JP2013116582A - スクリーン印刷版の製版方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温の発熱ができないサーマルヘッドを用いながら、スクリーン印刷版として適した高い開口率のスクリーン印刷版を製造する方法を提供する。
【解決手段】主走査方向に所定間隔で配置された複数の発熱素子を備えるサーマルヘッドに対し、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付してなるスクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送りながら、発熱素子を間欠的に駆動し、熱可塑性フィルムを穿孔して製版するスクリーン印刷版の製版方法において、スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを発熱素子の副走査方向の寸法の0.846倍未満とし、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とする。
【選択図】図1
【解決手段】主走査方向に所定間隔で配置された複数の発熱素子を備えるサーマルヘッドに対し、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付してなるスクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送りながら、発熱素子を間欠的に駆動し、熱可塑性フィルムを穿孔して製版するスクリーン印刷版の製版方法において、スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを発熱素子の副走査方向の寸法の0.846倍未満とし、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、スクリーン印刷版を間欠的に移動させながらサーマルヘッドの発熱素子を間欠的に駆動し、スクリーン印刷版を加熱により穿孔して製版を行なうスクリーン印刷版の製版方法に係り、特にサーマルヘッドに高負荷をかけることなく高い開口率の製版領域を実現できる製版方法に関するものである。
一般に、スクリーン印刷に用いられる版は次のような方法によって作成されている。まず、枠に紗を張り、光の照射により硬化する感光性乳剤を紗の上に塗布する。この感光性乳剤を塗った紗に対し、ポジフィルム等を用いて画像部分のみを遮光した状態で露光し、その後、画像部分以外の非硬化の感光性乳剤を洗浄により除去して画像を形成する。この方法では耐久性の高い版を作ることが可能だが、専用の露光装置や暗室が必要であり、また乳剤は刺激物である場合が多く、洗浄の際に発生する廃液を適切に処理しなければならないという問題もある。
これに対し、スクリーン印刷であっても、版に要求される耐久性のレベルが比較的低い用途の場合には、スクリーン印刷版の製造方法として感熱孔版が使用される場合がある。感熱孔版の原紙は、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付したシート体であり、これに熱を加えて熱可塑性フィルムを溶融することによって画像を形成することができる。ここで、この感熱孔版原紙に熱を加える方法としては次の2種類が知られている。1番目は、カーボンを含んだインクやトナーで用紙上に画像を形成し、この用紙の画像側を感熱孔版原紙のフィルムに密着させ、この状態でキセノンフラッシュ等によって画像のカーボンを発熱させ、フィルムの画像に対応した部分のみを溶融させて製版画像を形成する方法である。また、2番目は、サーマルヘッドを用いて感熱孔版原紙のフィルムに直接熱を加えて溶融させ、製版画像を形成する方法である。
以上説明したスクリーン印刷版では製版部分の開口率が高いほど印刷の品位が高くなるため良好な状態であるとされている。ここで、紗のスクリーンを用いる一般的なスクリーン印刷ではスキージによってインクを印刷対象に転移させるが、インクの転移量はスクリーンの厚さによって決まるため、製版部の開口率を高くしても適切なスクリーン厚さを選択すればインクの転移量が過剰になる等の問題が生じることはなく、品位の高い画像が得られる。なお、紗のスクリーンを用いた一般的なスクリーン印刷では布や金属等を印刷対象とする場合が多いが、これらの対象では印刷後に加熱・乾燥を行ってインクを対象に定着させる。
