JP2019078013A - 枕木、及び枕木の組立方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本実施形態に係る枕木10の構造について説明する。図1に示すように、枕木10は、レールが配置される直方体状の枕木本体1と、この枕木本体1の上面に配置される防護部材2と、これら枕木本体1と防護部材2とを連結する複数の連結部材(後述)と、を備えている。以下、これらを詳細に説明する。
図1に示すように、枕木本体1は、上面11、下面12、前面13、後面14、及び一対の側面15を有する直方体状に形成されている。枕木本体1は、種々の材料で形成することができるが、木材、金属、コンクリートのほか、例えば、ガラス長繊維で補強された硬質ウレタン樹脂発泡体で形成することができる。このような、硬質ウレタン樹脂発泡体としては、比重が0.74程度で強度が大きなものが好ましい。また、枕木本体1の横方向の長さLは、例えば、約2600mmに形成することができ、前後方向の長さDは、例えば、約240mmに形成することができる。
図2は防護部材の斜視図、図3は図2の断面図である。防護部材2は、枕木本体1の上面の中央付近に配置され、側面視で台形状に形成されている。すなわち、上面21、下面22、前面23、後面24、及び一対の側面25を備えている。上面21と下面22の前端縁は前後方向にほぼ同じ位置にあり、前面23は、上面21及び下面22と直交している。上面21の前後方向の長さは、下面22よりも長いため、後面24は前方にいくにしたがって上方に延びる傾斜部24を構成している。そして、この傾斜部24は階段状に形成されている。
次に、枕木の組み立てについて、図4〜図9を参照しつつ説明する。図4、図5、図7、及び図8は、枕木の組立を説明する断面図、図6は図5の後面図、図9は図8(b)の後面図である。まず、図4(a)に示すように、枕木本体1の上面11に、上記のように構成された防護部材2を配置し、両者をクランプ9により固定する。次に、図4(b)に示すように、防護部材2の各貫通孔26と連続するように、枕木本体1に貫通孔16を形成する。すなわち、防護部材2の貫通孔26からドリルなどの穿孔器具を挿入し、枕木本体1に3つの貫通孔16を形成する。なお、枕木本体1の貫通孔16は、割れを防止するため、枕木本体1の前面13及び後面14から50mm程度離れた位置に形成されることが好ましく、枕木本体1の前後方向の中央付近に形成されることがさらに好ましい。
続いて、本実施形態に係る枕木の利用について、図10〜図12を参照しつつ説明する。図10及び図11は線路の平面図、図12は線路の側面図である。以下では、本実施形態に係る枕木を防護用枕木と称し、通常の枕木と区別することとする。図10に示すように、この防護用枕木10の枕木本体1の両端には、一対のレール4が配置され、これらレール4の間に、防護部材2が配置される。また、この防護用枕木10は、線路におけるレール駆動装置5の近くに配置される。レール駆動装置5とは、例えば、レール駆動シャフトや信号用配線を含むものである。具体的には、図10に示すように、列車の進行方向において、レール駆動装置5の後方側(進行方向とは反対側)に、傾斜部24を後方側に向けて防護用枕木10が配置される。このとき、防護用枕木10は、レール駆動装置5のすぐ後ろ側に配置することもできるが、レール駆動装置5と防護用枕木10との間に、1以上の通常の枕木500を配置することもできる。また、防護用枕木10を複数配置することもできる。
以上のように、本実施形態によれば、連結部材3によって、防護部材2と枕木本体1とが着脱自在に固定されているため、防護部材2が損傷したときに、ボルト33を取り外した後、防護部材2を枕木本体1から取り外し、簡単に交換することができる。このとき、枕木本体1に取付けられた軸部材32、固定具31は、そのまま、新たな防護部材との固定に用いることができる。なお、防護部材2が損傷したときには、枕木ごと交換することも考えられるが、レールのジャッキアップが不可能な場合など、枕木ごとの交換ができない場合には、防護部材2を枕木本体1から取り外せる本実施形態に係る枕木は、特に有利である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。
連結部材の構成は、特には限定されず、枕木本体1と防護部材2とを固定できるのであれば、種々の構成が可能である。例えば、上記実施形態では、軸部材32が、枕木本体1の下面12から防護部材2の段263まで延びているが、図13に示すように、軸部材32が、枕木本体1の下面12から上面11付近まで延びるように形成されていてもよい。すなわち、軸部材32が枕木本体1の上面11から突出していなくてもよい。この場合、防護部材2の上面21側から取付けられるボルト33は、雄ネジ部が軸部材32の雌ネジまで達するような長さにする必要がある。
連結部材には、枕木本体1の下方に水を排出する水抜き穴を形成することができる。これにより、連結部材の内部に水が溜まった場合、この水を枕木本体1の下方に排出することができる。例えば、図17に示すように、軸部材32が中空である場合、この内部に水が溜まるおそれがあるが、固定具31の雄ネジ部312及び連結材311を貫通し、連結部材の内部と、枕木本体1の下方とを連通する水抜き穴38を形成することができる。これにより、連結部材が腐食するのを防止することができる。
