JP2013120226A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる積層フィルムにおいて発生する気泡を抑えることができ、かつシワやスジ状の凹凸ムラの発生を抑えることができる積層フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】第1フィルムの少なくとも片面に、第2フィルムを一対のラミネートロール間を通過させことにより貼り合わせる積層フィルムの製造方法において、第1フィルムおよび第2フィルムの幅が、一対のラミネートロールの幅よりも長く、第1フィルムおよび第2フィルムの両側が、一対のラミネートロールの両側よりも外側にある状態で、前記貼り合わせを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1フィルムと第2フィルムを貼り合わせる積層フィルムの製造方法に関する。また、本発明の製造方法における貼り合わせは接着剤層または粘着剤層を介して行う場合に適用できる。本発明の製造方法は、各種積層フィルムの製造に適用でき、例えば、偏光板等の製造方法において有用である。その他、食品、医療機器などの包装に用いられる積層フィルムの製造において適用できる。
本発明の製造方法は、具体的には、例えば、第1フィルムとして偏光子を用い、第2透明フィルムとして偏光子用の透明保護フィルムを用いて、偏光板を製造する方法において用いることができる。また、本発明の製造方法は、第1フィルムとして偏光板を用い、第2フィルムとして粘着剤層を設けたセパレータを用い、偏光板に粘着剤層が設けられている粘着剤層付偏光板の製造方法に適用できる。また、本発明の製造方法は、第1フィルムとして粘着剤層付偏光板または偏光板を用い、第2フィルムとして表面保護フィルムを用いて、表面保護フィルム付きの偏光板または粘着剤層付偏光板の製造方法に適用できる。
従来、第1フィルムに接着剤層または粘着剤層を介して第2フィルムを貼り合せて、積層フィルムを製造するにはあたっては、一対のラミネートロールが用いられている。しかし、上記のラミネート法により、第1フィルムと第2フィルムの貼り合せを行うと得られる積層フィルムにおける第1フィルムと第2フィルムの間に気泡が発生する。またシワが発生したり、スジ状の凹凸ムラが生じたりする。
上記シワの発生等に関する課題に対しては、第1フィルム(ポリビニルアルコール系フィルム)と第2フィルム(セルロース系フィルム)を所定のニップ圧にて貼り合せる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法によっても、積層フィルムにおける第1フィルムと第2フィルムの間に発生する気泡は十分に抑えることができていない。また、第1フィルムの両面に、第2フィルムを接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせるにあたって、金属ロールと弾性ロールの一対のラミネートロールを用い、かつ、第2フィルムが金属ロールの側になるように、逐次に貼り合わせる方法が提案されている(特許文献2)。特許文献2によれば、第1フィルムと第2フィルムの間に発生する気泡を抑えることができ、かつシワやスジ状の凹凸ムラの発生を抑えることができるが十分とは言えなかった。
特開平10−166519号公報 特開2008−37092号公報
一般的に、積層フィルムの製造に用いられる第1フィルムと第2フィルムは、いずれか一方が他方よりも幅が長い組み合わせで用いられ、また短い方のフィルムは、ラミネートロールの幅よりも短い長さで用いられる。そのため、ラミネートロールの幅よりも短いフィルムは、当該フィルムの有無により、貼り合わせた積層フィルムの端部において厚み差が発生しやすい。ラミネートロール上で前記厚み差が発生することで、ラミネートの際に積層フィルムへの圧力が均等にかからなくなって、積層フィルムにシワが発生してしまう。例えば、偏光板の製造方法では、偏光子と透明保護フィルムを、接着剤層を介して貼り合わせるが、偏光子の幅は透明保護フィルムよりも狭い幅で、かつ、ラミネートロールの幅よりも短いため、得られる偏光板において、シワが発生しやすいものであった。
本発明は、第1フィルムの少なくとも片面に、第2フィルムを一対のラミネートロール間を通過させことにより貼り合わせる積層フィルムの製造方法であって、得られる積層フィルムにおいて発生する気泡を抑えることができ、かつシワやスジ状の凹凸ムラの発生を抑えることができる積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、以下に示す積層フィルムの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、第1フィルムの少なくとも片面に、第2フィルムを一対のラミネートロール間を通過させことにより貼り合わせる積層フィルムの製造方法において、
第1フィルムおよび第2フィルムの幅が、一対のラミネートロールの幅よりも長く、
第1フィルムおよび第2フィルムの両側が、一対のラミネートロールの両側よりも外側にある状態で、前記貼り合わせを行うことを特徴とする積層フィルムの製造方法、に関する。
前記積層フィルムの製造方法において、前記一対のラミネートロールは、少なくとも一方が弾性ロールであることが好ましい。前記弾性ロールとしては、金属製の芯部にゴム層または樹脂層でコーティングされた弾性ロールを好ましく用いることができる。また、前記弾性ロールは、ゴム層または樹脂層の硬度が、60以上100以下であることが好ましい。
