以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が開閉可能に取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作部をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えた包囲枠体(センターケース)40が配置されている。表示装置41は、包囲枠体40に設けられた凹部に、当該包囲枠体40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、包囲枠体40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域、表示部)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右側には一つの一般入賞口35が配置されている。各一般入賞口35に入賞した遊技球は入賞口スイッチ35a(図5参照)により検出される。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その下方には入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32に臨む包囲枠体40の右側部には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)が設けられている。この普通変動入賞装置37は、可動部材37bにより入賞可能な開状態と入賞不能な閉状態とに変換可能となっている。また、遊技領域32における包囲枠体40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34と、一般入賞口35と、流下する遊技球を普通変動入賞装置37側へ誘導する誘導部材80が配置されている。そして、遊技領域32における包囲枠体40の右下側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口、上AT)38と、第2特別変動入賞装置(大入賞口、下AT)39が配置されている。
遊技球が流下する遊技領域32のうち、包囲枠体40の左側の領域が第1流下経路(左側遊技領域)32aとされ、包囲枠体40の右側の領域が第2流下経路(右側遊技領域)32bとされている。そして、遊技者が発射勢を調節して第1流下経路32aへ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、第2流下経路32bへ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普通変動入賞装置37や、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができるようになっている。
図3に示すように、普通変動入賞装置37は、下端部が前後方向に沿った軸により回動可能に軸支された可動部材37bを有している。この可動部材37bは、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図5参照)によって、略垂直となって包囲枠体40の右側方に開口する入賞口を塞いで入賞を不能とする閉状態と、遊技領域32側へ傾倒して入賞口を開放し入賞を可能とする開状態(図3の点線で示す状態)とに変換可能となっている。可動部材37bは常時は閉状態となっているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の結果態様(普図特定結果)となることで、所定の態様で開状態に変換されるようになっている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉38cを有しており、特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図5参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1特別変動入賞装置(大入賞口)38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図5参照)が配設されている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図5参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
また、第2特別変動入賞装置39には、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームにおける特別結果が導出される確率状態を決定するための振分機構90が遊技者から視認可能となるように配されている。この振分機構90には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が流入可能な特定領域91と非特定領域92が設けられており、特定領域91への遊技球の流入の有無により、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後の確率状態を通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定するようになっている。ここでは、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球のうち一つでも特定領域91に流入すれば特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に高確率状態が設定され、一つも特定領域91に流入しなければ特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に通常確率状態が設定される。
図3に示すようにこの振分機構90は、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を流下誘導する誘導流路93を備え、該誘導流路93の流下経路の途中に、流下する遊技球を特定領域91と非特定領域92との何れかに振り分ける振分装置94が設けられている。また、誘導流路93の上流側端部には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39aが設けられ、特定領域91には当該特定領域91に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ97が設けられている。なお、特定領域や非特定領域に流入した遊技球は遊技機の外部に排出されるようになっている。
振分装置94には、誘導流路93における非特定領域92の上方となる位置の床部分を形成し、振分装置ソレノイド96(図5参照)により前後方向に進退可能に構成された板状の振分床部材95を備えている。この振分床部材95が図4(a)に示すように後方に退いた通過規制状態では、非特定領域92の上方に振分床部材がない状態となって非特定領域92が開放され、流下する遊技球は非特定領域92へ振り分られる。また、図4(b)に示すように、前方に進出した通過許容状態では、非特定領域92の上方に振分床部材95が存在する状態となって非特定領域92が閉鎖され、流下する遊技球は特定領域91へ振り分けられる。
なお、後述するように、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れをどのタイミングで開放するかは特別結果の種類により決定されるようになっている。また、開閉扉39cの開放態様や振分床部材95の動作態様も特別結果の種類により決定されるようになっている(図16参照)。
また、図2、図3に示すように、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部(第3遊技状態表示器)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率状態表示部59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図5参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普図変動表示ゲームの停止表示が当り状態で停止し、この普図特定結果となれば、普図の当りとなって、内蔵されている普電ソレノイド37c(図5参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間(例えば、普図低確率状態ならば0.3秒間、普図高確率状態ならば0.8秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ判定情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、包囲枠体40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示81(図40参照)として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様(特別結果)となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39a、特定領域スイッチ97には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図5は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態や小当り遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39a、特定領域スイッチ97が近接I/F121を介して接続される。近接I/F121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39a、特定領域スイッチ97からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39b、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、振分床部材95を駆動する振分装置ソレノイド96、の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b、大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37c、振分装置ソレノイド96の開閉データ信号を受けて各ソレノイドのソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置1000へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置1000との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38c又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。さらに、第2特別変動入賞装置39を開放する場合には、振分装置ソレノイド96により特定領域91への流入の可否を制御する。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特定領域91への遊技球の流入に基づき、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特別遊技状態や小当り遊技状態における特定領域91への遊技球の流入に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。なお、本実施形態の遊技機は、所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了して通常確率状態に戻るいわゆるST機となっている。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、300ミリ秒が800ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、高確率状態や時短状態を特定遊技状態と称することがあり、時短状態を普電サポート状態又は電サポ状態と称することがある。
また、本実施形態の遊技機では、始動入賞口36への入賞に基づく賞球数は3個とされ、普通変動入賞装置37への入賞に基づく賞球数は1個とされている。従来の遊技機では、始動入賞口36への入賞に基づく賞球数と普通変動入賞装置37への入賞に基づく賞球数が同じ数とされているものが多いが、時短状態で普通変動入賞装置37への入賞に基づき獲得する賞球数が多くなりすぎることを防ぐため、遊技店が普図始動ゲート34の遊技球の通過数を少なくするような釘調整を行うことがあった。このような調整により、普図変動表示ゲームが実行され難くなって普通変動入賞装置37の開放頻度が少なくなるため、時短状態で獲得する賞球数を少なくすることができる。
しかし、遊技者にとっては、時短状態であるにもかかわらず普通変動入賞装置37が開放されず、第2特図変動表示ゲームの実行頻度が少なくなることに対する不満を持つこととなる。特に、特別結果の振り分けが第2特図変動表示ゲームの方が遊技者にとって有利な設定である場合には、第2特図変動表示ゲームが実行されないことに対する遊技者の不満は大きいものであった。
さらに、本実施形態の遊技機では、特別遊技状態や小当り遊技状態、時短状態でない場合は第1流下経路32aに遊技球を発射して始動入賞口36を狙い、特別遊技状態や小当り遊技状態、時短状態では第2流下経路32bに遊技球を発射して普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38,39を狙うように設計されている。すなわち、始動入賞口36を狙う場合と普通変動入賞装置37を狙う場合とで異なる流下経路へ遊技球を発射させるようにし、始動入賞口36と普通変動入賞装置37を同時に狙うことができないようにされている。このような設計である場合には時短状態中に第1始動記憶が発生しないため、普図始動ゲート34の遊技球の通過数を少なくするような釘調整を行うことで特図変動表示ゲームの実行自体が途切れてしまうことがあった。
そこで、普通変動入賞装置37への入賞に基づく賞球数を、始動入賞口36への入賞に基づく賞球数よりも少なくし、時短状態で普通変動入賞装置37への入賞に基づき獲得する賞球数が多くなりすぎないようにしている。これにより、遊技店が普図始動ゲート34の遊技球の通過数を少なくするような釘調整を行わないようになり、第2特図変動表示ゲームが実行されないことに対する遊技者の不満を防止することができる。さらに、第2流下経路32bのうち普通変動入賞装置37よりも上流側に一般入賞口35(例えば普通変動入賞装置37よりも多い賞球数10個)を設けることで、時短状態中に獲得する賞球数が必要以上に少なくならないようにしている。また、このように普通変動入賞装置37への入賞に基づく賞球数を、始動入賞口36への入賞に基づく賞球数よりも少なくしたことで、誘導部材80により第2流下経路32bを流下する遊技球の大部分を普通変動入賞装置37へ誘導することも可能となり、開放された普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しないことに対する遊技者の不満も解消できる。このような構成により、時短状態中に普通変動入賞装置37への入賞状況を気にすることなく特図変動表示ゲームに集中させることができ、時短状態中の遊技の興趣を高めることができる。なお、第2流下経路32bに設けた一般入賞口35の賞球数を他の一般入賞口の賞球数(例えば10個)よりも少なく設定しても良い。
次に、遊技機10の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に、図7及び図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次いで、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため、例えば4ミリ秒の時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、遊技機10の電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。次いで、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態に設定するOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。次いで、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
次いで、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11で、停電検査領域1の値が正常であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で、停電検査領域2の値が正常であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、チェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図8のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)や、ステップS11又はステップS13で停電検査領域の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No又はステップS13;No)、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図8のステップS24へ移行して、初期化の処理を行う。
図8のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次いで、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS20;No)には、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
一方、ステップS20で、高確率状態であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(確率状態表示部)をON(点灯)させるONデータをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。次いで、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
ステップS29では、個別IDレジスタ111Dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットし、情報伝達部71から出力する処理を行う。次いで、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS30)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。次いで、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS32)、割込みを許可する(ステップS33)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
次いで、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS34)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるか否かの判定を行う(ステップS36)。ステップS36で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS36;No)には、初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、ステップS36で、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS36;Yes)には、ステップS35で設定したチェック回数の分だけ停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37で、継続していないと判定した場合(ステップS37;No)には、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS36)に戻る。一方、ステップS37で、継続していると判定した場合(ステップS37;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
次いで、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。次いで、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。CPU111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次いで、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39a、特定領域スイッチ97など)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b,39b、普電SOL37c、振分装置SOL96)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39a、特定領域スイッチ97から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次いで、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)、振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する振動不正監視処理(ステップS62)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS63)を行う。次いで、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS64)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS65)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS66)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aのカウント数を監視する処理を行う。
