JP2004156284A - まくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部ブロック1と、上部ブロック1上に載置されたタイプレート2と、上部ブロック1を収納する下部ボックス3と、上部ブロック1と下部ボックス3とを固定する緊張部材4と、上部ブロック1の下部に設けられた衝撃を吸収するラバー部材5とからなり、上部ブロック1に形成された注入穴12から上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に充填材8を流し込んで高さを調整する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有道床軌道に用いられるまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法に関し、特にレール高さを調整することができるまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有道床軌道は、路盤上に砂利等のバラストを敷設して道床を形成し、当該道床上に木製又はコンクリート製のまくらぎを敷設し、まくらぎ上に2本のレールを締結することにより構成されている。バラストは、レール上を走行する列車から加えられる荷重を広い面積に拡散させると共に振動を緩和させて路盤に伝達させるために用いられるが、列車の荷重により徐々に沈下していくため、レール高さを所定の値に維持するために道床の保守作業が必要となり、マルチプルタイタンパー等によりまくらぎの下にバラストを追加して沈下したレールを元の高さに戻す補修作業を行っている。
【0003】
また、コンクリート道床上に木製又はコンクリート製のまくらぎが敷設されている場合には、コンクリート道床とまくらぎとの間に高低調整パットを挿入して、まくらぎの高さを調整する技術も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−246401 号公報(第3−4頁、第5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術のマルチプルタイタンパーを使用した補修作業では、列車の荷重により締め固まって安定していた道床(バラスト)を緩めてしまうため、補修作業後に再び大きな初期沈下を生じてしまい、補修作業を頻繁に行う必要があるという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1のように高低調整パットを用いるまくらぎの高さ調整では、まくらぎの高さ調整の範囲が高低調整パットの厚さに制限されるため、まくらぎを任意の高さに調整することができないという問題点があった。
【0007】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、列車の荷重により締め固まって安定していた道床(バラスト)を緩めることなく、沈下したまくらぎの高さを調整する補修作業を行うことができ、補修作業後の大きな初期沈下を防止することができ、補修作業の回数を低減することができると共に、まくらぎを任意の高さに調整することができるまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、道床上に敷設されるまくらぎであって、レールが締結される上部ブロックと、該上部ブロックを収納する下部ボックスと、前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する緊張部材と、前記上部ブロックと前記下部ボックスの底面部との間に充填材を注入する注入穴とを具備することを特徴とするまくらぎに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記注入穴は、前記上部ブロックに形成されていることを特徴とする請求項1記載のまくらぎに存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、平面から見た前記上部ブロックの形状と前記下部ボックスの底面部の形状とは、略同一であることを特徴とする請求項1又は2記載のまくらぎに存する。
また請求項4記載の発明の要旨は、前記下部ボックスの側壁部に空気抜き溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のまくらぎに存する。
また請求項5記載の発明の要旨は、前記緊張部材は、前記下部ボックスの底面部に形成された緊張部材植設穴と螺合して前記下部ボックスの底面部に垂直に植設されるボルトと、該ボルトと螺合して前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定するナットとからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のまくらぎに存する。
また請求項6記載の発明の要旨は、前記緊張部材は、前記下部ボックスの底面部に植設されたフレキシブルなワイヤと、該ワイヤを把持して前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する把持部材とからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のまくらぎに存する。
また請求項7記載の発明の要旨は、道床上に敷設されるまくらぎの高さ調整方法であって、レールが締結される上部ブロックと当該上部ブロックを収納する下部ボックスとの固定を解除する工程と、前記上部ブロックを所定の高さまで持ち上げる工程と、前記上部ブロックを所定の高さまで持ち上げることにより形成される前記上部ブロックと前記下部ボックスの底面部との間の空間に充填材を注入する工程と、前記充填材の注入後に前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する工程とを有することを特徴とするまくらぎの高さ調整方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るまくらぎの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すA−A線断面図である。図2は、図1に示す上部ブロックの構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すB−B線断面図である。図3は、図1に示す下部ボックスの構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すC−C線断面図であり、(c)は、(a)に示すD−D線断面図である。
