以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球Bが下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球Bを排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球B発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球Bを一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球B発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球Bで満杯になった状態では、払出される遊技球Bは、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球Bが直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球Bが下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球Bをいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。従って、当該遊技盤30の露出部分が遊技領域を構成することとなる。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射手段としての発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球Bを案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球Bを、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球Bを遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球Bは発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球Bが再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球Bが、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球Bを下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球Bが戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球Bを内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球Bが通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球Bで満杯となると、払出される遊技球Bが下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球Bを検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球Bで満杯になっていること(下皿15が遊技球Bで満杯となり、下皿連通路71において遊技球Bが滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球Bが検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球Bの滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球Bが検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4等を参照して説明する。遊技盤30には、第1普通入賞部31A、第2普通入賞部31B、可変入賞装置(大入賞口)32、第1始動入賞部33A、第2始動入賞部33B、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が、ルータ加工等によって形成された貫通孔に対し取付けられている。
本実施形態では、第1始動入賞部33Aが第1始動入球手段を構成し、第2始動入賞部33Bが第2始動入球手段(始動入球手段)を構成し、可変入球手段としての可変入賞装置(大入賞口)32が特定入球手段を構成し、第2普通入賞部31Bが普通入球手段を構成する。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球Bは、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される(図12の流下経路X4参照)。ステージ153上に案内された遊技球Bは、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後、ステージ153の中央に形成された導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、遊技領域の左右方向略中央部(上記導出溝154に対応する位置)において第1始動入賞部33Aが配設されている。第1始動入賞部33Aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球Bが常時入賞可能な入賞口が開口している。そして、上記ステージ153の導出溝154に落下した遊技球Bは、比較的高い確率で第1始動入賞部33Aに入賞するように構成されている。
以下、便宜上、遊技領域のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域UL」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域UR」という。また、左側方領域ULの下流側にあたり、第1始動入賞部33Aが配置される遊技盤30の左右方向略中央部よりも左側に位置する領域を「左下部領域DL」といい、右側方領域URの下流側にあたり、遊技盤30の左右方向略中央部よりも右側に位置する領域を「右下部領域DR」という。
左下部領域DLの下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って斜めに所定間隔で3つの第1普通入賞部31Aが配設されている。各第1普通入賞部31Aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球Bが常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、3つの第1普通入賞部31Aのうち、最も左側に位置する第1始動入賞部33Aが最も高い位置に位置し、その高さ位置は、第1始動入賞部33Aの高さ位置と略同一の高さ位置に設定されている。
右側方領域URには、契機入球手段としてのスルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球Bが1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球Bを検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球Bが検知された場合には、後述の電動役物37(第2始動入賞部33B)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、後述の普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、電動役物37が規定時間だけ開状態とされる。
さらに、スルーゲート34の下流側で、右側方領域URの最下流部に位置する高さ位置には、可変入賞装置32が配設されている。
本実施形態の可変入賞装置32には、遊技球Bが常時入賞可能な第2普通入賞部31Bが一体形成されている。
より詳しくは、図12等に示すように、可変入賞装置32は、遊技盤30の前面部に沿って配設されるベース部32kと、当該ベース部32kに開口し、遊技球Bが入賞可能な大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材としての矩形平板状の開閉板32bと、当該開閉板32bを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)と、大入賞口32aへ入賞した遊技球Bを遊技盤30の背面側(後述する排出通路部217)へ導く下入賞通路32d(図13参照)と、当該下入賞通路32dを通過する遊技球Bを検出可能なカウントスイッチ223と、大入賞口32aの上方においてベース部32kから前方へ突出し、その上側に遊技球Bが常時入賞可能な入賞口が開口した第2普通入賞部31Bと、当該第2普通入賞部31Bに入賞した遊技球Bを遊技盤30の背面側(後述する排出通路部217)へ導く上入賞通路32fと、当該上入賞通路32fを通過する遊技球Bを検出可能な第2普通入賞部スイッチ221Bと、大入賞口32a(開閉板32b)の左右両側方位置において、ベース部32kから前方へ突出した規制壁部32gとを備えている。尚、図12〜図14において、規制壁部32gに相当する箇所には、便宜上、散点模様を付している。
また、本実施形態のベース部32kは、右側方領域URから右下部領域DRにかけての遊技領域の周縁部(窓孔39又は内レール構成部51)に沿って形成された装飾部材335と連なるように形成されている。
可変入賞装置32は、通常、遊技球Bが大入賞口32aへ入賞不能な閉状態となっている一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイドを励磁することにより、開閉板32bがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技球Bが大入賞口32aへ入賞可能な開状態となる。
通常時(開閉板32bが閉鎖位置にある場合)には、第2普通入賞部31Bと左右の規制壁部32gとの間から遊技球Bが開閉板32bの前方を通過し、可変入賞装置32の下方へ流下可能に構成されている(図14参照)。一方、所定条件が成立し、大入賞口32a(開閉板32b)が開状態となった場合には、開閉板32bにより流下経路が塞がれ、遊技球Bが可変入賞装置32の下方へ流下不能となる(図13参照)。