これに対し、スクリーン印刷版の製造方法として、上述したように感熱孔版原紙をサーマルヘッドで製版する方法を採用する場合、この方法を現在市場に出回っているようなデジタル孔版印刷機で行なおうとしても、感熱孔版原紙を十分に高い開口率で製版することができず、必要な印刷品位を得ることができない。これは、紗を用いた一般的なスクリーン印刷とは異なり、デジタル孔版印刷機用の原紙はインクが染み込む紙(用紙)を印刷対象としているため、用紙へ転移するインク量を精密に制御する必要があり、そのために製版領域の開口を互いに独立したドットの集合で構成することが必要とされるからである。製版領域が独立したドットで構成されれば、印刷時にはドットごとに一定量のインクがドットの数に応じて用紙に転移するので、インクが染み込むような用紙であっても適切な印刷が行なえるが、開口率を高くするためにドットを連続させてしまうとインクの転移量が制御できなくなり、用紙に転移するインクの量が過剰になってしまう。従って、現在のデジタル孔版印刷機では、そのサーマルヘッドが感熱孔版原紙を高い開口率で製版するような高温の発熱を前提とした設計になっていない。このため、仮に現在のデジタル孔版印刷機を用いてスクリーン印刷版を高い開口率で製版しようとして、発熱素子を必要な高温で駆動しようとすると、サーマルヘッドは破損してしまう。従って、通常のサーマルヘッドを備えた従来のデジタル孔版印刷機はこのようなスクリーン製版の用途に使用することはできなかった。
下記特許文献1には、上述したような紗体とポリエステルフィルムからなるスクリーン印刷用孔版原紙をサーマルヘッドで製版する方法において、製版後に紗体に残ったフィルムの溶融滓が印刷画像の品位を落とすことを防止するため、製版後の後処理によって不十分な穿孔部からフィルムの溶融滓を除去しやすくしたスクリーン印刷用孔版原紙の製版方法の発明が提案されている。
上述したように、スクリーン印刷用孔版原紙をスクリーン印刷版として高い開口率で製版できるサーマルヘッドや、そのようなサーマルヘッドを製版手段として搭載したデジタル孔版印刷機は従来存在していなかった。すなわち、これらのサーマルヘッド乃至デジタル孔版印刷機では、用紙に孔版印刷を行うことしか予定しておらず、スクリーン印刷用孔版原紙を高い開口率で製版しようとする等といった課題の認識がなかったため、サーマルヘッドは穿孔されたドットとドットが離れて製版されるような定格電圧で駆動されるように設計されているため、仮にこれより高い電圧で駆動しようとすれば破損してしまう。
本発明は、以上説明したように従来技術を前提とした本願発明者による新たな課題の認識に基づいてなされたものであり、スクリーン印刷版を高い開口率で製版できるような高温の発熱ができないサーマルヘッドを用いながら、スクリーン印刷版として適した高い開口率の版を製造するスクリーン印刷版の製版方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたスクリーン印刷版の製版方法は、主走査方向に所定間隔で配置されて選択的に駆動される複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドに対し、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付してなるスクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送りながら、前記発熱素子を間欠的に駆動することにより前記熱可塑性フィルムを穿孔して製版するスクリーン印刷版の製版方法において、
前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを前記発熱素子の副 走査方向の寸法の0.846倍未満とし、前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とすることを特徴としている。
前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを前記発熱素子の副 走査方向の寸法の0.846倍未満とし、前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とすることを特徴としている。
請求項2に記載されたスクリーン印刷版の製版方法は、請求項1記載のスクリーン印刷版の製版方法において、
前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の22.5%以上とすることを特徴としている。
前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の22.5%以上とすることを特徴としている。
請求項1に記載されたスクリーン印刷版の製版方法によれば、スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを発熱素子の副走査方向の寸法の0.846倍未満にするという条件と、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上にするという条件の2つの条件を同時に満足した。このため、発熱素子と孔版原子の重なりが所定値を超えて大きい状態で電圧の印加時間を長くすることにより発生しうる発熱素子の損傷の問題が回避されるとともに、電圧の印加時間が所定値を下回って短い状態で発熱素子と孔版原子の重なりを小さくすることにより発生しうるスクリーン印刷版の穿孔に時間がかかりすぎるという問題が共に回避される。その結果、スクリーン印刷版を高い開口率で製版できるような高温の発熱ができないサーマルヘッドを用いながら、サーマルヘッドを損傷することなく、スクリーン印刷版に開口率の高い製版を行うことができる。