【0011】
第1の実施の形態は、図1を参照すると、上部ブロック1と、上部ブロック1上に載置されたタイプレート2と、上部ブロック1を収納する下部ボックス3と、上部ブロック1と下部ボックス3とを固定する緊張部材4と、上部ブロック1の下部に設けられた衝撃を吸収するラバー部材5とからなり、上部ブロック1を収納した下部ボックス3を道床上に敷設し、上部ブロック1上に載置されたタイプレート2上にレール6を敷設し、図示しない締結部材により上部ブロック1とレール6とを締結することにより有道床軌道を構成する。
【0012】
上部ブロック1は、木製又はコンクリート製で構成され、図1及び図2を参照すると、緊張部材4が貫通する緊張部材貫通穴11と、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に充填材8を流し込むための注入穴12とが形成されている。なお、上部ブロック1をコンクリート製で構成した場合には、強度を高めるために内部に鋼材が使用されるため、緊張部材貫通穴11と注入穴12とを鋼材を避けて1直線上に形成すると好適である。
【0013】
注入穴12の形成位置は、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に充填材8がまんべんなく行き届くように、上部ブロック1の中央部分に形成すると良い。また、第1の実施の形態では、注入穴12を上部ブロック1の中央部分に1ヶ所のみ形成したが、複数の注入穴12を上部ブロック1に形成するようにしても良い。
【0014】
下部ボックス3は、図1及び図3を参照すると、平面から見て略長方形状であって、底面部31と、底面部31の側縁から起立する側壁部32とからなり、上部が開放されている金属又は樹脂で構成された箱であり、上部ブロック1を開放された上部から収納可能になっている。下部ボックス3の底面部31は、平面から見て上部ブロック1の形状とほぼ同形状であり、下部ボックス3に上部ブロック1を収納した際には、下部ボックス3の側壁部32と上部ブロック1との間隙がほとんどない状態が好ましい。
【0015】
底面部31には、緊張部材4を垂直に植設するための緊張部材植設穴33が形成され、緊張部材植設穴33には、ネジ切りが施されており、緊張部材4と緊張部材植設穴33とを螺合させることにより、緊張部材4を底面部31に垂直に植設することができる構成となっている。
【0016】
側壁部32には、上部ブロック1を下部ボックス3に収納した状態で、上部ブロック1と側壁部32との間隙が広がっている空気抜き溝34が形成されており、空気抜き溝34の形成位置は、上部ブロック1に形成されている注入穴12の位置から離れた位置、すなわち注入穴12の位置から遠い方の側壁部32に形成されている。
【0017】
緊張部材4は、ボルト41と、ボルト41と螺合するナットロック42とからなり、ボルト41を上部ブロック1の緊張部材貫通穴11を貫通させて、ボルト41の一方端部を緊張部材植設穴33に螺合させて垂直に植設し、ボルト41の他方端部に螺合させたナットロック42を締めることにより、上部ブロック1を下部ボックス3に固定する。
【0018】
次に、第1の実施の形態のまくらぎの高さ調整方法について図4を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明に係るまくらぎの第1の実施の形態の高さ調整工程を説明するための工程図である。
【0019】
まず、第1の実施の形態のまくらぎを、図4(a)に示すように、路盤上に砂利等のバラスト上に敷設する。敷設に際しては、通常のまくらぎと同様にマルチプルタイタンパー等を使用することができ、レール6の継ぎ目や分岐器等の軌道弱点箇所に敷設するようにすると良い。
【0020】
次に、列車の荷重によりまくらぎが沈下すると、上部ブロック1を下部ボックス3に固定していたボルト41とナットロック42とからなる緊張部材4を下部ボックス3から取り外し、ボルト41よりも長いボルト41aをボルト41を上部ブロック1の緊張部材貫通穴11を貫通させて、ボルト41の一方端部を緊張部材植設穴33に螺合させて垂直に植設し、図4(b)に矢印で示すように、レール6の高さが所定の値になるように上部ブロック1を持ち上げる。なお、ボルト41aの長さは、まくらぎの高さ調整幅によって適宜選択すれば良く、まくらぎの高さ調整幅が大きくなるほど長いボルト41aを使用する。このように上部ブロック1と下部ボックス3とを固定していたボルト41をボルト41aに交換する理由は、まくらぎの高さの調整をみこして長いボルト41aを当初から使用した場合に、ボルト41aがレール6側に突出して列車の走行の傷害になるのを防止するためであり、まくらぎの高さ調整幅が小さい場合には、調整前に上部ブロック1を下部ボックス3に固定していたボルト41をそのまま使用しても良い。
【0021】
次に、図4(c)に示すように、上部ブロック1の注入穴12に注入管7を挿入し、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間の空間に注入管7から充填材8を注入する。充填材8としては、注入当初は流動状態で注入後に固化するタイプの材料を使用しても良く、砂、砂利、豆砕石等を使用しても良い。充填材8の注入を、充填材8が側壁部32に形成されている空気抜き溝34から出てくるまで行うことにより、図4(d)に示すように、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間の空間を充填材8でほぼ完全に埋めることができる。
【0022】
注入後に固化するタイプの材料としては、超速硬性セメントに水と添加剤等を加えたセメントモルタル、加熱により流動化させたアスファルト、セメントとアスファルトを含むセメントアスファルトモルタル等を用いることができる。
【0023】
砂、砂利、豆砕石等を充填材8として使用する場合には、ストーンブロア等を使用して空気圧により充填材8を注入穴12から上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間の空間に注入する。また、砂、砂利、豆砕石等を充填材8として使用した場合には、充填材8と上部ブロック1とが固着することがないため、複数回のまくらぎの高さ調整(軌道向上)を行うことができる。また、注入後に固化するタイプの材料を充填材8として使用する場合にも、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に設けた袋の中に充填材8を注入するようにすれば、複数回のまくらぎの高さ調整(軌道向上)を行うことができる。
