JP2013107081A - 粘結剤コーテッドサンド、鋳型の製造方法、鋳型 - Google Patents

粘結剤コーテッドサンド、鋳型の製造方法、鋳型 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳造時に有害な悪臭ガスを発生することがなく、また塗型剤を必要とすることなく差し込みや焼き付きなどを抑制して鋳物の鋳肌を向上できるようにする。
【解決手段】耐火骨材の表面に、粘結成分としての糖類と炭素質材料とを含有する粘結層を被覆して粘結剤コーテッドサンドを調製する。粘結層に粘結成分として含有される糖類は、鋳造時に溶湯の熱で分解して多量のガスを発生し、この多量に発生するガスが鋳型の表面と溶湯との間にバリアを形成して、鋳型の表面に高温の溶湯が直接接触することを防ぐことができる。また粘結層に含有される炭素質材料によって鋳型と溶湯との濡れの悪さを高めることができる。これにより、塗型剤を必要とすることなく差し込みや焼き付きなどを抑制して、鋳物の鋳肌を向上することができる。また糖類の分解により発生するガスは、炭酸ガスや水が殆どであって、鋳造の作業環境を汚染するようなことがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、シェル鋳型など鋳型の製造に用いられる粘結剤コーテッドサンドに関するものであり、またこの粘結剤コーテッドサンドを用いた鋳型及びその製造方法に関するものである。
従来より、レジンコーテッドサンドを用いて成形される鋳型が種々提案されている。レジンコーテッドサンドは、珪砂などの耐火骨材の表面を粘結剤で被覆して調製されるものであり、レジンコーテッドサンドを加熱された金型などにふりかけたり充填したりして、粘結剤を溶融・硬化させることによって、鋳型を造型することができるものである。
そしてレジンコーテッドサンドにおいて、粘結剤としてはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が一般に用いられている(例えば特許文献1参照)。
しかし、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を粘結剤とするレジンコーテッドサンドで成形した鋳型を用いて鋳造を行なう場合、高温度の溶融金属である溶湯が鋳型に接触する際に、熱硬化性樹脂が溶湯の高温によって分解され、アルデヒド等の有害で臭気の強いガスが発生し、作業環境が汚染されるという問題があった。
また、鋳型の表面に溶湯が接触する際に、いわゆる差し込みや焼き付きが発生し、鋳物の鋳肌が荒れたり、鋳物の表面に砂かみ不良が生じたりすることがある。この差し込みや焼き付きは、鋳型の表面に対する溶湯の濡れ性が良好であると、鋳型の耐火粒子間に溶湯が容易に侵入するために発生するものである。
そこで、鋳型の表面に黒鉛、ジルコン、酸化アルミニウムなどを含んだ塗型剤を塗布し、高温の溶湯から鋳型を保護することが従来から広く行われている(例えば特許文献2等参照)。塗型剤は、鋳型の表面に対する溶湯の濡れ性を悪くするためのものであり、このように鋳型の表面に対する溶湯の濡れ性が悪くなると、鋳型の耐火粒子間に溶湯が侵入し難くなるので、差し込みや焼き付きの発生を抑制することができ、鋳肌を向上することができるのである。
しかし、塗型剤は水に分散させたりアルコールなどの溶剤に分散させたりして使用されるものであり、分散の作業や、塗型剤の塗布、乾燥など、煩雑な作業が必要であるという問題がある。また鋳型の表面が複雑な形状に形成されていると、均一な厚みで塗型剤を塗布することができず、塗型剤の効果が半減されたり塗型剤が鋳型から剥がれたりするおそれがあり、鋳型を溶湯の高温から保護して鋳肌を向上させるという効果を安定して得ることが難しいという問題があった。
特開平05−069086号公報 特開平06−091349号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、鋳造時に有害な悪臭ガスを発生することがなく、また塗型剤を必要とすることなく差し込みや焼き付きなどを抑制して鋳物の鋳肌を向上できる鋳型を造型することができる粘結剤コーテッドサンドを提供することを目的とするものであり、またこのような鋳型及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る粘結剤コーテッドサンドは、耐火骨材の表面に、粘結成分としての糖類と炭素質材料とを含有する粘結層を被覆して成ることを特徴とするものである。
粘結剤コーテッドサンドの粘結層に粘結成分として含有される糖類は、鋳造時に溶湯の熱で分解して多量のガスを発生し、この多量に発生するガスが鋳型の表面と溶湯との間にバリアを形成して、鋳型の表面に高温の溶湯が直接接触することを防ぐことができると共に、粘結層に含有される炭素質材料によって鋳型と溶湯との濡れの悪さを高めることができるものであり、塗型剤を必要とすることなく差し込みや焼き付きなどを抑制して、鋳物の鋳肌を向上することができるものである。また糖類の分解により発生するガスは、炭酸ガスや水が殆どであって、有害なガスや悪臭を有するガスを発生するようなことはなく、鋳造の作業環境を汚染するようなことがなくなるものである。
また、本発明の粘結剤コーテッドサンドを用いて造型された鋳型を1000℃で120秒間加熱したときのガス発生量が、鋳型1cm当り35L以上であることを特徴とするものである。
ガス発生量がこのような多量であることによって、ガスによるバリアを鋳型と溶湯の間に良好に形成することができ、差し込みや焼き付きなどを確実に抑制して鋳物の鋳肌をより向上することができるものである。
また本発明の粘結剤コーテッドサンドは、水蒸気で加熱して粘結層の糖類を粘結・固化させることにより鋳型を造型するために用いられるものであることを特徴とするものである。
粘結層に粘結成分として含有される糖類に水蒸気の凝縮水が作用すると、糖類が糊化するものであり、この糊化した糖類の粘性で耐火骨材を結合することができ、鋳型の造型を容易に行なうことができるものである。
