JP2013105916A - 配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン形成後の配線形状を維持しつつ、銅等の金属不純物と凝集粒子の異物とを除去する。
【解決手段】基材10を準備する工程と、基材10の上方に金属膜20を形成する工程と、金属膜20上にレジスト膜30を形成する工程と、レジスト膜30をマスクとして金属膜20をエッチングして配線20Aを形成する工程と、レジスト膜30を剥離する工程と、基材10を洗浄する工程と、を含み、基材10を洗浄する工程は、酸洗浄液を用いて基材10を洗浄する第1の洗浄工程と、アルカリ洗浄液を用いて基材10を洗浄する第2の洗浄工程とを含む。アルカリ洗浄液の濃度は、当該洗浄液の中に析出される粒子の表面電位が基材10の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度であり、酸洗浄液の濃度は、基材10に残った金属微粒子20aが洗浄液中に溶解する濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線等が形成された配線基板の製造方法及び当該配線基板を用いた半導体素子の製造方法に関し、特に、金属膜をパターニングする際における下地基材の表面の洗浄方法に関する。
液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置では、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等の半導体素子が形成された基板を備える。基板には、TFTの電極やTFTに信号を供給するための配線等が形成されている。配線や電極の材料としては、従来、アルミニウム(Al)が用いられてきたが、近年、表示装置の大型化及び高精細化等に伴って配線をさらに低抵抗化することが要求されていることから、銅(Cu)を用いた銅電極及び銅配線も検討されている。
銅配線は、銅薄膜のドライエッチングが困難であることから、科学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を用いて形成される場合がある。この場合、CMP後の表面は、研磨される銅の残渣、又は研磨時に供給されるスラリーに含まれる金属不純物によって汚染される。このため、これらの汚染物を除去するために、CMP後に所定の洗浄液を用いた洗浄を行っている。この場合、この洗浄液によって銅が腐食されてしまうことを防止するために、脂肪族ポリカルボン酸類と塩基性アミノ酸類とを含む洗浄液を用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平11−330023号公報
ここで、基板上に銅電極又は銅配線をパターン形成する方法として、銅薄膜の上に所定形状のレジストを形成し、このレジストをマスクとしてウェットエッチングを施すことによって銅薄膜を加工し、その後、レジスト剥離液によってレジストを剥離するという方法がある。これにより、所定形状の銅電極又は銅配線を形成することができる。
この場合、銅薄膜を加工する際の薬液(エッチング液)としては、銅が強固な不動体膜を形成しないために酸化剤として過酸化水素水を用いるとともに、薬液中の銅の溶解を確保するために低濃度の有機酸や無機酸を用いており、さらに、加工形状を整えるために防食剤やキレート剤を添加している。
また、レジストを剥離する際の薬液(レジスト剥離液)は、上記のように銅が強固な不動体膜を形成しないために、銅へのダメージを抑制できるアミンとCu防食剤とを選定しなければならず、レジストを剥離するための剥離性能だけではなく銅の腐食の抑制を考慮して薬液の調合を行う必要がある。この場合、レジスト剥離性能を確保するためのアミンとしてMEA(モノエタノールアミン)を用いると、銅配線の溶解を防止することができず銅配線へのダメージが大きいので、銅との反応性の低い3級アミンを採用している。
このように、基板上に銅電極又は銅配線をパターン形成するには、銅薄膜を所望に加工するためのエッチング液が必要になるとともに、加工後の銅配線にダメージを与えることなくレジストを所望に剥離するためのレジスト剥離液が必要になる。
しかしながら、銅薄膜をエッチングによって加工した後には、銅薄膜直下の下地層の表面に銅の微粒子が残渣として残ってしまい、この銅の残渣が、熱プロセス中における熱ストレスあるいは素子動作中における電界ストレスによって内部拡散し、素子特性に悪影響を与えるという問題がある。
また、現在のレジスト剥離液に含まれるCu防食剤では銅配線の溶解を十分に抑制することができず、レジスト剥離液によって加工後の銅配線がエッチングされてしまって所定形状の銅電極又は銅配線を維持することができないという問題がある。さらに、この場合、銅薄膜のエッチング時に残った銅がレジスト剥離液を介して下地層の表面に再付着し、その後の熱プロセスによって拡散し、上記同様に素子特性に悪影響を与えるという問題がある。
さらに、レジスト剥離処理ではレジスト剥離液によってレジストを溶解するが、レジスト剥離液を水に置換する際に、溶解したレジストの分解物や硬化物がレジスト剥離液に凝集して凝集粒子となり、この凝集粒子が異物として下地層に付着し、素子特性に悪影響を与えるという問題がある。このため、レジスト剥離液を繰り返して使用する場合、レジスト剥離液中に含まれる不純物(凝集粒子や溶け出した銅微粒子)が基材の表面に付着すること防止するために、旧液(使用済みのレジスト剥離液)によって処理した後に新液(未使用のレジスト剥離液)によって剥離処理を行うという多段式のレジスト剥離処理が採用されている。しかしながら、下地層に吸着してしまった銅等の不純物を容易に除去することは難しい。
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、パターン形成後の配線の形状を維持しつつ、銅等の金属微粒子と凝集粒子の異物とを除去することができる配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様は、基材を準備する工程と、前記基材の上方に金属膜を形成する工程と、前記金属膜上に所定形状のレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程と、前記配線を形成する工程の後に、前記レジスト膜を剥離する工程と、前記配線を形成する工程の後に、前記基材を洗浄する工程と、を含み、前記基材を洗浄する工程は、酸及びアルカリのいずれか一方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第1の洗浄工程と、その後に、酸及びアルカリのいずれか他方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第2の洗浄工程と、を含み、前記アルカリの洗浄液の濃度は、当該洗浄液の中に析出される粒子の表面電位が前記基材の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度であり、前記酸の洗浄液の濃度は、前記金属膜のエッチングによって前記基材に残った金属微粒子が前記洗浄液中に溶解する濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度であることを特徴とする。
