JP2013101178A - 接着性粒子、液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温接着条件下でも強い接着力を得ることができる接着性粒子、液晶表示素子用スペーサ及びそれらを用いた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】母材粒子2の表面が接着性を持った被覆層3によって被覆された接着性粒子において、被覆層3は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば90℃以下に加熱するような低温接着条件下において強固な接着性を持つ接着性粒子、液晶表示素子用スペーサ及びそれらを用いた液晶表示素子に関するものである。
従来から、母材となる粒子(母材粒子)の表面を樹脂により被覆した粒子は様々な用途に用いられている。特に液晶表示素子や燃料電池等の分野では、それらを構成する基板間にギャップを形成するために粒子を介在させることが行われている。この場合に粒子に求められる性質は基板との接着性であり、接着性を持っていることによって基板内での粒子の移動を抑制することが可能になる。
このような要求を満たす粒子としては、接着性を有する被覆層を母材粒子の表面に形成した接着性粒子があり、例えば、特許文献1には、母材粒子表面に重合性単量体を重合によりコーティングし、加熱溶融性の被覆層を形成した液晶表示素子用スペーサが開示されている。
また、特許文献2には、長鎖アルキル基を有する重合性単量体の含有量を50%未満とすることによってガラス転移点(Tg)が50℃以上となった微小粒子を、電荷が逆の母材粒子表面に静電引力により付着させた被覆粒子からなる液晶表示素子用スペーサが開示されている。
特開2006−321940号公報 特開2003−177409号公報
ところで、例えば液晶表示素子の高機能化に伴い、基板へのTFTの導入や、ガラス基板をプラスチック基板へ転換することなどが行われており、例えば90℃以下の低温接着条件下で接着性粒子と基板とを接着したいという要求が強くなってきている。
しかしながら、上記した従来の方法で製造された粒子の被覆層は単量体の重合物であることが多く、被覆層の融点を下げるのには限界があった。すなわち、被覆層を重合物とした場合、120℃以上の高温接着条件下でなければ化学反応や被覆層の溶融が十分に起こらず、例えば90℃以下の低温接着条件下では粒子の基板に対する接着力が弱い。接着力が弱いと粒子が基板間で移動し、このことで基板のギャップ変動が発生し、液晶表示素子の機能を著しく低下させるという問題や、粒子の表面に存在している液晶を配向させる成分が融け残った被覆層により十分に発現せず、液晶表示素子を点灯表示した際に粒子周辺から光が漏れる、いわゆる光抜けが発生することにより液晶表示素子の機能を著しく低下させるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低温接着条件下でも強い接着力を得ることができる接着性粒子、液晶表示素子用スペーサ及びそれらを用いた液晶表示素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆された接着性粒子において、上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする接着性粒子である。
この構成によれば、被覆層を形成するタッキファイヤーが熱可塑性樹脂の分子間に入り込んだ状態となっているので、熱可塑性樹脂の分子間で潤滑剤のような働きをすることになり、これにより、被覆層の融点が熱可塑性樹脂の融点よりも低くなる。よって、低温度接着条件下においても被覆層が溶融して強い接着力が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、被覆層を形成する粘着付与剤の混合割合は、被覆層を形成する全成分に対し30重量%以上90重量%以下であることを特徴とするものである。
この構成によれば、粘着付与剤が全成分に対し30重量%よりも少ないと、熱可塑性樹脂の分子間における潤滑剤的な働きが不十分となり、低温度接着条件下における被覆層の溶融が不十分になる。
一方、粘着付与剤が全成分に対し90重量%よりも多いと、被覆層が脆化して被覆層の形成時に表面に微粉が発生し、滑らかな粒子表面を得ることができなくなる。また、被覆層の加熱時に被覆層が液化して流れやすくなってしまい、冷却後の接着力が低下する。
したがって、粘着付与剤の混合割合を本発明の範囲とすることで、低温度接着条件下において被覆層を適度に溶融させて強い接着力が得られ、また、表面の滑らかな接着性粒子となる。