また本発明は、炭素質材料の固定炭素量が50〜98質量%であることを特徴とするものである。
炭素質材料の固定炭素量がこの範囲であることによって、炭素質材料からもガスが発生して、ガスによるバリアを鋳型と溶湯の間に良好に形成することができ、差し込みや焼き付きなどを確実に抑制して鋳物の鋳肌をより向上することができるものである。
また本発明は、耐火骨材に糖類と炭素質材料を同時に加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、糖類と炭素質材料が均一に分散された粘結層を耐火骨材の表面に被覆形成することができるものである。
また本発明は、耐火骨材に糖類と炭素質材料とを予め混合したものを加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、炭素質材料を糖類と予め混合した状態で耐火骨材に加えるため、炭素質材料の粉じんが飛散することを抑制しつつ耐火骨材と混合することができるものであり、しかも糖類と炭素質材料が均一に分散された粘結層を耐火骨材の表面に被覆形成することができるものである。
また本発明は、耐火骨材に炭素質材料を加えて混合した後、これに糖類を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、炭素質材料を糖類よりも先に耐火骨材と混合するため、分散させ難い炭素材料をより均一に分散させた粘結層を形成することができるものである。
また本発明は、耐火骨材に糖類を加えて混合した後、これに炭素質材料を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、炭素質材料は粘結層の外周側に偏在することになり、炭素質材料による鋳型と溶湯との濡れの悪さを高める効果をより高く得ることができるものである。
本発明に係る鋳型の製造方法は、上記の粘結剤コーテッドサンドを成形型内に充填し、この成形型内に水蒸気を通して水蒸気で加熱することにより粘結層の糖類を粘結・固化させることを特徴とするものである。
粘結剤コーテッドサンドを充填した成形型内に水蒸気を通すと、水蒸気が粘結剤コーテッドサンドに接触して熱を奪われて発生する凝縮水が粘結層に供給され、粘結層の固形状態の糖類をこの凝縮水によって湿らせて糊化し、耐火骨材を糊化した糖類の粘着力で結合させることができるものであり、次いで水蒸気の凝縮潜熱と顕熱で粘結剤コーテッドサンドを加熱して水分を急速に蒸発させ、糖類を乾燥固化させて鋳型を造型することができるものであり、短時間で鋳型を製造することができるものである。
また本発明は、水蒸気として過熱水蒸気を用いることを特徴とするものである。
過熱水蒸気は高温であって、成形型内の粘結剤コーテッドサンドの温度上昇速度を速めることができ、鋳型の製造時間をより短縮することができるものである。
また本発明は、成形型内に水蒸気を通した後、成形型内に乾燥気体を通すことによって成形型内を乾燥することを特徴とするものである。
このように成形型内に水蒸気を通した後、成形型内に乾燥気体を通すことによって、成形型内に水蒸気の凝縮水が残留していても、この凝縮水を乾燥気体で気化させて成形型から排出して、成形型内を乾燥することができ、鋳型内に凝縮水が水分として残存するようなことを無くすことができるものであって、乾燥した状態で鋳型を成形型から取り出すことができるものである。
また本発明に係る鋳型は、上記の粘結剤コーテッドサンドを用いてこの方法で製造されたものであり、塗型剤を塗布する必要なく、鋳肌の優れた鋳物を鋳造することができると共に、鋳造時に有害なガスや悪臭を有するガスを発生するようなことがなく、作業環境を汚染するようなことがないものである。
本発明によれば、粘結剤コーテッドサンドの粘結層に粘結成分として含有される糖類は、鋳造時に溶湯の熱で分解して多量のガスを発生し、この多量に発生するガスが鋳型の表面と溶湯との間にバリアを形成して、鋳型の表面に高温の溶湯が直接接触することを防ぐことができると共に、粘結層に含有される炭素質材料によって鋳型と溶湯との濡れの悪さを高めることができるものであり、塗型剤を必要とすることなく差し込みや焼き付きなどを抑制して、鋳物の鋳肌を向上することができるものである。また糖類の分解により発生するガスは、炭酸ガスや水が殆どであって、有害なガスや悪臭を有するガスを発生するようなことはなく、鋳造の作業環境を汚染するようなことがなくなるものである。
鋳型の製造方法の一例を示すものであり、(a)(b)(c)はそれぞれ各工程の断面図である。 鋳型の製造方法の他の一例の一工程の断面図である。 成形型の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る粘結剤コーテッドサンドは、耐火骨材の表面に粘結層を被覆して形成されるものである。この耐火骨材としては、特に限定されるものではないが、硅砂、山砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、再生砂、その他、人工砂などを例示することができるものであり、これらを1種単独で用いる他、複数種を混合して用いることもできる。
また本発明では粘結層の粘結成分として、糖類を用いるものである。糖類としては、単糖類、少糖類、多糖類を用いることができ、各種の単糖類、少糖類、多糖類のなかから、1種を選んで単独で用いる他、複数種を選んで併用することもできる。
上記の単糖類としては、特に限定されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどを挙げることができる。
また少糖類としては、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、セロビオースなどの二糖類を挙げることができる。