本発明によれば、パターン形成後の配線の形状を維持しつつ、銅等の金属微粒子と凝集粒子の異物とを除去することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法のフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法における洗浄工程(金属膜エッチング工程後)のフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法におけるレジスト剥離工程の詳細工程を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法における洗浄工程(レジスト剥離工程後)の詳細工程を示すフローチャートである。 図6は、洗浄液(薬液)の濃度(pH)に対する各材料におけるゼータ電位を示す図である。 図7は、銅のpH−電位図である。 図8は、各材料における濃度(pH)と酸化還元電位との関係を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における処理中の微粒子の様子を説明するための図である。 図10Aは、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程におけるアルカリ洗浄液の濃度(ppm)と薬液pHとの関係を示す図である。 図10Bは、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程におけるアルカリ洗浄液の濃度(ppm)とパーティクル残量又は銅エッチング量との関係を示す図である。 図11Aは、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における酸洗浄液の濃度(wt%)と銅エッチング量との関係を示す図である。 図11Bは、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における酸洗浄液の濃度(wt%)と銅の残留汚染量との関係を示す図である。 図11Cは、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における酸洗浄液の濃度(wt%)と鉄及び亜鉛の残留汚染量との関係を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における酸洗浄後及びアルカリ洗浄後における銅汚染濃度を示す図である。 図13は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程における酸洗浄後及びアルカリ洗浄後におけるパーティクル量を示す図である。 図14は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の洗浄工程の硫酸洗浄後における、銅、鉄及び亜鉛の汚染濃度を示す図である。 図15は、本発明の実施の形態1に係るボトムゲート型の薄膜トランジスタの構成を示す断面図である。 図16は、本発明の実施の形態1に係るトップゲート型の薄膜トランジスタの構成を示す断面図である。 図17は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 図18は、従来の洗浄工程のフローチャートである。 図19は、従来の洗浄工程における処理中の微粒子の様子を説明するための図である。
本発明に係る配線基板の製造方法の一態様は、基材を準備する工程と、前記基材の上方に金属膜を形成する工程と、前記金属膜上に所定形状のレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程と、前記配線を形成する工程の後に、前記レジスト膜を剥離する工程と、前記配線を形成する工程の後に、前記基材を洗浄する工程と、を含み、前記基材を洗浄する工程は、酸及びアルカリのいずれか一方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第1の洗浄工程と、その後に、酸及びアルカリのいずれか他方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第2の洗浄工程と、を含み、前記アルカリの洗浄液の濃度は、当該洗浄液の中に析出される粒子の表面電位が前記基材の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度であり、前記酸の洗浄液の濃度は、前記金属膜のエッチングによって前記基材に残った金属微粒子が前記洗浄液中に溶解する濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度である。
本態様によれば、洗浄工程が、アルカリの洗浄液による洗浄工程と酸の洗浄液による洗浄工程とを含み、アルカリの洗浄液の濃度が、当該洗浄液の中に析出される粒子の表面電位が基材の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、配線をエッチングしない濃度であり、また、酸の洗浄液の濃度が、金属膜のエッチングによって基材に残った金属微粒子が洗浄液中に溶解する濃度以上で、かつ、配線をエッチングしない濃度である。
これにより、アルカリの洗浄液によって、洗浄液の中に析出される粒子が基材に付着(再付着)することを防止することができ、また、酸の洗浄液によって、基材の表面に残っている金属微粒子を金属錯体又は金属塩として洗浄液中に溶出させて基材の表面から金属微粒子を除去することができる。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記基材を洗浄する工程は、前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程の直後に行うことができる。この場合、前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程から前記洗浄工程を終えるまでの間に、前記基材の表面と前記配線の側面とは濡れていることが好ましい。
あるいは、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記基材を洗浄する工程は、前記レジスト膜を剥離する工程の直後に行なうこともできる。この場合、前記レジスト膜を剥離する工程から前記洗浄工程を終えるまでの間に、前記基材の表面と前記配線の表面及び側面とは濡れていることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記第1の洗浄工程と前記第2の洗浄工程とは、連続して行われることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記酸の洗浄液は、シュウ酸又は硫酸であって、その濃度は0.001wt%以上、0.3wt%以下であり、前記アルカリの洗浄液は、アンモニア水であって、その濃度は0.1ppm以上、100ppm以下であることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記酸の洗浄液は、有機酸を用いるシュウ酸又は無機酸を用いる硫酸であって、その濃度は0.001wt%以上、0.01wt%以下であり、前記アルカリの洗浄液は、アンモニア水であって、その濃度は0.1ppm以上、1.0ppm以下であることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記レジスト膜は、ノボラック系樹脂と感光剤とを含有する、とすることができる。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記金属膜を構成する金属として、銅が含まれていることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記洗浄工程は、さらに、前記第2の洗浄工程の後に、前記基材を純水で洗浄する工程を含む、とすることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、さらに、前記レジスト膜を剥離する工程の前に、前記基材に対してドライエッチングを行う工程を含むことが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記第1の洗浄工程は、アルカリの洗浄液を用いた洗浄工程であり、前記第2の洗浄工程は、酸の洗浄液を用いた洗浄工程であることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記第1の洗浄工程は、酸の洗浄液を用いた洗浄工程であり、前記第2の洗浄工程は、アルカリの洗浄液を用いた洗浄工程であることが好ましい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法の一態様において、前記洗浄液の中に析出される粒子は、前記レジスト膜の材料に由来することが好ましい。
