JP2013112927A - 軌道補修方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】まくらぎ2が敷設された道床6のまくらぎ2下に発生した空洞5を充填することにより、軌道変状を補修する軌道補修方法において、まくらぎ2を上下方向に貫通するボルト孔2aから、該まくらぎ2とレール3とを互いに固定するためのボルト9を取り外し、ボルト孔2aの上方からノズルを挿入して、該ノズルを介して空洞5に補修材を導入する。
【選択図】図1
Description
即ち、本発明に係る軌道補修方法は、まくらぎが敷設された道床中に発生した前記まくらぎ下の空洞を充填することにより、軌道変状を補修する軌道補修方法であって、前記まくらぎを上下方向に貫通するボルト孔から、該まくらぎとレールとを互いに固定するボルトを取り外す工程と、前記ボルト孔の上方からノズルを挿入して、該ノズルを介して前記空洞に補修材を導入する工程とを備えることを特徴とする。
ここで、軌道補修の際には、レールをジャッキアップすることで当該レールと一体に固定されたまくらぎを扛上し、当該まくらぎの沈み込みを回避するとともに補修材を充填すべき空洞を保持する。ところが、ボルトを外した状態ではレールとまくらぎとが分離した状態となり、レールのジャッキアップによってまくらぎを扛上させることはできない。
この点、本発明では、上記のようにボルトに代えてボルト孔に挿入されたノズルがまくらぎとレールとを一体に固定するため、レールとともにまくらぎを扛上させることができる。したがって、まくらぎの沈み込みを回避するとともに補修材による空洞の充填をより効率的に行なうことが可能となる。
この場合も、ボルトを外した後のまくらぎの沈み込みを回避し、作業を円滑に進めることができる。
これによって、道床中に生じたまくらぎ下の空洞を容易かつ確実に充填し補修することができるまた、ゲル化したポリマー水溶液は適度な弾性とじん性を持つため、まくらぎからの衝撃的な荷重を吸収する性能を発揮することができる。
これによってボルト孔に再度ボルトを挿入する際に、当該ボルトを容易に挿入することができ、補修後のまくらぎとレールとを確実に固定一体化させることができる。
本実施形態で説明する軌道補修方法は、図1に示す軌道1に適用される。この軌道1は、路盤7上に多数のバラストからなる道床6が設けられ、さらに当該道床6上に軌道1幅方向に延在する略角柱状をなすまくらぎ2が軌道1延在方向に間隔をあけて複数設置されている。また、これら複数のまくらぎ2上には、一対のレール3が軌道1の延在方向に沿って敷設されている。
そして、この締結具の挿通孔を挿通したボルト9がボルト孔2aに螺合されていることで、締結部材4がまくらぎ2に一体に固定されており、これによって、締結部材4がレール3の脚部3aをまくらぎ2に向かって押圧している。このように、ボルト9による締結部材4のまくらぎ2への固定及び締結部材4によるレール3の押圧によって、まくらぎ2とレール3とが一体に固定されている。
まず、空洞5が存在する直上のまくらぎ2におけるボルト孔2aからボルト9を取り外す(S1)。これにより、まくらぎ2とレール3との固定が解除され、さらに、ボルト孔2aを介してまくらぎ2の上方の空間とまくらぎ2下の空洞5とが連通状態となる。
ノズル10は、図3に示すように、内部が中空状とされた筒状をなすノズル本体11と、該ノズル本体11の後端側においてノズル10の径方向外側に張り出すノズル頭部12とを備えている。ノズル本体11の外周面には雄ネジ11aが形成されており、当該雄ネジ11aはボルト孔2a内に形成された雌ネジ(図示省略)に螺合可能とされている。また、ノズル本体11の内側は、後述する補修材Wが通過する導入路11aとされている。
これら載置板部21とバネ板部22とには、上下方向に貫通する貫通孔23がそれぞれ設けられている。また、バネ板部22の先端は、載置板部21の他端よりもさらに水平方向に突出している。
このようにして、ボルト孔2aに挿入、螺合されたノズル10が締結バネ20を押圧し、さらに該締結バネ20の先端がレール3の脚部3aを下方に向かって、即ち、まくらぎ2に向かって押圧することで、まくらぎ2とレール3とが固定一体化される。
このような粒状充填材は、図4に示すような、補修材充填手段30を用いることによりノズル10を介して道床6内に充填される。
エア供給源31は、コンプレッサを備えており、周囲からエアを取り込むとともに当該エアを圧縮して出力する。
エア供給管32は一端がエア供給源31に接続されており、該エア供給源31の出力としての圧縮されたエアが導入される。
このような構成の補修材充填手段30によって、ノズル10の後端から該ノズル10の導入路11a内に補修材Wが噴出される。そして、該ノズル10を介して道床6内に補修材Wが充填される。
したがって、例えばボルト9を外した後、レール3とまくらぎ2とが分離した状態となってしまっていては、レール3のジャッキアップによってまくらぎ2を扛上させることはできない。
さらに、ゲル化したポリマー水溶液によって、まくらぎ2からの荷重を吸収する性能を発揮することができる。
なお、実施形態においても、一対のボルト孔2aそれぞれに挿入、螺合されたノズル10の両方から補修材Wを空洞5に導入するようにしてもよい。これによって、より作業を効率的に行うことができる。
2 まくらぎ
2a ボルト孔
3 レール
3a 脚部
4 締結部材
5 空洞
6 道床
7 路盤
10 ノズル
11 ノズル本体
11a 雄ネジ
11b 導入路
12 ノズル頭部
20 締結バネ
21 載置板部
22 バネ板部
23 貫通孔
30 補修材充填手段
31 エア供給源
32 エア供給管
33 補修材噴出手段
34 補修材収納容器
40 仮止め具
W 補修材
Claims (5)
- まくらぎが敷設された道床中に発生した前記まくらぎ下の空洞を充填することにより、軌道変状を補修する軌道補修方法であって、
前記まくらぎを上下方向に貫通するボルト孔から、該まくらぎとレールとを互いに固定するボルトを取り外す工程と、
前記ボルト孔の上方からノズルを挿入して、該ノズルを介して前記空洞に補修材を導入する工程とを備えることを特徴とする軌道補修方法。 - 前記ノズルの外周に前記ボルト孔に螺合する雄ネジが形成されており、
該ノズルが前記ボルトと同様に前記まくらぎとレールとを互いに固定することを特徴とする請求項1に記載の軌道補修方法。 - 前記ボルトを取り外す工程の前に、
前記まくらぎを前記レールに対して仮止めする工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の軌道補修方法。 - 前記補修材は粒状充填材であって、
前記補修材を充填する工程の後に、
前記粒状充填材をゲル化させるポリマー水溶液を、前記道床中に浸潤させる工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の軌道補修方法。 - 前記ポリマー水溶液を道床中に浸潤させる工程の後に、
前記ボルト孔に残留した前記補修材を吸引あるいは吹き出しによって除去する工程と、
前記ボルトを前記ボルト孔に挿入して前記まくらぎと前記レールとを互いに固定する工程とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の軌道補修方法。
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