JP2013110988A - 多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法 - Google Patents

多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多能性幹細胞由来の組織を安定に保存する方法を提供すること。
【解決手段】下記(1)〜(3)を含むことを特徴とする多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法。
(1)多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる第一工程
(2)第一工程で細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持する第二工程
(3)第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程
【選択図】なし

Description

本発明は、多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法に関するものである。
組織とは、形態や性質が異なる複数種類の細胞が一定のパターンで立体的に配置した構造を有する細胞集団の構造体である。
例えば、眼球の構成要素の一つである網膜組織は、眼球の後ろ側の内壁を覆う膜状の組織であり、網膜組織は神経細胞が規則的に並ぶ層構造を有している。網膜は大別すると視細胞、双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、神経節細胞の5種類の神経細胞が存在する。光は視細胞で電気信号に変換され、その情報は化学シナプスを介して双極細胞と水平細胞に伝達される。双極細胞はアマクリン細胞や神経節細胞とシナプス結合しており、神経節細胞の軸策が視神経として大脳の視覚中枢に連絡している。網膜障害の治療には、これまでも病因研究、創薬における薬効・安全性研究、細胞移植治療などが実施されているが、このような研究の材料となるヒトの生体を反映した層構造を持つ網膜組織を入手することは困難であった。しかし、近年、ES細胞等の多能性幹細胞を分化誘導することにより、生体内網膜組織に匹敵する網膜組織の作製が報告された(非特許文献1)。しかしながら、幹細胞を分化して得られる組織を再生医療や安全性試験等に活用するには、品質のそろった組織を安定的に大量に供給することが必須である。一方、多能性幹細胞を分化させて様々な組織を作製するには、例えばヒトES細胞から網膜組織を作製するためには3週間以上の期間を要するように、一定以上の分化誘導期間が必要となる。また、分化誘導の効率も分化誘導実験ごとに変わることが多い。よって、当該組織を逐次、用事調製していては現実的な実用化は困難であり、当該組織を分化誘導の途中段階で保存する技術が切望されていた。
Nature 472, p51-56 (2011): Self-organizing optic-cup morphogenesis in three-dimensional culture
多能性幹細胞由来の組織を再生医療や安全性薬効評価等に使用する際に、多量の組織を安定的に供給するには当該組織の保存方法の開発が急務である。
本発明者らは、このような状況を鑑み鋭意検討した結果、多能性幹細胞由来の組織を安定的に保存する方法を見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は
[1]下記(1)〜(3)を含むことを特徴とする多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法。
(1)多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる第一工程
(2)第一工程で細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持する第二工程
(3)第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程
[2]スルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液が、スルホキシド、鎖状ポリオール及びオリゴ糖を含む細胞保護溶液である前記[1]記載の凍結保存方法。
[3]スルホキシドがジメチルスルホキシドであり、鎖状ポリオールがエチレングリコールであり、オリゴ糖がスクロースである前記[2]記載の凍結保存方法。
[4]前記多能性幹細胞が、ヒト多能性幹細胞である前記[1]〜[3]のいずれか記載の凍結保存方法。
[5]組織が、脳神経組織である前記[1]〜[4]のいずれか記載の凍結保存方法。
[6]組織が、網膜組織である前記[1]〜[4]のいずれか記載の凍結保存方法。
[7]第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程が、第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて10℃/分以上の温度低下速度で凍結保存する第三工程である前記[1]〜[6]のいずれか記載の凍結保存方法。
[8]冷却剤が、液体窒素である前記[1]〜[7]のいずれか記載の方法。
[9]凍結保存液が、ジメチルスルホキシド、アセトアミド及びプロピレングリコールを含む凍結保存液である前記[1]〜[8]のいずれか記載の凍結保存方法。
[10]ジメチルスルホキシドの濃度が1〜4M、アセトアミドの濃度が0.5〜2M、プロピレングリコールの濃度が1.5〜6Mである前記[9]記載の凍結保存方法。
本発明により、多能性幹細胞由来の組織の安定な保存が可能となる。
