JP2007262737A - 既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法 - Google Patents

既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的短時間で所望の補強効果を得ることのできる既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法を提供する。
【解決手段】既存コンクリート構造物の補強構造10は、鋼板Sの一側面からインバートC3まで穿孔された補強孔2と、補強孔2と同程度の長さを有し、その一端面に開設された第1の開口12aから側面に開設された第2の開口12bに連通する注入孔12を具備し、補強孔2に挿入された補強部材1と、補強孔2と補強部材1の間に介在する注入材3とから構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法に係り、特に、比較的短時間で所望の補強効果を得ることのできる既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法に関する。
建設分野では、地球環境保護等の観点から、これまでのスクラップアンドビルドに変わり、既存構造物の補強、補修が見直されており、かかる補強、補修技術への開発、研究が建設分野各社で鋭意進められているところである。
既存構造物の中でも既存の鉄筋コンクリート構造物の補修方法に関する従来技術として、出願人による鋭意研究の結果発案された特許文献1に開示の技術を挙げることができる。
この補修方法を図7に基づいて説明すると、鋼板Sと、軌道コンクリート盤C1、ベースコンクリート盤C2、本設躯体コンクリート盤C3からなるコンクリート構造物において、鋼板Sの上面から十分な強度を有する本設躯体コンクリート盤C3まで延びる補修孔aを開設し、この補修孔aとは別の注入孔bを開設し、双方の孔を連結孔dで連結し、補修孔aに補強材eを挿入し、注入孔bを介して補修孔aに注入材fを供給する方法(X方向)である。
図7に示す既存コンクリート構造物としては、表面を鋼板で被覆し、複数のコンクリート盤から構成されるモノレールの軌道などを挙げることができる。かかる構造では、ベースコンクリートと軌道コンクリートとの間、または軌道コンクリートと鋼板の間に空隙やクラックが経年劣化や繰り返し荷重等によって生じ易い。単にボーリング施工を施し、この空隙やクラックに薬液注入等を注入/硬化させただけでは、モノレールの静荷重や動荷重、衝撃荷重に耐え得る十分な補強構造を形成することはできない。
特公平2−61564号公報
特許文献1に開示の補修方法によれば、積層構造のコンクリート構造物やさらに鋼板等がコンクリートの表面に固設されてなるコンクリート構造物に対して、層間の隙間やクラックの補修に加えて、高い強度(せん断耐力、圧縮耐力、曲げ耐力など)を備えた構造物として補強することが可能となる。しかし、その補修施工に際し、1つの補修孔に対して対応する1つの注入孔を開設する必要があること、補修孔と注入孔とを連通させる施工に手間がかかることは否めない。施工対象が上記する軌道の場合にはその延長が長くなり、補修箇所も多数となることから、施工が長期に及んでしまう。さらに、軌道工事においては、施工時間の制約によって1日あたりの施工が限定されることから工期が長期に及ぶ結果となる。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、既存のコンクリート構造物に所望の耐力向上を付与でき、しかも比較的短い施工時間で補強施工をおこなうことのできる既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による既存コンクリート構造物の補強構造は、既存のコンクリート構造物の一側面から所定の深度まで穿孔された補強孔と、該一側面から所定の深度までの長さの補強部材であって、該補強部材の一端面に開設された第1の開口から側面または他端面の少なくとも1箇所に開設された第2の開口に連通する注入孔を具備し、前記補強孔に挿入された補強部材と、補強孔と補強部材の間に介在する注入材と、からなることを特徴とする。
