JP2013119099A - スラブ幅方向の中心偏析のバラツキを抑制する連続鋳造方法 - Google Patents

スラブ幅方向の中心偏析のバラツキを抑制する連続鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スラブ鋳片の幅方向の中心偏析のバラツキを抑制する。
【解決手段】鋳型直下のロールスタンドからメニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンドまでの第2区間において、軸受箱率Rが0≦R≦0.2である幅方向範囲における比水量をWとし、軸受箱率Rが0.2<R≦1である幅方向範囲における比水量をWとし、この軸受箱率RをRとすると、W/Wは下記(1)式を満たす。
1.21R+0.76≦W/W≦2.61R+1.16 ・・・(1)
また、前記第2区間における鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲での比水量をWeとし、幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲での比水量をWmとすると、1.1≦We/Wm≦2.0である。また、鋳片がメニスカスを通過してからの時間t[min.]が5≦t≦10である第3区間において、ロールギャップを徐々に広げてバルジングを行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼のスラブの連続鋳造方法に関する。
スラブを連続鋳造するための連続鋳造機は、浸漬ノズルを介して溶鋼が注湯される鋳型と、鋳造方向に沿って並設された複数のロール対と、鋳造方向に隣接するロール間に配置された複数のノズルを備えている(例えば特許文献1参照)。鋳型からロール対によって引き抜かれた鋳片は、ロール対によって鋳造経路の下流側に送られながら、ノズルから噴霧される冷却水によって冷却される。鋳造経路を通過する鋳片は、主に、ロール面との接触による抜熱と、冷却水による抜熱によって冷却される。また、各ロールは、撓みの抑制と軸受への負担の軽減のために、軸方向に2〜4分割されるとともにその分割位置で軸受箱に支持された分割型ロールが用いられている場合が多い。この軸受箱は鋳片と接触しないようになっている。
特開2009−248115号公報
しかしながら、分割型ロールを用いた場合、軸受箱は鋳片と接触しないため、鋳片の軸受箱を通過した部位は、ロール面との接触による抜熱がないため、抜熱総量が他の部位よりも少なくなる。そのため、軸受箱を通過した部位で凝固遅れが生じて、その結果、凝固が遅れている部分の中心偏析が悪化して、幅方向の中心偏析にバラツキが生じてしまう。
また、一般的な2孔式の浸漬ノズルを用いた場合、浸漬ノズルから鋳型へ吐出された溶鋼流が、鋳型内の凝固シェルの幅方向端部に局所的に当たる場合がある(図2参照)。高温の溶鋼流が局所的に当たった箇所は入熱が増加し、シェルの成長が停滞する。また、図2に示すように、鋳型のコーナー部近傍は、長辺、短辺からの二方向の抜熱による凝固の熱収縮により、鋳型と鋳片との間に隙間が生じやすいため、抜熱が低下しやすい。そのため、鋳片の幅方向端部において凝固遅れが生じて、中心偏析にバラツキが生じる場合がある(図5参照)。
そこで、本発明は、軸受箱に起因する凝固遅れと、吐出流の偏流に起因する鋳片幅方向端部の凝固遅れを低減して、幅方向について凝固完了位置のバラツキを抑制して、中心偏析のバラツキを低減できる連続鋳造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のスラブ幅方向の中心偏析のバラツキを抑制する連続鋳造方法は、鋳造方向に沿って並設された複数のロール対を備えるスラブ用連続鋳造機を用いて、連続鋳造する方法であって、前記ロール対は、鋳片を挟んで対向配置される2つのロールで構成され、複数対ごとにロールスタンドに設置され、前記ロールは、鋳片幅方向に2〜4分割されると共に分割位置で軸受箱に支持されており、炭素濃度Cが、0.03〜0.60[mass%]であり、鋳型上端における短辺内寸Dが、280〜310[mm]であり、鋳造速度Vcが、0.70〜1.30[m/min.]であり、メニスカス距離M[m]が0.0011Vc(D/2)≦M≦0.0013Vc(D/2)である第1区間における圧下勾配Tp[mm/m]が、0.5≦Tp≦1.2であり、鋳型直下から最下流ロールまでの比水量が、0.5〜1.5[L/kg-steel]であって、鋳型直下のロールスタンドからメニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンドまでの第2区間に鋳造方向に並設された複数のロールについて、鋳片幅方向位置において、前記ロールの全本数に対する、その幅方向位置に軸受箱が存在するロールの本数の比率を軸受箱率Rとし、前記第2区間の0≦R≦0.2である幅方向範囲における比水量をW[L/kg-steel]とし、前記第2区間の0.2<R≦1である幅方向範囲における比水量をW[L/kg-steel]、軸受箱率RをRとすると、0.5≦W≦1.5であって、下記(1)式を満たし、
1.21R+0.76≦W/W≦2.61R+1.16 ・・・(1)
鋳型上端における長辺内寸をAとし、前記第2区間における鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲での比水量をWe[L/kg-steel]とし、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲での比水量をWm[L/kg-steel]とすると、1.1≦We/Wm≦2.0であって、鋳片がメニスカスを通過してからの時間t[min.]が5≦t≦10である第3区間において、ロールギャップを徐々に広げてバルジングを行い、バルジング量Xb[mm]が、3.0≦Xb≦5.0であり、バルジング勾配Tb[mm/min.]が、Tb≦2.0であることを特徴とする。
この構成によると、軸受箱率が0.2より大きい幅方向範囲に対する冷却水量(比水量)を、軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲に対する冷却水量(比水量)よりも多くすることで、ロール面との接触による抜熱量が少ない部位に対する冷却水量を増加させている。そのため、軸受箱を通過した部位で凝固遅れが生じることを抑制できる。