前記積層フィルムの製造方法は、第1フィルムと第2フィルムを接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせる場合に適用することができる。
前記積層フィルムの製造方法は、例えば、第1フィルムが偏光子であり、第2フィルムが透明保護フィルムであり、前記偏光子と前記透明保護フィルムを貼り合わせて偏光板を製造する積層フィルムの製造方法、に適用することができる。
上記本発明の積層フィルムの製造方法では、第1フィルムと第2フィルムを一対のラミネートロール間を通過させことにより貼り合わせることにより製造するが、第1フィルムおよび第2フィルムは、いずれも一対のラミネートロールの幅よりも長いものを用いる。そして、第1フィルムおよび第2フィルムは、それぞれの両側が、一対のラミネートロールの両側よりも外側にある状態で、前記貼り合わせを行う。こうした状態で、第1フィルムと第2フィルムの貼り合わせを行うことで、一対のラミネートロール上において、第1フィルムと第2フィルムの幅の相違に基づく、厚み差の発生がなくなる。その結果、一対のラミネートロール上では、貼り合わせの際に第1フィルムと第2フィルムへの圧力が均等にかかって、積層フィルムの厚みの均一性を保つことができ、第1フィルムと第2フィルムの間に発生する気泡を抑えて、積層フィルムを製造することができる。また、シワが発生したり、スジ状の凹凸ムラが生じたりすることも抑えることができる。
前記積層フィルムの製造方法は、第1フィルムとして偏光子を用い、透明フィルムとして偏光子用の透明保護フィルムを用いて、偏光板を製造する方法において好適である。こうして得られる偏光板は、各フィルム間に気泡の発生がなく、またシワの発生やスジ状の凹凸ムラがなく外観良好である。またかかる偏光板は、面内均一性に優れており、高解像度であり、且つ高コントラストな液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)等の画像表示装置を実現することができる。
本発明の積層フィルムの製造方法を示す概念図である。
本発明の積層フィルムの製造方法に用いる、第1フィルムF1と、第2フィルムF2と、一対のラミネートロールR、R´の関係を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、一対のラミネートロールR、R´のラミネートロールRの側(図1では、片方のラミネートロールRのみを図示している。図1では、他方のラミネートロールR´については示していない。)の側から、第1フィルムF1と第2フィルムF2を貼り合わせている状態を示す概念図である。図1では、一方のラミネートロールRの側から、第2フィルムF2、第1フィルムF1の順で配置されており、次いで他方のラミネートロールR´が配置されている。第1フィルムF1の幅WF1および第2フィルムの幅WF2は、いずれもラミネートロールRの幅Wよりも長い。また、第1フィルムF1および第2フィルムFの両側が、一対のラミネートロールR、R´の両側よりも外側にある状態にある。なお、図1では、第2フィルムFの幅WF2が、第1フィルムF1の幅WF1よりも長い場合の例が示されているが、第1フィルムF1の幅WF1および第2フィルムの幅WF2は、一対のラミネートロールR、R´の幅Wよりも長ければ、いずれのフィルムの幅が長くてもよく、また両者の幅は同じでもよい。また、図1は他方のラミネートロールR´の幅WR´は第2フィルムFの幅WF2よりも短い場合の例であるが、他方のラミネートロールR´の幅WR´は、幅の短い方の第1フィルムF1の幅WF1よりも短ければ、ラミネートロールRの幅Wと同じであってもよく、また幅Wよりも短くてもよい。
図1において、ラミネートロールRの両側において、ラミネートロールRの幅Wよりも外側にある第1フィルムF1(幅の長さの短い方のフィルム)の両側の端部の幅wは、それぞれ、w1、w2として表わされている。前記幅w1、w2は、同じであってもよく、異なっていてもよい。前記幅wは1mm以上であるのが好ましく、さらには5mm以上であるのが好ましい。
本発明の製造方法では、積層フィルムの気泡を抑えことや、シワやスジ状の凹凸ムラの発生を抑える観点からは、少なくとも1方のラミネートロールRの幅W(mm)と、前記端部の幅w(mm)は、w/Wの値が0.0004以上であることが好ましく、さらには0.002以上であることが好ましい。前記ラミネートロールRの幅W、第1フィルムF1の幅WF1、第2フィルムFの幅WF2は、w/Wの値を満足するように適宜に選択するのが好ましい。
前記ラミネートロールRの幅Wは、通常、100〜5000mmであり、好ましくは1000〜2000mmである。第1フィルムF1の幅WF1および第2フィルムFの幅WF2は、通常、102〜5002mmであり、好ましくは1010〜2010mmである。なお、図1では、第2フィルムFの幅WF2は、第1フィルムF1の幅WF1よりも長い例が示されているが、第1フィルムF1の幅WF1および第2フィルムの幅WF2は、いずれもラミネートロールRの幅Wよりも長ければ、いずれのフィルムの幅が長くてもよく、また両者の幅は同じでもよい。
なお、第1フィルムF1の両面に、第2フィルムF2を貼り合わせる場合には、例えば、一対のラミネートロールR、R´に第1フィルムF1を搬送するとともにその両面に第2フィルムF2を搬送して第2フィルムF2を同時に貼り合せる同時ラミネート法、一対のラミネートロールR、R´に第1フィルムF1を搬送するとともにその片面に第2フィルムFを搬送して貼り合わせた後、次いで、第1フィルムF1の他の片面に別の透明フィルムF2を貼り合せる逐次ラミネート法のいずれも採用することができる。両面に用いる第2フィルムの材料は同じあってもよく、異なっていてもよい。