また、本発明に係る半導体素子の製造方法の一態様は、上記の配線基板の製造方法を含み、前記基材と前記配線が形成された層との間に半導体機能膜を形成する工程を有し、前記配線は、前記半導体機能膜にキャリアを供給するソース電極、あるいは、前記半導体膜からキャリアが供給されるドレイン電極である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係る配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲だけによって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。また、各図面において、実質的に同一の構成、動作、及び効果を表す要素については、同一の符号を付す。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る配線基板の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。図2は、同配線基板の製造方法の全体のフローチャートであり、図3〜図5は、同配線基板の製造方法における一部の工程の詳細を示すフローチャートである。
[基板準備工程]
本実施の形態に係る配線基板の製造方法では、まず、図1の(a)に示すように、基材10を準備する(図2のS10)。本実施の形態において、基材10は、基板11と、基板11の上に形成された下地デバイス層12とからなる。従って、基材10を準備するとは、準備した基板11の上方に下地デバイス層12を形成することである。なお、基板11の準備には、基板11を水洗浄したり、基板11の表面にアンダーコート層を形成したりすることも含まれる。
基板11は、例えば、ガラス基板又はシリコン基板を用いることができる。本実施の形態では、ガラス基板を用いている。下地デバイス層12は、当該下地デバイス層12の上に形成される金属膜20の下地となる層(下地層)であり、デバイスの種類又はデバイス内の層構成に応じて種々の材料によって構成される。例えばデバイスが薄膜トランジスタの場合、下地デバイス層12としては、ゲート絶縁膜(シリコン酸化膜、シリコン窒化膜)、又は半導体層(アモルファスシリコン膜、結晶性シリコン膜)等が考えられる。
なお、下地デバイス層12が形成されずに、基材10を基板11そのものとしてもよい。この場合、基板11が金属膜20の下地層となる。また、下地層12は複数の機能層を有していてもよい。あるいは、基板11と下地デバイス層12との間に、他の機能層が形成されていてもよい。
[金属膜形成工程]
次に、図1の(b)に示すように、基材10の上に金属膜20を形成する(図2のS20)。金属膜20の材料としては、配線又は電極を形成するための所定の金属を用いることができる。本実施の形態では銅配線又は銅電極を形成するので、金属膜20は銅からなる銅薄膜とした。なお、銅以外の材料としてアルミニウム等の金属を用いて金属膜20を構成することもできる。
[レジスト膜形成工程]
次に、図1の(c)に示すように、金属膜20上に所定形状のレジスト膜30を形成する(図2のS30)。具体的には、金属膜20上の全面にレジスト膜30を塗布及び固化して、露光及び現像等を施すことによってパターニングを行う。これにより、所定形状のレジスト膜30を形成することができる。レジスト膜30の材料としては有機材料を用いることができる。本実施の形態では、レジスト膜30として、ノボラック系樹脂と感光剤とを含有するものを用いた。
[金属膜エッチング工程]
次に、図1の(d)に示すように、レジスト膜30をマスクとして金属膜20をエッチングすることによって、所定形状の配線20Aをパターン形成する(図2のS40)。本実施の形態では、金属膜20は銅薄膜とし、この銅薄膜をウェットエッチングによって加工することで、所定形状の銅配線を形成している。この場合、銅薄膜をエッチングするためのエッチング液としては、例えば、過酸化水素水、有機酸、無機酸、及び防食剤やキレート剤を含むものを用いている。なお、金属膜20をエッチングするためのエッチング液の種類は、金属膜20を構成する金属の種類やエッチングレート等に応じて適宜選択すればよい。
[洗浄工程(金属膜エッチング工程の後)]
次に、図1の(e)に示すように、金属膜20をエッチングして配線20Aを形成した後に、所定の洗浄液を用いた1回目の洗浄を行う(図2のS50)。
上記のように、金属膜20をエッチングすると、図1の(d)に示すように、下地デバイス層12の表面には金属膜20を構成する金属微粒子20aが残渣として残留する。本実施の形態では、金属膜20が銅薄膜であるので、銅微粒子が残渣として下地デバイス層12の表面に存在することになる。そこで、本発明では、金属膜20をエッチングした後に、以下のような酸及びアルカリの洗浄液を用いた所定の洗浄工程を行っている。この洗浄工程について、図3を用いて詳細に説明する。
[薬液切り工程]
まず、図3に示すように、金属膜20をエッチングした後に、基材10に残るエッチング液の液切りを行う(S51)。例えば、エアーナイフによってエッチング液の液切りを行う。
[1次リンス工程(第1の洗浄工程)]
次に、アルカリの洗浄液によって基材10の露出部分に対して1次洗浄を行う(S52)。この場合、アルカリの洗浄液の濃度としては、当該洗浄液の中に異物として析出される粒子(パーティクル等)の表面電位が基材10の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしないような濃度とする。つまり、異物の粒子が下地デバイス層12に付着しない濃度であって、かつ、配線20Aの所定の配線形状を維持することができる濃度である。本実施の形態では、金属膜20として銅薄膜を用いているので、アルカリの洗浄液の濃度としては、銅配線の形状が損なわれないような濃度としている。なお、配線20Aをエッチングしない濃度とは、配線20Aを少しもエッチングしない場合だけではなく、1nm〜数nm程度以下のエッチングは許される。このように、所定の濃度のアルカリ洗浄液を用いた1次リンス工程を行うことよって、配線20Aの配線形状を維持しつつ、異物の粒子を除去することができる。
この1次リンス工程におけるアルカリの洗浄液としては、例えば、アンモニア又はアンモニウム化合物等からなる希釈アルカリ水(例えばアンモニア水)を用いることができる。また、異物の粒子には、後述する凝集粒子30aが含まれる場合もある。なお、1次リンス工程は、例えば、アルカリの洗浄液が収容された薬液槽内に、配線20A及びレジスト膜30が形成された状態の基材10(図1の(e))を浸漬させることによって行うことができる。
[2次リンス工程(第2の洗浄工程)]
次に、酸の洗浄液によって基材10の露出部分に対して2次洗浄を行う(S53)。この場合、酸の洗浄液の濃度としては、金属膜エッチング工程後に基材10の表面に残った金属微粒子20aが当該洗浄液中に溶解させることができる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度とする。つまり、金属膜20のエッチング残渣として下地デバイス層12の表面に付着する金属微粒子20aを除去する濃度であって、かつ、配線20Aの所定の配線形状を維持することができる濃度である。本実施の形態では、金属膜20として銅薄膜を用いているので、酸の洗浄液の濃度としては、残渣としての銅微粒子を除去できる濃度であって、かつ、銅配線の形状が損なわれないような濃度としている。このように、所定の濃度の酸洗浄液を用いた2次リンス工程を行うことによって、配線20Aの配線形状を維持しつつ、基材10の表面に残っている金属微粒子20aを除去することができる。なお、配線20Aをエッチングしない濃度としては、上記同様に、1nm〜数nm程度以下エッチングされることは許容範囲である。
