JP3731978B2 - 洗浄溶液及びこれを用いた洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の製造時に用いられる洗浄溶液およびこれを用いる洗浄方法に係り、特に通常の半導体素子の製造段階で発生するポリマー、金属物質および蝕刻残留物などの汚染物質を効率よく取り除くための洗浄溶液およびこれを用いる洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子は、半導体基板上に形成された多様な薄膜を蝕刻工程、イオン注入工程および化学機械的研磨工程などを用い用途に応じて加工することにより製作される。しかしながら、導電膜(例えば、アルミニウム膜、チタン膜、アルミニウム/ シリコン膜、タングステン膜、タングステン/ チタン膜、チタン窒化膜など)の加工時に用いられる蝕刻ガスとフォトレジストおよび前記導電膜は相互反応し、「側壁ポリマー(polymer) 」又は「フェンス(fence) 」などの副産物を形成して製品の収率および信頼性に致命的な影響を及ぼすようになる。さらに、電子機器の高速化および小型化に伴い集積度が高まるにつれて前記副産物は更に深刻な問題になっている。従って、各種副産物を効率よく取り除き得る洗浄工程の必要性がますます増大している。
【0003】
図1および図2に基づき、乾式蝕刻により導電膜を露出させるコンタクトホールの形成段階又は導電膜パターンの形成段階後の洗浄工程を説明する。
【0004】
参照符号10は半導体基板を、20は層間絶縁膜を、30は導電膜を、30A は導電膜パターンを、40は酸化膜を、50はコンタクトホールを、60は汚染物質をそれぞれ示す。
【0005】
図1は、洗浄溶液として従来のフォトレジストストリッパ又は有機ストリッパを用い、コンタクトホール50の形成された半導体基板10を洗浄した結果を示した図面である。
【0006】
コンタクトホール50の形成された半導体基板10を、60ないし90℃の洗浄溶液に浸してコンタクトホール50の側壁および底面にある蝕刻残留物などの汚染物質を取り除く。洗浄溶液の処理が終わった半導体基板をアルコール系のリンス剤に浸して濯いだ後、脱イオン水に浸して半導体基板の表面に存在する洗浄溶液を完全に取り除く。次に、脱イオン水が入っている他の液槽に洗浄溶液の取り除かれた基板を再び浸して基板の表面に残存する異物を取り除いた後、半導体基板を回転させて半導体基板の表面に残っている脱イオン水を取り除くことにより、洗浄工程が終了される。
【0007】
しかしながら、フォトレジストストリッパ又は有機ストリッパのような従来の洗浄溶液はコンタクトホールの表面に取り付けられた蝕刻残留物およびその他の汚染物質を取り除く能力において限界がある。従って、洗浄効果が不十分なので、図1に示すように、コンタクトホールの側壁および底部に汚染物質の一部60が残留するようになる。特に、有機金属性の側壁ポリマーなどはフォトレジスト除去のためのプラズマアッシング(ashing)工程を経るうちにオキソ−金属性錯化合物に酸化されるが、前記オキソ−金属性錯化合物は従来の洗浄溶液にて完全に取り除きにくいという問題点がある。
【0008】
かつ、従来の洗浄溶液は導電膜に対する腐蝕性を有している。従って、洗浄工程時に導電膜パターン30A の一部を蝕刻させて図2のように導電膜パターン30A のプロファイルを深刻に変形させる問題点がある。なお、前記洗浄溶液の金属に対する強い腐蝕性は洗浄溶液の配管および洗浄装備の寿命を短縮させる。かつ、洗浄溶液にて洗浄する工程と脱イオン水にて洗浄する工程の間にアルコールなどの可燃性リンス工程を更に適用しなければならないので、製造設備内の環境および工程が複雑になる問題点がある。その外にも、洗浄溶液自体が多量の金属イオンおよび汚染粒子を含んでおり洗浄工程中に半導体基板の表面に金属イオンおよび汚染粒子が吸着されるおそれがある。
【0009】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明は、前記のような目的を達成するために案出されたものであり、洗浄効果が増大された洗浄溶液を提供するにその目的がある。
【0010】
