JPWO2019070051A1 - 鋳型材料及びその製造方法、鋳型及びその製造方法、並びに鋳物砂の再生方法 - Google Patents

鋳型材料及びその製造方法、鋳型及びその製造方法、並びに鋳物砂の再生方法 Download PDF

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Abstract

最終的に得られる鋳型の崩壊性に優れていると共に、鋳造後の鋳型より回収される砂の再生が容易であり、更には臭気の問題も発生し難い、湿態の鋳型材料を提供すること。鋳物砂表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層を形成し、そのコーティング層が形成された鋳物砂を、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物で被覆することにより、目的とする湿態の鋳型材料とする。

Description

本発明は、鋳型材料及びその製造方法、鋳型及びその製造方法、並びに鋳物砂の再生方法に関するものである。
従来より、金属溶湯の鋳造に用いられる鋳型の一つとして、耐火性骨材からなる鋳物砂を所定の粘結剤にて被覆してなるコーテッドサンド(鋳型材料)を用いて、目的とする形状に造型して得られたものが、用いられている。具体的には、日本鋳造工学会編の「鋳造工学便覧」第78〜90頁には、そのようなコーテッドサンドにおける粘結剤として、水ガラスの如き無機系粘結剤の他、フェノール樹脂やフラン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を用いた有機系粘結剤が明らかにされており、また、それら粘結剤を用いて自硬性鋳型を造型する手法も、明らかにされている。
例えば、特許文献1(特開2012−76115号公報)においては、耐火骨材(鋳物砂)の表面に、粘結剤として水ガラス等の所定の水溶性無機化合物を含有する固形のコーティング層が被覆されてなる、流動性が良好な粘結剤コーテッド耐火物(コーテッドサンド)が、明らかにされている。また、同文献には、そのような流動性が良好な粘結剤コーテッド耐火物(コーテッドサンド)を、鋳型造型のための成形型の成形キャビティ内に充填した後、その成形型内に水蒸気を通気せしめることにより、粘結剤コーテッド耐火物(コーテッドサンド)の固化が進行し、目的とする鋳型が得られる手法についても、明らかにされている。
ここで、水ガラス等の無機系粘結剤を用いて構成されるコーテッドサンド(鋳型材料)は、有機系粘結剤を用いたコーテッドサンド(鋳型材料)と比較して、有機分の含有量が少ないため、造型時や鋳造時の熱による種々のガスの発生が有利に抑制され、臭気等の問題を発生し難いものであることが、従来より知られている。しかしながら、特許文献1に開示のものを始めとする、従来の無機系粘結剤を用いて構成されるコーテッドサンド(鋳型材料)にあっては、鋳造後の鋳型から鋳物砂(耐火性骨材)を回収し、その回収砂を焙焼処理によって再生しようとすると、回収砂の表面に残存する無機系粘結剤が燃焼せず、逆に焼結してしまって鋳物砂(耐火性骨材)の表面に硬く張り付くため、再生が困難であるという問題を内在している。特に、無機系粘結剤として水ガラスを用いたコーテッドサンド(鋳型材料)は、鋳造時の熱によって水ガラスがガラス化してしまい、鋳造後に回収した鋳物砂に対して焙焼処理及び研磨処理を実施しても、砂表面のガラス化した水ガラスを除去することが非常に困難であるという問題がある。また、無機系粘結剤を用いた従来のコーテッドサンド(鋳型材料)には、それを用いて得られる鋳型の崩壊性が十分なものではなく、この点においても未だ改善の余地が残されているのである。
特開2012−76115号公報
「鋳造工学便覧」第78〜90頁
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、鋳型の崩壊性に優れていると共に、鋳物砂の再生が容易な鋳型材料を提供することにある。また、本発明は、そのような優れた特性を有する鋳型材料を有利に製造することが出来る方法、かかる鋳型材料を用いた鋳型及びその製造方法、更には、鋳物砂の再生方法を提供することをも、その解決課題とするものである。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載から把握され得る発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 有機化合物を含む固体状のコーティング層で被覆された鋳物砂が、
水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物にて被覆されていること
を特徴とする湿態の鋳型材料。
(2) 前記固体状のコーティング層の厚さが0.1〜6μmである前記態
様(1)に記載の鋳型材料。
(3) 前記有機化合物が、架橋硬化性樹脂及びその硬化物、熱可塑性樹脂
、炭水化物からなる群より選ばれる少なくとも一種である前記態様(
1)又は前記態様(2)に記載の鋳型材料。
(4) 前記架橋硬化性樹脂がフェノール樹脂である前記態様(3)に記載
の鋳型材料。
(5) 前記有機化合物が、重量平均分子量が300以上の高分子化合物で
ある前記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載の鋳型材
料。
(6) 前記有機化合物の25℃の水100gに対する溶解度が1質量%以
下である前記態様(1)乃至前記態様(5)の何れか1つに記載の鋳
型材料。
(7) 前記固体状のコーティング層がカップリング剤を含む前記態様(1
)乃至前記態様(6)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(8) 前記液状の粘結剤組成物における前記水溶性無機粘結剤の固形分量
が10〜80質量%である前記態様(1)乃至前記態様(7)の何れ
か1つに記載の鋳型材料
(9) 前記液状の粘結剤組成物がカップリング剤を含む前記態様(1)乃
至前記態様(8)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(10) 前記液状の粘結剤組成物が無機酸化物粒子を含む前記態様(1)
乃至前記態様(9)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(11) 前期無機酸化物粒子が二酸化珪素粒子である前記態様(10)に
記載の鋳型材料。
(12) 前記液状の粘結剤組成物が耐湿性向上剤を含む前記態様(1)乃
至前記態様(11)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(13) 前記水溶性無機粘結剤が水ガラスである前記態様(1)乃至前記
態様(12)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(14) 前記液状の粘結剤組成物が水を含む前記態様(1)乃至前記態様
(13)の何れか1つに記載の鋳型材料。
(15) 前記態様(1)乃至前記態様(14)の何れか1つに記載の鋳型
材料を用いて造型された鋳型。
(16) 1000℃で240秒間、加熱した時のガス発生量が、1g当た
り3〜30mlである前記態様(15)に記載の鋳型。
(17) 鋳物砂の表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層を形
成せしめる工程と、
前記固体状のコーティング層が形成された鋳物砂に対して、水溶
性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物を添加し、混練乃至は混合
せしめる工程と、
を有する湿態の鋳型材料の製造方法。
(18) 前記有機化合物が架橋硬化性樹脂であり、前記鋳物砂の表面に前
記固体状のコーティング層を形成せしめた後に、該固体状のコーテ
ィング層に含まれる前記架橋硬化性樹脂を硬化せしめる工程を有す
る前記態様(17)に記載の鋳型材料の製造方法。
(19) 前記水溶性無機粘結剤が水ガラスである前記態様(17)又は前
記態様(18)に記載の鋳型材料の製造方法。
(20) 前記液状の粘結剤組成物が水を含む前記態様(17)乃至前記態
様(19)の何れか1つに記載の鋳型材料の製造方法。
(21) 前記態様(1)乃至前記態様(14)の何れか1つに記載の鋳型
材料を成形型内に充填した後、かかる成形型内で保持し、a)該成
形型を加熱することにより、b)該成形型内に硬化剤を添加するこ
とにより、又は、c)該成形型内を減圧することにより、該成形型
内に充填された鋳型材料を固化乃至は硬化せしめて、目的とする鋳
型を得ることを特徴とする鋳型の製造方法。
(22) 前記成形型の保持中に、該成形型内に熱風又は過熱水蒸気が通気
せしめられる前記態様(21)に記載の鋳型の製造方法。
(23) 前記成形型の保持中に、該成形型内に二酸化炭素、アルゴン、窒
素、ヘリウム、空気のうち少なくとも一種からなるキャリアガスが
通気せしめられる前記態様(21)又は前記態様(22)に記載の
鋳型の製造方法。
(24) 前記成形型が、80℃〜300℃の温度に加熱される前記態様(
21)乃至前記態様(23)の何れか1つに記載の鋳型の製造方法

(25) 前記態様(1)乃至前記態様(14)の何れか1つに記載の鋳型
材料の固化物乃至は硬化物からなる鋳型を用いて、鋳造を行なった
後、該鋳型から鋳物砂を回収し、乾式再生処理を施して再生砂を得
ることを特徴とする鋳物砂の再生方法。
このような本発明に従う湿態の鋳型材料によれば、以下に列挙せる如き各種の効果が奏され得ることとなるのである。
(A) 本発明に従う湿態の鋳型材料からなる鋳型(以下、本段落では、単
に鋳型という)を用いて、鋳造を実施すると、金属溶湯によってもた
らされる熱によって、鋳物砂表面の固体状のコーティング層に含まれ
る有機化合物が効果的に熱分解し、以て、鋳造後の鋳型の崩壊性が良
好なものとなる。また、鋳造後の鋳型より回収される鋳物砂にあって
は、上記した有機化合物の熱分解によって、水溶性無機粘結剤の固化
物乃至は硬化物が鋳物砂表面から剥離し易い状態にあることから、回
収した砂に対して研磨工程等を有する乾式再生処理を施すことにより
、容易に再生することが可能である。
(B) 鋳型を用いた鋳造時に、コーティング層に含まれる有機化合物の熱
分解によりガスが発生することから、金属溶湯が鋳型を構成する鋳物
砂の粒子(砂粒)間への浸入を抑制するガス層が、鋳型表面と鋳造製
品と間に有利に形成せしめられ、最終的に得られる鋳造製品の鋳肌が
良好なものとなる。
(C) 本発明に従う湿態の鋳型材料において、有機化合物は固体状にて存
在していることから、有機化合物の揮発等による臭気の問題が発生し
難いものとなっている。
(D) 本発明に係る湿態の鋳型材料において、液状の粘結剤組成物中に無
機酸化物粒子又は耐湿性向上剤を含有せしめると、吸湿した鋳型にお
ける強度低下が有利に抑制されることから、鋳型の耐湿強度を向上さ
せることが出来る。
(E) 本発明の鋳型材料において、カップリング剤を、固体状のコーティ
ング層中に、及び/又は液状の粘結剤組成物中に含有せしめると、濡
れ性及び接着性が向上し、鋳物砂とコーティング層との間の結合及び
/又は鋳物砂表面のコーティング層と水溶性無機粘結剤との結合が、
強固なものとなり、鋳型の強度を向上させることが出来る。
実施例における崩壊性試験にて用いた鋳造試験用砂型の縦断面説明図である。 実施例において廃中子を内包したアルミニウム合金鋳物の縦断面説明図である。
ところで、本発明に従う湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)は、有機化合物を含む固体状のコーティング層で被覆された鋳物砂が、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物によって被覆されて、構成されているものである。このように、本発明の鋳型材料(コーテッドサンド)は、固体状のコーティング層にて被覆された鋳物砂粒子が水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物にて覆われて、構成されているところから、全体として湿った状態(外観)、即ち、湿態状を呈しているのである。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)とは、常温流動性を有さない鋳型材料(コーテッドサンド)を意味するものである。より具体的には、以下の手法に従って動的安息角を測定した際に、測定値が得られない鋳型材料(コーテッドサンド)を、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)とする。動的安息角とは、片面が透明で平らな面を持つ円筒内に鋳型材料(コーテッドサンド)を入れ(例えば、直径:7.2cm×高さ:10cmの容器に体積半分まで鋳型材料(コーテッドサンド)を入れる)、一定速度(例えば、25rpm)で回転させ、円筒内で流動している鋳型材料(コーテッドサンド)の層の斜面が平面状となり、斜面と水平面との間で形成する角度を測定したものである。かかる測定方法において、鋳型材料(コーテッドサンド)が円筒内で流動せず、鋳型材料(コーテッドサンド)の層の斜面が平面として形成されず、それ故に動的安息角が測定できないものを、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)とする。湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)は、乾態の鋳型材料(コーテッドサンド)と比較して、製造に手間がかからず、容易である点において、優位性がある。
