JP2013113910A - 加熱定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止する。
【解決手段】記録紙上のトナー像131と接触する定着ローラ154と、定着ローラ154と共に記録紙を搬送する定着ニップ部N1を形成する加圧ローラ125と、定着ローラ154と加熱ニップ部N2を形成する加熱ローラ111とを有する加熱定着装置において、定着ニップ部N1と加熱ニップ部N2の間の抵抗値が、定着ニップ部N1から加圧ローラ125を介した接地までの抵抗値(RR+R2)の抵抗と、中間転写体146上のトナー像131を記録紙に転写する転写ローラ145の芯金141から記録紙までの抵抗値と転写ローラ145に電圧を印加する高圧電源144と芯金141の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)の抵抗とを並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値の所定倍以上であることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】記録紙上のトナー像131と接触する定着ローラ154と、定着ローラ154と共に記録紙を搬送する定着ニップ部N1を形成する加圧ローラ125と、定着ローラ154と加熱ニップ部N2を形成する加熱ローラ111とを有する加熱定着装置において、定着ニップ部N1と加熱ニップ部N2の間の抵抗値が、定着ニップ部N1から加圧ローラ125を介した接地までの抵抗値(RR+R2)の抵抗と、中間転写体146上のトナー像131を記録紙に転写する転写ローラ145の芯金141から記録紙までの抵抗値と転写ローラ145に電圧を印加する高圧電源144と芯金141の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)の抵抗とを並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値の所定倍以上であることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録紙に画像を形成する画像形成装置に搭載する加熱定着装置に関する。
電子写真方式等の画像プロセス装置により記録紙に形成したトナー画像を固着画像として加熱処理する加熱定着装置では、高温多湿の環境下で、記録紙の含水量が多いと加熱ローラと加圧ローラが記録紙を挟む定着ニップ部で転写不良等の画像不良が発生しやすい。そこで、従来は加熱ローラのヒータ付近での水蒸気発生による画像不良を防止するために、加圧ローラ及び加熱ローラを高抵抗を介して接地する方法が取られる場合もあった。
図6(a)は従来のフィルム加熱方式の加熱定着装置の概略構成図である。加熱定着装置は、加熱ローラである加熱ローラ110と加圧ローラ124を有し、加熱ローラ110と加圧ローラ124で定着ニップ部Nを形成する。加熱ローラ110のヒータ101は、図6(a)の奥行き方向を長手方向とする細長薄板形状の低熱容量ヒータである。このヒータ101は、絶縁性と高熱伝導率の細長薄板形状のヒータ基板102と、このヒータ基板102に設置された発熱抵抗体部103と、この発熱抵抗体部103をコーティングするガラス104を有する。断熱ヒータホルダ105は、支持部材として機能し、下面に部材長手方向に沿ってヒータ101を嵌め込む溝が形成されており、ヒータ101はこの溝に嵌め込まれて固定支持されている。更に、断熱ヒータホルダ105は金属ステイ106によりヒータ101側へ押圧されている。ヒータ101の露出面は、熱伝導性の高いフィルム層107が押し当てられ、フィルム層107の外周面上に離型層108が形成されている。フィルム層107は、その電位を固定させるため、導電シート109により金属ステイ106と連結されている。加圧ローラ124は、芯金120の外周面上に弾性層121が形成され、その外周面上に離型層122が形成されている。また、上述した転写不良を防止するため、芯金120と金属ステイ106は高抵抗値の保護抵抗123を介して接地されている。
中間転写ベルト146上に転写されたトナー像131は、二次転写ローラ145と従動ローラ140の間の二次転写ニップ部N’で記録紙130上に転写される。なお、記録紙130は図のAの方向に搬送される。二次転写ローラ145は芯金141の外周面上に弾性層142が形成されている。芯金141には、高圧電源144から高圧電源保護抵抗143を介してトナーの帯電極性と逆極性である正極性の電圧が印加される。
一方、近年では加熱定着装置として、例えば特許文献1、2に開示されている回転接触式の外部加熱定着装置が知られている。図6(b)は回転接触式の外部加熱定着装置の概略構成図である。この加熱定着装置は加熱ローラ111、定着ローラ154、加圧ローラ125で構成されており、加熱ローラ111と定着ローラ154は加熱ニップ部N2を形成し、定着ローラ154と加圧ローラ125は定着ニップ部N1を形成する。加熱ローラ111は図6(a)の加熱ローラ110と、加圧ローラ125は図6(a)の加圧ローラ124と同様の構成である。定着ローラ154は、芯金150の外周面上に弾性層151が形成されている。そして、その弾性層151の外周面上に蓄熱層152が形成され、更にその蓄熱層152の外周面上に離型層153が形成されている。