上記実施形態では、防護部材2の傾斜部24を階段状に形成することで、傾斜部24に凹凸を形成しているが、凹凸の形成方法はこれに限定されない。例えば、図18に示すように、傾斜部24に、複数の突部28を形成することができる。各突部28は、三角錐形状、四角錐形状などの多角錐形状や円錐形状にすることもできる。このような形状にすると、鋭い頂点部によって、飛来してくる氷雪を効率よく粉砕することができる。
上記実施形態では、防護部材2を、枕木本体1の左右方向の中央に配置しているが、レール駆動装置5が敷設されている位置に合わせて、防護部材2の横方向の位置を適宜ずらすことができる。あるいは、防護部材2を、レール4の間の全体に亘る範囲に形成してもよい。
傾斜部24の構成も特には限定されない。すなわち、防護部材2には、列車の進行方向の後方側に傾斜部24が形成されていればよいため、例えば、図19に示すようにすることができる。すなわち、傾斜部24を湾曲させたり(図19(a)、図19(b))、上面を省いた三角形状にしたり(図19(c))、あるいは上面を列車の進行方向に向かって下方に傾斜させてもよい(図19(d))。また、上面に傾斜部を設けることもできる(図19(e))。
上記実施形態では、防護部材2に、列車の進行方向に向かって上方へ傾斜する傾斜部24を形成し、この傾斜部24に凹凸を形成しているが、防護部材2の構成は特には限定されず、例えば、氷雪を粉砕できたり、レール駆動装置に到達しないように方向を変えることができるのであれば、傾斜部24や凹凸を設けない構成にすることもできる。
16 :貫通孔
2 :防護部材
24 :傾斜部
26 :貫通孔
28 :突出部
31 :固定具(連結部材)
32 :軸部材(連結部材)
33 :ボルト(連結部材)
10 :枕木
Claims (11)
- 線路に配置される枕木であって、
直方体形状の枕木本体と、
前記枕木本体の上面に配置される防護部材と、
前記枕木本体と前記防護部材とを着脱自在に連結する、少なくとも1つの連結部材と、
を備え、
前記防護部材には、前記連結部材を受け入れる貫通孔が形成され、
前記貫通孔に挿入された連結部材が前記防護部材に固定される、枕木。 - 前記連結部材は、前記枕木本体の上面から突出する軸部材を備え、
前記貫通孔に挿入された軸部材が前記防護部材に固定される、請求項1に記載の枕木。 - 前記枕木本体は、前記軸部材が挿通される貫通孔を有し、
前記軸部材の下端には、前記枕木本体の下面において、前記貫通孔の周縁に係合する係合部材が取付けられている、請求項2に記載の枕木。 - 複数の前記連結部材を備えており、
複数の前記連結部材は、前記枕木本体の下面側で一体的に連結されている、請求項1から3のいずれかに記載の枕木。 - 前記防護部材は、前記列車の進行方向に向かって上方へ傾斜する傾斜部を有し、当該傾斜部に前記貫通孔が形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の枕木。
- 前記傾斜部は、階段状に形成されている、請求項5に記載の枕木。
- 前記連結部材は、中空に形成されており、
当該連結部材に、前記枕木本体の下方へ開放される水抜き孔が形成されている、請求項1から6のいずれかに記載の枕木。 - 列車の線路に配置される枕木本体の上面に、防護部材を配置する、第1ステップと、
前記防護部材及び枕木本体を貫通する少なくとも1つの貫通孔を形成する、第2ステップと、
前記貫通孔に、前記防護部材及び枕木本体を固定する第1連結部材を取付ける、第3ステップと、
を備えている、枕木の組立方法。 - 前記第1連結部材は、棒状に延びる軸部材を備えており、
前記第3ステップは、
前記防護部材を前記枕木本体から取り外すステップと、
前記枕木本体の貫通孔から、前記軸部材を上方に突出させるように、前記軸部材を前記枕木本体に係合させるステップと、
前記枕木本体から突出した前記軸部材に、前記防護部材の貫通孔を挿入させるように、当該防護部材を前記枕木本体の上面に配置するステップと、
前記防護部材の貫通孔に挿入された前記軸部材を、前記防護部材に係合させるステップと、
を備えている、請求項8に記載の枕木の組立方法。 - 前記第3ステップの後、
前記枕木本体の外面と、前記防護部材の外面とを第2連結部材によって固定する、第4ステップをさらに備えている、請求項8または9に記載の枕木の組立方法。 - 前記貫通孔及び前記第1連結部材が複数設けられ、
前記第3ステップでは、複数の前記第1連結部材を、前記枕木本体の下面側で連結する、請求項8から10のいずれかに記載の枕木の組立方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7494098B2 (ja) | 2020-12-10 | 2024-06-03 | 日鉄テックスエンジ株式会社 | レール締結装置 |
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