【0024】
最後に、図4(d)に示すように、ボルト41aに螺合させたナットロック42を締めることにより、上部ブロック1を充填材8を挟んで下部ボックス3に固定する。
【0025】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に注入する充填材8によってまくらぎの高さを調整する構成とすることにより、列車の荷重により締め固まって安定していた道床(バラスト)を緩めることなく、沈下したまくらぎの高さを調整する補修作業を行うことができ、補修作業後の大きな初期沈下を防止することができ、補修作業の回数を低減することができるという効果を奏する。
【0026】
さらに、第1の実施の形態によれば、上部ブロック1と下部ボックス3との間に注入する充填材8によってまくらぎの高さを調整する構成とすることにより、注入する充填材8の量を調整することで、まくらぎを任意の高さに調整することができるという効果を奏する。
【0027】
さらに、第1の実施の形態によれば、側壁部32に形成された空気抜き溝34によって充填材8の注入状況を簡単に把握することができ、充填材8を上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間にまんべんなく注入することができ、安定した軌道を確保することができるという効果を奏する。
【0028】
さらに、第1の実施の形態によれば、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に注入する充填材8として砂、砂利、豆砕石等を使用することにより、複数回のまくらぎの高さ調整(軌道向上)を行うことができるという効果を奏する。
【0029】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明に係るまくらぎの第2の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すE−E線断面図である。
【0030】
第2の実施の形態は、図5を参照すると、第1の実施の形態の上部ブロック1の代わりに分割された上部ブロック1a、1bが用いられ、上部ブロック1a、1bの横方向の動き(軌間)を規制する軌間保持パーツ9を有する。第2の実施の形態においては、上部ブロック1a、1bの隙間が充填材8を流し込むための注入穴12として機能し、まくらぎの高さ調整方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0031】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明に係るまくらぎの第3の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すF−F線断面図である。
【0032】
第2の実施の形態は、図6を参照すると、第1の実施の形態に比べて、上部ブロック1に形成された注入穴12の数と、下部ボックス3の側壁部32に形成された空気抜き溝34の数が多くなっている。すなわち、上部ブロック1が大型である場合には、上部ブロック1に形成された注入穴12が一箇所では、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間の空間に充填材8が均等に埋めることができなくなる可能性があるため、注入穴12を複数個形成する共に、複数個形成した注入穴12から離れた位置に複数個の空気抜き溝34を形成し、充填材8を上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間にまんべんなく注入する。なお、第3の実施の形態におけるまくらぎの高さ調整方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0033】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明に係るまくらぎの第4の実施の形態の下部ボックスの構成を示す図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、(a)に示す下部ボックスに上部ブロックを収納した状態の断面図である。
【0034】
第4の実施の形態は、図7を参照すると、第1の実施の形態の構成に代えて、緊張部材4としてフレキシブルなワイヤ43と、ワイヤ43を把持する把持部材44とを用いて、上部ブロック1を下部ボックス3に固定するように構成されている。ワイヤ43は、下部ボックス3の底面部31に固定的に植設され、取り外すことができないため、高さ調整分を加味した長さのものが用いられる。従って、上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に充填材8が注入されていない状態では、ワイヤ43の余剰部分が上部ブロック1上に存在することになるが、ワイヤ43がフレキシブルであるため、ワイヤ43の余剰部分を列車の走行の障害にならない場所に配置させることができる。
【0035】
また、第4の実施の形態では、緊張部材4としてフレキシブルなワイヤ43を用いているため、図7(b)に示すように、左右の沈下量が異なる場合にも、左右の沈下量に応じて充填材8を上部ブロック1と下部ボックス3の底面部31との間に注入することにより、左右で異なる高さ調整を行うことができる。なお、第4の実施の形態におけるまくらぎの高さ調整方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0036】
(第5の実施の形態)
図8は、本発明に係るまくらぎの第5の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すG−G線断面図である。
【0037】
第5の実施の形態は、図8を参照すると、第1の実施の形態の構成に加えて、下部ボックス3の側壁部32の上部に設けられ、上部ブロック1と下部ボックス3の側壁部32との間隙に砂、小石、ゴミ等が入り込むのを防止するシール部材10と、上部ブロック1に形成された注入穴12を覆って注入穴12に砂、小石、ゴミ等が入り込むのを防止する注入穴カバー20とが設けられている。
【0038】