しかし、上述した外部加熱定着装置には、以下のような課題がある。すなわち、発熱抵抗体部103へ交流電圧を印加することにより昇温、給電遮断を行っているため、ガラス104が等価回路上、コンデンサ211として作用し、フィルム層107に交流電圧のAC成分がカップリングする。フィルム層107にカップリングした交流電圧のAC成分は、加圧ローラ125の芯金120、弾性層121、離型層122を介し、記録紙130上に印加される。また、離型層108及び離型層153は絶縁性の物質であるが、厚みが数十μmと薄く、コンデンサ212として作用し、上述のフィルム層107にカップリングしたAC成分は定着ローラ154の蓄熱層152にカップリングする。また定着ローラ154の蓄熱層152は導電性フィラーが含有されている導電性の物質であるため、蓄熱層152を介して、定着ニップ部N1近辺まで交流電圧のAC成分が伝達される。そして定着ローラ154の離型層153は絶縁性の物質であるものの、厚みが数十μmと薄いため、コンデンサ213として作用し、記録紙130上に交流電圧のAC成分が印加される。この場合記録紙130の含水分量が上昇すると、記録紙130のインピーダンス214が低下する。そして、記録紙130が二次転写ニップ部N’と定着ニップ部N1で同時に挟持される場合がある。この場合、定着ニップ部N1の交流電圧のAC成分が記録紙130を介して二次転写ニップ部N’に伝達し、二次転写ニップ部N’の電圧を変動させてしまう。記録紙130の先端が二次転写ニップ部N’に突入し、記録紙130の後端が二次転写ニップ部N’を出るまでの二次転写ニップ部N’の電圧を図7に示す。図7は横軸に時間t、縦軸に二次転写ニップ部N’の電圧Vを表している。記録紙130の先端が二次転写ニップ部N’に突入する時間T1直前に二次転写ニップ部N’の電圧が印加される。そして、記録紙130の先端が定着ニップ部N1に突入する時間T2から二次転写ニップ部N’の電圧は定着ニップ部N1の交流電圧のAC成分が記録紙130を介して二次転写ニップ部N’に伝達する。この伝達される交流電圧のAC成分を、以下ではリップル電圧という。図7中のリップル電圧の周期T1は交流電圧の周期と同一である。そして記録紙130の後端が二次転写ニップ部N’を出る時間T3になると、二次転写ニップ部N’の電圧が交流電圧のAC成分の影響を受けない。このようにT2〜T3の時間では二次転写ニップ部N’の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することにより、転写ムラを引き起こし、結果として画像の副走査方向の縞模様(以下、濃度ムラという)となって現れてしまう。なお、副走査方向とは記録紙130が搬送される方向、図6のAの方向をいう。
本発明は、このような状況のもとでなされたものであり、二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
第1離型層と、前記第1離型層の下側に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層の下側に設けられた第1弾性層とを有し、前記第1離型層が記録紙上のトナー像と接触する定着ローラと、第2離型層と、前記第2離型層の下に設けられた第2弾性層とを有し、前記定着ローラと共に記録紙を搬送する第1ニップ部を形成する加圧ローラと、第3離型層と、第3離型層の下に設けられたフィルム層と、前記フィルム層を内部から加熱するヒータとを有し、前記第3離型層が前記第1離型層と第2ニップ部を形成する加熱ローラと、を備え、記録紙上に形成されたトナー像を加熱定着する加熱定着装置において、前記第1ニップ部と前記第2ニップ部の間の抵抗値が、前記第1ニップ部から前記加圧ローラを介した接地までの抵抗値(RR+R2)の抵抗と、中間転写体上のトナー像を記録紙に転写する転写ローラの芯金から前記記録紙までの抵抗値と前記転写ローラに電圧を印加する印加手段と前記芯金の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)の抵抗とを並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値の所定倍以上であることを特徴とする加熱定着装置。
本発明によれば、二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
まず、本実施例における画像形成装置の構成を説明し、次いで加熱定着装置について詳しく説明する。
[画像形成装置の構成]
本実施例の画像形成装置において、記録紙上に、未定着トナー像を形成する方法及び装置の構成は一般的であり、図1の画像形成装置の概略構成図を用いて説明する。本実施例における画像形成装置は、中間転写ベルト146上(中間転写体上)に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を順次転写することで、カラー画像を形成する。なお、Y,M,C,Kは符号の記載につき、以下で省略する場合がある。像担持体である感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器2、レーザ光Lを感光ドラム1に照射する露光装置3、現像器5、中間転写ベルト146を介して一次転写ローラ10、及び、クリーナー16が配置されている。まず、感光ドラム1は、その表面が帯電器2によって負極性に帯電される。次に帯電された感光ドラム1は、露光装置3の露光光であるレーザ光Lにより表面に静電潜像が形成される。露光された部分は表面電位が上がる。1色目のイエロートナーが収納された現像器5によって、感光ドラム1上の静電潜像にイエローのトナーが付着され、イエローのトナー像が形成される。感光ドラム1上のトナー像は中間転写ベルト146に一次転写され、一次転写後の感光ドラム1は、弾性体ブレードを有するクリーナー16によって表面の転写残トナーが除去される。なお、カートリッジ30は、帯電器2、感光ドラム1、現像器5、クリーナー16から構成される。このカートリッジ30には、イエローカートリッジ30Y、マゼンタカートリッジ30M、シアンカートリッジ30C、ブラックカートリッジ30Kがある。以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目のマゼンタカートリッジ30Mから4色目のブラックカートリッジ30Kの各カートリッジについても順次行い、カラー画像が中間転写ベルト146上に転写される。