また、一対のラミネートロールR、R´、第1フィルムF1と第2透明フィルムF2は接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせることができる。前記接着剤層または粘着剤層は、第1フィルムF1と第2フィルムF2のいずれか少なく一方の側に設けられていれてもよく、また、第1フィルムF1と第2フィルムF2を貼り合せる直前に、濃度や粘度を調整した接着剤(溶液)または粘着剤(溶液)とともに、一対のラミネートロールR、R´を通すことにより圧着することができる。なお、積層フィルムの製造方法において、接着剤層または粘着剤層を形成する材料は、用いる第1フィルム、第2フィルムに応じて適宜に決定される。
ロールの材質、ロール径、貼り合わせるときの搬送速度等は適宜に調整され、また接着剤層または粘着剤層の厚さも適宜調整することができる。
前記ロールとしては、金属ロール、弾性ロールのいずれも採用することができるが、一対のラミネートロールのいずれか少なくとも一方は、フィルムへのダメージの軽減を図る点からの点から弾性ロールであることが好ましい。弾性ロールとしては、例えば、金属製の芯部にゴム層または樹脂層でコーティングされた弾性ロールを好ましく用いることができる。このゴム層または樹脂層の硬度としては、60以上のものが好ましく、65以上のものがより好ましく、70以上のものが更に好ましく用いられる。また、フィルム表面の傷つきを防止するためには、100以下のものが好ましく、90以下のものがより好ましい。このときの硬度としては、例えば、JIS K6253(1997)に開示される方法にて、市販のデュロメータ(タイプA)を用いて測定できる。なお、ゴム層または樹脂層の厚みは、面圧分布の均一性の点から、1〜15mm程度、さらには3〜10mm程度であるのが好ましい。
前記金属ロールの材料としては、例えば、鉄、ステンレス、チタン、アルミニウム等があげられる。金属ロールとしては、費用対効果および耐食性の点から、鉄ロールまたはステンレスロールが好適である。
さらに、前記各ロールの直径としては、直径が小さいほど第1フィルムF1と第2フィルムF2とが接触する面積が小さくなるため、相対的にフィルム面に加えられる圧力が高くなる。そのため、ロールの直径としては、250mm以下のものを用いることが好ましく、さらには200mm以下のものを用いることがより好ましい。ただし、この直径が小さくなりすぎると、ロールの耐久性が弱くなるために、十分な力を加えられなくなるため、50mm以上のロールを用いることが好ましく、100mm以上のロールを用いることがより好ましい。
また、貼り合わせるときの搬送速度は、特に制限されるものではなく、通常、2m/分〜50m/分程度で調整するのが好ましい。
また、貼り合わせるときのロール間のラミネート圧力は、特に制限されず適宜設定される。ラミネート圧力は調整のしやすさや積層フィルムの生産性の点から、0.2MPa以上5MPa以下程度であるのが好ましく、2MPa以上4MPa以下がより好ましい。ラミネート圧力が0.2MPaより小さいと十分な押圧ができないためフィルム間に気泡が発生する。またラミネート圧力が5MPaより大きいとロールや装置への負荷がかかり過ぎるため破損の原因となる。ラミネート圧力の測定は、富士フイルム社製の感圧紙「プレスケール」を用いて、当該感圧紙の色変化をコンピュータ画像処理により二値化し、その発色面積と濃度について、作製された圧力標準線の近似式から求められる。
本発明の積層フィルムの製造方法を、第1フィルムとして偏光子を用い、第2透明フィルムとして偏光子用の透明保護フィルムを用いて、偏光板を製造する場合について述べる。当該偏光板の製法方法では、偏光子の片面または両面に接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光板を製造する場合について述べる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。偏光子の厚さは、好ましくは15〜35μmである。偏光子の厚みの厚みが薄すぎると、透明保護フィルムと貼り合わせる際に、ダメージを受けやすくなる。一方、偏光子の厚みが厚すぎると、乾燥効率が悪くなる傾向があり、生産性の点で好ましくない。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
また偏光子の水分率は特に制限されず、通常、水分率10〜60重量%のものが好ましく、さらには12〜30重量%のものが好ましい。偏光子の水分率は、低い方が乾燥工程での乾燥効率が向上して、生産速度をあげることができる生産性の点で好ましい。また、偏光子の水分率は低い方が、光学特性の良好な偏光板が得られる点で好ましい。一方、偏光子の水分率が低すぎると、偏光子のフィルムとしての剛性が高くなって、ダメージを受けやすく外観欠点が発生し易くなる。このような偏光子の水分率は、一般に偏光子の製造工程中の乾燥処理の条件により調整できるが、必要に応じて別途調湿処理工程を設け、水浴中への浸漬や水滴の噴霧又は、再度の加熱乾燥や減圧乾燥を施しても良い。
前記偏光子の片面又は両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。なお、偏光子には、通常、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