かつ、本発明の他の目的は、前記洗浄溶液を用いて半導体基板を洗浄する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、テトラフルオロホウ酸(HBF4 )溶液とリン酸(H3 PO4 )溶液とが所定の割合で混合されたことを特徴とする半導体基板上の汚染物質を取り除くための洗浄溶液を提供する。
【0012】
本発明において、前記洗浄溶液は界面活性剤をさらに含み、前記リン酸溶液に対するテトラフルオロホウ酸溶液の混合割合は0.01ないし25重量%であり、前記リン酸溶液に対する界面活性剤の割合は0.001 ないし5 重量%であることが望ましい。
【0013】
前記他の目的を達成するために本発明による半導体基板の洗浄方法は、a)テトラフルオロホウ酸(HBF4 )溶液とリン酸(H3 PO4 )溶液の混合液が入っている第1液槽に半導体基板を浸す段階と、b)脱イオン水が入っている第2液槽に前記基板を移して基板の表面に残存する洗浄溶液を取り除く段階とを具備することを特徴とする。
【0014】
前記本発明による半導体基板の洗浄方法は、前記b)段階の後、脱イオン水が入っている第3液槽に前記半導体基板を移して基板の表面に残存する異物を取り除く段階と、前記基板の表面に残っている脱イオン水を取り除く乾燥段階とをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
かつ、前記洗浄溶液は界面活性剤を更に含み、前記リン酸溶液に対するテトラフルオロホウ酸溶液の混合割合は0.01ないし25重量%であり、前記リン酸溶液に対する界面活性剤の割合は0.001 ないし5 重量%であることが望ましい。なお、前記a)段階で用いられる洗浄溶液の温度は20ないし60℃であることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付した図面に基づき更に詳細に説明する。
【0017】
洗浄溶液
リン酸(H3 PO4 )溶液の総重量に対して0.01ないし25重量%になるようにテトラフルオロホウ酸(HBF4 )溶液を添加する。次いで、前記溶液を所定時間だけ攪拌し混合して洗浄溶液を完成する。この際、前記リン酸溶液とテトラフルオロホウ酸溶液の純度は、それぞれ1ないし55%であることが望ましい。
【0018】
かつ、前記リン酸溶液の総重量に対して0.001 ないし5 重量%になるように正イオン、負イオン、非イオン性系の界面活性剤のうち選択された何れか一つの界面活性剤をさらに添加することが望ましい。
【0019】
このように作られた本発明の洗浄溶液は、半導体素子の製造段階で発生するポリマー、金属物質および蝕刻残留物のような汚染物質などを効率よく取り除き得る。
【0020】
詳しく説明すると、テトラフルオロホウ酸は有機金属性のポリマー、特にオキソ- 金属性ポリマーの除去に非常に優れている。かつ、導電膜に対する腐蝕性がほとんどないため、導電膜パターンのプロファイルを深刻に変形させた従来の問題点が解決される。なお、蝕刻工程中に損なわれた酸化膜も洗浄溶液により取り除かれ得る。
【0021】
リン酸は、下記の化1のように、金属と配位結合を形成する。従って、金属汚染粒子が半導体基板に作用することを防止することができる。
【0022】
【化1】
【0023】
また、洗浄溶液の他の構成要素である界面活性剤は、洗浄工程の後に汚染粒子が半導体基板に再び取り付けられることを防止する。
【0024】
即ち、本発明による洗浄溶液は、有機金属性のポリマーと金属汚染物質を選択的に取り除く優れた洗浄効果がある。また、ポリイミドをフォトレジストとして用いる場合に発生する硬化されたポリマーの除去に優秀な効果を発揮する。なお、金属に対する腐蝕性が非常に低いので、従来のように洗浄設備が損なわれる問題点が解決される。
【0025】
洗浄方法
本発明による洗浄溶液を用いて基板を洗浄する方法は、次のような段階から構成される。まず、第1段階で本発明による洗浄溶液が入っている第1液槽に半導体基板を所定時間だけ浸して基板表面の汚染物質( 金属び有機金属性ポリマー) を取り除く。次いで、第2段階では脱イオン水が入っている第2液槽に基板を浸して基板の表面に残存する洗浄溶液を取り除く。この際、第1段階で用いられる洗浄溶液の温度は20ないし60℃程度に調節することが望ましい。