また、吐出流の偏流に起因する凝固遅れが生じる鋳片の幅方向両端部に対する冷却水量を、鋳片の中央部に対する冷却水量よりも多くするとともに、適切な区間でバルジングを行うことにより、鋳片幅方向端部における凝固遅れを解消できる。
したがって、軸受箱に起因する凝固遅れと、吐出流の偏流に起因する鋳片幅方向端部の凝固遅れを抑制できるため、スラブの幅方向の中心偏析のバラツキを抑制することができ、偏析度CMAX/Cを1.1以下とすることができる。
軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲では、軸受箱による抜熱量の低下は無視できるレベルであるため、軸受箱率が全て0.2以下であれば、鋳片幅方向について冷却水量が均一であっても、中心偏析のバラツキの発生を抑制できる。しかし、軸受箱率を全て0.2以下にするには、分割位置の異なる複数種類のロールが必要となる。
本発明では、軸受箱率に応じて冷却水量を調整することで中心偏析のバラツキの発生を抑制するため、軸受箱率は0.2以上であってもよい。そのため、使用するロールの種類を少なくできる。
本発明の実施形態に係る連続鋳造機を模式的に示した図である。 鋳型内に浸漬ノズルから溶鋼が注湯されている状態を示す断面図である。 図1に示す連続鋳造機が備えるロールスタンドを鋳造方向下流側から見た図である。 図3のIII−III線断面図である。 (a)はバルジング実施前の鋳片の横断面図であって、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)はバルジング実施時の鋳片の横断面図であって、(b)は(a)のB−B線断面図である。 バルジング実施時のメニスカス距離とロールギャップとを示すグラフである。 冷却水量が幅方向に均一な場合の中心偏析と軸受箱率との関係を示すグラフである。 部分強冷却区間の終端位置を変化させた場合の凝固完了時間の変化を示すグラフである。 (a)は凝固シェル厚が薄い場合の水平割れの発生箇所を説明する図であり、(b)は凝固シェル厚が厚い場合の水平割れの発生箇所を説明する図である。 ロール配置の他の例を示す図である。 比較例36のバルジング実施時のメニスカス距離とロールギャップを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の連続鋳造方法に用いられる連続鋳造機1の構成を示している。連続鋳造機1は、浸漬ノズル2を介して溶鋼が注湯される矩形状の鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って並設された複数のロール対5と、鋳造経路Qを通過する鋳片20に対して冷却水(ミスト)を噴霧する複数のノズル16、17とを備えている。図2に示すように、浸漬ノズル2は2孔式である。
本実施形態の連続鋳造機1は、垂直曲げ型の連続鋳造機であって、鋳造経路Qは、鋳型3の直下からほぼ鉛直下方に延びる垂直領域と、緩やかに湾曲する曲げ領域と、ほぼ水平に延びる水平領域とを有している。
ロール対5は、鋳片20の上側に配置される上ロール6と、鋳片20を挟んで上ロール6と対向配置される下ロール7で構成される。また、ロール6、7には、駆動力を持たずスラブを支持するためのフリーロールと、スラブの支持及び引き抜きのための駆動ロールの2種類が存在する。図4に示すように、鋳造方向に隣接する下ロール7の間には、鋳片幅方向にほぼ等間隔に並列した複数本の下ノズル17が配置されている。また、鋳造方向に隣接する上ロール6の間には、鋳片幅方向にほぼ等間隔に並列した複数本の上ノズル16が配置されている。
この連続鋳造機1では、鋳型3へ注湯された溶鋼が鋳型3によって冷却(一次冷却)されることで、凝固シェル20aが形成される。これにより、外側に凝固シェル20aを有し、内部に未凝固部20bを有するスラブ鋳片20が形成される。鋳型3内の鋳片20は、ロール対5によって鋳型3から引き抜かれて、鋳造経路Qの下流側に送られながら、ノズル16、17から噴霧される冷却水によって冷却(二次冷却)される。鋳造経路Qを通過する鋳片20の内部では、凝固シェル20aが鋳片20の中心に向かって徐々に凝固成長していき、最終的に、内部まで完全に凝固した鋳片20が形成される。
本実施形態の連続鋳造方法は、厚板または薄板鋼板の素材となるスラブ鋳片を鋳造対象としている。鋼の炭素濃度は、0.03〜0.60[mass%]であり、炭素以外の他の元素の含有量は特に限定されない。また、鋳型3の上端における短辺内寸(鋳片厚み方向の開口幅)Dは、280〜310[mm]であって、鋳型3の上端における長辺内寸Aは、特に限定されないが、例えば1200〜2400[mm]である。また、鋳造速度(鋳片の引抜き速度)Vcは、0.7〜1.3[m/min.]である。
また、鋳型直下から最下流ロールまでの比水量(以下、全比水量という)Wは、0.5〜1.5[L/kg-steel]である。なお、全比水量Wは、鋳型直下から最下流ロールまでの単位時間当たりの冷却水量を、単位時間当たりの鋳造鋳片重量で除することで算出される。また、全比水量Wのうち、鋳片上面を冷却するために用いられる冷却水量と、鋳片下面を冷却するために用いられる冷却水量との比は、1:0.5〜2.2である。
また、本実施形態の連続方法では、鋳片がメニスカス位置を通過してからの時間t[min.]が5≦t≦10であるバルジング区間(第3区間)において、ロールギャップ(上ロール6と下ロール7のロール面間の最短距離)を徐々に広げてバルジングを行う。なお、バルジングとは、鋳片内部の液相の未凝固部20bの静圧によって鋳片が膨らむ現象のことであって、バルジングを行うとは、意図的にバルジングさせることである。また、ロールギャップを徐々に広げるとは、例えば図7に示すように、バルジングの途中でロールギャップを狭くすることなく広げることを意味する。なお、図12は、バルジングの途中でロールギャップを狭める場合の一例である。
図2に示すように、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼流が凝固シェルの幅方向端部に局所的に当たることで、図5に示すように、鋳片幅方向端部において凝固遅れが生じる場合があるが、バルジングを行うことで、図6に示すように、未凝固部20bの幅方向中央部の厚さが厚くなるため、幅方向に関して未凝固部20bの厚さが均一に近い状態となる。