ここで、既存コンクリート構造物とは、鉄筋コンクリート構造物や無筋コンクリート構造物など、その構造仕様は任意であり、既存のビルや橋梁、水処理施設、ダム、地下鉄や地上路線の軌道、トンネルなど、コンクリート構造物の全般を含むものである。
既存コンクリート構造物の補強部位が例えば壁の場合には、壁の一側面側から十分な強度の内部部位まで延設する補強孔を穿孔する。ここでいう十分な強度とは、例えば外壁面から延びるクラックが存在しない部位や、コンクリート強度が塩害等によって低下していない部位等、後述する補強部材の端部を支持するに十分な強度のことを意味している。
コンクリート構造物の補強部位のうち、十分な強度を備えた部位まで補強孔を穿孔した後に、その補強孔内に補強部材が挿入される。この補強部材は、補強孔の孔長と同程度の長さを有した軟鋼鉄筋(異径棒鋼、丸鋼)や、炭素繊維を樹脂にてモールドした炭素繊維補強材、高張力鋼などの素材から成形でき、少なくとも、所望の圧縮耐力やせん断耐力等の部材強度を有する適宜の素材から成形できる。
この補強部材の断面寸法は、補強孔の断面寸法よりも小さくなるように調整されている。補強孔や補強部材の断面形状は円形、矩形など、適宜の形状を選定でき、その断面寸法および孔長(および補強部材長)も適宜の寸法に設定できる。また、補強部材を補強孔内に挿入し、さらに孔の端面に押圧することにより、補強部材の先端が拡径してなる部材であってもよい。
補強部材のうち、一方の端面(補強孔に補強部材が挿入された際に外側に臨む面)には、開口(第1の開口)が開設されており、補強部材の側面または他方の端面(補強孔に補強部材が挿入された際に補強孔の底面に臨む面)のうちの少なくとも1箇所以上の部位には別途の開口(第2の開口)が開設されており、第1の開口と単数もしくは複数の第2の開口とを繋ぐ注入孔が補強部材の内部に形成されている。
この注入孔を補強部材の内部に形成しておくことにより、第1の開口および注入孔を介して、注入材を補強孔と補強部材の間に注入/硬化させることが可能となる。なお、コンクリート内のクラックや隙間内にも補強孔から注入材が浸透/硬化し、注入材による補強がおこなわれることは勿論のことである。
注入材は、モルタル、無収縮モルタル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、水ガラス系の薬液など、補強部材と補強孔とを所望の付着強度、摩擦耐力にて接続するとともに、クラックや隙間内に浸透するに十分な流動性を有する適宜の材料を選定できる。
なお、補強部材の上部と補強孔の内壁面とを溶接等によって仮固定しておくことにより、注入材を圧入した際に補強部材に押し上げ力が作用した場合でも補強部材を同位置に固定させることができる。
本発明の既存コンクリート構造物の補強構造によれば、上記構造の補強部材を適用することにより、補強孔とは別途の注入孔を穿孔する必要がなく、さらには、双方の孔間を連通施工する必要もなくなるため、補強箇所が増加した場合でも、比較的短時間に補強施工をおこなうことが可能となる。さらに、所望の強度を有する素材から成形された補強部材および注入材を適用することにより、十分な補強効果も期待することができる。
また、本発明による既存コンクリート構造物の補強構造の他の実施の形態は、前記補強構造において、前記コンクリート構造物の一側面には鋼製面材が固設されており、該鋼製面材がコンクリート構造物と当接する面と反対側の面からコンクリート構造物の所定深度まで前記補強孔が穿孔されており、該反対側の面から該所定深度までの長さの前記補強部材が挿入されていることを特徴とする。
本発明の補強構造は、補強対象のコンクリート構造物の補強部位において、そのコンクリート壁面もしくは床面の外側に鋼製面材が固設されている構造物の補強構造に関するものであり、例えば、記述するモノレール等の軌道、周りを鋼板巻きされた柱材や梁材、さらにはコンクリート壁の外側に鋼板が貼着された壁材などがその対象である。本発明の補強構造では、鋼製面材の外側、すなわち、コンクリート構造物に当接する面と反対側の面から補強孔が穿孔され、コンクリート構造物内の所定の深度まで延設する該補強孔内に補強孔と同程度の長さの補強部材が挿入され、補強部材と補強孔の間に注入材が注入/硬化された構造である。