図1は、RAX::緑色蛍光タンパク質(以下、「GFP」という場合がある)ノックインヒトES細胞から分化誘導した凝集体に生じた網膜組織の明視野像を示す図である。 図2は、図1に示す網膜組織を有する凝集体の蛍光像を示す図である。 図3は、凝集体から切り離して培養した網膜組織の明視野像を示す図である。 図4は、図3に示す網膜組織の蛍光像を示す図である。 図5は、凝集体から切り離して培養した網膜組織の凍結切片を抗GFP抗体、抗Chx10抗体、抗Pax6抗体、抗Brn3抗体を用いて免疫染色した結果を示す図である。 図6は凝集体から切り離して培養した網膜組織であって、実験の対照として凍結していない網膜組織、11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む溶液で浸透処理した後に凍結、11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び5.55% (w/v)エチレングリコールを含む溶液で浸透処理した後に凍結、11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)、5.55% (w/v)エチレングリコール及び10% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結した後の網膜組織の状態を示す図である。 図7は凝集体から切り離して培養した網膜組織であって、実験の対照として凍結していない網膜組織及び5% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結、10% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結、20% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結、11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び10% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結、5.55% (w/v)エチレングリコール及び10% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結した後の網膜組織の状態を示す図である。 図8は凝集体から切り離して培養した網膜組織であって、11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び5.55% (w/v)エチレングリコールを含む溶液で浸透処理した後に凍結した網膜組織の凍結切片及び11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)、5.55% (w/v)エチレングリコール、10% (w/v)スクロースを含む溶液で浸透処理した後に凍結した網膜組織の凍結切片を抗GFP抗体(A,C,E)、抗Chx10抗体(B)、抗Chx10及び坑Pax6抗体(D)、抗Chx10及び坑TuJ1抗体(F)を用いて免疫染色した結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明における「形質転換体」とは、形質転換により作製された細胞等の生命体の全部又は一部を意味する。形質転換体としては、例えば、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞等を挙げることができる。形質転換体は、その対象に依存して、形質転換細胞、形質転換組織、形質転換宿主等とも呼ばれることがある。本発明において用いられる細胞は、形質転換体であってもよい。
本発明に関連した、遺伝子操作技術で使用される原核生物細胞としては、例えば、Eschericia属、Serratia属、Bacillus属、Brevibacterium属、Corynebacterium属、Microbacterium属、Pseudomonas属等に属する原核生物細胞、例えば、Eschericia XL1-Blue、Eschericia XL2-Blue、Eschericia DH1等を挙げることができる。このような細胞は、例えば、「Molecular Cloning(3rd edition)」 by Sambrook,J and Russell, D.W., Appendix 3(Volume3),Vectors and Bacterial strains. A3.2(Cold Spring Harbor USA 2001)に具体的に記載されている。
本発明に関連した「ベクター」とは、目的のポリヌクレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができるベクターを意味する。このようなベクターとしては、例えば、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、動物個体及び植物個体等の宿主細胞において自立複製が可能であり、又は、染色体中への組込みが可能である、ポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモーターを含有しているもの等を挙げることができる。