第3の発明は、第1または2の発明において、被覆層の溶融温度は90℃以下に設定されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、接着性粒子を特に液晶表示素子用スペーサとして用いる場合に、被覆層が90℃以下で溶融することにより、基板のTFTやプラスチック製基板に対する熱による悪影響を低減することが可能になる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、母材粒子が着色されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、接着性粒子を特に液晶表示素子用スペーサとして用いる場合に、母剤粒子を透過する光が殆どなくなるので、光抜けの少ない液晶表示素子が得られる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、母材粒子は、液晶の配向規制を行うための表面処理が施されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、接着性粒子を特に液晶表示素子用スペーサとして用いる場合に、被覆層が溶融すると、母材粒子に施された表面処理が露出することになる。そして、粒子の周囲に存在している液晶は、母材粒子に施された表面処理によって配向規制され、これにより、接着性粒子周囲の光抜けが抑制される。
第6の発明は、母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆されるとともに、液晶表示素子を構成する基板間に介在することによって該基板間にギャップを形成するための液晶表示素子用スペーサにおいて、上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、低温度接着条件下においても被覆層が溶融して強い接着力を確保できる液晶表示素子用スペーサが得られる。
第7の発明は、母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆された接着性粒子を基板間に介在させることによって該基板間にギャップを形成した液晶表示素子において、上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とするものである。
第1の発明によれば、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で被覆層を形成したので、低温度接着条件下においても被覆層を溶融させて強い接着力を得ることができる。
第2の発明によれば、粘着付与剤の混合割合を全成分に対し30重量%以上90重量%以下としたので、低温度接着条件下において被覆層を適度に溶融させて強い接着力を得ることができるとともに、接着性粒子の表面を滑らかにすることができる。
第3の発明によれば、被覆層の溶融温度を90℃以下に設定したので、基板のTFTやプラスチック製基板に対する熱による悪影響を低減できる。
第4の発明によれば、母材粒子を着色したので、接着性粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いる場合に光抜けの少ない液晶表示素子を得ることができる。
第5の発明によれば、接着後の母材粒子によって液晶の配向規制を行うことができるので、接着性粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いる場合にスペーサ周囲の光抜けの少ない液晶表示素子を得ることができる。
第6の発明によれば、低温度接着条件下においても基板に強固に接着する液晶表示素子用スペーサを得ることができる。
第7の発明によれば、低温度接着条件下において基板と液晶表示素子用スペーサとを強固に接着した液晶表示素子を得ることができる。
接着性粒子の断面図である。 液晶表示素子の断面図である。 接着力試験の要領を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる接着性粒子1の断面図である。接着性粒子1は、母材粒子2と、母材粒子2の表面を被覆する被覆層3とを備えている。被覆層3の成分はタッキファイヤーと熱可塑性樹脂との混合物である。
上記母材粒子2の平均粒子径の好ましい下限は、1.0μmであり、好ましい上限は500μmである。より好ましい下限は、2.0μmであり、より好ましい上限は200μmである。
母材粒子2の平均粒子径が1.0μm未満であると接着性粒子1の製造時に凝集が生じやすくなる。凝集が生じやすいと、接着性粒子1を液晶表示素子の基板間に介在させてギャップを形成するためのスペーサとして使用する場合に、ギャップを適正値にすることが困難になり、スペーサとしての使用ができなくなる。
一方、母材粒子2の平均粒子径が500μmを越えると、母材粒子2が大きすぎて被覆層3の溶融による接着面積が母材粒子2に対して狭く、接着力が十分でなくなる場合がある。
尚、母材粒子2の平均粒子径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、粒度分布計、動的光散乱粒度分布計等を用いて計測した粒子経を統計的に処理して求めることができる。