バルジング区間におけるバルジング量Xbは、3.0〜5.0[mm]である。バルジング量Xbとは、バルジング区間における最大ロールギャップから最小ロールギャップを引いた値である。
バルジング区間におけるバルジング勾配Tbは、全て2.0[mm/min.]以下である。上流側からi番目のロール対5のロールギャップの設定値をG[mm]し、i番目のロール対5のメニスカス距離をM[m]とすると、メニスカス距離M[m]とメニスカス距離Mi+1[m]との間の区間のバルジング勾配Tb[mm/min.]は、下記式で定義される。
Tb=Vc(G−Gi+1)/(M−Mi+1)
図7に示すように、最初にTb>0となったときのメニスカス距離Mが、バルジングの開始位置であって、最大ロールギャップのロール対の位置が、バルジングの終了位置である。バルジングを開始してから終了するまでのバルジング勾配Tb[mm/min.]は、0≦Tb≦2の範囲内であれば、一定であって変動してもよい。
鋳片がメニスカス位置(鋳型内の溶鋼の湯面の位置)を通過してから完全凝固するまでの時間をt、凝固定数をkとすると、D/2=kt0.5の関係が成り立つ(例えば、鉄鋼基礎共同研究会,連続鋳造における力学的挙動部会『連続鋳造における力学的挙動』S60.04,27頁3行目)。なお、凝固定数kは、鋳片の冷却条件によって変化する。
凝固の進行度合いがα(0<α≦1)のとき、即ち、凝固シェルの厚みが完全凝固に対してαまで進んだ状態となるときのメニスカス距離をMとすると、上式は、(α×D)/2=k(M/Vc)0.5となり、これを展開することで、M=(α/k)×Vc×(D/2)が得られる。なお、メニスカス距離とは、メニスカスを起点として、鋳造経路Qに沿った距離である。
したがって、凝固の進行度合いがα1からα2である区間は、(α1/k1)×Vc×(D/2)≦M≦(α2/k2)×Vc×(D/2)と表現できる。
本実施形態の連続鋳造方法では、メニスカス距離Mが0.0011Vc(D/2)≦M≦0.0013Vc(D/2)である圧下区間(第1区間)において、所定の圧下勾配Tpで圧下する。圧下区間は、(α/k)が、0.0011以上0.0013以下の区間である。圧下勾配Tpは、0.5〜1.2[mm/m]である。圧下勾配Tpとは、鋳造方向距離に対するロールギャップの変化量である。上流側からi番目のロール対5のロールギャップの設定値をG[mm]し、i番目のロール対5のメニスカス距離をM[m]とすると、メニスカス距離M[m]とメニスカス距離Mi+1[m]との間の区間の圧下勾配Tp[mm/m]は、下記式で定義される。
Tp=(G−Gi+1)/(Mi+1−M)
圧下区間における圧下勾配Tpは、上記数値範囲内であれば、一定であっても変動してもよい。
図3および図4に示すように、ロール対5は、複数対ごとにロールスタンド4に設けられている。図3に示すように、ロールスタンド4は、複数の上ロール6を支持する上フレーム9と、複数の下ロール7を支持する下フレーム10と、上下フレーム9、10を連結すると共に、上フレーム9を下フレーム10に対して上下方向に移動させるシリンダー11とを備えている。なお、図3は、ノズル16、17を省略して表示している。
ロール6、7の両端は、軸受けを介して軸受箱8aに支持されている。また、ロール6、7は、軸方向(鋳片幅方向)に2分割されており、その分割位置で軸受けを介して軸受箱8bに支持されている。このような分割型のロールを用いることにより、ロールの撓みを抑制できると共に、軸受への負担を軽減できる。また、軸受箱8bは、鋳片20と接触しないように、ロール面よりも鋳片20から離れている。
図4に示すように、複数の下ロール7の軸受箱8bは、千鳥状に配列している。つまり、軸受箱8bは、ロール1本おきに、鋳片幅方向について同じ位置に配置されている。本実施形態では、鋳型直下から最下流までの全ての下ロール7のうちの大部分(具体的にはフリーロール)の軸受箱8bが、図4と同様の千鳥状配列となっている。
図4に示すように、下ロール7の軸受箱8bが存在する幅方向範囲を図4中左側から順にS1、S2とする。また、下ロール7の軸受箱8bが存在しない幅方向範囲を図4中左側から順にT1、T2、T3とする。
また、1つのロール対5を構成する上ロール6と下ロール7の軸受箱8bは、左右対称な位置に配置されている(図3参照)。したがって、図示は省略するが、上ロール6の軸受箱8bが存在する幅方向範囲は、下ロール7の軸受箱8bが存在する幅方向範囲S1、S2と同じである。また、鋳型直下から最下流までの全ての上ロール6のうちの大部分(具体的にはフリーロール)の軸受箱8bは、下ロール7と同様に、千鳥状に配列している。
鋳型3の直下のロールスタンド4からメニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンド4までの区間を部分強冷却区間(第2区間)とする。この部分強冷却区間に配置された複数の上ロール6について、鋳片幅方向位置において、上ロール6の全本数に対する、その幅方向位置に軸受箱8bが存在する上ロール6の本数の比率を、上ロール6の軸受箱率Rとする。また、部分強冷却区間に配置された複数の下ロール7について、鋳片幅方向位置において、下ロール7の全本数に対する、その幅方向位置に軸受箱8bが存在する下ロール7の本数の比率を、下ロール7の軸受箱率Rとする。
上ロール6の軸受箱8bがある幅方向範囲S1、S2の軸受箱率Rは、下ロール7の軸受箱8bがある幅方向範囲S1、S2の軸受箱率Rとほぼ同じである。なお、部分強冷却区間に駆動ロールがある場合や、部分強冷却区間のロール本数が奇数の場合、上ロール6の軸受箱率Rと下ロール7の軸受箱率Rとは若干異なる。以下、上ロール6の軸受箱率Rと下ロール7の軸受箱率Rの平均を単に軸受箱率Rと称する。
部分強冷却区間の幅方向範囲T1〜T3における軸受箱率Rは全て0である。また、部分強冷却区間の幅方向範囲S1、S2における軸受箱率Rは共に0.5である。以下、幅方向範囲S1、S2における軸受箱率Rを、R(=0.5)と総称する。