この2次リンス工程における酸の洗浄液としては、例えば、有機酸を用いるシュウ酸や無機酸を用いる硫酸等の希釈酸水を用いることができる。なお、2次リンス工程は、例えば、酸の洗浄液が収容された薬液槽内に、配線20A及びレジスト膜30が形成された状態の基材10(図1の(e))を浸漬させることによって行うことができる。
また、2次リンス工程は、1次リンス工程に続いて連続的に行われることが好ましい。すなわち、基材10上(下地デバイス層12)のアルカリの洗浄液が乾かない程度に当該アルカリの洗浄液を除いた後に、酸の洗浄液を投入することが好ましい。このように、1次リンス及び2次リンスの洗浄工程は、金属膜エッチング工程から2次リンスの洗浄工程を終えるまでの間において、基材10(下地デバイス層12)の表面と配線20Aの表面及び側面とが濡れている状態で行うことが好ましく、基材10(下地デバイス層12)の表面と配線20Aの表面及び側面とに1次リンスの液層(アルカリの洗浄液)が残った状態で連続して2次リンスを行う。これにより、アルカリの洗浄液が乾いて金属微粒子20aが基材10の表面に吸着してしまう前に、当該金属微粒子20aを除去することができるので、金属汚染の低濃度化を実現することができる。
また、以上のアルカリ及び酸の洗浄液を用いた洗浄工程において、アルカリの洗浄液によるアルカリ洗浄と酸の洗浄液による酸洗浄との工程順序についてはどちらの工程を先にしても構わないが、基材10の表面に付着するパーティクル等の異物の増加を極力抑えるには、アルカリ洗浄の後に酸洗浄を行うことが好ましい。理由については、後述する。
[最終リンス工程(純水リンス工程)]
次に、超純水(DIW:Deionized water)によって基材10への最終洗浄を行う(S54)。
[乾燥工程]
上記DIW洗浄後、残留する薬液及び純粋を除去するために基材10を乾燥させる(S55)。
このように、金属膜20をエッチングした後に、以上のアルカリ及び酸の洗浄液を用いた洗浄工程を行うことによって、図1の(f)に示すように、基材10の表面の金属微粒子20a及びその他異物の粒子を除去することができる。なお、この洗浄工程において、1次リンス工程と2次リンス工程との間に一旦純水リンス工程を行うことも考えられるが、1次リンス工程と2次リンス工程との間には純水リンス工程を挿入することなく、アルカリ洗浄と酸洗浄とは連続して行うことが好ましい。また、この洗浄工程では、アルカリの洗浄液による1次リンス工程と酸の洗浄液による2次リンス工程とを行ったが、酸の洗浄液によるリンス工程のみを行っても構わない。これは、金属膜エッチング工程の後の基材10の表面には金属微粒子20aが多く存在し、洗浄液中には凝集粒子が少ない場合もあるからである。
[レジスト膜剥離工程]
次に、図1の(g)に示すように、所定の処理液を用いて配線20Aの上のレジスト膜30を剥離する(図2のS60)。本実施の形態におけるレジスト膜剥離工程では、多段式のレジスト剥離処理を行っており、図4に示すように、まず、繰り返して使用される旧液(使用済みのレジスト剥離液)によってレジスト剥離処理を行い(S61:第1レジスト剥離工程)、その後、新液(未使用のレジスト剥離液)によってレジスト剥離処理を行うことでレジスト膜30を完全に除去する(S62:第2レジスト剥離工程)。
なお、レジストを剥離する際のレジスト剥離液(薬液)としては、例えば、3級アミンと銅防食剤等を含むものを用いることができる。
[洗浄工程(レジスト膜剥離工程の後)]
次に、図1の(h)に示すように、レジスト膜30を剥離した後に、所定の洗浄液を用いた2回目の洗浄を行う(図2のS70)。
上記のように、レジスト剥離液は繰り返して使用されるが、レジスト剥離液を繰り返して使用すると、旧液のレジスト剥離液中には、レジスト膜30等の有機材料に由来する凝集粒子が含まれたり、レジスト剥離中においてレジスト剥離液に一部溶け出した金属膜20の金属微粒子が含まれていたりする。これにより、図1の(g)に示すように、下地デバイス層12の表面には凝集粒子30a及び金属微粒子20aが残渣として残留する。また、酸素アッシングやドライエッチング時にレジスト膜30の表面が熱やプラズマで叩かれたことによりレジスト膜30の表面が硬化し、この硬化したレジスト膜30がレジスト剥離液中で溶解できないで硬化物として浮遊したりする。本実施の形態では、レジストの分解物や硬化物による凝集粒子及び銅微粒子が残渣として下地デバイス層12の表面に存在することになる。そこで、本実施の形態では、凝集粒子30a及び金属微粒子20aを除去するために、レジスト膜30を剥離した後に、以下の洗浄工程を行っている。この洗浄工程について、図5を用いて説明する。なお、この洗浄工程は、上記の金属膜20をエッチングした後における洗浄工程と基本的には同じである。
[薬液切り工程]
まず、図5に示すように、レジスト膜30を剥離した後に、基材10に残るレジスト剥離の液切りを行う(S71)。例えば、エアーナイフによってレジスト剥離液の液切りを行う。
[1次リンス工程(第1の洗浄工程)]
次に、アルカリの洗浄液によって基材10の露出部分に対して1次洗浄を行う(S72)。この場合、アルカリの洗浄液の濃度としては、上記同様に、当該洗浄液の中に析出される凝集粒子30aの表面電位が基材10の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度とする。これにより、配線20Aの配線形状を維持しつつ、基材10の表面に残留する凝集粒子30aを除去することができる。なお、アルカリの洗浄液又は洗浄処理装置は、上記同様のものを用いることができる。また、配線20Aをエッチングしない濃度としては、上記同様に、1nm〜数nm程度以下エッチングされることは許容範囲である。
[2次リンス工程(第2の洗浄工程)]
次に、酸の洗浄液によって基材10の露出部分に対して2次洗浄を行う(S73)。この場合、酸の洗浄液の濃度としては、上記同様に、基材10の表面に残った金属微粒子20aが当該洗浄液中に溶解させることができる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度とする。これにより、配線20Aの配線形状を維持しつつ、基材10の表面に残っている金属微粒子20aを除去することができる。なお、酸の洗浄液又は洗浄処理装置は、上記同様のものを用いることができる。また、配線20Aをエッチングしない濃度としては、上記同様に、1nm〜数nm程度以下エッチングされることは許容範囲である。
また、本洗浄工程においても、2次リンス工程は、1次リンス工程に続いて連続的に行われることが好ましい。すなわち、基材10上(下地デバイス層12)のアルカリの洗浄液が乾かない程度に当該洗浄液を除いた後に、酸の洗浄液を投入することが好ましい。このように、1次リンス及び2次リンスの洗浄工程は、レジスト膜剥離工程から2次リンスの洗浄工程を終えるまでの間において、基材10(下地デバイス層12)の表面と配線20Aの表面及び側面とが濡れている状態で行うことが好ましく、基材10(下地デバイス層12)の表面と配線20Aの表面及び側面とに液層が残った状態で連続して行う。これにより、薬液が乾いて金属微粒子20aや凝集粒子30aが基材10の表面に吸着してしまう前に、当該金属微粒子20aを除去することができる。
[最終リンス工程(純水リンス工程)]
次に、超純水(DIW:Deionized water)によって基材10への最終洗浄を行う(S74)。
[乾燥工程]
上記DIW洗浄後、残留する薬液及び純粋を除去するために基材10を乾燥させる(S75)。