次いで、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしているか、又は、当該特図ゲーム処理タイマの更新(−1)によりタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。次いで、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図11に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
次いで、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA113)。ステップA113で、普通電動役物が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113で、普通電動役物が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA115)。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定した場合(ステップA115;Yes)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるかをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA202)。ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。次いで、始動口信号出力回数を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするかをチェックし(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA207)。ステップA207で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA207;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207で、出力回数がオーバーフローすると判定した場合(ステップA207;Yes)には、処理をステップA209に移行する。
そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する(ステップA210)。
ステップA210で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA210;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA215)を行う。次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA217)、コマンド設定処理(ステップA218)を行う。次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出して(ステップA219)、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。
次いで、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA221)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA222)。次いで、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブし(ステップA223、A224、A225)、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA210;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるかをチェックして(ステップA211)、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かを判定する(ステップA212)。ステップA212で、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップA212;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA212で、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定した場合(ステップA212;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき判定情報(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1から3等)を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図13に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口2の入賞(普通変動入賞装置37への入賞)であるか否かを判定する(ステップA231)。ステップA231で、始動口2の入賞であると判定した場合(ステップA231;Yes)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。一方、ステップA231で、始動口2の入賞でないと判定した場合(ステップA231;No)には、電サポ(時短状態)又は大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップA232)。
ステップA232で、電サポ又は大当り中であると判定した場合(ステップA232;Yes)には、特図保留情報判定処理を終了する。一方、ステップA232で、電サポ又は大当り中でないと判定した場合(ステップA232;No)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。
ステップA233で、高確率時であると判定した場合(ステップA233;Yes)には、高確率時の判定値を設定し(ステップA234)、はずれ図柄情報を設定して(ステップA236)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA237)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA238)。一方、ステップA233で、高確率時でないと判定した場合(ステップA233;No)には、低確率時(通常確率状態)の判定値を設定し(ステップA235)、はずれ図柄情報を設定して(ステップA236)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA237)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA238)。
ステップA238で、大当りであると判定した場合(ステップA238;Yes)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブル(図16(a)(b)参照)を設定し(ステップA239)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA242)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA243)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA244)、コマンド設定処理を行う(ステップA245)。一方、ステップA238で、大当りでないと判定した場合(ステップA238;No)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かによって小当りであるか否かを判定する(ステップA240)。
ステップA240で、小当りであると判定した場合(ステップA240;Yes)には、対象の始動口スイッチに対応する小当り図柄情報テーブル(図16(c)参照)を設定し(ステップA241)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA242)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA243)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA244)、コマンド設定処理を行う(ステップA245)。また、ステップA240で、小当りでないと判定した場合(ステップA240;No)には、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA244)、コマンド設定処理を行う(ステップA245)。
コマンド設定処理(ステップA245)を行った後、対象の変動パターン乱数1をロードし(ステップA246)、対象の変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備して(ステップA247)、コマンド設定処理を行い(ステップA248)、特図保留情報判定処理を終了する。この処理により、始動記憶の発生に基づき、演出制御装置300に対して飾り特図保留数コマンドが送信され、その後、事前判定情報(事前判定コマンド)として図柄情報コマンドと変動パターン乱数コマンドとが送信される。そして、演出制御装置300では、飾り特図保留数コマンドに基づき特図始動記憶数を増加し、図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドに基づき事前演出(先読み演出)を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始前に事前判定することが可能な事前判定手段の一部をなし、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができる。そして、演出制御装置300は、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示81を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
ここで、秘匿性を高める必要がある(結果に影響を及ぼす)大当り乱数及び大当り図柄乱数については、判定後の結果情報を図柄情報コマンドとして演出制御装置300に送信している。これに対して秘匿性を高める必要のない(結果に影響を及ぼさない)変動パターン乱数については変動パターン乱数コマンドとして、乱数値のまま、若しくは、乱数値を示す情報に変換して演出制御装置300に送信するようにしている。なお、変動パターン乱数1は後半変動のリーチ系統(変動グループ)を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動を選択するための乱数である。事前判定時点ではリーチ系統さえ演出制御装置300側に伝達できれば良いので、変動パターン乱数1に関する情報を送信すれば良い。
なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を変動パターン乱数コマンドに含めるようにしても良いし、変動パターン乱数コマンドに代えて変動パターン乱数1〜3により判定した変動パターンを示すコマンドを送信するようにしても良い。すなわち、変動パターン乱数1〜3を全て演出制御装置300に送信しても良いし、変動開始時のように変動パターンを決定してから変動パターン番号を演出制御装置300に送信するようにしても良い。
また、事前判定時には、確率状態にかかわらず常に通常確率状態(低確率時)の判定値で判定を行うようにしても良い。このようにすれば確率状態の変化により信憑性がなくなる事前演出の実行を防止できる。また、高確率状態で実行可能なゲーム数への到達などによる確率状態の変化まで事前判定し、判定対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される際の確率状態で事前判定を行うようにしても良い。特に、第2特図変動表示ゲームを優先消化せずに入賞順に消化するようにした遊技機の場合は、時短状態であるか否かにかかわらず第1始動記憶及び第2始動記憶について事前判定を行い、結果を演出制御装置300に送信するようにしておくと良い。
〔カウントスイッチ監視処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理におけるカウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図14に示すように、カウントスイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、AT1(第1特別変動入賞装置38)に関する処理を行う。
このAT1(第1特別変動入賞装置38)に関する処理では、AT1の小当りに基づく開放中(ステップA251;Yes)又はAT1の大当りに基づく開放中(ステップA252;Yes)である場合に、カウントSW1(カウントスイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA253)。
カウントSW1に入力がある場合(ステップA253;Yes)は、大入賞口カウントを+1更新し(ステップA259)、カウント数が一のラウンドで入賞可能な上限値に達したかを判定する(ステップA260)。そして、カウント数が上限値に達していない場合(ステップA260;No)は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、カウント数が上限値に達した場合(ステップA260;Yes)は、特図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップA261)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
一方、AT1の小当りに基づく開放中ではなく(ステップA251;No)、AT1の大当りに基づく開放中でもない(ステップA252;No)場合や、カウントSW1に入力がない場合(ステップA253;No)は、AT2(第2特別変動入賞装置39)に関する処理を行う。
AT2に関する処理では、AT2の小当りに基づく開放中ではなく(ステップA254;No)、AT2の大当りに基づく開放中でもない(ステップA255;No)場合は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、AT2の小当りに基づく開放中(ステップA254;Yes)又はAT2の大当りに基づく開放中(ステップA255;Yes)である場合は、特定領域91へ流入する遊技球を検出する特領SW(特定領域スイッチ97)に入力があるかを判定する(ステップA256)。
特領SWに入力がある場合(ステップA256;Yes)は、特領通過フラグをセットし(ステップA257)、カウントSW2(カウントスイッチ39a)に入力があるかを判定する(ステップA258)。また、特領SWに入力がない場合(ステップA256;No)は、カウントSW2(カウントスイッチ39a)に入力があるかを判定する(ステップA258)。
カウントSW2に入力がない場合(ステップA258;No)は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、カウントSW2に入力がある場合(ステップA258;Yes)は、大入賞口カウントを+1更新し(ステップA259)、カウント数が一のラウンドで入賞可能な上限値に達したかを判定する(ステップA260)。そして、カウント数が上限値に達していない場合(ステップA260;No)は、カウントスイッチ監視処理を終了する。また、カウント数が上限値に達した場合(ステップA260;Yes)は、特図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップA261)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図15に示すように、特図普段処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普電サポート中(時短状態中)又は当り中(特別遊技状態中又は小当り遊技状態中)であるかを判定する(ステップA301)。そして、普電サポート中又は当り中でない場合(ステップA301;No)は、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかをチェックする(ステップA303)。また、普電サポート中又は当り中である場合(ステップA301;Yes)は、右打ち警告LEDをOFFする表示番号を遊技状態表示番号2領域にセーブし(ステップA302)、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかをチェックする(ステップA303)。
特図2保留数が0である場合(ステップA304;Yes)は、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA305)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップA306)。ステップA306で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA306;Yes)には、既に客待ちデモが開始されているかをチェックして(ステップA307)、既に客待ちデモが開始されているか否か、すなわち、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(ステップA308)。
ステップA308で、客待ちデモが開始済みでないと判定した場合(ステップA308;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA309)。そして、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA310)、コマンド設定処理(ステップA311)、特図普段処理移行設定処理1(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA308で、客待ちデモが開始済みであると判定した場合(ステップA308;Yes)には、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグがセーブ(ステップA309)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA310)され、コマンド設定処理(ステップA311)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA312)を行い、特図普段処理を終了する。この特図普段処理移行設定処理1では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
また、ステップA304で特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA304;No)や、ステップA306で特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA306;No)には、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA313)を行う。そして、特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ設定処理(ステップA314)を行う。
その後、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理として、大当りフラグや小当りフラグの有無及び図柄乱数に基づいて特図停止図柄を決定する処理である特図停止図柄設定処理(ステップA315)を行った後、設定された特図停止図柄の特図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA316)、図柄情報を特図(特図1又は特図2)に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA317)。
次いで、特図(特図1又は特図2)に対応する特図変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA318)、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(ステップA319)。次いで、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA320)、変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA321)を行う。この変動開始情報設定処理では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示81に係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
次いで、特図変動中処理移行設定処理(ステップA322)を行って、特図普段処理を終了する。この特図変動中処理移行設定処理では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号又は第2特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)又は特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行う。