このようなベクターのうち、クローニングに適したベクターを「クローニングベクター」と記すこともある。このようなクローニングベクターは、通常、制限酵素部位を複数含むマルチプルクローニング部位を含む。現在、遺伝子のクローニングに使用可能なベクターは、当該技術分野において多数存在しており、販売元により、微妙な違い(例えば、マルチクローニングサイトの制限酵素の種類や配列)から名前を代えて販売されている。例えば、「Molecular Cloning(3rd edition)」 by Sambrook, J and Russell, D.W., Appendix 3 (Volume 3), Vectors and Bacterial strains. A3.2 (Cold Spring Harbor USA, 2001)) に代表的なものが記載(発売元も記載)されており、このようなものを当業者は適宜目的に応じて使用することができる。
本発明に関連した「ベクター」は、「発現ベクター」、「レポーターベクター」、「組換えベクター」も含む。尚、「発現ベクター」とは、構造遺伝子及びその発現を調節するプロモーターに加えて種々の調節エレメントが宿主細胞の中で作動し得る状態で連結されている核酸配列を意味する。「調節エレメント」としては、例えば、ターミネーター、薬剤耐性遺伝子のような選択マーカー、及び、エンハンサーを含むもの等を挙げることができる。生物(例えば、動物)の発現ベクターのタイプ及び使用される調節エレメントの種類が宿主細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
本発明に関連して「組換えベクター」としては、例えば、(a)ゲノムライブラリーのスクリーニングのためには、ラムダFIXベクター(ファージベクター)、(b)cDNAのスクリーニングのためには、ラムダZAPベクター(ファージベクター)、(c)ゲノムDNAのクローニングするためには、例えば、pBluescript II SK+/−, pGEM,pCR2.1ベクター(プラスミドベクター)等を挙げることができる。また「発現ベクター」としては、例えば、pSV2/neoベクター、pcDNAベクター、pUC18ベクター、pUC19ベクター、pRc/RSVベクター、pLenti6/V5-Destベクター、pAd/CMV/V5-DESTベクター、pDON-AI-2/neoベクター、pMEI-5/neoベクター等(プラスミドベクター)等を挙げることができる。また「レポーターベクター」としては、例えば、pGL2ベクター、pGL3ベクター、pGL4.10ベクター、pGL4.11ベクター、pGL4.12ベクター、pGL4.70ベクター、pGL4.71ベクター、pGL4.72ベクター、pSLGベクター、pSLOベクター、pSLRベクター、pEGFPベクター、pAcGFPベクター、pDsRedベクター等を挙げることができる。このようなベクターは、前述のMolecular Cloning誌を参考にして適宜利用すればよい。
本発明に関連して、核酸分子を細胞内に導入する技術としては、例えば、形質転換、形質導入、トランスフェクション等を挙げることができる。このような導入技術としては、具体的には例えば、Ausubel F. A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology, Wiley, New York, NY; Sambrook J.ら(1987)Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed.及びその第三版,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997等に記載される方法等を挙げることができる。遺伝子が細胞内に導入されたことを確認する技術としては、例えば、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析又は他の周知慣用技術等を挙げることができる。
また、本発明に関連して、ベクターの導入方法としては、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換等(例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法等)を挙げることができる。
本発明凍結保存方法は、下記(1)〜(3)を含むことを特徴とする凍結保存方法である。
(1)多能性幹細胞由来の組織とスルホキシド及び鎖状ポリオールを含む細胞保護溶液とを接触させる第一工程
(2)第一工程で細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持する第二工程
(3)第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程
本発明において「幹細胞」とは、細胞分裂を経ても同じ分化能を維持する細胞のことであり、組織が傷害を受けたときにその組織を再生することができる。ここで幹細胞は、胚性幹細胞(ES細胞)又は組織幹細胞(組織性幹細胞、組織特異的幹細胞又は体性幹細胞ともいう)、又は人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell細胞)であり得るがそれらに限定されない。上記の幹細胞由来の組織細胞は組織再生が可能なことから分かるように生体に近い正常な細胞を分化できることが知られている。
幹細胞は、所定の機関より入手でき、また、市販品を購入することもできる。例えば、ヒト胚性幹細胞であるKhES−1、KhES−2及びKhES−3は、京都大学再生医科学研究所より入手可能である。マウス胚性幹細胞の例としては、EB5細胞などが挙げられる。
幹細胞は、自体公知の方法により維持培養できる。例えば、幹細胞は、ウシ胎児血清(FCS)、Knockout Serum Replacement(KSR)、LIFを添加した無フィーダー細胞による培養により維持できる。