本実施例の画像形成装置において、記録紙上に、未定着トナー像を形成する方法及び装置の構成は一般的であり、図1の画像形成装置の概略構成図を用いて説明する。本実施例における画像形成装置は、中間転写ベルト146上(中間転写体上)に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を順次転写することで、カラー画像を形成する。なお、Y,M,C,Kは符号の記載につき、以下で省略する場合がある。像担持体である感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器2、レーザ光Lを感光ドラム1に照射する露光装置3、現像器5、中間転写ベルト146を介して一次転写ローラ10、及び、クリーナー16が配置されている。まず、感光ドラム1は、その表面が帯電器2によって負極性に帯電される。次に帯電された感光ドラム1は、露光装置3の露光光であるレーザ光Lにより表面に静電潜像が形成される。露光された部分は表面電位が上がる。1色目のイエロートナーが収納された現像器5によって、感光ドラム1上の静電潜像にイエローのトナーが付着され、イエローのトナー像が形成される。感光ドラム1上のトナー像は中間転写ベルト146に一次転写され、一次転写後の感光ドラム1は、弾性体ブレードを有するクリーナー16によって表面の転写残トナーが除去される。なお、カートリッジ30は、帯電器2、感光ドラム1、現像器5、クリーナー16から構成される。このカートリッジ30には、イエローカートリッジ30Y、マゼンタカートリッジ30M、シアンカートリッジ30C、ブラックカートリッジ30Kがある。以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目のマゼンタカートリッジ30Mから4色目のブラックカートリッジ30Kの各カートリッジについても順次行い、カラー画像が中間転写ベルト146上に転写される。
一方、中間転写ベルト146は、駆動ローラ12と従動ローラ140に支持され、図中の矢印R4の方向に回転する駆動ローラ12によって、矢印R3の方向に回転する。記録紙130は、給紙ローラ4により給紙されると、二次転写ローラ145に不図示の電源から正極性の転写電圧が印加される。その結果、中間転写ベルト146上のカラー画像が記録紙130上に転写される。カラー画像を担持した記録紙130は加熱定着装置100に搬送され、表面のカラー画像の定着が行われる。
[加熱定着装置]
次いで、加熱定着装置100について以下に説明する。本実施例の加熱定着装置100は、上述した回転接触式の外部加熱定着装置である。
次いで、加熱定着装置100について以下に説明する。本実施例の加熱定着装置100は、上述した回転接触式の外部加熱定着装置である。
<加圧ローラ>
本実施例における外部加熱定着装置を図2に示す。加圧ローラ125は、外径φ20mmであり、φ12mmの鉄製の芯金120の外側に、シリコーンゴムを発泡した厚さ4mmの弾性層121(第2弾性層)が形成されている。加圧ローラ125は、熱容量が大きく熱伝導率が高いと、定着ローラ154表面の熱を奪い易く、また加圧ローラ125が定着ローラ154から受ける熱が加圧ローラ125内部へ吸収され易くなる。その結果、定着ローラ154及び加圧ローラ125の表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、加圧ローラ125としては低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、定着ローラ154の熱を奪いにくいため、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。上述のシリコーンゴムを発泡した発泡ゴムの熱伝導率は0.11〜0.16W/m・Kであり、0.25〜0.29W/m・K程度のソリッドゴムよりも熱伝導率が低い。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30であるのに対して、発泡ゴムが約0.75〜0.85であって、低熱容量でもある。従って、加圧ローラ125の弾性層121としてこの発泡ゴムを用いることで定着ローラ154表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。なお、弾性層121の発泡ゴムには導電性フィラーが添加されている。
本実施例における外部加熱定着装置を図2に示す。加圧ローラ125は、外径φ20mmであり、φ12mmの鉄製の芯金120の外側に、シリコーンゴムを発泡した厚さ4mmの弾性層121(第2弾性層)が形成されている。加圧ローラ125は、熱容量が大きく熱伝導率が高いと、定着ローラ154表面の熱を奪い易く、また加圧ローラ125が定着ローラ154から受ける熱が加圧ローラ125内部へ吸収され易くなる。その結果、定着ローラ154及び加圧ローラ125の表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、加圧ローラ125としては低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、定着ローラ154の熱を奪いにくいため、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。上述のシリコーンゴムを発泡した発泡ゴムの熱伝導率は0.11〜0.16W/m・Kであり、0.25〜0.29W/m・K程度のソリッドゴムよりも熱伝導率が低い。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30であるのに対して、発泡ゴムが約0.75〜0.85であって、低熱容量でもある。従って、加圧ローラ125の弾性層121としてこの発泡ゴムを用いることで定着ローラ154表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。なお、弾性層121の発泡ゴムには導電性フィラーが添加されている。
加圧ローラ125の最表層にはパーフルオロアルコキシ樹脂(以下、PFAという)からなる離型層122(第2離型層)が形成されている。この離型層122にも導電性フィラーが添加されている。離型層122はPFAのチューブを被覆させたものでも表面をPFAの塗料でコートティングしたものであっても良いが、本実施例では、耐久性の優れるチューブを使用した。離型層122の材質としては、PFAの他に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂や、離型性の良いフッ素ゴムやシリコーンゴム等を用いても良い。