シール部材10によって上部ブロック1と下部ボックス3の側壁部32との間隙に砂、小石、ゴミ等が入り込むのを防止することができるため、高さ調整時に上部ブロック1をスムーズに持ち上げることができると共に、注入穴カバー20によって注入穴12に砂、小石、ゴミ等が入り込むのを防止することができるため、高さ調整時に充填材8を注入穴12からスムーズに注入することができる。
【0039】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0040】
【発明の効果】
本発明のまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法は、上部ブロックと下部ボックスとの間に注入する充填材によってまくらぎの高さを調整する構成とすることにより、列車の荷重により締め固まって安定していた道床(バラスト)を緩めることなく、沈下したまくらぎの高さを調整する補修作業を行うことができ、補修作業後の大きな初期沈下を防止することができ、補修作業の回数を低減することができるという効果を奏する。
【0041】
さらに、本発明のまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法は、上部ブロックと下部ボックスとの間に注入する充填材によってまくらぎの高さを調整する構成とすることにより、注入する充填材の量を調整することで、まくらぎを任意の高さに調整することができるという効果を奏する。
【0042】
さらに、本発明のまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法は、側壁部に形成された空気抜き溝によって充填材の注入状況を簡単に把握することができ、充填材を上部ブロック1と下部ボックスとの間にまんべんなく注入することができ、安定した軌道を確保することができるという効果を奏する。
【0043】
さらに、本発明のまくらぎ及びまくらぎの高さ調整方法は、上部ブロックと下部ボックスとの間に注入する充填材として砂、砂利、豆砕石等を使用することにより、複数回のまくらぎの高さ調整(軌道向上)を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るまくらぎの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すA−A線断面図である。
【図2】図1に示す上部ブロックの構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すB−B線断面図である。
【図3】図1に示す下部ボックスの構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すC−C線断面図であり、(c)は、(a)に示すD−D線断面図である。
【図4】本発明に係るまくらぎの第1の実施の形態の高さ調整工程を説明するための工程図である。
【図5】本発明に係るまくらぎの第2の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すE−E線断面図である。
【図6】本発明に係るまくらぎの第3の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すF−F線断面図である。
【図7】本発明に係るまくらぎの第4の実施の形態の下部ボックスの構成を示す図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、(a)に示す下部ボックスに上部ブロックを収納した状態の断面図である。
【図8】本発明に係るまくらぎの第5の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、(a)に示すG−G線線断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 上部ブロック
11 緊張部材貫通穴
12 注入穴
2 タイプレート
3 下部ボックス
31 底面部
32 側壁部
33 緊張部材植設穴
4 緊張部材
5 ラバー部材
6 レール
7 注入管
8 充填材
9 軌間保持パーツ
10 シール部材
20 注入穴カバー
Claims (7)
- 道床上に敷設されるまくらぎであって、
レールが締結される上部ブロックと、
該上部ブロックを収納する下部ボックスと、
前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する緊張部材と、
前記上部ブロックと前記下部ボックスの底面部との間に充填材を注入する注入穴とを具備することを特徴とするまくらぎ。 - 前記注入穴は、前記上部ブロックに形成されていることを特徴とする請求項1記載のまくらぎ。
- 平面から見た前記上部ブロックの形状と前記下部ボックスの底面部の形状とは、略同一であることを特徴とする請求項1又は2記載のまくらぎ。
- 前記下部ボックスの側壁部に空気抜き溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のまくらぎ。
- 前記緊張部材は、前記下部ボックスの底面部に形成された緊張部材植設穴と螺合して前記下部ボックスの底面部に垂直に植設されるボルトと、
該ボルトと螺合して前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定するナットとからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のまくらぎ。 - 前記緊張部材は、前記下部ボックスの底面部に植設されたフレキシブルなワイヤと、
該ワイヤを把持して前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する把持部材とからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のまくらぎ。 - 道床上に敷設されるまくらぎの高さ調整方法であって、
レールが締結される上部ブロックと当該上部ブロックを収納する下部ボックスとの固定を解除する工程と、
前記上部ブロックを所定の高さまで持ち上げる工程と、
前記上部ブロックを所定の高さまで持ち上げることにより形成される前記上部ブロックと前記下部ボックスの底面部との間の空間に充填材を注入する工程と、
前記充填材の注入後に前記上部ブロックと前記下部ボックスとを固定する工程とを有することを特徴とするまくらぎの高さ調整方法。
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