また、右下部領域DRには、第2始動入賞部33Bが配設されている。第2始動入賞部33Bは、第1始動入賞部33Aの右斜め下位置で、かつ、可変入賞装置32の左斜め下位置に配置されている。
第2始動入賞部33Bには、開閉式の入賞補助装置として電動役物37が設けられている。電動役物37は、下端側を軸として左右方向に回動変位する開閉部材としての左右一対の可動羽根37aと、可動羽根37aを開閉駆動する始動入賞部用ソレノイド(図示略)とを備え、当該可動羽根37aが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、右下部領域DRを流下する遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞容易な開状態と、遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞困難な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞部33A,第2始動入賞部33Bには、それぞれ入賞した遊技球Bを検知する第1始動入賞スイッチ224A,第2始動入賞スイッチ224Bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球Bが検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。
周知の通り、第1普通入賞部31A、第2普通入賞部31B、可変入賞装置32(大入賞口32a)、第1始動入賞部33A、第2始動入賞部33Bなどの各種入賞部に遊技球Bが入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
例えば、本実施形態では、第1普通入賞部31Aへの入賞があった場合には10個、第2普通入賞部31Bへの入賞があった場合には3個、第1始動入賞部33Aへの入賞があった場合には3個、第2始動入賞部33Bへの入賞があった場合には1個、可変入賞装置32(大入賞口32a)への入賞があった場合には15個の遊技球Bが上皿19(下皿15)に払出される。
その他、第1始動入賞部33Aの下方位置で、遊技領域の最下部にあたる位置にはアウト口36が設けられており、第1普通入賞部31A等の各種入賞部に入賞しなかった遊技球Bが、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
また、遊技盤30には、周知のとおり、遊技球Bの流下方向を適宜分散等するために多数の釘や風車などが植設されている。ここで、遊技盤30のゲージ構成(釘配列)等について説明する。
便宜上、全ての釘に符号を付すことは省略するが、遊技盤30には、種々の役割を果たす多数の釘が植設されている。
例えば、第1始動入賞部33Aの上方には、遊技球Bの直径(約11mm)よりも若干大きな間隔(例えば12mm)を隔てて配された左右一対の命釘331aが植設されている。さらに、一対の命釘331aの左右両側方位置には、それぞれ各命釘331aと遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば15mm)を隔ててジャンプ釘331bが植設されている。
さらに、ジャンプ釘331bの左右両側方位置には、第1始動入賞部33Aへ向け下り勾配となるように、複数本の誘導釘331cが一列に連なるように植設されている。隣接する2本の誘導釘331cの間隔は、通常、遊技球Bが通過不能な間隔(例えば4mm)に設定されているが、場所によっては、遊技球Bが落下可能なように、遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば12mm)に設定されている。
また、第2普通入賞部31Bの上方には、遊技球Bの直径(約11mm)よりも若干大きな間隔(例えば12mm)を隔てて配された左右一対の命釘332aが植設されると共に、さらにその上方位置には、1本の規制釘332bが、各命釘332aと遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば12mm)を隔てて植設されている。
右側の命釘332aの右側方位置には、当該命釘332aと遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば12mm)を隔ててジャンプ釘332cが植設されている。
ジャンプ釘332cの右側方位置には、大入賞口32a(第2普通入賞部31Bと右側の規制壁部32gとの間)へ向け下り勾配となるように、複数本の誘導釘332dが一列に連なるように植設されている。隣接する2本の誘導釘332dの間隔は、遊技球Bが通過不能な間隔(例えば4mm)に設定されている。
左側の命釘332aと、第1始動入賞部33Aへ遊技球Bを誘導可能な上記誘導釘331cとの間隔は、遊技球Bが落下しやすいよう、遊技球Bの直径(約11mm)よりも比較的広い間隔(例えば20mm)に設定されている。
可変表示装置ユニット35には、上記命釘332a及び規制釘332bの左側方から上方を囲むように湾曲した誘導壁部333が前方へ突出形成されている。尚、図12〜図14において、誘導壁部333に相当する箇所には、便宜上、散点模様を付している。
また、上記誘導釘331cと、誘導壁部333の左下端部との隙間は、遊技球Bが通過不能な間隔(例えば4mm)に設定されている。これにより、左側の命釘332aと、規制釘332bとの間を左方へ通り抜けた遊技球Bは、左側の命釘332aと、誘導釘331cとの間を通り、大入賞口32a(第2普通入賞部31Bと左側の規制壁部32gとの間)へ向かうこととなる。
また、第2始動入賞部33Bの上方には、遊技球Bの直径(約11mm)よりも若干大きな間隔(例えば12mm)を隔てて配された左右二対の命釘334aが植設されている。
第2始動入賞部33Bの電動役物37が閉状態にある場合おいては、左右の可動羽根37aの各先端部と左右の命釘334aとの間隔が、それぞれ遊技球Bが通過不能な間隔(例えば4mm)となる一方、電動役物37が開状態にある場合おいては、左右の可動羽根37aの各先端部と左右の命釘334aとの間隔が、それぞれ遊技球Bの直径(約11mm)よりも比較的広い間隔(例えば20mm)となるように設定されている(図14参照)。
但し、本実施形態では、電動役物37が閉状態にある場合おいても、左右二対の命釘334aの間を介して、一対の可動羽根37aの間から第2始動入賞部33Bへ遊技球Bが入賞可能な構成となっている。勿論、これに限らず、電動役物37が、遊技球Bの入賞不能な閉状態と、遊技球Bの入賞可能な開状態との間で変位可能な構成とし、閉状態において第2始動入賞部33Bへ遊技球Bが入賞不能な構成としてもよい。
さらに、左側の命釘334aの上方位置には、1本の第1規制釘334bが、命釘334aと遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば12mm)を隔てて植設されると共に、さらにその上方位置には、3本の第2規制釘334cが、第1規制釘334bと遊技球B一つが通過可能な間隔(例えば12mm)を隔てて植設されている。
3本の第2規制釘334cは、左方へ向け下り勾配となるように、一列に連なるように植設されており、隣接する2本の第2規制釘334cの間隔は、遊技球Bが通過不能な間隔(例えば4mm)に設定されている。
第1規制釘334b及び第2規制釘334cは、右方から流下してくる遊技球Bを受け止めて下方(命釘334a間)に落下させる役割を果たすと共に、左方(第1始動入賞部33A側)から命釘334a間へ遊技球Bが進入するのを防ぐ役割を果たす。
また、右側方領域URから右下部領域DRにかけての遊技領域の周縁部(窓孔39又は内レール構成部51)には、上記装飾部材335が形成されると共に、当該装飾部材335には、可変入賞装置32の下方位置において、左方へ下り勾配となった誘導壁部335aが形成されている。
従って、可変入賞装置32を通過し、右下部領域DRへ流下してきた遊技球Bは、誘導壁部335aによって左方へ誘導されると共に、自由落下や、上記規制釘334b,334cに規制される等して、第2始動入賞部33Bの方へ流下していくこととなる。
また、遊技盤30には、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43Rが設けられている。第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部(上記装飾部材335)に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
そして、第1始動入賞部33Aへの遊技球Bの入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、第2始動入賞部33Bへの遊技球Bの入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。本実施形態では、第1特別表示装置43Lが第1表示手段を構成し、第2特別表示装置43Rが第2表示手段を構成する。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、第1始動入賞部33Aに遊技球Bが入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図8参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