弾性層121の硬度は、低ければ軽圧でも定着ニップ部N1(第1ニップ部)の幅が得られるが、低すぎると耐久性が低下するため、本実施例では、その硬度はAsker−C硬度(4.9N荷重)で、40〜45°とした。加圧ローラ125は、不図示の加圧バネによって加圧され、幅7mmの定着ニップ部N1を形成している。離型層122は導電性フィラーを含有しているため、転写ニップ部N’から記録紙130⇒離型層122⇒弾性層121⇒芯金120を介して下側に転写電流が抜けて、転写不良が発生する。転写不良の対策として、400MΩの保護抵抗123がグランド(接地)の間に挿入されている。
<加熱ローラ>
加熱ローラ111は、加熱体であるヒータ101が断熱ヒータホルダ105に保持された構成となっている。加熱ローラ111のフィルム層107は不図示の加圧バネによって定着ローラ154に加圧され、幅7.5mmの加熱ニップ部N2(第2ニップ部)が形成されている。フィルム層107の材質は、ヒータ101の熱を受けるため耐熱性が必要であり、ヒータ101と摺動するため、強度も必要となり、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)などの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため、薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、ヒータ101の熱を定着ローラ154へ伝達しやすい。樹脂は金属に比べると比重が小さいため、熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また樹脂は塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施例では、フィルム層107の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率を向上させるためカーボン系の熱伝導フィラーを添加した。フィルム層107の厚さは薄いほどヒータ101の熱を定着ローラ154表面に伝達しやすいが強度が低下するため、20μm〜100μm程度が好ましく、本実施例では60μmとした。フィルム層107の最表層は汚れの付着を低減するためPFAの離型層108(第3離型層)が形成されている。フィルム層107の離型層108の材質は、加圧ローラ125の離型層122と同様、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いても良い。フィルム層107の離型層108は薄いほどヒータ101の熱を定着ローラ154表面に伝達しやすいため、1μm〜20μm程度が好ましく、本実施例では10μmとした。
加熱ローラ111は、加熱体であるヒータ101が断熱ヒータホルダ105に保持された構成となっている。加熱ローラ111のフィルム層107は不図示の加圧バネによって定着ローラ154に加圧され、幅7.5mmの加熱ニップ部N2(第2ニップ部)が形成されている。フィルム層107の材質は、ヒータ101の熱を受けるため耐熱性が必要であり、ヒータ101と摺動するため、強度も必要となり、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)などの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため、薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、ヒータ101の熱を定着ローラ154へ伝達しやすい。樹脂は金属に比べると比重が小さいため、熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また樹脂は塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施例では、フィルム層107の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率を向上させるためカーボン系の熱伝導フィラーを添加した。フィルム層107の厚さは薄いほどヒータ101の熱を定着ローラ154表面に伝達しやすいが強度が低下するため、20μm〜100μm程度が好ましく、本実施例では60μmとした。フィルム層107の最表層は汚れの付着を低減するためPFAの離型層108(第3離型層)が形成されている。フィルム層107の離型層108の材質は、加圧ローラ125の離型層122と同様、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いても良い。フィルム層107の離型層108は薄いほどヒータ101の熱を定着ローラ154表面に伝達しやすいため、1μm〜20μm程度が好ましく、本実施例では10μmとした。
ヒータ101は、幅6mmで厚さ1mmのアルミナのヒータ基板102表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷により10μm塗工し、その上に発熱体保護層としてガラス104を50μmの厚さで覆ったものを用いた。ヒータ101とフィルム層107の摺動性を良くするため、ヒータ101のガラス104面に耐熱性のフッ素グリスが塗布されている。そして、ヒータ101の熱は、加熱ニップ部N2を介して、定着ローラ154の表面を加熱する。またフィルム層107の摩擦帯電等を防止し、フィルム層107内の電位を安定させるため、金属ステイ106と接地(グランド)との間に400MΩの保護抵抗126が挿入(設置)されている。
<定着ローラ>