このように、レジスト膜30を剥離した後に、以上のアルカリ及び酸の洗浄液を用いた洗浄工程を行うことによって、図1の(i)に示すように、基材10の表面の金属微粒子20a及び凝集粒子30a等の不純物を除去することができる。なお、この洗浄工程において、1次リンス工程と2次リンス工程との間に一旦純水リンス工程を行うことも考えられるが、上記同様に、1次リンス工程と2次リンス工程との間には純水リンス工程を挿入することなく、アルカリ洗浄と酸洗浄とは連続して行うことが好ましい。以上により、本実施の形態に係る配線基板を製造することができる。
次に、本実施の形態の洗浄工程における1次リンス工程(アルカリリンス工程)及び2次リンス工程(酸リンス工程)の洗浄液の濃度について、図6〜図8を用いてさらに詳細に説明する。図6は、洗浄液(薬液)の濃度(pH)に対する各材料におけるゼータ電位を示す図である。図7は、銅のpH−電位図である。図8は、各材料における濃度(pH)と酸化還元電位との関係を示す図である。
上述のように、アルカリの洗浄液の濃度としては、当該洗浄液の中に不純物(パーティクル)として析出される凝集粒子の表面電位が基材10の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度としている。
図6に示すように、薬液中において、PSL(ポリスチルラテックス)、Si(窒化シリコン)、SiO(二酸化シリコン)及びSi(シリコン)の各材料は、薬液の濃度に応じて、正極性又は負極性のデータ電位を有する。なお、ゼータ電位とは、溶液中(薬液中)の粒子の表面電位(表面電荷)であり、溶液中の粒子の周りに形成される拡散電気二重層中における液体流動が起こり始める「すべり面」の電位のことである。
ここで、PSLは、レジスト剥離液中に含まれるレジスト等の有機材料からなる凝集粒子に対応し、Si及びSiOは、薄膜トランジスタにおけるゲート絶縁膜に対応し、Siは薄膜トランジスタにおけるシリコン半導体層又はシリコン基板に対応する。つまり、PSLは、図1(h)に示されるように基材10の表面に残留する凝集粒子30aに相当し、Si、SiO、及びSiは、図1における下地デバイス層12に相当する。
従って、凝集粒子30a(PSL)と基材10(下地デバイス層12)とのゼータ電位の極性をコントロールすることによって、凝集粒子30a(PSL)の基材10(下地デバイス層12)への吸着と反発とを制御することができる。例えば、凝集粒子30aと基材10とについて両者のゼータ電位の極性を異ならせると両者の間に引力が発生して、凝集粒子30aは基材10に付着する。一方、凝集粒子30aと基材10とについて両者のゼータ電位の極性を同じにすると両者の間に斥力が発生して、凝集粒子30aは基材10に付着しない。
本実施の形態では、この性質を利用することで洗浄液の濃度を規定しており、図6に示すように、薬液の濃度(水素イオン濃度指数:pH)を8.5以上のアルカリ領域とすることによって、凝集粒子30a(PSL)と下地デバイス層12(Si、SiO、Si)とを同一極性とすることができる。これにより、凝集粒子30a(PSL)が基材10に付着(再付着)することを防止することができる。
このように、凝集粒子30aを除去するにはアルカリの洗浄液を用いればよいが、一旦パターニングした配線20Aの形状を維持する必要があるので、アルカリの洗浄液の濃度は、配線20Aをエッチングしない濃度、すなわち、配線20Aがエッチングされ始める濃度(エッチングするのに必要な最低限の濃度)以下とする必要がある。従って、例えば本実施の形態にように金属膜20の材料として銅を用いた場合、凝集粒子30aを除去するためのアルカリの洗浄液の濃度としては、図7の破線で囲まれる「Cu不溶領域」の範囲とすることが好ましい。具体的には、アルカリの洗浄液のpHとしては、8.5〜10とすることが好ましい。
一方、上述のように、酸の洗浄液の濃度としては、基材10の表面に残った金属微粒子20aが当該洗浄液中に溶解させることができる濃度以上で、かつ、配線20Aをエッチングしない濃度としている。つまり、酸の洗浄液の濃度は、配線20Aの配線形状を維持しつつ、基材10の表面に残っている金属微粒子20aを除去することができる濃度としている。
従って、例えば本実施の形態にように金属膜20の材料として銅を用いた場合、酸の洗浄液の濃度としては、図7の破線で囲まれる「酸でCu溶解制御」の範囲とすることが好ましい。具体的には、酸の洗浄液のpHとしては、2.0〜3.5とすることが好ましい。また、図8に示すように、硫酸系や塩酸系の洗浄液は、濃度(pH)も十分低く、かつ酸化還元電位も十分高いので、各種材料の金属を溶解してイオン化させやすく、これにより、基材10の表面に残留する金属微粒子20aを効果的に除去することができる。そして、本実施の形態にように金属膜20の材料として銅を用いた場合、図7を考慮すると、酸の洗浄液としては、図8の破線で囲まれる範囲内の種類の洗浄液を用いることが好ましい。
次に、本実施の形態における洗浄方法について、従来の洗浄方法と比較しながら説明する。まず、従来の洗浄方法について、図18及び図19を用いて説明する。
図18に示すように、従来、配線をパターン形成した後、配線上のレジスト膜をレジスト剥離液によって剥離し(S1060:レジスト剥離工程)、その後、基材を洗浄する(S1070:洗浄工程)。この洗浄工程では、エアーナイフ等によって薬液(レジスト剥離液)切りを行い(S1071:薬液切り工程)、その後、純水によってレジスト剥離液を水に置換して基材を洗浄し(S1074:純水リンス工程)、最後に、基材全体を乾燥させる(S1075:乾燥工程)。
図19に示すように、従来の洗浄工程では、基材10(下地デバイス層12)上のレジスト剥離液を水に置換する際、レジスト剥離液中には、レジスト膜材料に由来するノボラック系樹脂の分解物やレジスト硬化物、溶け出した銅の溶解物(銅微粒子)、及びゴミ等の不純物が含まれているので、これらが凝集した凝集粒子が異物として下地デバイス層12に付着する。つまり、純水洗浄を行う際に、ノボラック系樹脂の凝集粒子、ノボラック系樹脂とレジスト硬化物との凝集粒子、銅の溶解物、及びゴミ等の異物が既に下地デバイス層12に付着している。また、これらの異物が下地デバイス層12に吸着してしまうと容易に除去することが難しく、特に銅微粒子が下地デバイス層12に一旦吸着してしまうと除去することが困難となる。このように、従来の洗浄方法では、銅等の金属微粒子と凝集粒子の異物とを除去することができなかった。
これに対して、本実施の形態に係る洗浄方法は、上述のように、レジスト剥離工程の後に、凝集粒子30aと基材10との表面電位が同一極性となるように濃度制御されたアルカリ洗浄液を用いたアルカリリンスと、配線20Aから溶け出した金属微粒子20aを溶解させるように濃度制御された酸洗浄液を用いた酸リンスとを行っている。これにより、図9に示すように、アルカリ洗浄液によって、凝集粒子30aが基材10に付着(再付着)することを防止することができ、さらに、分解物等の凝集を緩和することができる。また、酸洗浄液によって、基材10(下地デバイス層12)の表面に残っている金属微粒子20aが酸と錯体化又は塩化し、金属錯体又は金属塩として酸洗浄液中に溶出させることができ、これにより、基材10(下地デバイス層12)の表面から金属微粒子20aを除去することができる。
なお、図19では、レジスト剥離工程後の洗浄工程について説明したが、金属膜エッチング工程後の洗浄工程についても同様の原理によって金属微粒子20a及び不純物を除去することができる。
次に、本実施の形態の洗浄工程におけるアルカリ洗浄液の濃度(ppm)と酸洗浄液の濃度(wt%)について、図10A、図10B、図11A、図11B、図11Cを用いて説明する。
まず、アルカリリンスにおけるアルカリ洗浄液の濃度(ppm)については、上述のとおり、配線20Aの配線形状は維持しつつ、基材10の表面に残留する凝集粒子30a等のパーティクルを除去する濃度としている。従って、アルカリ洗浄液の濃度(ppm)は、基材10の表面のパーティクル残量が少ない濃度であって、かつ、銅のエッチング量が小さい濃度とすることが好ましく、上述のとおり、アルカリの洗浄液のpHとしては、8.5〜10とすることが好ましい。