ここで、便宜上、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図8に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが16回(16ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32(大入賞口32a)に規定個数の10個の遊技球Bが入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の0.4秒が経過すること又は可変入賞装置32(大入賞口32a)に規定個数の3個の遊技球Bが入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球Bが遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉板32bの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球Bの発射周期よりも1回の開閉板32bの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球Bすら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉板32bが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉板32bは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回繰り返し行われた後、さらに「長開放」を1回の特賞状態として、これが15回繰り返し行われる。換言すれば、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目〜16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、電動役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
「高サポートモード」とは、通常時に設定される「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、第2始動入賞部33Bの電動役物37における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)電動役物37の可動羽根37aの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37aの一回の開放につき入賞可能となる遊技球Bの規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球Bが通過することに起因した電動役物37の開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37aの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)電動役物37の開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞部33Bに対し遊技球Bが頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、上記変動表示に係る変動パターンテーブルを「低サポートモード」用のテーブルから「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
また、本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定され、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されている。
また、本実施形態では、電動役物37が開状態となる確率が、「低サポートモード」時には1/5となり、「高サポートモード」時には4/5となるように設定されている。
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回(5ラウンド)繰り返し行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
本実施形態では、「低確率モード」においては1/300の確率で大当たり当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で大当たり当否抽選に当選するように設定されている。
また、1/12の確率で小当たり当否抽選に当選(小当たり状態が発生)するように設定されている。
尚、本実施形態では、遊技球Bが第1始動入賞部33Aに入賞した場合と、第2始動入賞部33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。第1始動入賞部33Aへの遊技球Bの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、第2始動入賞部33Bへの遊技球Bの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、第2始動入賞部33Bへの遊技球Bの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
より詳しくは、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
一方、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
図8に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9−」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.−」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1−」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.−」と、「小当たり」に係る停止態様「1−」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「−1.」,「−2」,「−3.」,「−4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「−1」,「−2.」,「−3」,「−4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球Bが始動入賞部33A,33Bに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞部33Aに入賞した遊技球B、及び第2始動入賞部33Bに入賞した遊技球Bに対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
また、その保留回数は、それぞれ第1〜第4保留ランプからなる第1保留ランプ群46a、第2保留ランプ群46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球Bが始動入賞部33A,33Bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球Bが第1始動入賞部33Aへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示、及び、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ群46a及び第2保留ランプ群46bの保留ランプがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ群46aの保留ランプが1つ点灯している状態において、第2始動入賞部33Bに遊技球Bが入賞し、第2保留ランプ群46bの保留ランプが1つ点灯した場合、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1始動入賞部33A及び第2始動入賞部33Bのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球Bがスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞部33Bの電動役物37が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球Bがスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、図9に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように装飾図柄表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。
また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が必ず停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が必ず停止表示されるといったように、停止図柄と大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではない。
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
また、装飾図柄表示装置42では、上記保留ランプ群46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図9等参照)。