さらに多糖類としては、でんぷん糖、デキストリン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、キトサン、セルロース、でんぷんなどがあり、これらのうち一種を選択して、あるいは複数種を併用して、用いることができる。またでんぷんとしては、未加工でんぷん及び加工でんぷんが挙げられる。具体的には馬鈴薯でんぷん、コーンスターチ、ハイアミロース、甘藷でんぷん、タピオカでんぷん、サゴでんぷん、米でんぷん、アマランサスでんぷんなどの未加工でんぷん、及びこれらの加工でんぷん(焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷん)、ジアルデヒド化でんぷん、エーテル化でんぷん(カルボキシメチルでんぷん、ヒドロキシアルキルでんぷん、カチオンでんぷん、メチロール化でんぷんなど)、エステル化でんぷん(酢酸でんぷん、リン酸でんぷん、コハク酸でんぷん、オクテニルコハク酸でんぷん、マレイン酸でんぷん、高級脂肪酸エステル化でんぷんなど)、架橋でんぷん、クラフト化でんぷん、及び湿熱処理でんぷんなどが挙げられる。これらのなかでも、焙焼デキストリン、シクロデキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷんのように低分子化されたもの、及び架橋でんぷんなどの粘度の低いでんぷんが好ましい。さらに糖類を含有する植物、例えば麦、米、馬鈴薯、トウモロコシ、タピオカ、甘藷、サゴ、アマランサス等の粉末などを用いることができる。また食用に供するために市販されている糖、例えば白粗、中粗、グラニュ糖、転化糖、上白糖、中白糖、三温糖などを用いることもできる。さらに、糖類とフェノール類とを反応させたフェノール変性糖類を用いることもできる。
また粘結層には、糖類、特に多糖類の硬化剤として、カルボン酸を含有するようにしてもよい。カルボン酸としては、特に限定されるものではないが、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ブタンテトラジカルボン酸、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの多価カルボン酸を挙げることができる。粘結層中のカルボン酸の含有量は、糖類に対するカルボン酸の配合量が、糖類100質量部に対してカルボン酸0.1〜10質量部となる範囲が好ましい。カルボン酸は予め水に溶解させた状態で糖類と混合するのが、硬化剤としての効果を高く発揮するので好ましい。
粘結層に含有される粘結成分としては、上記の糖類の他に、糖類と併用して他の粘結成分を用いることも可能である。糖類と併用することができる粘結成分としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは、粘結成分として糖類を使用することによって得られる効果を損なわない範囲で併用することができるものであり、糖類100質量部に対して60質量部以下の量で使用することが好ましい。
また、本発明では粘結層に上記の粘結成分の他に、炭素質材料を含有させるものである。この炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、メソフェースカーボン、石油ピッチコークス、石炭ピッチコークス、カーボンブラック、樹脂炭、無煙炭、プリカーサー、薄片化黒鉛、木炭、有機物を炭化させたものなどを挙げることができる。また炭素質材料として炭素の化合物である炭化ケイ素などを用いることもできる。これらのうち一種を単独で用いる他、二種以上を併用することもできるが、非極性の炭素質材料が好ましい。炭素質材料は均一な混合性などの面から、粒径が200μm以下の粉末として用いるのが望ましい。
また炭素質材料は、JIS K 6910に準拠して測定した固定炭素量が50〜98質量%の範囲のものが好ましい。固定炭素量が98質量%を超えるものであると、造形した鋳型に溶湯を注湯する際に、炭素質材料からのガスの発生量が少ないために好ましくない。逆に固定炭素量が50質量%未満のものであると、炭素質材料の添加量が多いときには鋳型に溶湯を注湯する際にガスの発生量が多くなり過ぎ、鋳造される鋳物の内部にまでガスが入り込むガス欠陥が発生するおそれがあって、好ましくない。
この炭素質材料の他に、あるいは炭素質材料に替えて、ジルコンや酸化アルミニウムのような溶湯との濡れ性を悪くする材料を粘結層に含有させるようにしてもよい。
粘結層にはさらに、粘結剤コーテッドサンドの流動性を良くするために、滑剤を含有させるようにしてもよい。滑剤としては、パラフィンワックスやカルナバワックス等の脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪族系アルコール、エチレンビスステアリン酸アマイドやステアリン酸アマイド等の脂肪族アマイド系滑剤、金属石けん系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、複合滑剤などを用いることができるが、なかでも金属石けん系滑剤が好ましい。金属石けん系滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどや、これらを複数種組み合わせたものを用いることができる。
そして、糖類や炭素質材料、あるいはさらに必要に応じて滑剤など他の材料を耐火骨材に配合して混合することによって、糖類と炭素質材料を含有する被覆層を耐火骨材の表面に被覆した粘結剤コーテッドサンドを得ることができるものである。
ここで、耐火骨材に糖類と炭素質材料を同時に加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する被覆層を形成することができる。このように耐火骨材に糖類を配合する際に同時に炭素質材料を配合して混合するようにすれば、糖類と炭素質材料が均一に分散された粘結層を耐火骨材の表面に被覆することができるものである。
あるいは、耐火骨材に糖類と炭素質材料とを予め混合したものを加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層を形成することができる。この方法によれは、炭素質材料を糖類と予め混合した状態で耐火骨材に加えることができるため、炭素質材料の粉じんが飛散することを抑制しつつ耐火骨材と混合することができるものである。しかも糖類と炭素質材料が均一に分散された粘結層を耐火骨材の表面に被覆形成することができるものである。