請求項2に記載されたスクリーン印刷版の製版方法のように、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の22.5%以上とすれば、スクリーン印刷版の製版領域における開口率の状態は一層良好となる。
本発明の実施形態は、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付してなるスクリーン印刷版を、多数の発熱素子を有するサーマルヘッドを用いて加熱することにより、熱可塑性フィルムを溶融して開口を形成して製版を行なう製版方法に関するものである。特に、スクリーン印刷版に高い開口率で製版するための設計(高電圧の入力や高温への耐性)が施されていないサーマルヘッドに過重な負荷をかけることなく、独立したドット状の孔の集合とは異なる高い開口率でスクリーン印刷版を製版する方法を提供するものである。
本例で使用される製版装置が有する前記サーマルヘッドは、主走査方向に所定間隔で配置されて選択的に駆動される複数の発熱素子を備えている。本実施形態では、発熱素子は例えば矩形状のドットであり、主走査方向及びこれと直交する副走査方向について、それぞれ所定の寸法を有している。この製版装置は、搬送手段によって前記スクリーン印刷版を副走査方向に所定の送りピッチ(寸法)及び送り間隔(時間)で間欠的に送りながら、所望の発熱素子を所定の印加時間で間欠的に駆動することにより、スクリーン印刷版の熱可塑性フィルムを穿孔して製版する。
本例では、種々の条件のスクリーン印刷版を対象とし、またこれに対して種々の条件の製版装置を用いて製版実験を行なった。スクリーン印刷版については、多孔性支持体及び熱可塑性フィルムについて材質及び厚さを種々に設定したものを用意して実験に供した。製版装置については、発熱素子の寸法を種々の異なる値に設定した装置を用意し、実験においては、搬送手段によるスクリーン印刷版の送りピッチ(寸法)及び送り間隔(時間)、発熱素子の印加時間を種々の異なる値に設定して各装置を駆動した。
そして、得られた製版済みのスクリーン印刷版の製版領域を観察した。図1及び図2の各表中の画像は、本願発明者が実験で取得した実施例及び比較例の製版領域を拡大した写真である。これらの写真において、熱可塑性フィルムに穴が開いていて支持体が無い黒く表れている箇所を「開口」と呼ぶ。従って、写真中、縦横の格子状に表れている支持体や、縦横の楕円状に表れている支持体に溶け残った熱可塑性フィルムの部分や、縦横の格子状に表れている支持体の内方に表れている不規則な溶融した熱可塑性フィルムの部分は開口部ではない。開口部の形状は一定ではなく、その周囲にある溶融した熱可塑性フィルムの形状により、様々な形状になっている。
このような製版領域の開口状態を評価するため、実施形態では次に説明するような数値を測定乃至算出した。まず製版領域について多数存在する前記開口部の面積をそれぞれ測定し、その平均を求めて「平均面積」(平方ミクロン)を求めた。そして、製版領域中、開口部の個数に関係なく、任意に定めた所定面積中にある開口部の割合を算出して「開口率」(%)とした。例えば、製版領域内において支持体の繊維で格子状に区画されている縁枠内の面積に対し、当該縁枠内で開口している開口部の面積の合計の割合を求め、開口率(%)とした。そして、拡大写真で認められる実際の開口状態にこれらの数値を加味して「穿孔状態」を総合的に判断し、当該領域がスクリーン印刷の製版領域として如何なる状態にあるかを◎(非常に良好)、○(良好)、△(やや不足)、×(不足)の4段階に評価した。
その結果、スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを発熱素子の副走査方向の寸法の0.846倍未満とするとともに、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とした場合に、製版されたスクリーン印刷版の製版領域がスクリーン印刷の製版領域として良好 (上記評価で○以上、開口率で25%以上)であることを確認した。さらに、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の22.5%以上とすれば、さらに良好な高い開口部が形成できることを確認した (上記評価で◎以上、開口率で30%以上)。
次に、以上説明した実施形態で行われた多くの実験のうち、上記数値条件を見出すために有効であった複数の実験結果の一部を図1及び図2を参照してさらに具体的に説明する。この実験では、本発明の範囲に含まれる実施例1乃至3と、本発明の範囲には含まれない比較例1乃至3を試験対象として含んでいる。
図1は、これら実施例1乃至3の実験結果(製版領域の画像を含む)を一覧表として示している。図2は、本発明の範囲には含まれない比較例1乃至3の実験結果(製版領域の画像を含む)を一覧表として示している。
図1及び図2において、左側の縦欄に示した各項目の意味を説明する。