上記母材粒子2を構成する材料としては、加熱接着時に溶融しない融点を持つものであれば特に限定されず、例えば、公知の有機化合物やシリカ等の無機化合物等が挙げられる。特に好ましい材料は、接着性粒子1を液晶表示素子のガラス製基板間に介在させて加熱圧着したときに基板間に適正なギャップを安定して確保できる材料が好ましく、無機化合物よりも圧縮変形しやすい有機化合物である。また、基板間に適正なギャップを確保する観点から、母材粒子2の粒度分布は狭い方が好ましい。
上記母材粒子2として用いられる球状の原料体としては、ビニルモノマーやアクリル酸エステル、シラノール基を有する単量体等を用い、これらを単独、共重合または縮合させて製造した微球体を用いることができるが、これらの原料に限られるものではない。
また、粒度分布の狭い母材粒子2を製造する方法としては、スチレンのポリマーやポリメタクリル酸メチルを核として、これにモノマーを吸収させるか、またはこれを膨潤させてから重合させる、シード重合法や、水に不溶なモノマーを界面活性能の効果がある水系の分散媒中で高速攪拌して懸濁状態にし、次いで加熱することにより重合させる、懸濁重合法等があり、いずれの方法であってもよい。
シード重合法の場合、得られる母材粒子2は、元々、粒度分布が狭いのでそのまま使用することができる。また、懸濁重合法の場合、シード重合法の場合に比べて粒度分布が広いので、分級等の工程を必要とする場合が多い。
母材粒子2は、それ自体を着色して着色粒子としてもよいし、また、母材粒子2の表面部分を着色層で構成してもよい。この場合の着色とは、液晶表示素子のスペーサとして使用した場合に、接着性粒子1自体からの光抜けを抑制することのできる色であり、例えば黒色等である。
また、母材粒子2の表面には、被覆層3を形成するのに先立って液晶の配向規制を行う表面処理を施してもよい。これは、接着性粒子1を液晶表示素子のスペーサとして使用する場合に、接着性粒子1の周囲に存在している液晶を、光抜けを抑制する方向に配向させるための処理であり、例えば、多数の長鎖アルキル等を母材粒子2の表面に放射状に突出するように形成する処理である。このような表面処理済みの母材粒子2の表面に被覆層3を形成することで、十分な接着性を発揮させながら、接着性粒子1の周囲からの光抜けを抑制することが可能になる。
被覆層3の原料として使用されるタッキファイヤーと熱可塑性樹脂との組み合わせは任意に決定できるが、この2種類の材料の溶解度パラメータ(以下、SP値という)が近い方が、母材粒子2を被覆した状態で層分離を起こしにくく、より均一な径の接着性粒子1を得ることができるので好ましい。
また、被覆層3の原料を溶媒中に溶解させて使用する場合、使用する原料と溶媒のSP値とが近い方がより均一な径の接着性粒子1を得ることができるので好ましい。
タッキファイヤーは粘着付与剤ともいい、ゴムやプラスチック等の高分子に添加して、これら高分子と相溶して粘着性を付与させる配合剤として使用されるものである。
被覆層3の原料として使用されるタッキファイヤーの種類としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂等の粘着付与樹脂等が挙げられ、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン化ロジン樹脂、フマル化ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン油、アルキルフェノール樹脂、スチレン・マレイン酸半エステル樹脂、ケトン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられるが、これらの原料に限られたものではない。
被覆層3の原料として使用される熱可塑性樹脂の種類としては、オレフィン樹脂と称される、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等、ビニル樹脂と称される、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル等、スチロール樹脂と称される、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート樹脂、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合体等、アクリル樹脂と称される、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、環状ポリオレフィンと称される、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体、1,3シクロヘキサジエン・スチレン共重合体等、フッ素樹脂と称される、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロジオキソール共重合体等、熱可塑性ポリエステルと称される、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレン・ジメチレンテレフタレート、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテル樹脂と称される、ポリオキシメチレン、ポリアセタール、ポリビニルアセタール等、ポリカーボネート等が挙げられるが、これらの原料に限られるものではない。