この場合、例えば、アルカリ洗浄液としてアンモニア水を用いる場合、図10Aに示すように、パーティクル除去効果の下限と銅の溶解許容上限とを考慮すると、アンモニア水の濃度は、0.1(ppm)以上20(ppm)以下とすることが好ましい。さらに、図10Bに示すように、銅のエッチング量を考慮すると、アルカリ洗浄液の濃度が1.0ppmを超えると配線材料である銅が急にエッチングされ始めるため、溶解した銅の再付着による汚染の懸念が高くなる。このため、アルカリ洗浄液の濃度としては、銅の溶解がほとんどない上限値を考慮すると、0.1(ppm)以上1.0(ppm)以下とすることが好ましい。アルカリ洗浄液の濃度をこのような範囲とすることにより、溶解した銅が再付着することを防止することができる。
また、酸リンスにおける酸洗浄液の濃度(wt%)については、上述のとおり、配線20Aの配線形状を維持しつつ、基材10の表面に残っている金属微粒子20aを除去する濃度としている。従って、酸洗浄液の濃度(wt%)は、基材10の表面のCu微粒子残量が少ない濃度であって、かつ、銅のエッチング量も小さい濃度とすることが好ましい。
この場合、図11Aに示すように、酸洗浄液の濃度と銅のエッチング量による銅の溶解許容範囲との関係を考慮すると、銅配線の形状を維持できる酸洗浄液の最大の濃度は0.3(wt%)までとなる。また、図11Bに示すように、残留汚染量のスペックが1.0×1011(atoms/cm)以下であることを考慮して、汚染除去効果のある酸洗浄液の濃度は、0.001(wt%)である。従って、銅の溶解許容範囲及び銅の残留汚染量を考慮した酸洗浄液の濃度は、0.001(wt%)以上0.3(wt%)以下とすることが好ましい。但し、図11Aに示す銅のエッチング量から酸洗浄液の濃度を0.1(wt%)程度にすると銅のエッチング量が増加傾向にあることから、特に有機酸を用いて錯体化反応で除去する場合には、酸洗浄液の濃度は、0.001(wt%)以上0.01(wt%)以下とすることが好ましい。酸洗浄液の濃度をこのような範囲とすることにより、溶解した銅が再付着することを防止することができる。
また、この酸洗浄液の効果は、図11Cに示すように、銅だけではなく鉄や亜鉛に対しても同様の濃度範囲で効果があることが確認できた。鉄等は、例えば半導体素子のシリコン半導体層などに進入すると、半導体素子のキャリア移動度が低下する等という深刻な悪影響を発生させるので、除去することがのぞまれる。本実施の形態によれば、鉄等についても洗浄の効果を確認することができたため、優れた特性の半導体素子などを実現することができるようになる。
次に、本実施の形態の洗浄工程における酸洗浄後及びアルカリ洗浄後における銅汚染濃度及びパーティクル量の実験結果について、図12及び図13を用いて説明する。なお、本実験では、酸洗浄液としてpHが2.9のシュウ酸をベースにした希釈有機酸液を用い、アルカリ洗浄液としてpHが8.4の希釈アンモニア液を用いた。また、本実験では、バス式処理装置を用いており、各洗浄液を収容する液槽にサンプルウェハを浸漬して行った。サンプルウェハとしては、6インチのシリコン基板を用い、下地層としてSiOが形成された基板(「SiO表面転写」)と、下地層として疎水化されたSiOが形成された基板(「疎水化SiO表面転写」)と、下地層としてレジストが剥離されたシリコン基板(「レジスト剥離後_Si表面」)とを用いて、それぞれ銅配線がパターン形成されているものを2つずつ用意した。なお、各洗浄液において、レジスト膜の剥離時間は300secであり、処理時間(浸漬時間)は240secとし、また、酸又はアルカリの各洗浄後には480secのDIW洗浄を行った。
この結果、図12に示すように、アルカリ洗浄液によるアルカリリンスを行ったサンプルウェハについては、ゲート絶縁膜上に相当する「SiO表面転写」及び「疎水化SiO表面転写」と、半導体層上に相当する「レジスト剥離後_Si表面」とのいずれにおいても、銅汚染濃度は、純水洗浄のみの場合よりも低減することができるが、表示装置用薄膜トランジスタのスペック条件(<1.0×1011(atoms/cm))を満たすことはできないことが分かる。
これに対して、酸洗浄液による酸リンスを行ったサンプルウェハについては、ゲート絶縁膜上に相当する「SiO表面転写」及び「疎水化SiO表面転写」と、半導体層上に相当する「レジスト剥離後_Si表面」とのいずれにおいても、銅汚染濃度は1.0×1011(atoms/cm)程度であり、上記スペック条件をほぼ満たすことができることが分かる。これにより、薄膜トランジスタにおいて汚染銅が半導体層に拡散してしまうことを抑制することができるので、TFT特性の変動を防止することができる。
また、図13に示すように、酸洗浄液による酸リンスを行ったサンプルウェハについては、「SiO表面転写」及び「レジスト剥離後_Si表面」の方は、粒子径が0.3μm以上の残留パーティクルの総個数及び粒子径が2.0μm以上の残留パーティクルの個数のいずれの場合のパーティクルも低減できているが、「疎水化SiO表面転写」の方については、洗浄処理前のパーティクルの個数が低減していないだけではなく、逆に増加していることが分かる。なお、洗浄処理前のパーティクルの個数は、100(個/6インチウェハ)程度である。
一方、アルカリ洗浄液によるアルカリリンスを行ったサンプルウェハについては、「SiO表面転写」、「疎水化SiO表面転写」及び「レジスト剥離後_Si表面」のいずれにおいても、粒子径が0.3μm以上の残留パーティクルの総個数及び粒子径が2.0μm以上の残留パーティクルの個数のいずれについても、酸洗浄液による酸リンスを行った場合と比べて大幅に低減できていることが分かる。
また、無機酸を用いて銅を含む金属の除去効果を確認した結果を図14に示す。本実験では、枚葉式の洗浄装置を用いて実施した。具体的には、銅を成膜した基板を事前にレジスト剥離液に浸漬し、銅で汚染された剥離液をSi基板上に塗布した後に、連続して、硫酸を希釈した酸洗浄液でリンスすることにより実施した。
その結果、図14に示すように、酸洗浄をしないで純水だけでリンスした場合には、剥離液中に存在する鉄(Fe)と亜鉛(Zn)、溶解した銅(Cu)も含めて、スペックである1.0×1011(atoms/cm)を超える汚染量があったが、0.001(wt%)以上の濃度の硫酸でリンスをすることにより、スペック条件以下の残留汚染量になることが確認できた。なお、銅配線の形状を維持できる酸洗浄液の最大の濃度は0.3(wt%)までとなるので、硫酸を用いた場合の酸洗浄液の濃度についても、0.001(wt%)以上0.3(wt%)以下とすることが好ましい。さらに、硫酸の場合においても、酸洗浄液の濃度は、0.001(wt%)以上0.01(wt%)以下とすることがより好ましい。
このように、シュウ酸のような有機酸以外、例えば硫酸のような無機酸を用いた酸洗浄液であっても本発明の効果が得られることが確認できた。
なお、図13に示す結果から、アルカリリンスと酸リンスとの工程順序については、凝集粒子等のパーティクルを除去するためのアルカリリンスを行った後に、銅微粒子等の金属微粒子を除去するための酸リンスを行うことが好ましい。これは、酸リンスを先に行うと、図13に示すように、パーティクル数が増加させてしまう場合があるからである。
但し、表面に残存する凝集粒子と金属汚染との存在量、あるいはそれらのバランスから、酸洗浄を先行して実施し、アルカリ洗浄を酸洗浄の後に実施してもよい。
[半導体素子]
次に、本実施の形態に係る配線基板の製造方法を用いて作製した半導体素子について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの構成を示す断面図であり、図16は、トップゲート型の薄膜トランジスタの構成を示す断面図である。