コンクリート構造物の外側に鋼製面材が固設されている場合には、補強孔の施工に多くの時間を要すことから、本発明の補強構造を適用することにより、施工時間を格段に短縮することが可能となる。
また、本発明による既存コンクリート構造物の補強構造の他の実施の形態は、前記コンクリート構造物が、軌道コンクリート構造物と、その下方のベースコンクリート構造物と、その下方の本設躯体コンクリート構造物とからなる積層構造を呈しており、前記補強孔が、軌道コンクリート構造物とベースコンクリート構造物を貫通し、本設躯体コンクリート構造物の一部まで達してなることを特徴とする。
本発明の補強構造は、その対象がモノレール等の軌道を構成するコンクリート構造物であり、その構成が、複数のコンクリート層が積層されてなる積層構造を呈している。なお、その端面に既述する鋼製面材が固設されてなる既存構造物をも含んでいる。
鉄道の軌道を構成するコンクリート構造物のうち、鋼製面材、軌道コンクリート構造物(軌道コンクリート盤)、ベースコンクリート構造物(ベースコンクリート盤)、さらにその下方の本設コンクリート構造物(例えば、トンネル躯体、インバートコンクリート盤など)から形成される既存構造物に対し、少なくとも本設コンクリート構造物の途中まで延設する補強孔を形成し、その補強孔内に同程度の長さの補強部材を挿入し、注入材にて双方を接続することによって本発明の補強構造が形成される。
なお、本設コンクリート構造物まで延設する補強孔からなる補強構造と、例えばベースコンクリート構造物まで延設する補強孔とが組み合わされてなる補強構造であってもよい。この場合、積層構造の途中層まで延設する補強孔とその内部に注入される注入材は、主に途中層間の隙間やクラックを効率的かつ確実に閉塞することに寄与する。
さらに、本発明による既存コンクリート構造物の補強方法は、既存のコンクリート構造物の一側面から所定の深度まで補強孔を穿孔する第1の工程と、前記一側面から所定の深度までの長さを有し、かつ、該補強部材の一端面に開設された第1の開口から側面または他端面の少なくとも1箇所に開設された第2の開口に連通する注入孔を具備する補強部材を前記補強孔に挿入し、第1の開口から注入材を注入する第2の工程と、からなることを特徴とする。
本発明の補強方法によれば、1つの補強箇所あたりに要する補強施工時間を従来技術に比して格段に短縮できるため、補強施工延長が長く、かつ、その工事時間に制約がある軌道の補強施工工事などに好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の既存コンクリート構造物の補強構造および補強方法によれば、補強部材が挿入される補強孔とは別途の注入孔を穿孔し、双方の孔を連通させる必要がないため、補強施工時間を従来の技術に比して格段に短縮することができ、工費の低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の補強構造の一実施の形態の縦断図を、図2は、補強部材の一実施の形態の側面図を、図3aは、図2のIIIa−IIIa矢視図を、図3bは、図2のIIIb−IIIb矢視図をそれぞれ示している。図4,5は、補強部材の他の実施の形態の縦断図を、図6は、本発明の補強構造の他の実施の形態の縦断図をそれぞれ示している。なお、図示するコンクリート盤内部の配筋の図示は省略している。
図1は、既存のコンクリート構造物である軌道を補強する補強構造を示した図である。以下、その施工方法と併せて説明する。
補強施工対象の軌道の一実施例として、軌道コンクリート盤C1と、その下方のベースコンクリート盤C2、さらにその下方のインバートC3、軌道コンクリート盤C1の上方に固設された鋼板Sからなる積層構造の軌道を対象とする。モノレールをはじめとする車両の静荷重、動荷重等を支持し、十分な強度を有するインバートC3に荷重を伝達することを目的として、まず、鋼板S〜インバートC3の上部に延設する補強孔2を穿孔する。