被覆層3を形成するタッキファイヤーの混合割合は、被覆層3を形成する全成分に対し30重量%以上90重量%以下に設定している。より好ましいタッキファイヤーの混合割合の下限値は、40重量%であり、上限値は70重量%である。
被覆層3を形成するタッキファイヤーの混合割合が30重量%未満の場合、被覆層3の加熱溶融温度が十分に低下せず、被覆層3を形成する熱可塑性樹脂と同程度の溶融温度となるので、30重量%以上が好ましい。
一方、被覆層3を形成するタッキファイヤーの混合割合が90重量%より多い場合、被覆層3が脆化しやすくなる。被覆層3が脆化すると、被覆層3の形成時に被覆層3に微粉が発生してしまい、接着性粒子1の表面を滑らかにすることができなくなるので、90重量%以下が好ましい。
さらに、被覆層3を形成するタッキファイヤーの混合割合が90重量%より多い場合、被覆層3の加熱溶融時に被覆層3が液化して流れやすくなってしまい、冷却後の接着力が低下する。
被覆層3の形成方法としては、タッキファイヤーと熱可塑性樹脂とを予め混合した原料を得た後、その原料を粉砕して母材粒子2よりも小さい粒径の微粉末にし、ハイブリタリゼーションやメカノヒュージョン等、機械的に母材粒子2表面に被覆層3を形成する方法、有機溶剤にタッキファイヤーと熱可塑性樹脂を溶解し、その溶液に母材粒子2を分散させたものをスプレードライヤー等のノズルを使用して噴射することで母材粒子2表面に被覆層3を形成する方法、有機溶剤にタッキファイヤーと熱可塑性樹脂を溶解し、その溶液に母材粒子2を分散させた後、タッキファイヤーと熱可塑性樹脂に対して溶解性の低い貧溶媒を加えることにより、母材粒子2表面にタッキファイヤーと熱可塑性樹脂とを析出させて被覆層3を形成する方法、有機溶剤にタッキファイヤーと熱可塑性樹脂を溶解し、その溶液に母材粒子2を分散させた後、攪拌しながら有機溶剤を蒸発させて母材粒子表面に被覆層3を形成する方法等が挙げられるが、母材粒子表面に被覆層3を形成可能な方法であればよく、上記した方法に限定されるものではない。
上記のように構成された接着性粒子1は、例えば90℃以下に加熱される雰囲気(低温度接着条件)下においても被覆層3が適度に溶融する。すなわち、被覆層3を形成しているのは熱可塑性樹脂のみではなく、熱可塑性樹脂にタッキファイヤーが混合した混合物である。熱可塑性樹脂に混合したタッキファイヤーは、熱可塑性樹脂の分子間に入り込んだ状態となっているので、熱可塑性樹脂の分子間で潤滑剤のような働きをすることになる。このとき、タッキファイヤーの混合割合が30重量%以上であるので、被覆層3の融点が熱可塑性樹脂の融点よりも低くなり、90℃に加熱しても溶融する。また、タッキファイヤーの混合割合が90重量%以下であるので、被覆層3が液化して流れすぎることはなく、適度に流れることになる。よって、強い接着力が得られる。
また、図2に示すように、接着性粒子1は、液晶表示素子用スペーサとして用いることができる。この場合、液晶表示素子10を構成する基板11,11間に接着性粒子1を介在させて接着性粒子1を基板11,11に接着させて用いる。
接着性粒子1を液晶表示素子用スペーサとする場合には、上記したように低温度接着条件下で強い接着力を得ることができるので、TFTを導入した基板やプラスチック製基板に対して熱による悪影響を抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施例を説明する。尚、本発明はこれら実施例のみに限定して解釈されるものではない。
(各測定方法)
接着性粒子1の粒子径の測定方法について説明する。接着性粒子1を乾燥させた後、電子顕微鏡JMS−6060(日本電子テクニクス株式会社製)を用いて粒子経を測定する。
被覆層3の厚さの測定方向について説明する。はじめに、母材粒子2の粒子径を、粒度分布計コールターカウンターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて30000個測定し、個数平均粒子径を計算する。その後、被覆層3を形成した後、同様の方法で接着性粒子1の個数平均粒子径を測定する。被覆層3の厚みは次式で得られる。
被覆層の厚み=(接着性粒子径−母材粒子径)/2
(評価方法)
接着性粒子1の接着力の評価方法は次のとおりである。
まず、図3に示すように、スライドグラスを用意する。スライドグラスの表面に多数の接着性粒子1を均一に散布し、恒温槽に収容して任意の温度(下表1に示す70℃、90℃、110℃、130℃)で30分間加熱を行う。
加熱後、スライドグラスを恒温槽から取り出して自然冷却させ、その後、エアーガンを使用してスライドグラスにエアを吹き付ける。このエアーガンのノズルとスライドグラスの表面との離間寸法は5cmであり、ノズルとスライドグラスとは対向させる。また、エアーガンから吹き出す圧縮エアの圧力は0.4MPaであり、吹き付け時間は30秒である。