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球Bを供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、普通入賞部31A,31B、可変入賞装置32、始動入賞部33A,33B等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞部に入賞した遊技球Bを回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球Bは、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、普通入賞部31A等の各種入賞部に対応して、当該各種入賞部へ入賞した遊技球Bを検出する入賞検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、第1普通入賞部31Aに対応して第1普通入賞部スイッチ221Aが設けられ、第2普通入賞部31Bに対応して第2普通入賞部スイッチ221Bが設けられている。また、大入賞口32aに対応してカウントスイッチ223が設けられている。また、第1始動入賞部33Aに対応して第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、第2始動入賞部33Bに対応して第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応してスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、普通入賞部スイッチ221A,221B、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、普通入賞部スイッチ221A,221B等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞部33A,33Bへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球Bの払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球Bの払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球Bの払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
但し、本実施形態においては、「小当たり」に関する情報を出力するための端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態では、「高サポートモード」中は、「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、「小当たり」が発生する度に、常に、発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。従って、例えば「低サポートモード」中など、このような不具合が比較的起きにくい場合には、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
また、「JUB大当たり」の発生情報の出力は、例えば「JUB大当たり」に係る5回の「短開放」の終了後、すなわち「小当たり」の場合と区別ができない状況を脱した後に、例えばオープニングコマンドの出力(大当たり報知演出)等を行うタイミングにおいて、「JUB大当たり」の発生が確定した状態で行うことが好ましい。未だ「小当たり」の場合と区別ができない状況において、「JUB大当たり」の発生情報だけが先に出力されてしまうと、パチンコ機10に対応してホールの島設備に設置された情報表示機器等を見て、遊技者が事前に「JUB大当たり」の発生を把握してしまい、「JUB大当たり」の演出効果が薄れるおそれがある。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bが逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球Bの払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球Bは上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球Bが流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球Bをパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、第1普通入賞部31A等の各種入賞部に入賞した遊技球Bは、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞部にも入賞しなかった遊技球Bも排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
本実施形態では、主制御装置261が、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選を行う抽選手段としての機能を有すると共に、当該当否抽選により当選結果が得られた場合に、大当たり状態等を発生させる特別遊技状態発生手段としての機能を有する。
また、主制御装置261は、スルーゲート34への遊技球Bの通過に起因して第2始動入賞部33B(電動役物37)の開放抽選を行う開放抽選手段としての機能や、「高サポートモード(高入球状態)」と「低サポートモード(低入球状態)」とを切替え可能な入球状態切換手段としての機能を有する。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
RAM503には、第1保留ランプ群46a及び第2保留ランプ群46bに対応して、大当たり抽選結果等を記憶可能な保留記憶エリアが設けられている。ここで、第1保留ランプ群46aに係る保留記憶エリアが第1保留手段を構成し、第2保留ランプ群46bに係る保留記憶エリアが第2保留手段を構成する。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、普通入賞部スイッチ221A,221B、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球Bが直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球Bの発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球Bが発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
尚、装飾図柄表示装置42における演出モードは、遊技状態に応じて、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、その継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
より詳しくは、「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される(図9参照)。
また、所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される。
一方、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」又は「30回・高サポートモードS」が付与されている状態には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定され(図11参照)、「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定される。
装飾図柄表示装置42の表示部42aには、通常状態(通常モード)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図9参照)。また、変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球Bの発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
保留表示領域W3は、第1保留ランプ群46a及び第2保留ランプ群46bに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ各保留ランプ群46a,46bの4つの保留ランプ(第1〜第4保留ランプ)に対応する保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4が表示される(図9参照)。本実施形態では、各保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様で表示されており(網掛け部分参照)、保留ランプ群46a,46bの所定の保留ランプに対応する保留記憶エリア(図示略)に変動表示が保留された場合に、当該保留ランプに対応する保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4が点灯態様に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
図9に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像TA1及び第2保留画像TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像TA3,TA4,TB1〜TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1保留ランプ群46aの第1,第2保留ランプに対応する2つの保留記憶エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が第1始動入賞部33Aに係る「2」個の状態であることが示されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域ULに向けて遊技球Bを発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う(図4の流下経路X1参照)。可変表示装置ユニット35の左側方領域ULが本実施形態における第1の領域を構成する。
「左打ち」した場合、左側方領域ULを流下する遊技球Bの多くは、上記誘導釘331c等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する第1始動入賞部33Aの方へと誘導される(図12の流下経路X3参照)。又は、センターフレーム47のワープ流路152を介して、ステージ153上から第1始動入賞部33Aの方へと誘導される(図12の流下経路X4参照)。そのうち、いくつの遊技球Bが第1始動入賞部33Aへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、第2始動入賞部33B(電動役物37)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域UR、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域ULを流下した遊技球Bが到達不能な位置に配置されている。また、第2始動入賞部33Bが、可変表示装置ユニット35の左側方領域ULを流下した遊技球Bが到達困難な位置に配置されている。このため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、電動役物37が開放されることはなく、遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞することは、ほぼ不可能となる。可変表示装置ユニット35の右側方領域URが本実施形態における第2の領域(所定の領域)を構成する。