まず、「主走査解像度」は、発熱素子が主走査方向の1インチ中に何個入るかを示す数値(dpi)と、主走査方向に関して隣接した発熱素子の間隔 (μm)を意味する。「ヘッドサイズ(主走査)」は、発熱素子の主走査方向のサイズ (μm)を意味する。「ヘッドサイズ(副走査)」は、発熱素子の副走査方向のサイズ (μm)を意味する。「主走査ヘッド素子間隔」は、主走査方向に隣接する発熱素子と発熱素子の間隔 (μm)を意味する。「送りピッチ」は、スクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送る際の一回の送り長さを意味し、表中各欄の数値は右側が (μm)、左側が(dpi)で示した値である。そして、「送りピッチと素子サイズの比」は、送りピッチをヘッドサイズ(副走査)で除した数値である。
まず、「主走査解像度」は、発熱素子が主走査方向の1インチ中に何個入るかを示す数値(dpi)と、主走査方向に関して隣接した発熱素子の間隔 (μm)を意味する。「ヘッドサイズ(主走査)」は、発熱素子の主走査方向のサイズ (μm)を意味する。「ヘッドサイズ(副走査)」は、発熱素子の副走査方向のサイズ (μm)を意味する。「主走査ヘッド素子間隔」は、主走査方向に隣接する発熱素子と発熱素子の間隔 (μm)を意味する。「送りピッチ」は、スクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送る際の一回の送り長さを意味し、表中各欄の数値は右側が (μm)、左側が(dpi)で示した値である。そして、「送りピッチと素子サイズの比」は、送りピッチをヘッドサイズ(副走査)で除した数値である。
次に、「ライン送り時間」は、スクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送る際の一サイクルの送り時間(ms)を意味する。すなわち、搬送を開始してから停止して発熱素子による加熱が行われ、それが終了して次のサイクルの搬送が開始されるまでの時間を意味する。「印加時間」はスクリーン印刷版が停止している間に製版のためにサーマルヘッドに電圧が印可される時間(ms)である。そして、「ライン送り時間に対する印加時間の比」は、印加時間をライン送り時間で除した値の百分率(%)である。
なお、図1及び図2の表中、「穿孔状態」、「平均面積」、「開口率」は上述した通りである。
なお、図1及び図2の表中、「穿孔状態」、「平均面積」、「開口率」は上述した通りである。
図1に示す各実施例と図2に示す各比較例について、製版条件を示す「送りピッチと素子サイズの比」及び「ライン送り時間に対する印加時間の比」の各値と、製版結果を示す「開口率」及び「穿孔状態」について説明する。
実施例1では、製版条件は各々0.6047と24.44%であり、製版結果は各々30.16%と◎(非常に良好)であった。
実施例2では、製版条件は各々0.84666と22.50%であり、製版結果は各々31.80%と◎(非常に良好)であった。
実施例3では、製版条件は各々0.84666と20.00%であり、製版結果は各々25.76%と○(良好)であった。
実施例2では、製版条件は各々0.84666と22.50%であり、製版結果は各々31.80%と◎(非常に良好)であった。
実施例3では、製版条件は各々0.84666と20.00%であり、製版結果は各々25.76%と○(良好)であった。
実施例1乃至3では、図1中の穿孔状態を示す画像からも分かるように、縦横の格子状に表れている支持体及び支持体に付着して略楕円形に溶け残った熱可塑性フィルムの内方には、連続した大きな開口部(写真中、黒い領域)が形成されており、溶融して不規則な形状となった熱可塑性フィルムの残滓が開口部を部分的に塞いで分断するような状況はなく、製版時にはインクの通過が容易と考えられる。
比較例1では、製版条件は、「送りピッチと素子サイズの比」が0.84666と実施例2乃至3と同じであったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」が17.50%であり、実施例のうち最もこの値が小さい実施例3の20.00よりも小さかった。製版結果は各々24.71%と△(やや不足)であった。
比較例2では、製版条件は、「送りピッチと素子サイズの比」が1.129といずれの実施例よりも大きかったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」は20.00%と実施例3と同じであった。製版結果は各々23.77%と△(やや不足)であった。
比較例3では、製版条件は、「送りピッチと素子サイズの比」が1.6932といずれの実施例よりも大きかったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」は24.51%といずれの実施例よりも大きかった。製版結果は各々20.98%と×(不足)であった。