その後、エアの吹き付け部分の接着性粒子1の残存率を、透過型光学顕微鏡CX−51(オリンパス株式会社製)を用いて測定する。残存率は次式で得られる。
残存率=圧縮エア吹き付け後の接着性粒子数/散布直後の接着性粒子数×100%
接着性粒子1の表面形状の評価方法は次のとおりである。
上記電子顕微鏡を使用し、加熱後の接着性粒子1の表面を観察する。
実施例1〜6及び比較例1、2を上記評価方法によって評価した場合の接着力と表面状態を表1に示す。
Figure 2013101178
尚、表1の表面状態の欄において、「○」は被覆層3が完全に溶融している状態を示し、「△」は被覆層3が部分的に溶融している状態を示し、「×」は被覆層3が溶融していない状態を示す。
(実施例1)
実施例1の接着性粒子1の製造方法について説明する。実施例1では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へアセトン50重量%、タッキファイヤー(荒川化学工業株式会社製パインクリスタルKR−85)0.02重量%、ポリ酢酸ビニル(和光純薬株式会社製ポリ酢酸ビニル50%メタノール溶液)0.04重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に母材粒子2(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11、平均粒子径:5.90μm、CV値2.64%)を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.02μm、被覆層の厚み:0.06μmの接着性粒子1を得た。
(実施例2)
実施例2の接着性粒子1の製造方法について説明する。実施例2では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へトルエン50重量%、タッキファイヤー(ヤスハラケミカル株式会社製クリアロンK−110)0.02重量%、ポリビニルブチラール(クラレ株式会社製mowital LPB−16H)0.02重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に母材粒子2(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11、平均粒子径:5.90μm、CV値2.64%)を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.00μm、被覆層の厚み:0.05μmの接着性粒子1を得た。
(実施例3)
実施例2の製造方法をベースにして、母材粒子2をハヤビーズL−11、平均粒子径:50.50μm、CV値1.24%)に変更した。平均粒子径:50.90μm、被覆層の厚み:0.20μmの接着性粒子1を得た。
(実施例4)
実施例4の接着性粒子1の製造方法について説明する。実施例4では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へトルエン50重量%、タッキファイヤー(ヤスハラケミカル株式会社製クリアロンK−110)0.03重量%、ポリビニルブチラール(クラレ株式会社製mowital LPB−16H)0.01重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に母材粒子2(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11、平均粒子径:5.90μm、CV値2.64%)を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.04μm、被覆層の厚み:0.07μmの接着性粒子1を得た。
(実施例5)
実施例5の接着性粒子1の製造方法について説明する。実施例5では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へトルエン50重量%、タッキファイヤー(ヤスハラケミカル株式会社製クリアロンK−110)0.03重量%、ポリビニルブチラール(クラレ株式会社製mowital LPB−16H)0.01重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に着色した母材粒子2であるハヤビーズL−34(早川ゴム株式会社製)、平均粒子径:6.00μm、CV値2.77%を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.11μm、被覆層の厚み:0.06μmの接着性粒子1を得た。
(実施例6)
実施例6の接着性粒子1の製造方法について説明する。実施例6では、実施例4と同様のタッキファイヤーと熱可塑性樹脂との混合溶液を調整した。