この補強孔2の内部に、該補強孔の内径よりも小径で補強孔2と同程度の長さの異径棒鋼からなる補強部材1を挿入する。この補強部材1には、その上端面に開口12aおよびねじ溝13が開設され、本体部11の側面の1箇所に開口12bが開設され、双方の開口12a,12bを連通する注入孔12が形成されている。なお、補強部材としては、異径棒鋼以外にも、丸鋼や高張力鋼、炭素繊維補強材など、所要の引張り強度、圧縮強度、せん断強度等を有する適宜の素材から成形することができる。
図2は、補強部材1の側面図である。図示するように、補強部材1の上端面には、キャップ4がねじ込まれるねじ溝13が形成されており、注入材3を注入後にねじ溝13にキャップ4が螺合接続されるようになっている。開口12aの断面形状を図3aに、開口12bの断面形状を図3bにそれぞれ示している。開口12aは、注入材の注入口となることから、可及的に広い開口面積を有していることが施工性の観点から望ましく、かかる箇所以外の本体部11の内部を通る注入孔12においては、補強部材1の強度低下を防止すべく、その孔面積は可及的に小さくなるように形成されるのが望ましい。また、補強部材1の上部には、補強部材1と補強孔2との間に注入された注入材3が注入孔12から溢れ出ることを防止するための鍔部14が、本体部11に後接続ないしは一体成形にて設けられている。
図1に戻り、補強部材1を補強孔2に挿入後、補強部材1の上部と、補強孔2の内壁面との間を溶接することにより(溶接部5の施工)、後施工の注入材による補強部材の押し上げ力に対し、該補強部材が押し上げられないようにしておく。なお、鍔部14によって注入材3が上方に溢れ出ることを防止しているため、補強部材の全周を溶接する必要はなく、溶接箇所は複数箇所の点溶接等で十分である。
溶接にて補強部材1を補強孔2に仮接続した後、開口12aおよび注入孔12を介して、補強部材1と補強孔2との間に注入材3を注入する。この注入材3は、図示するように、鋼板Sと軌道コンクリート盤C1の間に生じた隙間C1’、軌道コンクリート盤C1とベースコンクリート盤C2の間に生じた隙間C2’、ベースコンクリートC2とインバートC3の間に生じた隙間C3’の各隙間にも浸透し、隙間部を閉塞させることができる。さらに、図示を省略するコンクリート内部のクラックにも注入材が浸透し、クラックの閉塞をおこなうこととなる。
注入材3としては、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂をはじめとする樹脂材、発泡モルタルをはじめとするモルタル材、水ガラス系の薬液材などを適用することができる。
上記の施工方法により、外力に対しても十分な強度を有する補強構造10を、極めて短時間に施工することが可能となる。
図4は、補強部材の他の実施の形態を示したものである。この補強部材1Aでは、本体部11の側面に複数の開口12b、12c、12d、12eが開設されており、各開口と上端面の開口12aが連通することで複数の注入材流出孔を備えた注入孔12’が形成された補強部材である。この補強部材1Aを適用することで、注入材の注入作業時間を一層短縮することができる。
また、図5は、本体部11の上端面に開設された開口12aと下端面に開設された開口12fとを繋ぐ注入孔12”を内部に備えた補強部材1Bを図示している。なお、補強部材のその他の実施の形態としては、注入孔12’と注入孔12”を組み合わせてなる注入孔を本体部に備えた補強部材などもある。
図6は、補強構造の他の実施の形態を図示したものである。この補強構造10Aは、鋼板S〜インバートC3までを補強部材1にて繋ぐ図1の構成に加えて、その両側に鋼板S〜ベースコンクリートC2の上部までが補強部材1で繋がれた構造である。
本構造によれば、車両からの荷重を中央の補強部材1にてインバートC3まで伝達させ、その途中に生じている隙間やクラックには、注入材を確実に充填させることが可能となる。なお、図示するように確認パイプ61,62,63,64を適所に設けておき、注入材をコンクリート内部に注入した際に、隙間やクラック内に介在していたエアーを外部へ効果的に逃がすとともに、注入材がコンクリート内部に確実に注入されたことを確認するのが好ましい。
次に、発明者等による実証実験について説明する。この実験は、既存の軌道を補強対象としておこなったものである。なお、実験の際に形成された補強構造は、図6に示す補強構造である。