比較例2では、製版条件は、「送りピッチと素子サイズの比」が1.129といずれの実施例よりも大きかったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」は20.00%と実施例3と同じであった。製版結果は各々23.77%と△(やや不足)であった。
比較例3では、製版条件は、「送りピッチと素子サイズの比」が1.6932といずれの実施例よりも大きかったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」は24.51%といずれの実施例よりも大きかった。製版結果は各々20.98%と×(不足)であった。
比較例1乃至3では、図2中の穿孔状態を示す画像からも分かるように、縦横の格子状に表れている支持体及び支持体に付着して略楕円形に溶け残った熱可塑性フィルムの内方には、溶融して不規則な形状となった熱可塑性フィルムの残滓(互いに繋がって網状の構造を呈する線状の残滓が)が開口部を部分的に塞いでおり、開口部(写真中、黒い領域)は細かく分断されてインクが通過しにくい状態となっている。
以上説明したように、図1に示す実施例1乃至3及び図2に示す比較例1乃至3の結果及び画像からも分かるように、「送りピッチと素子サイズの比」を0.846倍未満にするだけでなく、同時に「ライン送り時間に対する印加時間の比」を20%以上とした場合に、製版の結果が良好 (上記評価で○以上、開口率で25%以上)となった。さらに、実施例1及び2の例から見て、「ライン送り時間に対する印加時間の比」を22.5%以上とすれば、さらに良好な高い開口部が形成できた (上記評価で◎以上、開口率で30%以上)。
これに対し、製版の条件に係る前記2つの項目のうち、いずれかでも満足できない場合には十分な製版結果が得られなかった。例えば、比較例1では、「送りピッチと素子サイズの比」が0.84666と実施例2乃至3と同じであったが、「ライン送り時間に対する印加時間の比」が17.50%であり、実施例のうち最もこの値が小さい実施例3の20.00よりも小さく、加熱が不十分だったため、穿孔結果が△(やや不足)になったと考えられる。また、比較例2及び3では、比較例1とは逆に、「送りピッチと素子サイズの比」を0.846を超えて1以上としているため、「ライン送り時間に対する印加時間の比」が20.00%と実施例3と同じ程度で発熱素子の発熱量は適当と考えられるにもかかわらず、穿孔結果が△及び×(やや不足及び不足)になったと考えられる。
本実施形態では、種々の条件のスクリーン印刷版を対象とし、またこれに対して種々の条件の製版装置を用いて製版実験を行なったが、いずれの条件下の実験においても、スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを発熱素子の副走査方向の寸法の0.846倍未満とし、発熱素子を駆動するためにサーマルヘッドに与える電圧の印加時間をスクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とすることにより、スクリーン印刷版を高い開口率で製版できるような高温の発熱を予定しない設計のサーマルヘッドを用いながら、スクリーン印刷版に適した高い開口率をスクリーン印刷版の製版で実現できた。すなわち、製版時に上記2つの条件を同時に満たすことにより、発熱素子の損傷が回避され、熱不足で穿孔ができなかったり、穿孔に長時間を要するという問題の発生がなく、デジタル孔版印刷機用の通常のサーマルヘッドを用いてスクリーン印刷版にスクリーン印刷に適した開口率の高い製版を行うことができる。
Claims (2)
- 主走査方向に所定間隔で配置されて選択的に駆動される複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドに対し、多孔性支持体に熱可塑性フィルムを貼付してなるスクリーン印刷版を副走査方向に間欠的に送りながら、前記発熱素子を間欠的に駆動することにより前記熱可塑性フィルムを穿孔して製版するスクリーン印刷版の製版方法において、
前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る際の送りピッチを前記発熱素子の副 走査方向の寸法の0.846倍未満とし、前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の20%以上とすることを特徴とするスクリーン印刷版の製版方法。 - 前記発熱素子を駆動するために前記サーマルヘッドに与える電圧の印加時間を前記スクリーン印刷版を副走査方向に送る送り間隔の22.5%以上とすることを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷版の製版方法。
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JP2020001367A (ja) * | 2017-09-26 | 2020-01-09 | 理想科学工業株式会社 | 紗張り装置、枠体及びスクリーン版 |
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