部分強冷却区間の幅方向範囲T1〜T3における比水量をWT1〜WT3とする。比水量WT1は、部分強冷却区間の幅方向範囲T1に先端が位置する複数の上下ノズル16、17による単位時間当たりの冷却水量[L/min.]を、部分強冷却区間の幅方向範囲T1における単位時間当たりの鋳造鋳片重量[kg/min.]で除することで算出される。本実施形態では、比水量WT1〜WT3は、0.5〜1.5[L/kg-steel]の範囲内である。
また、部分強冷却区間の幅方向範囲T1〜T3全体での比水量をWとする。比水量Wは、0.5〜1.5[L/kg-steel]の範囲内である。比水量Wのうち、鋳片上面を冷却するために用いられる冷却水量と、鋳片下面を冷却するために用いられる冷却水量との比は、1:0.5〜2.2である。
また、部分強冷却区間の幅方向範囲S1、S2における比水量をWS1、WS2とする。本実施形態では、比水量WS1、WS2は同じ値である。以下、比水量WS1、WS2をWと総称する。比水量Wは、以下の式を満たす値である。
1.21R+0.76≦W/W≦2.61R+1.16 ・・・(1)
つまり、1.37≦W/W≦2.47である。また、比水量Wのうち、鋳片上面を冷却するために用いられる冷却水量と、鋳片下面を冷却するために用いられる冷却水量との比は、1:0.5〜2.2である。
また、部分強冷却区間において、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲における比水量をWe[L/kg-steel]とし、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲における比水量をWm[L/kg-steel]とする。水量比We/Wmは、1.1≦We/Wm≦2.0を満たす。鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲における比水量は互いに同じである。また、比水量Wmのうち、鋳片上面を冷却するための冷却水量と、鋳片下面を冷却するための冷却水量との比は、1:0.5〜2.2である。比水量Weについても、鋳片上面冷却用の冷却水量と、鋳片下面冷却用の冷却水量との比は、1:0.5〜2.2である。
本実施形態では、幅方向範囲S1、S2に先端が位置する下ノズル17(図4中太線の白丸で表示)と、幅方向範囲T1〜T3に先端が位置する下ノズル17(図4中細線の白丸で表示)と、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲に位置する下ノズル17(図4中黒丸で表示)とは、異なるヘッダー(図示省略)に接続されている。また、上ノズル16についても同様に、幅方向範囲S1、S2に先端が位置する上ノズル16と、幅方向範囲T1〜T3に先端が位置する上ノズル16と、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲に位置する上ノズル16とは、異なるヘッダー(図示省略)に接続されている。そして、ヘッダーに供給する水量を調整して、ノズル16、17の噴霧水量を調整することで、W/Wが上術の(1)式を満たすとともに、We/Wmが1.1〜2.0の範囲内となっている。
また、部分強冷却区間よりも下流側の区間では、幅方向範囲S1、S2における比水量を、幅方向範囲T1〜T2における比水量よりも多くしなくてよい。また、部分強冷却区間よりも下流側の区間では、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲における比水量を、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲における比水量よりも多くしなくてよい。
図8は、鋳片幅方向について均一にミスト冷却した場合の軸受箱率と偏析度C/Cとの関係を示すグラフである。図8に示すように、軸受箱率が0.2以下の場合、偏析度C/Cは、実用上、品質に問題がないレベルである1.1以下となる。この結果から、軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲については、軸受箱による抜熱量の低下は無視できるレベルであることがわかる。
本発明では、軸受箱率が0.2より大きい幅方向範囲の偏析度を1.1以下とするために、上述の圧下区間において、所定の圧下勾配Tpで圧下すると共に、部分強冷却区間において、軸受箱率R>0.2の幅方向範囲の比水量Wを、軸受箱率R≦0.2の幅方向範囲の比水量Wよりも多くして、上述の(1)式を満たすようにしている。
メニスカス距離Mが0.0011Vc(D/2)≦M≦0.0013Vc(D/2)である圧下区間の圧下勾配Tpを0.5〜1.2[mm/m]とすることにより、鋳片の凝固収縮量を補完して、軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲における偏析度C/Cを1.2以下とすることができる。以下、その根拠となる試験について説明する。
圧下勾配Tp(0.5≦Tp≦1.2)で圧下する区間を変えて試験を行った。各試験の炭素濃度C[mass%]、鋳型上端の短辺内寸D[mm]、鋳造速度Vc[m/min.]、全比水量W[L/kg-steel]、圧下勾配Tp[mm/m]、圧下区間の開始位置および終了位置のメニスカス距離[m]を、表1に示す。なお、表1中の炭素濃度C、鋳型の短辺内寸Dおよび圧下勾配Tpのa〜cの数値は、表2に示す通りである。また、表1には、圧下区間の開始位置と終了位置のメニスカス距離を、(α/k)×Vc×(D/2)で表した場合の係数(α/k)に対応する数値を表示している。
Figure 2013119099
Figure 2013119099
この試験では、上ロールの軸受箱率と下ロールの軸受箱率とはほぼ同じであって、軸受箱率(上ロールと下ロールの軸受箱率の平均)が0の幅方向範囲と、0.2より大きい幅方向範囲を有する。後者の軸受箱率Rは、表1に示す通りである。また、この試験では、軸受箱率Rの幅方向範囲における比水量と、軸受箱率Rが0の幅方向範囲における比水量は同じである。
各試験で鋳造された鋳片の中心偏析を以下の方法で調べた。