本発明の透明保護フィルムとしては、セルロース樹脂(ポリマー)、ポリカーボネート樹脂(ポリマー)、環状ポリオレフィン樹脂(シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン)および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つを用いるのが好ましい。特にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを用いた場合に本発明の効果は顕著である。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。偏光子の厚みが薄すぎると、ダメージを受けやすくなる。偏光子の厚みが厚すぎると、乾燥効率が悪く、生産性に劣る。
なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。
透明保護フィルムの偏光子と接着する面には、易接着処理を施すことができる。易接着処理としては、プラズマ処理、コロナ処理等のドライ処理、アルカリ処理(ケン化処理)等の化学処理、易接着剤層を形成するコーティング処理等が挙げられる。これらのなかでも、易接着剤層を形成するコーティング処理やアルカリ処理が好適である。易接着剤層の形成には、ポリオール樹脂、ポリカルボン酸樹脂、ポリエステル樹脂等の各種の易接着材料を使用することができる。なお、易接着剤層の厚みは、通常、0.001〜10μm程度、さらには0.001〜5μm程度、特に0.001〜1μm程度とするのが好ましい。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤層は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。
接着剤層を形成する水系接着剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂には、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などの水溶性架橋剤を含有することができる。特に偏光子としてポリビニルアルコール系のポリマーフィルムを用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する接着剤を用いることが、接着性の点から好ましい。さらには、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、特に限定されるものではないが、接着性の点から平均重合度100〜3000程度、平均ケン化度は85〜100モル%程度が好ましい。また接着剤水溶液の濃度としては、目標とする接着剤層の厚さに応じて適宜決定すればよいため、特に限定されるものではないが、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。この溶液濃度が高すぎると粘度が上がりすぎるため、スジ状の凹凸ムラが発生しやすくなり、溶液濃度が低すぎると塗布性が悪くなりムラになりやすくなる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールが挙げられる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は一種を単独でまたは二種以上を併用することができる。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを公知の方法で反応して得られる。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸等の溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法等が挙げられる。またポリビニルアルコールにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法が挙げられる。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、0.1モル%以上であれば特に限定されるものではない。0.1モル%未満では、接着剤層の耐水性が不十分であり、不適当である。アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%程度、さらに好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは2〜7モル%である。アセトアセチル基変性度が40モル%を超えると架橋剤との反応点が少なくなり、耐水性の向上効果が小さい。このようなアセトアセチル基変性度は核磁気共鳴装置(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)を用いて測定することができる。
架橋剤としては、一般に接着剤に用いられているものを特に限定することなく使用でき、例えば前記のようなポリビニルアルコール系樹脂を用いた接着剤の場合、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物が好ましく使用できる。例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキルジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロールメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂;さらにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル等の二価金属、または三価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。これらの中でも、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、特にメチロール基を有するメチロール化合物が好適である。