図15に示される薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート型TFTであって、基板11と、基板11の上に形成されたゲート電極40と、ゲート電極40の上に形成されたゲート絶縁膜50と、ゲート絶縁膜50の上に形成された結晶性半導体層(チャネル層)60と、結晶性半導体層60の上に形成された一対の非晶質半導体層70と、一対の非晶質半導体層70の上の形成され、それぞれがモリブデン層80及び銅層90からなる一対のソース電極及びドレイン電極とを備える。
図16に示される薄膜トランジスタ200は、トップゲート型TFTであって、基板11と、基板11の上に形成された結晶性半導体層60と、結晶性半導体層60の上に形成されたゲート絶縁膜50と、ゲート絶縁膜50の上に形成されたゲート電極40と、ゲート絶縁膜50を覆うようにゲート絶縁膜50の上に形成された絶縁層51と、ゲート絶縁膜50及び絶縁層51を貫通して設けられたコンタクトホールを介して結晶性半導体層60に接続されたモリブデン層80及び銅層90からなる一対のソース電極及びドレイン電極とを備える。なお、ソース電極及びドレイン電極は、コンタクトホールを介して絶縁層51の上にまで形成されている。
薄膜トランジスタ100、200において、ゲート電極40の材料としては、銅、モリブデン、アルミニウム、タングステン、又はモリブデンタングステン等を用いることができる。ゲート絶縁膜50の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム等を用いることができる。結晶性半導体層60としては、多結晶シリコン膜又は微結晶シリコン膜等を用いることができる。また、非晶質半導体層70としては、アモルファスシリコン膜を用いることができ、意図的に不純物をドープしないi層又は不純物を高濃度にドープしたn層とすることができる。
[半導体素子の製造方法]
本実施の形態に係る配線基板の製造方法は、薄膜トランジスタ(半導体素子)の製造方法における製造工程として含めることができ、基材10と配線が形成された層との間に結晶性半導体層(半導体機能膜)を形成する工程をする。この配線は、結晶性半導体層にキャリアを供給するソース電極、あるいは、結晶性半導体層からキャリアが供給されるドレイン電極とすることができる。
例えば、図15及び図16に示す薄膜トランジスタ100、200を製造する場合において、ゲート電極(ゲート配線)をパターン形成する際、又は、ソース電極(ソース配線)及びドレイン電極(ドレイン配線)をパターン形成する際に、本実施の形態に係る配線基板の製造方法(洗浄方法)を用いることができる。
より具体的には、図15及び図16において、ゲート電極40をパターン形成する際に本実施の形態に係る配線基板の製造方法を用いることにより、ゲート電極40を加工した後のレジスト剥離においてレジスト剥離液(旧液又は新液)に混入した銅等の金属微粒子や凝集粒子が下地層やゲート電極上(図中の破線部分)に付着しないようにすることができる。
また、図15において、ソース電極及びドレイン電極をパターン形成する際に本実施の形態に係る配線基板の製造方法を用いることにより、ソース電極及びドレイン電極のパターン形成と同時に半導体層の島化加工をした後におけるレジスト剥離工程においてレジスト剥離液(旧液又は新液)に混入した銅等の金属微粒子や凝集粒子が、半導体層の側壁やチャネル間(図中の破線部分)に付着しないようにすることができる。
また、図16において、結晶性半導体層60を島化する際に本実施の形態に係る配線基板の製造方法を用いることにより、結晶性半導体層60の島化する際のレジスト剥離においてレジスト剥離液(旧液)に混入している銅等の金属微粒子や凝集粒子が、結晶性半導体層60の上面や側壁(図中の破線部分)に付着しないようにすることができる。また、結晶性半導体層60へのドーパント注入後のレジスト剥離においてレジスト剥離液(旧液)に混入している銅等の金属微粒子や凝集粒子が、結晶性半導体層60の上面や側壁(図中の破線部分)に付着しないようにすることができる。
以上、本実施の形態に係る配線基板の製造方法によれば、洗浄工程が、配線20Aをエッチングしない濃度であって、凝集粒子30aと基材10との表面電位が同一極性となるような濃度であるアルカリ洗浄液を用いたアルカリ洗浄工程と、配線20Aをエッチングしない濃度であって、配線20Aから溶け出した金属微粒子20aを溶解させるような濃度である酸洗浄液を用いた酸洗浄工程とを含む。これにより、アルカリ洗浄液によって、凝集粒子30aが基材10に付着(再付着)することを防止することができ、また、酸洗浄液によって、基材10(下地デバイス層12)の表面に残っている金属微粒子20aを金属錯体又は金属塩として洗浄液中に溶出させることで基材10(下地デバイス層12)の表面から金属微粒子20aを除去することができる。
これにより銅等の金属微粒子や凝集粒子等のパーティクルが配線基板に残留することによって生じる歩留まり低下等の不具合を解消することができる。特に、薄膜トランジスタの場合、銅等の金属微粒子が熱プロセスによって半導体層に拡散するとTFT特性が低下するので、上述のように銅等の金属微粒子を除去することで、TFT特性の低下を防止することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る配線基板の製造方法について、図17を用いて説明する。図17は、本発明の実施の形態2に係る配線基板の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る配線基板の製造方法では、実施の形態1に係る配線基板の製造方法において、レジスト膜30を剥離する工程の前に、基材10に対してドライエッチングを行う工程を含む。すなわち、レジスト膜30をマスクとして基材10(下地デバイス層12)に対してドライエッチングを行うことで、基材10の表面をエッチングする。
具体的には、図17の(a)〜(f)に示すように、図1の(a)〜(d)と同様にして、基材10を準備し(図17の(a))、基材10の上に金属膜20を形成し(図17の(b))、金属膜20上に所定形状のレジスト膜30を形成し(図17の(c))、レジスト膜30をマスクとして金属膜20をエッチングすることによって、所定形状の配線20Aをパターン形成し(図17の(d))、アルカリ及び酸の少なくとも一方の洗浄液を用いた1回目の洗浄を行うことによって金属微粒子20a等を除去する(図17の(e)、(f))。
次に、図17の(g)に示すように、レジスト膜30を残したまま、基材10に対してドライエッチングを行う。これにより、同図に示すように、レジスト膜30をマスクとして基材10(下地デバイス層12)がエッチングされ、基材10に凹部12Aが形成される。
例えば、下地デバイス層12が結晶性半導体層等のチャネル層である場合は、このドライエッチングによってチャネル層のエッチング又はパターングを行うことができる。
次に、図17の(h)〜(j)に示すように、図1の(g)〜(i)と同様にして、所定の処理液を用いて配線20Aの上のレジスト膜30を剥離し(図17の(h))、アルカリ及び酸の少なくとも一方の洗浄液を用いた2回目の洗浄を行うことによって金属微粒子20a及び凝集粒子30a等を除去する(図17の(i)、(j))。
以上により、本実施の形態に係る配線基板を製造することができる。以上、本実施の形態に係る配線基板の製造方法によれば、実施の形態1と同様に、洗浄工程が、配線20Aをエッチングしない濃度であって、凝集粒子30aと基材10との表面電位が同一極性となるような濃度であるアルカリ洗浄液を用いたアルカリ洗浄工程と、配線20Aをエッチングしない濃度であって、配線20Aから溶け出した金属微粒子20aを溶解させるような濃度である酸洗浄液を用いた酸洗浄工程とを含む。これにより、実施の形態1と同様に、アルカリ洗浄液によって、凝集粒子30aが基材10に付着(再付着)することを防止することができ、また、酸洗浄液によって、基材10(下地デバイス層12)の表面に残っている金属微粒子20aを金属錯体又は金属塩として洗浄液中に溶出させることで基材10(下地デバイス層12)の表面から金属微粒子20aを除去することができる。