あるいは、耐火骨材に炭素質材料を加えて混合した後、これに糖類を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層を形成することができる。この方法では、炭素質材料を糖類よりも先に耐火骨材と混合しているため、炭素質材料を混合する時間を長くすることができ、分散させ難い炭素材料をより均一に分散させた粘結層を形成することができるものである。
あるいは、耐火骨材に糖類を加えて混合した後、これに炭素質材料を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層を形成することができる。この方法で粘結層を形成するようにすれば、炭素質材料を粘結層の外周側に偏在させることができるものであり、炭素質材料による鋳型と溶湯との濡れの悪さを高める効果をより高く得ることができるものである。
糖類と炭素質材料を耐火骨材の表面に被覆して粘着層を形成する方法としては、ホットコート法、コールドコート法、セミホットコート法、粉末溶剤法などがある。
ホットコート法は、110〜180℃に加熱した耐火骨材に、水などの溶剤に糖類を溶解乃至分散させて液状にし、これと炭素質材料粉末とを耐火骨材に添加して混合し、溶剤を揮散させることによって、糖類と炭素質材料を含有する粘結層を被覆した粘結剤コーテッドサンドを得る方法である。
コールドコート法は、糖類を水などの溶剤に分散乃至溶解して液状にし、これと炭素質材料を耐火骨材に添加して混合し、溶剤を揮発させることによって、糖類と炭素質材料を含有する粘結層を被覆した粘結剤コーテッドサンドを得る方法である。
セミホットコート法は、水などの溶剤に分散乃至溶解した糖類と分散混合した炭素質材料を、50〜90℃に加熱した耐火骨材の粒子に添加して混合し、溶剤を揮発させることによって、糖類と炭素質材料を含有する粘結層を被覆した粘結剤コーテッドサンドを得る方法である。
粉末溶剤法は、固形の糖類を粉砕し、この粉砕物と炭素質材料を耐火骨材に添加してさらに水やメタノールなどの溶剤を添加し、これを混合して溶剤を揮発させることによって、糖類と炭素質材料を含有する粘結層を被覆した粘結剤コーテッドサンドを得る方法である。
以上のいずれの方法においても、耐火骨材の表面を常温(30℃)で固形の粘結層で被覆して、粒状でさらさらした粘結剤コーテッドサンドを得ることができるが、作業性などの点においてホットコート法が好ましい。
上記のように調製した粘結剤コーテッドサンドを用いて鋳型を製造するにあたっては、成形型内に粘結剤コーテッドサンドを充填し、次にこの成形型内に水蒸気を供給して、水蒸気で粘結剤コーテッドサンドを加熱することによって行なうことができる。
すなわち、粘結剤コーテッドサンドを充填した成形型内に水蒸気を供給して通過させると、まず水蒸気が粘結剤コーテッドサンドに接触することで熱を奪われて凝縮水が生成され、粘結剤コーテッドサンドの粘結層の糖類に凝縮水が作用する。そして固形状態にある粘結層の糖類に凝縮水が作用すると、糖類はこの凝縮水を吸収して膨潤あるいは溶解して糊化し、粘着性が生じる。このように粘結層に粘着性が生じることによって、成形型内に充填された粘結剤コーテッドサンドの耐火骨材はこの粘結層の粘着性で結合される。次いで、引き続いて成形型内に供給して通過される水蒸気の凝縮潜熱及び顕熱で粘結剤コーテッドサンドが加熱され、粘結層に作用した水分が蒸発して乾燥するものであり、糖類を含有する粘結層を乾燥固化させることができ、耐火骨材をこの固化した粘結層によって結合させて、鋳型を成形することができるものである。
図1は水蒸気による加熱で鋳型を製造する方法の一例を示すものであり、図1(a)のように成形型1は内部にキャビティ6を設けると共に上面にこのキャビティ6に連通する注入口3を設けることによって形成されるものである。この成形型1は一対の型1a,1bからなるものであり、型1a,1bのうち少なくとも一方の対向面にエアーベント7を形成するための溝が設けてある。エアーベント7は、粘結剤コーテッドサンド2は通過させないが水蒸気などの気体は容易に通過する寸法に形成されるものである。そして一対の型1a,1bを合致させるように型締めすることによって、成形型1を形成することができるものである。
粘結剤コーテッドサンド2はサンド供給ヘッド9に供給されており、サンド供給ヘッド9のノズル10を成形型1の注入口3に図1(b)のように接続し、サンド供給ヘッド9に連結したエアー配管11から高圧エアーをサンド供給ヘッド9に供給することによって、このエアー圧で粘結剤コーテッドサンド2をノズル10から注入口3を通して成形型1のキャビティ6内に注入することができるものである。粘結剤コーテッドサンド2と共にキャビティ6内に吹き込まれるエアーはエアーベント7から排出されるものであり、キャビティ6内に粘結剤コーテッドサンド2を充填することができるものである。
次に、図1(c)のように水蒸気供給ヘッド17のノズル18を注入口3に接続する。水蒸気供給ヘッド17には蒸気ホース19が連結してあって、蒸気ホース19から水蒸気供給ヘッド17に水蒸気が供給されており、ノズル18から注入口3を通して水蒸気を成形型1のキャビティ6内に吹き込むことができるものである。成形型1内に吹き込まれた水蒸気は、キャビティ6内の粘結剤コーテッドサンド2を通過した後、エアーベント7から排気される。図1(c)の例では、水蒸気を注入口3から成形型1内に吹き込むようにしたが、エアーベント7などから吸引を行なうことによって、水蒸気が注入口3から吸い込まれて成形型1内を通過するようにしてもよい。また水蒸気の吹き込みと吸引を併用するようにしてもよい。