本発明において「多能性幹細胞」とは、インビトロにおいて培養することが可能で、かつ、胎盤を除く生体を構成するすべての細胞(三胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)由来の組織)に分化しうる能力(分化多能性(pluripotency))を有する幹細胞をいい、胚性幹細胞(ES細胞)もこれに含まれる。「多能性幹細胞」は、受精卵、クローン胚、生殖幹細胞、組織内幹細胞から得られる。また、体細胞に数種類の遺伝子を導入することにより、胚性幹細胞に似た分化多能性を人工的に持たせた細胞(人工多能性幹細胞ともいう)も含む。多能性幹細胞は、自体公知の方法で作製することが可能である。作製方法としては、例えばCell 131(5)pp.861−872や、Cell 126(4)pp.663−676に記載の方法などが挙げられる。
本発明において「胚性幹細胞(ES細胞)」とは、自己複製能を有し、多分化能(すなわち多能性「pluripotency」)を有する幹細胞であり、初期胚に由来する多能性幹細胞をいう。胚性幹細胞は、1981年に初めて樹立され、1989年以降ノックアウトマウス作製にも応用されている。1998年にはヒト胚性幹細胞が樹立されており、再生医学にも利用されつつある。
本発明において「人工多能性幹細胞」とは、繊維芽細胞等分化した細胞をOct3/4、Sox2、Klf4、Myc等数種類の遺伝子の発現により直接初期化して多分化能を誘導した細胞であり、2006年、山中らによりマウス細胞で樹立された(Takahashi K, Yamanaka S.Cell. 2006, 126(4), p663-676)。2007年、ヒト繊維芽細胞でも樹立され、胚性幹細胞と同様に多分化能を有する(Takahashi K, Tanabe K, Ohnuki M, Narita M, Ichisaka T, Tomoda K, Yamanaka S. Cell.2007, 131(5),p861-872. 、Yu J, Vodyanik MA, Smuga-Otto K, Antosiewicz-Bourget J, Frane JL, Tian S, Nie J, Jonsdottir GA, Ruotti V, Stewart R, Slukvin II, Thomson JA.,Science. 2007, 318(5858), p1917-1920. 、Nakagawa M, Koyanagi M, Tanabe K, Takahashi K, Ichisaka T, Aoi T, Okita K, Mochiduki Y, Takizawa N, Yamanaka S. Nat Biotechnol., 2008, 26(1), p101-106)。
本発明において、「分化」とは、1個の細胞の分裂によって由来した娘細胞集団の中で形態的及び/又は機能的に質的な差をもった二つ以上のタイプの細胞が生じてくる現象をいう。従って、元来特別な特徴を検出できない細胞に由来する細胞集団(細胞系譜)が、特定のタンパク質の産生等はっきりした特徴を示すに至る過程も分化に包含される。現在では細胞分化を、ゲノム中の特定の遺伝子群が発現した状態と考えることが一般的であり、このような遺伝子発現状態をもたらす細胞内或いは細胞外の因子又は条件を探索することにより細胞分化を同定することができる。細胞分化の結果は原則として安定であって、特に動物細胞では,別のタイプの細胞に分化することは例外的にしか起こらない。
本発明において「組織」とは、形態や性質が異なる複数種類の細胞が一定のパターンで立体的に配置した構造を有する細胞集団の構造体をさし、本発明において「多能性幹細胞に由来する組織」とは、多能性幹細胞から分化誘導される細胞の凝集体であり、形態や性質が異なる複数種類の細胞が一定のパターンで立体的に配置した構造を有する細胞集団の構造体をさす。
多能性幹細胞から分化誘導される細胞としては、大脳神経細胞、間脳神経細胞、視床下部神経細胞、大脳基底核神経細胞、小脳神経細胞、腸組織細胞、心筋細胞、すい臓細胞、肝臓細胞、またはこれらの前駆細胞が挙げられる。具体的には、WO 2009/148170、J Neurosci. 2011 Feb 2;31(5):1919-33、Nat Neurosci. 2010 Oct;13(10):1171-80、Cell Stem Cell. 2008 Nov 6;3(5):519-32、Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Aug 19;105(33):11796-801、Nature. 2011 Feb 3;470(7332):105-9、Nat Biotechnol. 2011 Mar;29(3):267-72、Cell Stem Cell. 2011 Feb 4;8(2):228-40、2011 Mar;138(5):861-71、Nat Biotechnol. 2006 Nov;24(11):1402-11に基づいて作製することができる。
本発明において、「脳神経組織」とは生体の大脳、間脳、中脳、小脳、後脳において各神経層を構成する細胞やその前駆細胞(例えば大脳の場合、第6層特異的なTbr1陽性細胞、第5層特異的なCrip2陽性細胞、第2−3層特異的なBrn2陽性細胞など)が少なくとも複数種類、層状で立体的に配列した構造体を意味する。脳神経組織の一部として、網膜組織を挙げることが出来る。「網膜組織」とは生体網膜において各網膜層を構成する視細胞、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、網膜節細胞、またはこれらの前駆細胞などの細胞が、少なくとも複数種類、層状で立体的に配列した網膜組織を意味する。それぞれの細胞がいずれの網膜層を構成する細胞であるかは、公知の方法、例えば細胞マーカー(Chx10(双極細胞)、L7(双極細胞)、Tuj1(節細胞)、Brn3(節細胞)、Calretinin(アマクリン細胞)、Calbindin(水平細胞)、Recoverin(視細胞)、Rhodopsin(視細胞)、RPE65(色素上皮細胞)、Mitf(色素上皮細胞)など)の発現により確認できる。