次いで、本実施例の定着ローラ154の構成について以下に説明する。本実施例の定着ローラ154は、鉄製の芯金150の外側に、加圧ローラ125の弾性層121と同じ発泡ゴムの弾性層151(第1弾性層)が形成されている。そして、その弾性層151の外周面上に蓄熱層152が形成され、更にその蓄熱層152の外周面上に離型層153(第1離型層)が形成されている。定着ローラ154は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、外表面から受ける熱が定着ローラ154内部へ吸収され易く、表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。弾性層151の発泡ゴムは、加圧ローラ125の弾性層121と同じであり、低熱容量(比重:約0.75〜0.85)で熱伝導率が低い(熱伝導率:0.11〜0.16W/m・K)。従って、この発泡ゴムは、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。定着ローラ154の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さ過ぎると加熱ニップ部N2及び定着ニップ部N1の幅が狭くなってしまうので適度な長さの径が必要であり、本実施例では、外径をφ20mmとした。弾性層151の肉厚に関しても、薄過ぎれば金属製の芯金に熱が逃げるので適度な厚みが必要であり、本実施例では、弾性層151の厚さを4mmとした。従来、上述のように記録紙上へのトナー像の定着が繰り返されると、フィルム層107表面に紙粉やトナーが蓄積し汚れてしまう場合があった。また、フィルム層107の汚れによる熱伝達不足で定着不良が発生することや、フィルム層107からの汚れの吐き出しによる画像不良が発生することもあった。本実施例の定着ローラ154は、表面のマイクロ硬度を低く抑えた構成であり、表面のマイクロ硬度を低くすることで、このフィルム層107への汚れの付着を抑制している。
次いで、本実施例の定着ローラ154の構成について以下に説明する。本実施例の定着ローラ154は、鉄製の芯金150の外側に、加圧ローラ125の弾性層121と同じ発泡ゴムの弾性層151(第1弾性層)が形成されている。そして、その弾性層151の外周面上に蓄熱層152が形成され、更にその蓄熱層152の外周面上に離型層153(第1離型層)が形成されている。定着ローラ154は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、外表面から受ける熱が定着ローラ154内部へ吸収され易く、表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。弾性層151の発泡ゴムは、加圧ローラ125の弾性層121と同じであり、低熱容量(比重:約0.75〜0.85)で熱伝導率が低い(熱伝導率:0.11〜0.16W/m・K)。従って、この発泡ゴムは、定着ローラ154の表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。定着ローラ154の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さ過ぎると加熱ニップ部N2及び定着ニップ部N1の幅が狭くなってしまうので適度な長さの径が必要であり、本実施例では、外径をφ20mmとした。弾性層151の肉厚に関しても、薄過ぎれば金属製の芯金に熱が逃げるので適度な厚みが必要であり、本実施例では、弾性層151の厚さを4mmとした。従来、上述のように記録紙上へのトナー像の定着が繰り返されると、フィルム層107表面に紙粉やトナーが蓄積し汚れてしまう場合があった。また、フィルム層107の汚れによる熱伝達不足で定着不良が発生することや、フィルム層107からの汚れの吐き出しによる画像不良が発生することもあった。本実施例の定着ローラ154は、表面のマイクロ硬度を低く抑えた構成であり、表面のマイクロ硬度を低くすることで、このフィルム層107への汚れの付着を抑制している。
弾性層151は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、外表面から受ける熱が定着ローラ154内部へ吸収され易く、定着ローラ154の表面温度が上昇しにくくなる。しかし、熱容量が小さく、熱伝導率が低いだけであると、定着ローラ154の表面温度は上昇しやすいが、最表層しか暖まらないため記録紙130上のトナーの定着を行うには熱量が足りない場合がある。そのため、上述したように弾性層151の定着ローラ154の表面に熱を溜める蓄熱層152が形成されている。蓄熱層152は、加熱ローラ111からの熱を素早く蓄熱するために熱伝導率が高い方が良く、ソリッドゴムに熱伝導フィラーを添加するなどし、熱伝導率を0.5W/m・K以上にしたものを用いるのが好ましい。蓄熱層152の熱容量は、ゴムの熱伝導率(比重)とその厚さにより調整し、画像形成装置の印字速度に合せて、厚さを30μm〜1mm程度にして用いると良い。また定着ローラ154内の電位を安定させるため、芯金150と接地との間に400MΩの保護抵抗127が挿入されている。
[二次転写ローラ]
二次転写ローラ145はニトリルゴムとエチレン−エピクロルヒドリン共重合体との混合により形成された、外径φ20mm、芯金141の径φ12mmのイオン導電性スポンジローラを用いた。二次転写ローラ145の抵抗値は、温度23℃、湿度50%の環境下で印加電圧1kVにより測定したところ106〜108Ω程度であった。電圧印加部である高圧電源144には、二次転写ローラ145の芯金141にトナーの帯電極性と逆極性である正極性の電圧が高圧電源保護抵抗143を介して印加される。本実施例では高圧電源144を環境に応じて0.6kV〜3.5kVまで可変させ、高圧電源保護抵抗143の抵抗値は33MΩである。
二次転写ローラ145はニトリルゴムとエチレン−エピクロルヒドリン共重合体との混合により形成された、外径φ20mm、芯金141の径φ12mmのイオン導電性スポンジローラを用いた。二次転写ローラ145の抵抗値は、温度23℃、湿度50%の環境下で印加電圧1kVにより測定したところ106〜108Ω程度であった。電圧印加部である高圧電源144には、二次転写ローラ145の芯金141にトナーの帯電極性と逆極性である正極性の電圧が高圧電源保護抵抗143を介して印加される。本実施例では高圧電源144を環境に応じて0.6kV〜3.5kVまで可変させ、高圧電源保護抵抗143の抵抗値は33MΩである。
[加熱定着装置の等価回路]