これにより銅等の金属微粒子や凝集粒子等のパーティクルが配線基板に残留することによって生じる歩留まり低下及びTFT特性の低下を防止することができる。
また、本実施の形態では、ドライエッチングを行っているが、仮に基材10の表面に銅等の金属微粒子20aが付着していると、ドライエッチングによって金属微粒子20aが基材10の内部に侵入してしまって素子特性が劣化するという問題がある。例えば、チャネル層をエッチングする際に、チャネル層表面に銅微粒子が付着していると、ドライエッチングによって銅微粒子が半導体層に注入されてしまって、TFT特性の変動の原因となる。これに対して、本実施の形態では、ドライエッチングを行う前に、基材10の露出部分をアルカリ及び酸によって洗浄しているので、銅等の金属微粒子20aが除去されている。これにより、ドライエッチングによって金属微粒子20aが基材10の内部に侵入することを防止することができる。
以上、本発明に係る配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、金属膜20及び配線20Aを構成する材料として銅を中心に説明したが、銅以外の金属、例えばアルミニウム等にも適用することができる。
また、上記の実施の形態では、金属膜20を配線20Aにパターン形成する場合について説明したが、金属膜20を電極にパターン形成する場合についても同様である。
また、上記の実施の形態では、半導体層の材料としてシリコンを用いたが、シリコン以外の半導体材料を用いることができる。例えば、ゲルマニウム(Ge)、SiGe、SiC、又はその他金属酸化物からなる半導体層を用いることもできる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明は、金属膜をパターニングするときにおける下地基材の表面を洗浄するものであり、配線基板の製造方法及び半導体素子の製造方法等として広く利用することができる。
10 基材
11 基板
12 下地デバイス層
12A 凹部
20 金属膜
20a 金属微粒子
20A 配線
30 レジスト膜
30a 凝集粒子
40 ゲート電極
50 ゲート絶縁膜
51 絶縁層
60 結晶性半導体層
70 非晶質半導体層
80 モリブデン層
90 銅層
100、200 薄膜トランジスタ

Claims (16)

  1. 基材を準備する工程と、
    前記基材の上方に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜上に所定形状のレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜をマスクとして前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程と、
    前記配線を形成する工程の後に、前記レジスト膜を剥離する工程と、
    前記配線を形成する工程の後に、前記基材を洗浄する工程と、を含み、
    前記基材を洗浄する工程は、酸及びアルカリのいずれか一方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第1の洗浄工程と、その後に、酸及びアルカリのいずれか他方の洗浄液を用いて前記基材を洗浄する第2の洗浄工程と、を含み、
    前記アルカリの洗浄液の濃度は、当該洗浄液の中に析出される粒子の表面電位が前記基材の表面電位と同一極性となる濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度であり、
    前記酸の洗浄液の濃度は、前記金属膜のエッチングによって前記基材に残った金属微粒子が前記洗浄液中に溶解する濃度以上で、かつ、前記配線をエッチングしない濃度である、
    配線基板の製造方法。
  2. 前記基材を洗浄する工程は、前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程の直後に行われる、
    請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記金属膜をエッチングして配線を形成する工程から前記洗浄工程を終えるまでの間に、前記基材の表面と前記配線の側面とは、濡れている、
    請求項2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記基材を洗浄する工程は、前記レジスト膜を剥離する工程の直後に行われる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記レジスト膜を剥離する工程から前記洗浄工程を終えるまでの間に、前記基材の表面と前記配線の表面及び側面とは、濡れている、
    請求項4に記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記第1の洗浄工程と前記第2の洗浄工程とは、連続して行われる、
    請求項3又は5に記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記酸の洗浄液は、シュウ酸又は硫酸であって、その濃度は0.001wt%以上、0.3wt%以下であり、
    前記アルカリの洗浄液は、アンモニア水であって、その濃度は0.1ppm以上、100ppm以下である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記酸の洗浄液は、有機酸を用いるシュウ酸又は無機酸を用いる硫酸であって、その濃度は0.001wt%以上、0.01wt%以下であり、
    前記アルカリの洗浄液は、アンモニア水であって、その濃度は0.1ppm以上、1.0ppm以下である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記レジスト膜は、ノボラック系樹脂と感光剤とを含有する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の配線基材の製造方法。
  10. 前記金属膜を構成する金属として、銅が含まれている、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  11. 前記洗浄工程は、さらに、前記第2の洗浄工程の後に、前記基材を純水で洗浄する工程を含む、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  12. さらに、前記レジスト膜を剥離する工程の前に、前記基材に対してドライエッチングを行う工程を含む、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  13. 前記第1の洗浄工程は、アルカリの洗浄液を用いた洗浄工程であり、
    前記第2の洗浄工程は、酸の洗浄液を用いた洗浄工程である、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  14. 前記第1の洗浄工程は、酸の洗浄液を用いた洗浄工程であり、
    前記第2の洗浄工程は、アルカリの洗浄液を用いた洗浄工程である、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  15. 前記洗浄液の中に析出される粒子は、前記レジスト膜の材料に由来する、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法を含み、
    前記基材と前記配線が形成された層との間に半導体機能膜を形成する工程を有し、
    前記配線は、前記半導体機能膜にキャリアを供給するソース電極、あるいは、前記半導体膜からキャリアが供給されるドレイン電極である、
    半導体素子の製造方法。
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