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
遊技球Bが第1始動入賞部33Aへ入賞すると、装飾図柄表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」〜「9」の数字の付された装飾図柄Zが表示される。各種装飾図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄表示領域においては、各種装飾図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄Zが停止表示される。
第1始動入賞部33Aへの遊技球Bの入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球Bが入賞可能な状態となると共に、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域UR(可変表示装置ユニット35の左側方領域ULを流下した遊技球Bが到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球Bを入賞させることができない。そのため、図10に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域URに向けて遊技球Bを発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球Bが可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域URへ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う(図4の流下経路X2参照)。
ここで「右打ち」した場合、右側方領域URを流下する遊技球Bの多くは、上記誘導釘332d等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32(大入賞口32a)へ入賞することとなる(図13の流下経路X5,X6参照)。これにより、遊技者はより多くの遊技球Bを獲得することができる。
尚、大入賞口32a(開閉板32b)が開状態となっている際(ラウンド中など)には、開閉板32bにより、遊技球Bが可変入賞装置32の下方へ流下するための流下経路が塞がれた状態となる。
また、可変入賞装置32の方へ誘導された遊技球Bの中には、上記命釘332a、規制釘332b、ジャンプ釘332c等によって、第2普通入賞部31Bへ入賞するものもある(図13の流下経路X7参照)。
一方、大入賞口32a(開閉板32b)が閉状態となっている際(当たり状態中のインターバル中や、非当たり状態中など)には、第2普通入賞部31Bへ入賞しなかった遊技球Bは、開閉板32bの前方を素通りして、可変入賞装置32の下方へ流下していくこととなる(図13の流下経路X8,X9,X10参照)。
ここで、第2始動入賞部33B(電動役物37)が閉状態となっている場合、第2始動入賞部33Bの方へ誘導された遊技球Bの多くは、第2始動入賞部33Bの側方を流下し(図13の流下経路X8,X9参照)、アウト口36から排出されることとなる。
ここで、第2始動入賞部33Bの方へ誘導された遊技球Bの中には、上記命釘334a間を通過し、第2始動入賞部33Bへ入賞するものもある(図13の流下経路X10参照)。
さて、可変表示装置ユニット35の右側方領域URには、第2普通入賞部31B及び可変入賞装置32までの流下途中において、第2始動入賞部33B(電動役物37)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、「右打ち」した場合、いくつの遊技球Bはスルーゲート34を通過することとなる。
ここで、遊技球Bがスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、電動役物37が開状態となり、第2始動入賞部33Bへ多くの遊技球Bが入賞することが可能となる(図14の流下経路X11,X12,X13参照)。
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、電動役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
これに伴い、装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われると共に、変動表示領域W1が縮小表示される(図11参照)。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
また、かかるサポート演出中、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図11参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は電動役物37の開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の装飾図柄表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)における変動時間が「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)における変動時間が「8秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
上記特定回変動時(8秒変動)の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。ここで、演出ボタン125を遊技者に操作させるような演出を絡めて行ってもよい。
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。当該ルーレット演出では、ルーレット図柄が表示される。ルーレット図柄には、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」といった項目が記載されている。
ルーレット演出では、ルーレット図柄が回転し、矢印の示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
そして、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様は、通常状態と同様の状態に戻る(図9参照)。従って、表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、大当たり状態中や高サポートモード中など、遊技者が「右打ち」して遊技を行う右側方領域UR及び右下部領域DRにおいて、第2普通入賞部31B、可変入賞装置32及び第2始動入賞部33Bが上記配置構成で配置されている。
従って、仮に遊技店において、第2普通入賞部31Bへ入賞する遊技球Bの割合を少なくするように、上記命釘332a、規制釘332b、ジャンプ釘332c等の釘調整が行われた場合には、下流側にある可変入賞装置32(大入賞口32a)、ひいては第2始動入賞部33Bへ案内される遊技球Bの割合が相対的に増加する。ここで、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態にある場合には、第2始動入賞部33Bへ案内される遊技球Bの割合が相対的に増加し、当該第2始動入賞部33Bへ入賞する遊技球Bの割合も増加する。結果として、遊技者は、大当たり状態等を得るための抽選機会や、賞球を得る機会をより多く得ることができる。
一方、第2普通入賞部31Bへ入賞する遊技球Bの割合を少なくするように、上記命釘332a、規制釘332b、ジャンプ釘332c等の釘調整が行われた場合で、可変入賞装置32(大入賞口32a)が開状態にある場合には、可変入賞装置32(大入賞口32a)へ案内される遊技球Bの割合が相対的に増加し、当該可変入賞装置32(大入賞口32a)へ入賞する遊技球Bの割合も増加する。結果として、可変入賞装置32(大入賞口32a)への入賞に起因した賞球をより多く得ることが可能となる。
また、第2普通入賞部31Bへ入賞する遊技球Bの割合を多くし、下流側にある可変入賞装置32(大入賞口32a)や第2始動入賞部33Bへ案内される遊技球Bの割合を少なくするように、上記命釘332a、規制釘332b、ジャンプ釘332c等の釘調整が行われた場合には、可変入賞装置32(大入賞口32a)への入賞に起因した賞球を得る機会や、大当たり状態等を得るための抽選機会が少なくなるものの、第2普通入賞部31Bへの入賞に起因した賞球をより多く得ることが可能となる。
このように、第2普通入賞部31B、可変入賞装置32及び第2始動入賞部33Bのうちの1つの入賞部への遊技球Bの入賞割合を下げると、他のいずれかの入賞部への遊技球Bの入賞割合が上がるといった構成とすることにより、遊技店側は、自身に極端に有利な釘調整を行いにくくなる。
結果として、遊技者側に極端に不利益な状況となりにくく、遊技者にとっての興趣の低下抑制等を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)第1始動入賞部33A及び第2始動入賞部33Bに関する構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、第1始動入賞部33Aへの入賞を契機とする変動表示、及び、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合には、第2始動入賞部33Bへの入賞を契機とする変動表示が優先して行われ、保留が消化される構成となっているが、これに限らず、第1始動入賞部33A及び第2始動入賞部33Bへの遊技球Bの入賞順序に従って変動表示が消化される構成としてもよい。