第1に、鋳片を長手方向に対して垂直に切断した。第2に、Φ5mmのドリル刃を用いて、該切断面を腐食させて現れた中心偏析痕に沿って10mm間隔で深さ20mm程度穿孔し、複数の切粉試料を採取した。第3に、上記第2で得られた切粉試料の炭素含有量C[wt%]を燃焼赤外線吸収法により測定した。第4に、上記第3で測定した複数の切粉試料の炭素含有量Cのうち最も高い値をCMAX[wt%]として記録した。第5に、同断面で、鋳片表面から鋳片の厚みの1/4だけ内側の位置(中心偏析が存在しない部位)で、上記第2と同様の方法で切粉試料を採取した。第6に、上記第5で得られた切粉試料の炭素含有量C[wt%]を測定し、上記第4で記録されたCMAX[wt%]との比CMAX/Cを算出した。その結果を表1に示す。
MAX/Cが1.2以下だった試験を「○」と、CMAX/Cが1.2より大きい試験を「×」と判定した。
表1の結果から、圧下勾配Tpで圧下する区間の開始位置における係数(α/k)が0.0011以下で、終了位置における係数係数(α/k)が0.0013以上の場合に、CMAX/C≦1.2となることがわかった。つまり、メニスカス距離Mが、0.0011Vc(D/2)≦M≦0.0013Vc(D/2)である区間を、0.5〜1.2の圧下勾配Tpで圧下することにより、軸受箱率Rが0.2より大きくても、偏析度CMAX/Cを1.2以下とすることができる。
本実施形態の連続鋳造方法では、部分強冷却区間において、軸受箱率Rが0.5である幅方向範囲S1、S2に対する冷却水量(比水量)を、軸受箱率Rが0の幅方向範囲T1〜T3に対する冷却水量(比水量)よりも多くすることで、ロール面との接触による抜熱量が少ない部位に対する冷却水量が増加させている。これにより、軸受箱8bを通過した部位で凝固遅れが生じることを抑制できる。
また、本実施形態の連続鋳造方法では、たとえ吐出流の偏流によって鋳片幅方向端部で凝固遅れが生じた場合であっても、部分強冷却区間において、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲における比水量Weを、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲における比水量Wmよりも1.1〜2.0倍多くしているため、鋳片幅方向端部における凝固遅れを解消できる。また、バルジング区間内において、所定のバルジング勾配Tbおよびバジルング量Xbでバルジングを行うため、未凝固部20bの厚さを均一に近い状態にでき、鋳片幅方向端部における凝固遅れを解消できる。
したがって、軸受箱8bに起因する凝固遅れと、吐出流の偏流に起因する鋳片幅方向端部の凝固遅れを抑制できるため、スラブの幅方向の中心偏析のバラツキを抑制することができ、偏析度CMAX/Cを1.1以下とすることができる。
上述したように、軸受箱率Rが0.2以下の場合、軸受箱による抜熱量の低下は無視できるレベルである(図8参照)。したがって、軸受箱率Rが全て0.2以下であれば、鋳片幅方向について冷却水量が均一であっても、中心偏析のバラツキの発生を抑制できる。しかし、軸受箱率Rを全て0.2以下にするには、分割位置の異なる複数種類のロールが必要となる。
本実施形態では、軸受箱率Rに応じて冷却水量を調整することで中心偏析のバラツキの発生を抑制するため、軸受箱率Rが0.2以上となる範囲があってもよい。そのため、使用するロールの種類を少なくできる。
次に、部分強冷却区間の終端を、メニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンドとした根拠とその効果について説明する。
図9のグラフは、伝熱凝固計算によるものであって、部分強冷却区間の終端位置を変えた場合における凝固完了時間の変化を示している。図9の縦軸は、部分強冷却区間の終端位置を0とした場合(幅方向について比水量を変化させない場合)の凝固完了時間との差を示している。この試験では、軸受箱がある幅方向範囲の軸受箱率Rを1とした。軸受箱率R=0である幅方向範囲の比水量Wと、軸受箱率R=1.0である幅方向範囲の比水量Wとの比W/Wは、2または3とした。その他の計算条件は、以下の通りである。
・鋳造速度Vc:1.2 m/min.
・鋳型の上端の短辺内寸D:280 mm
・全比水量W:1.37 L/kg-steel
・ロール接触による鋳片表面の熱伝達係数h:0.042cal/(cm2・s.・deg.)
・空冷による鋳片表面の熱伝達係数h:0.011cal/(cm2・s.・deg.)
・水冷による鋳片表面の熱伝達係数h:0.020〜0.057cal/(cm2・s.・deg.)
・凝固シェルの熱伝導率λ(T=500〜1600℃):0.064〜0.095cal/(cm・s.・deg.)
図9から明らかなように、W/Wが2、3いずれの場合とも、部分強冷却区間の終端位置が15mの場合と20mの場合の凝固完了時間の差は3秒程度である。したがって、終端位置が15mより大きくなると、凝固遅れを軽減する効果の増加幅は非常に小さくなることがわかる。
ここで、ロール接触と空冷と水冷による鋳片表面の熱伝達係数をhとすると、鋳片冷却時の総熱抵抗θは、θ=(D/λ)+(1/h)で表される。メニスカス距離が15m以下の領域では、凝固シェルの厚みDが薄いため、鋳片からの抜熱に対しては、凝固シェルの熱伝達抵抗(D/λ)よりも、鋳片表面の熱伝達抵抗(1/h)が支配的となる。一方、メニスカス距離が15mを超える領域では、凝固シェルの厚みが厚くなるため、鋳片からの抜熱に対しては、鋳片表面の熱伝達抵抗(1/h)よりも、凝固シェルの熱伝達抵抗(D/λ)が支配的となり、鋳片表面の熱伝達抵抗の変化(ロール接触とミストによる抜熱量の変化)は、凝固遅れにほとんど影響を及ぼさない。そのため、図9に示すように、部分強冷却区間の終端位置のメニスカス距離が15mより大きくなると、凝固遅れを軽減する効果の増加幅は非常に小さくなる。
また、図9は、シェル厚が薄く、部分強冷却による効果が最も大きくなるR=1.0の場合の計算結果である。軸受箱率Rが小さくなるほど部分強冷却による効果は小さくなるため、0.2<R≦1.0においては、部分強冷却区間の終端位置のメニスカス距離を15mとすれば、凝固遅れを十分に低減できる。
また、鋳片の幅方向端部の凝固遅れを低減するために、鋳片幅方向端部を中央部よりも冷却する区間についても、終端位置のメニスカス距離を15mとすれば十分である。