例えば網膜組織はヒトES細胞を分化させることにより作製可能であり、具体的には、Nature 472, p51-56 (2011)、WO2011/055855記載の方法により作製することができる。
本発明において、「凍結保護溶液」とは、凍結保護物質と溶媒との混合液をいう。「凍結保護物質」とは、凍結保存を行う際、細胞の機能や生存率をできるだけ維持するため、凍結に由来する様々な障害を防止する目的で添加される物質をいう。
凍結保護物質として、具体的に言えば、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド;エチレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の鎖状ポリオール;アセトアミド等のアミド化合物;スクロース、トレハロース、ラクトース、ラフィノース等のオリゴ糖;パーコール、フィコール70、フィコール70000、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
溶媒としては、例えば、生理食塩水、PBS、EBSS、HBSSなどの緩衝液やDMEM、GMEM、RPMIなどの細胞や組織などを培養する培養液、血清、血清代替物(Knock Out Serum Replacement:Invitrogen社)または、これらの混合物などを用いることができる。
本発明において、凍結保護溶液は、スルホキシドおよび鎖状ポリオールを含み、好ましくはスルホキシド、鎖状ポリオールおよびオリゴ糖を含む。
本発明において、凍結保護溶液中のスルホキシドの終濃度は、5〜15%(w/v)、好ましくは9〜13%(w/v)、より好ましくは11%(w/v)前後を挙げることができる。
本発明において、凍結保護溶液中の鎖状ポリオールの終濃度は、4〜15%(w/v)、好ましくは4.5%〜8%(v/v)、より好ましくは5.5%(v/v)前後を挙げることができる。
本発明において、凍結保護溶液中のオリゴ糖の終濃度は、5〜20%(w/v)、好ましくは8〜12%(w/v)、より好ましくは10%(w/v)前後を挙げることができる。
本発明において、「凍結保存液」とは、多能性幹細胞由来の組織を凍結保存するための媒体をいう。凍結保存液としては、セルバンカー1、1プラス、2、3 (十慈フィールド株式会社)、TC プロテクター(DSファーマバイオメディカル株式会社)、Freezing Medium for human ES/iPS Cells(株式会社リプロセル)、クライオスカーレスDMSOフリー(株式会社バイオベルデ)、ステムセルキープ(株式会社バイオベルデ)、EFS溶液(NK system)等の市販のものを用いることもできる。
また、凍結保存液としては、凍結保護物質と溶媒との混合液でもよいを含んでもよい。凍結保護物質および溶媒としては、上記記載のものを挙げることができる。
本発明における凍結保存液は、ジメチルスルホキシド、アセトアミド及びプロピレングリコールを含有することが好ましい。
本発明において、凍結保存液中のジメチルスルホキシドの濃度は、1〜4M、アセトアミドの濃度は、0.5〜2M、プロピレングリコールの濃度は1.5〜6Mであることが好ましい。
本発明凍結保存方法における第一工程は、多能性凍結前に幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる工程である。
上記第一工程では、多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる。
「多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる」には、スルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液中に、多能性幹細胞由来の組織を移してもよいし、多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を加えてもよい。
多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる時間としては、1分〜180分、好ましくは5分から60分、より好ましくは15分から30分を挙げることができる。また、多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる温度としては、―10℃〜40℃、好ましくは0℃から25℃、より好ましくは0℃〜8℃を挙げることができる。
上記第一工程における接触系内での多能性幹細胞由来の組織の密度としては、例えば、凝集体数に換算して、1〜1000個/mL程度、好ましくは凝集体 1〜100個/mLを挙げることができる。なお、1凝集体あたりの細胞数は、10の3乗〜10の6乗個程度である。
細胞保護溶液を接触させる時に用いられる培養器は、特に限定されず、当業者であれば適宜決定することが可能である。このような培養器としては、例えば、フラスコ、組織培養用フラスコ、ディッシュ、ペトリデッシュ、組織培養用ディッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウェルプレート、マイクロポア、マルチプレート、マルチウェルプレート、チャンバースライド、シャーレ、チューブ、トレイ、培養バック、ローラーボトルが挙げられる。