架橋剤の配合量は、一般に樹脂100重量部に対して0.1〜35重量部程度であり、10〜25重量部のものが好ましく用いられるが、接着剤の耐久性を重視する場合には、接着剤の調製から接着剤層とするまでの時間(可使時間)が短くなることと引き換えに30重量部以上46重量部以下、より好ましくは32重量部以上40重量部以下の架橋剤を配合することも有効である。
ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型、熱硬化型等の各種のものを例示できるが、短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましい。特に、紫外線硬化型が好ましい。
硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物があげられる。これら硬化性成分は、単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。またこれら硬化性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適であり、例えば、各種のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートや、各種の(メタ)アクリレート系モノマー等があげられる。
硬化型接着剤は、硬化性成分を含むが、前記成分に加えて、硬化のタイプに応じて、ラジカル開始剤を添加する。前記接着剤を電子線硬化型で用いる場合には、前記接着剤にはラジカル開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型、熱硬化型で用いる場合には、ラジカル開始剤が用いられる。ラジカル開始剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部である。
また前記接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。金属化合物フィラーにより、接着剤層の流動性を制御することができ、膜厚を安定化して、良好な外観を有し、面内が均一で接着性のバラツキのない偏光板が得られる。
また、接着剤層の形成には、無溶剤または低溶剤状態で貼り合わせることのできるドライラミネート法を好ましく用いることができる。このドライラミネート法としては、従来公知のドライラミネート用接着剤および貼り合わせ方法を用いれば良いが、本発明に加えてこの方法を用いることができる。これにより、より一層のスジ状の凹凸ムラ等を低減する効果がある。
前記ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型接着剤、二液溶剤型接着剤、一液無溶剤型接着剤等が挙げられる。二液硬化型接着剤としてはアクリル系、二液溶剤型接着剤としては、ポリエステル系、芳香族ポリエステル系、脂肪族ポリエステル系、ポリエステル/ポリウレタン系、ポリエーテル/ポリウレタン系、一液無溶剤型接着剤(湿気硬化型タイプ)としてはポリエーテル/ポリウレタン系、等の樹脂を用いることができる。
前記接着剤層は、必要であれば適宜添加剤を含むものであっても良い。添加剤の例としては、カルボニル化合物などで代表される電子線による硬化速度や感度を上がる増感剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明保護フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属化合物フィラー以外)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤などがあげられる。
前記偏光子の両面に透明保護フィルムを接着剤層を介して貼り合せることで、偏光板が得られるが、接着剤層と、透明保護フィルムまたは偏光子との間には下塗り層や易接着処理層等を設けても良い。
前記製造方法により形成される接着剤層が水系接着剤等により形成される場合には、前記接着剤層の厚みは、30〜300nmであるのが好ましい。前記接着剤層の厚さは、さらに好ましくは60〜250nmである。一方、接着剤層が硬化型接着剤により形成される場合には、前記接着剤層の厚みは、0.1〜200μmであるのが好ましい。より好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
前記偏光板の製造方法において、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせた後には、接着剤の種類に応じて、硬化工程が施される。水系接着剤を用いた場合には乾燥工程が施される。乾燥工程の乾燥条件は、通常、乾燥温度40〜100℃程度で乾燥時間1〜10分間程度である。ラジカル硬化型接着剤の場合には、例えば、電子線、紫外線等が照射される。