先ず、本発明に従う湿態の鋳型材料を構成する鋳物砂としては、鋳型の基材として機能する耐火性物質であって、従来から鋳型用として利用されている各種の耐火性の粒状乃至は粉状材料が何れも用いられ得、具体的には、ケイ砂、再生ケイ砂をはじめ、アルミナサンド、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド等の特殊砂や、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子;アルミナ系粒子、ムライト系粒子等の人工粒子及びこれらの再生粒子;アルミナボール、マグネシアクリンカー等を挙げることが出来る。なお、これらの鋳物砂は、新砂であっても、或いは、鋳型の造型に一回或いは複数回、使用された再生砂又は回収砂であっても、更には、そのような再生砂や回収砂に新砂を加えて混合せしめてなる混合砂であっても、何ら差支えない。そして、そのような鋳物砂は、一般に、AFS指数で40〜130程度の粒度のものとして、好ましくは、60〜110程度の粒度のものとして、用いられることとなる。また、鋳物砂は、球状のものであることが好ましく、具体的には粒形係数が1.2以下、より好ましくは1.0〜1.1であることが望ましい。この粒形係数が1.2以下である鋳物砂を用いることにより、鋳型製造時の流動性や充填性が良くなって、鋳物砂材同士の接点数が多くなるところから、同じ強度を発現するために必要な粘結剤の量や添加物量を少なくすることが出来る。なお、ここで用いられる鋳物砂の粒形係数は、一般に、粒子の外形形状を示す一つの尺度として採用され、粒形指数とも称されるものであって、その値が1に近付く程、球形(真球)に近付くことを意味しているものである。そして、そのような粒形係数は、公知の各種の手法で測定された鋳物砂の表面積(砂表面積)を用いて算出された値にて表わされるものであって、例えば、砂表面積測定器(ジョージ・フィッシャー社製)を用いて、1gあたりの実際の鋳物砂粒子(砂粒)の表面積を測定し、それを、理論的表面積で除した値を意味するものである。なお、理論的表面積とは、鋳物砂粒子(砂粒)が全て球形であると仮定した場合の表面積である。
また、本発明の鋳型材料を構成する鋳物砂は、その表面が、有機化合物を含有する固体状のコーティング層が被覆されているものである。このように、鋳物砂の表面に所定のコーティング層が存在していることにより、後述する水溶性無機粘結剤が直接、鋳物砂に接することはない。また、固体状のコーティング層は有機化合物を含有するものであることから、本発明の鋳型材料を用いてなる鋳型(以下、単に鋳型という)に金属溶湯を注湯すると、コーティング層に含まれる有機化合物が熱分解してガス化し、その発生したガスによって、鋳物砂粒子間の接合部分における水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物が有利に破壊されることとなり、鋳型の崩壊性は優れたものとなる。更に、コーティング層に含まれる有機化合物が熱分解してガス化すると、そのガスの内圧によって、鋳物砂粒子上に存在する水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物が、内側から(鋳物砂粒子側から)破壊等されるため、例えば、鋳造後の鋳型より回収した鋳物砂を再生する際の研磨工程において、固化乃至は硬化した水溶性無機粘結剤を鋳物砂粒子表面から剥離し易くなり、鋳物砂の再生が容易となる。加えて、鋳型を用いた鋳造時に、コーティング層に含まれる有機化合物の熱分解によりガスが発生することから、金属溶湯が鋳型を構成する鋳物砂粒子間へ浸入することを抑制するガス層が、鋳型表面と鋳造製品との間に有利に形成せしめられ、以て、最終的に得られる鋳造製品の鋳肌が良好なものとなるのである。
本発明において、鋳物砂表面に形成される固体状のコーティング層の膜厚は、0.1〜6μm、好ましくは0.2〜5μm、より好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μmとされる。膜厚が0.1μmより薄いと、コーティング層として形成することが困難であると共に、水溶性無機粘結剤を含む粘結剤組成物よりなる層の内側においてガス化させるのが困難となる恐れがあり、一方、6μmより厚いと、有機化合物により臭気が発生する恐れがある。なお、コーティング層の膜厚の測定方法としては、コーティング層が形成された鋳物砂粒子をエポキシ樹脂等に埋め込み、イオンカッター等のカッティング装置を用いて切断した鋳物砂粒子の断面を、光学顕微鏡や電子顕微鏡等の光学機械を用いて観察を行ない、断面粒子をランダムに10点選定し、コーティング層の膜厚を計測する方法等を挙げることが出来る。また、膜厚に関しては、鋳物砂粒子が球状である場合は、鋳物砂粒子の平均粒子径と、鋳物砂粒子及び有機化合物の添加量から算出しても良い。
また、本発明で用いられる有機化合物は、鋳物砂粒子の表面に固体状のコーティング層を形成せしめることが可能なものは勿論のこと、固体状のコーティング層に含有せしめることが可能であるものであれば、特に限定されるものではないが、架橋硬化性樹脂及びその硬化物、熱可塑性樹脂、炭水化物からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
架橋硬化性樹脂とは、例えばヘキサメチレンテトラミン、有機エステル、有機酸、炭酸ガス、過酸化物、金属イオン、アミン等の硬化剤若しくは硬化触媒の存在又は非存在の下、加熱若しくは非加熱(常温)下で架橋硬化性を発現し、鋳物砂粒子を相互に結着して鋳型を形成するものである。そのような架橋硬化性樹脂としては、具体的には、フェノール系樹脂、フェノールウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、多官能性アクリルアミド系樹脂(特公平7−106421号公報参照)、不飽和アルキッド樹脂、不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂や、必要に応じてこれらの樹脂を組み合わせた樹脂等を挙げることが出来る。これらの中でも、本発明の効果をより有利に享受できる観点から、特にノボラック型やレゾール型のフェノール系樹脂や、ポリイソシアネート化合物と混合して用いるフェノールウレタン系樹脂が好ましい。
また、架橋硬化性樹脂の硬化物とは、低分子のものを硬化反応させることによって高分子化合物へ分子量を増加させたものである。溶融粘度の低い低分子の材料を用いて鋳物砂粒子の表面をコーティングした後に、加熱や硬化剤の添加によって硬化させておくことで、アルカリ劣化が防止され、表面安定性の良好な高分子量のコーティング層を形成することが出来、被覆性と表面安定性の両立が可能である。また、架橋硬化性樹脂の硬化物には、未硬化の架橋硬化性樹脂と比較すると、1)熱によるコーティング層の軟化が抑えられて鋳型強度が向上し、また、2)予め硬化に必要な熱量が消費されているため、熱が有効に熱分解に使用され、熱分解が速くなるので、鋳型の崩壊性がより向上し、更には、3)予め硬化に伴うガスが放出されていることから、鋳造時のガスの発生量が抑えられる、という利点もある。
さらに、熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなる樹脂等を、挙げることが出来る。それらの中でも、溶剤溶解性(成膜性)の観点から、特にポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリカーボネートが好ましい。
さらにまた、炭水化物としては、具体的には、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、澱粉、グリコーゲン、セルロースからなるもの等を、挙げることが出来る。それらの中でも、成膜性の観点から、特にトレハロース、澱粉、グリコーゲンが好ましい。加えて、その他の有機化合物としては、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアクリルアミドジメチルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリルアミド等が挙げられる。
本発明において、鋳物砂表面のコーティング層に含まれる有機化合物は、鋳物砂粒子への被覆性の観点より、高分子化合物(重合体、多量体)であることが好ましい。具体的には、重量平均分子量が300以上、好ましくは300〜100000000、より好ましくは500〜50000000、さらに好ましくは800〜20000000である高分子化合物(重合体、多量体)が有利に用いられる。高分子化合物(重合体、多量体)の範疇に含まれない有機化合物であっても、固体状のコーティング層の表面安定性の観点より、分子量が300以上であるものが好ましく、鋳物砂粒子への被覆性への観点より、100000000以下のものが好ましい。
また、本発明においては、難水溶性乃至不水溶性の有機化合物が有利に用いられ、特に不水溶性の有機化合物が、固体状のコーティング層に含まれる有機化合物として好適である。何故ならば、易水溶性の有機化合物を用いると、コーティング層の表面に被覆される水溶性無機化合物を含有する液状の粘結剤組成物に含まれる水分中に溶け出してしまい、固体状のコーティング層が維持できなくなる恐れがあるからである。具体的に、本発明においては、25℃の水100gに対する溶解度が、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である有機化合物が、固体状のコーティング層に含まれる有機化合物として用いられる。なお、溶解度とは、有機化合物の10gを25℃の水100gを投入し、1時間撹拌し、更に1時間静置させた時の、溶媒(水)に溶けている有機化合物の量を意味するものである。また、不水溶性の有機化合物とは、水に溶解しない有機化合物である。
さらに、本発明に従う湿態の鋳型材料においては、鋳物砂の表面に設けられたコーティング層に、カップリング剤を含有せしめても良い。かかるコーティング層にカップリング剤を含有せしめることにより、コーティング層の濡れ性及び接着性を向上させ、鋳物砂とコーティング層との間の結合を強化することが出来る。コーティング層に含有せしめるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、ジルコンカップリング剤、チタンカップリング剤等を、好適なものとして挙げることが出来る。尚、コーティング層中のカップリング剤の含有量は、有機化合物の100質量部に対して、一般に、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の割合とされる。
一方、本発明に従う湿態の鋳型材料は、上述した所定のコーティング層で被覆された鋳物砂が、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物によって被覆されて、構成されている。液状の粘結剤組成物に含まれる水溶性無機粘結剤としては、従来より、鋳型材料(コートッドサンド)において使用されているものでれば、如何なるものであっても用いることが可能であり、そのような水溶性無機粘結剤としては、例えば、水ガラス、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酸化アルミニウムナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム等、及び、それらの中から選ばれる2種以上を主成分とするもの等を、挙げることが出来る。これらの中でも、取扱いの容易性及び最終的に得られる鋳型強度の観点より、水ガラス、及び水ガラスを主成分とするものが好ましい。ここで、水ガラスとは、可溶性のケイ酸化合物の水溶液であって、そのようなケイ酸化合物としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸アンモニウム等を挙げることが出来るが、特に、本発明にあっては、ケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)が有利に用いられることとなる。また、水ガラスを主成分として用いて、他に熱硬化性樹脂、糖類、タンパク質、合成高分子、塩類や無機高分子等の水溶性粘結剤を配合しても良い。なお、水ガラスと他の水溶性バインダとを併用する場合、粘結剤の全量における水ガラスの割合は60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90%質量以上とされる。
また、上述した水溶性無機粘結剤は、通常で取り扱う形態として固体のものと、液体のものとが存在するが、固体のものは水溶液の状態にして用いられる。そして、有利には、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物の粘度が、25℃において、5〜2000cP、好ましくは7〜1200cP、より好ましくは7〜800cPとなるように調製される。かかる調製に際しては、水ガラス等の液状の水溶性無機粘結剤にあっても、粘結剤組成物の粘度を調製するために、水に希釈したものを用いることが可能である。また、鋳物砂との混練乃至は混合時に、固体状又は液体状の水溶性無機粘結剤と水とを、耐火性骨材等に対して個別に添加することも可能である。