本発明凍結保存方法における第二工程は、細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持する工程である。
上記第二工程では、第一工程で細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を、凍結保存液に保持する工程である。
上記第二工程における細胞保存液中での多能性幹細胞由来の組織の密度としては、例えば、凝集体数に換算して、1〜1000個/mL程度、好ましくは凝集体1〜100個/mLを挙げることができる。1凝集体あたりの細胞数は10の3乗〜10の6乗個程度である。
本発明凍結保存方法における第三工程は、凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を冷却剤存在下にて凍結保存する工程である。
組織等を「凍結保存」する方法にはいくつかの方法が知られている。代表的な凍結保存法としては、0.1〜10℃/分という緩慢な速度で長時間かけて凍結させる方法が挙げられる。この方法は、プログラムフリーザーやバイセル(日本フリーザー株式会社)などの装置や器具等を用いて実施することが出来る。
急速凍結保存方法としては、結晶質の液体または気体を結晶化させずに急激にガラス転移温度以下の固体にしたときに生じるガラス化という現象を応用した方法が挙げられる。本方法は、あらかじめ高濃度の保存液に浸漬した組織や胚、卵子をガラス化させることにより安定的に短時間かつ簡単な操作で凍結保存することができる点で優れている。
ここで、急速凍結保存方法とは、生物試料に対する凍結法であり、液体窒素などの冷却剤に試料を投入する方法をいう。例えば、氷上で多能性幹細胞由来の組織と凍結保存液とを凍結チューブに入れ、ピンセットを用いて、前記凍結チューブを冷却剤へ沈める方法が挙げられる。多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持してから冷却剤に投入するまでの時間は、可能な限り短い方が好ましく、30秒以内、好ましくは10秒以内を挙げることができる。
本発明において使用する「冷却剤」は、細胞のガラス化を起こすことができるものが好ましく、通常−20℃以下、好ましくは-80℃以下、より好ましくは、-150℃以下の冷却剤を用いることができる。
冷却剤として、具体的に言えば、例えば、液体窒素、スラッシュ窒素(Slush Nitrogen)、液体ヘリウム、液体プロパン、エタンスラッシュを挙げることができ、好ましくは、液体窒素又はスラッシュ窒素である。スラッシュ窒素は、液体窒素を減圧下で保持することにより液体窒素温度を常圧の−196℃より低い−205〜−210℃に下げた窒素のことである(Huangら、Human Reproduction,Vol.20,No.1,pp.122−128(2005))。冷却剤としてスラッシュ窒素を用いる場合には、例えば、Vit−MasterTM(IMT、Nes Ziona、イスラエル)等の装置により、ガラス化保存を行うことができる。
冷却剤存在下にて凍結保存を行う際の温度低下速度は、10℃/分以上、好ましくは30℃/分以上、より好ましくは50℃/分以上、特に好ましくは100℃/分以上の温度低下速度を挙げることができる。
冷却剤存在下にて凍結保存を行う際の常温から目的とする凍結保存温度(例えば、液体窒素の場合は−196℃)までに要する時間は、例えば、5分以内、より好ましくは3分以内、さらに好ましくは1分以内を挙げることができる。
以下、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。
(RAXノックインヒトES細胞の樹立)
網膜前駆細胞のマーカー遺伝子の1つであるRAX遺伝子座にGFPをノックインしたヒトES細胞株の作製を実施した。
ヒトES細胞株(KhES-1:京都大学が樹立したヒトES細胞株)のゲノムDNA上RAX遺伝子を特異的に切断するZinc Finger Nuclease(ZFN)をSigmaAldrich社から購入した。単一細胞化したヒトES細胞を用いて、エレクトロポレーション法により、ZFNをコードするmRNAとGFP及び薬剤選択遺伝子であるネオマイシン耐性遺伝子が搭載されたノックインベクターを共導入し、マイトマイシンC処理したネオマイシン耐性マウス線維芽細胞上へ播種した。播種翌日から培地中にG418を添加し、薬剤選択を行った。得られた耐性クローンのコロニーをピックアップして培養を続け、PCR法やサザンブロット法により、ノックイン細胞を選別し、RAX::GFPノックインヒトES細胞株を樹立した。
(RAXノックインヒトES細胞を用いた網膜組織の分化誘導)
樹立したRAX::GFPノックインヒトES細胞を用いて、網膜組織の分化誘導を実施した。
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。
培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、5〜10ng/ml bFGFなどを添加したものを用いた。浮遊培養による網膜組織分化誘導には、0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように150μlの分化培地に浮遊させ、凝集塊を速やかに形成させた後、37℃、5%CO2で培養した。