そして、上記溶液中に母材粒子2(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11−HY、平均粒子径:6.00μm、CV値2.60%)を15重量%投入し攪拌を行いながら常温で溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.16μm、被覆層の厚み:0.08μmの接着性粒子1を得た。ハヤビーズL−11−HYは、表面に、液晶の配向規制を行う表面処理が施された母材粒子である。
(比較例1)
比較例1の接着性粒子の製造方法について説明する。比較例1では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へアセトン50重量%、ポリ酢酸ビニル(和光純薬株式会社製ポリ酢酸ビニル50%メタノール溶液)0.08重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に母材粒子(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11、平均粒子径:5.90μm、CV値2.64%)を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.08μm、被覆層の厚み:0.09μmの接着性粒子を得た。
(比較例2)
比較例2の接着性粒子の製造方法について説明する。比較例2では、300mlの丸底セパラブルフラスコ中へアセトン50重量%、ポリビニルブチラール(クラレ株式会社製mowital LPB−16H)0.04重量%を添加して50℃に加熱して攪拌を行った。
次に、上記溶液中に母材粒子(早川ゴム株式会社製ハヤビーズL−11、平均粒子径:5.90μm、CV値2.64%)を20重量%投入し攪拌を行いながら真空乾燥機にて溶媒を蒸発させ、平均粒子径:6.04μm、被覆層の厚み:0.07μmの接着性粒子を得た。
上記表1には、実施例1〜6及び比較例1、2をそれぞれ恒温槽で70℃、90℃、110℃、130℃に加熱した場合の接着力と表面状態を示している。
表1から明らかなように、実施例1〜6では、被覆層3を、タッキファイヤーと熱可塑性樹脂との混合物で形成しているので、熱可塑性樹脂のみで被覆層を形成した比較例1、2に比べて低温度接着条件下で強い接着力が得られるとともに、表面状態も完全溶融したものが多い。
具体的には、実施例1〜6の全てにおいて加熱温度が90℃であっても、110℃や130℃まで加熱した場合と同程度の強い接着力が得られている。一方、比較例1、2では、加熱温度が90℃の場合の接着力は、110℃の場合の接着力に比べて1/2以下である。この理由は、比較例1、2では、加熱温度が90℃くらいでは被覆層3が完全に溶融しなかったためである。
以上説明したように、本発明は、液晶表示素子用スペーサに用いることができる。
1 接着性粒子(液晶表示素子用スペーサ)
2 母材粒子
3 被覆層
10 液晶表示素子
11 基板

Claims (7)

  1. 母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆された接着性粒子において、
    上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする接着性粒子。
  2. 請求項1に記載の接着性粒子において、
    被覆層を形成する粘着付与剤の混合割合は、被覆層を形成する全成分に対し30重量%以上90重量%以下であることを特徴とする接着性粒子。
  3. 請求項1または2に記載の接着性粒子において、
    被覆層の溶融温度は90℃以下に設定されていることを特徴とする接着性粒子。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の接着性粒子において、
    母材粒子が着色されていることを特徴とする接着性粒子。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の接着性粒子において、
    母材粒子は、液晶の配向規制を行うための表面処理が施されていることを特徴とする接着性粒子。
  6. 母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆されるとともに、液晶表示素子を構成する基板間に介在することによって該基板間にギャップを形成するための液晶表示素子用スペーサにおいて、
    上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする液晶表示素子用スペーサ。
  7. 母材粒子の表面が接着性を持った被覆層によって被覆された接着性粒子を基板間に介在させることによって該基板間にギャップを形成した液晶表示素子において、
    上記被覆層は、粘着付与剤と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする液晶表示素子。
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