上記実施形態では、2つの始動入賞部(第1始動入賞部33A及び第2始動入賞部33B)が斜め上下に並設された構成となっているが、これに限らず、例えば始動入賞部は1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。また、2つの始動入賞部を左右又は上下に並設した構成としてもよい。
上記実施形態では、遊技球Bが第1始動入賞部33Aに入賞した場合と、第2始動入賞部33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるように設定されている。これに限らず、遊技球Bが第1始動入賞部33Aに入賞した場合と、第2始動入賞部33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別が同じとなるように構成してもよい。
上記実施形態では、遊技球Bがスルーゲート34を通過することに起因して、電動役物37(第2始動入賞部33B)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、当該開放抽選にて当選した場合に、電動役物37が開状態となる構成となっているが、これに限らず、例えば「低サポートモード」中は、遊技球Bがスルーゲート34を通過した場合でも、電動役物37が開状態となることはなく、「高サポートモード」中は、開放抽選を行なうことなく、遊技球Bがスルーゲート34を通過した場合には、必ず電動役物37が開状態となる構成となる構成としてもよい。
また、第2始動入賞部33Bから電動役物37を省略した構成としてもよいし、第1始動入賞部33Aに電動役物を備えた構成としてもよい。
上記実施形態では、遊技球Bが第2始動入賞部33Bへ入賞した場合のみ、「小当たり」や「JUB大当たり」が発生する構成となっているが、これに限らず、「小当たり」や「JUB大当たり」が第1始動入賞部33Aへ遊技球Bが入賞した場合にも発生し得る構成としてもよい。
(b)当たりの種別や内容等は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
上記実施形態では、各種大当たりの終了後に、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される構成となっているが、「高サポートモード」の継続期間は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば大当たり種別に関係なく、一律に変動表示が100回行なわれる間だけ付与されるなど、異なる構成を採用してもよい。
また、可変入賞装置32の開放態様(開閉パターン)も、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、開閉板32bの1回の開放態様(開放時間)は、上記実施形態の「長開放」及び「短開放」の2種類に限定さるものではない。例えば「長開放」よりも開放時間が短く、「短開放」よりも開放時間の長い「中開放」を備えるなど、3種類以上の開放態様を備えた構成としてもよい。
また、「小当たり」が発生しない構成としてもよい。
(c)第2普通入賞部31B、可変入賞装置32、第2始動入賞部33Bなど、各種入賞部の配置構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、第2普通入賞部31Bや可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域UR(可変表示装置ユニット35の左側方領域ULを流下した遊技球Bが到達不能な位置)に配置されているが、これに限らず、例えば第2普通入賞部31Bを可変表示装置ユニット35の左側方領域ULに配置し、第1始動入賞部33Aとの関係で、本発明の構成が成立するようにしてもよい。
また、可変入賞装置32と第2始動入賞部33Bの上下位置関係が逆となる構成を採用してもよい。
また、例えば第2始動入賞部33Bを右側方領域URに配置したり、第2始動入賞部33Bの左側に障害釘を植設するなどして、第2始動入賞部33Bの位置に対し、可変表示装置ユニット35の左側方領域ULを流下した遊技球Bが絶対に到達不能な構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、賞球数が、例えば、第1普通入賞部31Aへの入賞があった場合には10個、第2普通入賞部31Bへの入賞があった場合には3個、第1始動入賞部33Aへの入賞があった場合には3個、第2始動入賞部33Bへの入賞があった場合には1個、可変入賞装置32(大入賞口32a)への入賞があった場合には15個などと設定されているが、各入賞部に対する賞球数はこれに限定されるものではない。例えば、第2始動入賞部33Bへの入賞があった場合に3個の賞球が払出される構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、可変入賞装置32と第2普通入賞部31Bとが一体形成されている。これに限らず、可変入賞装置32と第2普通入賞部31Bとを別体とした構成としてもよい。かかる場合、可変入賞装置32と第2普通入賞部31Bとが隣接せず、やや離間した状態で配置される構成としてもよい。
(f)遊技盤30のゲージ構成(釘配列)は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第2普通入賞部31Bの上方において、規制釘332bを省略した構成としてもよい。
また、可変表示装置ユニット35の誘導壁部333や、可変入賞装置32の規制壁部32gを省略した構成としてもよいし、これらに代えて、障害釘を複数並べて配置した構成としてもよい。
ここで、例えば可変表示装置ユニット35の誘導壁部333を省略し、第2普通入賞部31Bへ入賞しなかった遊技球が、第2始動入賞部33Bのみならず、第1始動入賞部33Aへも向かう構成とした場合には、当該両始動入賞部33A,33Bにより、本発明における始動入球手段が構成されることとなる。
(g)上記実施形態では、第1始動入賞部33A、第2始動入賞部33B、第2普通入賞部31Bなど、賞球の払出しを伴う各種入球手段が、自身へ入球した遊技球Bが所定の排出路(上入賞通路32f等)によって遊技領域外へ排出され、再び遊技領域内に戻らない構成となっている。
これに限らず、上記各種入球手段が、例えばスルーゲート34のように、遊技球Bが通過可能な入球手段(自身へ入球した遊技球Bが所定の検出手段により検出された後、再び遊技領域内に戻るように構成された入球手段)として構成されていてもよい。
但し、かかる構成では、一旦、入球手段へ入球した遊技球Bが、再び他の入球手段へ入球する可能性があり、賞球の払出しに関する釘調整等がより複雑化するおそれがある。
このため、第2普通入賞部31B等のように、自身の下流側に他の入球手段(第2始動入賞部33Bや可変入賞装置32など)が存在する入球手段に関しては、自身へ入球した遊技球Bが再び遊技領域内へ戻らない構成とすることが好ましい。
従って、上記実施形態のように、第2普通入賞部31B、可変入賞装置32及び第2始動入賞部33Bのうちの1つの入球手段への遊技球Bの入球割合を下げると、他のいずれかの入球手段への遊技球Bの入球割合が上がるといった構成とするにあたり、仮に第2普通入賞部31Bを、遊技球Bが通過可能なスルータイプの入球手段とした場合には、当該第2普通入賞部31Bを通過した遊技球が、第2始動入賞部33Bや可変入賞装置32へ流下しないように、第2普通入賞部31Bを通過した遊技球を他の領域(例えば第1始動入賞部33A側)へ案内する案内手段(ワープ流路や案内部材、誘導釘等)を設けることが好ましい。
(h)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置され、遊技球が入球可能な複数の入球手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当該入球手段に対応して予め設定された所定個数の賞球の払出処理を実行する払出制御手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う抽選手段と、
前記当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技領域のうち所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置において、遊技球が入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して少なくとも前記抽選処理及び前記払出処理が行われる始動入球手段と、
前記所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置かつ前記始動入球手段よりも上流側位置において、遊技球が常時入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して前記抽選処理が行われることなく、かつ、前記払出処理が行われる普通入球手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、遊技領域のうち所定の領域を通過するように発射された遊技球が始動入球手段へ至る流下経路の途中に、自身への遊技球の入球に起因して賞球の払出しのみが行われる普通入球手段が配置されている。
従って、仮に遊技店において、普通入球手段へ入球する遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、下流側にある始動入球手段へ案内される遊技球の割合が相対的に増加し、当該始動入球手段へ入球する遊技球の割合も増加する。結果として、遊技者は、特別遊技状態を得るための抽選機会や、賞球を得る機会をより多く得ることができる。
一方、普通入球手段へ入球する遊技球の割合を多くし、下流側にある始動入球手段へ案内される遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、特別遊技状態を得るための抽選機会が少なくなるものの、普通入球手段への入球に起因した賞球をより多く得ることが可能となる。