このように、ステップA303とステップA304における特図2保留数のチェックを、ステップA305とステップA306における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、第2始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA313)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA322)が実行され、特図2保留数が0であり特図1保留数が0でない場合には、第1始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA313)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA322)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始時に遊技の進行状態に応じて判定し、該判定結果に基づき変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)を実行する第1変動表示ゲーム実行手段をなすとともに、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を実行する第2変動表示ゲーム実行手段をなす。
図16には、結果が特別結果(大当り又は小当り)である場合に特別結果の種類を決定するための大当り図柄情報テーブル及び小当り図柄情報テーブルを示した。図16(a)は第1特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルであり、図16(b)は第2特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルであり、図16(c)は第1及び第2特図変動表示ゲームに対応する小当り図柄情報テーブルである。
特別結果や小当り結果には、特別遊技状態や小当り遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値等の遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では始動口への遊技球の入賞に基づき抽出された大当り図柄乱数に基づき特別結果や小当り結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態や小当り遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。本実施形態の遊技機10における特別遊技状態や小当り遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放可能時間(すなわち、特別遊技状態で獲得可能な遊技球(賞球)の数)や大入賞口の開放態様である。また、AT2(第2特別変動入賞装置39)を開放するラウンドや開放態様、振分装置94の振分床部材95の動作態様である特領振分状態なども設定されており、これにより高確率状態となる可能性の高さを変化させるようにしている。また、付加遊技価値とは、特定領域91に遊技球が流入した場合に特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数や、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数である。
図16(a)に示すように、第1特図変動表示ゲームでは、結果が大当りである場合であって大当り図柄乱数が1から30である場合には、特別遊技状態で実行されるラウンド数が15ラウンドとされる。このうち大当り図柄乱数に応じて12ラウンド目、10ラウンド目又は8ラウンド目が、AT2(第2特別変動入賞装置39)が開放される特定ラウンドとされ、その他のラウンドではAT1(第1特別変動入賞装置38)が開放される。AT1、AT2の開放態様は何れも24秒の開放時間に亘り連続して開放する開放態様となっている。なお、開放時間内であっても所定の上限数の遊技球が入賞した場合は開放が終了する。
また、AT2が開放される場合には、振分装置94の動作態様が特定領域91への流入を許容する特定領域通過許容動作(第2動作態様、図27(b)参照)とされ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となりやすいように制御される。特定領域91に遊技球が流入した場合は、特別遊技状態の終了後、75回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とされる。なお、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合は通常確率状態とされる。また、特定領域91への遊技球の流入の有無にかかわらず、特別遊技状態の終了後、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。すなわち、第1特図変動表示ゲームにおいて大当り図柄乱数が1から30である大当りは、特定領域91への流入を許容する通過許容大当りをなす。
このように、特定ラウンドでのみ特定領域91への流入が可能であり、さらに特定領域91へ流入可能な特定ラウンドの実行時期を変化させることので、どのタイミングで特定ラウンドとなるのかに対して遊技者がドキドキしながら遊技を行うことができ、特別遊技状態における遊技の興趣が向上する。また、特定ラウンドとそれ以外のラウンドとで開状態に変換動作させる特別変動入賞装置を変えることで、特定ラウンドであるということが把握し易くなるし、特別遊技状態におけるゲーム性が向上する。
また、第1特図変動表示ゲームにおいて、結果が大当りである場合であって大当り図柄乱数が31から50である場合には、特別遊技状態で実行されるラウンド数が12ラウンドとされる。このうち大当り図柄乱数に応じて12ラウンド目、10ラウンド目又は8ラウンド目が、AT2(第2特別変動入賞装置39)が開放される特定ラウンドとされ、その他のラウンドではAT1(第1特別変動入賞装置38)が開放される。また、AT1の開放態様は24秒の開放時間に亘り連続して開放する開放態様となっているが、AT2の開放態様は0.5秒の開放を所定の閉鎖時間を挟んで10回行う開放態様となっている。なお、開放時間内であっても所定の上限数の遊技球が入賞した場合は開放が終了する。
また、AT2では、上述のように遊技球が流入し難い開放態様となることと併せて、振分装置94の動作態様が特定領域91への流入を規制する特定領域通過規制動作(第1動作態様、図27(a)参照)とされ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となり難いように制御される。ただし、入賞した遊技球の挙動により、特定領域91へ流入する可能性はある。特定領域91に遊技球が流入した場合は、特別遊技状態の終了後、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とされ、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合は通常確率状態とされる。また、特定領域91への遊技球の流入の有無にかかわらず、特別遊技状態の終了後、75回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。すなわち、第1特図変動表示ゲームにおいて大当り図柄乱数が31から50である大当りは、特定領域91への流入が規制される通過規制大当りをなす。
図16(b)に示すように、第2特図変動表示ゲームでは、結果が大当りである場合であって大当り図柄乱数が1から40である場合には、特別遊技状態で実行されるラウンド数が15ラウンドとされる。このうち大当り図柄乱数に応じて12ラウンド目、10ラウンド目、8ラウンド目又は1ラウンド目が、AT2(第2特別変動入賞装置39)が開放される特定ラウンドとされ、その他のラウンドではAT1(第1特別変動入賞装置38)が開放される。また、第2特図変動表示ゲームにおいて、結果が大当りである場合であって大当り図柄乱数が41から50である場合には、特別遊技状態で実行されるラウンド数が12ラウンドとされる。このうち大当り図柄乱数に応じて10ラウンド目又は8ラウンド目が、AT2(第2特別変動入賞装置39)が開放される特定ラウンドとされ、その他のラウンドではAT1(第1特別変動入賞装置38)が開放される。
AT1、AT2の開放態様は何れも24秒の開放時間に亘り連続して開放する開放態様となっている。なお、開放時間内であっても所定の上限数の遊技球が入賞した場合は開放が終了する。また、AT2が開放される場合には、振分装置94の動作態様が特定領域91への流入を許容する特定領域通過許容動作とされ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となりやすいように制御される。特定領域91に遊技球が流入した場合は、特別遊技状態の終了後、75回(ラウンド数15の場合)又は50回(ラウンド数12の場合)の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とされる。なお、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合は通常確率状態とされる。また、特定領域91への遊技球の流入の有無にかかわらず、特別遊技状態の終了後、100回(ラウンド数15の場合)又は75回(ラウンド数12の場合)の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。すなわち、第2特図変動表示ゲームでの大当りは、特定領域91への流入を許容する通過許容大当りをなす。
このように、特図の種類や大当り図柄乱数の値によって、特定ラウンドが決定される。すなわち、遊技制御装置100が、複数のラウンドのうち特定領域91への遊技球の入賞を可能とする特定ラウンドを決定するラウンド決定手段をなす。
また、第2特図変動表示ゲームは第1特図変動表示ゲームに比べて、振分装置94が特定領域通過規制動作となることがなく、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利となっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の特定ラウンドと第2特図変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の特定ラウンドとで、振分装置94を特定領域通過許容動作(第2動作態様)で制御する確率が第2特図変動表示ゲームの方が高くなっている。これにより、第1特図変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の終了後と第2特図変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の終了後において特定遊技状態(高確率状態)が発生する確率を変えることができ、遊技性が向上する。
また、第2特図変動表示ゲームでは、1ラウンド目にAT2を開放する特定ラウンドを設定することが可能となっている。これは、第2特図変動表示ゲームが普通変動入賞装置37への入賞に基づき実行される特図変動表示ゲームであり、普通変動入賞装置37への入賞は主に時短状態で発生するものであるためである。時短状態では、遊技者は第2流下経路32bを狙って遊技球を発射しており、特別遊技状態の発生に伴い、遊技球を発射する流下経路を変更する必要がないため1ラウンド目にAT2を開放したとしてもAT2に遊技球を入賞させることが容易である。このように、第2特図変動表示ゲームでは特定ラウンドを初回のラウンドでも設定できるようにすることで、特定ラウンドを自由に決定することができるようになり、ゲーム性が向上する。
これに対し、第1特図変動表示ゲームは、始動入賞口36への入賞に基づき実行される特図変動表示ゲームであり、始動入賞口36への入賞は時短状態でない場合に主に発生する。時短状態でない場合は、普図変動表示ゲームが当りとならない又は時短状態と比べて低確率で当りとなるため、遊技者は第1流下経路32aを狙って遊技球を発射しており、特別遊技状態の発生に伴い、遊技球を発射する流下経路を第2流下経路32bに変更する必要がある。このため、例えば不慣れな遊技者は1ラウンド目にAT2を開放すると、遊技球の発射経路を第2流下経路へ変更するまでの間に特定ラウンドが終了してしまい、遊技球を特定領域91へ入賞させることができなくなってしまうという不測の事態が発生する虞がある。このような事態を防止するため、第1特図変動表示ゲームに基づく大当りの場合は1ラウンド目にAT2を開放しないようにしている。
以上のことから、遊技領域32には、遊技球の流下経路として、第1始動入賞口(始動入賞口36)が配設される第1流下経路32aと、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)が配設される第2流下経路32bとが設定され、第1変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38)及び第2変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)は、第2流下経路32bを流下した遊技球が入賞可能な位置に配設されてなり、ラウンド決定手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲームの結果として発生した特別遊技状態においては、初回のラウンドを特定ラウンドに決定しないようにしていることとなる。
また、第1始動入賞口(始動入賞口36)は、常態において遊技球が入賞可能であり、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)は、所定条件の成立に基づいて遊技球が入賞しない閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特定遊技状態には、少なくとも単位時間当りの第2始動入賞口の開状態への変換数が通常遊技状態よりも多くなる状態を含み、ラウンド決定手段(遊技制御装置100)は、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲームの結果として発生した特別遊技状態においては、特定ラウンドを初回を含む何れかのラウンドに決定するようにしていることとなる。
また、図16(c)に示すように、結果が小当りである場合には、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとで共通の小当り図柄情報テーブルを用いる。この場合、大当り図柄乱数が1から30である場合は、AT1を0.5秒の開放を所定の閉鎖時間を挟んで4回行う開放態様が設定される。そして、小当り発生前の確率状態が高確率状態であった場合は、小当り遊技状態の終了後、通常確率状態となり、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。また、小当り発生前の確率状態が通常確率状態であり時短状態であった場合は、確率状態は変化せず時短状態が終了する。さらに、小当り発生前に時短状態でなかった場合は、確率状態や時短状態の変化は行われない。なお、大当り図柄乱数が1から30である小当りの発生によって遊技状態を変更しないようにしても良く、その場合には小当りの発生前の遊技状態が小当り後も維持又は再設定される。
また、大当り図柄乱数が31から50である場合は、AT2を0.5秒の開放を所定の閉鎖時間を挟んで4回行う開放態様が設定される。また、振分装置94の動作態様は、大当り図柄乱数により、特定領域91への流入を許容する特定領域通過許容動作又は特定領域91への流入を規制する特定領域通過規制動作とされる。特定領域91に遊技球が流入した場合は、小当り遊技状態の終了後、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とされるとともに、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。また、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合であって、小当り発生前の確率状態が高確率状態であった場合は、小当り遊技状態の終了後、通常確率状態となり、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。また、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合であって小当り発生前の確率状態が通常確率状態であり時短状態であった場合は、確率状態は変化せず時短状態が終了する。さらに、特定領域91に遊技球が流入しなかった場合であって小当り発生前に時短状態でなかった場合は、確率状態や時短状態の変化は行われない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述の特図普段処理における変動パターン設定処理(ステップA320)の詳細について説明する。図17に示すように、変動パターン設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックして(ステップA331)、はずれ図柄情報であるか否かを判定する(ステップA332)。
ステップA332で、はずれ図柄情報であると判定した場合(ステップA332;Yes)には、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブル(図19、図20参照)を準備して(ステップA333)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA337)。一方、ステップA332で、はずれ図柄情報でないと判定した場合(ステップA332;No)には、小当り図柄情報であるかを判定する(ステップA334)。
そして、小当り図柄情報である場合(ステップA334;Yes)は、小当り時の変動グループ選択テーブル(図18(c)、(d)参照)を準備して(ステップA335)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA337)。また、小当り図柄情報でない場合(ステップA334;No)、すなわち大当り図柄情報である場合は、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り時の変動グループ選択テーブル(図18(a)、(b)参照)を準備して(ステップA336)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA337)。
次いで、2バイト振り分け処理(ステップA338)を行い、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得して準備する(ステップA339)。次いで、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA340)、振り分け処理(ステップA341)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA342)。次いで、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブし(ステップA343)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かを判定する(ステップA344)。
ステップA344で、リーチなし変動の番号であると判定した場合(ステップA344;Yes)には、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備し(ステップA345)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA347)。一方、ステップA344で、リーチなし変動の番号でないと判定した場合(ステップA344;No)には、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備し(ステップA346)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA347)。
次いで、振り分け処理を行い(ステップA348)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA349)、変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数1に基づき変動グループ(リーチなし、ノーマルリーチ、SP1〜4リーチの何れか)が選択され、変動パターン乱数2に基づき変動グループの中から詳細な演出の振り分け(変動パターンの選択)が行われるとともに、変動パターン乱数3に基づきリーチ状態となるまでの前半変動の変動態様が選択される。
図18に示す大当り時、小当り時の変動グループ選択テーブルでは、始動記憶数にかかわらず結果(図柄情報)と特図種類により選択される変動グループ選択テーブルが用いられる。これらのテーブルでは、リーチ状態となる変動グループのみが選択可能であり、大当りの場合であって第2特図変動表示ゲームの場合のみSP4リーチが選択可能である。図19、図20に示す第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブル及び第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、特図種類と時短状態(普電サポート状態)であるか否かにより使用するテーブルが異なる。
図19(a)から(d)に示す時短状態でない場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数によって使用するテーブルが異なっている。時短状態でない場合は、第1始動記憶数が1である時、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図19(a)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である時にそれぞれ図19(b)から(d)のテーブルを用いる。第1始動記憶数が多いほどリーチなしの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。また、図20(a)に示す時短状態でない場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第2始動記憶数にかかわらず同一のテーブルを用いる。