ここで、本発明において有利に用いられる、水ガラスたるケイ酸ナトリウムについて詳述するに、ケイ酸ナトリウムは、通常、SiO2 /Na2O のモル比により、1号〜5号の種類に分類されて、用いられている。具体的には、ケイ酸ナトリウム1号は、SiO2 /Na2O のモル比が2.0〜2.3であるものであり、またケイ酸ナトリウム2号は、SiO2 /Na2O のモル比が2.4〜2.6であるものであり、更にケイ酸ナトリウム3号は、SiO2 /Na2O のモル比が2.8〜3.3であるものである。加えて、ケイ酸ナトリウム4号は、SiO2 /Na2O のモル比が3.3〜3.5であるものであり、またケイ酸ナトリウム5号は、SiO2 /Na2O のモル比が3.6〜3.8であるものである。これらの中で、ケイ酸ナトリウム1号〜3号は、JIS−K−1408にても規定されている。そして、これらのケイ酸ナトリウムは、単独での使用の他、混合して用いられても良く、また2種以上のものを混合することで、SiO2 /Na2O のモル比を調製することも可能である。
なお、本発明に従う湿態の鋳型材料を有利に得るべく、粘結剤として用いられる水ガラスを構成するケイ酸ナトリウムとしては、SiO2 /Na2O のモル比が、一般に1.9以上、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.1以上であるものが望ましく、上記したケイ酸ナトリウムの分類において、1号及び2号に相当するケイ酸ナトリウムが、特に有利に用いられることとなる。かかるケイ酸ナトリウム1号及び2号は、それぞれ、水ガラス中のケイ酸ナトリウム濃度が広い範囲においても、安定して、特性の良好な鋳型材料を与えるものである。また、そのようなケイ酸ナトリウムにおけるSiO2 /Na2O のモル比の上限は、水溶液の形態にある水ガラスの特性に応じて適宜に選定されることとなるが、一般に3.5以下、好ましくは3.2以下、より好ましくは2.7以下とされることとなる。ここで、SiO2 /Na2O のモル比が1.9よりも小さくなると、水ガラスに多くのアルカリが存在することとなるため、水に対する水ガラスの溶解性が上がり、鋳型材料が吸湿劣化し易くなる恐れがある。一方、SiO2 /Na2O のモル比が3.5よりも大きいケイ酸ナトリウムでは、水に対する溶解性が低いため、最終的に得られる鋳型において、鋳物砂粒子間における接着面積が稼げず、鋳型強度が低下するという問題を生じる恐れがある。
また、本発明において用いられる水ガラスは、水に溶けた状態のケイ酸化合物の溶液のことを意味し、本発明の鋳型材料を製造するに際しては、市場において購入されたままの原液の状態において用いられる他、そのような原液に水を添加して、希釈した状態において用いられることとなる。そして、そのような水ガラスから、水や溶剤等の揮発する物質を除いた不揮発分(水ガラス成分)を固形分と言い、これが、上記したケイ酸ナトリウム等の可溶性のケイ酸化合物に相当するものである。また、そのような固形分の割合が高い程、水ガラス中のケイ酸化合物濃度は、高くなるものである。従って、本発明において用いられる水ガラスの固形分とは、それが原液のみにて構成される場合においては、かかる原液中の水分量を除いた割合に相当することとなり、一方、原液を水にて希釈して得られる希釈液が用いられる場合にあっては、原液中の水分量と希釈に用いられた水の量とを除いた割合が、使用される水ガラスの固形分に相当することとなる。
本発明において、水溶性無機粘結剤として使用可能な塩化ナトリウム(NaCl)は、食塩と言われているように可食性であって、人体に無害であると共に、安価で容易に使用することが出来るものである。また、水に容易に溶解するので、塩化ナトリウムを粘結剤として用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊する鋳型を製造することが出来る。水100gに対する塩化ナトリウムの溶解量は35.9g(20℃)である。更に、塩化ナトリウムの融点は1413℃であり、比較的高いため、耐熱性の高い鋳型を製造することが出来るものである。
また、リン酸ナトリウムとしては、リン酸一ナトリウム水和物(NaH2PO4・xH2 O;xは公知の整数)、リン酸二ナトリウム水和物(Na2HPO4・x’H2O ;x’は公知の整数)、リン酸三ナトリウム水和物(Na3PO4・x”H2O ;x”は公知の整数)などを用いることができる。そして、水100gに対するリン酸三ナトリウム水和物の溶解量が25.8g(20℃)であることに代表されるように、リン酸ナトリウムは水に可溶性であり、また、リン酸二ナトリウム水和物の融点が1340℃であることに代表されるように、リン酸ナトリウムの融点は比較的高い。このため、水溶性無機粘結剤としてリン酸ナトリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
さらに、炭酸ナトリウム(Na2CO3)は、水100gに対する溶解量が17.4g(20℃)であり、水に溶解し易く、しかも安価である。また、融点は851℃と比較的高い。このため、水溶性無機粘結剤として炭酸ナトリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
また、バナジン酸ナトリウム(Na3VO4)は、水に可溶であり、融点は866℃と比較的高い。このため、水溶性無機粘結剤としてバナジン酸ナトリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
さらにまた、酸化アルミニウムナトリウム(NaAlO2 )は、水に可溶であり、また、融点が1700℃以上と高いものである。このため、水溶性無機粘結剤として酸化アルミニウムナトリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
加えて、塩化カリウム(KCl)は、水100gに対する溶解量が34.2g(20℃)であるように、水に溶解し易く、しかも安価である。また、融点は776℃と比較的高い。このため、水溶性無機粘結剤として塩化カリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
また、炭酸カリウム(K2CO3)は、水100gに対する溶解量が111.9g(20℃)であるように、水に溶解し易く、また、融点が891℃であり、比較的高い。このため、水溶性無機粘結剤として炭酸カリウムを用いた鋳型材料は、水で容易に崩壊し、耐熱性が高い鋳型を製造することが可能である。
そして、そのような水溶性無機粘結剤の、液状の粘結剤組成物中における含有割合は、用いられる水溶性無機粘結剤の種類等に応じて適宜の割合とされることとなる。造型スピード及び最終的に得られる鋳型の強度の観点より、有利には、水溶性無機粘結剤の固形分が、10〜80質量%、好ましくは15〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%の割合において、液状の粘結剤組成物中に含有せしめられていることが望ましい。そのような割合において水溶性無機粘結剤の固形分を含む液状の粘結剤組成物を用いることによって、所定の固体状のコーティング層を有する鋳物砂粒子との混合(混練)時に、かかる鋳物砂粒子に対して、ムラなく、均一に、水溶性無機粘結剤成分を被覆させることが出来、それによって、目的とする鋳型を、本発明に従って、有利に造型することが可能となるのである。なお、液状の粘結剤組成物中における水溶性無機粘結剤成分(固形分)の濃度が低すぎるもの、具体的には、固形分の量が10質量%未満である液状の粘結剤組成物を用いると、造型の際に、鋳型材料の乾燥のために加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりする必要があり、そのために、エネルギーロス等の問題が惹起されるようになる。一方、固形分の割合が高すぎる液状の粘結剤組成物を用いると、鋳物砂粒子の表面を、粘結剤組成物にて均一に被覆することが困難となり、鋳型において特性上の問題を惹起する恐れがあるところから、かかる固形分が80質量%以下となるように、従って、水等の溶媒が20質量%以上(水分量が10質量%以上)の割合となるように、液状の粘結剤組成物を調製することが望ましい。
また、水溶性無機粘結剤は、本発明に従う湿態の鋳型材料中において、鋳物砂の100質量部に対して、固体の場合はその質量、液体の場合は固形分のみとして考えた場合の固形分換算で、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜2.5質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部の割合において用いられて、構成されていることが望ましい。そのような量的割合において水溶性無機粘結剤が用いられることにより、鋳物砂粒子の表面に設けられた固体状のコーティング層の表面が、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物にて被覆されてなる本発明の湿態の鋳型材料が有利に構成されることとなる。なお、固形分の測定は、以下のようにして実施される。即ち、アルミ箔製の試料皿(縦:9cm、横:9cm、高さ:1.5cm)内に、試料10gを収容して秤量し、180±1℃に保持した加熱板上に置き、20分間放置した後、かかる試料皿を、反転させて、更に20分間、上記加熱板上に放置する。次いで、かかる試料皿を、加熱板上から取り出して、デシケータ中で放冷した後、秤量を行なって、次式により、固形分(質量%)が算出される。
固形分(質量%)
={[乾燥後の試料皿の質量(g)−試料皿の質量(g)]
/[乾燥前の試料皿の質量(g)−試料皿の質量(g)]}×100
なお、本発明において、水溶性無機粘結剤の使用量が少な過ぎると、鋳物砂の表面に設けられた固体状のコーティング層上に十分な量の水溶性無機粘結剤が存在せず、鋳型材料の固化乃至は硬化が充分に行われ難くなる問題を生じる恐れがある。また、水溶性無機粘結剤の使用量が多くなり過ぎても、鋳物砂の表面に設けられた固体状のコーティング層上に、過剰な量の水溶性無機粘結剤が存在することとなり、鋳物砂粒子が相互に固着して団塊化(複合粒子化)する恐れがあり、そのために、鋳型物性に悪影響をもたらし、また金属を鋳込んだ後の中子の砂落としを難しくする問題をも惹起するようになる。
ここで、本発明に従う鋳型材料においては、上述した水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物中に、カップリング剤を含有せしめることが可能である。かかる粘結剤組成物にカップリング剤を含有せしめることにより、濡れ性と接着性とが向上し、鋳物砂表面のコーティング層と水溶性無機粘結剤との結合を強化することが出来る。なお、かかる効果は、カップリング剤をコーティング層又は粘結剤組成物の何れか一方に含有せしめることにより、享受することが可能であるが、コーティング層及び粘結剤組成物の両者がカップリング剤を含有していることにより、それら両者間の結合力がより向上し、最終的に得られる鋳型においても強度がより向上することとなるため、さらに好ましい。液状の粘結剤組成物に含有せしめるカップリング剤としては、コーティング層に含有可能なカップリング剤として先に列記したものを、例示することが出来る。また、液状の粘結剤組成物におけるカップリング剤の含有量は、そこに含まれる水溶性無機粘結剤の固形分100質量部に対して、一般に、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の割合とされる。
また、水溶性無機化合物を含有する液状の粘結剤組成物は、無機酸化物粒子を含有していても良い。粘結剤組成物が無機酸化物粒子を含有していることにより、鋳型材料の流動性や充填性、更には最終的に得られる鋳型の耐湿性向上に効果がある。本発明において用いられる無機酸化物粒子の大きさは、共に鋳型材料を構成する鋳物砂粒子より小さいものであることが好ましく、具体的には、平均粒子径が0.01μm以上300μm以下、より好適には0.3μm以上200μm以下、特に好適には0.5μm以上100μm以下である無機酸化物粒子が用いられる。なお、この平均粒子径は、レーザ回折式の粒度分布測定装置等によって測定される粒度分布より、求めることが可能である。また、粘結剤組成物における無機酸化物粒子の含有量は、そこに含まれる水溶性無機粘結剤の固形分100質量部に対して、一般に、5〜200質量部、好ましくは10〜100質量部の割合とされる。