その際の分化培地には、G−MEM培地に20%KSR、Y27632などを添加した無血清培地を用いた。また、培養2日目からマトリゲルを添加して培養した。分化誘導開始後、12日目くらいから凝集塊内にGFPの発現が蛍光顕微鏡観察で確認され、14日目くらいで凝集塊周囲にGFPを発現する神経上皮様構造体が形成された。18日目から30日目の間に、この神経上皮様構造体をピンセットを用いて凝集塊から分離し、非接着性プラスチックシャーレ内でウシ胎児血清やレチノイン酸を添加して培養を継続した後、切片を作製し、蛍光免疫染色法で分化状態を解析した。例えば、分化誘導開始から40日を経過した神経上皮様構造物はRAX遺伝子が発現しているGFP陽性細胞で構成されており、GFP陽性細胞においては、網膜前駆細胞マーカー遺伝子の一つであるPax6陽性細胞、双極細胞マーカー遺伝子の1つであるChx10陽性細胞、神経節細胞マーカー遺伝子の1つであるBrn3陽性細胞が層状に配列した網膜組織が形成されていることが明らかとなった。
比較例1 (ヒトES細胞から分化誘導された網膜組織の凍結による凍結保存)
分化誘導した網膜組織を用いて100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行った。
DMEM/F12培地に2Mジメチルスルホキシド(DMSO)、 1M acetamide and 3M polypropylene glycolを添加したもの(DAP213)を凍結保存液として用いた。10個程度の網膜組織を培養皿から15mlポリプロピレンチューブへ回収し、上清を除去した後、200μlの凍結保存液を加え、網膜組織を凍結保存液と一緒に凍結チューブへ移し、即座にピンセットを用いて凍結チューブを液体窒素中に浸し、100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を実施した。凍結したチューブは解凍を実施するまで-150℃フリーザーで保存した。
-150℃フリーザーから凍結チューブを取り出し、37℃ウォーターバスを用いて事前に37℃に温めておいた培地を凍結チューブに入れ、解凍を行った。15mlチューブに分注し、37℃に加温しておいた培地10ml中へ網膜組織を移した後、上清を除去した。PBS 10mlを用いて洗浄後、DMEM/F12培溶液にN2、10%FBS、レチノイン酸などを添加した培地(網膜組織培養用培地)を入れた浮遊培養皿へ移し、37℃で培養した。解凍の翌日以降に顕微鏡観察および蛍光顕微鏡観察により、細胞の生存状態、上皮構造の外見について凍結保存を実施していない網膜組織(図6 A,B)と比較し、凍結保存の成否判定を実施した。
その結果、殆どの細胞が死んでしまっており、死細胞の破片が多く観察された。また、GFPの発現も殆ど観察されなかった。よって、単なる100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を実施したでは網膜組織は全く凍結保存できないことが示された。(図6 C,D)
比較例2 (ヒトES細胞から分化誘導された網膜組織の凍結保護物質(11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO))浸透処理後に凍結することによる凍結保存)
分化誘導した網膜組織を用いて凍結前に凍結保護物質としてジメチルスルホキシド(DMSO)を含む溶液を用いて浸透処理を行った後、100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行った。
10〜20個程度の網膜組織を培養皿から15mlポリプロピレンチューブへ移し、上清を除去した後、あらかじめ氷上で冷却しておいた凍結保護物質を含む溶液1mlを添加し、氷上で15分〜30分間静置した。凍結保護物質を含む溶液として、前述の網膜組織培養用培地に11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えたものを用いた。凍結保護物質を含む溶液を除去した後、凍結保存液としてDAP213 200μlを加え、網膜組織を凍結保存液と一緒に凍結チューブへ移し、即座にピンセットを用いて凍結チューブを液体窒素中に浸し、100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行った。凍結したチューブは解凍を実施するまで-150℃フリーザーで保存した。
11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)を凍結保護物質として含む網膜組織培養用培地を用いて浸透処理を実施した後に100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行った場合は、凍結を実施していない対照と比較するとRAXを発現する網膜組織が大幅に縮小していた(図6 E、F)。
実施例1 (ヒトES細胞から分化誘導された網膜組織の凍結保護物質(11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び5.55% (w/v)エチレングリコール)浸透処理後に凍結することによる凍結保存)
分化誘導した網膜組織を用いて凍結前に凍結保護物質として11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び5.55% (w/v)エチレングリコール(EG)を含む溶液を用いて浸透処理を行った以外は、比較例2と同様に行った。
11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び5.55% (w/v)エチレングリコール(EG)を含む網膜組織培養用培地を用いて凍結保護物質浸透処理を実施した後に100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行った場合、前述の11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む網膜組織培養用培地を用いた凍結保護物質浸透処理を実施した場合より、RAXを発現する網膜組織の保存性が改善され(図6 G、H)、層構造を保持していることが分かった(図8 A,B)。