また、図20(b)に示す時短状態である場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数にかかわらず同一のテーブルを用いる。また、図20(c)、(d)に示す時短状態である場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第2始動記憶数が1である時、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図20(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である時に図20(d)のテーブルを用いる。この場合も、第2始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
このように、特図変動表示ゲームを開始する際の遊技状態に対応したテーブル(情報判定態様)を選択し、変動パターンの選択を行うようにしている。すなわち、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様(変動グループ選択テーブル等)のうち、特図変動表示ゲームの開始時の遊技状態に対応する情報判定態様によって、特図変動表示ゲームの実行対象となる始動記憶の判定情報の判定を行うようにしている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述の特図普段処理における変動開始情報設定処理(ステップA321)の詳細について説明する。図21に示すように、変動開始情報設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA401)。次いで、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA403)。次いで、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA405)。
次いで、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA407)。次いで、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA408)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA409)、コマンド設定処理を行う(ステップA410)。
次いで、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA411)、コマンド設定処理を行う(ステップA412)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA413)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA414)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA415)。次いで、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA416)、コマンド設定処理を行う(ステップA417)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA418)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA419)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、この情報基づき特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、遊技制御装置100が、複数の変動パターンの何れかによって変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段をなす。また、この情報は後に演出制御装置300に送信されることとなる。事前判定時は変動パターン乱数1の値をそのまま演出制御装置300に送信したが、変動開始時は遊技制御装置100で変動パターン乱数に基づく詳細な変動パターンを決定し、判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置300に送信するようにしている。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図22に示すように、特図表示中処理では、まず、大当りフラグ設定処理にて設定された大当りフラグ1、2をロードして(ステップA501)、大当りフラグ1、2領域をクリアする(ステップA502)。なお、大当りフラグ1は、第1始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定され、大当りフラグ2は、第2始動記憶を対象に大当りフラグ設定処理を行った場合にはずれ情報又は大当り情報が設定される。
そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップA503)、特図2が大当りである(ステップA504;Yes)と判定すると、特図2大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA508)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。一方、ステップA504にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA504;No)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックする(ステップA505)。そして、大当りである(ステップA506;Yes)と判定すると、特図1大当り(特別遊技状態)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA509)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA510)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA511)。次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA512)、コマンド設定処理(ステップA513)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA514)、コマンド設定処理(ステップA515)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する図柄情報コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA516)、コマンド設定処理(ステップA517)を行う。
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA518)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA519)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA520)。その後、大入賞口不正入賞数をリセットした後(ステップA521)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA522)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA523)を行い、特図表示中処理を終了する。図25に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、特図ゲーム処理番号領域にファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」をセーブする(ステップA571)。そして、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA572)、高確率状態及び時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA573)。
次に、特別遊技状態のラウンド数を管理するラウンド数領域をリセットし(ステップA574)、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブして(ステップA575)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA576)。その後、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA577)、高確率報知フラグ領域をリセットして(ステップA578)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA579)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA580)、時短変動回数領域をリセットして(ステップA581)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
図22に戻り、ステップA506にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA506;No)と判定すると、図23に示すように、小当りフラグ1が小当りかをチェックし(ステップA524)、小当りでない場合(ステップA525;No)は、小当りフラグ2が小当りかをチェックする(ステップA526)。そして、小当りでない場合(ステップA527;No)、すなわち、はずれである場合は、高確率状態や時短状態とするゲーム数を管理する変動回数更新処理(ステップA534)を行い、特図普段処理移行設定処理(ステップA535)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理(ステップA535)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
また、小当りフラグ1をチェックした結果、小当りである場合(ステップA525;Yes)又は小当りフラグ2をチェックした結果、小当りである場合(ステップA527;Yes)は、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA528)、コマンド設定処理(ステップA529)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA530)、コマンド設定処理(ステップA531)を行う。さらに、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報かをチェックし(ステップA532)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA533)を行って、特図表示中処理を終了する。
これにより、特図変動表示ゲームの結果態様が小当り結果となったことに基づき、図10に示した小当りファンファーレ中処理(ステップA16)、小当り中処理(ステップA17)、小当り残存球処理(ステップA18)及び小当り終了処理(ステップA19)が行われるようになる。これらの処理により、図16(c)に示した態様で特別変動入賞装置を開閉変換する小当り遊技状態が行われることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が小当り結果となったことに基づき、変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開閉変換する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段をなす。
〔変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA534)の詳細について説明する。図24に示すように、変動回数更新処理では、まず、確変(高確率状態)中であるかを判定する(ステップA541)。確変中である場合(ステップA541;Yes)は、確率変動回数を−1更新し(ステップA542)、確率変動回数が0であるかを判定する(ステップA543)。なお、確率変動回数は、後述するように特別遊技状態や小当り遊技状態の終了時に、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは75、50又は0)が設定される。
この確率変動回数が0でない場合(ステップA543;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、確率変動回数が0である場合(ステップA543;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合は、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA544)。
時短変動回数は、後述するように特別遊技状態や小当り遊技状態の終了時に、通常確率状態かつ時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値が設定される。この時短変動回数が0でない場合(ステップA544;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、確変終了時の確率情報コマンド(時短)を準備し(ステップA545)、コマンド設定処理を行う(ステップA546)。
その後、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA547)時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA548)。そして、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA549)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートありフラグをセーブする(ステップA550)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブし(ステップA551)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップA552)、変動回数更新処理を終了する。
一方、確変中でない場合(ステップA541;No)は、時短(電サポあり)中であるかを判定し(ステップA553)、時短中でない場合(ステップA553;No)は、変動回数更新処理を終了する。また、時短中である場合(ステップA553;Yes)は、時短変動回数を−1更新し(ステップA554)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA555)。
時短変動回数が0でない場合(ステップA555;No)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、時短変動回数が0である場合(ステップA555;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンド(通常)を準備し(ステップA556)、コマンド設定処理を行う(ステップA557)。なお、確率変動回数が0であり(ステップA543;Yes)、時短変動回数が0である場合(ステップA544;Yes)も、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA556)、コマンド設定処理を行う(ステップA557)。
その後、時短の終了に関する信号を外部出力データ領域にセーブし(ステップA558)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA559)。次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA560)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA561)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA562)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA563)、変動回数更新処理を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態や小当り遊技状態の発生により高確率状態が設定された場合は設定された回数の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態が継続され、その後、通常確率状態に移行するようになる。また、時短状態が設定された場合は設定された回数の特図変動表示ゲームを実行することにより時短状態が終了するようになる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了から所定の継続回数の変動表示ゲームが実行されるまで特定遊技状態(高確率状態、時短状態)を継続させることが可能な特定遊技継続手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図26に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、ラウンド数を+1更新し(ステップA591)、ラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA592)、コマンド設定処(ステップA593)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する図柄情報コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA594)、コマンド設定処理(ステップA595)を行い、AT2(第2特別変動入賞装置39)を開放するラウンドであるかを判定する(ステップA596)。
AT2を開放するラウンドでない場合(ステップA596;No)は、AT1の継続開放をセットし(ステップA597)、振分装置の非動作をセットする(ステップA598)。振分装置の非動作をセットする処理(ステップA598)では、振分床部材95を通過規制状態(図4(a)参照)に維持するようにセットする。そして、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA604)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、AT2を開放するラウンドである場合(ステップA596;Yes)は、通過許容大当り中であるかを判定する(ステップA599)。通過許容大当りとは、特定領域91への流入が許容される大当りであって、第1特図変動表示ゲームにおいて大当り図柄乱数が1から30である大当りと、第2特図変動表示ゲームにおける大当りである。この通過許容大当りである場合(ステップA599;Yes)は、AT2(第2特別変動入賞装置39)の継続開放をセットし(ステップA600)、振分装置の作動態様に特定領域通過許容動作をセットする(ステップA601)。そして、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA604)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、通過許容大当りでない場合(ステップA599;No)は、AT2(第2特別変動入賞装置39)の間欠開放をセットし(ステップA602)、振分装置の作動態様に特定領域通過規制動作をセットする(ステップA603)。そして、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA604)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態における複数のラウンド毎に変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)の動作制御を行う動作制御手段をなす。
図27には、振分装置94の動作態様の一例を示した。図27(a)には特定領域通過規制動作(第1動作態様)の一例を示した。この場合、第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cは、0.5秒の開放を所定の閉鎖時間を挟んで10回行う開放態様で動作し、振分装置94の振分床部材95は、開閉扉39cの各回の開放に合わせて動作する。すなわち、各回の開閉扉39cの開放に応じて、開閉扉39cと振分床部材95が互いに関連した開放動作を行うようになっている。
振分床部材95は、第2特別変動入賞装置39への遊技球の不正入賞により特領通過フラグが設定されないように、常時は特定領域91への流入を規制する通過規制状態(図4(a)参照)となっている。そして、開閉扉39cの開放に応じた開放動作においては、まず、振分床部材95を通過許容状態(図4(b)参照)に変換し(t1)、その後開閉扉39cを開放する(t2)。所定時間経過後に振分床部材95は通過規制状態に変換されるが(t3)、この変換タイミングは、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が、最も早く振分床部材95が位置する振分部に到達するタイミング(t4)よりも早く、特定領域91に遊技球が流入しないようにしている。開閉扉が閉鎖(t4)された後、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が、最も遅く振分床部材95が位置する振分部に到達するタイミング(t5)を経過すると、次回の開閉扉39cの開放に応じた開放動作が開始される。以降の各回の開放動作も上述と同様である(例えばt6からt10)。
すなわち、特定領域通過規制動作では、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が、振分床部材95が位置する振分部に到達する期間である振分部通過期間(t4からt5)において振分床部材95を通過規制状態とすることで、特定領域91に遊技球が流入しないようにしている。