なお、本発明において用いられる無機酸化物粒子は、球状粒子でも、非球状粒子でも良いが、球状粒子である方が、本発明の効果がより有利に発揮され、特に、より良好な鋳肌を有する鋳造製品を得ることが可能ならしめられる点において、好ましい。そして、そのような球状粒子は、一般に認識される程度の球状を呈するものであればよく、必ずしも真球状を呈することが必要とされるものではないが、通常、真球度が0.5以上であるものが、好ましくは0.7以上であるものが、更に好ましくは0.9以上であるものが、有利に用いられることとなる。ここで、真球度とは、走査型電子顕微鏡を用いた観察において、単粒子のものを無作為に10個選択し、その投影形状から得られたアスペクト比(短径/長径の比)の平均値を意味するものである。なお、球状ではない無機酸化物粒子を用いた場合、かかる無機酸化物粒子の表面には突起や窪みが存在していることから、例えば、無機酸化物粒子が、供給された水分によって溶液状となった水ガラスと共に鋳物砂粒子間を流動しようとすると、無機酸化物粒子表面の突起等が鋳物砂粒子や他の無機酸化物粒子とぶつかる等して、滑り止め作用が生じてしまい、鋳物砂粒子間への水ガラス及び無機酸化物粒子の流動が妨げられ、その結果、最終的に得られる鋳型の充填性や、その強度を低下させる恐れがある。
また、かかる無機酸化物粒子を構成する材質については、特に限定されるものではないが、無機金属酸化物であることが好ましい。無機金属酸化物からなる粒子としては、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等からなる粒子が有利に用いられるのであり、それらの中でも、特に、二酸化珪素粒子は、強アルカリ性の水ガラスが二酸化珪素の表面上に形成されたシラノール基との反応することが出来、また水の蒸発に際して、二酸化珪素と固形となった水ガラスとの間に強固な結合が形成されて、鋳型強度を向上させ得る点において、好ましい。なお、二酸化珪素には晶質と非晶質とがあるが、非晶質の方が望ましく、非晶質二酸化珪素としては、沈殿シリカ、電気アーク中又は火炎加水分解で生成した焼成シリカ、ZrSiO4 の熱分解により生成したシリカ、酸素を含むガスで金属珪素の酸化により生成した二酸化珪素、溶融及びその後の急冷により結晶石英から生成された球状粒子の石英ガラス粉末等を、例示することが出来る。これらは、単独で用いられ得ることは勿論のこと、2種以上のものを混合して用いることも可能である。なお、本発明において、二酸化珪素は無機金属酸化物として扱うものとする。
さらに、本発明を構成する液状の粘結剤組成物には、耐湿性向上剤を含有せしめても良い。粘結剤組成物に耐湿性向上剤を含有せしめることにより、最終的に得られる鋳型の耐湿性の向上を図ることが出来る。本発明において用いられる耐湿性向上剤としては、鋳型材料において従来より用いられているものであれば、本発明の効果を阻害しないものであり限り、如何なるものであっても使用可能である。具体的には、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、炭酸鉄、炭酸マンガン、炭酸銅、炭酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、四ホウ酸リチウム、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸カルシウム、四ホウ酸ストロンチウム、四ホウ酸銀、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カリウム、メタホウ酸リチウム、メタホウ酸アンモニウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸銀 メタホウ酸銅、メタホウ酸鉛、メタホウ酸マグネシウム等のホウ酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸チタン、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸銅等の硫酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸チタン、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛等の水酸化物、珪素、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、銅、鉄、ホウ素、ジルコニウム等の酸化物等を、例示することが出来る。それらの中でも、特に塩基性炭酸亜鉛、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カリウム、硫酸リチウム、水酸化リチウムは、水溶性無機粘結剤として水ガラスを用いた場合に、より有利に耐湿性を向上させることが可能である。上記したものを始めとする耐湿性向上剤は、単独で用いられ得ることは勿論のこと、2種以上のものを併用することも可能である。なお、先に列記した耐湿性向上剤の中には、水溶性無機粘結剤として使用可能な化合物も含まれているが、かかる化合物にあっては、それとは異なる水溶性無機粘結剤を用いる場合に、耐湿性向上剤として作用させることが可能である。
なお、そのような耐湿性向上剤の使用量としては、その総量において、液状の粘結剤組成物中の水溶性無機粘結剤の固形分100質量部に対して、一般に、0.5〜50質量部程度であることが好ましく、中でも、1〜20質量部がより好ましく、特に、2〜15質量部が更に好ましい。耐湿性向上剤の添加効果を有利に享受するために、0.5質量部以上の使用量であることが望ましいのであり、一方、その添加量が多すぎると、水溶性無機粘結剤の結合を阻害し、最終的に得られる鋳型の強度が低下する等の問題を惹起する恐れがあるところから、50質量部以下とされることが望ましいのである。
さらにまた、本発明に従う鋳型材料においては、鋳物砂粒子の表面を覆う、液状の粘結剤組成物中に、界面活性剤を含有せしめても良い。水溶性無機粘結剤を含む粘結剤組成物中に界面活性剤が含有せしめられていることにより、本発明に従う湿態の鋳型材料は、1)界面活性剤の存在により、その調製(製造)の際に添加される水分量を必要最低限に抑えることが可能ならしめられ、また、2)水の表面張力が抑制され、鋳型材料の流動性が向上し、更に、3)造型された鋳型が、成形型からの離型性に優れていることに加えて、優れた強度をも発揮する、等の効果を、有利に享受することが出来る。本発明において、液状の粘結剤組成物中の界面活性剤の含有量は、そこに含まれる水溶性無機粘結剤の固形分の100質量部に対して、0.1〜20.0質量部であることが望ましく、中でも0.5〜15.0質量部が好ましく、特に0.75〜12.5質量部であることが好ましい。
本発明において、液状の粘結剤組成物に添加される界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の何れをも、用いることが出来る。具体的に、陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。また、陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。更に、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。加えて、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
また、種々の界面活性剤のうち、特に、非極性部位としてシロキサン構造を有するものをシリコーン系界面活性剤といい、パーフルオロアルキル基を有するものをフッ素系界面活性剤という。シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーン、アクリル末端ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アクリル末端ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノプロピル変性シリコーン等が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルフォン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等が挙げられる。
本発明においては、上述の如き各種の界面活性剤を、単独で、又は2種類以上を混合して、用いることが可能である。尤も、界面活性剤によっては、水溶性無機粘結剤と反応し、時間の経過と共に界面活性能が低下乃至は消失する恐れがあるものがあるため、例えば、水溶性無機粘結剤として水ガラスを用いる場合には、かかる水ガラスと反応しない陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が、本発明の鋳型材料においては特に有利に使用される。
加えて、本発明に従う湿態の鋳型材料においては、コーティング層が形成された鋳物砂粒子の表面を覆う液状の粘結剤組成物中に、多価アルコールを含有せしめても良い。このように、水溶性無機粘結剤を含む粘結剤組成物中に多価アルコールが含有せしめられていることにより、鋳型造型の際に、湿態状態にある鋳型材料の膨潤性を、加熱によって固化又は硬化されるまで、安定して維持することが可能となる。本発明において、粘結剤組成物中の多価アルコールの含有量は、そこに含まれる水溶性無機粘結剤の固形分100質量部に対して、0.1〜20.0質量部であることが望ましく、中でも0.5〜15.0質量部がより望ましく、0.75〜12.5質量部であることが最も望ましい。
なお、本発明において用いられ得る多価アルコールとしては、具体的に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を、例示することが出来る。
さらにまた、本発明に従う湿態の鋳型材料においては、鋳物砂粒子の周囲を覆う液状の粘結剤組成物中に、上述したカップリング剤等と共に、或いは単独で、必要に応じて公知の各種添加剤を適宜に含有せしめることも可能である。なお、そのような添加剤を粘結剤組成物に含有せしめるには、液状の粘結剤組成物を調製する際に、水溶性無機粘結剤等と共に組成物内に添加し、その調製された、添加剤を含む粘結剤組成物を、鋳物砂と混練又は混合せしめる方法や、粘結剤組成物とは別個に、所定の添加剤を、鋳物砂に対して添加して、全体を均一に混練乃至は混合せしめる方法等が、採用される。
そのような添加剤の一つとして、本発明においては、鋳型材料の流動性の向上に寄与する滑剤が有利に用いられる。本発明において使用可能な滑剤としては、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックス等のワックス類;ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等の脂肪酸アマイド類;メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等のアルキレン脂肪酸アマイド類;ステアリン酸、ステアリルアルコール;ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート、硬化油等を例示することが出来る。また、離型剤として、パラフィン、ワックス、軽油、マシン油、スピンドル油、絶縁油、廃油、植物油、脂肪酸エステル、有機酸、黒鉛微粒子、雲母、蛭石、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等も使用可能である。そして、これらその他の添加剤は、それぞれ、液状の粘結剤組成物に含まれる水溶性無機粘結剤の固形分100質量部に対して、一般に、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の割合において、含有せしめられる。
ところで、本発明に従う湿態の鋳型材料は、1)先ず、鋳物砂の表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層を形成せしめた後、2)かかるコーティング層が形成された鋳物砂に対して、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物を添加し、混練乃至は混合せしめることにより、有利に製造することが可能である。
そのような製造方法に従い、本発明の湿態の鋳型材料を製造するに当たり、先ず、鋳物砂の表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層を形成する方法としては、公知の各種手法の中から、有機化合物の特性等に応じたものが適宜に選択されて、採用される。例えば、鋳物砂の表面に有機化合物を含有する固体状のコーティング層を形成する手法としては、ドライホットコート法やコールドコート法等を例示することが出来るが、固体状のコーティング層を形成できるのであれば、その方法は、特に限定されるものではない。
なお、ドライホットコート法とは、固体状の有機化合物を、130〜180℃に加熱した鋳物砂に添加して混合し、鋳物砂の熱によって固体状の有機化合物を溶融させ、その溶融した有機化合物で耐火性骨材の表面を被覆させて、しかる後にこの混合を保持したまま冷却することによって、鋳物砂表面に固体状のコーティング層を形成する方法である。また、コールドコート法とは、有機化合物をそのままで、あるいはメタノールなどの溶剤に溶解して液状とし、その液状物を鋳物砂に添加して混合し、溶剤を揮発させること等によって、鋳物砂表面に固体状のコーティング層を形成する方法である。