このように、普通入球手段又は始動入球手段のうちの一方の入球手段への遊技球の入球割合を下げると、他方の入球手段への遊技球の入球割合が上がるといった構成とすることにより、遊技店側は、自身に極端に有利な釘調整を行いにくくなる。
結果として、遊技者側に極端に不利益な状況となりにくく、遊技者にとっての興趣の低下抑制等を図ることができる。
なお、賞球の払出しには、現実の遊技球の払出しは勿論のこと、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与することなども含まれる。
また、遊技球が入球可能な「入球手段」には、例えばスルーゲートのように、遊技球が通過可能な入球手段(自身へ入球した遊技球が所定の検出手段により検出された後、再び遊技領域内に戻るように構成された入球手段)も含まれる。
手段2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置され、遊技球が入球可能な複数の入球手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当該入球手段に対応して予め設定された所定個数の賞球の払出処理を実行する払出制御手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う抽選手段と、
前記当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技領域のうち所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置において、遊技球が入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して少なくとも前記抽選処理及び前記払出処理が行われる始動入球手段と、
前記所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置かつ前記始動入球手段よりも上流側位置に設けられると共に、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有し、少なくとも前記特別遊技状態が発生した場合に開閉制御される可変入球手段であって、自身への遊技球の入球に起因して前記払出処理が行われる特定入球手段(例えば大入賞口)と、
前記所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置かつ前記特定入球手段よりも上流側位置において、遊技球が常時入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して前記抽選処理が行われることなく、かつ、前記払出処理が行われる普通入球手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段2によれば、遊技領域のうち所定の領域を通過するように発射された遊技球が始動入球手段へ至る流下経路の途中に、特別遊技状態発生時に開閉する特定入球手段が配置されると共に、さらにその上流側にて、自身への遊技球の入球に起因して賞球の払出しのみが行われる普通入球手段が配置されている。
従って、仮に遊技店において、普通入球手段へ入球する遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、下流側にある特定入球手段、ひいては始動入球手段へ案内される遊技球の割合が相対的に増加する。ここで、特定入球手段が閉状態にある場合には、始動入球手段へ案内される遊技球の割合が相対的に増加し、当該始動入球手段へ入球する遊技球の割合も増加する。結果として、遊技者は、特別遊技状態を得るための抽選機会や、賞球を得る機会をより多く得ることができる。
一方、普通入球手段へ入球する遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合で、特定入球手段が開状態にある場合(大当たり中など)には、特定入球手段へ案内される遊技球の割合が相対的に増加し、当該特定入球手段へ入球する遊技球の割合も増加する。結果として、特定入球手段への入球に起因した賞球をより多く得ることが可能となる。
ここで、仮に特定入球手段へ案内される遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、下流側にある始動入球手段へ案内される遊技球の割合が相対的に増加し、当該始動入球手段へ入球する遊技球の割合も増加する。結果として、上記同様、遊技者は、特別遊技状態を得るための抽選機会や、賞球を得る機会をより多く得ることができる。
また、普通入球手段へ入球する遊技球の割合を多くし、下流側にある特定入球手段や始動入球手段へ案内される遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、特定入球手段への入球に起因した賞球を得る機会や、特別遊技状態を得るための抽選機会が少なくなるものの、普通入球手段への入球に起因した賞球をより多く得ることが可能となる。
このように、普通入球手段、特定入球手段及び始動入球手段のうちの1つの入球手段への遊技球の入球割合を下げると、他のいずれかの入球手段への遊技球の入球割合が上がるといった構成とすることにより、遊技店側は、自身に極端に有利な釘調整を行いにくくなる。
結果として、遊技者側に極端に不利益な状況となりにくく、遊技者にとっての興趣の低下抑制等を図ることができる。
手段3.前記遊技領域のうち所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球のうち、前記普通入球手段へ入球しなかった遊技球が、前記特定入球手段の位置へ流下するよう構成されていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、特定入球手段の開閉部材が閉状態の場合には、普通入球手段へ入球しなかった遊技球は、当該特定入球手段の前を必ず通過し、特定入球手段の開閉部材が開状態の場合には、普通入球手段へ入球しなかった遊技球は、特定入球手段へ必ず入球する構成となる。かかる構成により、上記手段2の作用効果をより確実なものとすることができる。
手段4.前記普通入球手段及び前記特定入球手段を上下に並設(近接配置又は隣接配置)したことを特徴とする手段2又は3に記載の遊技機。
上記手段4によれば、上記手段2の作用効果をより確実なものとすることができる。
手段5.前記普通入球手段及び前記特定入球手段が一体的に構成されていることを特徴とする手段2乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、普通入球手段及び特定入球手段を一体化することにより、普通入球手段と特定入球手段との相対位置関係を不変なものとすることができ、上記手段2の作用効果をより確実なものとすることができる。
手段6.前記始動入球手段への遊技球の一入球に基づき払い出される賞球数(例えば1個)よりも、前記普通入球手段への遊技球の一入球に基づき払い出される賞球数(例えば3個)を多くしたことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、遊技者に対する抽選機会の付与と賞球の払出しとのバランス、すなわち遊技店側と遊技者側の利益バランスが極端に崩れることを抑制することができる。
手段7.前記払出制御手段は、前記始動入球手段への遊技球の一入球に基づき、当該始動入球手段に対応して予め設定された1個の賞球の払出処理を実行することを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
始動入球手段への遊技球の入球個数を多くし、当否抽選の行われる機会を増やすような釘調整をした場合には、必然的に付与される賞球数も多くなり、遊技店側の不利益面が大きくなるおそれがある。
これに対し、上記手段7によれば、始動入球手段に係る賞球の払出個数を1個に設定することにより、仮に始動入球手段への遊技球の入球個数が多くなったとしても、遊技者に払出される賞球の払出個数が著しく増加することはなく、遊技店側の不利益面が大きくなるのを抑制することができる。
一方、始動入球手段に係る賞球の払出個数が1個に設定された構成の下、仮に始動入球手段へ入球する遊技球の割合を少なくするような釘調整が行われた場合には、遊技者の持ち球の著しく減少してしまうおそれがある。
この点に関しては、上記普通入球手段を備えることにより、始動入球手段に係る賞球の払出個数を1個に設定したことに伴う遊技者の不利益を補填し、遊技者の持ち球の著しい減少を抑制することができる。
換言すれば、始動入球手段への遊技球の入球個数を多くし、遊技者が特別遊技状態の当否抽選を得る機会を増やすような釘調整等を遊技店側が行いやすくなる。
その結果、遊技者側としては、短期間により多くの抽選機会を得ることが可能となる。ひいては、より短期間により多くの特別遊技状態を得ることが可能となり、遊技者にとっての興趣の向上が図られる。
結果として、遊技者に対する抽選機会の付与と賞球の払出しとのバランス、すなわち遊技店側と遊技者側の利益バランスを踏まえた遊技機の釘調整等がより容易に行えるようになる。
手段8.前記始動入球手段は、所定開放条件が成立している場合(例えば高サポートモードが付与された場合や、開放抽選に当選した場合など)に、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した可変入球手段であることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
ここで、所定開放条件が比較的頻繁に成立するようにすれば、遊技者が有する遊技球(持ち球)の減少が比較的少なくなり、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、特別遊技状態に当選するための遊技に集中することができる。
手段9.前記所定の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)と、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して開放抽選を行う開放抽選手段とを備え、