次に図2に示す外部加熱定着装置の等価回路を図3(a)に示す。図3(a)で、高圧電源144の出力値をVT、商用電源の実効値をVAC、高圧電源保護抵抗143の抵抗値をR1、二次転写ローラ145の芯金141から二次転写ニップ部N’までの抵抗値をRT、記録紙130の抵抗値をRPと表している。また、加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値をRF、発熱抵抗体部103から加熱ニップ部N2までに形成される容量をCG、定着ニップ部N1から加圧ローラ125の芯金120までの抵抗値をRRと表している。更に、保護抵抗126,127,123の抵抗値をそれぞれR3,R4,R2、記録紙130へ流れる電流値をI1、加圧ローラ125へ流れる電流値をI2と表している。この場合、二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPは下記の(1)式で表すことができる。
次に図2に示す外部加熱定着装置の等価回路を図3(a)に示す。図3(a)で、高圧電源144の出力値をVT、商用電源の実効値をVAC、高圧電源保護抵抗143の抵抗値をR1、二次転写ローラ145の芯金141から二次転写ニップ部N’までの抵抗値をRT、記録紙130の抵抗値をRPと表している。また、加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値をRF、発熱抵抗体部103から加熱ニップ部N2までに形成される容量をCG、定着ニップ部N1から加圧ローラ125の芯金120までの抵抗値をRRと表している。更に、保護抵抗126,127,123の抵抗値をそれぞれR3,R4,R2、記録紙130へ流れる電流値をI1、加圧ローラ125へ流れる電流値をI2と表している。この場合、二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPは下記の(1)式で表すことができる。
(1)式より二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPを小さくするためには、抵抗値(R1+RT)の抵抗と抵抗値(R2+RR)の抵抗を並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値と比較して、RFの抵抗値を大きくしなければならない。
<リップル電圧Vpと濃度ムラの関係>
二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPと画像の副走査方向の濃度ムラの関係は以下の検討で明らかになった。図2の加熱ローラ111、定着ローラ154、加圧ローラ125で構成されている外部加熱定着装置を取り外し、高圧電源144の直流成分の出力電圧に対し、交流成分の電圧を重畳し画像の確認を行った。印加した交流成分の電圧は周波数を固定し、リップル電圧Vpを可変させて検討を実施した。固定した交流成分の電圧の周波数は一般にDooleyが提唱している空間周波数VTF(Visual Transfer Function)より画像の副走査方向の濃度ムラが約0.9mm程度になるように決定した。画像の確認方法は以下の通りである。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色単色ハーフトーンを30%の印字率で印字する。そして印字画像の主走査方向1ラインの濃度を平均化し、一元化した副走査方向の濃度データをFFT(Fast Fourier Transform)解析する。なお、主走査方向とは副走査方向に直交する方向をいう。FFT解析の結果で、上述の固定した周波数成分にピークが発生しなければ、良と判断する。上記の条件により、リップル電圧Vpを可変させたところ、50V程度まで下げると、FFT解析で固定した周波数成分にピークが発生しなかった。よって上記の条件においてもVpが50V以下であれば濃度ムラが視認できない。
二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPと画像の副走査方向の濃度ムラの関係は以下の検討で明らかになった。図2の加熱ローラ111、定着ローラ154、加圧ローラ125で構成されている外部加熱定着装置を取り外し、高圧電源144の直流成分の出力電圧に対し、交流成分の電圧を重畳し画像の確認を行った。印加した交流成分の電圧は周波数を固定し、リップル電圧Vpを可変させて検討を実施した。固定した交流成分の電圧の周波数は一般にDooleyが提唱している空間周波数VTF(Visual Transfer Function)より画像の副走査方向の濃度ムラが約0.9mm程度になるように決定した。画像の確認方法は以下の通りである。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色単色ハーフトーンを30%の印字率で印字する。そして印字画像の主走査方向1ラインの濃度を平均化し、一元化した副走査方向の濃度データをFFT(Fast Fourier Transform)解析する。なお、主走査方向とは副走査方向に直交する方向をいう。FFT解析の結果で、上述の固定した周波数成分にピークが発生しなければ、良と判断する。上記の条件により、リップル電圧Vpを可変させたところ、50V程度まで下げると、FFT解析で固定した周波数成分にピークが発生しなかった。よって上記の条件においてもVpが50V以下であれば濃度ムラが視認できない。
<濃度ムラ低減の構成>
商用電源の交流電圧は定格100〜240Vとしているものの、各国の電源事情をふまえると、定格電圧の±10%は許容する必要がある。そこで(1)式の商用電源の実効値の最大値はVAC*√2=240*1.1*√2=373.5[V]となる。また記録紙130の二次転写ニップ部N’から定着ニップ部N1までの抵抗値RPは二次転写ニップ部N’から定着ニップ部N1までの距離が短く、高温高湿環境で記録紙130の含水分量が上昇することを考慮すると、RPの抵抗値は無視する必要がある。従って、(1)式は以下の(2)式で表すことができる。
商用電源の交流電圧は定格100〜240Vとしているものの、各国の電源事情をふまえると、定格電圧の±10%は許容する必要がある。そこで(1)式の商用電源の実効値の最大値はVAC*√2=240*1.1*√2=373.5[V]となる。また記録紙130の二次転写ニップ部N’から定着ニップ部N1までの抵抗値RPは二次転写ニップ部N’から定着ニップ部N1までの距離が短く、高温高湿環境で記録紙130の含水分量が上昇することを考慮すると、RPの抵抗値は無視する必要がある。従って、(1)式は以下の(2)式で表すことができる。