【0026】
前記第2段階が完了した後、脱イオン水が入っている第3液槽に前記半導体基板を浸して基板の表面に残存する異物を取り除く第3段階および基板を乾燥させることにより基板の表面に残っている脱イオン水を取り除く乾燥段階の第4段階を更に具備することもできる。
【0027】
【発明の効果】
本発明による洗浄方法では、洗浄溶液を取り除くためにリンス剤にて濯ぐ工程が要らなくなる。従って、洗浄工程にかかる時間を短縮することができ、工程が単純化されて生産性が大幅に向上する。
【0028】
また、従来の洗浄溶液は十分な活性のために60ないし90℃で反応させるが、本発明による洗浄溶液は実温を含む温度、すなわち20ないし60℃程度で反応させる。従って、従来より工程条件を設定しやすくなる。また、一定時間毎に行われる洗浄溶液の交換時に洗浄溶液の温度を実温に下げる必要がないので、洗浄溶液の取替え時間が大幅に減少して設備稼動率を向上させることができる。なお、従来の洗浄溶液より洗浄溶液自体内の金属イオンおよび汚染粒子の含有量が低いため、洗浄工程中に半導体基板の表面に金属イオンおよび汚染粒子などが再び吸着される現象を抑制することができる。さらに、従来の洗浄溶液より低コストなので、半導体装置の生産コストを下げることができる。
【0029】
本発明は前記実施例に限られず、本発明が属する技術的思想の範囲内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が可能であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンタクトホールの形成直後の半導体基板を従来のフォトレジストストリッパ又は有機ストリッパを用いて洗浄した場合を示した断面図である。
【図2】従来の洗浄工程により導電膜パターンのプロファイルが深刻に変形された場合を示した断面図である。
【符号の説明】
10…半導体基板
20…層間絶縁膜
30…導電膜
30A…導電膜パターン
40…酸化膜
50…コンタクトホール
60…汚染物質
Claims (10)
- テトラフルオロホウ酸(HBF4 )溶液とリン酸(H3 PO4 )溶液とが所定の割合で混合されたことを特徴とする半導体基板上の汚染物質を取り除くための洗浄溶液。
- 前記洗浄溶液は界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄溶液。
- 前記リン酸溶液に対するテトラフルオロホウ酸溶液の混合割合は0.01ないし25重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄溶液。
- 前記リン酸溶液に対する界面活性剤の割合は0.001ないし5重量%であることを特徴とする請求項2に記載の洗浄溶液。
- a)テトラフルオロホウ酸(HBF4 )溶液とリン酸(H3PO4 )溶液の混合液が入っている第1液槽に半導体基板を浸す段階と、
b)脱イオン水が入っている第2液槽に前記基板を移して基板の表面に残存する洗浄溶液を取り除く段階とを具備することを特徴とする半導体基板の洗浄方法。 - 前記b)段階の後、脱イオン水が入っている第3液槽に前記半導体基板を移して基板の表面に残存する異物を取り除く段階と、
前記基板の表面に残っている脱イオン水を取り除く乾燥段階とをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体基板の洗浄方法。 - 前記洗浄溶液は界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体基板の洗浄方法。
- 前記リン酸溶液に対するテトラフルオロホウ酸溶液の混合割合は0.01ないし25重量%であることを特徴とする請求項5又は請求項7に記載の半導体基板の洗浄方法。
- 前記リン酸溶液に対する界面活性剤の割合は0.001ないし5重量%であることを特徴とする請求項7に記載の半導体基板の洗浄方法。
- 前記a)段階で用いられる洗浄溶液の温度は20ないし60℃であることを特徴とする請求項5に記載の半導体基板の洗浄方法。
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