また、有機化合物として架橋硬化性樹脂を用いる場合は、例えば、上記したコート法に従って固体状のコーティング層を形成した後、更なる加熱により、及び/又は硬化剤若しくは硬化触媒を添加することにより、架橋硬化性樹脂を硬化させ、コーティング層に含まれる架橋性硬化樹脂の分子量を増大させても良い。加熱によって架橋硬化性樹脂を硬化させる場合には、例えば、120℃〜300℃の恒温槽に入れて5〜60分ほど反応硬化させたり、鋳物砂を150℃〜300℃に加熱し、120℃〜300℃に加熱した混練機で5〜60分間ほど混練して反応硬化させたりする方法等がある。なお、コーティング層に含まれる架橋硬化性樹脂が硬化した鋳型材料は、鋳物砂粒子(砂粒)間に強固なネックが存在し、一体塊状化したり、複合粒子を作る可能性があるので、コーティング層で被覆された鋳物砂の表面状態を良好なものとするために、練り込みがあり回転数の速い速練機(スピードマラー)で反応硬化させることが好ましい。また、長時間混練すると剥離が起こり、微粉が発生する可能性があるので、高温でかつ短時間で反応させる方が好ましい。一方、硬化剤又は硬化触媒を用いて架橋硬化性樹脂を硬化させる場合には、かかる硬化剤又は硬化触媒として、例えばヘキサメチレンテトラミン、有機エステル、有機酸、炭酸ガス、過酸化物、金属イオン、アミン等が用いられる。また、架橋性硬化樹脂がフェノールウレタン系樹脂である場合には、フェノール樹脂とポリイソシアネート樹脂とを混合することにより、硬化させることも可能である。硬化剤を用いて架橋硬化性樹脂を硬化させる場合にあっても、混練機で混練させながら反応硬化させることが望ましい。
次いで、その表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層が設けられた鋳物砂を、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物にて被覆せしめるに際しては、例えば、コーティング層が設けられた鋳物砂に対して、粘結剤として水溶液状の水溶性無機粘結剤を、必要に応じて添加剤と共に、混練乃至は混合せしめて均一に混和することにより、有機化合物を含む固体状のコーティング層が設けられた鋳物砂と、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物との混和物からなる、本発明に従う湿態の鋳型材料が得られるのである。なお、混和の際の種々の条件は、水溶液状の水溶性無機粘結剤の種類や水分量等に応じて適宜に決定され、また、混和の際の温度としては、一般に、常温〜40℃程度とされる。本発明に従う湿態の鋳型材料を製造するに際しては、得られる鋳型材料が適度な湿態状を呈するように、その含水分量が調整されることとなるが、例えば、水溶性無機粘結剤として水ガラスを用いた場合には、鋳型材料における含水分量は、水ガラスの固形分量の55質量%より多くなるように、好ましくは70〜900質量%、より好ましくは95〜500質量%となるように調整される。このように含水分量が調整された、本発明に従う湿態の鋳型材料にあっては、鋳型造型時に成形型に充填する際のブローエアーによって、湿態の鋳型材料が乾燥し、ブロックするのを防ぎ、湿態の鋳型材料の湿潤性を保つことが可能ならしめられることに加えて、そのような鋳型材料を用いて造型された鋳型においても、優れた特性が付与されたものとなるのである。なお、鋳型材料の含水分量は、カールフィッシャー法や、乾燥器等で加熱した時の重量変化によって、測定可能である。
かくして得られた、本発明に従う湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を用いて、目的とする鋳型を造型するに際しては、従来より公知の各種手法を採用することが出来る。例えば、上述した湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を、目的とする鋳型を与える成形型の成形キャビティ内に充填する一方、かかる成形型を80〜300℃、好ましくは100〜200℃の温度に加熱して、充填された鋳型材料(コーテッドサンド)が乾燥するまで、成形型内で保持する。このような成形型内での加熱保持により、充填された湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)の固化乃至は硬化が進行することとなる。
すなわち、加熱された成形型のキャビティ内に、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を充填し、保持することにより、鋳型材料を構成する鋳物砂粒子が、周囲に存在する粘結剤組成物に含まれる水溶性無機粘結剤を介して相互に結合して連結し、一体的な鋳型形状を呈する鋳型材料の集合体(結合物)が、形成されるのである。このとき、水溶性無機粘結剤の硬化を促進させるための添加剤として、キャビティ内に硬化剤を添加しても良い。なお、水溶性無機粘結剤は、通常、何の添加剤も加えられていなければ、水の蒸発乾固により固化し、また硬化剤が加えられている場合には、硬化することとなるのである。本発明において、鋳型材料の集合体(結合体)からなる鋳型は、鋳型材料(コーテッドサンド)が、単に固化したもの(固化物)、及び硬化剤によって硬化したもの(硬化物)の何れをも含むものである。
なお、硬化剤としては、二酸化炭素(炭酸水)、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、カルボン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸や、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−プロピオンラクトン、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、グリセリンジアセテート、トリアセチン、プロピレンカーボネート等のエステルや、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等の一価のアルコール等を、例示することが出来る。これら硬化剤は、単独で用いられ得ることは勿論のこと、2種以上のものを混合して、使用することも可能である。
また、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を成形型のキャビティ内で加熱するに際しては、有利には、予め所定の温度に加熱(予熱)され、その温度にて保温された状態の成形型を準備し、かかる成形型のキャビティ内に鋳型材料を充填し、鋳型材料を加熱することが好ましい。このように、成形型を予め加熱しておくことにより、鋳型材料の乾燥を速め、造型時間の短縮化を図ることが可能である。この予熱による保温温度としては、80〜300℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃が採用される。乾燥を速め、造型時間を短縮する理由と、添加剤による耐湿強度の向上を図る観点より、80℃以上であることが好ましく、鋳物砂粒子間の結合が十分に形成される前に水分が蒸発し、鋳型強度が発現しなくなるという問題の発生を防止する観点より、300℃以下であることが好ましい。このような温度範囲内の温度にて成形型を加熱することにより、最終的に得られる鋳型の耐湿強度を向上せしめ得ると共に、鋳型材料の乾燥が、有利に進行せしめられ得るのである。
さらに、鋳型材料の成形型内での保持中に、水の蒸発を促進させるために、成形型内に熱風又は過熱水蒸気を吹き込み、成形型内の充填相(鋳型材料)に通気せしめるようにする手法が、好適に採用される。このような熱風又は過熱水蒸気の通気によって、鋳型材料からなる充填相の内部にまで迅速に乾燥させて、かかる充填相の固化乃至は硬化をより一層有利に促進せしめ、以て、固化(硬化)速度を有利に高めると共に、得られる鋳型の抗折強度等の特性をも有利に高め得ることとなる他、鋳型の造型時間の短縮にも、有利に寄与し得るのである。また、鋳型材料の成形型内での保持中に、鋳型材料の固化乃至は硬化をより有利に促進させるため、二酸化炭素、アルゴン、窒素、ヘリウム、空気のうち少なくとも1種からなるキャリアガスを成形型内に吹き込み、その充填相に通気せしめるようにする手法が、好適に採用される。その際、二酸化炭素は硬化剤として、また、アルゴン、窒素、ヘリウム及び空気は固化促進剤として、それぞれ作用する。なお、空気は、一部又は全部の水蒸気が除去された空気(乾燥空気)が好ましく、湿度が50%以下の乾燥空気が、より好ましくは湿度が30%以下の乾燥空気が、使用される。キャリアガスで水溶性無機粘結剤を中和することにより、鋳型材料の固化乃至は硬化をより促進させることが可能である。なお、熱風又は過熱水蒸気の通気と、キャリアガスの通気は、何れか一方のみを実施しても良いが、両者を実施することも可能であり、熱風又は過熱水蒸気の通気とキャリアガスの通気を同時に実施すること、熱風又は過熱水蒸気の通気の後にキャリアガスを通気すること、キャリアガスの通気の後に熱風又は過熱水蒸気を通気することの何れにあっても可能である。また、成形型のキャビティ内に湿態の鋳型材料を充填せしめた後、成形型内での保持中であれば、どのタイミングで熱風等及び/又はキャリアガスの通気を実施しても何等、差し支えない。
なお、加熱による固化乃至は硬化をより促進させるために、キャリアガスとして、先に硬化剤として例示した有機酸、エステル、一価のアルコール等をガス状又は霧状にしたものを、成形型内に通気しても良い。
一方、本発明に従う湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を用いた鋳型の造型については、上述の如き、成形型内において加熱する方法以外にも、成形型内に硬化剤を添加することによって、鋳型材料を固化乃至は硬化せしめる方法や、鋳型材料が充填された成形型内を減圧することによって鋳型材料を固化乃至は硬化せしめる方法も、採用することが可能である。
成形型内に硬化剤を添加する方法は、水溶性無機粘結剤と硬化剤との反応によって、硬化を進行させるものである。硬化剤の添加方法としては、成形型へ充填する前の鋳型材料に対して硬化剤を添加し、かかる硬化剤が添加された鋳型材料を成形型内に充填すること、並びに、成形型内に充填された鋳型材料に対して、硬化剤をキャリアガスとして通気することによって添加すること、の何れも可能である。また、成形型内で保持している間に、硬化剤による硬化が進行するが、その際に水の蒸発を促進させるために、成形型内に熱風又は過熱水蒸気を吹き込んでも良い。更には、鋳型材料の固化乃至は硬化をより有利に促進させるために、二酸化炭素、アルゴン、窒素、ヘリウム、空気のうち少なくとも1種からなるキャリアガスを成形型内に吹き込んでも良い。なお、硬化剤の添加を行なう場合、成形型の加熱は必ずしも必要とされるものではないが、固化乃至は硬化をより有利に促進させるために、成形型を加熱することが好ましい。また、ここで使用可能な硬化剤としては、先に硬化剤として列記した二酸化炭素(炭酸水)等の有機酸、ギ酸メチル等のエステル、メタノール等の一価のアルコール等を、同様に例示することが出来る。
一方、成形型内を減圧する方法は、かかる減圧によって、成形型のキャビティ内に充填された鋳型材料を乾燥固化させるものである。減圧方法としては、例えば、公知の吸引手段によって成形型内を減圧すること等が挙げられる。また、成形型内を減圧する際に、水の蒸発を促進させるべく、成形型内に熱風又は過熱水蒸気を吹き込んでも良い。更には、鋳型材料の固化乃至は硬化をより有利に促進させるために、二酸化炭素、アルゴン、窒素、ヘリウム、空気のうち少なくとも1種からなるキャリアガスを成形型内に吹き込んでも良い。なお、成形型の減圧を行なう場合、成形型の加熱は必ずしも必要とされるものではないが、固化乃至は硬化をより有利に促進させるために、成形型を加熱することが好ましい。
そして、本発明に従う湿態の鋳型材料を用いて、上記した製造方法に従って得られる鋳型、並びに、その他の製造方法に従って得られる鋳型の何れにあっても、以下に述べる優れた効果を有利に享受することが可能である。即ち、かかる鋳型を用いて鋳造を実施すると、金属溶湯によってもたらされる熱によって、鋳物砂表面の固体状のコーティング層に含まれる有機化合物が効果的に熱分解し、かかる熱分解によってガスが発生するところから、鋳造後の鋳型の崩壊性が良好なものとなるのである。本発明の湿態の鋳型材料は、鋳物砂表面の固体状のコーティング層内に有機化合物を含むものであるものの、鋳型材料全体においては、有機化合物の含有量が、有機系粘結剤を用いて構成される鋳型材料と比較すると非常に少量であるところから、本発明の湿態の鋳型材料からなる鋳型を用いて鋳造を実施すると、その際のガス発生量は、有機系粘結剤を用いた鋳型材料からなる鋳型を使用する場合と比較すると、格段に少なくなるという利点がある。特に、最終的に得られる鋳型を1000℃で240秒間、加熱した時のガス発生量が、鋳型1g当たり3〜30ml、好ましくは4〜28ml、より好ましくは6〜20mlとなるように、鋳型材料を調製することが好ましいのである。
また、本発明に従う湿態の鋳型材料からなる鋳型を用いて、鋳造を実施し、かかる鋳造後の鋳型より回収される鋳物砂(回収砂)にあっては、鋳物砂表面に存在する有機化合物の熱分解により発生したガスによって、水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物が鋳物砂表面から剥離し易い状態にあることから、そのような回収砂に対して乾式再生処理を施すことにより、容易に再生することが可能である。
