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%で作製し、負極は活物質:黒鉛 86質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 6質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表1に示している。
<電池初期容量>
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて、30℃の恒温槽中、0.4mA(0.2C)で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電した後、−0.4mA(0.2C)で電池電圧が2.75Vになるまで定電流放電を行ない、この操作を5回繰り返し、5回目の放電容量を初期放電容量とした。
<容量維持率−200サイクル>
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて60℃の恒温槽中、4.0mAで電池電圧が4.2Vになるまで1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行い、次に4.0mAで電池電圧が2.75Vになるまで1C定電流放電を行い、1サイクルとした。これを200サイクルに達するまで繰り返し、200サイクル目の放電容量(mAh)を測定した。
放電容量維持率(%)=
(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
<充電保存性−30日>
上記の方法で作製した2032形コイン電池を用いて、30℃の環境下、0.4mAで電池電圧が4.2Vになるまで0.1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行い、0.4mAで電池電圧が2.75Vになるまで0.1C定電流放電を行い、初期放電容量を測定した。さらに、0.4mAで電池電圧が4.2Vになるまで0.1C定電流充電した後、4.2V定電圧において電流値が0.12mAになるまで、または2時間充電を行った後、電池を45℃の環境下で30日間放置した。その後、30℃の環境に取り出した後、同様の放電条件にて放電を行ったときの放電容量を測定し、下記容量維持率を算出した。
放電容量維持率[充電保存性](%)=
(30日後の放電容量/初期放電容量)×100
Figure 2013122901
<表中の注釈>
(1)スチレンのみを利用した例
(2)特開昭62−86673号公報 記載の添加剤
9−フルオレノンを利用した例
(3)特開平11−97059号公報 記載の添加剤の組合せ
スチレン/ブロモベンゼンの併用を利用した例
(4)特開2000−149989号公報 記載のモノマー
スチレンにベンゾフェノンの併用を利用した例
(注)試験結果を未記載としたものを「−」で表記した
上記のとおり本発明の非水電解液によれば、十分な初期容量を示し、容量維持性においてその性能の向上を達成することができる。具体的に本発明に係る実施例においては、添加剤を用いない電解液(C11a)に対し、容量維持率(200サイクル)について11〜19ポイント、充電保存性(30日)について13〜24ポイントの向上が見られるが、これは実用上十分に認識しえる改良幅であり、初期容量を大きく落とすことなく容量維持率の向上が達成されている。すなわち、高い性能が実現されつつあり発展の余地が限られてきた近時のリチウムイオン電池にあって、さらにその性能の有意な改良につながるものである。
(実施例2・比較例2)
・電解液の調製
1M LiPFの炭酸エチレン/エチルメチルカーボネートの体積比が1対2の電解液に、表2に示した重合開始剤前駆体及びアニオン性重合モノマーを、表2中に記載の量で加え試験用電解液を調製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製し、負極は活物質:チタン酸リチウム(LiTi12) 94質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 3質量%、バインダー:PVDF 3質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表2に示している。なお、表2以降は電池No.を省略しているが、電解液No.から末尾のaを削除した番号が、電池No.に該当するものとする。
<電池初期容量>
実施例1・比較例1と同様にして測定した。ただし、充電時の電圧を2.85Vとし、放電後の電圧の下限値を1.2Vとした。
<容量維持率−200サイクル>
実施例1・比較例1と同様にして測定した。ただし、恒温槽の温度を30℃とした。
Figure 2013122901
(実施例3・比較例3)
実施例2・比較例2と同様にして、電解液を調製し、2032形コイン電池を作製した。電池初期容量の測定も実施例2・比較例2と同様にして行った。結果を表3に示している。容量維持率(200サイクル)については、実施例2・比較例2の条件に対して、充電時の電圧を2.85Vとし、放電時の電圧の下限値を1.2Vとする以外、同様に行った。この結果を表3に示した。
Figure 2013122901
(実施例4・比較例4)
実施例2・比較例2と同様にして、電解液を調製した。2032形コイン電池は下記のとおりにして作製した。
・2032形コイン電池の作製
正極は活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3) 85質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製し、負極は活物質:チタン酸リチウム(LiTi12) 94質量%、導電助剤(導電材):カーボンブラック 3質量%、バインダー:PVDF 3質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製25μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表4に示している。
電池初期容量の測定は、充電電圧を2.95Vとする以外、実施例2・比較例2と同様にして行った。結果を表4に示している。
容量維持率(200サイクル)については、実施例2・比較例2の条件に対して、充電時の電圧を2.95Vとし、放電時の電圧の下限値を1.2Vとする以外、同様に行った。この結果を表4に示した。
Figure 2013122901
上記実施例2以下の結果から、本発明の非水電解液によれば、異なる電極や充放電条件であっても、十分な初期容量を維持してサイクル特性を高める改良効果を奏することが分かる。
参照の便宜に資するため、下記に各実施例で用いた電極の材料及び試験条件をまとめて示しておく。
Figure 2013122901
1 正極導電材
2 正極活物質
3 負極導電材
4 負極活物質
5 電解液
6 動作手段
7 配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電体
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウム二次電池

Claims (15)

  1. アニオン重合性モノマーと重合開始剤前駆体と有機溶媒とを含む電解液であって、前記重合開始剤前駆体が、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物、のいずれかである非水二次電池用電解液。
    Figure 2013122901
    (一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
    一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