図27(b)には特定領域通過許容動作(第2動作態様)の一例を示した。この場合、第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cは所定時間に亘り連続して開放される。振分床部材95は、開閉扉39cが開放(t11)された後、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が、最も早く振分床部材95が位置する振分部に到達するタイミング(t13)より前に通過許容状態に変換される(t12)。すなわち、特定領域通過許容動作では、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が、振分床部材95が位置する振分部に到達する期間である振分部通過期間(t13以降)において振分床部材95を通過許容状態とすることで、特定領域91に遊技球が流入するようにしている。
図28には、特定領域通過規制動作の別例を示した。この例の各回の開放動作では基本的に、振分床部材95が通過許容状態に変換(t21)された後に開閉扉39cが開放される(t22)。その後、開閉扉39cが閉鎖(t23)された後、振分床部材95が通過規制状態に変換される(t24)。このような動作となるのは、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞せず、カウントスイッチ39aで遊技球が検出されなかった場合である。
t25以降には、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞した場合を示した。開放動作において、まず振分床部材95が通過許容状態に変換され(t25)、開閉扉39cが開放される(t26)。そして、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞しなければ通過許容状態とする規定時間内(t25からt29)に第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞し、カウントスイッチ39aで遊技球が検出された場合(t28)は、その時点で振分床部材95を通過規制状態に変換し(t28)、遊技球が特定領域91に流入しないようにする。その後、開閉扉39cの開放により第2特別変動入賞装置39に流入した遊技球が、振分床部材95が位置する振分部に到達する期間である振分部通過期間(t28からt30)が経過した後に次回の開放動作が行われる。このような動作態様とすることで、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞しない場合の開放動作(t21からt24)により、特定領域91へ流入可能であるような印象を持たせることができ、遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、通過規制動作は特定領域91に遊技球が流入しないようにする動作としたが、特定領域91に遊技球が流入する可能性が僅かにあるようにしても良い。すなわち、特定領域91に遊技球が流入し難い動作としても良い。つまり、特定領域91への遊技球の流入が規制された状態であれば良い。また、通過許容動作は特定領域91に遊技球が流入するような動作としたが、通過許容動作でも特定領域91に遊技球が流入しない可能性があるようにしても良い。つまり、特定領域91への遊技球の流入が許容された状態であれば良く、通過規制動作よりも通過許容動作の方が、遊技球が特定領域91に流入する可能性が高ければ良い。また、振分装置94を設けずに、開閉扉39cの開閉態様により第2特別変動入賞装置39への入賞の容易さを変化させることでのみ、特定領域91への流入の容易さを異ならせるようにしても良い。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図29に示すように、大当り終了処理では、まず、特定領域91に遊技球が流入した場合にセットされる特領通過フラグがあるかを判定する(ステップA611)。そして、特領通過フラグがない場合(ステップA611;No)は、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA612)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA613)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA614)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA615)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブし(ステップA616)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップA617)、時短変動回数領域に図柄情報に応じた時短変動回数初期値をセーブする(ステップA625)。
この場合は、特別遊技状態で特定領域91に遊技球が流入しなかった場合であり、この処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に図柄情報に応じた時短変動回数初期値をセットすることで、所定回数(100回又は75回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
一方、特領通過フラグがある場合(ステップA611;Yes)は、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA618)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA619)。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA620)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA621)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブし(ステップA622)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップA623)、確率変動回数領域に図柄情報に応じた確率変動回数をセットし(ステップA624)、時短変動回数領域に図柄情報に応じた時短変動回数初期値をセーブする(ステップA625)。
この場合は、特別遊技状態で特定領域91に遊技球が流入した場合であり、この処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短状態となる。また、確率変動回数領域に図柄情報に応じた確率変動回数をセットすることで、所定回数(75回又は50回)の特図変動表示ゲームの実行により通常確率状態となるようになる。さらに、時短変動回数領域に図柄に応じた時短変動回数初期値をセットすることで、所定回数(100回又は75回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
時短変動回数領域に図柄情報に応じた時短変動回数初期値をセーブする処理(ステップA625)を行った後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA626)、コマンド設定処理(ステップA627)を行う。そして、特図ゲーム処理番号領域に特図普段処理に係る処理番号「0」をセーブして(ステップA628)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA629)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA630)。その後、確率変動判定フラグ領域をリセットし(ステップA631)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA632)、大当り終了処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)の詳細について説明する。図30に示すように、小当り終了処理では、まず、特定領域91に遊技球が流入した場合にセットされる特領通過フラグがあるかを判定する(ステップA641)。そして、特領通過フラグがある場合(ステップA641;Yes)は、確率変動回数領域に小当り時の確率変動回数として50をセットし(ステップA642)、時短変動回数領域に小当り時の時短変動回数として0をセットする(ステップA643)。
その後、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA644)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA645)。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA646)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA647)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブし(ステップA648)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップA649)、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備する(ステップA665)。
この場合は、小当り遊技状態で特定領域91に遊技球が流入した場合であり、この処理により、小当り遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短状態となる。また、確率変動回数領域に確率変動回数として50をセットすることで、小当り遊技状態の終了後、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態となる。さらに、時短変動回数領域に時短変動回数として0をセットすることで、小当り遊技状態の終了後、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。
ここで、小当り発生前の遊技状態が時短状態でない場合は、小当りの発生に基づき高確率状態及び時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数は増加する。また、小当り発生前の遊技状態が高確率状態であった場合は、小当り発生時における高確率状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数によって、小当りの発生に基づき高確率状態となる特図変動表示ゲームの実効回数が増加又は減少することがある。さらに、小当り発生前の遊技状態が高確率状態でなく時短状態であった場合は、小当りの発生に基づき高確率状態及び時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数は増加する。このように、特定遊技状態(高確率状態、時短状態)中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入したことに基づき、当該特定遊技状態の残り継続回数を変化させることが可能である。
特定遊技状態中に小当り遊技状態が発生することで特定遊技状態の継続回数が増加したり減少したりする可能性を持たせることで、小当りが発生した場合の遊技者の期待感を向上させることができる。すなわち、遊技制御装置100が、特定遊技状態中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入したことに基づき、当該特定遊技状態の残り継続回数を変化させることが可能な継続回数変化手段をなす。また、遊技制御装置100が、所定の増加条件の成立に基づき、特定遊技状態の残り継続回数を小当り遊技状態の発生時よりも増加させることが可能な継続回数増加手段をなすとともに、所定の減少条件の成立に基づき、特定遊技状態の残り継続回数を小当り遊技状態の発生時よりも減少させることが可能な継続回数減少手段をなす。
本実施形態における高確率状態については、所定の増加条件とは小当り発生時に高確率状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数が50回未満であることであり、所定の減少条件とは小当り発生時に高確率状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数が51回以上であることである。また、本実施形態における時短状態については、所定の増加条件とは小当り発生時に時短状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数が50回未満であることであり、所定の減少条件とは小当り発生時に時短状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数が51回以上であることである。
一方、特領通過フラグがない場合(ステップA641;No)は、特図高確中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA650)。そして、特図高確中である場合(ステップA650;Yes)は、確率変動回数を0にセットし、時短変動回数を50にセットする(ステップA651)。その後、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA652)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA653)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA654)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA655)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短フラグをセーブし(ステップA656)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップA657)、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備する(ステップA665)。
この場合は、小当りの発生時に高確率状態であって小当り遊技状態で特定領域91に遊技球が流入しなかった場合であり、この処理により、小当り遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となる。また、時短変動回数として50をセットすることで、50回の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
なお、この場合は、小当り発生時における時短状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数によって、小当りの発生に基づき時短状態となる特図変動表示ゲームの実行回数が増加又は減少することがある。また、小当り発生時における高確率状態となる特図変動表示ゲームの残り実行回数が1回以上である場合は、高確率状態となる特図変動表示ゲームの実行回数は減少する(0となる)こととなる。このように、特定遊技状態(高確率状態、時短状態)中での小当り遊技状態の発生に基づき、当該特定遊技状態の残り継続回数を変化させることが可能である。すなわち、遊技制御装置100が、特定遊技状態(高確率状態)中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入しなかったことに基づき、当該特定遊技状態(高確率状態)を終了させることが可能な特定遊技終了手段をなす。このように、特定遊技状態中に小当り遊技状態が発生することで特定遊技状態が終了する可能性をもたせることで、小当りが発生するか否かに対する遊技者のドキドキ感を向上させることができる。
また、特図高確中でない場合(ステップA650;No)は、確率変動回数及び時短変動回数を0にセットする(ステップA658)。その後、低確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA659)、低確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA660)。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA661)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA662)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブし(ステップA663)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA664)、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備する(ステップA665)。
この場合は、小当りの発生時に通常確率状態であり、小当り遊技状態で特定領域91に遊技球が流入しなかった場合である。小当り発生前の遊技状態が時短状態でない場合は、小当りの発生による遊技状態の変化はない。なお、この場合はステップA658からA664の処理を行わなくても良い。しかし、小当り発生前の遊技状態が時短状態であった場合は、小当りの発生に基づき時短状態が終了する。このように、時短状態中での小当り遊技状態の発生に基づき、当該時短状態の残り継続回数を変化させることが可能である。すなわち、遊技制御装置100が、特定遊技状態(時短状態)中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入しなかったことに基づき、当該特定遊技状態(時短状態)を終了させることが可能な特定遊技終了手段をなす。
特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備する処理(ステップA665)を行った後、コマンド設定処理(ステップA666)を行う。そして、特図ゲーム処理番号領域に特図普段処理に係る処理番号「0」をセーブして(ステップA667)、小当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA668)、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA669)。その後、大入賞口1不正監視期間フラグ領域及び大入賞口2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA670、A671)、ラウンドLEDポインタ領域をリセットして(ステップA672)、小当り終了処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、特定領域91への遊技球の流入に基づき、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技発生手段をなす。また、遊技制御装置100が、遊技の進行に関わる遊技状態を通常遊技状態(高確率状態や時短状態でない状態)、若しくは、該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高確率状態や時短状態)に設定する遊技状態設定手段をなす。
なお、特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入した場合は、新たに特定遊技状態とする実行回数を設定するようにしたが、高確率状態とする残り実行回数や時短状態とする残り実行回数に所定回数を加算する(上乗せ)するようにしても良い。また、特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入しなかったことに基づき、当該特定遊技状態(高確率状態又は時短状態)を終了させるとしたが、特定遊技状態として実行する特図変動表示ゲームの実行回数を所定回数減少させるようにしても良い。
以上のことから、発射された遊技球が流下する遊技領域32に設けた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となると複数のラウンドに亘って変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開閉変換する特別遊技状態を発生する遊技機において、変動入賞装置の内部に設定され、当該変動入賞装置の動作により遊技球が流入可能な特定領域91と、特別遊技状態における複数のラウンド毎に変動入賞装置の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、複数のラウンドのうち特定領域91への遊技球の流入を可能とする特定ラウンドを決定するラウンド決定手段(遊技制御装置100)と、特定領域91への遊技球の流入に基づき、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、動作制御手段は、ラウンド決定手段により決定された特定ラウンドにおいて特定領域91に遊技球が流入可能なように変動入賞装置の動作制御を行うようにしていることとなる。