よって加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは以下の(3)式で表すことができる。
加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは、抵抗値R1と抵抗値RTの和の抵抗と抵抗値RRと抵抗値R2の和の抵抗とを並列接続した合成抵抗の抵抗値に対して7.47倍以上(所定倍以上)にすれば、副走査方向の濃度ムラを防ぐことができる。なお、抵抗値RFが上述の合成抵抗の抵抗値に対し7.47倍以上にするためには、抵抗値RRの値を小さくする必要がある。そのため、既に述べたように加圧ローラ125の弾性層121、離型層122には導電性フィラーが添加されている。
本実施例では加圧ローラ125の芯金120、加熱ローラ111の金属ステイ106、定着ローラ154の芯金150に各々保護抵抗を接続した。しかし、静電オフセット対策でよく採用される電圧も印加する構成でもよい。図3(b)に加圧ローラ125に電圧V1を、定着ローラ154に電圧V2を印加する例を示す。
本実施例によれば、二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止することができる。
本実施例では、リップル電圧Vpが50V以下でなければならないという条件は満たさないものの、濃度ムラをある程度低減できる例について以下に述べる。
まず、保護抵抗123の抵抗値R2の抵抗値を下げ、I2>>I1の場合の等価回路を図4(a)に示す。この場合、二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPは下記の式(4)で表すことができる。
よって加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは以下の式(5)で表すことができる。
加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは、定着ニップ部N1から加圧ローラ125の芯金120までの抵抗値RRと保護抵抗123の抵抗値R2の和より少なくとも大きくすることで、画像の副走査方向の濃度ムラを防ぐことができる。すなわち、RF>(RR+R2)であり、式(5)を代入するとVP<(VAC/√2)となりVAC=240Vの場合、VP<170Vとなる。VPが50V以下の条件は満たさないが、ある程度の濃度ムラを低減できることが判明した。
また、保護抵抗123の抵抗値R2の抵抗値を上げ、I1>>I2の場合の等価回路を図4(b)に示す。二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPは下記の式(6)で表すことができる。
よって加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは以下の式(7)で表すことができる。
加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFは高圧電源保護抵抗143の抵抗値R1と二次転写ローラ145の芯金141から転写ニップ部N’までの抵抗値RTの和より少なくとも大きくすることで、副走査方向の濃度ムラを防ぐことができる。すなわち、RF>(R1+RT)であり、式(7)を代入するとVP<(VAC/√2)となりVAC=240Vの場合、VP<170Vとなる。VPが50V以下の条件は満たさないが、ある程度の濃度ムラを低減できることが判明した。
本実施例によれば、二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止することができる。
本実施例において、画像形成装置については上記実施例1と同じであり説明を省略する。また加熱定着装置においても、実施例1と同じく回転接触式の外部加熱定着装置であり、断面図を既に従来例で述べた図6(b)に示す。保護抵抗の接続方法以外は実施例1と同じである。実施例1と同じ部材については、同一の符号で示し説明を省略する。実施例1では加圧ローラ125の芯金120、定着ローラ154の芯金150、加熱ローラ111の金属ステイ106に接続されている保護抵抗は独立して3つ必要であった。しかし、保護抵抗を加熱定着装置に設置することは装置の大型化、コストアップに繋がる。そこで本実施例では1つの保護抵抗を用いて、画像の副走査方向の濃度ムラを抑制する方法について述べる。
図6(b)に示す外部加熱定着装置の電気的な等価回路を図5に示す。実施例1で説明した図3(a)とは加熱ローラ111の金属ステイ106と加圧ローラ125の芯金120が同電位になることが異なる。そこで二次転写ニップ部N’のリップル電圧VPは下記の式(8)で表すことができる。
(8)式より分かるように(1)式の加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値RFが、定着ニップ部N1から加圧ローラ125の芯金120までの抵抗値RRの抵抗と抵抗値RFの抵抗を並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値に回路上置き替わっている。これは本実施例の構成では加熱ニップ部N2から定着ニップ部N1までの抵抗値が、RRとRFの抵抗の並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値になっていることに起因する。抵抗値RRとRFの抵抗を並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値をRとすると、(8)式は(9)式のように表すことができる。
またリップル電圧Vp、商用電源の最大値VACに実施例1と同一の値を代入し、記録紙の二次転写ニップ部N’から定着ニップ部N1までの抵抗値RPを実施例1と同様に無視すると、(9)式は以下の式(10)で表すことができる。