実施例2 (ヒトES細胞から分化誘導された網膜組織の凍結保護物質(11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)、5.55% (w/v)エチレングリコール(EG)及び10% (w/v)スクロース)浸透処理後に凍結することによる凍結保存)
分化誘導した網膜組織を用いて凍結前に凍結保護物質として11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)、5.55% (w/v)エチレングリコール(EG)及び10% (w/v)スクロースを含む溶液を用いて浸透処理を行った以外は、比較例2と同様に行った。
11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)、5.55% (w/v)チレングリコール(EG)に加え10% (w/v)スクロースを添加した網膜組織培養用培地を用いて凍結保護物質浸透処理を実施後、100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存を行ったところ、凍結保存を行っていない網膜組織と比較して、ややGFPの発現強度が弱いものの凍結保存を行っていない網膜組織に匹敵するほどの状態が保たれており保存性は非常に良好であり(図6 I,J)、層構造も維持されていた(図8 C,D,E)。
比較例3(ヒトES細胞から分化誘導された網膜組織の凍結保護物質(スクロース)浸透処理後に凍結することによる凍結保存)
凍結保護物質浸透溶液として、前述の網膜組織培養用培地に5% スクロースを加えたもの、10% スクロースを加えたもの、20% スクロースを加えたもの、5.55%EG及び10%スクロースを加えたもの、11% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び10% (w/v)スクロースを加えたものをそれぞれ用いて上述と同様の手順で凍結及び解凍を実施した。
網膜組織培養用培地にスクロースのみを加えた凍結保護物質浸透溶液を用いて浸透処理を行った後に100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存した場合、凍結していない対照(図7 A,B)と比較すると、5% (w/v)、10% (w/v)、20% (w/v)のいずれの濃度においても、解凍後の細胞生存性が非常に悪く、GFPの発現も殆ど観察されなかった(図7 C,D,E,F,G,H)。5.55% (w/v)EG及び10% (w/v)スクロースを含む網膜組織培養用培地を用いて浸透処理を行った後に100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存した場合においても、凍結保存していない対照と比較すると、解凍後の細胞生存性が非常に悪く、GFPの発現も殆ど観察されなかった(図7 K,L)。11.0% (w/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び10% (w/v)スクロースを含む網膜組織培養用培地を用いて浸透処理を行った後に100℃/分以上の温度低下速度で凍結保存した場合、凍結していない対照と比較すると、細胞生存性が悪く、GFPの発現も弱く、凍結していない対照に匹敵する程度の状態で保存することはできなかった(図7I,J)。
本発明により、多能性幹細胞由来の組織の保存方法を提供することが可能となる。

Claims (10)

  1. 下記(1)〜(3)を含むことを特徴とする多能性幹細胞由来の組織の凍結保存方法。
    (1)多能性幹細胞由来の組織にスルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液を接触させる第一工程
    (2)第一工程で細胞保護溶液と接触させた多能性幹細胞由来の組織を凍結保存液に保持する第二工程
    (3)第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程
  2. スルホキシドと鎖状ポリオールとを含む細胞保護溶液が、スルホキシド、鎖状ポリオール及びオリゴ糖を含む細胞保護溶液である請求項1記載の凍結保存方法。
  3. スルホキシドがジメチルスルホキシドであり、鎖状ポリオールがエチレングリコールであり、オリゴ糖がスクロースである請求項2記載の凍結保存方法。
  4. 前記多能性幹細胞が、ヒト多能性幹細胞である請求項1〜3のいずれか記載の凍結保存方法。
  5. 組織が、脳神経組織である請求項1〜4のいずれか記載の凍結保存方法。
  6. 組織が、網膜組織である請求項1〜4のいずれか記載の凍結保存方法。
  7. 第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて凍結保存する第三工程が、第二工程で凍結保存液に保持された多能性幹細胞由来の組織を、冷却剤存在下にて10℃/分以上の温度低下速度で凍結保存する第三工程である請求項1〜6のいずれか記載の凍結保存方法。
  8. 冷却剤が、液体窒素である請求項1〜7のいずれか記載の方法。
  9. 凍結保存液が、ジメチルスルホキシド、アセトアミド及びプロピレングリコールを含む凍結保存液である請求項1〜8のいずれか記載の凍結保存方法。
  10. ジメチルスルホキシドの濃度が1〜4M、アセトアミドの濃度が0.5〜2M、プロピレングリコールの濃度が1.5〜6Mである請求項9記載の凍結保存方法。
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