ここで、回収砂に対する乾式再生処理とは、回収砂の再生方法として従来より公知の乾式再生処理方法であれば、如何なる方法であっても採用することが出来る。一般に、少なくとも研磨処理を含み、必要に応じて、焼成処理や分級処理等をも含んで構成される回収砂の処理方法が、乾式再生処理と称されている。
乾式再生処理における研磨処理では、回収砂の粒子表面に残存する付着物が削り取られる。具体的には、回収砂を回転するロータ内に投入することにより、そこにおいて鋳物砂の一粒一粒に解砕し、更には、鋳物砂粒子の表面の付着物(水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物)が削り落とされることとなる。なお、研磨方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロータリーリクレーマー、サンドフレッシャー、サンドシャイナー等を用いた研磨を挙げることが出来る。また、研磨処理における、研磨時間等の各種研磨条件は、回収砂表面における付着物の付着状況に応じて、適宜に決定される。
また、焼成処理は、回収砂に付着しているコーティング層の有機化合物、ゴミや不純物等を燃焼させて除去することを目的として実施されるものである。かかる焼成処理は、例えばロータリーキルンやトンネルキルン等の焙焼炉が用いられ、回収砂を焙焼炉内に随時、投入しながら、炉内にて回収砂が焼成される。なお、焙焼炉内の焼成温度は、200〜700℃、好ましくは300〜700℃、より好ましくは350〜650℃、さらに好ましくは400〜600℃とされる。焼成温度が200℃より低いと、回収砂に付着しているゴミ等が十分に燃焼しない恐れがある。その一方、焼成温度が700℃を超えると、回収砂表面に残存している水溶性無機粘結剤が焼結し、砂粒子の表面から剥がれ難くなる恐れがある。このような焼成処理は、上述した研磨処理よりも前に行なっても良く、後に行なっても良く、研磨処理の前後において行なっても良い。
分級処理は、一般に、上記した研磨処理の後に、或いは、研磨処理後に焼成処理が実施された場合にはかかる焼成処理後に、実施されるものであり、上記した処理の工程から取り出された鋳物砂処理物を、空気流により流動させて、集塵装置によって、そのような鋳物砂処理物に含まれる微粉体を取り除く集塵工程と、ふるいにより鋳物砂処理物に含まれる異物を取り除くふるい工程とを有している。具体的には、集塵工程では、空気流により鋳物砂処理物を流動させて、かかる鋳物砂処理物に含まれている、それまでの工程では取り除けなかった削りかす、塵及び微粉等の微粉体を、駆動状態の集塵装置で除去するものであり、これによって、鋳物砂処理物から微小な残留物が効果的に取り除かれることとなる。また、ふるい工程では、ふるいを用いて鋳物砂処理物の粒子径を分級することで、そのような鋳物砂処理物に含まれる、これまでの工程では取り除けなかった異物が取り除かれる。これにより、適切な粒子径の砂が選択的に取り出されるのである。
なお、本発明において採用される分級処理は、上述の如き集塵工程及びふるい工程を有するものに限定されるものではなく、例えば、集塵工程及びふるい工程の何れか一方のみを有するものであっても何等差し支えなく、また、ふるい工程を実施した後に集塵工程を実施するものであっても何等差し支えない。更に、分級工程は、鋳物砂を所定の大きさで分級することが出来る手法であれば、他の如何なる公知の手法をも採用可能である。
そして、上述の如くして、本発明に従う回収鋳物砂の再生方法によって再生された鋳物砂は、再び、鋳型材料の製造工程や鋳型の造型工程に提供され、特性の優れた鋳型を与える鋳物砂として、有利に用いられることとなるのである。
以下に、幾つかの実施例を用いて、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等限定的に解釈されるものでないことが理解されるべきである。なお、以下の実施例や比較例において、「%」及び「部」は、特に断りのない限りにおいて、何れも、質量基準にて示されている。また、液状の粘結剤組成物の粘度の測定、有機化合物の水に対する溶解度の測定、実施例や比較例で得られた鋳型材料(コーテッドサンド:CS)からなる鋳型のガス発生量の測定、鋳肌、崩壊性及び研磨剥離性の評価は、それぞれ、以下のようにして行なった。
−液状の粘結剤組成物の粘度の測定−
JIS−Z−8803−2011「液体の粘度測定方法」において規定されている「9.単一円筒形回転粘土度計による粘度測定方法」に従い、そこに記載された装置と同等原理の装置を用いて、実施例や比較例で用いられる液状の粘結剤組成物についての、25℃における粘度(cP)を測定する。なお、液状の粘結剤組成物とは、CSの製造の際に二酸化珪素粒子等の添加剤を用いない場合は、水ガラス水溶液又は炭酸カリウム水溶液そのものを意味し、添加剤を用いてCSを製造する場合は、水ガラス水溶液等に添加剤を加えてなる液状物を意味するものである。
−有機化合物の水に対する溶解度の測定−
有機化合物の10gをフラスコに入れ、更に25℃の水100gをフラスコ内に投入し、1時間撹拌する。その後、1時間静置させる。静置後のフラスコ内の上澄み液をホールピペット等で正確に10ml採取し、質量既知の蒸発皿(質量:W1(g))に移す。突沸しない様に、ガスバーナー等で蒸発乾燥固化させる。次いで、乾燥固化させた試料を、蒸発皿ごと110℃の乾燥機で3時間以上、十分に乾燥させ、質量(W2(g))を測定する。蒸発皿質量を考慮し、下記式より有機化合物の溶解量(W3(g))を求める。
W3(g) =(W2−W1)×10
以上より算出されたW3を用いて、下記式より、25℃の水に対する有機化合物の溶解度を算出する。
溶解度(質量%)
={溶解量/水量}×100={W3/100}×100
−ガス発生量の測定−
各CSを用いて、直径:3cm×長さ:5cmの円筒形の試験片を成型し、かかる試験片を、直径:4.5cm×長さ45cmの石英ガラス管内に入れて、ガラス管の付いたシリコンゴムにて密閉する。横型鋳物砂膨張計EOS−3(製品名、オザワ科学株式会社製)を用いて、ガラス管ごと試験片を1000℃で4分間、曝熱する。発生するガス量を、湿式ガスメーターW―NK型(製品名、株式会社シナガワ製)にて30秒毎に測定する。曝熱開始から4分が経過するまでに発生したガスの総量(トータルガス発生量)を試験片の質量で割って、ガス発生量とした。
ガス発生量(ml/g)
=[4分後トータルガス発生量(ml)]/[試験片質量(g)]
−崩壊性試験−
まず、図1に示される様に、予め常温自硬性砂で作成された、上部に注湯注入口2と下部に中子の幅木固定部4を有する半割れ中空主型6(キャビティ直径:6cm、高さ:6cm)の内に、各々のCSを用いて作成した幅木部8を有する円形無空中子10(直径:5cm、高さ:5cm)を、幅木固定部4で接着固定した後、更に半割れ中空主型6を相互に接着固定して、鋳造試験用砂型12を作製する。尚、鋳造時の湯漏れを防ぐために、接着した主型を万力等でクランプするか、針金を巻いてしっかりと固定する。次に、この鋳造試験用砂型12の注湯注入口2から鉄溶湯FC150(温度1350±50℃)を注湯し、凝固せしめた後、主型6を壊して、図2に示す円筒の鋳物16を取り出す、そして室温になった鋳物16に対して、エアハンマを用いて打撃を加えることにより、円形無空中子10を排出する。かかる排出に際しては、チッピング圧は0.3MPaとし、鋳物16に対して3秒毎にエアハンマで打撃を加える。そして、鋳物16からの、円形無空中子16を構成するCS(以下、中子CSという)の排出のし易さを、以下に示す基準に従い、5段階で評価する。本発明においては、A〜Cを合格とする。
A:打撃回数10回以内で、全ての中子CSが排出。
B:打撃回数30回以内で、全ての中子CSが排出。
C:打撃回数60回以内で、全ての中子CSが排出。
D:打撃回数60回で、50%以上〜100%未満の量の中子CSが排
出。
E:打撃回数60回で、0〜50%未満の量の中子CSが排出。
−鋳肌の評価−
前述の崩壊性試験にて得られた鋳物を半分に切断し、鋳肌(鋳物の肌)の状況を目視及び手触りにて確認し、以下に示す基準に従って4段階で評価する。本発明においては◎及び○を合格とする。
◎:焼き付きが認められず、且つ、表面も滑らかである。
○:焼き付きは認められないものの、表面にザラツキが認められる。
△:鋳肌の一部に焼き付きが認められ、表面にザラツキも認められる。
×:鋳肌の全面に焼き付きが認められ、表面にザラツキも認められる。
−研磨剥離性試験−
前述の崩壊性試験にて取り出した、円形無空中子を構成していた砂(回収砂)の100gを、ボールミルに入れて1時間、研磨した。その後、200メッシュで1分間の篩分けを行い、鋳物砂と剥離した微粉とに分離し、得られた微粉量を測定し、回収砂における剥離のし易さを、以下に示す基準に従って5段階で評価する。本発明においてはA〜Cを合格とする。
A:鋳物砂の質量に対して、微粉量が2質量%以上である。
B:鋳物砂の質量に対して、微粉量が1質量%以上、2質量%未満であ
る。
C:鋳物砂の質量に対して、微粉量が0.5質量%以上、1質量%未満
である。
D:鋳物砂の質量に対して、微粉量が0.25質量%以上、0.5質量
%未満である。
E:鋳物砂の質量に対して、微粉量が0.25質量%未満である。
また、各CSを製造する際に用いたノボラック型フェノール樹脂等については、各々、以下の手順に従って製造したもの又は市販品を準備した。
(1)ノボラック型フェノール樹脂
温度計、撹拌装置及びコンデンサを備えた反応容器に、フェノールの940部、47%ホルマリンの479部、シュウ酸の2.8部を投入した。次いで、反応容器内を徐々に昇温して、還流温度に到達せしめた後、90分間還流して反応させ、更に、反応液の温度が170℃になるまで、加熱及び減圧濃縮することにより、重量平均分子量(Mw)が2900のノボラック型フェノール樹脂を得た。
(2)レゾール型フェノール樹脂A
レゾール型フェノール樹脂Aとして、アンモニアレゾール型フェノール樹脂である旭有機材株式会社製のSP400(商品名、Mw:2100)を用いた。
(3)レゾール型フェノール樹脂B
温度計、撹拌装置及びコンデンサを備えた反応容器に、フェノールの940部、47%ホルマリンの957部、水酸化カリウム20部を投入した。次いで、反応容器内を徐々に昇温して、60分で75℃まで昇温し、5時間、その温度で反応させた。その後、減圧下で80℃まで脱水することにより、重量平均分子量(Mw)が1500のレゾール型フェノール樹脂Bを得た。
(4)フェノールウレタン樹脂
ベンジリックエーテル型フェノール樹脂(旭有機材株式会社製、商品名:CBP‐160EH、Mw:1200)と、ポリイソシアネート樹脂として、ポリメリックMDI(旭有機材株式会社製;CB‐MT3)と準備し、鋳物砂の表面にコーティング層を形成せしめる際に、それら2種の樹脂を1:1(質量比)の割合で混合した混合物を用いた。
(5)ポリ酢酸ビニル
ポリ酢酸ビニルとして、ゴーセニールM35−X6(日本合成化学工業株式会社製、メタノール35%溶液)のポリ酢酸ビニル溶液を用いた。
(6)澱粉
和光純薬工業株式会社製の澱粉を、70℃のお湯に溶かしてなる澱粉溶液(濃度:25%)として用いた。
−湿態CSの製造例1−
鋳物砂として、市販の鋳造用人工砂であるルナモス#60(商品名、花王クエーカー株式会社製)を準備すると共に、有機化合物としてノボラック型フェノール樹脂を準備した。そして、ルナモス#60を約130℃の温度に加熱した後、ワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に、ノボラック型フェノール樹脂を、ルナモス#60の100部に対して0.3部の割合において添加して、3分間の混練を行ない、水分を蒸発せしめる一方、砂粒塊が崩壊するまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、鋳物砂粒子の表面に、ノボラック型フェノール樹脂からなる固体状のコーティング層を形成した。形成された固体状のコーティング層の膜厚は、鋳物砂粒子を球状とした平均粒子径と、鋳物砂及び有機化合物(ノボラック型フェノール樹脂)の添加量より、0.2μmと算出された。
次いで、水溶性無機粘結剤たる水ガラスとして、市販品:1号ケイ酸ナトリウム(商品名:富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.0)を準備し、これを用いて、固形成分(濃度)が31%であり、25℃における粘度が11cPである水ガラス水溶液を準備した。そして、先に準備した、表面に固体状のコーティング層が設けられた鋳物砂を、常温のまま品川式万能攪拌機(5DM−r型、株式会社ダルトン製)に投入し、更に、水ガラス水溶液を、ルナモス#60の100部に対して2.5部(固形成分:0.775部)の割合にて添加して、3分間の混練を行ない、均一になるまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、表面にコーティング層が設けられた鋳物砂と水ガラス水溶液との混和物にて構成される、湿態の鋳型材料(CS1)を得た。かかるCS1の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例2〜5−