図9は、0<R≦1の範囲で、シェル厚が最も小さく、凝固完了時間の変化が最も大きくなるR=1の場合の計算結果であるが、比水量比W/Wによらず、終端位置のメニスカス距離が15mと20mでは凝固完了時間の差が小さくなる。この結果は、鋳片幅方向端部の凝固遅れを低減するために鋳片幅方向端部を中央部よりも強冷却する場合でも同様に適用でき、終端位置のメニスカス距離が15mを超えると、凝固完了時間を変化させる効果は小さくなる。
したがって、本実施形態では、鋳型直下のロールスタンド4からメニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンド4までの区間である部分強冷却区間において、軸受箱8bを通過する部位と鋳片幅方向端部を強冷却することで、これらの部位での凝固遅れを抑制でき、中心偏析のバラツキを抑制することができる。
また、部分強冷却区間よりも下流側においては、冷却水量を幅方向に関して制御することは不要であり、冷却水量を無駄に多くする必要がない。
水量比W/Wが、「1.21R+0.76」よりも小さい場合、軸受箱を通過する部位における凝固遅れを十分に解消することができない。
また、水量比W/Wが、「2.61R+1.16」よりも大きい場合、軸受箱を通過する部位での凝固が進みすぎて、凝固完了までの時間が早くなりすぎるため、中心偏析にバラツキが生じる。
本実施形態では、水量比W/Wを上述の(1)式を満たす値とすることにより、軸受箱を通過する部位での凝固遅れを抑制できる。
軸受箱率Rが0.2以下の幅方向範囲において、冷却水量が少なすぎる場合、ロール間でバルジングが生じるため、鋳片の内部に稲妻状の割れ(以下、稲妻状割れという)が生じやすくなる。
一方、軸受箱率Rが0.2以下の幅方向範囲において、冷却水量が多すぎる場合、鋳片表面に割れが発生しやすくなる。特に、炭素濃度Cが0.08〜0.2[mass%]の中炭素鋼と呼ばれる鋼の場合にこの表面割れが生じやすい。
本実施形態では、軸受箱率Rが0.2以下の幅方向範囲における冷却水量を適切な値とすることで、稲妻状割れと表面割れの発生を防止している。具体的には、軸受箱率Rが0.2以下の幅方向範囲における比水量Wを、0.5〜1.5[L/kg-steel]の範囲内とすることで、稲妻状割れと表面割れの発生を防止できる。
水量比We/Wmが、1.1より小さい場合、鋳片の幅方向端部における凝固遅れを十分に解消することができない。
また、水量比We/Wmが、2.0より大きい場合、鋳片幅方向端部の過冷却が原因で鋳片幅方向端部において表面割れが生じたり、鋳片の幅方向中央部の冷却不足が原因で鋳片の幅方向中央部において稲妻状割れが生じたりしやすくなる。
本実施形態では、水量比We/Wmを、1.1以上2.0以下とすることにより、表面割れおよび稲妻状割れの発生を抑制しつつ、鋳片幅方向端部における凝固遅れを抑制できる。
鋳片がメニスカスを通過してからの時間tが5min.未満の区間において、バルジングを行った場合、図10(a)に示すように、凝固シェルの厚みが薄いため、未凝固部の静圧によって凝固シェルが変形するときに凝固シェルのコーナー近傍部に幅方向の引張り歪がかかるため、鋳片のコーナー近傍部に水平割れが発生しやすくなる。なお、図10(a)中、水平割れの発生しやすい箇所に、ドットのハッチングを表示した。
また、鋳片がメニスカスを通過してからの時間tが10min.を超える区間においてバルジングを行った場合、図10(b)に示すように、凝固シェルの厚みが厚いため、未凝固部の静圧によって凝固シェルが変形するときに、短辺の凝固シェルにかかる鋳片厚み方向の引張り歪が大きくなるため、鋳片の幅方向端部の厚み方向中央部に水平割れが発生しやすくなる。なお、図10(b)中、水平割れの発生しやすい箇所に、ドットのハッチングを表示した。
本実施形態では、鋳片がメニスカスを通過してからの時間tが5〜10min.である区間においてバルジングを行うことにより、水平割れの発生を抑制できる。
バルジング量Xbが3.0mmより小さい場合、鋳片の幅方向端部における凝固遅れを十分に解消することができない。
また、バルジング量Xbが5.0mmより大きい場合、鋳片の幅方向端部に水平割れが生じやすい。
本実施形態では、バルジング量Xbを、3.0≦Xb≦5.0とすることにより、水平割れの発生を抑制しつつ、鋳片幅方向端部において凝固遅れが生じるのを抑制できる。
バルジング勾配Tbが2.0mm/min.よりも大きい場合、鋳片の幅方向端部に水平割れが発生しやすくなる。
本実施形態では、バルジング勾配Tbを、2.0mm/min.以下とすることにより、水平割れの発生を抑制できる。
本実施形態の連続鋳造方法では、鋳片幅方向端部を強冷却するため、鋳片幅方向端部の凝固の進行度合いが中央部よりも進む場合(例えば、幅方向端部の凝固完了点が中央部よりも1m程度メニスカス側)があるが、この場合であっても、鋳片の幅方向端部および中央部の中心偏析は悪化しない。これは、凝固末期に圧下勾配Tpで圧下行う際、鋳片の幅方向中央部は幅方向端部に比べて短辺の凝固シェルの影響を受けないため、中央部の圧下を効率よく実施でき、中央部の偏析度C/Cを1.1以下とすることができるためである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
上記実施形態では、軸方向に2分割されたロールが用いられているが、3分割以上されたロールを用いてもよい。
上記実施形態では、1つのロール対5を構成する上ロール6と下ロール7の軸受箱8bは、左右対称な位置に配置されているが、対向する位置に配置されていてもよい。
上記実施形態形態では、分割位置が左右対称の2本の2分割型ロールを鋳造方向に交互に配置している。つまり、分割位置が1種類のロールのみを用いているが、分割位置の異なる複数種類のロールを用いてもよい。
例えば図11に示すように、2分割型ロール31と、この2分割型ロールの分割位置と異なる位置で3分割された3分割型ロール32とを用いてもよい。軸受箱率は、部分強冷却区間における2分割型ロール31の本数と3分割型ロール32の本数の比率によって異なる。部分強冷却区間のロール31、32の比率が図11に示す比率と同じである場合、3分割型ロール32の軸受箱8bのある幅方向範囲S11、S13、S14、S16の軸受箱率Rは0.26であり、2分割型ロール32の軸受箱8bのある幅方向範囲S12、S15の軸受箱率Rは、0.21である。また、部分強冷却区間のうち、幅方向範囲S11〜S16以外の範囲における比水量Wは、0.5〜1.5[L/kg-steel]の範囲内であって、部分強冷却区間のうち、幅方向範囲S11、S13、S14、S16における比水量WB1は、1.07≦WB1/W≦1.84を満たす値である。また、部分強冷却区間のうち、幅方向範囲S12、S15における比水量WB2は、1.01≦WB2/W≦1.71を満たす値である。