よって抵抗値RRとRFの合成抵抗Rは以下の式(11)で表すことができる。
保護抵抗一つでも抵抗値RRとRFの合成抵抗Rは高圧電源保護抵抗143の抵抗値R1と二次転写ローラ145の芯金141から転写ニップ部N’までの抵抗値RTの和の6.47倍以上(所定倍以上)にすることで、副走査方向の濃度ムラを防ぐことができる。
本実施例によれば、二次転写ニップ部の転写電圧に交流電圧のAC成分が重畳することによる画像の副走査方向の濃度ムラを防止することができる。
111 加熱ローラ
125 加圧ローラ
154 定着ローラ
N1 定着ニップ部
N2 加熱ニップ部
125 加圧ローラ
154 定着ローラ
N1 定着ニップ部
N2 加熱ニップ部
Claims (6)
- 第1離型層と、前記第1離型層の下側に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層の下側に設けられた第1弾性層とを有し、前記第1離型層が記録紙上のトナー像と接触する定着ローラと、
第2離型層と、前記第2離型層の下に設けられた第2弾性層とを有し、前記定着ローラと共に記録紙を搬送する第1ニップ部を形成する加圧ローラと、
第3離型層と、第3離型層の下に設けられたフィルム層と、前記フィルム層を内部から加熱するヒータとを有し、前記第3離型層が前記第1離型層と第2ニップ部を形成する加熱ローラと、を備え、記録紙上に形成されたトナー像を加熱定着する加熱定着装置において、
前記第1ニップ部と前記第2ニップ部の間の抵抗値が、
前記第1ニップ部から前記加圧ローラを介した接地までの抵抗値(RR+R2)の抵抗と、中間転写体上のトナー像を記録紙に転写する転写ローラの芯金から前記記録紙までの抵抗値と前記転写ローラに電圧を印加する印加手段と前記芯金の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)の抵抗とを並列接続した場合の合成抵抗の抵抗値の所定倍以上であることを特徴とする加熱定着装置。 - 第1離型層と、前記第1離型層の下側に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層の下側に設けられた第1弾性層とを有し、前記第1離型層が記録紙上のトナー像と接触する定着ローラと、
第2離型層と、前記第2離型層の下に設けられた第2弾性層とを有し、前記定着ローラと共に記録紙を搬送する第1ニップ部を形成する加圧ローラと、
第3離型層と、第3離型層の下に設けられたフィルム層と、前記フィルム層を内部から加熱するヒータとを有し、前記第3離型層が前記第1離型層と第2ニップ部を形成する加熱ローラと、を備え、記録紙上に形成されたトナー像を加熱定着する加熱定着装置において、
前記第1ニップ部と前記第2ニップ部の間の抵抗値が、
前記第1ニップ部から前記加圧ローラを介した接地までの抵抗値(RR+R2)より大きい、または、中間転写体上のトナー像を記録紙に転写する転写ローラの芯金から前記記録紙までの抵抗値と前記転写ローラに電圧を印加する印加手段と前記芯金の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)より大きいことを特徴とする加熱定着装置。 - 第1離型層と、前記第1離型層の下側に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層の下側に設けられた第1弾性層とを有し、前記第1離型層が記録紙上のトナー像と接触する定着ローラと、
第2離型層と、前記第2離型層の下に設けられた第2弾性層とを有し、前記定着ローラと共に記録紙を搬送する第1ニップ部を形成する加圧ローラと、
第3離型層と、第3離型層の下に設けられたフィルム層と、前記フィルム層を内部から加熱するヒータとを有し、前記第3離型層が前記第1離型層と第2ニップ部を形成する加熱ローラと、を備え、
前記定着ローラ、前記加圧ローラ及び前記加熱ローラが、一の抵抗を介して接地されている、記録紙上に形成されたトナー像を加熱定着する加熱定着装置において、
前記第1ニップ部から前記第2ニップ部までの抵抗値と前記第1ニップ部と前記加圧ローラの芯金までの抵抗値の和が、
中間転写体上のトナー像を記録紙に転写する転写ローラの芯金から前記記録紙までの抵抗値と前記転写ローラに電圧を印加する印加手段と前記芯金の間に接続されている抵抗の抵抗値の和(RT+R1)の所定倍以上であることを特徴とする加熱定着装置。 - 前記第2弾性層の材質は、導電性フィラーが添加されたシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1記載の加熱定着装置。
- 前記第2離型層は導電性フィラーを添加してあることを特徴とする請求項1記載の加熱定着装置。
- 前記定着ローラと接地との間、前記加圧ローラと接地との間、及び前記加熱ローラと接地との間に、それぞれ保護抵抗が接続され、または前記定着ローラ、前記加圧ローラ、及び加圧ローラに電圧がそれぞれ印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱定着装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016224254A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | キヤノン株式会社 | 定着装置 |
WO2023175426A1 (en) | 2022-03-18 | 2023-09-21 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
-
2011
- 2011-11-25 JP JP2011257698A patent/JP2013113910A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023175426A1 (en) | 2022-03-18 | 2023-09-21 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
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