湿態CSの製造例1において、コーティング層形成時のノボラック型フェノール樹脂の使用量を、それぞれ0.5部、1部、2部、5.5部としたこと以外は、上記製造例1と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS2〜CS5)を得た。得られたCS2〜CS5の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、何れも、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例6−
湿態CSの製造例4において、水ガラスの添加量を3.5部(固形成分:1.085部)としたこと以外は、上記製造例4と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS6)を得た。得られたCS6の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例7−
湿態CSの製造例1において、コーティング層形成時のノボラック型フェノール樹脂の使用量を0.8部とし、充填向上剤としての二酸化珪素粒子971U(商品名、エルケム社製、平均粒子径:0.15μm)の1部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例1と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS7)を得た。得られたCS7の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例8−
湿態CSの製造例3において、コーティング層形成時に、シランカップリング剤たるKBE903(商品名、信越化学工業株式会社製)の0.01部をノボラック型フェノール樹脂に添加したこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS8)を得た。得られたCS8の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例9−
湿態CSの製造例3において、シランカップリング剤たるKBE903(商品名、信越化学工業株式会社製)の0.025部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS9)を得た。得られたCS9の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例10−
湿態CSの製造例8において、シランカップリング剤たるKBE903(商品名、信越化学工業株式会社製)の0.025部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例8と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS10)を得た。得られたCS10の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例11−
湿態CSの製造例3において、水ガラス水溶液に、耐湿性向上剤としてのホウ酸塩(四ホウ酸ナトリウム十水和物)の0.075部を添加したこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS11)を得た。得られたCS11の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例12−
湿態CSの製造例3において、ノボラック型フェノール樹脂に代えてレゾール型フェノール樹脂Aを用いてコーティング層を形成したこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS12)を得た。得られたCS12の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例13−
湿態CSの製造例3において、ノボラック型フェノール樹脂に代えてレゾール型フェノール樹脂Bを用いて、その使用量を1.6部(固形分:1.0部)としてコーティング層を形成したこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS13)を得た。得られたCS13の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例14−
湿態CSの製造例3において、コーティング層を形成する有機化合物をノボラック型フェノール樹脂からフェノールウレタン樹脂に代えるべく、以下の手順に従ってコーティング層を形成したこと以外は上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS14)を得た。即ち、ルナモス#60を130℃でワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に、フェノールウレタン樹脂を構成するためのベンジリックエーテル型フェノール樹脂とポリイソシアネート樹脂とを、質量比1:1で、それらの合計量が1.4部となる量において添加して、ミキサー中で混練を行ない、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂とポリイソシアネート樹脂とが反応してフェノールウレタン樹脂(固形分:1.0部)となって硬化、固体化するまで撹拌、混合せしめた後に取り出した。得られたCS14の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例15−
湿態CSの製造例3において、ノボラック型フェノール樹脂をポリ酢酸ビニル溶液(メタノール35%溶液)に代え、その使用量を1.54部(固形分:1.0部)とし、コーティング層形成時に溶剤を蒸発させたこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS15)を得た。得られたCS15の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例16−
湿態CSの製造例3において、ノボラック型フェノール樹脂に代えて、70℃のお湯に澱粉を溶かしてなる澱粉溶液(濃度:25%)を用いて、その使用量を4部(固形分:1.0部)としたこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS16)を得た。得られたCS16の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例17−
湿態CSの製造例3において、水ガラス水溶液として、市販品:1号ケイ酸ナトリウム(商品名:富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.0)を用いて、固形成分(濃度)が46%であり、25℃における粘度が1050cPとなるように調製した水ガラス水溶液を用いたこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS17)を得た。得られたCS17の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の117質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例18−
湿態CSの製造例3において、混練時にヘキサメチレンテトラミンの0.15部を加え、鋳物砂表面に、ノボラック型フェノール樹脂からなる固体状のコーティング層を形成した後、かかるコーティング層が形成された鋳物砂を180℃の恒温槽に30分間入れて、ノボラック型フェノール樹脂の硬化を促進させたこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS18)を得た。得られたCS18の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例19−
湿態CSの製造例12において、鋳物砂表面に、レゾール型フェノール樹脂Aからなる固体状のコーティング層を形成した後、かかるコーティング層が形成された鋳物砂を180℃の恒温槽に30分間入れて、レゾール型フェノール樹脂Aの硬化を促進させたこと以外は、上記製造例12と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS19)を得た。得られたCS19の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例20−
湿態CSの製造例3において、水ガラス水溶液に代えて、炭酸カリウムの固形成分(濃度)が50%であり、25℃の粘度が8cPとなるように調製した炭酸カリウム水溶液を用いて、その使用量を3部にしたこと以外は、上記製造例3と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS20)を得た。得られたCS20の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、炭酸カリウムの固形分量の100質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例21〜24−
湿態CSの製造例1、7、8、11において、固体状のコーティング層を形成する工程を実施しなかったこと以外は、上記製造例1、7、8、11と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS21〜CS24)を得た。得られたCS21〜CS24の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、何れも、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例25−
湿態CSの製造例20において、固体状のコーティング層を形成する工程を実施しなかったこと以外は、上記製造例20と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS25)を得た。得られたCS25の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、炭酸カリウムの固形分量の100質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例26−
湿態CSの製造例25において、炭酸カリウム水溶液にシランカップリング剤たるKBE903(商品名、信越化学工業株式会社製)の0.03部を添加したこと以外は、上記製造例25と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS26)を得た。得られたCS26の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、炭酸カリウムの固形分量の100質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例27−
湿態CSの製造例25において、炭酸カリウム水溶液に耐湿性向上剤としての四ホウ酸ナトリウム十水和物の0.09部を添加したこと以外は、上記製造例25と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS27)を得た。得られたCS27の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、炭酸カリウムの固形分量の100質量%に相当する量であった。
−鋳型の造型例(実施例1〜20、比較例1〜7)−
上記した各手順に従って製造されたCS1〜27を、150℃に加熱された成形金型内に充填した後、成形金型内で保持し、かかる成形型内に充填されたCSを各々、硬化させることにより、円形無空中子の試験片(直径:5cm×高さ:5cm)として用いられる鋳型を、作製した。なお、実施例1〜20、比較例1〜7の各々に係る鋳型(試験片)を作製する際に使用したCSは、下記表1乃至表4に示す通りである。
Figure 2019070051
Figure 2019070051
Figure 2019070051
Figure 2019070051
表1乃至表4より明らかなように、本発明に従う湿態の鋳型材料を用いて得られた鋳型(実施例1〜20)にあっては、鋳造後の崩壊性に優れていると共に、得られる鋳造製品の鋳肌も良好であることが認められる。また、鋳造後に回収した砂については、そこに付着している水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物を、研磨処理によって容易に除去可能であることが認められるところから、本発明に従う湿態の鋳型材料が、鋳物砂の再生が容易であることも、確認されるのである。
−湿態CSの製造例28、29−
湿態CSの製造例7において、充填向上剤としての二酸化珪素粒子971U(商品名、エルケム社製、平均粒子径:0.15μm)を、それぞれ二酸化珪素粒子HS312(商品名、新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、平均粒子径:9.5μm)、酸化アルミニウム粒子AZ−75(商品名、新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、平均粒子径:2.5μm)に代えたこと以外は上記製造例7と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS28、CS29)を得た。得られたCS28、CS29の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の226質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例30、31−