上記のように粘結剤コーテッドサンド2を充填した成形型1内に水蒸気を供給して通過させ、粘結剤コーテッドサンド2の粘結層の粘着成分である糖類を水蒸気の凝縮水で糊化して、粘結層で耐火骨材を粘着結合させた後、引き続いて成形型1内に供給される水蒸気の凝縮潜熱と顕熱で粘結剤コーテッドサンド2が加熱される。水蒸気は高い潜熱と顕熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱と顕熱で粘結剤コーテッドサンド2の粘結層の水分が蒸発して乾燥し、耐火骨材をこの乾燥して固化した粘結層によって結合させて、鋳型を成形することができるものである。成形型1に水蒸気を供給して鋳型を成形するのに要する時間は、水蒸気の温度や吹き込み流量、粘結剤コーテッドサンド2の充填量などで変動するが、通常、3〜50秒程度の短時間である。
ここで、成形型1に吹き込む水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、本発明では過熱水蒸気を用いるのが好ましい。過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱して、沸点以上の温度とした完全気体状態の水蒸気であり、100℃以上の乾き蒸気である。飽和水蒸気を加熱して得られる過熱水蒸気は、圧力を上げないで定圧膨張させたものであってもよく、あるいは膨張させないで圧力を上げた加圧水蒸気であってもよい。成形型1内に吹き込む過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、過熱水蒸気は900℃程度にまで温度を高めることができるので、100〜900℃の間で必要に応じた温度に設定すればよい。
また、上記のように粘結剤コーテッド耐火物2を充填した成形型1内に水蒸気を通して鋳型を製造するにあたって、成形型1内に生成される凝縮水は、後から吹き込まれる水蒸気によって加熱されて気化され、エアーベント7から排出されるが、成形型1のキャビティ6の形状などによっては、凝縮水の気化が十分にされずに、凝縮水の一部が成形型1内に残留することがある。このように成形型1内に凝縮水が残留していると、成形型1から脱型した鋳型内にこの残留凝縮水が水分として浸透した状態で含有されることになる。そして鋳型に水分が含有されていると、この鋳型を用いて鋳造を行なう際に、高温の溶湯を鋳型に注湯すると、鋳型に含まれる水分が溶湯の高温で加熱されて急速に気化し、鋳型が爆裂するなどの極めて危険な事故が起こるおそれがある。このため、成形型1から鋳型を取り出した後、乾燥炉などに入れて、鋳型内の水分を除去しなければならず、乾燥工程が増えることになるものであった。
そこでこの場合には、上記のように粘結剤コーテッド耐火物2を充填した成形型1内に水蒸気を通して、粘結剤コーテッド耐火物2を加熱して鋳型を成形した後、水蒸気の供給を停止し、この水蒸気の替りに乾燥気体を成形型1内に通すようにするのがよい。乾燥気体は成形型1内に注入口3から供給されるものであり、このように成形型1内に供給された乾燥空気は成形型1内で成形された鋳型の粘結剤コーテッド耐火物2の粒子間を通過し、エアーベント7から排出される。従って成形型1内で成形された鋳型内に残留凝縮水が水分として残っているときには、この水分は乾燥気体中に気化し、乾燥気体と共にエアーベント7から排出されるものであり、鋳型を乾燥させることができるものである。
このため、内部を乾燥させた状態で鋳型を成形型1から取り出すことができるものであり、乾燥炉などで鋳型を乾燥するという乾燥工程を特別に設けるような必要がなくなるものである。
ここで乾燥気体とは、気体中の水分含有率が成形型1に供給される蒸気の水分含有率より低い乾いた気体という意味であり、乾燥処理をした気体という意味ではなく、水分含有率が低ければ乾燥処理を行なうような必要はない。乾燥気体の水分含有量は特に限定されるものではないが、気体1m当りの水分含有量は200g/m以下であることが好ましく、より好ましくは100g/m以下であり、特に好ましくは50g/m以下である。このような水分含有量が低い乾燥気体を成形型1に供給することによって、鋳型の乾燥を効率良く行なうことができるものである。また乾燥気体は加熱して使用する必要はない。乾燥気体を加熱して使用すると、加熱するための設備やエネルギーコストが必要となるので好ましくないものであり、このため本発明では、乾燥気体を加熱も冷却もしないそのままの温度で、すなわち上記した鋳型を製造する工程の雰囲気温度、例えば鋳型の製造設備を設置した工場内の雰囲気温度のまま、乾燥気体を使用するようにしている。この雰囲気温度は、季節や時刻などによって異なるが、通常、0℃から50℃程度の範囲である。
また、乾燥気体の種類は、特に限定されるものではなく、空気や、窒素等の不活性気体などを用いることができる。なかでも、大気中の空気はコストを要することなくそのまま用いることができるので、好ましい。
上記のように成形型1への水蒸気の供給を停止した後、成形型1内に乾燥気体を通して鋳型の乾燥を行なうにあたって、成形型1内に乾燥気体を通す時間は、鋳型の大きさや乾燥気体の供給量などに応じて変動するものであって特に限定されるものではないが、通常、10〜90秒程度である。乾燥気体を通す時間が10秒未満であると、成形型1内の鋳型の乾燥が不十分になるおそれがある。逆に乾燥気体を通す時間が90秒を超える場合、乾燥品質が過剰になるばかりでなく、成形型1への粘結剤コーテッド耐火物2の充填から、鋳型を脱型するまでの成形サイクルが長くなり、生産性に問題が生じるおそれがある。
成形型1への水蒸気の供給を停止した後に、成形型1内に乾燥気体を通すにあたっては、図2に示すように、給気ヘッド21のノズル24を注入口3に接続し、給気ホース23を通して供給される乾燥気体を注入口3から成形型1内に供給することによって行なうことができる。このとき、乾燥気体として大気中の空気を用いる場合、コンプレッサーや給気ファンなどの送風機器が給気ホース23に接続してあり、鋳型製造工程の雰囲気の空気をそのまま送風機器から給気ホース23を通して成形型1に吹き込むことができる。
図2の実施の形態では、成形型1内に乾燥気体を通して乾燥を行なうにあたって、注入口3から成形型1内に乾燥気体を吹き込むようにしたが、エアーベント7などから吸引を行なうことによって、乾燥気体が注入口3から成形型1内に吸い込まれ、成形型1内を通過した後にエアーベント7などから排出されるようにしてもよい。