また、分割位置の異なる複数種類のロールを用いた場合に、軸受箱のある幅方向範囲の少なくとも1つにおいて軸受箱率が0.2以下となった場合、この範囲の比水量は、軸受箱率が0である幅方向範囲の比水量と同じとする。つまり、0.5〜1.5[L/kg-steel]の範囲内とする。
軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲では、軸受箱8bによる抜熱量の低下は無視できるレベルであるため(図8のグラフ参照)、軸受箱率が0.2以下の幅方向範囲の比水量を、軸受箱率が0の幅方向範囲の比水量よりも多くする必要はない。
上記実施形態では、鋳片幅方向に並んだ複数のノズルを異なるヘッダーに接続して、ヘッダーに供給する水量を調整することで、冷却水量を幅方向に変化させているが、冷却水量を幅方向に変化させるための構成はこれに限定されない。例えば、強冷却する領域に配置されたノズルの水が通過する孔径(例えば噴霧孔の径)を同列の他のノズルよりも大きくするか、もしくは、強冷却する領域に配置された2つ以上のノズルのピッチを、同列の他のノズルのピッチよりも狭くする。この2つの変更例の場合、同列のノズルは同一ヘッダーに接続する。
上記実施形態は、垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて、本発明の連続鋳造方法を実施した一例であるが、曲げ型、または、垂直型の連続鋳造機を用いて本発明を実施することもできる。
次に、本発明の実施例と比較例について説明する。
実施例1〜57の鋳造条件を表3に示し、比較例1〜50を表4に示す。
Figure 2013119099
Figure 2013119099
各試験の炭素濃度C[mass%]、鋳型上端の短辺内寸D[mm]、鋳造速度Vc[m/min.]、全比水量W[L/kg-steel]、圧下勾配Tp[mm/m]、および圧下勾配Tpで圧下する圧下区間の開始位置と終了位置のメニスカス距離[m]を、表3、4に示す。なお、表3、4中の炭素濃度Cのa〜c、鋳型の短辺内寸Dのa〜c、および圧下勾配Tpのa〜dの数値は、表5に示す通りである。なお、各試験の圧下区間の上流端のメニスカス距離は、0.0011Vc(D/2)以上であって、下流端のメニスカス距離は、0.0013Vc(D/2)以下である。
Figure 2013119099
実施例および比較例では、上ロールの軸受箱率Rと下ロールの軸受箱率Rとはほぼ同じであって、軸受箱率(上ロールと下ロールの軸受箱率の平均)が0の幅方向範囲と、0.2より大きい幅方向範囲を有する。後者の軸受箱率Rは、表3、4に示す通りである。
また、表3、4中のWは、部分強冷却区間のうち軸受箱率Rが0である幅方向範囲における比水量(L/kg-steel)を示している。なお、部分強冷却区間の定義は上記実施形態で述べた通りである。また、表3、4中のWは、部分強冷却区間のうち軸受箱率Rの幅方向範囲における比水量(L/kg-steel)を示している。水量比W/Wを表3、4に表示した。また、表3、4に、本発明のW/Wの下限値である1.21R+0.76の値と、本発明のW/Wの上限値である2.61R+1.16の値を表示した。また、表3、4には、W/Wが、1.21R+0.76から2.61R+1.16までの範囲のうちの下限側の1/3の範囲にある場合に、「L」を表示し、上限側の1/3の範囲にある場合に「H」を表示し、中間の1/3の範囲にある場合に「M」を表示し、1.21R+0.76より小さい場合に「↓」を表示すると共にW/Wの欄に灰色で網掛けし、し、2.61R+1.16よりも大きい場合に「↑」を表示すると共にW/Wの欄に灰色で網掛けした。
また、表3、4中のWeは、部分強冷却区間のうち鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲における比水量(L/kg-steel)を示しており、Wmは、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲における比水量を示している。なお、Aは、鋳型上端の長辺内寸(m)である。水量比We/Wmを表3、4に表示した。また、表4には、We/Wmが、1.1より小さい場合または、2.0より大きい場合に、We/Wmの欄に灰色で網掛けした。
また、実施例と比較例1〜48ではバルジングを行った。バルジング区間の開始位置におけるメニスカス通過後時間t[min.]と、バルジング区間の終了位置におけるメニスカス通過後時間t[min.]は、表3、4に示す通りである。バルジング区間の開始位置のメニスカス通過後時間tが5min.より小さい場合または10min.より大きい場合に、時間tの欄に灰色で網掛けした。また、表3、4には、バルジング区間におけるバルジング量Xb[mm]と、最大バルジング勾配Tb[mm/min.]を表示した。バルジング量Xbが、3.0mmより小さい場合または5.0mmより大きい場合に、Xbの欄に灰色で網掛けした。また、最大バルジング勾配Tbが、2.0mm/min.を超える場合に、Tbの欄に灰色で網掛けした。
また、比較例36では、図12に示すように、バルジングの途中で、一旦ロールギャップを狭めている。つまり、バルジングの途中に、Tb<0となる区間がある。
<鋳片幅方向中央部の中心偏析の評価方法>
実施例および比較例で鋳造された鋳片の幅方向中央部の中心偏析と、幅方向端部の中心偏析を以下の方法で調べた。
表1の試験の中心偏析の分析手法と第3の手順まで同様に行った後、第4に、鋳片の幅方向端部からA/4の範囲を除く範囲で採取された切粉試料の炭素含有量Cうち最も高い値をC中央部MAX[wt%]として記録した。また、鋳片の幅方向端部からA/4の範囲で採取された切粉試料の炭素含有量Cうち最も高い値をC端部MAX[wt%]として記録した。第5に、同断面で、鋳片表面から鋳片の厚みの1/4だけ内側の位置(中心偏析が存在しない部位)で、上記第2と同様の方法で切粉試料を採取した。第6に、上記第5で得られた切粉試料の炭素含有量C[wt%]を測定して、C中央部MAX/CとC端部MAX/Cをそれぞれ算出した。その結果を表3、4に示す。