また、変動入賞装置は、特定領域91が設定されない第1変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38)と、特定領域91が設定された第2変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)とを備え、動作制御手段(遊技制御装置100)は、特定ラウンドにおいて第2変動入賞装置を開状態に変換動作させる一方、その余のラウンドにおいて第1変動入賞装置を開状態に変換動作させるようにしていることとなる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)とを備え、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームを実行する第2変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、動作制御手段(遊技制御装置100)は、第2変動入賞装置の内部に設けた振分部材(振分床部材95)の動作態様を、特定領域91への遊技球の流入が規制される(流入し難い若しくは流入しない)第1動作態様と、特定領域91ヘの遊技球の流入が許容される(流入し易い若しくは流入する)第2動作態様との何れかで制御し、第1変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の特定ラウンドと第2変動表示ゲームに基づき発生した特別遊技状態の特定ラウンドとで、振分部材を第2動作態様で制御する確率が異なるようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームが小当り結果となったことに基づき、変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開閉変換する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段(遊技制御装置100)を備え、特定遊技発生手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了から所定の継続回数の変動表示ゲームが実行されるまで特定遊技状態を継続させることが可能な特定遊技継続手段(遊技制御装置100)と、特定遊技状態中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入したことに基づき、当該特定遊技状態の残り継続回数を変化させることが可能な継続回数変化手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
また、継続回数変化手段(遊技制御装置100)は、所定の増加条件の成立に基づき、特定遊技状態の残り継続回数を小当り遊技状態の発生時よりも増加させることが可能な継続回数増加手段(遊技制御装置100)と、所定の減少条件の成立に基づき、特定遊技状態の残り継続回数を小当り遊技状態の発生時よりも減少させることが可能な継続回数減少手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームが小当り結果となったことに基づき、変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開閉変換する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段(遊技制御装置100)を備え、特定遊技発生手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了から所定の継続回数の変動表示ゲームが実行されるまで特定遊技状態を継続させることが可能な特定遊技継続手段(遊技制御装置100)と、特定遊技状態中に発生した小当り遊技状態において特定領域91へ遊技球が流入しなかったことに基づき、当該特定遊技状態を終了させることが可能な特定遊技終了手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。前述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、当該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。そして、主制御用マイコン(1stCPU)311による制御処理は、主に、図31に示す1stメイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)に行われる図32に示す割込み処理とからなる。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。この1stメイン処理においては、図31に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップB1)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップB2)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップB3)、割込みを許可する(ステップB4)。
この1stメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB5)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB6)を行う。次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップB7)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB8)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップB11〜B13)において制御を行う。なお、テストモードは遊技機10の電源遮断で終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB9)を行い、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB10)を行う。次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB11)、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB12)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB13)を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB14)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB5)に戻る。
〔割込み処理〕
次に、割込み処理について説明する。この割込み処理においては、図32に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップB21)を行う。次いで、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB22)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップB23)を行う。次いで、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB24)を行って、割込み処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、図33に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、図33に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC1)を行い、RAMを0クリアして(ステップC2)、RAMの初期値を設定する(ステップC3)。次いで、VDP313を初期化するVDP初期化処理(ステップC4)を行い、各種割込みを許可する(ステップC5)。次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップC6)を行い、画面描画を許可する(ステップC7)。
この2ndメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップC8)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップC9)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップC9)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップC9;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC10)。
次いで、受信コマンドチェック処理(ステップC11)を行う。この受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップC12)を行う。この2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップC13)を行う。この背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップC14)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示81の設定を行う保留表示処理(ステップC15)を行う。この保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示81の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップC16)を行う。この客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップC17)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB9)の詳細について説明する。図34に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップB31)。ステップB31で、テストモード中であると判定した場合(ステップB31;Yes)には、1stシーン制御処理を終了する。一方、ステップB31で、テストモード中でないと判定した場合(ステップB31;No)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB32)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当りファンファーレコマンド、大入開放n回目コマンド、インターバルコマンド等)である。
ステップB32で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップB32;Yes)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB33)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB34)。ステップB34で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップB34;Yes)には、受信コマンドをセーブし(ステップB35)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB36)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。
一方、ステップB32でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB32;No)や、ステップB34で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップB34;No)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB38)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB39)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB40)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB41)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB42)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態や小当り遊技状態の開始に関する処理である小当り/大当りファンファーレ処理(ステップB43)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理である大当りラウンド中処理(ステップB44)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理である大当りインターバル処理(ステップB45)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了に関する処理である小当り/大当りエンディング処理(ステップB46)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB47)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップB48)を行う。
次いで、確率状態(高確率状態、時短状態、これらの何れでもない通常状態)に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB49)を行う。次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定処理(ステップB50)を行って、1stシーン制御処理を終了する。このように事前判定処理(ステップB50)の前に確率情報コマンド受信処理(ステップB49)を行い、確率情報の変化を監視しておくことで信憑性の高い事前判定を行うことができる。
〔変動中処理〕
次に、前述の1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB41)の詳細について説明する。図35に示すように、変動中処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB201)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
ステップB201で、演出リクエストフラグがあると判定した場合(ステップB201;Yes)には、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB202)、可動体リクエストセット処理(ステップB203)を行う。次いで、第2演出モード用選択テーブルをセットして(ステップB204)、第1演出モードが設定されているか否かを判定する(ステップB205)。
ステップB205で、第1演出モードが設定されていないと判定した場合(ステップB205;No)、すなわち、第2演出モードが設定されている場合には、セットされている第2演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置100からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
一方、ステップB205で、第1演出モードが設定されていると判定した場合(ステップB205;Yes)には、ステップB204でセットした第2演出モード用選択テーブルに替えて、第1演出モード用選択テーブルをセットする(ステップB206)。そして、セットされている第1演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置100からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
次いで、役物動作パターン設定処理(ステップB208)を行い、実行中の特図変動表示ゲームについての予告演出や、未だ特図変動表示ゲームを実行していない始動記憶を対象として複数の特図変動表示ゲームにおいて連続的に演出を実行する連続予告の設定を行う予告演出設定処理(ステップB209)を行う。そして、乱数シード初期化処理(ステップB210)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB211)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB212)を行い、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットする(ステップB213)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB214)、変動中処理を終了する。
また、ステップB201で、演出リクエストフラグがないと判定した場合(ステップB201;No)には、シーン更新タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップB215)。シーン更新タイマは、シーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、このシーン更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
ステップB215で、シーン更新タイマの値が0でないと判定した場合(ステップB215;No)は、上述の予告演出設定処理(ステップB209)で設定した予告演出を実行する予告演出実行処理(ステップB217)、演出モード切替処理(ステップB218)を行って、変動中処理を終了する。一方、ステップB215で、シーン更新タイマの値が0であると判定した場合(ステップB215;Yes)には、次の通常シーンデータを設定する(ステップB216)。これにより、新たなシーンが開始されるとともにシーン更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。そして、予告演出実行処理(ステップB217)、演出モード切替処理(ステップB218)を行って、変動中処理を終了する。
〔事前判定処理〕
次に、前述の1stシーン制御処理における事前判定処理(ステップB50)の詳細について説明する。図36に示すように、事前判定処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)を受信したかを判定する(ステップB221)。事前判定コマンドは、始動記憶が発生した場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドであり、当該始動記憶について行われた先読み処理の結果が含まれている。
この事前判定コマンドを受信していない場合(ステップB221;No)は、始動記憶数の変化に伴う事前判定の変更に関する処理を行う再事前判定処理(ステップB228)を行って、事前判定処理を終了する。また、事前判定コマンドを受信した場合(ステップB221;Yes)は、事前判定コマンドの内容を対応する保留(始動)記憶領域にセーブする(ステップB222)。
そして、テーブル1(図38(a)参照)から図柄情報(大当り、小当り又ははずれ)、特図種類(特図1又は2)、遊技状態(時短状態か否か)に対応する選択テーブルを準備し(ステップB223)、選択したテーブルから変動パターン乱数コマンドに応じたリーチ系統を取得する(ステップB224)。次に、事前演出振分テーブル(図39(a)参照)をセットし(ステップB225)、事前演出選択処理(ステップB226)を行って、対象となる保留記憶領域に選択された事前演出情報をセーブする(ステップB227)。その後、再事前判定処理(ステップB228)を行って、事前判定処理を終了する。
図38(a)にはステップB223で参照するテーブル1を示した。なお、ここに示されている各変動グループ選択テーブルは、図18から図20に示したテーブルに対応している。演出制御装置300において始動記憶の発生に基づき当該始動記憶について行われる事前判定では、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際に始動記憶数が1である場合(つまり、これから特図変動表示ゲームが実行される始動記憶のみ記憶されている場合)の変動態様について事前判定を行う。これは、当該始動記憶の発生後、新たに同じ特図種類の始動記憶が発生しなければ当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数は1となるためである。このように、始動記憶の発生時点では最も少ない記憶数に応じて事前判定を行っておくことで、特図変動表示ゲームの実行毎の始動記憶数の変化に応じて事前演出の演出態様を変化させることが可能となる。また、事前演出の演出態様を変化させるために遊技球の発射を促すことができ、止め打ちを防止することも可能となる。
このような事前判定を行うために用いるテーブル1に基づき、始動記憶数が1である場合に用いられる変動グループ選択テーブルのみが選択される。結果(図柄情報)が大当り又は小当りである場合は、図18に示すように始動記憶数にかかわらず特図種類により選択される変動グループ選択テーブルが用いられるため、図38(a)でも図柄情報と特図種類により変動グループ選択テーブルが選択されるようになっている。また、結果(図柄情報)がはずれである場合は、図19、図20に示すように特図種類、遊技状態及び始動記憶数により変動グループ選択テーブルが選択されるようになっており、図38(a)に示すテーブル1では、各特図種類及び各遊技状態での始動記憶数が1である場合に用いられる変動グループ選択テーブルが選択されるようになっている。
すなわち、各遊技状態(例えば時短状態か否か)に対応付けられた複数の情報判定態様(変動グループ選択テーブル)のうち、始動記憶の発生時点での遊技状態に対応する情報判定態様によって、当該始動記憶として記憶された判定情報の事前判定を行うようにしている。これにより、変動表示ゲームの実行毎に事前演出の演出態様を変化させることが可能となる。
そして、このテーブル1から選択された変動パターン選択テーブルに変動パターン乱数1の情報を含む変動パターン乱数コマンドの情報を参照することで、当該始動記憶が始動記憶数1である場合に選択されるリーチ系統(リーチなし、ノーマルリーチ、SP1から4リーチの何れか)を取得することができる。
事前演出選択処理(ステップB226)では、このように取得されたリーチ系統を、図39(a)に示す事前演出振分テーブルに参照し、事前報知態様を決定する。本実施形態の遊技機での事前演出は、始動記憶に対応して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示81の表示色により、リーチとなる可能性の高さや種類、大当りや小当りとなる可能性の高さである期待度を報知する演出となっている。飾り特図始動記憶表示81の表示色には、期待度の低いものから順に、白色、青色、黄色、赤色、虹色の5種類が設定されている。事前報知態様とは、このような事前演出における飾り特図始動記憶表示81の表示色であり、例えば、結果(図柄情報)がはずれであり、リーチ系統がリーチなしである場合は、当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色が、95%の確率で白色に決定され、5%の確率で青色に決定される。このように決定された事前演出は、演出制御装置300において始動記憶と対応して事前演出情報として記憶されるとともに、この事前演出情報に基づき図33に示した2ndメイン処理における保留表示処理(ステップC15)により、対応する始動記憶が消化されるまで表示される。
すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始前に事前判定することが可能な事前判定手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段の判定結果を示唆する事前演出を複数の変動表示ゲームに亘って実行することが可能な事前演出手段をなす。また、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき抽出されて始動記憶として記憶された判定情報を、予め定められた情報判定態様によって当該始動記憶の発生時に事前判定する入賞時事前判定手段をなす。
なお、予め定められた情報判定態様とは、図38(a)、図39(a)に示すように、事前判定の実行時における遊技の進行状態に応じて定められる事前判定の判定態様である。また、遊技の進行状態とは、始動記憶数や始動入賞領域への入賞の容易さ(いわゆる時短状態か否か)などである。この他に、演出の状態(演出のモード状態、複数のゲームに亘る連続的な演出の実行中、他の始動記憶についての事前演出の有無など)、特別結果となる確率の状態(いわゆる確変状態か否か)などを含んでも良い。
〔再事前判定処理〕
次に、事前判定処理における再事前判定処理(ステップB228)の詳細について説明する。図37に示すように、再事前判定処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、保留(始動)記憶が減算されたか、すなわち特図変動表示ゲームが開始されたかを判定し(ステップB231)、減算されていない場合(ステップB231;No)は、再事前判定処理を終了する。また、減算された場合(ステップB231;Yes)は、特図1用の保留記憶領域を再判定対象としてセットし(ステップB232)、高サポ(時短状態)中であるかを判定する(ステップB233)。
高サポ中でない場合(ステップB233;No)は、保留記憶があるかを判定する(ステップB235)。また、高サポ中である場合(ステップB233;Yes)は、特図2用の保留記憶領域を再判定対象としてセットし(ステップB234)、保留記憶があるかを判定する(ステップB235)。そして、保留記憶がない場合(ステップB235;No)は、再事前判定処理を終了する。
また、保留記憶がある場合(ステップB235;Yes)は、再判定対象となる保留記憶領域をセットし(ステップB236)、再判定可能な記憶であるかを判定する(ステップB237)。再判定可能な記憶とは、事前判定コマンドが送信されている始動記憶である。時短状態中や特別遊技状態中に発生した第1始動記憶については遊技制御装置100で事前判定を行わないため、演出制御装置300に事前判定コマンドが送信されていない。このような始動記憶については演出制御装置300で事前判定や再判定を行うことができない。よって、再判定可能な記憶でない場合(ステップB237;No)は、再判定についての処理を行わずに再判定の対象となった特図種類(特図1又は2)の保留記憶領域に記憶されている全保留記憶についての再判定が終了したかの判定(ステップB243)を行う。
また、再判定可能な記憶である場合(ステップB237;Yes)は、テーブル2(図38(b)参照)から図柄情報(大当り、小当り又ははずれ)、特図種類(特図1又は2)、遊技状態(時短状態か否か)、後続保留数(同一の特図種類で再判定対象の始動記憶より後に記憶された始動記憶数)に対応する選択テーブルを準備する(ステップB238)。そして、選択したテーブルから変動パターン乱数コマンドに応じたリーチ系統を取得し(ステップB239)、再事前演出振分テーブル(図39(b)参照)をセットして(ステップB240)、事前演出選択処理(ステップB241)を行う。その後、対象となる保留記憶領域に選択された事前演出情報をセーブし(ステップB242)、再判定の対象となった特図種類(特図1又は2)の保留記憶領域に記憶されている全保留記憶についての再判定が終了したかの判定(ステップB243)を行う。
再判定の対象となった特図種類(特図1又は2)の保留記憶領域に記憶されている全保留記憶について再判定が終了していない場合(ステップB243;No)は、再判定対象となる保留記憶領域をセットする処理(ステップB236)に戻り、未だ再判定されていない始動記憶について再判定の処理を繰り返す。また、再判定の対象となった特図種類(特図1又は2)の保留記憶領域に記憶されている全保留記憶について再判定が終了した場合(ステップB243;Yes)は、再事前判定処理を終了する。
図38(b)にはステップB238で参照するテーブル2を示した。なお、ここに示されている各変動グループ選択テーブルは、図18から図20に示したテーブルに対応している。再事前判定では、現在の始動記憶の状態において再判定対象の始動記憶が特図変動表示ゲームを実行する際の変動態様について事前判定を行う。例えば、再判定対象の始動記憶の後に同一特図種類の2つの始動記憶が記憶されている場合は、再判定対象の始動記憶が始動記憶数3である状態で特図変動表示ゲームを実行するものとして再判定を行う。これにより、始動記憶数の変化に応じて、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
このような事前判定を行うために用いるテーブル2に基づき、再判定対象の始動記憶が特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数に対応した変動グループ選択テーブルが選択される。結果(図柄情報)が大当り又は小当りである場合は、図18に示すように始動記憶数にかかわらず特図種類により選択される変動グループ選択テーブルが用いられるため、図38(b)でも図柄情報と特図種類により変動グループ選択テーブルが選択されるようになっている。また、結果(図柄情報)がはずれである場合は、図19、図20に示すように特図種類、遊技状態及び始動記憶数により変動グループ選択テーブルが選択されるようになっており、図38(a)に示すテーブル2では、各特図種類及び各遊技状態での再判定対象の始動記憶が特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数に対応した変動グループ選択テーブルが選択されるようになっている。
すなわち、各遊技状態(例えば時短状態か否か)に対応付けられた複数の情報判定態様(変動グループ選択テーブル)のうち、事前判定を行う時点での遊技状態に対応する判定態様によって、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報の再事前判定を行うようにしている。これにより、遊技状態の変化に応じて、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
そして、このテーブル2から選択された変動パターン選択テーブルに変動パターン乱数1の情報を含む変動パターン乱数コマンドの情報を参照することで、再判定対象の始動記憶が特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数に対応したリーチ系統(リーチなし、ノーマルリーチ、SP1から4リーチの何れか)を取得することができる。
事前演出選択処理(ステップB241)では、このように取得されたリーチ系統を、図39(b)に示す再事前演出振分テーブルに参照し、事前報知態様を決定する。例えば、結果(図柄情報)がはずれであり、前回の判定結果(事前判定又は再事前判定の結果)がリーチなしであって、今回の再判定の結果がリーチなしである場合は、当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階低い表示色に変更する。また、結果(図柄情報)がはずれであり、前回の判定結果(事前判定又は再事前判定の結果)がリーチなしであって、今回の再判定の結果がノーマルリーチ以上である場合は、当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色が維持される。
さらに、結果(図柄情報)がはずれであり、前回の判定結果(事前判定又は再事前判定の結果)がノーマルリーチであって、今回の再判定の結果がSP1リーチ以上である場合は、当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階高い表示色に変更する。このように決定された事前演出は、演出制御装置300において始動記憶と対応して記憶されるとともに、図33に示した2ndメイン処理における保留表示処理(ステップC15)により表示装置41に表示される。
また、結果(図柄情報)がはずれであり、前回の判定結果(事前判定又は再事前判定の結果)がSP2リーチであって、今回の再判定の結果がSP3リーチである場合は、当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階高い表示色に変更するか、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘る複数の特図変動表示ゲームにおいて連続的に演出を実行する連続予告の実行が選択される。この場合、すでに他の始動記憶を対象とした連続予告が実行されている場合は、飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階高い表示色に変更し、他の始動記憶を対象とした連続予告が実行されていない場合は、当該始動記憶を対象とした連続予告を行う。なお、当該始動記憶を対象とした連続予告を行う場合は、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81の表示色は維持するようにしても良いし、期待度が1段階高い表示色に変更するようにしても良い。
また、結果(図柄情報)が大当り又は小当りである場合は、再判定対象の始動記憶が特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数が変化してもリーチ系統は変化しないので、リーチ系統の種類に応じて所定の確率で飾り特図始動記憶表示81の表示色の変更や、連続予告の発生を選択する。例えば、結果が大当りであり、事前判定の結果がノーマルリーチである場合は、50%の確率で当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色の維持を選択し、50%の確率で当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階の高い表示色へ変更する。
このように再事前判定では、前回の事前判定の判定結果と今回の事前判定との相対評価に基づいて、事前演出の演出態様を変化させる場合の変化態様を決定するようにしている。これにより、変動表示ゲームの実行毎に事前演出の実行態様を段階的に変化させることができるので、事前演出の実行態様が極端に変化することを防止でき、事前演出に対する信頼感を高めることができる。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームが実行される毎に始動記憶の判定情報を遊技の進行状態に応じて事前判定するゲーム毎事前判定手段をなす。
なお、飾り特図始動記憶表示81の表示色が最も期待度の低い白色である場合に、再判定により飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階低い表示色に変更することが選択された場合は、飾り特図始動記憶表示81の表示色は白色のまま維持される。また、飾り特図始動記憶表示81の表示色が赤色である場合に、再判定により飾り特図始動記憶表示81の表示色を期待度が1段階高い表示色に変更することが選択された場合は、結果(図柄情報)により飾り特図始動記憶表示81の表示色を選択する。この場合、結果がはずれであれば飾り特図始動記憶表示81の表示色を赤色のまま維持し、結果が大当りであれば飾り特図始動記憶表示81の表示色を虹色に変更する。すなわち、最も期待度の高い虹色は、結果が大当りとなる場合にのみ選択されるようにする。
このように再事前判定により事前演出の実行態様を変化させることで、始動記憶の発生時点での遊技の進行状態と、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時点での遊技の進行状態とが相違するような場合であっても、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
以上のことから、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)と、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき判定情報を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果になると遊技者に有利な特別遊技状態を生起する遊技機において、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始時に遊技の進行状態に応じて判定し、該判定結果に基づき変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、事前判定手段の判定結果を示唆する事前演出を複数の変動表示ゲームに亘って実行することが可能な事前演出手段(演出制御装置300)と、を備え、事前判定手段は、変動表示ゲームが実行される毎に始動記憶の判定情報を遊技の進行状態に応じて事前判定するゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)を備え、事前演出手段は、ゲーム毎事前判定手段の判定結果に基づいて事前演出の演出態様を変化させるようにしていることとなる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出されて始動記憶として記憶された判定情報を、予め定められた情報判定態様によって当該始動記憶の発生時に事前判定する入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、事前演出手段(演出制御装置300)は、入賞時事前判定手段の判定結果に対応する演出態様で事前演出の実行を開始するとともに、当該事前演出の演出態様をゲーム毎事前判定手段の判定結果に基づき変化させるようにしていることとなる。
また、事前演出手段(演出制御装置300)は、前回の事前判定の判定結果と今回の事前判定との相対評価に基づいて、事前演出の演出態様を変化させる場合の変化態様を決定するようにしていることとなる。
また、遊技の進行に関わる遊技状態を通常遊技状態、若しくは、該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、変動表示ゲームの開始時の遊技状態に対応する情報判定態様によって、変動表示ゲームの実行対象となる始動記憶の判定情報の判定を行い、ゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、事前判定を行う時点での遊技状態に対応する判定態様によって、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしていることとなる。
また、入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、始動記憶の発生時点での遊技状態に対応する情報判定態様によって、当該始動記憶として記憶された判定情報の事前判定を行うようにしていることとなる。
また、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、変動表示ゲームの開始時の始動記憶の記憶数に対応した情報判定態様によって、変動表示ゲームの実行対象となる始動記憶の判定情報の判定を行い、ゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、判定対象となる始動記憶よりも後に記憶された始動記憶の記憶数に対応した情報判定態様によって、該判定対象となる始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしていることとなる。
また、入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、最も少ない記憶数に対応付けられた情報判定態様によって、新たに発生した始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしていることとなる。
図40から図43には、事前演出の変化の一例を示した。図40には、時短状態でない場合における事前演出の変化の一例を示した。図40(a)に示すように、表示装置41の表示部には、中央の変動表示領域41aで識別情報が変動表示される。また、下部の左側の第1始動記憶表示領域41bには、記憶されている第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81が表示され、下部の右側の第2始動記憶表示領域41cには、記憶されている第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81が表示される。
図40(a)に示す状態は、第1始動記憶が1つある状態で特図変動表示ゲームを実行している際に、新たに第1始動記憶が発生した状態である。最先の第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81aについては、当該第1始動記憶の発生時に行われた事前判定により白色の事前判定態様が選択されている。また、新たに発生した第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81bについては、当該第1始動記憶の発生時に行われた事前判定により、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はリーチなしと判定され、事前判定態様として白色が選択されている。
そして、図40(b)に示すように、新たな第1始動記憶が発生すると、当該第1始動記憶についての事前判定が行われる。当該第1始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はSP2リーチと判定され、当該第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81cについては、事前判定態様として青色が選択されている。
その後、図40(c)に示すように特図変動表示ゲームが終了し、図40(d)に示すように飾り特図始動記憶表示81aに対応する第1始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81b、81cに対応する第1始動記憶について再事前判定が行われる。
この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81bに対応する第1始動記憶については始動記憶数が2である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はリーチなしと判定されている。前回のリーチ系統の判定結果はリーチなしであり、今回のリーチ系統の判定結果もリーチなしであるので、事前報知態様の変化は期待度の1段階低い表示色への変更が選択される(図39(b)参照)が、現在の飾り特図始動記憶表示81の表示色は最も期待度の低い白色であるので、表示色は白色のまま維持される。また、飾り特図始動記憶表示81cに対応する第1始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はSP2リーチと判定される。前回のリーチ系統の判定結果はSP2リーチであり、今回のリーチ系統の判定結果もSP2リーチであるので、事前報知態様の表示色の維持が選択され(図39(b)参照)、表示色は青色のままとなる。
図41にも、時短状態でない場合における事前演出の変化の一例を示した。図41(a)に示す状態は、第1始動記憶がない状態で特図変動表示ゲームを実行している際に、新たに第1始動記憶が発生した状態である。新たに発生した第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81aについては、当該第1始動記憶の発生時に行われた事前判定に基づき事前判定態様として白色が選択されている。
そして、図41(b)に示すように、次の新たな第1始動記憶が発生すると、当該第1始動記憶についての事前判定が行われる。当該第1始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はSP2リーチと判定され、当該第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81bについては、事前判定態様として黄色が選択されている。
その後、図41(c)に示すように特図変動表示ゲームが終了する前に、さらに新たな第1始動記憶が発生している。当該第1始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はリーチなしと判定され、当該第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81cについては、事前判定態様として白色が選択されている。そして、図41(d)に示すように飾り特図始動記憶表示81aに対応する第1始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81b、81cに対応する第1始動記憶について再事前判定が行われる。