上記のように粘結剤コーテッドサンドの粘結層を水蒸気で加熱して鋳型を製造するにあたって、粘結層に粘結成分として含有されている糖類は、加熱されて固化するときに有害なガスを発生するようなことはないものであり、環境を汚染するようなことなく鋳型を製造することができるものである。
そして上記のようにして成形した鋳型に高温の溶湯を注湯することによって、鋳物を鋳造することができるものである。ここで、溶湯は一般に600〜1700℃程度の高温を有するので、鋳型に溶湯を注湯すると、鋳型にはこの高温が作用し、粘結剤コーテッドサンドの耐火骨材に被覆された粘結層の糖類が熱分解される。糖類は主として炭素、酸素、水素からなるので、糖類が熱分解されると二酸化炭素と水(水蒸気)が分解ガスとして発生する。従って、鋳物を鋳造する際に鋳型から有害なガスや悪臭を有するガスが発生するようなことはなく、鋳造の作業環境を汚染するようなことがなくなるものである。
また、糖類は加熱分解されると、一部が炭(カーボン)として残るだけであり、多くがガスとして放出される。従って、高温の溶湯を鋳型に注湯する際に糖類が分解されることによって多量のガスが鋳型の表面に放出される。また粘結層に含有される炭素質材料も一部に分解が生じてガスが発生する。鋳型に溶湯を注湯する際にこのように多量のガスが発生することによって、このガスが鋳型の表面と溶湯との間にエアーカーテンのようなガスバリアを形成し、鋳型の表面に高温の溶湯が直接接触することを抑制することができるものである。
従って、このガスバリアによって鋳型を溶湯の高温から保護することができ、溶湯と鋳型との界面において溶湯の差し込みや焼き付きが生じることを防ぐことができ、鋳物の肌が荒れたり鋳物の表面に砂かみ不良が生じたりすることを防止することができるものである。さらに鋳物の表面に鋳型の表面がそのまま転写されることを防いで、鋳物の鋳肌を向上させることができるものである。
また粘結剤コーテッドサンドの粘結層に含有される炭素質材料は溶湯との濡れ性が悪い。従って粘結層のこの炭素質材料によっても、鋳型を溶湯から保護することができるものであり、溶湯の差し込みや焼き付きを防ぐ効果を高く得ることができるものである。また一般に、砂などの耐火骨材と溶湯(溶融鉄)との濡れは酸化鉄の存在で促進されることが知られているが、粘結剤コーテッドサンドの粘結層に含有される炭素質材料によって、鋳型中のガス雰囲気を還元性に保ち、酸化鉄の生成を防止して、溶湯との濡れの悪さを維持することができるものである。
上記のようにして、塗型剤を用いるような必要なく、また塗型剤を用いても少ない使用量で、鋳型を溶湯の高温から保護することができるものであり、鋳物の鋳肌を向上させることができるものである。そして上記のようにガスバリアを形成して鋳型を溶湯の高温から有効に保護するためには、鋳型に1000℃の温度が120秒間作用した際に発生するガスのトータル量が鋳型1cm当り35mL(ミリリットル)以上であることが望ましい。ガス発生量がこれより少ないと、ガスバリアの効果が不十分になって、鋳肌向上の効果が不十分になるおそれがある。しかし、逆にガスの発生量が多すぎる場合には、鋳物の内部にまでガスが入り込むガス欠陥が発生するおそれがあるので、鋳型に1000℃の温度が120秒間作用した際に発生するガスのトータル量が鋳型1cm当り50mLを超えないようにするのが好ましい。
既述のように、本発明において粘結成分として用いる糖類は、熱分解される際に多量のガスを生成するため、鋳造時に鋳型から上記のような多量のガスを発生させることが容易であるが、ガスの発生量を上記の範囲に調整するため、耐火骨材に被覆する粘結層の糖類や炭素質材料の量や比率を調整して粘結剤コーテッドサンドを調製する必要がある。糖類や炭素質材料の種類に応じて多少の変化はあるが、耐火骨材100質量部に対して、糖類が0.5〜5.0質量部、炭素質材料が0.1〜3.0質量部の範囲になるように、糖類や炭素質材料の量を調整して粘結層を形成するのが好ましい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(粘結剤コーテッドサンド(1)の調製)
140℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これに糖類としてデキストリン(日澱化學(株)製「ND−S」)750gを水450gに溶解乃至分散させた水溶液と、炭素質材料として固定炭素量が95質量%、平均粒径が100μmの天然黒鉛の粉末を150g加え、約60秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(1)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(1)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.5%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(2)の調製)
140℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これに糖類として酵素変性デキストリン(日澱化學(株)製「アミコールNo6−H」)750gを水450gに溶解乃至分散させた水溶液と、炭素質材料として固定炭素量が70質量%、平均粒径が50μmの石炭ピッチコークスの粉末150を加え、約60秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(2)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(2)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.5%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(3)の調製)
150℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れた。一方、糖類としてコーンスターチを750g、炭素質材料として固定炭素量が82質量%、平均粒径が30μmの天然黒鉛の粉末を150g、水500gに混合して溶解乃至分散させた水溶液を調製し、この水溶液をワールミキサーに投入して、約60秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(3)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(3)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.5%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(4)の調製)
140℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これに炭素質材料として固定炭素量が80質量%、平均粒径が30μmの石炭ピッチコークスの粉末を150g加えて、約15秒間混合し、次に糖類としてデキストリン(日澱化學(株)製「ND−S」)750gを水450gに溶解乃至分散させた水溶液を加えて、約60秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(4)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(4)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.5%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(5)の調製)
140℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これに糖類としてデキストリン(日澱化學(株)製「ND−S」)750gを水450gに溶解乃至分散させた水溶液を加えて、15秒間混練し、次に炭素質材料として固定炭素量が80質量%、平均粒径が30μmの石炭ピッチコークスの粉末を180g加えて、約45秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(5)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(5)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.6%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(6)の調製)
糖類としてデキストリン(日澱化學(株)製「ND−S」)を750g、炭素質材料として固定炭素量が80質量%、平均粒径が30μmの石炭ピッチコークスの粉末を180g、それぞれ水1500gに加えて、良く混合することによって分散乃至溶解させた。次にこの液をステンレスバットに払い出し、これを80℃の乾燥器に入れて約12時間を要して乾燥させた後、冷却し、粒径100μm以下に粉砕した。
150℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これに上記の粉砕した粉末930gを水600gに加えて良く混合して分散乃至溶解した溶液を加え、約60秒間混練した。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム15gを添加して20秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、粘結剤コーテッドサンド(6)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(6)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0.6%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(7)の調製)
上記の(粘結剤コーテッドサンド(1)の調製)において、炭素質材料を加えないようにした他は、同じようにして、粘結剤コーテッドサンド(7)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(7)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0%であった。
(粘結剤コーテッドサンド(8)の調製)
上記の(粘結剤コーテッドサンド(2)の調製)において、炭素質材料を加えないようにした他は、同じようにして、粘結剤コーテッドサンド(8)を得た。この粘結剤コーテッドサンド(8)はさらさらとした粒状物であり、フラタリーサンドに対する糖類の質量比率は2.5%、炭素質材料の質量比率は0%であった。
上記の粘結剤コーテッドサンド(1)〜(8)について、糖類、炭素質材料の種類、耐火骨材に対する糖類や炭素質材料の質量比率をまとめて、表1に示す。
Figure 2013107081
(実施例1〜6、比較例1〜2)
粘結剤コーテッドサンド(1)〜(8)を用いて鋳型を作製した。すなわち、キャビティの大きさが20mm×10mm×80mmに形成された成形型を120℃に予熱して用い、そしてまず、粘結剤コーテッドサンド(1)〜(8)を、ゲージ圧力0.1MPaの空気圧で成形型内に吹き込んで充填した(図1(b)参照)。
この後、成形型に水蒸気供給ヘッドを接続し、ボイラーで発生させたゲージ圧力0.3MPa、温度143℃の飽和水蒸気を過熱蒸気発生装置(野村技工(株)製「GE−100」)で加熱して調製される、350℃、ゲージ圧力0.45MPaの過熱水蒸気を、60kg/hの流量で供給し、成形型内に25秒間吹き込んだ(図1(c)参照)。