湿態CSの製造例11において、ホウ酸塩(四ホウ酸ナトリウム十水和物)を、それぞれ硫酸塩(硫酸リチウム)、炭酸塩(塩基性炭酸亜鉛)に代えたこと以外は上記製造例11と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS30、CS31)を得た。得られたCS30、CS31の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の226質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例32−
湿態CSの製造例11において、充填向上剤としての二酸化珪素粒子971U(商品名、エルケム社製、平均粒子径:0.15μm)の1部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例11と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS32)を得た。得られたCS32の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の226質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例33−
湿態CSの製造例30において、充填向上剤としての二酸化珪素粒子971U(商品名、エルケム社製、平均粒子径:0.15μm)の1部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例30と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS33)を得た。得られたCS33の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の226質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例34−
湿態CSの製造例31において、充填向上剤としての二酸化珪素粒子971U(商品名、エルケム社製、平均粒子径:0.15μm)の1部を水ガラス水溶液に添加したこと以外は、上記製造例31と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS34)を得た。得られたCS34の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の226質量%に相当する量であった。
CS3、CS7、CS8、CS9、CS10、CS11及びCS28〜CS34の各々を用いて、各CSを150℃に加熱した成形型内に、0.3MPaのゲージ圧力にて、吹き込んで充填した後、90秒間、保持することにより、強度試験用の試験片(幅:1cm×高さ:1cm×長さ:8cm)を作製した。得られた試験片について、以下の示す手順に従い、吸湿強度保持率を算出した(実施例21〜33)。その結果を下記表5及び表6に示す。
−吸湿強度保持率−
各CSを用いて得られた試験片について、その破壊荷重を、測定器(高千穂精機株式会社製、デジタル鋳物砂強度試験機)を用いて測定し、次いで、この測定された破壊荷重を用いて、抗折強度を、下記の式により算出した。なお、破壊荷重の測定は、成形後1時間が経過した常温の試験片を用いて行った。
抗折強度(N/cm2 )=1.5×LW/ab2
[但し、L:支点間距離(cm)、W:破壊荷重(N)、a:試験片の
幅(cm)、b:試験片の厚み(cm)、である。]
次いで、容器に水、グリセロール混合溶液及び4点の下駄付き金網を入れ、各試験片を金網上に載置して、試験片が水及びグリセロール混合溶液(20%濃度)に触れない状態として、かかる容器ごと温調器に入れて、40℃で24時間保持し、各試験片を吸湿劣化させた。その吸湿劣化後の各試験片の抗折強度を上記と同様に測定を行った。吸湿前の抗折強度と、吸湿後の抗折強度から、下記式に基づいて、吸湿強度保持率を算出した。
吸湿強度保持率(%)=(吸湿後抗折強度/吸湿前抗折強度)×100
Figure 2019070051
Figure 2019070051
かかる表5及び表6から明らかなように、粘結剤組成物に、耐湿性向上剤たるホウ酸塩、硫酸塩、炭酸塩などを添加することにより、また、二酸化珪素粒子を添加することにより、最終的に得られる鋳型の吸湿強度保持率が大幅に向上することが認められる。また、固体状のコーティング層及び液状の粘結剤組成物の何れかにカップリング剤を含有せしめることによって、鋳型の吸湿強度保持率が向上することが認められるものの、固体状のコーティング層及び液状の粘結剤組成物の双方にカップリング剤を含有せしめることにより、鋳型の吸湿強度保持率がより向上することが認められるのである。
−湿態CSの製造例35−
湿態CSの製造例8において、ノボラック型フェノール樹脂に添加したシランカップリング剤の添加量を0.03部としたこと以外は、上記製造例8と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS35)を得た。得られたCS35の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例36−
湿態CSの製造例9において、水ガラス水溶液に添加したシランカップリング剤の添加量を0.075部としたこと以外は、上記製造例9と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS36)を得た。得られたCS36の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
−湿態CSの製造例37−
湿態CSの製造例10において、ノボラック型フェノール樹脂に添加したシランカップリング剤の添加量を0.03部、水ガラス水溶液に添加したシランカップリング剤の添加量を0.075部としたこと以外は、上記製造例10と同様の手順に従って、湿態の鋳型材料(CS37)を得た。得られたCS37の含水分量を添加した材料の添加量から算出したところ、水ガラスの固形分量の223質量%に相当する量であった。
CS3、CS8、CS9、CS10及びCS35〜CS37の各々を用いて、各CSを150℃に加熱した成形型内に、0.3MPaのゲージ圧力にて、吹き込んで充填した後、90秒間、保持することにより、強度試験用の試験片(幅:1cm×高さ:1cm×長さ:8cm)を作製した。得られた試験片について、以下の示す手順に従い、抗折強度を算出した(実施例34〜40)。その結果を下記表7に示す。
−抗折強度−
各CSを用いて得られた試験片について、その破壊荷重を、測定器(高千穂精機株式会社製、デジタル鋳物砂強度試験機)を用いて測定し、次いで、この測定された破壊荷重を用いて、抗折強度を、下記の式により算出した。なお、破壊荷重の測定は、成形後1時間が経過した常温の試験片を用いて行った。
抗折強度(N/cm2 )=1.5×LW/ab2
[但し、L:支点間距離(cm)、W:破壊荷重(N)、a:試験片の
幅(cm)、b:試験片の厚み(cm)、である。]
Figure 2019070051
かかる表7から明らかなように、本発明に従う鋳型材料において、固体状のコーティング層及び水溶性無機粘結剤のうちの何れか一方、若しくはそれらの両者にカップリング剤を含有せしめることにより、最終的に得られる鋳型において強度が向上することが認められる。特に、固体状のコーティング層及び水溶性無機粘結剤の各々にカップリング剤を含有せしめることにより、相乗効果によって非常に高い鋳型強度を発揮する鋳型が得られることが、認められるのである。
2 溶湯注入口 4 幅木固定部
6 主型 8 幅木部
10 中子 12 砂型
14 廃中子排出口 16 鋳物

Claims (25)

  1. 有機化合物を含む固体状のコーティング層で被覆された鋳物砂が、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物にて被覆されていることを特徴とする湿態の鋳型材料。
  2. 前記固体状のコーティング層の厚さが0.1〜6μmである請求項1に記載の鋳型材料。
  3. 前記有機化合物が、架橋硬化性樹脂及びその硬化物、熱可塑性樹脂、炭水化物からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載の鋳型材料。
  4. 前記架橋硬化性樹脂がフェノール樹脂である請求項3に記載の鋳型材料。
  5. 前記有機化合物が、重量平均分子量が300以上の高分子化合物である請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鋳型材料。
  6. 前記有機化合物の25℃の水100gに対する溶解度が1質量%以下である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鋳型材料。
  7. 前記固体状のコーティング層がカップリング剤を含む請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の鋳型材料。
  8. 前記液状の粘結剤組成物における前記水溶性無機粘結剤の固形分量が10〜80質量%である請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳型材料。
  9. 前記液状の粘結剤組成物がカップリング剤を含む請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の鋳型材料。
  10. 前記液状の粘結剤組成物が無機酸化物粒子を含む請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の鋳型材料。
  11. 前記無機酸化物粒子が二酸化珪素粒子である請求項10に記載の鋳型材料。
  12. 前記液状の粘結剤組成物が耐湿性向上剤を含む請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の鋳型材料。
  13. 前記水溶性無機粘結剤が水ガラスである請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の鋳型材料。
  14. 前記液状の粘結剤組成物が水を含む請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の鋳型材料。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の鋳型材料を用いて造型された鋳型。
  16. 1000℃で240秒間、加熱した時のガス発生量が、1g当たり3〜30mlである請求項15に記載の鋳型。
  17. 鋳物砂の表面に、有機化合物を含む固体状のコーティング層を形成せしめる工程と、
    前記固体状のコーティング層が形成された鋳物砂に対して、水溶性無機粘結剤を含む液状の粘結剤組成物を添加し、混練乃至は混合せしめる工程と、
    を有する湿態の鋳型材料の製造方法。
  18. 前記有機化合物が架橋硬化性樹脂であり、前記鋳物砂の表面に前記固体状のコーティング層を形成せしめた後に、該固体状のコーティング層に含まれる前記架橋硬化性樹脂を硬化せしめる工程を有する請求項17に記載の鋳型材料の製造方法。
  19. 前記水溶性無機粘結剤が水ガラスである請求項17又は請求項18に記載の鋳型材料の製造方法。
  20. 前記液状の粘結剤組成物が水を含む請求項17乃至請求項19の何れか1項に記載の鋳型材料の製造方法。
  21. 請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の鋳型材料を成形型内に充填した後、かかる成形型内で保持し、a)該成形型を加熱することにより、b)該成形型内に硬化剤を添加することにより、又は、c)該成形型内を減圧することにより、該成形型内に充填された鋳型材料を固化乃至は硬化せしめて、目的とする鋳型を得ることを特徴とする鋳型の製造方法。
  22. 前記成形型の保持中に、該成形型内に熱風又は過熱水蒸気が通気せしめられる請求項21に記載の鋳型の製造方法。
  23. 前記成形型の保持中に、該成形型内に二酸化炭素、アルゴン、窒素、ヘリウム、空気のうち少なくとも一種からなるキャリアガスが通気せしめられる請求項21又は請求項22に記載の鋳型の製造方法。
  24. 前記成形型が、80℃〜300℃の温度に加熱される請求項21乃至請求項23の何れか1項に記載の鋳型の製造方法。
  25. 請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の鋳型材料の固化物乃至は硬化物からなる鋳型を用いて、鋳造を行なった後、該鋳型から鋳物砂を回収し、乾式再生処理を施して再生砂を得ることを特徴とする鋳物砂の再生方法。
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