  2. 前記(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 2013122901
    (一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
  3. 前記重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物である請求項1又は2に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 2013122901
    (一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
    ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
    一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
  4. 前記アニオン重合性モノマーが、下記一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物の少なくとも1つである請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 2013122901
    (一般式(3−a)において、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rは芳香族基、複素環基、ニトリル基、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を表す。)
    (一般式(3−b)において、Rは水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。Rはアルキル基またはアルコキシ基を表す。)
    (一般式(3−c)において、R及びRは水素原子、アルキル基または芳香族基を表す。X、Y、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R)−、−S(O)−及び−SO−から選択される2価の連結基を表し、Rはアルキル基または芳香族基を表す。)
    (一般式(3−d)において、Rはアルキル基または水素原子を表す。)
    (一般式(3−a)〜(3−d)で表される化合物は、R〜Rで互いに連結した多量体を形成してもよい。)
  5. 前記重合開始剤前駆体が、9−フルオレノン化合物、アントロン化合物、キサントン化合物、ジベンゾスベロン化合物、ジベンゾスベレロン化合物、アントラキノン化合物、ビアントロニル化合物、ビアントロン化合物、置換ベンゾフェノン化合物、ジベンゾイル化合物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  6. 前記重合開始剤前駆体が、下記式(1−1)〜(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 2013122901
    Figure 2013122901
    (一般式(1−24)は、4−フルオロ体又は4,4’−ジフルオロ体である。)
  7. 前記重合開始剤前駆体が、前記式(1−1)〜(1−12)、(1−15)〜(1−23)、(1−26)及び(1−27)で表される化合物もしくはその誘導体よりなる群から選択される少なくともいずれか1種である請求項6に記載の非水二次電池用電解液。
  8. 前記アニオン重合性モノマーが、芳香族置換ビニル化合物、炭酸ビニレン系化合物、または、アクリル系化合物の少なくともいずれか1つである請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  9. 前記アニオン重合性モノマーと前記重合開始剤前駆体との添加量が、それぞれ0.001mol/l以上0.1mol/l以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  10. 前記電解液が、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液と、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な正極と、当該イオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極とを備える非水電解質二次電池。
  12. 前記負極の活物質としてチタン酸リチウムを適用した請求項11に記載の非水電解質二次電池。
  13. 第1剤と第2剤とを混合して用いる非水二次電池用電解液のキットであって、
    前記第1剤が周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンもしくはそれを含む金属塩を含有し、前記第2剤がアニオン重合性モノマーを含有し、(A)下記一般式(1’)で表される化合物、(B)下記一般式(2)で表される化合物、または、(C)負極上において電位0〜1.9V(対リチウム換算)で還元される化合物のいずれかからなる重合開始剤前駆体を前記第1剤、前記第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させた非水二次電池用電解液のキット。
    Figure 2013122901
    (一般式(1’)のR101及びR102は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R101とR102は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1’)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
    一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1’)または(2)で表される化合物は、複数が結合して多量体を構成していてもよい。
  14. 前記(C)化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項13に記載の非水二次電池用電解液のキット。
    Figure 2013122901
    (一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
  15. 前記第1剤、前記第2剤、及びその他の剤の少なくともいずれか1つに含有させる前記重合開始剤前駆体が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物のいずれかである請求項13又は14に記載の非水二次電池用電解液のキット。
    Figure 2013122901
    (一般式(1)のR及びRは、芳香族基または複素芳香族基を表す。RとRは、直接あるいは連結基を介して結合し、式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成してもよい。
    ただし、式(1)で表される化合物が、負極上において電位1.9V超(対リチウム換算)で還元される化合物である場合は、RとRは式(1)のC=Oを含む5〜8員環を形成する。
    一般式(2)のR103及びR104は、芳香族基または複素芳香族基を表す。R103とR104は、直接あるいは連結基を介して結合し、式(2)の−C(=O)C(=O)−を含む6〜8員環を形成してもよい。
    一般式(1)または(2)で表される化合物は、複数のものが結合して多量体を構成していてもよい。)
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