このようにして、曲げ強さ試験用の20mm×10mm×80mmの鋳型を造型し、脱型後の鋳型の臭気を鼻で嗅いで測定した。またこの試験用の鋳型について、曲げ強さをJIS K6910に準拠して測定した。
またガス発生量を、橋本理化(株)製「鋳物砂ガス発生量試験機」(型式:手動読み取り式)を用いて、次のようにして測定した。すなわち、上記の曲げ試験用の鋳型から、幅10mm、高さ10mm、長さ10mmの試験片を切り出し、この試験片をJACT試験法SC−1に準拠して1000℃で加熱し、加熱開始後10秒ごとに120秒後までガスの発生量を測定し、そのトータル量の最大値を次式のように試験片の体積で割って、ガス発生量とした。
ガス発生量(mL/cm)=
発生したガス量(mL)/試験片の体積(cm
これらの結果を表2に示す。
Figure 2013107081
表2にみられるように、実施例及び比較例のいずれも、粘結剤としてフェノール樹脂などの樹脂類を使用しないので、鋳型を製造する際に臭気は発生しないものであった。
(実施例7〜12、比較例3〜4)
成形型1として、図3に示すように、上下割の型1a,1bからなるものを用いた。上の型1aに下方へ開口する半球状凹面の凹所6aを設けると共に上面と凹所6aとに面して開口する注入口3を形成した。また下の型1bの上面に半球状突面のコア部6bを設け、コア部6aの外側に上下に連通するエアーベント7を形成した。そして上下の型1a,1bを型締めすることによって、凹所6aとコア部6bの間にキャビティ6が形成され、注入口3及びエアーベント7がこのキャビティ6に連通するようになっている。
この図3の成形型を120℃に予熱して用い、そしてまず、粘結剤コーテッドサンド(1)〜(8)を、ゲージ圧力0.1MPaの空気圧で成形型内に吹き込んで充填した(図1(b)参照)。
次に、成形型に水蒸気供給ヘッドを接続し、ボイラーで発生させたゲージ圧力0.3MPa、温度143℃の飽和水蒸気を過熱蒸気発生装置(野村技工(株)製「GE−100」)で加熱して調製される、350℃、ゲージ圧力0.45MPaの過熱水蒸気を、60kg/hの流量で供給し、成形型内に30秒間吹き込んだ(図1(c)参照)。
この後、成形型に給気ヘッドを接続し、成形型1を設備した室内の空気を乾燥気体として、2m/分の流量で20秒間、成形型に吹き込んで供給した。成形型を設備した室内は、室温が20℃であり、また相対湿度は60%RHであって、空気の含有水分量は9g/mであった。
そして成形型から脱型することによって、開口部の内径が100mm、深さが100mm、肉厚が20mmの容器形状の鋳型を取り出した。
この容器形状の鋳型を用いて鋳造し、鋳造物の鋳肌を観測した。すなわち、この容器形状の鋳型に1400℃のダクタイル鋳鉄の溶湯を流し込んで冷却することによって鋳物を鋳造し、得られた鋳物を鋳型から取り出し、鋳物の表面を目視で観察することによって、差し込みや焼き付きを調べると共にこれらを含めて鋳肌の状態を評価した。鋳肌の状態が非常に良好ものを「◎」、良好なものを「○」、普通のものを「△」、悪いものを「×」と判定し、表3に示す。
Figure 2013107081
表3にみられるように、粘結剤として糖類と炭素質材料を併用した実施例7〜12のものは、差し込みや焼き付きがなく、鋳肌の状態が良好あるいは非常に良いものであった。一方、糖類に炭素質材料を併用しなかった比較例3〜4では差し込みや焼き付きがあり、良好な鋳肌を得ることができないものであった。
1 成形型
2 粘結剤コーテッドサンド

Claims (12)

  1. 耐火骨材の表面に、粘結成分としての糖類と炭素質材料とを含有する粘結層を被覆して成ることを特徴とする粘結剤コーテッドサンド。
  2. 粘結剤コーテッドサンドを用いて造型された鋳型を1000℃で120秒間加熱したときのガス発生量が、鋳型1cm当り35mL以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘結剤コーテッドサンド。
  3. 粘結剤コーテッドサンドは、水蒸気で加熱して粘結層の糖類を粘結・固化させることにより鋳型を造型するために用いられるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘結剤コーテッドサンド。
  4. 炭素質材料の固定炭素量が50〜98質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンド。
  5. 耐火骨材に糖類と炭素質材料を同時に加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンド。
  6. 耐火骨材に糖類と炭素質材料とを予め混合したものを加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンド。
  7. 耐火骨材に炭素質材料を加えて混合した後、これに糖類を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンド。
  8. 耐火骨材に糖類を加えて混合した後、これに炭素質材料を加えて混合することによって、耐火骨材の表面に糖類と炭素質材料を含有する粘結層が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンド。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の粘結剤コーテッドサンドを成形型内に充填し、この成形型内に水蒸気を通して水蒸気により粘結層の糖類を粘結・固化させることを特徴とする鋳型の製造方法。
  10. 水蒸気として過熱水蒸気を用いることを特徴とする請求項9に記載の鋳型の製造方法。
  11. 成形型内に水蒸気を通した後、成形型内に乾燥気体を通すことによって成形型内を乾燥することを特徴とする請求項9又は10に記載の鋳型の製造方法。
  12. 請求項9乃至11のいずれかに記載の方法によって製造されたものであることを特徴とする鋳型。
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