本発明の製造方法により得られる偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層又は2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板又は半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板又は半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板又は円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
本発明の偏光板又は光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板又は光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板又は光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板又は光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板又は光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板又は光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
また、本発明の製造方法は、第1フィルムとして偏光板を用い、第2フィルムとして粘着剤層を設けたセパレータを用い、偏光板に粘着剤層が設けられている粘着剤層付偏光板の製造方法に適用できる。また、本発明の製造方法は、第1フィルムとして粘着剤層付偏光板または偏光板を用い、第2フィルムとして表面保護フィルムを用いて、表面保護フィルム付きの偏光板または粘着剤層付偏光板の製造方法に適用できる。
前記偏光板に光学機能層を積層する場合には、接着剤層または粘着剤層を介して積層する方法が好ましく用いられる。このときの接着剤層または粘着剤層としては、特に粘着剤からなる粘着剤層が好ましく用いられる。
粘着剤からなる粘着剤層としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の従来に準じた適宜な粘着剤にて形成することができる。この粘着剤としては、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる画像表示装置の形成性等の点により、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着剤層であることが好ましく、さらには、偏光板等の光学特性の変化を防止する点より、硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものであり、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものが好ましい。このような観点より、偏光板や光学フィルムにはアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。また、前記粘着剤には微粒子を添加して光拡散性を示す粘着剤層などとすることもできる。
このような接着剤層または粘着剤層は必要に応じて必要な面に設ければよく、例えば、本発明のような偏光子と透明保護フィルムから得られる偏光板について言及するならば、必要に応じて偏光板の片面または両面、すなわち、透明保護フィルムでは偏光子と貼着する反対側の面に粘着剤層を設ければよい。このように光学機能層を積層するために用いる場合の粘着剤からなる粘着剤層の乾燥後厚さとしては、特に限定されるものではないが、一般に1〜500μm程度であり、5〜200μmが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。接着剤層または粘着剤層の厚さをこの範囲にすることによって、偏光板や光学機能層の寸法挙動に伴う応力を緩和することができる。
前記粘着剤からなる粘着剤層が表面に露出する場合には、その粘着剤層を実用に供するまでの間の汚染防止等を目的としてセパレータにて仮着カバーすることが好ましい。セパレータは、前記の保護フィルム等に準じた適宜なフィルムに、必要に応じてシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設けたものを用いることが好ましい。
また表面保護フィルムとしては、基材フィルムに、粘着剤層を設けてその粘着剤層と共に基材フィルムを剥離できるように形成したものが用いられる。
以下に実施例および比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例および比較例によって限定されるものではない。
(偏光子1の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF−PS7500,幅2700mm)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま40℃で3分間乾燥して偏光子を得た。得られた偏光子の幅は1320mm、厚さは30μmであった。
(偏光子2の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF−PS7500,幅1100mm)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま40℃で3分間乾燥して偏光子を得た。得られた偏光子の幅は530mm、厚さは30μmであった。