この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81bに対応する第1始動記憶については始動記憶数が2である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はノーマルリーチと判定されている。前回のリーチ系統の判定結果はSP2リーチであり、今回のリーチ系統の判定結果はノーマルリーチであるので、事前報知態様の変化は期待度の1段階低い表示色への変更が選択され(図39(b)参照)、表示色は青色に変更される。また、飾り特図始動記憶表示81cに対応する第1始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はリーチなしと判定される。前回のリーチ系統の判定結果はリーチなしであり、今回のリーチ系統の判定結果もリーチなしであるので、事前報知態様の変化は期待度の1段階低い表示色への変更が選択される(図39(b)参照)が、現在の飾り特図始動記憶表示81の表示色は最も期待度の低い白色であるので、表示色は白色のまま維持される。
図42にも、時短状態でない場合における事前演出の変化の一例を示した。図42(a)に示す状態は、第1始動記憶が2つある状態で特図変動表示ゲームを実行している状態である。これらの第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81a,81bについては、事前判定や再事前判定により白色の事前判定態様が選択されている。そして、図42(b)に示すように、特図変動表示ゲームが終了する前に新たな第1始動記憶が発生しており、当該第1始動記憶についての事前判定が行われている。当該第1始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はSP2リーチと判定され、当該第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81cについては、事前判定態様として青色が選択されている。
その後、図42(c)に示すように飾り特図始動記憶表示81aに対応する第1始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81b、81cに対応する第1始動記憶について再事前判定が行われる。この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81bに対応する第1始動記憶については、飾り特図始動記憶表示81の表示色は白色のまま維持することが選択されている。また、飾り特図始動記憶表示81cに対応する第1始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はSP2リーチと判定される。前回のリーチ系統の判定結果はSP2リーチであり、今回のリーチ系統の判定結果もSP2リーチであるので、事前報知態様の表示色の維持が選択され(図39(b)参照)、表示色は青色のままとなる。
また、図42(d)に示すように、この特図変動表示ゲームの実行中に新たな第1始動記憶が発生しており、当該第1始動記憶についての事前判定が行われている。当該第1始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はリーチなしと判定され、当該第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81dについては、事前判定態様として白色が選択されている。
図42(e)に示すように特図変動表示ゲームが終了し、図42(f)に示すように飾り特図始動記憶表示81bに対応する第1始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81c、81dに対応する第1始動記憶について再事前判定が行われる。
この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81cに対応する第1始動記憶については、始動記憶数が2である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はSP3リーチと判定されている。前回のリーチ系統の判定結果はSP2リーチであり、今回のリーチ系統の判定結果はSP3リーチであるので、事前報知態様の表示色を期待度が1段階の高い表示色に変更するか、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘る複数の特図変動表示ゲームにおいて連続的に演出を実行する連続予告の実行が選択される。
ここでは他の始動記憶を対象とした連続予告が実行されていないので、当該始動記憶を対象とした連続予告の実行が選択され、図43(f)に示すように、連続予告の第1段階目の演出が行われる。また、飾り特図始動記憶表示81cの表示色は期待度が1段階高い表示色である黄色に変更されている。なお、飾り特図始動記憶表示81dに対応する第1始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定されて、事前報知態様の表示色の維持が選択されている。
そして、図42(g)に示すように特図変動表示ゲームが終了し、図42(h)に示すように飾り特図始動記憶表示81cに対応する第1始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始されると、連続予告の第2段階目の演出が行われる。なお、この際に、飾り特図始動記憶表示81dに対応する第1始動記憶についての再事前判定が行われ、事前報知態様の表示色の維持が選択されている。
図43には、時短状態である場合における事前演出の変化の一例を示した。図43(a)に示す状態は、第1始動記憶が2つあり、第2始動記憶が1つある状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態である。第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81a,81bについては、当該第1始動記憶の発生時に事前判定コマンドが送信されていないため、事前判定は行われておらず、表示色は白色とされている。また、第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81dについては、当該第2始動記憶の発生時に行われた事前判定により白色の事前判定態様が選択されている。
この状態で、図43(b)に示すように新たに第1始動記憶と第2始動記憶が発生している。新たに発生した第1始動記憶についての事前判定コマンドは送信されないので事前判定は行われず、この第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81cについては表示色として白色が選択される。また、新たに発生した第2始動記憶については事前判定コマンドが送信されており、当該第2始動記憶についての事前判定が行われている。当該第2始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はノーマルリーチと判定され、当該第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81eについては、事前判定態様として白色が選択されている。
さらに、図43(c)に示すように、特図変動表示ゲームが終了する前に新たな第2始動記憶が発生しており、当該第2始動記憶についての事前判定が行われている。当該第2始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はリーチなしと判定され、当該第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81fについては、事前判定態様として白色が選択されている。
その後、図43(d)に示すように飾り特図始動記憶表示81dに対応する第2始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81e、81fに対応する第2始動記憶について再事前判定が行われる。
この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81eに対応する第2始動記憶については始動記憶数が2である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はノーマルリーチと判定されている。前回のリーチ系統の判定結果はノーマルリーチであり、今回のリーチ系統の判定結果もノーマルリーチであるので、事前報知態様の表示色の維持が選択され(図39(b)参照)、表示色は白色のままとなる。また、飾り特図始動記憶表示81fに対応する第2始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はリーチなしと判定される。前回のリーチ系統の判定結果はリーチなしであり、今回のリーチ系統の判定結果もリーチなしであるので、事前報知態様の変化は期待度の1段階低い表示色への変更が選択される(図39(b)参照)が、現在の飾り特図始動記憶表示81fの表示色は最も期待度の低い白色であるので、表示色は白色のまま維持される。
図44にも時短状態である場合における事前演出の変化の一例を示した。図44(a)に示す状態は、第1始動記憶が2つあり、第2始動記憶が1つある状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態である。第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81a,81bについては、当該第1始動記憶の発生時に事前判定コマンドが送信されていないため、事前判定は行われておらず、表示色は白色とされている。また、第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81cについては、当該第2始動記憶の発生時に行われた事前判定により白色の事前判定態様が選択されている。
この状態で、図44(b)に示すように新たに第2始動記憶が発生している。新たに発生した第2始動記憶については事前判定コマンドが送信されており、当該第2始動記憶についての事前判定が行われている。当該第2始動記憶についての事前判定では、結果が大当りでありリーチ系統はノーマルリーチと判定され、当該第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81dについては、事前判定態様として黄色が選択されている。
さらに、図44(c)に示すように、特図変動表示ゲームが終了する前に新たな第2始動記憶が発生しており、当該第2始動記憶についての事前判定が行われている。当該第2始動記憶についての事前判定では、結果がはずれであり始動記憶数が1である場合のリーチ系統はリーチなしと判定され、当該第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示81eについては、事前判定態様として白色が選択されている。
その後、図44(d)に示すように飾り特図始動記憶表示81cに対応する第2始動記憶に基づく次の特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が減算されると、飾り特図始動記憶表示81d、81eに対応する第2始動記憶について再事前判定が行われる。
この再事前判定では、飾り特図始動記憶表示81dに対応する第2始動記憶については、結果が大当りであるので、事前報知態様の表示色の維持と期待度の1段階高い表示色への変更がそれぞれ50%の確率で選択される(図39(b)参照)。ここでは、期待度の1段階高い表示色への変更が選択されており、飾り特図始動記憶表示81dの表示色は赤色に変更される。また、飾り特図始動記憶表示81eに対応する第2始動記憶については、事前判定時と同じく始動記憶数が1である場合のリーチ系統が判定され、ここではリーチ系統はリーチなしと判定される。前回のリーチ系統の判定結果はリーチなしであり、今回のリーチ系統の判定結果もリーチなしであるので、事前報知態様の変化は期待度の1段階低い表示色への変更が選択される(図39(b)参照)が、現在の飾り特図始動記憶表示81eの表示色は最も期待度の低い白色であるので、表示色は白色のまま維持される。
以上のような事前演出の変化により、始動記憶の発生時点での遊技の進行状態と、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時点での遊技の進行状態とが相違するような場合であっても、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、信憑性の高い事前演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
なお、事前判定においては遊技制御装置100で、判定情報として大当り乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン乱数1を判定して結果情報を演出制御装置300に送信し、再事前判定においては演出制御装置300でこの結果情報に基づき判定を行っているが、再事前判定においても遊技制御装置100で、判定情報として大当り乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン乱数1を判定し、結果を演出制御装置300に送信するようにしても良い。
また、再事前判定においては、判定対象となる始動記憶よりも後に記憶された始動記憶の記憶数として、判定対象となる始動記憶と同一特図種類の始動記憶数のみを考慮するようにしたが、判定対象となる始動記憶と異なる特図種類の始動記憶数も考慮するようにしても良い。また、始動記憶の消化毎に全ての始動記憶について再事前判定を行うようにしているが、次に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶のみ再事前判定を行うようにしても良い。
また、遊技制御装置100は、時短状態においては第1始動記憶についての事前判定を行わず、事前判定コマンドを送信しないようにしているが、時短状態でも第1始動記憶についての事前判定を行い、事前判定コマンドを送信するようにし、時短状態では演出制御装置300が第1始動記憶の事前演出を行わないようにしても良い。そして、時短状態の終了時に記憶されている第1始動記憶について再事前判定を行って事前演出を行うようにしても良い。また、この場合は第1始動記憶について事前演出が行われていないため、図39(a)に示す事前演出振分テーブルに基づいて事前判定を行うようにする。
また、再事前判定においては、前回の判定結果を考慮して今回の事前報知態様を決定するようにしているが、再事前判定において前回の判定結果を考慮せず、事前判定や各回の再事前判定を独立した判定とするようにしても良い。また、再事前判定を始動記憶の減算時、つまり、変動表示ゲームの開始時に行うようにしているが、新たに始動記憶が記憶されたタイミングで行うようにしても良い。また、演出態様を変化させる事前演出として、始動記憶表示を例に挙げたが、連続予告演出の演出態様を変化させるようにしても良い。
以上のような遊技機10は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)と、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき判定情報を抽出して変動表示ゲームの始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果になると遊技者に有利な特別遊技状態を生起する遊技機であって、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始時に遊技の進行状態に応じて判定し、該判定結果に基づき変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、事前判定手段の判定結果を示唆する事前演出を複数の変動表示ゲームに亘って実行することが可能な事前演出手段(演出制御装置300)と、を備え、事前判定手段は、変動表示ゲームが実行される毎に始動記憶の判定情報を遊技の進行状態に応じて事前判定するゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)を備え、事前演出手段は、ゲーム毎事前判定手段の判定結果に基づいて事前演出の演出態様を変化させるようにしている。
ここで、判定情報とは、例えば始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき抽出される乱数や、これらの乱数を判定した結果情報などである。
また、遊技の進行状態とは、始動記憶数や演出の状態(演出のモード状態、複数のゲームに亘る連続的な演出の実行中、他の始動記憶についての事前演出の有無など)、特別結果となる確率の状態(いわゆる確変状態か否か)、始動入賞領域への入賞の容易さ(いわゆる時短状態か否か)などである。
したがって、事前判定手段が、変動表示ゲームが実行される毎に始動記憶の判定情報を遊技の進行状態に応じて事前判定するゲーム毎事前判定手段を備え、事前演出手段が、ゲーム毎事前判定手段の判定結果に基づいて事前演出の演出態様を変化させるので、始動記憶の発生時から変化した遊技の進行状態に応じて事前演出を変化させることができ、信憑性の高い事前演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出されて始動記憶として記憶された判定情報を、予め定められた情報判定態様によって当該始動記憶の発生時に事前判定する入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、事前演出手段(演出制御装置300)は、入賞時事前判定手段の判定結果に対応する演出態様で事前演出の実行を開始するとともに、当該事前演出の演出態様をゲーム毎事前判定手段の判定結果に基づき変化させるようにしている。
ここで、予め定められた情報判定態様とは、事前判定の実行時における遊技の進行状態に応じて定められる事前判定の判定態様である。
したがって、始動記憶の発生時点での遊技の進行状態と、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始時点での遊技の進行状態とが相違するような場合であっても、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
また、事前演出手段(演出制御装置300)は、前回の事前判定の判定結果と今回の事前判定との相対評価に基づいて、事前演出の演出態様を変化させる場合の変化態様を決定するようにしている。
したがって、変動表示ゲームの実行毎に事前演出の実行態様を段階的に変化させることができるので、事前演出の実行態様が極端に変化することを防止でき、事前演出に対する信頼感を高めることができる。
また、遊技の進行に関わる遊技状態を通常遊技状態、若しくは、該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、変動表示ゲームの開始時の遊技状態に対応する情報判定態様によって、変動表示ゲームの実行対象となる始動記憶の判定情報の判定を行い、ゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、事前判定を行う時点での遊技状態に対応する判定態様によって、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしている。
ここで、特定遊技状態とは、特別結果となる確率の状態が高い状態(いわゆる確変状態)や、始動入賞領域への入賞が容易な状態(いわゆる時短状態)などである。
したがって、遊技状態の変化に応じて、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
また、入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、各遊技状態に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、始動記憶の発生時点での遊技状態に対応する情報判定態様によって、当該始動記憶として記憶された判定情報の事前判定を行うようにしている。
したがって、始動記憶の発生時点の遊技状態に対応する情報判定態様によって事前判定を行っておくことで、変動表示ゲームの実行毎に事前演出の演出態様を変化させることが可能となる。
また、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、変動表示ゲームの開始時の始動記憶の記憶数に対応した情報判定態様によって、変動表示ゲームの実行対象となる始動記憶の判定情報の判定を行い、ゲーム毎事前判定手段(演出制御装置300)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、判定対象となる始動記憶よりも後に記憶された始動記憶の記憶数に対応した情報判定態様によって、該判定対象となる始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしている。
ここで、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームと、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを実行可能であり、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを優先して実行する遊技機においては、判定対象となる始動記憶よりも後に記憶された始動記憶の記憶数として、判定対象となる始動記憶と同一種類の始動記憶数のみを考慮するようにしても良いし、判定対象となる始動記憶と異なる種類の始動記憶数も考慮するようにしても良い。
したがって、始動記憶数の変化に応じて、始動記憶についての事前演出の実行態様を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行態様に応じた演出態様に近づけることができ、最終的な事前演出の演出態様の信憑性を高めることができる。
また、入賞時事前判定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、始動記憶の記憶数に対応付けられた複数の情報判定態様のうち、最も少ない記憶数に対応付けられた情報判定態様によって、新たに発生した始動記憶の判定情報の事前判定を行うようにしている。
したがって、始動記憶の発生時点では最も少ない記憶数に応じて事前判定を行っておくことで、変動表示ゲームの実行毎の始動記憶数の変化に応じて事前演出の演出態様を変化させることが可能となる。また、事前演出の演出態様を変化させるために遊技球の発射を促すことができ、止め打ちを防止することも可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。