図6の補強孔のうち、中央の補強孔の施工について説明する。まず、鋼板用ドリルにて鋼板にφ30mmの補強孔を穿孔する。ついで、この補強孔に同軸方向に軌道コンクリート盤〜ベースコンクリートの下端まで200mmの補強孔を穿孔し、さらにインバートの上方に若干量延びる補強孔を形成する。
次いで、D19の異径棒鋼からなる補強部材を補強孔に挿入し、その上部と補強孔とを肉盛り溶接にて仮固定する。
鋼板と軌道コンクリート盤、軌道コンクリート盤とベースコンクリート盤、ベースコンクリート盤とインバートとの各接続部には、注入材がコンクリート内部から外部へ液漏れしないようにシール施工を施し、さらには、図6に示すような確認パイプを適所に設けておく。
次いで、薬液を注入孔を介して補強孔と補強部材の内部、およびコンクリート内部の隙間やクラックに高圧注入する。高圧注入された薬液が確認パイプから溢れ出すことを確認し、確認パイプを閉塞する。注入材の注入が完了した後に開口にキャップを螺合する。
翌日に、鋼板を点検ハンマにて打音検査し、隙間の有無を再度検査する。確認された隙間箇所にはφ11.5mmの孔を穿孔し、注入液を注入し、溶接にて孔を閉塞する。
発明者等の試算によれば、図7に示す従来の補強方法(ただし、図7の補強孔の両側に図6と同様の補強孔が形成される)に比して、軌道延長10mあたりの工事コストを2.5%程度低減できるという結果が得られている。これを数km延長の軌道に適用した場合に、工費を格段に低減できることは自明なことである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の補強構造の一実施の形態の縦断図。 補強部材の一実施の形態の側面図。 (a)は、図2のIIIa−IIIa矢視図であり、(b)は、図2のIIIb−IIIb矢視図。 補強部材の他の実施の形態の縦断図。 補強部材のさらに他の実施の形態の縦断図。 本発明の補強構造の他の実施の形態の縦断図。 従来の補強構造の縦断図。
符号の説明
1,1A,1B…補強部材(異径棒鋼)、11…本体部、12,12’,12’’…注入孔、12a,12b、12c、12d、12e、12f…開口、2…補強孔、3…注入材、4…キャップ、5…溶接部、10,10A…補強構造、S…鋼板、C1…軌道コンクリート盤、C2…ベースコンクリート盤、C3…インバート

Claims (4)

  1. 既存のコンクリート構造物の一側面から所定の深度まで穿孔された補強孔と、該一側面から所定の深度までの長さの補強部材であって、該補強部材の一端面に開設された第1の開口から側面または他端面の少なくとも1箇所に開設された第2の開口に連通する注入孔を具備し、前記補強孔に挿入された補強部材と、補強孔と補強部材の間に介在する注入材と、からなることを特徴とする既存コンクリート構造物の補強構造。
  2. 前記コンクリート構造物の一側面には鋼製面材が固設されており、該鋼製面材がコンクリート構造物と当接する面と反対側の面からコンクリート構造物の所定深度まで前記補強孔が穿孔されており、該反対側の面から該所定深度までの長さの前記補強部材が挿入されている請求項1に記載の既存コンクリート構造物の補強構造。
  3. 前記コンクリート構造物は、軌道コンクリート構造物と、その下方のベースコンクリート構造物と、その下方の本設躯体コンクリート構造物とからなる積層構造を呈しており、前記補強孔が、軌道コンクリート構造物とベースコンクリート構造物を貫通し、本設躯体コンクリート構造物の一部まで達してなる請求項1または2に記載の既存コンクリート構造物の補強構造。
  4. 既存のコンクリート構造物の一側面から所定の深度まで補強孔を穿孔する第1の工程と、
    前記一側面から所定の深度までの長さを有し、かつ、該補強部材の一端面に開設された第1の開口から側面または他端面の少なくとも1箇所に開設された第2の開口に連通する注入孔を具備する補強部材を前記補強孔に挿入し、第1の開口から注入材を注入する第2の工程と、からなることを特徴とする既存コンクリート構造物の補強方法。
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