(偏光子3の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF−PS7500,幅2650mm)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま40℃で3分間乾燥して偏光子を得た。得られた偏光子の幅は1280mm、厚さは30μmであった。
(偏光子4の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF−PS7500,幅1000mm)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま40℃で3分間乾燥して偏光子を得た。得られた偏光子の幅は480mm、厚さは30μmであった。
(偏光子5の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF−PS7500,幅2670mm)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま40℃で3分間乾燥して偏光子を得た。得られた偏光子の幅は1300mm、厚さは30μmであった。
(接着剤の調製)
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製:ゴセノール)100重量部と架橋剤(大日本インキ化学工業(株)製:ウォーターゾール)35重量部を純水3760重量部中に溶解して接着剤を調製した。
(ロール硬度の測定方法)
株式会社テクロック製GS−719N タイプAを用いて、JIS K6253(1997)に基づいてロール硬度を測定した。
実施例1
(偏光板の作製)
上記偏光子1(幅は1320mm)の両面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム社製:TD80UL)(幅は1330mm)を、前記接着剤を用いて貼り合わせた。接着剤は、乾燥後の膜厚が0.1μmになるように塗布した。貼り合わせには、ラミネートロールとして、第1ロールと第2ロールを用いて、圧着する形態で貼り合わせを行った。第1ロールとして、直径100mm・幅1300mmの鉄ロールを用いた。一方、第2ロールとして、鉄芯の周囲にゴム層(硬度60度、肉厚7mm)を有する構成の直径100mm・幅1300mmのゴムロールを用いた。偏光子1およびTACフィルムは、第1ロールおよび第2トールの両側における幅の差がそれぞれ等分になるように配置した。その後、60℃で3分間の乾燥を行って偏光板を製造した。また偏光板作製に用いたラミネート以外のニップロール幅は1400mmであった。貼り合わせるときのロール間のラミネート圧力は、3MPaとした。前記において、各フィルムの搬送速度は、30m/分であった。
実施例2〜6および比較例1〜4
実施例1において、偏光子の種類、ラミネートロールの幅、第1ロールの種類、第2ロールの種類、ニップロールの幅を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を
得た。
実施例および比較例で作製した偏光板について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
(シワ評価方法)
得られた偏光板から1000mm×幅方向サイズにサンプルを切り出し、フラットな状態で固定した。蛍光灯下において、サンプル表面に反射光が映り込むようにし確認する方法(1)と、蛍光灯に評価サンプルと直交するように偏光板サンプルを固定し、透過で確認する方法(2)の双方で目視により評価を実施した。評価は下記の基準によって行った。
○:偏光板表面にスジ状のムラも視認できない。
×:偏光板表面にスジ状のムラが視認できる。
(気泡の確認)
得られた偏光板から1000mm×幅方向サイズにサンプルを切り出し、偏光子とTACフィルムの間の気泡の数を確認した。確認方法は目視による確認で実施し、単位面積あたりの数値(個/m)に換算した。
Figure 2013120226
F1 第1フィルム
F2 第2
R ラミネートロール

Claims (6)

  1. 第1フィルムの少なくとも片面に、第2フィルムを一対のラミネートロール間を通過させことにより貼り合わせる積層フィルムの製造方法において、
    第1フィルムおよび第2フィルムの幅が、一対のラミネートロールの幅よりも長く、
    第1フィルムおよび第2フィルムの両側が、一対のラミネートロールの両側よりも外側にある状態で、前記貼り合わせを行うことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  2. 前記一対のラミネートロールは、少なくとも一方が弾性ロールであることを特徴とする請求項1記載の積層フィルムの製造方法。
  3. 前記弾性ロールが、金属製の芯部にゴム層または樹脂層でコーティングされた弾性ロールであることを特徴とする請求項2記載の積層フィルムの製造方法。
  4. ゴム層または樹脂層の硬度が、60以上100以下であることを特徴とする請求項3記載の積層フィルムの製造方法。
  5. 第1フィルムと第2フィルムを接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  6. 第1フィルムが偏光子であり、第2フィルムが透明保護フィルムであり、前記偏光子と前記透明保護フィルムを、貼り合わせて偏光板を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
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