C中央部MAX/Cが1.1以下だった試験を「○」と、C中央部MAX/Cが1.1を超えた試験を「×」と評価した。C端部MAX/Cについても同様に評価した。なお、CMAX/Cが1.1以下であれば、実用上、品質に問題がない最終製品を製造することができる。
<凝固遅れ度の評価方法>
実施例および比較例で鋳造された鋳片について、幅方向端部の凝固遅れを定量的に評価するために、凝固遅れ度を定義して測定を行った。
鋳片を長手方向に対して垂直に切断して得られる切断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食させて、切断面に現れる負偏析線(ホワイトバンド)に基づいて、下記式により凝固遅れ度(%)を算出した。なお、負偏析線とは、凝固中のシェルの前方の溶質が溶鋼流動により洗浄されて現われる線状組織であり、凝固シェルの成長の様子を表す。下記式中のd1[mm]は、鋳片短辺から5cm離れた位置における負偏析線と鋳片長辺との距離であり、下記式中のd2[mm]は、負偏析線が鋳片長辺に最も近接した位置における負偏析線と鋳片長辺との距離である。
凝固遅れ度(%)={(d1−d2)/d1}×100
<稲妻状割れの評価方法>
実施例および比較例で鋳造された鋳片について、稲妻状割れの有無を調べた。
具体的には、鋳片を長手方向に対して垂直に切断して得られる切断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食させて、切断面に稲妻状の割れが有るかどうか目視で検査した。鋳片厚み方向に2mm以上の稲妻状の割れが有った場合に、稲妻状割れ有りと評価した。割れ有りの場合に「○」、無しの場合に「×」を表3、4に表示した。
<表面割れの評価方法>
実施例および比較例で鋳造された鋳片について、表面割れの有無を調べた。
具体的には、鋳片を鋳造方向長さ5.5〜12.5mに切断して得られたスラブを約20℃まで空冷し、その上面(鋳造経路Qの水平領域において上側となる面)に、鋳造方向に沿った割れが有るかどうか目視で検査した。鋳造方向長さが10mm以上の割れが有った場合に、表面割れ有りと評価した。割れ有りの場合に「○」、無しの場合に「×」を表3、4に表示した。
<水平割れの評価方法>
実施例および比較例で鋳造された鋳片について、水平割れの有無を調べた。
具体的には、鋳片を長手方向に対して垂直に切断して得られる切断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食させて、幅方向両端部からD/2の範囲で切断面に幅方向に平行な割れが有るかどうか目視で検査した。幅方向長さが5mm以上の割れが有った場合に、水平割れ有りと評価した。割れ有りの場合に「○」、無しの場合に「×」を表3、4に表示した。
表3に示すように、実施例1〜57ではC中央部MAX/C、C端部MAX/Cとも、1.1以下であって、中心偏析のバラツキが抑制されている。また、表4に示すように、比較例1〜39ではC中央部MAX/Cが、1.1を超えており、比較例1、2、34、35、43、47、49、50では、C端部MAX/Cが、1.1を超えている。また、比較例40、42では、CMAX/Cが1.1以下であるものの、稲妻状割れが生じた。また、比較例41では、CMAX/Cが1.1以下であるものの、表面割れが生じた。また、比較例44〜46、48では、CMAX/Cが1.1以下であるものの、水平割れが生じた。
1 連続鋳造機
3 鋳型
4 ロールスタンド
5 ロール対
6 上ロール
7 下ロール
8a、8b 軸受箱
16、17 ノズル
20 鋳片

Claims (1)

  1. 鋳造方向に沿って並設された複数のロール対を備えるスラブ用連続鋳造機を用いて、連続鋳造する方法であって、
    前記ロール対は、鋳片を挟んで対向配置される2つのロールで構成され、複数対ごとにロールスタンドに設置され、
    前記ロールは、鋳片幅方向に2〜4分割されると共に分割位置で軸受箱に支持されており、
    炭素濃度Cが、0.03〜0.60[mass%]であり、
    鋳型上端における短辺内寸Dが、280〜310[mm]であり、
    鋳造速度Vcが、0.70〜1.30[m/min.]であり、
    メニスカス距離M[m]が0.0011Vc(D/2)≦M≦0.0013Vc(D/2)である第1区間における圧下勾配Tp[mm/m]が、0.5≦Tp≦1.2であり、
    鋳型直下から最下流ロールまでの比水量が、0.5〜1.5[L/kg-steel]であって、
    鋳型直下のロールスタンドからメニスカス距離が15mの位置に配置されたロールスタンドまでの第2区間に鋳造方向に並設された複数のロールについて、鋳片幅方向位置において、前記ロールの全本数に対する、その幅方向位置に軸受箱が存在するロールの本数の比率を軸受箱率Rとし、
    前記第2区間の0≦R≦0.2である幅方向範囲における比水量をW[L/kg-steel]とし、
    前記第2区間の0.2<R≦1である幅方向範囲における比水量をW[L/kg-steel]、軸受箱率RをRとすると、
    0.5≦W≦1.5であって、下記(1)式を満たし、
    1.21R+0.76≦W/W≦2.61R+1.16 ・・・(1)
    鋳型上端における長辺内寸をAとし、
    前記第2区間における鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲での比水量をWe[L/kg-steel]とし、鋳片の幅方向両端部からA/4の範囲を除く範囲での比水量をWm[L/kg-steel]とすると、
    1.1≦We/Wm≦2.0であって、
    鋳片がメニスカスを通過してからの時間t[min.]が5≦t≦10である第3区間において、ロールギャップを徐々に広げてバルジングを行い、
    バルジング量Xb[mm]が、3.0≦Xb≦5.0であり、
    バルジング勾配Tb[mm/min.]が、Tb≦2.0であることを特徴とする、スラブ幅方向の中心偏析のバラツキを抑制する連続鋳造方法。
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