少なくとも前記開放抽選により当選結果が得られた場合に、前記所定開放条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
ここで、例えば「前記始動入球手段は、前記所定開放条件が成立した場合に、閉状態から開状態へ切換わり、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が入球した場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能に構成されていること」としてもよい。
手段10.少なくとも遊技状態を、前記始動入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が相対的に低い低入球状態と、相対的に高い高入球状態との間で切替え可能な入球状態切換手段を備えたことを特徴とする手段8又は9に記載の遊技機。
上記手段10によれば、高入球状態中においては、始動入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が増えるため、低入球状態中に比べて始動入球手段への入賞個数が増える。従って、より短期間により多くの当否抽選の抽選機会を得ることができ、より短期間により多くの特別遊技状態に当選しやすくなる。また、高入球状態中は、低入球状態に比べて、必然的に総体的な賞球の払出個数も増えるため、持ち球の減少が比較的少なくなり、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、特別遊技状態に当選するための遊技に集中することができる。
手段11.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置され、遊技球が入球可能な複数の入球手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当該入球手段に対応して予め設定された所定個数の賞球の払出処理を実行する払出制御手段と、
前記複数の入球手段のうち所定の入球手段へ遊技球した場合に、当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う抽選手段と、
前記当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技領域のうち第1の領域(例えば左側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が流下可能な位置において、遊技球が入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して少なくとも前記抽選処理及び前記払出処理が行われる第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち第2の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置において設けられると共に、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有し、所定開放条件が成立している場合(例えば高サポートモードが付与された場合や、開放抽選に当選した場合など)に開閉制御される可変入球手段であって、自身への遊技球の入球に起因して少なくとも前記抽選処理及び前記払出処理が行われる第2始動入球手段と、
前記第2の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置かつ前記第2始動入球手段よりも上流側位置に設けられると共に、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有し、少なくとも前記特別遊技状態が発生した場合に開閉制御される可変入球手段であって、自身への遊技球の入球に起因して前記払出処理が行われる特定入球手段(例えば大入賞口)と、
前記第2の領域(例えば右側方領域)を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が流下可能な位置かつ前記特定入球手段よりも上流側位置において、遊技球が常時入球可能に設けられると共に、自身への遊技球の入球に起因して前記抽選処理が行われることなく、かつ、前記払出処理が行われる普通入球手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段11によれば、通常時、遊技者は、第1の領域(第1始動入球手段)に向けて遊技球を発射する発射態様で遊技を行いつつ、特別遊技状態が発生した場合には、第2の領域(特定入球手段)に向けて遊技球を発射する発射態様に切換えて遊技を行う。
一方、所定開放条件が成立している場合には、遊技者は、より多くの当否抽選の機会を得るべく、より入球させ易い第2始動入球手段(第2の領域)に向けて遊技球を発射する発射態様で遊技を行う。結果として、所定開放条件が成立している場合において、上記手段2と同様の作用効果が奏される。従って、上記手段3乃至10のいずれかに係る構成と同様の構成を、上記手段11に係る従属構成として採用することができる(以下の手段12,13においても同様)。ここで、上記手段2乃至10に係る「始動入球手段」が、手段11に係る「第2始動入球手段」に相当する。
また、所定開放条件が成立している場合においては、より短期間により多くの当否抽選の機会を得ることができ、より短期間により多くの特別遊技状態に当選しやすくなる。
さらに、遊技者が第2の領域(第2始動入球手段)に向けて遊技を発射する発射態様で遊技を行い、特別遊技状態に当選した場合には、発射態様を変更することなく、そのまま遊技球を特定入球手段へ入球させることができる。結果として、無駄に持ち球を消費することなく、効率よく遊技を行うことができる。また、賞球の取りこぼしも少ない。
加えて、遊技店側にとっては、始動入球手段が1つだけ設けられた構成と比べ、始動入球手段が複数あることで、遊技者に対する抽選機会の付与と賞球の払出しとのバランス、すなわち遊技店側と遊技者側の利益バランスを踏まえた遊技機の釘調整等がより容易に行えるようになる。特に、第1始動入球手段及び第2始動入球手段に係る賞球の払出個数を異ならせた場合には、その作用効果がより大きくなる。
手段12.前記特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば抽選モード、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選に基づき発生する前記特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選に基づき発生する前記特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高確率モード)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
上記手段12によれば、第1始動入球手段へ遊技球が入球した場合よりも、第2始動入球手段へ遊技球が入球した場合の方が、より遊技価値の高い特別遊技状態に当選する確率(振分確率)が高くなる。結果として、上記所定開放条件が成立している場合においては、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい状態となるため、遊技者は、より有利な遊技価値を有する特別遊技状態をより多く得ることが可能となる。
しかし、仮に第2始動入球手段に対し遊技球が入球し難いように遊技機の釘調整等が行われてしまうと、遊技者は上記メリットを十分に享受できないおそれがある。これに対し、本手段では、上記手段2等と同様の構成を有することにより、前述したような不具合の発生を抑制することができる。
手段13.変動表示を行った後、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う第1表示手段と、
変動表示を行った後、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う第2表示手段と、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選の抽選結果を記憶し、当該抽選結果に基づき前記第1表示手段にて実行される変動表示を、すでに実行されている変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記当否抽選の抽選結果を記憶し、当該抽選結果に基づき前記第2表示手段にて実行される変動表示を、すでに実行されている変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段11又は12に記載の遊技機。
上記手段13によれば、上記所定開放条件が成立している場合においては、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい状態となると共に、当該入球に係る変動表示を優先して消化できるようになるため、より短期間により多くの当否抽選を実行することができ、より短期間により多くの特別遊技状態に当選しやすくなる。
しかしながら、仮に第2始動入球手段に対し遊技球が入球し難いように遊技機の釘調整等が行われてしまうと、遊技者は上記メリットを十分に享受できないおそれがある。特に上記手段12の構成の下では、遊技者により有利な第2始動入球手段に係る抽選(変動表示)が行われる頻度が低下し、相対的に、より有利でない第1始動入球手段に係る抽選(変動表示)が行われ易くなり、遊技者により有利でない特別遊技状態に当選してしまうおそれがある。
これに対し、本手段では、上記手段2等と同様の構成を有することにより、前述したような不具合の発生を抑制することができる。
手段14.手段1乃至13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。パチンコ機の基本構成としては、操作手段としてのハンドルを備えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を遊技領域に発射させる。